JP2000131866A - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

Info

Publication number
JP2000131866A
JP2000131866A JP10305498A JP30549898A JP2000131866A JP 2000131866 A JP2000131866 A JP 2000131866A JP 10305498 A JP10305498 A JP 10305498A JP 30549898 A JP30549898 A JP 30549898A JP 2000131866 A JP2000131866 A JP 2000131866A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
overcoat layer
fine powder
layer
photosensitive
conductive fine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10305498A
Other languages
English (en)
Inventor
Akiyoshi Urano
彰良 浦野
Masanori Uchida
真紀 内田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Mita Industrial Co Ltd
Original Assignee
Mita Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mita Industrial Co Ltd filed Critical Mita Industrial Co Ltd
Priority to JP10305498A priority Critical patent/JP2000131866A/ja
Publication of JP2000131866A publication Critical patent/JP2000131866A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 オーバコート層の導電性能を良好にして、感
光体としての感度を高め、得られる画像の質を向上させ
ることができる電子写真感光体を提供する。 【解決手段】電子写真感光体11は感光ドラム本体12
と、その感光ドラム本体12上の感光層13と、その感
光層13上のオーバコート層14とから構成されてい
る。オーバコート層14中には導電性微粉末としてのア
ンチモンをドープした酸化ズズが含有されている。ま
た、導電性微粉末はその比表面積が70〜90m2 /g
の範囲内のものが使用され、その含有量はオーバコート
層14中の樹脂の固形分100重量部に対して10〜5
0重量部の範囲である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば電子写真
式複写機、レーザプリンタ、普通紙ファクシミリ装置等
の画像形成装置に使用される電子写真感光体に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、液体現像用の電子写真感光体は、
画像形成装置内において、回転可能に支持された感光ド
ラム本体と、その感光ドラム本体上に形成された感光層
と、その感光層を被覆するように形成されたオーバコー
ト層とから構成されている。感光層は電荷発生剤と、電
荷輸送剤と、電荷発生剤及び電荷輸送剤が分散された結
着樹脂等とから構成されている。
【0003】オーバコート層は、現像時に、現像装置か
ら供給される現像剤により、感光層を構成する電荷輸送
剤及び電荷発生剤が溶解するのを防止するために設けら
れている。感光体の周囲には帯電器及び露光器が配置さ
れ、帯電器により、回転する感光体の表面を正電荷によ
り帯電させ、感光体ドラム本体上を負電荷に帯電させ
る。さらに、露光器により、レーザ光による光像を照射
して感光体表面に静電潜像を形成させるようになってい
る。
【0004】そして、その静電潜像に現像装置から液状
の現像剤に分散されたトナーが供給され、静電潜像の現
像が行われた後、記録用紙にトナーによる可視像を転写
するようになっている。
【0005】また、可視像を転写した後の感光体は、ク
リーニングブレードの端縁が感光体の表面に接触するこ
とによって残留しているトナーが除去され、除電器によ
り感光体上の正電荷を除去するようになっている。
【0006】しかし、オーバコート層は絶縁性を有する
シリコーン系樹脂により形成され、その電気抵抗が高く
なっている。そのため、電荷発生剤により発生した電子
を電荷輸送剤によりオーバコート層表面へ輸送させると
