JP2000130607A - 圧力制御弁の窒化処理方法 - Google Patents

圧力制御弁の窒化処理方法

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JP2000130607A
JP2000130607A JP10305102A JP30510298A JP2000130607A JP 2000130607 A JP2000130607 A JP 2000130607A JP 10305102 A JP10305102 A JP 10305102A JP 30510298 A JP30510298 A JP 30510298A JP 2000130607 A JP2000130607 A JP 2000130607A
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valve
nitriding
seat
pressure
hardness
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JP10305102A
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Tatsuo Horimoto
辰雄 堀本
Masayasu Miyajima
正泰 宮嶋
Koichi Inoue
弘一 井上
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 バルブ及びバルブシートのシート部の熱歪を
防止して切削等の後加工を不要とすると共に、互いのシ
ート部の摩耗の発生を低減してシール性を向上し得る圧
力制御弁の窒化処理方法を得る。 【解決手段】 バルブとバルブシートとの互いの当接面
の少なくとも何れか一方を、530℃以下の窒化処理温
度で窒化処理を行うようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、圧力制御弁の、
バルブ及びバルブシートの硬度を上げるための窒化処理
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】この種従来の圧力制御弁を、エンジンへ
の燃料供給装置の高圧レギュレータとし、特に筒内直接
噴射式ガソリンエンジンに適用されたものを以下の図1
6乃至図18について説明する。まず、図16におい
て、1はガソリンが貯蔵された燃料タンク、2はこの燃
料タンク内に設けられた低圧ポンプ、3はこの低圧ポン
プに接続され、低圧ポンプ2の吐出燃料圧力を調整する
低圧レギュレータ、4はエンジンにより駆動される高圧
ポンプで、上記低圧ポンプ2からの燃料を高圧にして吐
出させるもので、エンジンのシリンダヘッド等に固着さ
れている。5は上記高圧ポンプ4からの高圧燃料を蓄圧
するデリバリパイプで、図示しない電磁式のインジェク
タに各々接続されている。6はこのデリバリパイプ内の
燃料圧力を所定値に調整する高圧レギュレータで、一端
はデリバリパイプ5に、他端は燃料タンク1へリターン
されている。
【0003】次に上記高圧レギュレータ6の詳細構造を
図17,図18について説明する。各図において、60
はハウジング、61はこのハウジングに形成され上記デ
リバリパイプ5と連通される通路、62は、上記ハウジ
ング60に形成され上記燃料タンク1側へリターンする
通路、63はバルブシートで、当接部であるシート部6
3aを有する。64はバルブ、64aは上記シート部6
3aと当接可能なシート部である。65はこのバルブを
上記バルブシート63側へ押圧するスプリング、66は
このスプリングをガイドするスプリングガイド、67は
このスプリングガイドの位置を調整する調整ねじ、68
はこの調整ねじを螺進可能に取付けたスペーサで、上記
ハウジング60に固着されている。69は上記ハウジン
グ60内において、上記バルブシート63と上記スペー
サ68との間に装着された筒状スリーブである。上記各
シート部63a,64aの表面は窒化処理を行ない、後
加工によりビッカース硬さHv650程度に形成されて
いる。
【0004】このような燃料供給装置では、低圧ポンプ
2である程度加圧された燃料を、高圧ポンプ4でさらに
加圧することで、燃料の圧力を所定圧まで高めている。
この際、低圧ポンプ2からの吐出圧は低圧レギュレータ
3により所定範囲に安定化され、さらに、高圧ポンプ4
からの吐出圧は高圧レギュレータ6により所定範囲に安
