JP2000119340A - 絶縁材料 - Google Patents

絶縁材料

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JP2000119340A
JP2000119340A JP29427998A JP29427998A JP2000119340A JP 2000119340 A JP2000119340 A JP 2000119340A JP 29427998 A JP29427998 A JP 29427998A JP 29427998 A JP29427998 A JP 29427998A JP 2000119340 A JP2000119340 A JP 2000119340A
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JP
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group
carbon atoms
hydrogen atom
formula
alkylene
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JP29427998A
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Shinichi Nishiyama
伸一 西山
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Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 絶縁性、誘電特性などの電気的特性に優れる
とともに、耐熱性、耐熱安定性などの耐熱特性にも優
れ、さらには接着性にも優れた新規な共重合体を提供す
る。 【解決手段】 下記式(1)で表される一官能性成分と
下記式(2)で表される多官能成分との連鎖重合により
共重合させてなる共重合体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気絶縁性に優
れ、かつ誘電特性などの電気的特性にも優れた共重合体
に関する。
【0002】
【従来技術】従来、プリント基板、ビルドアップ基板、
MCM用基板などの集積回路用基板用途には、絶縁材料
として、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂などが広く用い
られている。しかし機器、特に通信機器等の高周波数化
が進むにつれて、絶縁層を介した信号遅延が問題となっ
ており、絶縁材料の低誘電率化が求められている。
【0003】ポリエチレン、ポリプロピレンなどの一般
的なポリオレフィン樹脂、テフロンなどの一般的なフッ
素樹脂などは、比誘電率が概ね2.5以下の低誘電率を
示す材料であるが、接着性がないため、集積回路用基板
用途には適していない。また一般的な(メタ)アクリレ
ート系重合体は比誘電率が概ね3.0以下の低誘電率を
示すが耐熱性に劣るため、部品実装時に耐熱性が要求さ
れる集積回路用基板には適していなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な従来技術に鑑みてなされたものであって、絶縁性、誘
電特性などの電気的特性に優れるとともに、耐熱性、耐
熱安定性などの耐熱特性にも優れ、さらには接着性にも
優れた新規な共重合体を提供することを目的としてい
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記問題点
の認識に基づいて目的を達成するために鋭意検討を重ね
た結果本発明を完成するに到った。すなわち本発明は、
下記式(1)(化3)で表される一官能成分と下記式
(2)(化4)で表される多官能成分との連鎖重合によ
り共重合させてなる共重合体を含有する絶縁材料に関す
る。本発明の材料は絶縁性、誘電特性などの電気的特性
に優れると共に、耐熱性、耐熱安定性などの耐熱特性に
も優れ、さらには接着性にも優れていることを見出し
た。
【0006】
【化3】 (式(1)中、R1は水素原子、又はメチル基、R2は
水素原子、炭素数1〜12の直鎖アルキル基、水素原子
を一部フッ素原子に置き換えた炭素数1〜12の直鎖ア
ルキル基、炭素数3〜14のシクロアルキル基、ハロゲ