き、その輸送が遅くなり、オーバコート層上の正電荷が
確実に打ち消されないという問題があった。そこで、オ
ーバコート層の電気抵抗を低下させるために、例えばオ
ーバコート層中に導電性微粉末を含有させた感光体が提
案された。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、オーバコー
ト層中に含有された導電性微粉末の比表面積が小さすぎ
ると、導電性微粉末が導電体としての機能を十分に発揮
できず、オーバコート層の電気抵抗が高くなる。そのた
め、オーバコート層表面への電荷の輸送が遅くなり、帯
電状態の感度が低下し、得られる画像の質の低下を招く
という問題があった。
【0008】この発明は、このような従来技術に存在す
る問題に着目してなされたものである。その目的とする
ところは、オーバコート層の導電性能を良好にして、感
光体としての感度を高め、得られる画像の質を向上させ
ることができる電子写真感光体を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に記載の電子写真感光体は、導電性基体
と、その導電性基体上に形成され、少なくとも電荷発生
剤、電荷輸送剤及び結着樹脂よりなる感光層と、その感
光層上に形成されるオーバコート層とを有する単層型有
機感光体よりなり、前記オーバコート層は、比表面積が
70〜90m2/gの導電性微粉末を含有するものであ
る。
【0010】請求項2に記載の電子写真感光体は、請求
項1に記載の発明において、前記導電性微粉末の含有量
はオーバコート層中の樹脂の固形分100重量部に対し
て10〜50重量部の範囲であるものである。
【0011】請求項3に記載の電子写真感光体は、請求
項1又は請求項2に記載の発明において、前記導電性微
粉末はアンチモンをドープした酸化ズズである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、この発明の第1実施形態
を、図面に基づいて詳細に説明する。図1及び図2に示
すように、電子写真感光体11は導電性基体としての感
光ドラム本体12と、感光ドラム本体12表面に形成さ
れた感光層13と、感光層13上に形成されたオーバコ
ート層14とから形成されている。この感光体11は支
持軸11aにより回転可能に支持されている。帯電器2
1は感光体11の上方位置に配置され、感光体11表面
が正極性の電荷、感光ドラム本体12の表面が負極性の
電荷に帯電されるようになっている。露光器22は、感
光体11の回転方向において帯電器21より進行側に配
置され、感光体11に光像を照射し、静電潜像を形成さ
せる。
【0013】現像装置23は、感光体11の回転方向に
おいて露光器22より進行側に配置され、その内部の現
像ローラ23aにより感光体11表面の静電潜像にトナ
ーを供給することによって、静電潜像が顕像化され、可
視像とされる。この現像装置23には、乾式現像装置と
液体現像装置の2種類があり、本実施形態においては液
体現像装置が使用されている。転写器24は、感光体1
1の下方位置に2点鎖線で示す転写紙25に感光体11
表面の可視像を転写するようになっている。
【0014】クリーニング装置26は、感光体11の回
転方向において、転写器24より進行側に配置され、ク
リーニングブレード26aにより、転写後の感光体11
表面に残留するトナーを除去する。除電器27は、クリ
ーニング装置26と帯電器21との間に設けられ、感光
体11表面に残留する電荷を消去する。
【0015】上記のように、画像形成装置は、電子写真
感光体11の周囲に各装置が設けられることにより、転
写紙25上に電子写真よりなる画像を印刷するようにな
っている。
【0016】前記感光ドラム本体12は、導電性を有す
る材料によって形成される。この導電性を有する材料と
しては、アルミニウム、鉄、銅、スズ、白金、銀、バナ
ジウム、モリブデン、クロム、カドミウム、チタン、ニ
ッケル、パラジウム、インジウム、ステンレス鋼、真鍮
等の金属が挙げられる。この感光ドラム本体12は、前
記金属単体のみ、これら金属を表面に蒸着又はラミネー
トしたプラスチック材料又はヨウ化アルミニウム、酸化
スズ、酸化インジウム等で被覆されたガラス等によって
形成される。感光ドラム本体12は、アルミニウムのみ
を材料として円筒状に形成されている。
【0017】感光層13は電荷発生剤、電荷輸送剤、結
着樹脂等を溶剤に溶解又は分散させることによって得ら
れた塗布液を、感光ドラム本体12の表面に塗工するこ
とによって形成される。従って、この感光層13は単層
型の有機感光体を形成する。
【0018】電荷発生剤は、露光器22による露光過程
において電子を放出するとともに、正孔を生成する薬剤
である。このような電荷発生剤としては、無金属フタロ
シアニン、オキソチタニルフタロシアニン等のフタロシ