定化される。
【0005】このような低圧ポンプ2で加圧された燃料
を高圧ポンプ4でさらに加圧してデリバリパイプ5へ供
給し、所定時期にインジェクタを介してエンジンのシリ
ンダ内へ燃料を噴射するものである。
【0006】次に高圧レギュレータ6の動作としては、
デリバリパイプ5内の燃料圧力が所定値を越えようとす
ると、バルブ64がスプリング65に抗してバルブシー
ト63から離れる。これにより、デリバリパイプ5から
の燃料がバルブ64とバルブシート63との隙間を介し
て通路62を通じ燃料タンク1へリターンされ、デリバ
リパイプ5内の燃料圧力は低減される。そして所定圧力
に達すると、スプリング65の弾性力によりバルブ64
がバルブシート63側へ押圧されバルブ64がバルブシ
ート63に当接して燃料のリターン側への流通を遮断す
る。その後、デリバリパイプ5内の燃料圧力が上昇し、
所定の圧力を越えようとすると、上記の動作を繰り返し
て、燃料圧力を所定値に調整するものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来の高圧レギュレー
タ6では、バルブ64のシート部64aと、バルブシー
ト63のシート部63aの表面の窒化処理は、塩浴窒化
処理にて行なわれていた。この塩浴窒化処理は、570
℃の溶融塩浴中にバルブ64又はバルブシート63を浸
漬させ、その表面に窒化物を生成して、各シート部64
a,63aの表面硬度をビッカース硬さHv900程度
に形成させるようにしていた。
【0008】上記従来の窒化処理では、窒化処理温度が
570℃と高く、バルブ64,バルブシート63に熱歪
が発生していた。そのため、バルブ64,バルブシート
63のシート部64a,63aを後加工にて表面を切削
して熱歪をなくし、精度を出していた。このため、後加
工が必要となるうえ、硬度の高い窒化した表面を切削加
工するため、結果的に表面硬度がHv650程度に低下
してしまうといった問題点が生じていた。
【0009】また、各シート部64a,63aの表面硬
度が切削によりHv650程度に低下すると、互いの当
接部であるシート部64a,63aが摩擦し、特に燃料
が高温となり、バルブ64のシ−ト部64aを通過して
圧力が低下すると燃料が沸騰し、気体となるため、バル
ブ64及びバルブシート63のシート部64a,63a
が略乾燥状態で当接し、更に摩擦が発生し易くなる。
【0010】また、同様にバルブ64及びバルブシート
63のシート部64a,63aを燃料が通過する際の圧
力低下で気泡が発生し、これによるキャビテーション壊
食が発生しバルブ64及びバルブシート63のシート部
64a,63aの表面が凹凸状となってしまっていた。
このように、高圧レギュレータ6のバルブ64及びバル
ブシート63に摩擦やキャビテーション壊食が発生する
とシール性が悪化し高圧レギュレータ6としての圧力制
御が正常に動作できなくなり、その結果、デリバリパイ
プ5内の燃料低下が起こり、インジェクタから適正な燃
料噴射ができなくなるという問題点が生じていた。特に
摩擦の場合、バルブ64及びバルブシート63の互いの
摩耗部がずれなければシール性は保つが、ずれた場合に
はシール性が悪化するという不具合を有していた。
【0011】この発明は上記問題点を解消することを目
的とし、以下に述べる優れた圧力制御弁の窒化処理方法
を提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1に係
る圧力制御弁の窒化処理方法では、バルブとバルブシー
トとの互いの当接面の少なくとも何れか一方を、530
℃以下の窒化処理温度で窒化処理を行うようにしたもの
である。
【0013】また、請求項2に係る圧力制御弁の窒化処
理方法では、バルブとバルブシートとの互いの当接面の
少なくとも何れか一方を、530℃以下の窒化処理温度
で窒化処理を行い、硬度がHv800以上となるように
したものである。
【0014】また、請求項3に係る圧力制御弁の窒化処
理方法では、窒化処理温度を530℃以下で350℃以
上となるように設定したものである。
【0015】また、請求項4に係る圧力制御弁の窒化処
理方法では、圧力制御弁を、高圧ポンプもしくはデリバ
リパイプの燃料圧力を制御する高圧レギュレータとした
ものである。
【0016】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1はこの発明の
燃料供給装置を示す斜視図、図2は図1の高圧レギュレ
