JP2000116104A - リニアアクチュエータ及びステージ装置 - Google Patents

リニアアクチュエータ及びステージ装置

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JP2000116104A
JP2000116104A JP10279502A JP27950298A JP2000116104A JP 2000116104 A JP2000116104 A JP 2000116104A JP 10279502 A JP10279502 A JP 10279502A JP 27950298 A JP27950298 A JP 27950298A JP 2000116104 A JP2000116104 A JP 2000116104A
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coil
linear actuator
stage
unit
armature
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Masahiro Totsu
政浩 戸津
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 周囲への熱の伝達を低減しつつ、推力性能の
向上を図る。 【解決手段】 電機子ユニット24Aと磁極ユニット2
4Bとから構成されるリニアモータ24において、磁極
ユニット24Bが発生する磁界内に配置される電機子ユ
ニット24A内のコイルとして扁平コイル84Ai、8
4Bi(i=1〜N)を使用し、扁平コイル84Aiを棒
状支持部材86A1、86A2で支持するとともに、扁平
コイル84Biを棒状支持部材86B1、86B2で支持
する。これにより、推力性能を向上するとともに、周囲
環境や周囲部材への熱伝達を低減することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リニアアクチュエ
ータ及びステージ装置に係り、より詳しくは、磁界と電
流との相互作用による電磁力によって駆動力を得るリニ
アアクチュエータ及び該リニアアクチュエータによって
ステージを駆動するステージ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、半導体素子、液晶表示素子等
を製造するためのリソグラフィ工程では、マスク又はレ
チクル(以下、「レチクル」と総称する)に形成された
パターンを投影光学系を介してレジスト等が塗布された
ウエハ又はガラスプレート等の基板(以下、適宜「感応
基板又はウエハ」という)上に転写する露光装置が用い
られている。こうした露光装置としては、いわゆるステ
ッパ等の静止露光型の投影露光装置や、いわゆるスキャ
ニング・ステッパ等の走査露光型の投影露光装置が主と
して用いられている。これらの種類の投影露光装置で
は、レチクルに形成されたパターンをウエハ上の複数の
ショット領域に順次転写する必要から、ウエハを保持し
て2次元移動可能なウエハステージが設けられている。
また、走査露光型の投影露光装置の場合には、レチクル
を保持するレチクルステージも走査方向に移動可能とな
っている。
【0003】近年の投影露光装置においては、レチクル
ステージ、ウエハステージ等の駆動源としていわゆるリ
ニアモータ等のリニアアクチュエータが使用されてい
る。これは、リニアアクチュエータは、構造が簡易で部
品点数が少なく済み、駆動における摩擦抵抗が少ないた
めに動作精度が高く、また、直接的に直線駆動を行うの
で移動動作を迅速に行うことができるという利点を有し
ており、レチクルステージ、ウエハステージ等に関する
スループットや位置決め精度の向上の要請に応えるのに
適しているからである。
【0004】かかるステージの駆動系に従来より用いら
れている代表的なリニアモータ110について、図6を
参照して説明する。なお、図6(A)にはリニアモータ
110の概略的な全体構成が斜視図で示されている。ま
た、図6(B)には図6(A)におけるリニアモータ1
10のC−C断面が、また、図6(C)には図6(A)
におけるリニアモータ110のD−D断面がそれぞれ示
されている。
【0005】リニアモータ110は、図6(A)に示さ
れるように、電機子ユニット110Aと磁極ユニット1
10Bとを備えて構成される。そして、電機子ユニット
110Aが不図示の所定の部材に固定されて固定子とし
て機能し、磁極ユニット110Bが可動子として機能
し、磁極ユニット110BがX軸方向に駆動されるよう
になっている。なお、電機子ユニット110Aを可動子
とし、磁極ユニット110Bを固定子として構成するこ
ともできる。
【0006】前記磁極ユニット110Bは、図6(B)
に示されるように、断面形状が逆U字状の磁極べース1
12を有しており、該磁極ベース112の一対の対向す
る内壁面には、界磁磁石群114と界磁磁石群116と
の磁極面が対向して配置されている。界磁磁石群114
及び界磁磁石群116は、X軸方向に沿って極性が交互
に異なるように所定間隔で配置されるとともに、対向す
る磁極面の極性が互いに反対となるように配置されてい
る。
【0007】前記電機子ユニット110Aは、図6
(B)に示されるように、上面中央部に凹部を有する電
機子べース118を有しており、該電機子べ一ス118
には、その凹部に断面が矩形状の中空のキャン120が