アニン系顔料、ペレリン系顔料、ビスアゾ顔料、ジチオ
ケトピロロピロール顔料、無金属ナフタロシアニン顔
料、金属ナフタロシアニン顔料、スクアライン顔料、ト
リスアゾ顔料、インジゴ顔料、アズレニウム顔料、シア
ニン顔料、セレン、セレン−テルル、アモルファスシリ
コン、ピリリウム塩、アンサンスロン系顔料、トリフェ
ニルメタン系顔料、スレン系顔料、トルイジン系顔料、
ピラゾリン系顔料、キナクリドン系顔料等が挙げられ
る。そして、電荷発生剤は所望とする領域に吸収波長を
有するように、上に挙げたものの中から1種又は2種以
上が選択されて使用される。
【0019】これら電荷発生剤は感光体11表面におけ
る残留電位を低くし、感度を向上させるため、イオン化
電位が4.8〜6.0eVのものが好ましく、5.0〜
5.8eVのものがより好ましい。このような電荷発生
剤としては、X型無金属フタロシアニン、オキソチタニ
ルフタロシアニン等のフタロシアニン系顔料又はペリレ
ン系顔料が特に好ましい。このうち、フタロシアニン系
顔料は、700nm以上の波長を有する光源を用いたデ
ジタル光学系の画像形成装置の電荷発生剤として好まし
い。また、ペレリン系顔料は、可視領域の波長を有する
光源を用いたアナログ光学系の画像形成装置の電荷発生
剤として好ましい。
【0020】電荷輸送剤である正孔輸送剤は、電荷発生
剤から生成された正孔が注入され、正孔輸送剤間での授
受により感光ドラム本体12へ正孔を輸送し、感光ドラ
ム本体12の表面に帯電した負電荷を打ち消すようにな
っている。
【0021】このような正孔輸送剤としては、2,5−
ジ(4−メチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサ
ジアゾール等のオキサジアゾール系化合物、9−(4−
ジエチルアミノスチリル)アントラセン等のスチリル系
化合物、ポリビニルカルバゾール等のカルバゾール系化
合物、有機ポリシラン化合物、1−フェニル−3−(p
−ジメチルアミノフェニル)ピラゾリン等のピラゾリン
系化合物、ヒドラゾン系化合物、トリフェニルアミン系
化合物、インドール系化合物、オキサゾール系化合物、
イソオキサゾール系化合物、チアゾール系化合物、チア
ジアゾール系化合物、イミダゾール系化合物、ピラゾー
ル系化合物、トリアゾール系化合物等の含窒素環式化合
物、縮合多環式化合物等が用いられる。
【0022】これら正孔輸送剤のうち、電荷発生剤との
調和を保持するためにイオン化電位が4.8〜5.6e
Vのものを使用することが好ましい。また、電界強度3
×105 V/cmで1×10-6cm2 /V・sec以上
の移動度を有するものがより好ましい。正孔輸送剤は、
イオン化電位がこの範囲内にあるものを使用すること
で、残留電位をより低下させ、感光層13の感度をさら
に向上させる。
【0023】電荷輸送剤である電子輸送剤は、電荷発生
剤から放出された電子が注入され、電子輸送剤間での授
受により感光層13表面へ電子を輸送し、感光体11表
面に帯電した正電荷を打ち消すようになっている。
【0024】このような電子輸送剤としては、パラジフ
ェノキノン誘導体、ベンゾキノン誘導体、ナフトキノン
誘導体、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメ
タン、クロルアニル、ブロモアニル、2,4,7−トリ
ニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニ
トロ−9−フルオレノン、2,4,7−トリニトロ−9
−ジシアノメチレンフルオレノン、2,4,5,7−テ
トラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキ
サントン等の電子吸引性物質、あるいはこれら電子吸引
性物質を高分子化したものが用いられる。
【0025】電荷輸送剤としては電子輸送性のものも、
正孔輸送性のものも使用することができ、これらは組み
合わせて使用することもできる。また、感度を向上さ
せ、反転現像を可能にするという観点から、電子輸送剤
と正孔輸送剤とを組み合わせて使用するのが好ましい。
この場合、電子輸送剤対正孔輸送剤の重量比は10対1
〜1対10の範囲内に設定するのが好ましく、1対5〜
1対1の範囲内に設定するのが特に好ましい。
【0026】上に挙げた電子輸送剤は、酸化還元電位が
−0.8〜−1.4Vの電子受容性化合物と併用するこ
とが好ましい。電子受容性化合物は、電荷発生剤から電
子を引き抜くとともに、引き抜いた電子を電子輸送剤に
効率よく伝達する機能を有している。このような電子受
容性化合物としては、ベンゾキノン系化合物、ナフトキ
ノン系化合物、アントラキノン系化合物、ジフェノキノ
ン系化合物、マロノニトリル系化合物、チオピラン系化