ン原子、アリール基、-COOR4、-OCOR5またはアルキレン
基を表し、アルキレン基の場合はR3と結合している。
R3は水素原子またはアルキレン基を表し、アルキレン
基の場合はR2と結合している。但しR4は、水素原
子、炭素数1〜12の直鎖アルキル基、水素原子を一部
フッ素原子に置き換えた炭素数1〜12の直鎖アルキル
基、炭素数3〜14のシクロアルキル基またはアリール
基を表し、R5は炭素数1〜12の直鎖アルキル基、水
素原子を一部フッ素原子に置き換えた炭素数1〜12の
直鎖アルキル基、炭素数3〜14のシクロアルキル基ま
たはアリール基を表す)
【0007】
【化4】 (式(2)中、Q1は水素原子またはメチル基を表し、
Q2はアルキレン基またはアリール基から選ばれる基を
表し、アルキレン基の少なくとも一つの-CH2-基は-O-
基、-COO-基、-OCOO-基、-O-Si(CH3)2-基、シクロアル
キレン基、飽和ヘテロ環又はアリール基で置き換えられ
る。nは2〜6の整数を表す。)
【0008】
【発明の実施の形態】本発明に係る共重合体は、一官能
成分と多官能成分を含み、連鎖重合により合成する高分
子で、一官能成分が下記式(1)(化5)で示され、多
官能成分が下記式(2)(化6)で示される高分子であ
ることを特徴としている。
【0009】
【化5】 (式中、R1、R2およびR3は前記一般式(1)中に
示すこれらと同じ意味を表す。)
【0010】
【化6】 (式中、Q1およびQ2は前記一般式(2)中に示すこ
れらと同じ意味を示す。)
【0011】直鎖アルキル基として、具体的にはメチル
基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基などが挙げら
れる。水素原子を一部フッ素原子に置き換えた直鎖アル
キル基として、具体的にはトリフルオロメチル基、ペン
タフルオロエチル基などが挙げられる。シクロアルキル
基として、具体的にはシクロペンチル基、シクロヘキシ
ル基などが挙げられる。ハロゲン原子として、具体的に
はフッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子が
挙げられる。アリール基として、具体的にはフェニル
基、ベンジル基などが挙げられる。
【0012】アルキレン基の場合はR3と結合してい
る。R3と結合しているアルキレン基として、具体的に
は(R2とR3併せて)ブチレン基、シクロペンチレン
基、トリシクロデカニレン基などが挙げられる。R3は
水素原子またはアルキレン基を表し、アルキレン基の場
合はR2と結合している。
【0013】R4は、水素原子、炭素数1〜12の直鎖
アルキル基、水素原子を一部フッ素原子に置き換えた炭
素数1〜12の直鎖アルキル基、炭素数3〜14のシク
ロアルキル基またはアリール基を表し、R5は炭素数1
〜12の直鎖アルキル基、水素原子を一部フッ素原子に
置き換えた炭素数1〜12の直鎖アルキル基、炭素数3
〜14のシクロアルキル基またはアリール基を表す。R
4またはR5の直鎖アルキル基として具体的には、メチ
ル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などが挙げられ
る。R4またはR5の水素原子を一部フッ素原子に置き
換えた直鎖アルキル基として、具体的にはトリフルオロ
メチル基、ペンタフルオロエチル基、2,2,2-トリフルオ
ロエチル基などが挙げられる。R4またはR5のシクロ
アルキル基として、具体的にはシクロペンチル基、シク
ロヘキシル基、ノルボルニル基、テトラシクロドデシル
基、アダマンチル基などが挙げられる。
【0014】このような式(1)で表される一官能成分
としては、具体的に下記のような化合物(化7)が挙げ
られる。
【0015】
【化7】 上記のような一官能成分は、一般的な工業的製造法によ
って製造できる。エチレンなどのオレフィン類は、原料
炭化水素と水蒸気との加熱分解により合成し、分離精製
して製造することができる。また、一官能成分のうち、
(メタ)アクリレート類は下記一般式(1b)(化8)
で示されるアルコールのうち目的構造の一官能成分であ
る(メタ)アクリレートに対応するアルコールとアクリ
ル酸(誘導体)あるいはメタクリル酸(誘導体)とを縮
合反応させるか、あるいは該アルコールとアクリル酸ク
ロリド、メタクリル酸クロリドなどの酸ハライドとを反
応させることにより合成することができる。