配置されている。該キャン120の内部空間には、SU
S(ステンレス)等の金属で形成された板状の巻線ボビ
ン122に、Z軸方向と交差する方向に巻かれたコイル
124が配置されている。また、巻線ボビン122は、
図6(C)に示されるように、スぺーサ126A及びス
ペーサ126Bを介してキャン120に固定されてい
る。すなわち、図6のリニアモータでは、コイル124
を巻線ボビン122によって支持し、該巻線ボビン12
2がスペーサ126A、126Bを介してキャン120
に固定される方式が採用されていた。なお、キャン12
0の内部空間には、コイル124を電流が流れることに
よって発生する熱を外部へ排出させるための冷媒が供給
及び排出されるようになっている。
【0008】以上のように構成されたリニアモータ11
0では、界磁磁石群114と界磁磁石群116との間に
生じる、X軸方向の交番磁束とコイル124を流れる電
流との相互作用によって生じるローレンツ電磁力の反作
用力を駆動力として、磁極ユニット110BがX軸方向
に駆動される。なお、不図示の電流供給装置がコイル1
24に供給する電流の方向及び大きさを制御することに
よって、駆動力の方向及び大きさが制御されている。
【0009】また、界磁空間に配置されるコイルを小型
化するために、巻線ボビンを使用しない平板状の扁平コ
イルを電機子ユニットに使用する技術も提案されてい
る。例えば、細長い亀甲状の帯コイルを所定の傾斜角で
ネジ状に折り曲げ成形して板状にしたコイルの技術が、
実公平5−34224号公報に開示されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、投影露光装
置におけるレチクルステージやウエハステージでは、ス
ループットを向上させるため、できるだけ短時間で所定
位置に位置決めさせることが要求されるので、高速で安
定して移動でき、急激な加減速でも変形や振動を生じな
いように高い剛性を持たせる必要がある。このため、ス
テージの質量は大きくならざるを得ず、ステージの駆動
に用いるリニアモータには、重いステージを大きな加速
度で駆動できるだけの推力性能が要求されている。かか
る要求に応えてリニアモータの推力性能を向上させるに
は、大きなローレンツ電磁力を発生させるために、電流
を大きくする、磁束と交差する電流経路の長さすなわち
有効電線長を長くする等が考えられる。
【0011】かかる推力性能の向上にあたって、図6に
示された従来のリニアモータ110においては、有効電
線長が長くなるように電機子ユニット110Aのコイル
124の電線の巻数を増加させることが考えられるが、
コイル124の有効電線長を長くすると、コイル124
における発熱量が増大することにもなる。したがって、
従来のコイル支持方式を採用するリニアモータ110で
は、コイル124を支持する巻線ボビン122及びスぺ
ーサ126A,126Bを介してキャン120に達し、
キャン120表面から放射される熱量が増加する。ここ
で、巻線ボビン122は、コイル124との接触面積も
大きく、かつ、スペーサ126A,126Bへ向かう熱
の伝導路の断面積も大きいので、キャン120に達する
熱も多くなる。このため、周囲の雰囲気中の気体に揺ら
ぎを生じさせて、レーザ干渉計による位置測定精度が低
下する。また、キャン120から更に電機子べース11
8を介して周囲の部材に伝達する熱量が増加するので、
周囲の部材の熱膨張量が増加し、ひいては露光精度が低
下する。なお、かかるコイル124における発熱量の増
加は、コイルを流れる電流を増加させたときにも同様に
生じる。
【0012】また、コイル124の巻数を増加させると
コイル124の磁束方向(Y軸方向)に関する厚さが厚
くなる。このため、界磁磁石群間の空隙(以下、「界磁
空隙」という)の幅を広げざるを得ず、そのため界磁空
隙における磁束密度の低下を招くことになる。したがっ
て、コイル124の電線の巻数を増加させても、リニア
モータ110の推力性能をそれほど向上させることがで
きない。そこで、前述のような巻線ボビンを必要としな
い扁平コイルを使用することにより界磁空隙の幅を狭め
たり、従来と同様のスペースで有効電線長を増加して推
進性能を向上させることが考えられる。この場合には、
適切に扁平コイルを保持しなければならないが、現在の
ところ、適切な扁平コイルの支持についての具体的な提
案はなされていない。
【0013】以上のような背景の下、電機子ユニットに
おけるコイルに関し、リニアアクチュエータとして好適
な、新たな支持方式に関する新技術が待望されていた。
【0014】これに応じ、本発明の目的は、コイルが新
たな支持方式によって好適に保持されたリニアアクチュ
エータ、及び該リニアアクチュエータが適用されたステ
ージ装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の第1のリニアア
クチュエータは、磁界発生ユニット(24B)と電機子
ユニット(24A)とを備え、所定方向を駆動方向とし
て、前記磁界発生ユニット(24B)と前記電機子ユニ
ット(24A)とを相対駆動するリニアアクチュエータ
(24)において、前記電機子ユニット(24A)は、
前記磁界発生ユニット(24B)が発生する磁界中に配
置される、少なくとも1つの扁平コイル(84A1
…、84B1、…)と;前記所定方向に延び、前記扁平
コイル(84A1、…、84B1、…)を前記所定方向に
沿って支持する棒状支持部材(86A 1、86A2、86
1、86B2)とを備えることを特徴とする。