合物、フルオレノン系化合物等の電子受容性を有する化
合物の中から酸化還元電位が前記範囲内にあるものが選
択して使用される。
【0027】結着樹脂は、電荷発生剤及び電荷輸送剤を
感光層13内において均一に分散させるために使用され
る。この結着樹脂としては、ポリエチレン、エチレン−
酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリエチレン、スチレン系
重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−ア
クリロニトリル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合
体、アクリル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合
体、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、アイオノマー、
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アルキド樹脂、ポリ
アミド、ポリウレタン、ポリアリレート、ポリスルホ
ン、ジアリルフタレート樹脂、ケトン樹脂、ポリビニル
ブチラール樹脂、ポリエーテル樹脂等の熱可塑性樹脂、
シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素
樹脂、メラミン樹脂等の熱硬化性樹脂、エポキシアクリ
レート、ウレタン−アクリレート等の光硬化性樹脂等が
用いられる。これらの樹脂は、1種又は2種以上が目的
に応じて適宜選択して使用される。
【0028】以上に説明した感光層13を構成する電荷
発生剤、電荷輸送剤、結着樹脂等の各成分は、結着樹脂
100重量部に対して以下の割合で配合される。すなわ
ち、電荷発生剤は、0.1〜50重量部の範囲が好まし
く、0.5〜30重量部の範囲がより好ましい。正孔輸
送剤は、5〜500重量部の範囲が好ましく、25〜2
00重量部の範囲がより好ましい。電子輸送剤は、5〜
100重量部の範囲が好ましく、10〜80重量部の範
囲がより好ましい。また、電荷輸送剤の総量では、20
〜500重量部の範囲が好ましく、30〜200重量部
の範囲がより好ましい。
【0029】感光層13を構成する各成分を溶解又は分
散するための溶媒としては、種々の有機溶剤が使用され
る。この有機溶剤としては、例えばメタノール、エタノ
ール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール
類、n−ヘキサン、オクタン、シクロヘキサン等の脂肪
族系炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香
族炭化水素、ジクロロメタン、ジクロロエタン等のハロ
ゲン化炭化水素、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル
等のエーテル類、アセトン等のケトン類、酢酸メチル、
酢酸エチル等のエステル類、ジメチルホルムアルデヒ
ド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等が
挙げられる。
【0030】これら溶剤は、1種又は2種以上が使用さ
れるとともに、電荷輸送剤又は電荷発生剤の分散性、感
光層13表面の平滑性等を良好なものとするために界面
活性剤、レベリング剤等が使用される場合もある。
【0031】感光層13を構成する各成分は、ロールミ
ル、ボールミル、アトライタ、ペイントシェーカー、超
音波分散器等を用いて溶媒中に溶解又は分散され、塗布
液が調製される。そして、感光層13は、塗布液が感光
ドラム本体12の表面に塗工され、乾燥されることによ
って、単層として形成される。感光層13の厚さは5〜
100μm の範囲に設定されることが好ましく、10〜
50μm の範囲に設定されることがさらに好ましい。
【0032】オーバコート層14は、オーバコート剤を
膜厚が1〜2μmとなるように感光層13表面に塗工す
ることによって形成されている。このようなオーバコー
ト剤としては、シリコーン系熱硬化性樹脂、導電性微粉
末及び希釈溶剤を混合したものが使用される。
【0033】シリコーン系熱硬化性樹脂溶液としてはシ
リコーン系ハードコート剤(日本精化社製の商品名、N
SC−1274)が使用され、1液型の無色透明の液体
で、粘度5.7cps、pH5.0の物性を有するもの
である。
【0034】導電性微粉末は、インジウム又はアンチモ
ン等をドープした酸化スズの他、銅、銀、アルミニウ
ム、導電性カーボンブラック等の金属粉末が使用するこ
とができる。これらのうち、導電性微粉末の導電体とし
ての機能を発揮させることができる点、電気抵抗を低下