【0016】
【化8】 一般式(2)中、Q1は水素原子またはメチル基を表
す。Q2はアルキレン基またはアリール基を表す。アル
キレン基としては、直鎖状または分岐状のアルキレン基
いずれであってもよい。また、アルキレン基の少なくと
も一つの-CH2-基は-O-基、-COO-基、-OCOO-基、-O-Si(C
H3)2-基、シクロアルキレン基、飽和ヘテロ環またはア
リール基で置き換えられてもよい。nは2〜6の整数を
表す。
【0017】直鎖状アルキレン基として、具体的にはメ
チレン基、エチレン基、トリエチレン基、テトラエチレ
ン基、へキサエチレン基、オクタエチレン基、デカエチ
レン基、ドデカエチレン基、テトラデカエチレン基など
が挙げられる。分岐を持ったアルキレン基として、具体
的にはiso-プロピレン基、sec-ブチレン基などが挙げら
れる。
【0018】アルキレン基の少なくとも一つの-CH2-基
を-O-基-、-COO-基で置き換えた直鎖状アルキレン基と
して、具体的には下記式(化9)が挙げられる。
【0019】
【化9】 アルキレン基の少なくとも一つの‐CH2‐基を-O-基、-C
OO-基で置き換えた分岐状のアルキレン基として、具体
的には、1,3-ブチレングリコール基、ネオペンチレング
リコール基、グリセロール基、トリメチロールプロピレ
ン基、ペンタエリスリトール基などが挙げられる。
【0020】アルキレン基の少なくとも一つの-CH2-基
をシクロアルキレン基で置き換えたアルキレン基とし
て、具体的にはシクロペンチレン基、シクロへキシレン
基、ノルボルニレン基、テトラシクロドデシレン基など
が挙げられる。アルキレン基の少なくとも一つの-CH2-
基を、飽和ヘテロ環で置き換えたアルキレン基として、
具体的にはシクロアルキレン基の少なくとも一つの-CH2
-基が-NH-基、-O-基から選ばれる基に置き換えられたシ
クロアルキレン基などが挙げられる。
【0021】アルキレン基の少なくとも一つの-CH2-基
をアリール基で置き換えたアルキレン基として、フェニ
レン基、ナフチレン基などで置き換えたアルキレン基が
挙げられる。該アリール基の少なくとも一つの水素原子
は-Q3、-OQ3、-OH、-COOQ3、-NH2、-N
2などで置き換えられても良い。但し、Q3は炭素数
1〜12のアルキル基を表す。このような多官能成分と
しては、具体的に下記のような化合物(化10)が挙げ
られる。
【0022】
【化10】
【0023】本発明に係る共重合体は、上記のような一
官能成分を、80〜99.99モル%、好ましくは90
〜99.95モル%、さらに好ましくは95〜99.9
0モル%の量で、多官能成分を、20〜0.01モル
%、好ましくは10〜0.05モル%、さらに好ましく
は5〜0.10モル%の量で含有している。
【0024】本発明では、上記のような共重合体は、本
発明の効果を損なわない範囲であれば無水マレイン酸、
マレイミド、メタクリル酸ナトリウムなどのメタクリル
酸の金属塩、下記の各種ジアミン(化11)または下記
の各種酸無水物(化12)などの他の構成単位を含有し
ていてもよく、通常30モル%以下、好ましくは15モ
ル%以下、より好ましくは7モル%以下、特に好ましく
は3モル%以下の量で含有していてもよい。
【0025】
【化11】 (R4は、水素原子、炭素数1〜12の直鎖または分岐
のアルキル基、水素原子を一部フッ素原子に置き換えた
炭素数1〜12の直鎖または分岐のアルキル基、炭素数
3〜14のシクロアルキル基、ハロゲン原子またはアリ
ール基を表し、X1は炭素数1〜12の直鎖または分岐
のアルキレン基、水素原子を一部フッ素原子に置き換え
た炭素数1〜12の直鎖または分岐のアルキレン基、酸
素原子、硫黄原子などのヘテロ原子を表す。)
【0026】
【化12】 (wは水素原子、炭素数1〜12の直鎖または分岐のア
ルキル基、水素原子を一部フッ素原子に置き換えた炭素
数1〜12の直鎖または分岐のアルキル基、炭素数3〜
14のシクロアルキル基、ハロゲン原子またはアリール
基を表し、mおよびsは、1〜2の整数を表し、Vは、
直結または酸素原子を表す。) 本発明では、上記共重合体のゲルパーミエーションクロ
マトグラフィー(GPC)で測定される分子量分布(重
量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)は、1.0〜5.