【0016】ここで、扁平コイルとは、巻線ボビンのよ
うな巻芯が無く、コイル全体として平面状あるいは平板
状に形成されたものをいう。
【0017】これによれば、扁平コイルが、所定方向に
延びた棒状支持部材によって、駆動制御の観点から好適
な前記所定方向に沿って支持されている。このため、支
持部材と扁平コイルとの接触面積が小さく、かつ支持部
材を経由する他の部材への熱伝導経路の断面積が小さく
なるので、扁平コイルの通電により発生し他の部材に伝
導する熱量を低減することができる。また、平板状の扁
平コイルを使用するので、扁平コイルの有効電線長を維
持しつつ界磁空隙の幅を低減することにより界磁空隙に
おける磁束密度を高めたり、界磁空隙の幅を維持しつつ
有効電線長を長くすることができる。したがって、推力
性能を向上するとともに、周囲への熱の伝達を低減可能
なリニアアクチュエータを実現することができる。
【0018】また、本発明の第1のリニアアクチュエー
タにおいて、前記電機子ユニットを、前記扁平コイル及
び前記棒状支持部材を収納するとともに、冷媒通路を形
成する収容部材を更に備えて構成することができる。か
かる場合には、収容部材内に冷媒を供給し、冷媒通路を
通過し扁平コイルと熱交換を行った冷媒を排出すること
により、扁平コイルの通電によって発生した熱を外部へ
放出することができ、周囲への熱の伝達を低減すること
ができる。
【0019】本発明の第2のリニアアクチュエータは、
磁界発生ユニット(24B)と電機子ユニット(24
A)とを備え、所定方向を駆動方向として、前記磁界発
生ユニット(24B)と前記電機子ユニット(24A)
とを相対駆動するリニアアクチュエータ(24)におい
て、前記電機子ユニット(24A)は、前記磁界発生ユ
ニット(24B)が発生する磁界中に配置され、所定の
曲率を有する折り曲げ部(921、922)を含む、少な
くとも1つのコイル(84A1、…、84B1、…)と;
前記折り曲げ部(921、922)を介して前記コイル
(84A1、…、84B1、…)を支持する支持部材(8
6A1、86A2、86B1、86B2)とを備えることを
特徴とする。
【0020】これによれば、コイルが、その一部である
折り曲げ部を介して支持部材によって支持されるので、
支持部材と扁平コイルとの接触面積を小さく、かつ、支
持部材を経由する他の部材への熱伝導経路の断面積を小
さくできるので、コイルの通電により発生し他の部材に
伝導する熱量を低減することができる。したがって、周
囲への熱の伝達を低減可能なリニアアクチュエータを実
現することができる。
【0021】また、本発明の第2のリニアアクチュエー
タにおいても、本発明の第1のリニアアクチュエータと
同様に、前記電機子ユニットを、前記扁平コイル及び前
記支持部材を収納するとともに、冷媒通路を形成する収
容部材を更に備えて構成することができる。かかる場合
には、本発明の第1のリニアアクチュエータと同様に、
収容部材内に冷媒を供給することにより、周囲への熱の
伝達を低減することができる。
【0022】また、本発明のステージ装置は、ステージ
(36)と、前記ステージ(36)を所定の移動面に沿
って駆動する駆動装置とを備えたステージ装置(15)
において、前記駆動装置は、前記ステージ(36)を駆
動する本発明のリニアアクチュエータ(24、26、3
2、34)を含むことを特徴とする。
【0023】これによれば、駆動装置が本発明のリニア
アクチュエータによってステージを移動させる駆動力を
発生するので、ステージの周囲の空気に熱による揺らぎ
やステージの熱膨張を抑制しつつ駆動することができ
る。したがって、ステージの位置制御を精度良く行うこ
とができるステージ装置を実現することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図1
〜図5に基づいて説明する。図1には、本実施形態に係
る露光装置100の全体的な構成が概略的な構成が示さ
れている。なお、この露光装置100は、いわゆるステ
ップ・アンド・スキャン露光方式の投影露光装置であ
る。
【0025】この露光装置100は、照明系IOP、レ
チクルRを保持するレチクルステージRST、投影光学
系PL、ウエハWをXY平面内でXY2次元方向に駆動
するステージ装置としてのウエハステージ装置15、及
びこれらの制御系等を備えている。
【0026】前記照明系IOPは、光源ユニット、シャ
ッタ、2次光源形成光学系、ビームスプリッタ、集光レ
ンズ系、レチクルブラインド、及び結像レンズ系等(い
ずれも不図示)から構成されている。この照明系IOP
の構成等については、例えば特開平9−320956に
開示されている。この照明系IOPから出力された照明
光ILは、折り曲げミラー62で反射された後にレチク
ルステージRST上に保持されたレチクルR上の矩形の
照明領域を照明する。
【0027】前記レチクルステージRST上にはレチク
ルRが、例えば真空吸着により固定されている。このレ
チクルステージRST上にはレチクルレーザ干渉計(以
下、「レチクル干渉計」という)66からのレーザビー
ムを反射する移動鏡64が固定されており、レチクルス
テージRSTのステージ移動面内の位置はレチクル干渉
計66によって、例えば0.5〜1nm程度の分解能で
常時検出される。
【0028】レチクル干渉計66からのレチクルステー
ジRSTの位置情報はステージ制御系68及びこれを介
して主制御装置60に送られ、ステージ制御系68では