させることができる点等から、酸化アンチモンをドープ
した酸化スズ(三菱マテリアル社製の商品名、T−
1)、酸化スズをドープした酸化インジウム(三菱マテ
リアル社製の商品名、ITO)及び酸化アンチモンをド
ープした酸化スズと酸化チタンの混合物(三菱マテリア
ル社製の商品名、W−1)を使用するのが好ましく、T
−1を使用するのが特に好ましい。
【0035】このT−1は粒子形状が球状をなし、比抵
抗は1〜3Ω・cm、比重6.6、見掛密度28g/1
00cm3 、吸油量45ml/100g、耐熱温度80
0℃の物性を有するものである。なお、ITOの比抵抗
は10-2〜100 Ω・cmで、W−1の比抵抗は3〜1
0Ω・cmである。
【0036】また、導電性微粉末は、粉体の単位質量あ
たりの表面積を示す比表面積が70〜90m2 /gの範
囲内にある。比表面積が70m2 /g未満にあると、導
電性微粉末としての十分な導電性機能を発揮することが
できず、オーバコート層14中における電荷の移動が遅
くなってしまい好ましくない。一方、比表面積が90m
2 /gを越えると、導電性微粉末の製造が困難になると
ともに、凝集を起こしやすくなり好ましくない。
【0037】導電性微粉末の比抵抗は0.01〜10Ω
・cmの範囲内にあるのが好ましい。比抵抗が0.01
Ω・cm未満にあると導電性微粉末としての十分な導電
性機能を発揮することができず、好ましくない。一方、
比抵抗が10Ω・cmを越えると、オーバコート層14
中の電気抵抗が高くなり、電荷の移動が遅くなってしま
い好ましくない。
【0038】また、導電性微粉末の含有量は、オーバコ
ート層14中における電荷の移動速度を高めるために、
シリコーン系熱硬化性樹脂溶液の固形分100重量部に
対して10〜50重量部が好ましく、15〜35重量部
がさらに好ましく、20重量部が最も好ましい。この導
電性微粉末の含有量が、10重量部未満であるとオーバ
コート層14の導電性能を向上させることができず、5
0重量部を越えるとオーバコート層14の形成が困難に
なるとともに、製造コストの上昇を招き好ましくない。
【0039】そして、シリコーン系熱硬化性樹脂溶液、
導電性微粉末としてのT−1、その他の添加物等を、メ
タノールとエタノールを2対1の割合で配合した希釈溶
剤に添加し、ボールミルを用いて9日間混合してオーバ
コート剤を調製した。そして、感光ドラム本体12の表
面に形成された感光層13上に、厚さ1mmのシリコー
ンブレードを使用してオーバコート剤を塗布し、110
℃で1時間熱処理を施してオーバコート層14を形成し
た。
【0040】次に、この実施形態における電子写真感光
体11の作用について説明する。まず、帯電器21によ
りオーバコート層14表面を正電荷により帯電させる。
続いて、露光器22よりオーバコート層14を介して感
光層13にレーザ光が照射される。電荷発生剤から放出
された電子が、電子輸送剤によりオーバコート層14表
面に輸送されて、オーバコート層14表面に帯電させた
正電荷を打ち消す。
【0041】このとき、オーバコート層14には導電性
微粉末としてのT−1が70〜90m2 /gの範囲の比
表面積を有することから、T−1は良好な導電性能を発
揮し、オーバコート層14の電気抵抗が低くなる。その
ため、オーバコート層14において電子が効率良くかつ
速やかにオーバコート層14表面に輸送される。その結
果、オーバコート層14表面に帯電させた正電荷が速や
かに打ち消されて静電潜像が形成される。従って、感光
体11の感度が向上する。
【0042】一方、電荷発生剤により生成された正孔は
正孔輸送剤に注入されて、同正孔輸送剤間での授受によ
り、感光ドラム本体12に輸送される。そして、感光ド
ラム本体12に印加された負電荷がその正孔により打ち
消される。
【0043】以上のように、上記実施形態によれば次の
ような効果が発揮される。 ・ 実施形態の電子写真感光体11によれば、オーバコ
ート層14中には比表面積が70〜90m2 /gの範囲
内の導電性微粉末が含有されている。そのため、オーバ
コート層14中における導電性微粉末の導電性機能を十
分に発揮でき、オーバコート層14において電荷が効率
良くかつ速やかにオーバコート層14表面に輸送され
る。その結果、感光体11の感度が向上し、得られる画
像の質を向上させることができる。
【0044】・ 実施形態の電子写真感光体11によれ
ば、導電性微粉末の含有量は、オーバコート層14中の
シリコーン系熱硬化性樹脂溶液の固形分100重量部に
対して10〜50重量部の範囲内になるように設定され
ている。そのため、オーバコート層14において電荷を
確実にオーバコート層14表面に輸送することができ
る。
【0045】・ 実施形態の電子写真感光体11によれ
ば、導電性微粉末としてアンチモンをドープした酸化ス
ズが使用される。そのため、電荷をより一層効率良くか
