JP2000115581A - 映像信号処理装置 - Google Patents

映像信号処理装置

Info

Publication number
JP2000115581A
JP2000115581A JP29282298A JP29282298A JP2000115581A JP 2000115581 A JP2000115581 A JP 2000115581A JP 29282298 A JP29282298 A JP 29282298A JP 29282298 A JP29282298 A JP 29282298A JP 2000115581 A JP2000115581 A JP 2000115581A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
video signal
signal
sub
video
main
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP29282298A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinichiro Koto
晋一郎 古藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP29282298A priority Critical patent/JP2000115581A/ja
Publication of JP2000115581A publication Critical patent/JP2000115581A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compression Or Coding Systems Of Tv Signals (AREA)
  • Two-Way Televisions, Distribution Of Moving Picture Or The Like (AREA)
  • Picture Signal Circuits (AREA)
  • Television Signal Processing For Recording (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】ブランキング期間に基準信号を伝送することな
く、未知の伝送路の影響による処理対象映像信号のアー
チファクトを抑えるための補正処理を行う機能を有する
映像信号処理装置を提供する。 【解決手段】符号化された映像データ20をビデオデコ
ーダ10で復号化した映像信号21をD/A変換器11
によりアナログ映像信号22として伝送し、映像受信装
置1においてアナログ映像信号22をA/D変換器12
で再サンプリングしディジタル化した後、ディジタル信
号処理部14で映像信号のデスクランブル処理などを行
うシステムにおいて、マクロブロックまたはブロック単
位に画素値を一定とした基準映像信号を映像信号22に
含ませて伝送し、この基準映像信号を用いてディジタル
信号処理部14の前段で映像信号補正部13により映像
信号の有効画像領域の原点位置を補正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アナログ伝送路を
含む未知の伝送特性を有する伝送路を介して送られてき
たディジタル映像信号をディジタル処理する映像信号処
理装置に係り、特にMPEG2等の符号化に対応してス
クランブルされた映像信号のための映像信号処理装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】音声あるいは映像を含む著作物の権利保
護を目的として、不正コピーや不正アクセスを防ぐため
に、様々な暗号化技術の研究・開発が進められ、あるい
は実用化されている。
【0003】例えば、MPEG2ビデオ符号化を用いる
DVD(Digital Versatile Disc)では、リージョンコ
ード(地域コード)による再生地域の限定、CSS(Co
ntents Scrambling System)による符号化データの暗号
化が用いられている。
【0004】また、ベースバンド映像信号に対するスク
ランブル手段として、各ライン毎にランダムなカット点
を1点設定してカット点の左右を入れ替えるラインロー
テーションや、走査線のランダムな入れ替えを行うライ
ンパーミュテーションと呼ばれる手法がある。ラインロ
ーテーションは、衛星放送やCATVの有料番組のスク
ランブルとして、課金システムと連動したアクセス制限
に利用されている。
【0005】また、民生用のアナログVTRでの不正コ
ピー防止を目的として、垂直ブランキング期間のAGC
信号やカラーストライブ信号を操作し、TVで表示する
際の障害は発生しないが、VTRでの正常な記録を不可
能としたマクロビジョン社のコピーガード技術が広く用
いられている。
【0006】さらに、音声あるいは映像を含むディジタ
ルコンテンツに対応した「電子透かし(ディジタルウォ
ーターマーク)」と呼ばれる技術が知られている。電子
透かしは、音声あるいは画像等のベースバンド信号また
は符号化データ中に、目や耳で知覚されないようにデー
タを埋め込む技術である。電子透かしで埋め込む情報と
しては、例えば、著作権情報、コピー世代管理情報、再
生制御情報、スクランブルキー情報等が挙げられる。
【0007】上述した各種の手法は、いずれも一長一短
がある。例えば、リージョンコードによる管理は、指定
された地域での再生は無条件に可能であり、またCSS
等によるデータの暗号化は、正規のプレーヤでの再生を
禁止するものではない。従って、リージョンコードやC
SSでは、符号化データそのもののコピーを防止するこ
とは可能となるが、復号された映像信号の不正コピーを
防ぐことはできない。また、アナログVTRでのコピー
ガードシステムは、VTRの種類に依存して、必ずしも
コピーガードの効果が保証されず、しかも同期信号部分
のみの操作であるため、不正アタックに対する耐性が高
いとは言い難い。さらに、電子透かし等による著作権情
報の埋め込みは、必ずしも映像信号の不正コピーを防止
することを技術的に制限するものではない。
【0008】すなわち、映像信号の不正コピーを防止す
るためには、映像信号そのものに対する、より強固な著
作権保護手段を用いることが必要となる。しかし、ライ