ータの要部を示す断面図、図3はこの発明の塩浴窒化処
理方法を示す工程図、図4は図3に示す工程における要
部の概略構成図、図5はこの発明による塩浴窒化処理温
度に対するバルブ同軸度の悪化量を示す特性図、図6は
図2に示す高圧レギュレータのバルブのシート部におけ
る表面硬度に対する摩耗深さを示す特性線図である。
【0017】図1,図2において、7は筒内直接噴射式
のガソリンエンジン、8はこのエンジンのシリンダヘッ
ドで、この側面に高圧ポンプ4が装着されており、ま
た、デリバリパイプ5がシリンダヘッド8の下部に装着
されている。
【0018】9は上記シリンダヘッド8の側面に上記高
圧ポンプ4とともに装着されたカムケースで、内部に上
記高圧ポンプ4を駆動するカムが収納されている。この
カムケース9上に上記高圧レギュレータ6が固着されて
いる。10は低圧ポンプ2から圧送される燃料を上記高
圧ポンプ4へ導く配管、11は上記高圧ポンプと上記デ
リバリパイプ5とを接続する配管、12は上記高圧レギ
ュレータ6と上記デリバリパイプ5とを接続する配管、
13は上記高圧レギュレータ6から燃料タンク1へリタ
ーンさせる配管である。
【0019】図2に示す高圧レギュレータ6の要部の拡
大図において、バルブシート63の当接部であるシート
部63aは、従来と同様に硬度がビッカース硬さHv6
50に設定されている。641は上記バルブシート63
のシート部63aと当接可能なシート部641aを有す
るバルブであり、上記シート部641aは窒化処理によ
りその硬度がビッカース硬さHv900に維持されてい
る。
【0020】次に図3,図4に示すバルブ641のバル
ブシート641aの窒化処理について詳述する。まず、
201は、ワークであるバルブ641を錆、キズ等の有
無、数量等を検収するワーク検収工程、202はバルブ
641を装着するために専用の治具をセットする治具セ
ット工程、203はバルブ641の油分付着を無くすア
ルカリ脱脂工程、204は脱脂したバルブ641を予熱
炉に入れ、予熱温度250℃±50℃で30分以上予熱
する予熱工程、205は、溶融塩浴中にバルブ641を
浸漬させ窒化させる塩浴工程で、MCN,MCNO,M
CO3(MはNa,K)より構成され、530℃に加熱
された溶融塩浴中にバルブ641を60〜120分間浸
漬し、同時に図4に示す如くポット20の底に配置され
たパイプ22から空気を吹き込み、酸化による窒化反応
を促進させる。これにより、バルブ641のシート部6
41aは、その表面が窒化される。
【0021】206は表面が窒化されたバルブ641を
常温の水槽に入れ冷却する冷却工程、207は、バルブ
641を向流多段洗浄槽に入れ洗浄する洗浄工程、20
8はバルブ641のシート部641aの硬度、窒化層厚
さ等を検査する検査工程、209は、バルブ641を防
錆剤槽に入れ防請処理する防錆工程である。
【0022】図4は上記塩浴工程205中の概略構成図
を示すもので、図4において、20は溶融塩浴槽である
ポット、21はこのポットの周囲に設けられた加熱コイ
ル、22は上記ポット20内に装着され底部に空気吹き
込み用の複数の穴22aを有するパイプ、23はワーク
であるバルブ641を複数個装着してなるワーク収納体
で、上記ポット20内に5個同時に浸漬されている。2
4は、上記ワーク収納体23を一体に保持する保持部材
で、上記ワーク収納体23を一体に保持してポット20
内へ浸漬可能としている。
【0023】上記の如く塩浴窒化処理により、530℃
という低温度にて窒化処理が行なわれるので、バルブ6
41の熱歪も少なくなる。この塩浴窒化処理温度に対す
るバルブ641の熱歪量即ちバルブ同軸度の悪化量の特
性を図5に示す。即ち、図5に示す如く、本発明のよう
に窒化処理温度を530℃に設定することによりバルブ
641の同軸度の悪化量を約1μmに低減できる。ま
た、塩浴窒化処理により、バルブ641のシート部64
1aの硬度がHv900になり、熱歪が生じないため、
切削等の後工程も不安であり、従ってシート部641a
の硬度はHv900に維持される。
【0024】この実施の形態の高圧レギュレータ6で
は、バルブ641のシート部641aの硬度をHv80
0以上であるHv900に維持することで、バルブ64
1の摩耗は図6に示す如く著しく低減でき、バルブシー
ト63のシート部63aのみ摩耗するため、バルブ64
1が回動してもシール性は確保できる。この実施の形態
1における高圧レギュレータ6のバルブ641のシート
部641aの硬度に対する 摩耗深さの関係を図6に示