つ速やかにオーバコート層14表面に輸送することがで
きる。
【0046】・ 実施形態の電子写真感光体11によれ
ば、導電性微粉末の比抵抗は0.01〜10Ω・cmの
範囲内のものが使用される。そのため、オーバコート層
14中における導電性微粉末の導電性機能を十分に発揮
でき、オーバコート層14において電荷が効率良くかつ
速やかにオーバコート層14表面に輸送される。その結
果、感光体11の感度が向上し、得られる画像の質を向
上させることができる。
【0047】
【実施例】以下、実施例及び比較例を挙げ、前記実施形
態をさらに具体的に説明する。(実施例1〜5及び比較
例1〜3)この実施例1〜5及び比較例1〜3では、オ
ーバコート層14中の導電性微粉末としてのT−1の比
表面積を表1のように変更し、露光量(RP[2.
5])における感度を測定した。その結果を表1に示
す。
【0048】
【表1】 表1に示すように、実施例1〜5におけるT−1の比表
面積が70〜90m2/gの範囲内にあるときは、露光
量(RP[2.5])における目標とする感度110V
前後を得ることができた。これに対し、比較例1〜3に
おけるT−1の比表面積が70m2 /g未満のときは、
露光量が多くなり感度が低下することが示された。
【0049】尚、前記実施形態を次のように変更して具
体化することも可能である。 ・ 感光体11表面を負極性に帯電させ、感光ドラム本
体12表面を正極性に帯電させること。
【0050】・ 感光ドラム本体12に代えて導電性基
体をシート状等に形成すること。さらに、前記実施形態
より把握される技術的思想について以下に記載する。 ・ 前記導電性微粉末はアンチモンをドープした酸化ス
ズと酸化チタンの混合物又はアンチモンをドープした酸
化インジウムである請求項1又は請求項2に記載の電子
写真感光体。
【0051】このように構成した場合、電荷発生剤より
放出された電荷をより一層効率良くかつ速やかにオーバ
コート層表面に輸送することができる。 ・ 前記導電性微粉末の比抵抗は0.01〜10Ω・c
mの範囲である請求項1から請求項3のいずれかに記載
の電子写真感光体。
【0052】このように構成した場合、オーバコート層
中における導電性微粉末の導電性機能を十分に発揮で
き、電荷を効率良くかつ速やかにオーバコート層表面に
輸送することができる。
【0053】
【発明の効果】この発明は、以上のように構成されてい
るため、次のような効果を奏する。請求項1に記載の発
明の電子写真感光体によれば、オーバコート層の導電性
能を良好にして、感光体としての感度を高め、得られる
画像の質を向上させることができる。
【0054】請求項2に記載の発明の電子写真感光体に
よれば、請求項1に記載の発明の効果をより確実に発揮
させることができる。請求項3に記載の発明の電子写真
感光体によれば、請求項1又は請求項2に記載の発明の
効果に加え、電荷発生剤より放出された電荷をより一層
効率良くかつ速やかにオーバコート層表面に輸送するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像処理装置を示す要部側面図。
【図2】電子写真感光体を示す部分側断面図。
【符号の説明】
11…電子写真感光体、12…導電性基体としての感光
ドラム本体、13…感光層、14…オーバコート層。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性基体と、その導電性基体上に形成
    され、少なくとも電荷発生剤、電荷輸送剤及び結着樹脂
    からなる感光層と、その感光層上に形成されるオーバコ
    ート層とを有する単層型有機感光体よりなり、前記オー
    バコート層は、比表面積が70〜90m2 /gの導電性
    微粉末を含有する電子写真感光体。
  2. 【請求項2】 前記導電性微粉末の含有量はオーバコー
    ト層中の樹脂の固形分100重量部に対して10〜50
    重量部の範囲である請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 【請求項3】 前記導電性微粉末はアンチモンをドープ
    した酸化ズズである請求項1又は請求項2に記載の電子
    写真感光体。
JP10305498A 1998-10-27 1998-10-27 電子写真感光体 Pending JP2000131866A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10305498A JP2000131866A (ja) 1998-10-27 1998-10-27 電子写真感光体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10305498A JP2000131866A (ja) 1998-10-27 1998-10-27 電子写真感光体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000131866A true JP2000131866A (ja) 2000-05-12