ンローテーション等の従来の動画像スクランブル方式を
用いた場合、スクランブルされた映像信号に対して、D
VDやディジタル放送で採用されているMPEG2によ
る符号化を行うと、非スクランブル画像の符号化と比べ
て符号化効率の低下を招き、再生画像の画質を劣化させ
てしまう結果となる。なぜならば、従来の動画像スクラ
ンブルは、画像に対するランダム操作により画像の時空
間相関を低下させることで元の映像を見えにくくする手
法であり、画像の時空間相関を利用して符号化効率を上
げているMPEG2等の動き補償予測・直交変換符号化
とは相反する操作となるためである。
【0009】このような問題を解決する手法として、フ
レーム間予測符号化において参照画像として用いられな
いフレームを選択し、そのフレーム内でのマクロブロッ
クまたはスライスを単位とする画素値の入れ替え、ある
いはその両方によりスクランブルを行い、このスクラン
ブルの後にフレーム間予測符号化を行う方式が考えられ
る。また、全ての画素値の極性反転、つまりビット反転
操作に対しては、上記の符号化効率の低下を防ぐことが
可能となる。さらに、色空間軸の回転や入れ替えによる
スクランブルも、符号化効率の低下を防ぐという意味に
おいては有効である。これらの極性反転や、色空間軸の
回転・入れ替えを組み合わせることで、MPEG2にお
ける符号化効率の低下を抑えた映像スクランブルを行う
ことが可能である。
【0010】しかし、このようにしてスクランブルされ
た映像信号をMPEG2等の符号化方式で符号化して、
伝送特性が未知であるアナログ伝送路を介して伝送し、
受信側で受信したアナログ映像信号をA/D変換器によ
り再サンプリングしてディジタル化した後に、ディジタ
ル信号処理によりデスクランブルを行う場合、アナログ
伝送路における周波数および位相特性、エコー、ダイナ
ミックレンジの歪み、零レベルのオフセット、再サンプ
リングクロックの位相ずれ等々の影響により、デスクラ
ンブル後の映像に視覚的なアーチファクトを伴う場合が
ある。
【0011】一般に、未知の伝送特性を補正する手段と
しては、波形等化技術が知られている。波形等化には通
常、適応フィルタが用いられ、既知の基準信号を埋め込
んだ信号を受信し、学習により適応フィルタのタップ利
得を決定する。例えば、HDTV信号のサンプル値伝送
であるMUSE方式では、伝送路のエコーや再サンプリ
ングによるリンギングを取り除くため、デコーダにおい
てトランスバーサル型の適応フィルタによる波形等化器
が一般的に用いられている。適応フィルタの学習を行う
ため、MUSE方式の映像信号では、基準信号としてブ
ランキング期間にインパルス信号を伝送している。これ
に対し、MPEG2の映像符号化では、通常は有効画像
領域の信号のみを符号化して伝送するので、ブランキン
グ期間に基準信号を送るためには、特別なデータフォー
マットおよびデコーディングプロセスを規定する必要が
生じ、これはMPEG2符号化の枠内では困難である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上記の課題を解決する
ため、本発明はマクロブロックあるいはブロック単位と
いった所定の領域単位毎に画素値を一定とした基準映像
信号を用いて、処理衣装映像信号の位置補正(有効画像
領域の位置決め)、ゲインおよび直流オフセットの補
正、波形等化フィルタの学習、あるいは映像フォーマッ
ト変換パラメータの推定などの処理を行うようにしたも
のである。
【0013】すなわち、本発明に係る第1の映像信号処
理装置は、処理対象映像信号と共に与えられる所定の領
域単位毎に画素値を一定とした基準映像信号を用いて処
理対象映像信号の位置補正を行う補正手段を有すること
を特徴とする。この場合、位置補正は映像信号の信号成
分毎に独立に行ってもよいし、あるいは全ての信号成分
について一律に行ってもよい。
【0014】MPEG2方式等により符号化した映像信
号を蓄積媒体あるいはディジタル伝送路を介して受信側
へ送り、受信側で受信した映像信号の符号化データを復
号化し、得られたベースバンドの映像信号をアナログ伝
送路を介して伝送して表示装置により表示するシステム
を想定する。ここで、アナログ伝送路で伝送されたベー
スバンド映像信号に対して、A/D変換器で再サンプリ
ングしディジタル化した後、何らかのディジタル処理を
施し、再度D/A変換器でアナログ信号に戻して表示す
る場合を考えると、アナログ伝送路の伝送特性の影響を
様々に受け、再サンプリング後の処理により映像のアー
チファクトが発生する場合がある。
【0015】このようなアーチファクトとして、例えば
各機器固有の特性あるいは設定により、有効ラインの先
頭やライン内の有効画素の先頭位置にずれが生じる場合
がある。再サンプリング後のディジタル処理において、
映像の有効領域のラインおよび画素位置に厳密性が要求
される場合、伝送系での有効領域のずれは致命的なアー
チファクトにつながる場合がある。例えば、ラインある
いは水平画素位置のシャッフリングによるスクランブル
映像をデスクランブルする場合、画像内の画素位置を厳
密に特定する位置決めが必須となる。
【0016】ここで、本発明に係る第1の映像信号処理
装置では、所定の領域単位、具体的には例えばマクロブ
ロックあるいはブロック等のDCTブロックの倍数に相
当する単位で画素値が一定となる既知の基準映像信号を
規定し、その基準映像信号をMPEG2方式に従ってフ
レーム内符号化し、基準映像信号を復号化した信号をア
ナログ伝送および再サンプリングして、既知の基準映像
信号とのマッチングをとることにより、有効画像領域の
位置ずれを検出することが可能となる。
【0017】MPEG2符号化では、任意の映像信号は
DCT/IDCTの演算精度およびDCT係数の量子化
の影響で可逆とはならない。しかし、動き補償予測を行
わないイントラマクロブロックの各DCTブロックの直
流成分については、基底関数の値が整数となるため、D
CT/IDCTの演算精度の影響は受け難く、またMP
EG2方式ではイントラマクロブロックの直流成分は、
通常レート制御のための量子化制御の影響を受けないた
め、符号化歪みの影響を受けずに符号化/復号化を通し
て可逆となる。この特徴を利用して基準映像信号を作成
しておけば、基準映像信号は純粋な伝送特性の影響のみ
を受けた波形として受信されるため、精度よく位置決め