す。この図6から明らかな如く、バルブ641のシート
部641aの硬度をHv800以上に維持することによ
り摩耗量を著しく低減できる。そのため、高圧レギュレ
ータ6の圧力制御が正常に出来、デリバリパイプ5の燃
圧低下もなく、インジェクタから適正な燃料噴射ができ
る。
【0025】実施の形態2.図7はこの発明の実施の形
態2である高圧レギュレータ6の要部を拡大して示す断
面図である。図7において、バルブ64の当接部である
シート部64aは従来と同様の方法により硬度がHv6
50に設定されている。631は上記バルブ64のシー
ト部64aと当接可能なシート部631aを有するバル
ブシートで、上記シート部631aは上記の実施の形態
1と同様に530℃での塩浴窒化処理によりその硬度が
Hv800以上であるHv900に維持されている。
【0026】この実施の形態2の高圧レギュレータ6で
は、バルブシート631のシート部631aを530℃
という低い窒化処理温度で窒化処理ができるので、バル
ブシート631のシート部631aの熱歪を低減でき、
また、バルブシート631のシート部631aの硬度を
Hv900に維持することで、バルブシート631の摩
耗を著しく低減でき、バルブ64のシート部64aのみ
摩耗するため、バルブ64が回動してもシール性は確
保できるので、上記の実施の形態1と同様な効果を奏す
ることができる。
【0027】実施の形態3.図8はこの発明の実施の形
態3である高圧レギュレータ6の要部を拡大して示す断
面図である。図8において、631は当接部を成すシー
ト部631aを有するバルブシートで、上記シート部6
31aは上記の実施の形態2と同様に530℃での塩浴
窒化処理によりその硬度がHv900に維持されてい
る。641は上記バルブシート631のシート部631
aと当接可能なシート部641aを有するバルブであ
り、このシート部641aは上記の実施の形態1と同様
に530℃での塩浴窒化処理によりその硬度がHv90
0に維持されている。
【0028】この実施の形態3の高圧レギュレータ6で
は、バルブシート631のシート部631aとバルブ6
41のシート部631aとを各々530℃という低い窒
化処理温度で窒化処理ができるので、各シート部631
a,641aの熱歪を低減でき、また、後加工が不要な
ため、バルブシート631のシート部631aの硬度を
Hv900に、バルブ641のシート部641aの硬度
をHv900に各々維持することで、互いのシート部6
31a,641aの摩耗を少なくし得るので、シール性
を確実に得ることができる。
【0029】実施の形態4.図9はこの発明の実施の形
態4の燃料供給装置の構成を示すブロック図、図10は
図9に示す燃料供給装置の構成を示す斜視図である。
【0030】図9,図10において、6は上記高圧ポン
プ4と上記デリバリパイプ5との間に接続された高圧レ
ギュレータであり、そのバルブのシート部は上記実施の
形態1の如く塩浴窒化処理で硬度がHv900に維持さ
れている。14は一端が上記高圧レギュレータ6に、他
端が配管11に連結された配管である。上記高圧レギュ
レータ6は、カムケース9上に一体的に固着されてい
る。
【0031】この実施の形態4のものにあっては、高圧
レギュレータ6が高圧ポンプ4とデリバリパイプ5との
間に接続配置されているので、従来の如く燃料がデリバ
リパイプ5を通過することで受熱し、その受熱した燃料
を高圧レギュレータ6のバルブ部へ導入することがな
く、高圧レギュレータ6での燃料温度を低減できるの
で、燃料の沸騰を防止でき、バルブ及びバルブシートが
略乾燥状態で当接することを阻止し得るため、摩擦を低
減でき、また、バルブ及びバルブシートでの気泡の発生
を防止し、キャビテーション壊食も防止できる。
【0032】実施の形態5.図11に示すように、高圧
ポンプ4と高圧レギュレータ6とを同一のケーシング1
5にて一体的に装着することにより、外部配管の減少、
ケーシングの共通化により、構成を簡略化できる。
【0033】実施の形態6.図12はこの発明の実施の
形態6の燃料供給装置の構成を示す斜視図である。図1
2において、16は上記高圧レギュレータ6とカムケー
ス9との間に装着された断熱材であるヒートインシュレ
ータである。
【0034】この実施の形態6のものでは、エンジン7
のシリンダヘッド8からカムケース9を介して高圧レギ
ュレータ6へ伝達される熱をヒートインシュレータ16
により抑制できるので、高圧レギュレータ6内での燃料