主制御装置60からの指示に応じ、レチクルステージR
STの位置情報に基づいてレチクル駆動部(図示省略)
を介してレチクルステージRSTを駆動する。
【0029】前記投影光学系PLは、レチクルステージ
RSTの図1における下方に配置され、その光軸AX
(照明光学系の光軸IXに一致)の方向がZ軸方向とさ
れている。ここでは両側テレセントリックな光学配置と
なるように光軸AX方向に沿って所定間隔で配置された
複数枚のレンズエレメントから成る屈折光学系が使用さ
れている。この投影光学系PLは所定の投影倍率、例え
ば1/5(あるいは1/4)を有する縮小光学系であ
る。このため、照明光学系からの照明光ILによってレ
チクルRの照明領域IARが照明されると、このレチク
ルRを通過した照明光ILにより、投影光学系PLを介
してその照明領域内のレチクルRの回路パターンの縮小
像(部分倒立像)が表面にフォトレジストが塗布された
ウエハW上の前記照明領域に共役な被露光領域に形成さ
れる。
【0030】前記ウエハステージ装置15は、駆動装置
10及びステージとしてのウエハステージ36から構成
されている。
【0031】前記駆動装置10は、図2に示されるよう
に、定盤12と、定盤12上に固定されたガイドバーと
してのXガイド14と、定盤12上面及びXガイド14
に沿ってX方向に移動可能な移動体16と、この移動体
16の移動ガイドとしてのYガイド22とを備えてい
る。
【0032】前記定盤12としては、例えば鉄に比べ軽
量で傷のつき難いアルミナセラミックス製の長方形状の
ものが使用される。この定盤12の上面は基準面とされ
ている。
【0033】前記Xガイド14としては、例えばアルミ
ナセラミックス製のものが使用される。このXガイド1
4は、定盤12上のY方向の一端面近傍にX方向に沿っ
て配置されている。なお、このXガイド14のY方向の
他端側の面は基準面とされている。
【0034】前記移動体16は、定盤12上にXガイド
14に近接してX方向に沿って配置された断面L字状部
材から成る第1の移動ガイド搬送体としての第1のYガ
イド搬送体18と、この第1のYガイド搬送体18から
所定距離隔てて当該第1のYガイド搬送体18と平行に
定盤12上に配置された細長い板状部材から成る第2の
移動ガイド搬送体としての第2のYガイド搬送体20
と、これら第1、第2のYガイド搬送体18、20相互
間に架設されたY方向に延びる前記Yガイド22とを有
している。
【0035】定盤12上のXガイド14のY方向の一側
には、第1のXリニアモータ24の固定子としての電機
子ユニット24Aが、Xガイド14に近接してX方向に
延設されている。また、定盤12上のY方向の他端部近
傍で第2のYガイド搬送体20のY方向の他側には、第
2のXリニアモータ26の固定子としての電機子ユニッ
ト26Aが、X方向に延設されている。本実施形態例で
は、第1、第2のXリニアモータ24、26として、い
わゆるムービングマグネット型のリニアモータが使用さ
れている。
【0036】第1のXリニアモータ24の磁界発生ユニ
ットとしての磁極ユニット(可動子)24Bは、連結部
材28を介してYガイド22の一端に連結されており、
第2のXリニアモータ26の磁極ユニット26Bは、連
結部材30を介してYガイド22の他端に連結されてい
る。このため、第1、第2のXリニアモータ24、26
の磁極ユニット24B、26Bの移動によって移動体1
6がX方向に駆動されるようになっている。
【0037】Yガイド22のX方向の一側と他側には、
第1、第2のYリニアモータ32、34の電機子ユニッ
ト(固定子)32A、34AがY方向に沿って配置さ
れ、第1、第2のYガイド搬送体18、20間に懸架さ
れている。但し、図2では、奥側の第2のYリニアモー
タの磁極ユニットは図示を省略されている。第1、第2
のYリニアモータとしてもムービングマグネット型のリ
ニアモータが使用されている。
【0038】前記ウエハステージ36は、Yガイド22
を上下から挟む状態で相互に平行にかつ定盤12の上面
(基準面)にほぼ平行に配置された天板38及び底板4
0と、これらの天板38と底板40とをYガイド22の
両側で相互に連結する一対のY方向軸受体42、42と
を有している。これらのY方向軸受体42、42はYガ
イド22との間に所定の間隙を形成した状態でYガイド
22に平行に配置されている。これらのY方向軸受体4
2、42の外面には、ウエハステージ36の駆動手段を
構成する前述した第1、第2のYリニアモータ32、3
4の磁極ユニット32B、34B(但し、34Bは図示
せず)が取り付けられており、Yリニアモータ32、3
4の電機子ユニット32B、34Bの移動によってウエ
ハステージ36がY方向に駆動されるようになってい
る。また、Y方向軸受体42の内面には、図示しない空
気吹き出し部が設けられている。更に、これらのY方向
軸受体42の高さ方向の寸法は、Yガイド22のそれに
より大きく設定されている。
【0039】前記天板38は、基板テーブルを兼ねてお
り、この天板38の上面には、定盤12上に固定された
X座標計測用レーザ干渉計44及びY座標計測用レーザ
干渉計46から放射されるレーザ光を反射するX移動鏡
48、Y移動鏡50及びウエハWが搭載されている。な
お、このウエハWは、実際には、上下(Z方向)の移動、
およびX、Y、Z軸回りの回転が可能な不図示のZレベ
リングステージを介して天板38上に搭載される。そし
て天板38のステージ移動面内の位置はX座標計測用レ