を行うことが可能となる。
【0018】本発明に係る第2の映像信号処理装置は、
同様の基準映像信号を用いて処理対象映像信号のゲイン
および直流オフセットの補正を行う補正手段を有するこ
とを特徴とする。この場合においても、ゲインおよび直
流オフセットの補正は映像信号の信号成分毎に独立に行
ってもよいし、あるいは全ての信号成分について一律に
行ってもよい。
【0019】映像信号の伝送系では、ゲインは1、付加
的な直流オフセットは0であることが望ましい。しか
し、実際は各機器固有の性質や設定により、ゲインが1
を下回ったり、0でない直流オフセットが付加された
り、あるいはゲインがリニアでなく非線型になってしま
う場合もある。従って、アナログ伝送により映像の再現
性にずれが生じたり、特に再サンプリング後に画素値に
依存した処理、例えば極性反転等のデスクランブル処理
等々を行う場合、非常に不自然は映像になる場合があ
る。
【0020】第2の映像信号処理装置によれば、前述の
基準映像信号を用いてゲインおよび直流オフセットの補
正量を決定し、それにより映像信号の補正を行うことに
よって、伝送系でのこれらの付加的な要因を除去するこ
とが可能となる。
【0021】本発明に係る第3の映像信号処理装置は、
同様の基準映像信号を用いて処理対象映像信号の波形を
等化する波形等化フィルタのタップ利得を決定するタッ
プ利得決定手段とを有することを特徴とする。このタッ
プ利得の決定も、ゲインおよび直流オフセットの補正は
映像信号の信号成分毎に独立に行ってもよいし、あるい
は全ての信号成分について一律に行ってもよい。
【0022】アナログ伝送路で映像信号を伝送して再サ
ンプリングした場合、伝送路でのエコーや、再サンプリ
ングにおけるサンプリング位相のずれやカットオフ周波
数のずれによるリンギング等のアーチファクトが発生す
る。これらのアーチファクトの除去には、一般にトラン
スバーサル型の適応フィルタが波形等化フィルタとして
用いられる。適応フィルタの学習には、フラットな周波
数特性を持つインパルス波形やステップ波形が好まし
い。
【0023】この点、第3の映像信号処理装置では、前
述の基準映像信号を用いることで任意の既知のステップ
波形を生成することが可能となり、これにより適応フィ
ルタの学習、すなわち波形等化フィルタのタップ利得の
設定を効率的に行うことが可能となる。
【0024】本発明に係る第4の映像信号処理装置は、
信号成分が変換された処理対象映像信号と共に与えられ
る前記と同様の基準映像信号を用いて、処理対象映像信
号の前記信号成分を変換した際の変換パラメータを推定
する変換パラメータ推定手段と、この変換パラメータ推
定手段により推定された変換パラメータから各信号成分
に対する逆変換パラメータを算出する逆変換パラメータ
算出手段と、この逆変換パラメータ算出手段により算出
された逆変換パラメータにより処理対象映像信号の信号
成分の逆変換を行う逆変換手段とを有することを特徴と
する。
【0025】ここで、映像信号の信号成分の変換とは、
4:2:0コンポーネント信号から4:2:2ンポーネ
ント信号への変換、4:2:0コンポーネント信号から
YIQコンポジットまたはコンポーネント信号への変
換、YCbCr信号からRGB信号への変換のいずれか
であり、このような変換がなされている場合、前記と同
様の基準映像信号を用いて変換パラメータを推定し、推
定された変換パラメータから映像信号成分の逆変換パラ
メータを算出し、その逆変換パラメータにより映像信号
の信号成分の逆変換を行い、変換前の映像信号を再生す
る。
【0026】MPEG2の規格では、メインプロファイ
ルとして4:2:0信号が規定されている。これは、映
像信号が輝度信号(Y)と輝度信号に対して水平垂直と
もに1/2の画素数で構成される2種類色差信号(C
b,Cr)から構成される映像信号フォーマットであ
る。DVDや衛星ディジタル放送等の一般的なMPEG
2映像アプリケーションでは、MPEG2のメインプロ
ファイルが採用されており、メインプロファイルでは
4:2:0フォーマットの映像信号の符号化となってい
る。一方、デコーダからの出力映像信号は、通常4:
2:2コンポーネントディジタルまたはアナログ信号、
RGBアナログコンポーネント信号、Sビデオ信号ある
いはコンポジット信号等に変換して出力される。そのた
め、デコーダ内部ではMPEG2デコーダの出力段で信
号フォーマットの変換が行われる。
【0027】特に、色差信号の垂直ライン数について
は、上記のいずれの出力信号フォーマットにおいても、
輝度信号のライン数と同一であり、4:2:0信号から
色差信号の垂直方向の2倍のオーバーサンプリングがな
される。これらのフォーマット変換がなされた映像信号
に対して、再サンプリング後のディジタル処理で、符号
化された4:2:0映像信号レベルでの画素処理を行い
たい場合、これらの変換に対する逆変換を行う必要があ
る。
【0028】第4の映像信号処理装置によれば、例えば
4:2:0信号レベルでの既知の基準映像信号を伝送す
ることにより、これらのフォーマット変換処理の変換係
数を推定することが可能となり、こうして推定された変
換係数から逆フィルタのパラメータを算出し、符号化さ
れた4:2:0信号への逆変換を行うことが可能とな
る。
【0029】本発明に係る第5の映像信号処理装置は、
連続する複数のマクロブロックなどの部分領域毎に、画
素値のオーバーラップ領域あるいは補間領域を設けた処
理対象映像信号に対し、オーバーラップ領域あるいは補
間領域において画素値の空間的な変化量が最小となるよ
うに処理対象画像信号の画素値の選択あるいは生成を行
う手段を有することを特徴とする。
【0030】また、本発明に係る第6の映像信号処理装
置は、第5の映像信号処理装置を拡張したものであり、
画素値のオーバーラップ領域あるいは補間領域を設ける
か否かを所定の映像信号単位に設定し、オーバーラップ
領域あるいは補間領域を設けない所定の映像信号単位部
分については、有効画像領域の画素値の選択あるいは生
成に伴い削減される画素数に相当する所定の付加データ
が処理対象映像信号の有効画像領域に埋め込まれてい
る。ここで、所定の付加データは基本的に、前述した基
準映像信号、フレーム単位の属性に関する情報、あるい
は映像信号のスクランブルキーに関連する情報のいずれ
かが含まれるが、これらの情報に限定されるものではな
い。
【0031】そして、第6の映像信号処理装置は、第5