の温度上昇を抑えることができ、そのため、燃料の沸騰
を防止でき、バルブ及びバルブシートが略乾燥状態で当
接することを阻止できるため、互いの摩耗を低減でき、
また、バルブ及びバルブシートでの気泡の発生を防止
し、キャビテーション壊食も防止できる。
【0035】実施の形態7.図13に示すように、高圧
レギュレータ6のリターン用の配管13の途中に低圧レ
ギュレータ17を配置すれば、高圧レギュレータ6の背
圧を1kgf/cm2 以上に設定することが可能とな
り、この結果、高圧レギュレータ6のバルブ通過後の燃
料の圧力低下を抑えて、燃料が沸騰するのを防止でき、
高圧レギュレータ6におけるバルブ及びバルブシートの
摩耗をより一層低減できると共にキャビテーション壊食
も防止できる。
【0036】実施の形態8.図14に示すように、高圧
レギュレータ6のリターン通路18を高圧ポンプ4の吸
入側へ戻すことで、上記の実施の形態7と同様に高圧レ
ギュレータ6のリターン側に背圧を印加することができ
るので、上記実施の形態7と同様の作用効果を奏し得る
と共に、部品点数減でより構成が簡略化し、安価にでき
る。
【0037】実施の形態9.図15に示すように、実施
の形態8のものに更に、高圧ポンプ4と高圧レギュレー
タ6とを同一のケーシング19にて一体形成すれば、外
部配管、及びケーシングの共通化により、更に一層構成
が簡略化し、安価となる。
【0038】実施の形態10.上述の各実施の形態のも
のでは、塩浴窒化処理にて硬度を上げる方法について例
示したが、他にアンモニアガス気流中で行うガス窒化処
理においても同様に530℃以下で窒化処理を行なえば
同一の効果を奏し得るものである。
【0039】実施の形態11.上述の各実施の形態のも
のでは、窒化処理方法として塩浴窒化処理、ガス窒化処
理を各々例示したが、他にイオン窒化処理方法にても5
30℃以下で窒化処理を行なえば、同様の効果を奏し得
るものである。
【0040】実施の形態12.上述の各実施の形態のも
のでは、窒化処理温度として530℃もしくは530℃
以下とするものを例示したが、350℃〜530℃の範
囲で窒化処理を行なえば、上記各実施形態と略同様の効
果を奏し得るものである。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の請求項
1の圧力制御弁の窒化処理方法によれば、バルブとバル
ブシートとの互いの当接面の少なくとも何れか一方を、
530℃以下の窒化処理温度で処理を行うようにしたの
で、バルブまたはバルブシートの当接面の熱歪を低減で
きるので、窒化処理のみにおいて精度が出せるため切削
等の後加工が不要となり、低コストにでき、しかも、所
定の硬度が得られるのでバルブまたはバルブシートの当
接面の摩耗を防止できるので、確実な圧力制御弁の機能
が得られる。
【0042】また、請求項2の圧力制御弁の窒化処理方
法によれば、バルブとバルブシートとの互いの当接面の
少なくとも何れか一方を、530℃以下の窒化処理温度
で処理を行い、硬度がHv800以上となるようにした
ので、切削等の後加工が不要となり、低コストにでき、
しかも、硬度がHv800以上に維持できるため、バル
ブとバルブシートとの少なくとも何れか一方のみが摩耗
し、また摩耗してもその摩耗量を低減できるので、バル
ブが回動してもシール性は確保でき、そのため、圧力制
御弁の圧力制御が正常に出来、圧力低下もなく適正な圧
力制御弁機能が得られる。
【0043】また、請求項3の圧力制御弁の窒化処理方
法によれば、窒化処理温度を530℃以下で350℃以
上となるように設定することにより、バルブ、バルブシ
ートの熱歪を防止し、低コストの圧力制御弁を提供でき
る。
【0044】また、請求項4の圧力制御弁の窒化処理方
法によれば、圧力制御弁を、高圧ポンプもしくはデリバ
リパイプの燃料圧力を制御する高圧レギュレータとする
ことにより、バルブ、バルブシートの熱歪を防止でき、
また、バルブとバルブシートとの少なくとも何れか一方
のみが摩耗し、また、摩耗してもその摩耗量を低減でき
るので、バルブが回動してもシール性は確保でき、その
ため、高圧レギュレータの圧力制御が正常に出来、デリ
バリパイプの燃圧低下もなく、インジェクタから適正な
燃料噴射ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1の燃料供給装置を示
す斜視図である。
【図2】 図1に示す高圧レギュレータの要部を拡大し
て示す断面図である。