Family

ID=17945892

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10305498A Pending JP2000131866A (ja) 1998-10-27 1998-10-27 電子写真感光体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000131866A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7401594B2 (en) 2003-07-22 2008-07-22 Hitachi, Ltd. Damper mechanism and high pressure fuel pump
CN100538533C (zh) * 2003-05-15 2009-09-09 施乐公司 具有纳米尺寸填料的光敏元件
CN115407625A (zh) * 2021-05-26 2022-11-29 京瓷办公信息***株式会社 电子照相感光体、处理盒和图像形成装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100538533C (zh) * 2003-05-15 2009-09-09 施乐公司 具有纳米尺寸填料的光敏元件
US7401594B2 (en) 2003-07-22 2008-07-22 Hitachi, Ltd. Damper mechanism and high pressure fuel pump
CN115407625A (zh) * 2021-05-26 2022-11-29 京瓷办公信息***株式会社 电子照相感光体、处理盒和图像形成装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5915363B2 (ja) 電子写真感光体、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置
JP6019715B2 (ja) 電子写真感光体、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置
JP5991936B2 (ja) 正帯電単層型電子写真感光体、及び画像形成装置
JP2002082469A (ja) 電子写真感光体、電子写真装置およびプロセスカートリッジ
JP2007256768A (ja) 電子写真感光体及び画像形成装置
JP2007114364A (ja) 電子写真感光体及び画像形成装置
JP2001242656A (ja) 電子写真感光体
JP2013257416A (ja) 電子写真感光体、それを備えた画像形成装置およびプロセスカートリッジ
CN1641487B (zh) 电子照相感光体以及具有该感光体的成像装置
JP2004226637A (ja) 単層型電子写真感光体およびそれを有する画像形成装置
JP2007163523A (ja) 電子写真感光体及び画像形成装置
JP2007147824A (ja) 電子写真感光体及び画像形成装置
JP3532808B2 (ja) 電子写真感光体、及びそれを使用した画像形成装置
JP2002341570A (ja) 電子写真感光体
JP3638500B2 (ja) 単層型電子写真感光体、及びそれを使用した画像形成装置
JP2000131866A (ja) 電子写真感光体
JP5264378B2 (ja) 積層型電子写真感光体製造方法
JP2007248733A (ja) 電子写真感光体及び画像形成装置
JP2008026479A (ja) 電子写真感光体、プロセスカートリッジ、及び電子写真装置
JP4020648B2 (ja) 正帯電単層型電子写真感光体を用いた画像形成方法
JP2001312075A (ja) 単層型電子写真感光体、及びそれを使用した除電システムを有さない画像形成装置
JP3827536B2 (ja) 画像形成装置
JP7180174B2 (ja) 画像形成装置及び画像形成方法
JP2000242020A (ja) 電子写真感光体の製造方法
JP3682848B2 (ja) 電子写真用感光体およびそれを用いる画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040420

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20040817