の映像信号処理装置の構成に加えて上述した所定の付加
データを抽出する付加データ検出手段と、この付加デー
タ検出手段により検出された付加データを所定の映像信
号に置き換えて出力する手段とをさらに有する。
【0032】MPEG2デコーダから出力される映像信
号はディジタルのサンプル値系列であり、これをD/A
変換してアナログ伝送路を介して伝送した場合、伝送特
性に依存したサンプル間の相互作用の影響が発生する。
【0033】第5の映像信号処理装置によれば、例えば
アナログ伝送路を介した伝送に伴うサンプル間の作用の
影響を小さくしたい部分について、画素値のオーバーラ
ップ領域あるいは補間領域を設け、オーバーラップ領域
あるいは補間領域において画素値の空間的な変化量が最
小となるように、画素値の選択あるいは生成を行うこと
で、隣接する画素サンプル間の相互作用を小さくするこ
とが可能となる。
【0034】このようなオーバーラップ領域あるいは補
間領域の挿入を行うと、実効的な有効画像領域が縮小さ
れることになる。逆に、伝送する画素数が一定である場
合で、これらの領域の挿入を行わない場合は、有効画像
領域が広がることになる。
【0035】この点、第6の映像信号処理装置によれ
ば、最終的な有効領域の画素数を一定とした場合、オー
バーラップ領域あるいは補間領域の挿入を行わない映像
における有効領域の拡張部分を利用して、映像データと
は異なる別の付加データを伝送することが可能となる。
この領域を利用して、前述した基準映像信号を伝送する
ことが可能であり、また各フレームの属性情報や各フレ
ームのスクランブルを解くためのキー情報などを送るこ
とが出来る。ここで、各フレームの属性情報とは、MP
EG2符号化における符号化パラメータ、コンテンツの
内容に付随するデータ、著作権情報、コピー禁止等を示
す再生制御情報等々である。
【0036】上記の付加データは、映像信号の有効領域
にマッピングされているため、映像信号としてそのまま
出力されると、表示装置に表示されてしまうことにな
る。そこで、本発明に係る第6の映像処理装置では、付
加データの抽出後にその領域を所定の映像データ(例え
ば黒やグレー)に置き換えて出力することで、目障りな
映像が画面の一部に表示されることを防ぐことが可能と
なる。
【0037】本発明に係る第7の映像信号処理装置は、
第1〜第6の映像信号処理装置において処理対象映像信
号としてスクランブルされた映像信号を入力し、この映
像信号をデスクランブルするデスクランブル手段をさら
に有することを特徴とする。このデスクランブル手段
は、第1、第2の映像信号処理装置に適用する場合は補
正手段の後段に、第3の映像信号処理装置に適用する場
合は波形等化フィルタの後段に、第4の映像信号処理装
置に適用する場合は逆変換手段の後段に、第5、第6の
映像信号装置に適用する場合は処理対象映像信号の有効
画像領域の画素値の選択あるいは生成を行う手段、ある
いは検出された付加データを所定の映像信号に置き換え
て出力する手段の後段にそれぞれ配置される。このよう
な構成により、デスクランブルに伴うアーチファクトを
低減することが可能となる。
【0038】ここで、スクランブルは例えば(1) 符号化
のマクロブロックに相当する画素データについてフレー
ム内の連続する複数のマクロブロックを単位とした水平
方向の画素値入れ替え、(2) 符号化のスライスに相当す
る画素データについてフレーム内のスライスなどの部分
領域を単位とした垂直方向の画素値入れ替え、(3) 映像
信号の色度/色差などの少なくとも一つの信号成分の極
性反転、または(4) 映像信号の信号成分の入れ替えある
いは回転のいずれかを含む。この場合、特に複数のマク
ロブロックあるいはスライスなどの部分領域を単位とす
る画素値入れ替えによるスクランブルは、画面内の外周
部分の部分領域については画素値の入れ替えを行わない
ようにしてもよい。
【0039】これらのスクランブル方法のうち、(1) お
よび(2) の方法では、有効画面の原点位置のずれは致命
的になるため、前述した第1の映像信号処理装置によっ
て有効画面の位置決めを行うことが有効となる。但し、
再サンプリング後の映像信号の有効領域の原点位置の補
正量が0でない場合、有効画像の一部分が欠けてしまう
可能性がある。この場合、欠落した画素がデスクランブ
ル後の映像では、有効画面の内部に位置する場合、再生
画像が乱れた映像となってしまう。これに対し、予め
(1) または(2) のスクランブルを施す場合に、本来の有
効画像領域の外周部分のマクロブロックあるいはブロッ
クについては、画素値の入れ替えを行わないようにして
おくことで、再サンプリング後に有効画像の一部分が欠
けてしまった場合でも、デスクランブル後の映像に大き
な影響を生じないようにすることが可能となる。
【0040】また、(3) および(4) のスクランブル方法
では、各映像信号成分に対する伝送路でのゲインおよび
直流オフセットの影響が大きい場合、極性反転の有無や
信号成分入れ替えの有無によって、映像信号が大きく変
化することになり、デスクランブル後の映像が視覚的に
不自然な映像となる。前述した第2の映像信号処理装置
特徴によれば、デスクランブルに先立ってゲインおよび
直流オフセットの補正を行うことが可能となり、デスク
ランブル後の映像の不自然さを取り除くことが可能とな
る。
【0041】また、いずれのスクランブル方法において
も、アナログ伝送路を介した後に、再サンプリングして
デスクランブルする場合、再サンプリングにおける再生
クロックの位相ずれやカットオフ周波数のずれのための
リンギングや、伝送路でのエコー等の影響を受け、デス
クランブル後の映像にアーチファクトを伴う場合があ
る。この点については、前述した第3の映像信号処理装
置により、デスクランブル処理に先立ち、再サンプリン
グ後の映像信号に対して、適応フィルタによる波形等化
処理を行うことによって、これらの大部分の影響を取り
除くことが可能となる。
【0042】また、MPEG2で符号化される映像信号
フォーマットの下で上記の各スクランブル処理が施さ
れ、復号後の出力映像信号フォーマットが他の映像信号
フォーマットに変換されて出力されており、その出力映
像信号を再サンプリングしてデスクランブル処理を行う
場合を考える。この場合、正確なデスクランブルを行う
ためには、再サンプリングした映像信号を符号化時の映