【図3】 この発明の実施の形態1の塩浴窒化処理方法
を示す工程図である。
【図4】 図3に示す工程における要部の概略構成図で
ある。
【図5】 この発明の実施の形態1の塩浴窒化処理温度
に対するバルブ同軸度の悪化量を示す特性図である。
【図6】 この発明の実施の形態1の高圧レギュレータ
における表面硬度に対する摩耗深さを示す特性線図であ
る。
【図7】 この発明の実施の形態2の高圧レギュレータ
の要部を拡大して示す断面図である。
【図8】 この発明の実施の形態3の高圧レギュレータ
の要部を拡大して示す断面図である。
【図9】 この発明の実施の形態4の燃料供給装置の構
成を示すブロック図である。
【図10】 図9に示す燃料供給装置の構成を示す斜視
図である。
【図11】 この発明の実施の形態5の燃料供給装置の
構成を示すブロック図である。
【図12】 この発明の実施の形態6の燃料供給装置の
構成を示す斜視図である。
【図13】 この発明の実施の形態7の燃料供給装置の
構成を示すブロック図である。
【図14】 この発明の実施の形態8の燃料供給装置の
構成を示すブロック図である。
【図15】 この発明の実施の形態9の燃料供給装置の
構成を示すブロック図である。
【図16】 従来の燃料供給装置の構成を示すブロック
図である。
【図17】 従来の高圧レギュレータの構成を示す断面
図である。
【図18】 従来の高圧レギュレータの要部を拡大して
示す断面図である。
【符号の説明】
1 燃料タンク 2 低圧ポンプ 3 低圧レギュレータ 4 高圧ポンプ 5 デリバリパイプ 6 高圧レギュレータ 7 エンジン 8 シリンダヘッド 9 カムケース 10,11,12,13,
14 配管 15 ケーシング 16 ヒートインシュレー
タ 17 低圧レギュレータ 18 リターン通路 19 ケーシング 20 ポット 21 加熱コイル 22 パイプ 23 ワーク収納体 24 保持部材 60 ハウジング 63 バルブシート 63a シート部 64 バルブ 64a シート部 631 バルブシート 631a シート部 641 バルブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井上 弘一 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 3H052 AA01 BA02 BA22 BA26 CA38 CB38 EA16

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バルブとバルブシートとを有し、燃料圧
    力を制御する圧力制御弁の窒化処理方法において、上記
    バルブと上記バルブシートとの互いの当接面の少なくと
    も何れか一方を、530℃以下の窒化処理温度で処理を
    行うようにしたことを特徴とする圧力制御弁の窒化処理
    方法。
  2. 【請求項2】 バルブとバルブシートとを有し、燃料圧
    力を制御する圧力制御弁の窒化処理方法において、上記
    バルブと上記バルブシートとの互いの当接面の少なくと
    も何れか一方を、530℃以下の窒化処理温度で処理を
    行い、硬度がHv800以上となるようにしたことを特
    徴とする圧力制御弁の窒化処理方法。
  3. 【請求項3】 窒化処理温度は、530℃以下で350
    ℃以上となるように設定したことを特徴とする請求項1
    または2に記載の圧力制御弁の窒化処理方法。
  4. 【請求項4】 圧力制御弁は、高圧ポンプもしくはデリ
    バリパイプの燃料圧力を制御する高圧レギュレータであ
    ることを特徴とする請求項1ないし4の何れかに記載の
    圧力制御弁の窒化処理方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2893994A1 (fr) * 2005-11-30 2007-06-01 Air Liquide Dispositif de stockage de fluide sous pression, masque et organe d'actionnement comprenant un tel dispositif
JP2008095681A (ja) * 2006-10-06 2008-04-24 Man Diesel Sa 内燃機関の燃料供給装置及びその制御弁

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