0、好ましくは1.0〜3.0、より好ましくは1.0〜
2.0、特に好ましくは1.0〜1.5であり、X線回折
法によって測定される結晶化度は,5.0%以下、好ま
しくは3.0%以下、特に好ましくは1.0%以下であ
り、アッベ屈折計で測定される(25℃、D線)屈折率
は、1.40〜1.75、好ましくは1.45〜1.65で
あることが望ましい。
【0027】該共重合体は、誘電特性などの電気的特性
および剛性などの機械的特性に優れるとともに、耐熱
性、耐熱安定性などの耐熱特性にも優れ、さらには印刷
性、塗装性、接着性、濡れ特性にも優れている。該共重
合体の比誘電率は3.0以下、好ましくは、2.8以下
である。上記のような一官能成分と多官能成分を共重合
させて本発明に係る共重合体を製造する際には、従来公
知の(共)重合体の製造方法を採用することができる。
具体的には、ポリオレフィンの製造と同様に、気相重合
法、溶液重合法などの方法、ポリメタクリル酸メチルの
製造と同様に、懸濁重合法、乳化重合法、溶液重合法、
塊状重合法などの方法で、上記の一官能成分、多官能成
分および必要に応じて任意に他の化合物を共重合させる
ことができる。
【0028】塊状重合法は不純物の混入を避けることが
できる点で有利であり、溶液重合法は、分子量、分子量
分布、組成分布などを制御しやすい点で有利である。重
合反応の開始剤としては、通常ラジカル重合開始剤が用
いられるが、アニオン重合開始剤、配位アニオン重合開
始剤、グループトランスファー重合用開始剤系などを用
いることもできる。
【0029】ラジカル開始剤としては、具体的にベンゾ
イルパーオキサイド、ジ-t-ブチルパーオキサイド、ジ
クミルパーオキサイド、3,3,5-トリメチルヘキサノイル
パーオキサイド、ジ-2-エチルヘキシルパーオキシジカ
ーボネート、メチルエチルケトンパーオキサイド、t-ブ
チルパーオキシフタレート、t-ブチルパーオキシベンゾ
エート、ジ-t-ブチルパーオキシアセテート、t-ブチル
パーオキシイソブチレート、t-ブチルパーオキシ-2-ヘ
キサノエート、t-ブチルパーオキシ-3,5,5-トリメチル
ヘキサノエートなどの有機過酸化物、1,1'-アゾビスイ
ソブチロニトリル、1,1'-アゾビスシクロヘキサンカル
ボニトリル、2-シアノ-2-プロピルアゾホルムアミドな
どのアゾ化合物などを用いることができる。また紫外線
などの光照射によりラジカルを発生させて重合を行うこ
とも可能である。
【0030】重合系に連鎖移動剤を存在させて生成する
共重合体の分子量を調節することもでき、たとえばt-ブ
チルメルカプタン、n-ブチルメルカプタン、n-オクチル
メルカプタン、n-ドデシルメルカプタン、α-メチルス
チレンダイマーなどの連鎖移動剤を上記一官能成分に対
し1モル以下の量で用いることができる。
【0031】アニオン重合開始剤としては、n-ブチルリ
チウム、s-ブチルリチウム、t-ブチルリチウム、1,1-ジ
フェニルヘキシルリチウム、フルオレニルリチウム、α
-メチルスチリルリチウムなどの有機アルカリ金属化合
物類、n-ブチルマグネシウムハライド、s-ブチルマグネ
シウムハライド、t-ブチルマグネシウムハライドなどの
グリニャール試薬、メチルアルミニウムテトラフェニル
ポルフィリン、ジエチルアルミニウムジフェニルアミド
などのアルミニウム化合物、ビスシクロペンタジエニル
サマリウムハイドライド、ビスシクロペンタジエニルイ
ッテルビウムハイドライドなどのメタロセン化合物、ト
リエチルホスフィン、トリフェニルホスフィンなどの有
機燐化合物などを用いることができる。
【0032】これらアニオン重合開始剤に加えてトリエ
チルアルミニウム、トリブチルアルミニウム、トリオク
チルアルミニウム、メチルビス(2,6-ジ-t-ブチルフェ
ノキシ)アルミニウムなどの有機アルミニウム化合物、
テトラメチルエチレンジアミンなどの有機窒素化合物な
どを用いるか、あるいは光照射すると、重合速度を速め
たり分子量、組成などの制御を行いやすくなることがあ
る。配位アニオン重合用開始剤としては公知のチーグラ
ー・ナッタ型触媒などが挙げられる。
【0033】重合を溶液重合法で行う際には、該重合が
ラジカル重合であれば、溶媒は生成する共重合体が溶解
するものであればよく、溶媒として公知のものを特に制
限なく広範に用いることができる。たとえばベンゼン、
トルエン、キシレン、エチルベンゼン、t-ブチルベンゼ
ンなどの芳香族炭化水素、メチルエチルケトン、メチル
イソブチルケトンなどのケトン類、炭酸ジエチル、炭酸
ジメチルなどのエステル類、テトラヒドロフラン、ジオ
キサンなどのエーテル類、ジメチルホルムアミドなどの
アミド類などを用いることができる。
【0034】重合がアニオン重合あるいは配位アニオン
重合の場合には、ケトン、エステルなどは重合開始剤と