ーザ干渉計44及びY座標計測用レーザ干渉計46によ
って、例えば0.5〜1nm程度の分解能で常時検出さ
れる。
【0040】図1に戻り、X座標計測用レーザ干渉計4
4及びY座標計測用レーザ干渉計46(図1においては
図示せず、図2参照)からの天板38の位置情報はステ
ージ制御系68及びこれを介して主制御装置60に送ら
れ、ステージ制御系68では主制御装置60からの指示
に応じ、天板部38の位置情報に基づいて電流駆動装置
70から上記の電機子ユニット24A、26A、32
A、34Aに供給される電流の向きと大きさとを調整す
ることにより、ウエハステージ装置15を制御してい
る。
【0041】かかるウエハステージ装置15の制御のた
めに、電流駆動装置70から電機子ユニット24A、2
6A、32A、34Aに電流が供給されると、電機子ユ
ニット24A、26A、32A、34Aが発熱する。そ
こで、電機子ユニット24A、26A、32A、34A
を冷却するために、冷却液(水(純水)又はフロリナー
ト(住友スリーエム(株)、フッ素系不活性液体)等)
が冷却制御機71からウエハステージ装置15に供給さ
れており、また、冷却用に使用された冷却液がウエハス
テージ装置15からされた冷却制御機71に戻され、冷
却制御機71で冷却された後に再びウエハステージ装置
15に供給されるようになっている。但し、必ずしもこ
のような冷却液の循環経路を構成することなく、熱吸収
後の冷却液を外部に排出するようにしても良い。
【0042】また、ウエハステージ装置15では、いろ
いろな所に空気噴出部と真空予圧部とを備えた真空予圧
型静圧空気軸受が設けられており、かかる空気圧制御の
ための不図示のエアーポンプがウエハステージ装置15
に接続されている。
【0043】更に、図1の装置には、ウエハW表面の露
光領域内部分及びその近傍の領域のZ方向(光軸AX方
向)の位置を検出するための斜入射光式のフォーカス検
出系(焦点検出系)の一つである多点フォーカス位置検
出系(図示省略)が設けられている。この多点フォーカ
ス位置検出系の詳細な構成等については、例えば特開平
6−283403号公報に開示されている。
【0044】以上のように構成された本実施形態の露光
装置100では、レチクルRの走査方向に対して垂直な
方向に長手方向を有するスリット状の照明領域でレチク
ルRが照明される。そして、レチクルRとウエハWとが
互いに逆方向に同期移動することにより、レチクルRの
パターン領域に形成されたパターンの全体がウエハW上
のショット領域に正確な投影倍率で転写される。
【0045】次に、図2に示されたウエハステージ装置
15に搭載されているリニアモータ24、26、32、
34について、図3〜図5を参照して説明する。なお、
リニアモータ24、26、32、34は、互いに同様に
構成されているので、以下ではリニアモータ24を例に
とって説明する。
【0046】上述のように、リニアモータ24は、電機
子ユニット24Aと磁極ユニット24Bとから構成され
ている。
【0047】前記磁極ユニット24Bは、図3に示され
るように、磁性体から成り、端面の形状がU字状でスト
ローク方向(X軸方向)に延びた磁極ベース72と、磁
極ベース72の空隙を隔てて互いに対向する内壁の一側
に埋め込まれた界磁磁石群74と、互いに対向する内壁
の他側に埋め込まれた界磁磁石群76とから構成されて
いる。ここで、磁石群74は、露出磁極面がN極の界磁
磁石74Nと露出磁極面がS極の界磁磁石74Sとがス
トローク方向に交互に配列されて構成されている。な
お、界磁磁石74Nの露出磁極面と界磁磁石74Sの露
出磁極面とは同一形状であり、ストローク方向の幅
(l)となっている。そして、界磁磁石74Nと界磁磁
石74Sとは、ストローク方向に幅(L−l)の空間を
隔てて配置されている。また、界磁磁石群76は、露出
磁極面がS極の界磁磁石76Sと露出磁極面がN極の界
磁磁石74Nとがストローク方向に交互に配列されて構
成されている。なお、界磁磁石74Nの露出磁極面及び
界磁磁石74Sの露出磁極面は、界磁磁石74Nの露出
磁極面又は界磁磁石74Sの露出磁極面と同一形状とな
っている。そして、界磁磁石74Nと界磁磁石76Sと
が、また、界磁磁石74Nと界磁磁石76Sとが空隙を
隔てて対向するように配置されている。
【0048】このため、界磁磁石群74と界磁磁石群7
6との間の空隙は、ストローク方向に沿って周期Lで、
ストローク方向の直交方向(Y軸方向)の交番磁束が発
生している界磁空隙となっている。そして、界磁磁石群
74、界磁磁石群76、磁極ベース72、及び界磁空隙
によって磁気回路が構成されている。
【0049】なお、本実施形態の磁極ユニット24Bで
は、界磁磁石群74及び界磁磁石群76を磁極ベース7
2に埋め込んだが、磁極ベース72の対向する内壁を平
坦面とし、界磁磁石群74及び界磁磁石群76を磁極ベ
ース72の対向する内壁に接着剤等で貼り付けて磁極ユ
ニットを構成することもできる。
【0050】前記電機子ユニット24Aの概略的な構成
は、図4に示されている。ここで、図4(A)は、電機
子ユニット24AをXZ面に平行な面による断面図であ
り、図4(B)は、図4(A)におけるA−A断面図で
あり、また、図4(C)は、図4(A)におけるB−B
断面図である。
【0051】電機子ユニット24Aは、図4に示される
ように、非磁性体の金属あるいは樹脂等からなる電機子
べース78と、非磁性体の材質から成り、中空の直方体
の一面を開口させた形状を有し、開口部が電機子べース