像信号フォーマットに一旦戻した上で、デスクランブル
処理を行う必要がある。前述した第4の映像信号処理装
置によれば、出力映像信号のフォーマット変換パラメー
タを自動推定することが可能となり、推定された変換パ
ラメータから逆変換のためのパラメータを算出すること
により、符号化時の映像信号フォーマットに精度よく戻
すことが可能となる。
【0043】本発明に係る第8の映像信号処理装置は、
マクロブロックあるいはブロック単位といった所定の領
域単位毎に画素値を一定とした基準映像信号を記録した
記録媒体から該基準映像信号を再生する基準映像信号再
生手段と、この基準映像信号再生手段により再生された
基準映像信号を用いて、(a) 映像信号の位置補正量、
(b) 映像信号のゲインおよび直流オフセットの補正量、
(c) 映像信号のための波形等化フィルタのタップ利得、
(d) 映像信号の変換された信号成分に対する逆変換パラ
メータの少なくとも一つのパラメータを決定するパラメ
ータ決定手段と、このパラメータ決定手段により決定さ
れたパラメータを記憶するパラメータ記憶手段と、基準
映像信号を記録した記録媒体と同一または異なる記録媒
体に記録された処理対象映像信号を再生する処理対象映
像信号再生手段と、この処理対象映像信号再生手段によ
り再生された処理対象映像信号をパラメータ記憶手段に
記憶されたパラメータに従って補正する補正手段とを有
することを特徴とする。
【0044】基準映像信号は、本編の映像コンテンツと
は別の記録媒体に記録されるか、本編の映像コンテンツ
と同一の記録媒体上に各映像コンテンツの再生に先立っ
て再生されるように記録されるか、あるいは本編の映像
コンテンツと同一の記録媒体上に各映像コンテンツの有
効画面内の所定領域部分に記録される。
【0045】すなわち、映像データが符号化されて光デ
ィスクなどの蓄積メディアに記録されており、映像デー
タを復号化して再生した後に、デスクランブル処理を施
す場合を考える。この場合、本発明における基準映像信
号を(a) 独立したディスクに記録する、(b) 映像コンテ
ンツが含まれるディスクと同一媒体上に映像コンテンツ
に先立って再生されるように記録する、(c) 映像コンテ
ンツの有効フレームの一部分に記録する、という方法が
考えられる。
【0046】(a) の方法では、まず基準映像信号が記録
された基準ディスクを再生して、補正パラメータを算出
してそれを記憶しておき、映像コンテンツが含まれる他
のディスクの再生時に、記憶した補正パラメータに従っ
た補正処理を行う構成とすることが出来る。(b) の方法
では、各ディスク毎に再生に先立って必ず基準映像信号
が再生され、自動的に補正パラメータの算出が行われ、
同一ディスクに含まれる映像コンテンツは、算出された
補正パラメータに基づく補正処理を行う構成とすること
が出来る。(c) の方法では、定期的に有効画像フレーム
の一部分を利用して基準映像信号が送られ、基準映像信
号が来るたびに、補正パラメータを修正する構成とする
ことが可能となる。
【0047】本発明に係る第9の映像信号処理装置は、
主映像信号の符号化データと、(a)映像信号の位置補正
量、(b) 映像信号のゲインおよび直流オフセットの補正
量、(c) 映像信号のための波形等化フィルタのタップ利
得、(d) 映像信号の変換された信号成分に対する逆変換
パラメータの少なくとも一つのパラメータを決定するた
めの基準映像信号を含む、前記主映像信号に付随する副
映像信号の符号化データを伝送または記録媒体を介して
受信する符号化データ受信手段と、この符号化データ受
信手段により受信された主映像信号の符号化データを復
号化する主映像信号復号化手段と、符号化データ受信手
段により受信された副映像信号の符号化データを復号化
する副映像信号復号化手段と、主映像信号復号化手段に
より得られた主映像信号上に副映像信号復号化手段によ
り得られた副映像信号をマッピングするマッピング手段
と、このマッピング手段により主映像信号に副映像信号
がマッピングされた映像信号を受信する映像信号受信手
段と、この映像信号受信手段により受信された映像信号
からマッピングされた副映像信号を抽出する副映像信号
抽出手段と、前記基準映像信号を用いて前記(a) 〜(d)
の少なくとも一つのパラメータを決定するパラメータ決
定手段と、このパラメータ決定手段により決定されたパ
ラメータにより映像信号受信手段により受信された映像
信号の補正を行う補正手段とを有することを特徴とす
る。
【0048】前述した基準映像信号は、映像信号の有効
画像領域を利用して伝送することもできるが、第9の映
像信号処理装置のように基準映像信号を主映像信号に付
随する副映像信号を用いてい伝送することが可能とな
る。例えばDVD−Video規格では、サブピクチャ
と呼ばれる副映像信号が規定されている。サブピクチャ
映像データは、ビットマップ映像を符号化したものであ
る。通常は、メニュー画面や、字幕スーパーなどの映像
を伝送するためのものである。
【0049】第9の映像信号処理装置では、このサブピ
クチャ映像を利用して、映像補正処理の基準映像信号を
送るという構成になる。サブピクチャは、主映像信号に
は影響を与えずに表示・非表示の制御が可能であり、補
正パラメータの算出中は表示を行い、補正中はサブピク
チャの表示を行わないなどの制御も容易に行うことが可
能となる。また、サブピクチャの主映像へのマッピング
位置は、画素精度で規定されるため、サブピクチャが乗
った映像信号を、アナログ伝送路などで伝送した場合に
も、有効画像領域の位置補正やゲインや周波数特性等の
伝送特性の補正を正確に行うことも可能となる。
【0050】本発明に係る第10の映像信号処理装置
は、主映像信号の符号化データと前記主映像信号に付随
する副映像信号の符号化データを伝送または記録媒体を
介して受信する符号化データ受信手段と、この符号化デ
ータ受信手段により受信された主映像信号の符号化デー
タを復号化する主映像信号復号化手段と、符号化データ
受信手段により受信された副映像信号の符号化データを
復号化する副映像信号復号化手段と、主映像信号復号化
手段により得られた主映像信号上に副映像信号復号化手
段により得られた副映像信号をマッピングするマッピン
グ手段と、このマッピング手段により主映像信号に副映
像信号がマッピングされた映像信号を受信する映像信号
受信手段と、この映像信号受信手段により受信された映