反応することが多いので、上記の溶媒のうちでも芳香族
炭化水素、エーテル類が好ましく用いられる。重合温度
は任意に設定できるが、たとえばラジカル重合は、−2
0〜200℃、好ましくは0〜120℃、より好ましく
は20〜120℃、特に好ましくは50〜120℃の温
度で行なうことが望ましい。アニオン重合は、低温で行
うと副反応を抑制できるため好ましく、−100〜70
℃、好ましくは−90〜50℃、特に好ましくは−80
〜30℃の温度で行なうことが望ましい。
【0035】本発明に係る共重合体は、上記のように機
械的特性、電気的特性、耐熱特性、接着性などの諸特性
に優れており、このような特性を利用して種々の用途に
利用することができる。
【0036】本発明に係る共重合体は、絶縁特性、及び
誘電特性に優れる、すなわち高周波数において低い比誘
電率を示す。したがってプリント基板、ビルドアップ基
板、MCM用基板などの集積回路用基板に利用すること
ができる。さらに集積回路内の層間絶縁膜用に材料とし
ても用いることが可能である。この共重合体を成形する
際には、通常の熱可塑性ポリマー溶融成形法を適用する
ことができ、優れた寸法精度で所望寸法の製品を容易に
得ることができる。
【0037】本発明に係る共重合体は、高いプラズマ耐
性を利用して耐プラズマ保護膜などの保護フィルム材料
として利用することができ、従来のポリメタクリル酸メ
チルと同様に電子線レジストなどのレジスト分野に用い
ることもできる。本発明に係る共重合体は、上記したよ
うな構造の一官能成分の極性基を適当に選択することに
より、水などの極性液体に対する接触角が小さく、かつ
塗装性(接着性)、印刷性に優れており、自動車、船舶
などの外装表面コーティング剤としても用いることがで
きる。またこのような構造の共重合体は、前記した用途
たとえばプラスチックレンズあるいは窓ガラス材料など
として用いたときには、水などの極性液体に対する接触
角が小さいので水滴などによる透明性の低下を防ぐこと
ができ、またコンパクトディスク材料として用いたとき
には表面印刷性に優れたコンパクトディスクを得ること
ができる。さらに一官能成分中の極性基を適当に選択す
ることにより、共重合体の酸またはアルカリへの溶解性
を容易に変化させることができるので、各種リソグラフ
ィー用途、ケミカルバルブ、ケミカルスイッチへの利用
も可能である。
【0038】
【実施例】次に本発明を実施例により具体的に説明する
が、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0039】実施例1 「(メタ)アクリレート共重合体の製造」容量約100
mlの2ツ口ガラス製反応器に、窒素気流下、減圧蒸留
によって精製したメタクリル酸-3-テトラシクロ[4,
4,0,12,5,11,10]ドデシル(TDMA)16.41
g、ジメタクリル酸トリエチレングリコール(商品名:
アクリルエステル3ED(三菱レイヨン製))2.29
gを装入した。これを攪拌下に室温で窒素気流下、30
分間バブリングした後、1,1,3,3-テトラメチルブチルパ
ーオキシネオデカノエート(商品名:パーオクタND
(日本油脂社製))0.05mlを装入した。さらに5
分間撹拌ののち、80℃に昇温してこの温度に保持する
ことで重合反応を行った。誘電率を測定する場合、所望
の型枠(例えば60×80×1mm3)内で重合反応を行い、板
状成型品を得た。結果を表1(表1)に示す。
【0040】実施例2 実施例1において、メタクリル酸-3-テトラシクロ[4,
4,0,12,5,17,10]ドデシル(TDMA)に加えて、
メタクリル酸メチル(MMA)を用い表1の仕込み比
で、実施例1と同様にして共重合を行なった。結果を表
1に示す。
【0041】実施例3 実施例1において、メタクリル酸-3-テトラシクロ[4,
4,0,12,5,17,10]ドデシル(TDMA)に代えて、
メタクリル酸-メチル(MMA)を用い表1の仕込み比
で、実施例1と同様にして共重合を行なった。結果を表
1に示す。
【0042】実施例4 実施例3において、ジメタクリル酸トリエチレングリコ
ール(3ED)に代えて、ジメタクリル酸1,3-ブチレン
グリコール(商品名:アクリルエステルBD(三菱レイ
ヨン製))を用いた以外は、実施例3と同様にして共重
合を行なった。結果を表1に示す。
【0043】実施例5 実施例3において、ジメタクリル酸トリエチレングリコ
ール(3ED)に代えて、トリス(メタクリロキシエチ
ル)イソシアヌレート(商品名:FA−731M(日立
化成製))を用いた以外は、実施例3と同様にして共重
合を行なった。結果を表1に示す。
【0044】実施例6 実施例1において、メタクリル酸-3-テトラシクロ[4,
4,0,12,5,17,10]ドデシル(TDMA)に代えて、