78の+Z方向側の面に固定されたキャン80とを備え
ている。
【0052】電機子べース88及びキャン80で形成さ
れた閉空間(以下、「キャン内部」という)には、N個
の扁平コイル84A1、…、84ANからなる扁平コイル
群84Aと、扁平コイル群84Aの+Y方向側にN個の
扁平コイル84B1、…、84BNからなる扁平コイル群
84Bとが配置されている。
【0053】各扁平コイル84Ai、84Bi(i=1〜
N)(以下、任意の1つを「扁平コイル84」という)
は同様に構成されており、その概略的な構成が図5に示
されている。ここで、扁平コイル84を図4(A)の紙
面手前側から見たときを正面視として、その正面図が図
5(A)に、右側面図が図5(B)に、また、平面図が
図5(C)に示されている。なお、図5においては、作
図の関係で巻数が3の場合を示しているが、通常、電線
は幅L/3に比べて十分に細いものであるので、巻き数
は3よりもずっと大きい数となる。
【0054】扁平コイル84は、図5(A)〜(C)を
総合的に見て明らかなように、正面視において所定幅の
六角形状を有する平面状コイルとして構成されている。
より具体的に説明すると、電線90がZ軸方向の両端部
が2頂点となる六角形とされ、前述の磁極ユニット24
Bにおける交番磁束の周期Lのほぼ1/3(=L/3)
の幅の辺を有し、中空部のストローク方向(X軸方向)
に関する最大幅がほぼ2L/3となるように構成されて
いる。また、扁平コイル84は、コイル中心を通るスト
ローク方向に延びる軸に対してほぼ線対称となるように
構成されている。
【0055】この結果、磁極ユニット72が形成するス
トローク方向に沿った周期Lの交番磁束が発生している
界磁空隙中に、扁平コイル84が配置され、電流駆動装
置70から扁平コイル84に電流(I)が供給される
と、各辺に発生するローレンツ電磁力の合力として扁平
コイル全体にはストローク方向と平行な力のみが働く。
かかる扁平コイル84に働く力の向き及び大きさは、電
流駆動装置70から扁平コイル84に供給された電流の
向き及び大きさ並びに偏平コイルと交番磁界と位置形関
係によって決まることになる。
【0056】また、扁平コイル84は、Z軸方向の両端
部において折り曲げられているが、この折り返し部にお
いて電線90が断線しないように緩やかに折り曲げられ
ている。この結果、特に図5(B)に明瞭に表されるよ
うに、折り曲げ部のそれぞれにおいて、その内部にスト
ローク方向に延びる空間921、922が形成されてい
る。
【0057】以上のような扁平コイル84は、コイル用
の電線90を巻いて、中空部が六角柱状のコイルを作製
後、そのコイルを平板状に押し潰すことによって製造す
ることができる。
【0058】図4に戻り、扁平コイル群84Aは、上記
のように構成された扁平コイル84Aiが、ストローク
方向に沿って、扁平コイル84AiのZ軸に平行な辺が
隣接するように順次並べられて構成される。扁平コイル
群84Aは、各扁平コイル84Aiの空間921を貫通す
る棒状支持部材としての支持線材86A1及び各扁平コ
イル84Aiの空間922を貫通する棒状支持部材として
の支持線材86A2によって支持されている。そして、
支持線材86A1、86A2の一端はスペーサ82Aを介
してキャン80に固定され、他端はスペーサ82Bを介
してキャン80に固定されている。
【0059】また、扁平コイル群84Bは、扁平コイル
群と同様に、扁平コイル84Biが、ストローク方向に
沿って、扁平コイル84BiのZ軸に平行な辺が隣接す
るように順次並べられて構成される。そして、扁平コイ
ル群84Bは、扁平コイル群と同様に、一端がスペーサ
82Aを介してキャン80に固定され、他端がスペーサ
82Bを介してキャン80に固定された支持線材86B
1、86B2によって支持されている。
【0060】なお、支持線材86A1、86A2、86B
1、86B2のキャン80への固定は、スペーサ82A、
82Bを介さずに溶接等によって直接固定してもよい。
また、支持線材86A1、86A2、86B1、86B2
張力をかけた状態で、支持線材86A1、86A2、86
1、86B2をキャン80に固定し、扁平コイル84A
i、84BiにZ軸方向に張力を加えることにしてもよ
い。
【0061】支持線材86A1、86A2、86B1、8
6B2の材質としては、剛性が高く、熱伝導率の低い金
属、セラミック、プラスチック等の樹脂などが好まし
い。例えば、高張力ワイヤ(ばね鋼、ピアノ線等)、被
覆導線、ナイロン線、金属のより糸等がある。また、ぺ
ルチェ素子を用い、支持線材86A1、86A2、86B
1、86B2に冷却機能を持たせることも可能である。ま
た、支持線材86A1、86A2、86B1、86B2に形
状記憶合金を用いれば、キャン内部の冷媒の温度、もし
くはコイルの使用温度に応じて、扁平コイル84の保持
状態を調節することもできる。
【0062】更に、導電性の支持線材86A1、86
2、86B1、86B2を用いることにより、各扁平コ
イル84への電気的配線として利用することもできる。
この場合には、キャン内部において別途の電気配線を簡
素化することができる。
【0063】また、キャン80には、冷却液の流入口8
8Aと流出口88Bとが設けられている。そして、図1
に示される冷却制御機71から冷却液が流入口88Aを
介してキャン内部に送り込まれ、該キャン内部を通過す
るときに扁平コイル84Ai、84Biとの間で熱交換を