像信号に対してデスクランブル処理を行うデスクランブ
ル処理手段とを有する。
【0051】そして、主映像信号あるいは主映像信号の
符号化データにスクランブル処理がなされ、かつ副映像
信号あるいは副映像信号の符号化データに主映像信号あ
るいは主映像信号の符号化データに対するスクランブル
処理と同期して該スクランブル処理と等価なスクランブ
ル処理がなされていることを特徴とする。この場合、副
映像信号のうち基準映像信号が含まれる副映像信号につ
いては、主映像信号と同期した等価なスクランブル処理
は施さないようにすることが望ましい。
【0052】ここで、主映像信号がスクランブル処理を
施されており、またサブピクチャの映像が、非スクラン
ブルであるか、あるいは主映像信号とは独立にスクラン
ブルされている場合、受信側でのデスクランブルは、主
映像およびサブピクチャのそれぞれ独立にデスクランブ
ル処理を施してから、サブピクチャを主映像上にマッピ
ングする必要がある。
【0053】第9の映像信号処理装置では、サブピクチ
ャ映像を予め主映像信号のスクランブル処理と同期して
等価なスクランブル処理を行って符号化しておくことに
より、受信側ではサブピクチャがマッピングされた映像
信号に対してデスクランブル処理を施すことで、映像の
再生を行うことが可能となる。
【0054】また、サブピクチャ映像に、基準映像信号
が乗っている場合、第9の映像信号処理装置により、サ
ブピクチャ自体がスクランブルされている場合は、デス
クランブル前の映像信号から基準映像信号を抽出して、
デスクランブル前の映像信号に対する補正処理を行うこ
とが困難となる。これに対し、第10の映像信号処理装
置によれば、基準映像信号が含まれるサブピクチャにつ
いては、スクランブル処理をせず、また基準映像信号で
ない本来のサブピクチャ映像であれば、主映像と等価な
スクランブルを施すという構成にすることで、デスクラ
ンブル前の映像信号から、サブピクチャとしてマッピン
グされた基準映像信号を抽出し、抽出した基準映像信号
を用いて、デスクランブル前の映像信号に対する補正処
理を行うことが可能となる。
【0055】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。 (第1の実施形態)図1に、本発明の第1の実施形態に
係るシステム構成を示す。図1において、送信側では入
力信号20として例えばMPEG2方式により符号化さ
れた映像データが入力され、ビデオデコーダ10により
復号化される。ビデオデコーダ10から出力されるディ
ジタル映像信号21は、D/A変換器11によりアナロ
グ映像信号22に変換された後にアナログ伝送路を介し
て伝送され、映像信号受信装置1で受信される。映像信
号受信装置1は、A/D変換器12、映像信号補正部1
3、ディジタル信号処理部14およびD/A変換器15
から構成される。
【0056】すなわち、アナログ映像信号22はA/D
変換器12により再サンプリングされ、ディジタル化さ
れた後、映像信号補正部13に入力され、補正される。
この映像信号補正部13については、後に詳しく説明す
る。映像信号補正部13から出力される補正後のディジ
タル映像信号24は、ディジタル信号処理部14によ
り、各種の処理が施される。ディジタル信号処理部14
で行われる処理は、例えばスクランブルされた映像信号
のデスクランブル処理などである。このディジタル信号
処理部14から出力されるディジタル映像信号27は、
そのまま出力されるか、あるいはD/A変換器15によ
り再度D/A変換されてアナログ映像信号26として出
力される。
【0057】以下、図2〜図11を用いて、本実施形態
においてA/D変換器12により再サンプリングされデ
ィジタル化された映像信号に対する映像信号補正部13
による補正処理の内容について、詳しく説明する。この
映像信号補正部13による補正処理は、本実施形態では
(a)位置補正、(b)ゲインおよび直流オフセット補
正、(c)波形等化の3つである。
【0058】(位置補正について)ビデオデコーダ10
で復号化された映像信号21は、D/A変換やA/D変
換等の処理を通じて、有効画像領域の位置が若干ずれる
場合がある。図2は、有効画像領域の位置ずれの例を示
す図であり、オリジナルの映像信号の有効領域30に対
して、A/D変換器12により再サンプリングされディ
ジタル化された映像信号の有効領域31は、図のように
ずれている。すなわち、オリジナルの映像信号の有効領
域30の原点位置30aに対して、再サンプリング後の
映像信号の有効領域31の原点位置31aは水平方向お
よび垂直方向にずれている。
【0059】このように映像信号の有効画像領域の位置
が若干ずれた場合、例えばディジタル信号処理部14で
画素レベルのディジタル映像信号処理を行うと、本来意
図した画素位置と異なる画素位置のデータを操作してし
まうことによるアーチファクトが発生する場合がある。
この場合、有効画像領域のずれを自動的に検出して、位
置補正を行う処理が必要となり、この位置補正処理を映
像信号補正部13によって行う。
【0060】図3は、この位置補正に際して図2に示し
たような有効画像領域の位置ずれを検出するための基準
映像信号フレーム32の一例を示したものであり、例え
ば画面内の上部Nラインおよび左からM画素のデータの
画素値が“240”固定、それ以外のデータの画素値が
“16”固定となっている。ここで、各画素値は例えば
8ビットで表現され、その値は“0”〜“255”であ
る。また、A/D変換器12による再サンプリング後の
各々の画素値をY(v,h)とする。hは水平画素位置
(0〜H)、vは垂直ライン位置(0〜V)をそれぞれ
表す。図3に示した基準映像信号を用いて、式(1)に
示すように原点位置のずれ量(dv,dh)を推定し、
これを位置補正量として有効画像領域の位置補正を行う
ことが可能となる。Y′(v,h)は、位置補正がなさ
れた後の映像信号を表す。
【0061】
【数1】 これらの位置補正は、映像信号の特定の信号成分(例え
ば輝度信号)のみについて行い、映像信号の他の信号成
分(例えば色差信号)に対しては、位置補正量(dv,
dh)をサンプリング比に応じてスケーリングして用い
てもよいし、また図4に示すように各信号成分毎に独立
して基準映像信号フレームを規定し、それぞれ独立に位
置補正量を検出する構成としてもよい。図4では、4:
2:0コンポーネント信号と呼ばれる(Y,Cb,C
r)から構成される映像信号のうちの輝度信号(Y)に
対する基準映像信号フレーム40と色差信号(Cb,C
r)に対する基準映像信号フレーム41,42を示して
いる。
【0062】また、図3または図4の基準映像信号はフ
レーム(画面)全体の信号が伝送されるが、例えば図5
に示すようにフレームの上部のNラインにのみ基準映像
信号50を入れ、N+1ライン目から下は有効画像領域
とする構成として、基準映像信号専用のフレームではな
く、通常の映像フレームの一部を利用して基準映像信号
を送る構成としてもよい。
【0063】ここで、基準映像信号フレームの形状は図
3〜図5に示したものに限定されないが、いずれの場合
も画面内の所定の領域単位、例えばDCTブロックの整
数倍の単位で一定の画素値を有する構成とする。つま
り、基準映像信号の部分は、どのDCTブロックでもブ
ロック内の画素値が一定となる。また、基準映像信号の
部分は、常に動き補償予測を行わないイントラマクロブ
ロックとして符号化を行う。これにより以下に説明する
ように、符号化および復号化に伴う歪みを最小限に抑え
ることをが可能となる。
【0064】MPEG2方式では、原映像信号あるいは
動き補償予測により得られた予測誤差信号のいずれかが
ブロック(DCTブロック)毎にDCT変換され、これ
により得られた各DCT係数が量子化された後に可変長
符号化される。ブロック内で画素値が一定の場合、DC
T変換により直流成分のみが符号化されることになる
が、直流成分に対するDCTあるいは逆DCTの基底関
数は全て整数となり、小数点以下の演算誤差が発生しな
い。
【0065】また、MPEG2方式における量子化で
は、イントラマクロブロックのDCT係数のうち、直流
成分だけは量子化の影響を受けずに符号化される。つま
り、DCTブロック内で画素値が一定となる画像データ
については、イントラマクロブロックで符号化すること
で、ロスレスで符号化することが可能となり、符号化/
復号化系を通しても、画素値が保存されることになる。
従って、信号値が既知である基準映像信号を容易に伝送
することが可能となる。MPEG2方式におけるDCT
ブロックサイズは8×8画素であり、NおよびMは図3
の例ではそれぞれ8の倍数、図4の例ではそれぞれ16
の倍数とすればよい。
【0066】(ゲインおよび直流オフセット補正につい
て)D/A変換器11の入力のディジタル映像信号21
において画素値が“0”〜“255”の画素データは、
A/D変換器12による再サンプリング後のディジタル
映像信号23においても“0”〜“255”の画素値と
して受信されることが望ましい。しかし、実際はD/A
変換器11と、その出力のアナログ映像信号22を伝送
するアナログ伝送路およびA/D変換器12の特性の影
響を受けて、D/A変換器11の入力からA/D変換器
12の出力までの伝送路のゲインは1とはならず、また
伝送路で直流オフセットが付加されてしまう場合もあ
る。
【0067】図6は理想的な伝送特性を示したもので、
横軸が伝送画素値、縦軸が受信画素値を示している。一
方、図7〜図10はゲインや直流オフセットのずれが伝
送路で生じた場合の伝送特性の例を示している。ここ
で、破線が図6の理想的な伝送特性、実線が本来の伝送
画素値と再サンプリング後に実測された受信画素値の関
係を示している。
【0068】このようなゲインおよび直流オフセットの
ずれは、前述した既知の基準映像信号を送ることで、容
易に測定することが可能となる。すなわち、この基準映
像信号を用いれば、符号化および復号化の影響を容易に
排除し、純粋にD/A変換器11の入力側からA/D変
換器12の出力までの間の伝送路の伝送特性を測定する
ことが可能である。以下、既知の基準映像信号を伝送し
て測定された伝送特性から、その伝送特性の補正を行う
例を図7〜図10の場合について説明する。
【0069】図7および図8は、伝送路のゲイン特性を
1次関数で近似して補正するものである。伝送画素値を
Y、受信画素値をY′とし、Y′=aY+bと近似す
る。この式をYについて解くと、式(2)のように置き
換えられる。 Y=(Y′−b)/a …(2) 図7の例では、2つの異なる画素値の基準映像信号を用
いて、その基準映像信号の実測値の画素値から式(2)
中のa,bを求め、それ以降に受信される映像信号のゲ
イン補正を行う。図8の例では、さらに多くの画素値の
基準映像信号を用いて、その基準映像信号の実測値の画
素値からa,bの値を最小2乗法を用いて決定し、それ
以降に受信される映像信号のゲイン補正を行う。
【0070】また、図9のように伝送路が非線形なゲイ
ン特性をもつ場合は、複数の画素値をもつ基準映像信号
を用いて、その基準映像信号の実測値の画素値から画素
値“0”〜“255”に対する変換テーブルG(k) を作
成する。基準映像信号に含まれていない画素値に対する
変換値は、その近傍の変換値から内挿した値とする。そ
れ以降に受信される映像信号は、作成された変換テーブ
ルG(k) により、各画素の画素値変換を行う。式(3)
に、変換テーブルG(k) を用いた画素値変換の例を示
す。
【0071】 G(k) :k=0,1,…,255, 0≦G(k) ≦255 kが基準映像信号に含まれる場合 :G(k) =R(k) R(k) は基準映像信号値kに対する実測値 kが基準映像信号に含まれない場合:G(k) =Ak+B A={R(k′)-R(k″)}/(k′-k″) B=R(k′)-Ak′ k′,k″はk近傍の基準映像信号値 Y=G(Y′) :Y′は受信した画素値、Yは変換後の画素値 …(3) 図10に、色差信号に対する1次近似による画素値補正
の例を示す。サンプリングされたYCbCr信号の色差
信号は、通常ゼロレベルが“128”、つまり2の補数
表現された符号付き整数で表現される。ゼロレベルのず
れは、映像に大きく影響するため、色差信号については
基準映像の画素値に“128”を加えておき、式(4)
に示すように変換式を決定する。
【0072】 C=Ac(C′−R(128))+128 C′は受信した色差信号の画素値 R(128) は基準映像信号値“128 ”に対する実測値 Acは基準映像信号およびその実測値から決定される …(4) 次に、伝送路で発生したエコーや、再サンプリング位相
のずれ等によって生じるリンギングなどの影響の除去を
目的とした、本発明の実施形態に係る波形等化フィルタ