メタクリル酸-t−ブチル(TBMA)を用いた以外
は、実施例1と同様にして共重合を行なった。結果を表
1に示す。
【0045】実施例7 実施例6において、ジメタクリル酸トリエチレングリコ
ール(商品名:アクリルエステル3ED(三菱レイヨン
製))に代えてジメタクリル酸ポリジメチルシロキシジ
プロピル(商品名:サイラプレーンFM7711(アズ
マックス製))を用い表1の仕込み比で、実施例6と同
様にして共重合を行なった。結果を表1に示す。
【0046】実施例8 実施例7において、メタクリル酸-t-ブチル(TBM
A)とサイラプレーンFM7711の仕込み比を代えた
以外は、実施例7と同様に共重合を行った。結果を表1
に示す。
【0047】比較例1 実施例1において、ジメタクリル酸トリエチレングリコ
ールを用いなかった以外は、実施例1と同様にして重合
を行なった。結果を表1に示す。
【0048】比較例2 実施例2において、ジメタクリル酸トリエチレングリコ
ールを用いなかった以外は、実施例2と同様にして共重
合を行なった。結果を表1に示す。
【0049】比較例3 実施例3において、ジメタクリル酸トリエチレングリコ
ールを用いなかった以外は、実施例3と同様にして重合
を行なった。結果を表1に示す。
【0050】比較例4 実施例7において、ジメタクリル酸ポリジメチルシロキ
シジプロピル(商品名:サイラプレーンFM7711
(アズマックス製))を用いなかった以外は、実施例7
と同様にして重合を行なった。結果を表1に示す。
【0051】
【表1】
【0052】
【発明の効果】本発明に係る共重合体は、絶縁特性、誘
電特性などの電気的特性に優れ、剛性などの機械的特性
に優れ、しかも耐熱性、耐熱安定性、寸法安定性などの
耐熱特性に優れている。また、耐光(放射線)性にも優
れており、種々の用途に利用することができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01B 3/44 H01B 3/44 J // H05K 1/03 610 H05K 1/03 610H 3/46 3/46 T

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(1)(化1)で表される一官能
    成分と下記式(2)(化2)で表される多官能成分との
    連鎖重合により共重合させてなる共重合体を含有するこ
    とを特徴とする絶縁材料。 【化1】 (式(1)中、R1は水素原子、又はメチル基、R2は
    水素原子、炭素数1〜12の直鎖アルキル基、水素原子
    を一部フッ素原子に置き換えた炭素数1〜12の直鎖ア
    ルキル基、炭素数3〜14のシクロアルキル基、ハロゲ
    ン原子、アリール基、-COOR4、-OCOR5またはアルキレン
    基を表し、アルキレン基の場合はR3と結合している。
    R3は水素原子またはアルキレン基を表し、アルキレン
    基の場合はR2と結合している。但しR4は、水素原
    子、炭素数1〜12の直鎖アルキル基、水素原子を一部
    フッ素原子に置き換えた炭素数1〜12の直鎖アルキル
    基、炭素数3〜14のシクロアルキル基またはアリール
    基を表し、R5は炭素数1〜12の直鎖アルキル基、水
    素原子を一部フッ素原子に置き換えた炭素数1〜12の
    直鎖アルキル基、炭素数3〜14のシクロアルキル基ま
    たはアリール基を表す) 【化2】 (式(2)中、Q1は水素原子またはメチル基を表し、
    Q2はアルキレン基またはアリール基から選ばれる基を
    表し、アルキレン基の少なくとも一つの-CH2-基は-O-
    基、-COO-基、-OCOO-基、-O-Si(CH3)2-基、シクロアル
    キレン基、飽和ヘテロ環又はアリール基で置き換えられ
    る。nは2〜6の整数を表す。)
  2. 【請求項2】 一官能成分が、一般式(1)において、
    R1が水素原子またはメチル基であり、R2がCOOR4で
    あり、R3が水素原子であり、R4が炭素数1〜12の
    直鎖アルキル基、水素原子を一部フッ素原子に置き換え
    た炭素数1〜12の直鎖アルキル基、炭素数3〜14の
    シクロアルキル基またはアリール基である請求項1記載
    の絶縁材料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008056816A (ja) * 2006-08-31 2008-03-13 Nippon Carbide Ind Co Inc ビニルエーテル/アクリル酸エステル共重合体の製造方法

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