行い、扁平コイル84Ai、84Biで発生した熱を吸収
して高温となった冷却液が流出口88Bを介して外部に
排出されるようになっている。この場合、流出口88B
を介して排出された冷却液は液通路を介して前記冷却制
御機71に戻され、ここで再び冷却されてキャン内部に
送り込まれるようになっている。
【0064】リニアモータ24では、電機子ユニット2
4Aの各扁平コイル84Ai、84Biへ供給する電流を
電流駆動装置70が制御することにより、各扁平コイル
84Ai、84Biに発生するローレンツ電磁力の反力に
よって磁極ユニット24Bが駆動される。かかる磁極ユ
ニット24Bの駆動においては、扁平コイル群84A、
84Bの各扁平コイル84Ai、84Biの電流経路辺の
幅L/3が磁極ユニット24Bにおける交番磁束の周期
Lのほぼ1/3であることから、ストローク方向に順次
配列された扁平コイル84Ai、84Biの3つから成る
扁平コイル組に対して、3相電流が電流駆動装置70に
よって供給される。
【0065】以上のように構成された本実施形態のリニ
アモータ24では、電機子ユニット24Aにおいて、磁
極ユニット24Bの界磁空隙に従来のような巻線ボビン
が設けられていないので、界磁空隙内に巻線ボビンが占
有していた領域を扁平コイル84Ai、84Biの占有領
域に割り当てることができる。すなわち、磁極ユニット
24Bを従来と同様に構成し、また界磁空隙の幅も従来
と同様にしたとき、界磁空隙における磁束密度を低下さ
せずに電機子ユニット24Aのコイル84Ai、84Bi
の電線の巻数を増加させることができ、有効電線長を長
くすることができる。一方、電機子ユニット24Aの扁
平コイル84Ai、84Biの電線の巻数を従来と同様と
した場合には、界磁空隙の幅を狭めることができ、有効
電線長を短くすることなく界磁空隙の磁束密度を増加さ
せることができる。このため、リニアモータの推力性能
を向上することができる。
【0066】また、従来の電機子ユニットでは、コイル
で発生した熱が平板状の巻線ボビンという熱伝導の断面
積が広い部材を介してキャンへ向けて伝導する可能性が
あったが、本実施形態のリニアモータの電機子ユニット
24Aでは、コイル84Ai、84Biで発生した熱は、
支持線材86A1、86A2、86B1、86B2という熱
伝導路の断面積が非常に小さな部材を介してのみキャン
80へ向けて伝導する。また、支持線材86A1、86
2、86B1、86B2が、コイル84Ai、84Bi
折り曲げ部の空間921、922を介してコイル84
i、84Biを支持するので、支持線材86A1、86
2、86B1、86B2とコイル84Ai、84Biをと
の接触面積も小さくなる。さらに、ストローク方向の全
幅にわたって形成されたキャン内部を冷却液が流れ、扁
平コイル84Ai、84Biを冷却する。このため、扁平
コイル84Ai、84Biで発生した熱のキャン80への
到達量を低減できるので、外部雰囲気や外部部材への熱
の影響を大幅に低減させることができる。
【0067】したがって、リニアモータ24及びこれと
同様に構成されたリニアモータ26、32、34を駆動
力の発生源として使用する本実施形態のウエハステージ
装置15では、レーザ干渉計による位置検出の精度を低
下させるウエハステージ装置15の周囲の空気に熱によ
る揺らぎや、ウエハステージ装置15自身を構成する部
材を含む他の部材の熱膨張を抑制しつつ、大きな推力で
駆動することができる。したがって、ウエハステージ装
置15に搭載されたウエハWを迅速にXY2次元面内で
移動することができるとともに、ウエハWの位置制御を
精度良く行うことができる。
【0068】そして、上述のように構成された本実施形
態の投影露光装置100によれば、ウエハステージ装置
15によってウエハWの移動及び位置決めを行うので、
ウエハWの迅速かつ精度の良い移動及び位置制御が行わ
れるので、スループット及び露光精度を向上して、レチ
クルRに形成されたパターンをウエハWのショット領域
に転写することができる。
【0069】なお、上記の実施形態においては、ウエハ
ステージ装置15に扁平コイルを棒状支持部材によって
支持したリニアモータを適用したが、これらと同様の構
成のリニアモータをレチクルステージRSTに適用する
ことも可能である。この場合には、レチクルステージR
STの周囲の空気に熱による揺らぎやレチクルステージ
RSTを構成する部材の熱膨張を抑制しつつ、大きな推
力で駆動することができる。したがって、レチクルステ
ージRSTに搭載されたレチクルを迅速にY軸方向に移
動することができるとともに、レチクルRの位置制御を
精度良く行うことができる。
【0070】また、上記の実施形態においては、扁平コ
イルを使用したが、例えば巻線ボビンを有するコイルで
あっても、所定の曲率で折り曲げられた折り曲げ部を介
して支持部材によってコイルを支持することより、コイ
ルと支持部材との接触面積が低減されるので、周囲への
熱の影響を低減することができる。
【0071】また、上記の実施形態においては、2本の
棒状支持部材によって扁平コイルを支持したが、3本以
上の棒状支持部材を使用して扁平コイルの剛性を向上す
ることも可能である。さらに、上記の実施形態における
支持位置の一方のみに棒状支持部材を使用することにし
ても、周囲への熱の影響を従来よりも低減することがで
きる。
【0072】また、上記の実施形態では、リニアモータ
の構成において、電機子ユニットを固定子とし、磁極ユ
ニットを可動子としたが、電機子ユニットを可動子と
し、磁極ユニットを固定子とすることも可能である。
【0073】また、上記の実施形態では、扁平コイルの
形状を六角形状としたが、ストローク方向に配列可能な
形状であれば、他の形状とすることが可能である。更
に、扁平コイルの電流経路辺の幅を磁極ユニットによる
交番磁束の周期の1/3とし、3相電流を供給すること
にしたが、電流経路辺の幅を磁極ユニットによる交番磁
束の周期の1/n(nは、2以上かつ3以外の整数)と
し、n相電流を供給することにしても推力性能を向上す
ることができる。
【0074】また、上記の実施形態では、磁極ユニット
の界磁磁石に永久磁石を使用したが、永久磁石に代えて
永久磁石と同様な方向に磁力線を発生する電磁石を使用
することも可能である。
【0075】さらに、上記実施形態では電機子コイルの
冷却用に冷却液を使用したが、冷媒となる流体であれば
気体冷媒を使用することが可能である。
【0076】また、本発明は、紫外線を光源にする縮小
投影露光装置、波長10nm前後の軟X線を光源にする
縮小投影露光装置、波長1nm前後を光源にするX線露
光装置、EB(電子ビーム)やイオンビームによる露光
装置などあらゆるウエハ露光装置、液晶露光装置等に適
応できる。また、ステップ・アンド・リピート機、ステ
ップ・アンド・スキャン機、ステップ・アンド・スティ
ッチング機を問わない。
【0077】さらに、本発明は、露光装置への適用に限
定されず、物体の形状を3次元的に測定する3次元測定
器の移動系等、種々の装置の駆動装置、扁平コイルを利
用する種々の機器にも適用することができる。
【0078】
【発明の効果】以上、詳細に説明した通り、本発明のリ
ニアアクチュエータによれば、支持部材とコイルとの接
触面積を小さくでき、かつ支持部材を経由する熱の伝導
経路の断面積すなわち支持部材の断面積が小さくなる支
持方式によってコイルの支持を行うので、周囲への熱の
伝達が低減可能となる。
【0079】また、本発明のステージ装置によれば、本
発明のリニアアクチュエータによってステージの駆動力
を発生するので、レーザ干渉計による位置検出精度の低
下を招く、ステージの周囲の空気に熱による揺らぎやス
テージの熱膨張を抑制しつつ、ステージを駆動すること
ができる。したがって、ステージの位置制御を精度良く
行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態に係る投影露光装置の概略的な構成
を示す図である。
【図2】図1の装置のウエハステージ装置の詳細構成を
説明するための図である。
【図3】図2のウエハステージ装置に使用されるリニア
モータの磁極ユニットの概略的な構成を示す図である。
【図4】図2のウエハステージ装置に使用されるリニア
モータの電機子ユニットの概略的な構成を示す図である
(A〜C)。
【図5】図4の電機子ユニットで使用される扁平コイル
の構成を説明するための図である(A〜C)。
【図6】従来のリニアモータの概略的な構成を示す図で
ある(A〜C)。
【符号の説明】
10…駆動装置、15…ウエハステージ装置(ステージ
装置)、24,26,32,34…リニアモータ(リニ
アアクチュエータ)、24A,26A,32A,34A
…電機子ユニット、24B,26B,32B,34B…
磁極ユニット、36…ウエハステージ(ステージ)、8
4Ai,84Bi…扁平コイル(コイル)、86A1,8
6A2,86B1,86B2…支持線材(棒状支持部
材)。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁界発生ユニットと電機子ユニットとを
    備え、所定方向を駆動方向として、前記磁界発生ユニッ
    トと前記電機子ユニットとを相対駆動するリニアアクチ
    ュエータにおいて、 前記電機子ユニットは、 前記磁界発生ユニットが発生する磁界中に配置される、
    少なくとも1つの扁平コイルと;前記所定方向に延び、
    前記扁平コイルを前記所定方向に沿って支持する棒状支
    持部材とを備えることを特徴とするリニアアクチュエー
    タ。
  2. 【請求項2】 前記電機子ユニットは、前記扁平コイル
    及び前記支持部材を収納するとともに、冷媒通路を形成
    する収容部材を更に備えることを特徴とする請求項1に
    記載のリニアアクチュエータ。
  3. 【請求項3】 磁界発生ユニットと電機子ユニットとを
    備え、前記磁界発生ユニットと前記電機子ユニットとを
    相対駆動するリニアアクチュエータにおいて、 前記電機子ユニットは、 前記磁界発生ユニットが発生する磁界中に配置され、所
    定の曲率を有する折り曲げ部を有する、少なくとも1つ
    のコイルと;前記折り曲げ部を介して前記コイルを支持
    する支持部材とを備えることを特徴とするリニアアクチ
    ュエータ。
  4. 【請求項4】 前記電機子ユニットは、前記コイル及び
    前記支持部材を収納するとともに、冷媒通路を形成する
    収容部材を更に備えることを特徴とする請求項3に記載
    のリニアアクチュエータ。
  5. 【請求項5】 ステージと、前記ステージを駆動する駆
    動装置とを備えたステージ装置において、 前記駆動装置は、請求項1〜4のいずれかに記載のリニ
    アアクチュエータを含むことを特徴とするステージ装
    置。
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