について説明する。
【0073】図11に、波形等化フィルタの構成例を示
す。図11の波形等化フィルタは、トランスバーサル型
の適応フィルタであり、一般的に波形等化器として用い
られるものである。このフィルタは、アナログ伝送され
た映像信号63をA/D変換器61で再サンプリング
し、再サンプリングされたディジタル映像信号64に対
して、トランスバーサルフィルタ60によりディジタル
処理でのフィルタリングを施す。図11の構成は、LM
S(Least Mean Square)アルゴリズムと呼ばれる学習ア
ルゴリズムを実装したものであり、既知の基準信号に対
してN−1タップのトランスバーサルフィルタ60の出
力信号66の値とその期待値65との比較を行い、その
誤差量をスイッチ62を介してフィードバックし、各タ
ップ係数の値C0 〜CN-1 の値を順次修正していくこと
で学習を行う。フィードバック量はパラメータμで決定
され、μの値で収束の速さが制御される。タップ係数の
学習が収束すると、スイッチ62により誤差量のフィー
ドバックをオフにして、決定したタップ係数を用いて入
力のディジタル画像信号64をフィルタリングすること
で、波形等化を行う。
【0074】適応フィルタの学習のため基準信号として
は、周波数帯域の広い信号を用いることが効果的であ
る。例えば、HDTVのサンプル値アナログ伝送方式を
用いるMUSE方式では、映像のブランキング期間にイ
ンパルス波形(インパルス状の画素サンプル)を基準信
号として伝送し、受信側での波形等化用適応フィルタの
学習を行う方法がとられている。しかし、インパルス波
形はMPEG2等の符号化を行うと符号化自体の影響を
大きく受けるため、本実施形態における伝送路の波形等
化には不向きである。
【0075】これに対し、本実施形態では前述したDC
Tブロックまたはその倍数のブロックからなる基準映像
信号を用いることにより、MPEG2方式による符号化
/復号化の影響を受けずに、任意のステップ波形を生成
することが可能となる。ステップ波形はインパルス波形
と同様に広い周波数帯域を持つため、伝送路の波形等化
用の基準信号としては、インパルス波形と同様に効果的
である。
【0076】以上の波形等化用適応フィルタとステップ
波形を利用した適応フィルタの学習を用いることで、ア
ナログ伝送や再サンプリングの影響による映像信号の歪
みを低減することが可能となる。なお、波形等化用適応
フィルタは、輝度/色差などの映像信号成分毎に独立に
実装および制御することが可能である。また、映像信号
成分毎に独立に適応フィルタの学習および等化処理を行
うことにより、映像信号毎の伝送特性の違いを効果的に
補正することが可能となる。
【0077】(第2の実施形態)図12は、本発明の第
2の実施形態に係るシステム構成例を示すブロック図で
ある。本実施形態は、第1の実施形態を拡張したもので
ある。図12において、図1と同一の構成要素について
は同一の参照符号を付して詳細な説明を省略し、第1の
実施形態との相違点を中心に説明する。
【0078】本実施形態が第1の実施形態と異なる点
は、送信側に映像信号フォーマット変換部70が追加さ
れ、さらに、映像信号受信装置2に映像信号フォーマッ
ト逆変換部71、第2の映像信号補正部72および映像
信号フォーマット変換部73が追加されていることにあ
る。MPEG2ビデオ規格の中で、特に広範に利用され
ているメインプロファイルでは、符号化対象の映像信号
のフォーマットは4:2:0コンポーネント信号と規定
されている。一方、従来の映像機器の映像信号フォーマ
ットでは、4:2:0信号を直接接続することは困難で
あり、通常、復号後に映像信号フォーマットの変換が行
われる。
【0079】映像信号フォーマット変換部70およびD
/A変換器11を用いて行われるフォーマット変換は、
4:2:0信号から4:2:2信号(YCbCrコンポ
ーネント信号)、Sビデオ信号、コンポジットビデオ信
号等への変換である。4:2:2信号、Sビデオ信号、
コンポジットビデオ信号は、いずれも輝度および2つの
色差信号から構成されている。
【0080】ただし、これらの信号は輝度と色差とで1
フレーム当たりのライン数が同一であり、色差信号のラ
イン数が輝度信号のライン数の半分である4:2:0に
対して、色差信号のライン数が2倍となっている。ま
た、Sビデオ信号およびコンポジットビデオ信号は、色
差信号Cb,Crが直交変換および帯域制限されて、I
およびQという二つの軸へ変換されている。Sビデオ信
号は、輝度信号Yと、IおよびQを多重した色信号Cの
2本の独立したアナログ信号として伝送される。さら
に、コンポジットビデオ信号は、色信号Cが輝度信号Y
に多重された1本のアナログ信号として伝送される。
【0081】ここで、MPEG2で符号化される4:
2:0信号の画素サンプルを単位としたディジタル映像
信号処理を行う必要がある場合、受信したアナログ映像
信号22に対して、A/D変換器12による再サンプリ
ングとともに映像信号フォーマットの逆変換を施す必要
がある。本実施形態では、映像信号フォーマット逆変換
部71において、A/D変換器12で再サンプリングさ
れた映像信号に対して、伝送路の影響を打ち消すための
第1の映像信号補正部13による補正がなされた後に、
この映像信号フォーマットの逆変換が行われる。また、
この映像信号逆変換部71による映像信号フォーマット
の逆変換後の映像信号75に対しても、第2の映像信号
補正部72による画素値の補正処理を加えることが可能
である。
【0082】本実施形態では、第1の映像信号補正部1
3による映像信号補正処理、映像信号フォーマット逆変
換部71による映像信号フォーマットの逆変換、および
第2の映像信号補正部72による、フォーマット逆変換
後の画素値の補正処理を行った映像信号76に対して、
MPEG2で本来符号化された4:2:0信号レベルで
のディジタル映像信号処理部14による補正を施した
後、再度、映像信号フォーマット変換部73により所望
の映像フォーマットに変換して出力する構成となってい
る。映像信号フォーマット変換部73から出力される映
像信号77は、そのままディジタル映像信号27として
出力されるか、あるいはD/A変換器15により再度D
/A変換されてアナログ映像信号26として出力され
る。以下、映像信号フォーカス逆変換部71による映像
信号フォーマットの逆変換について具体的に説明する。
【0083】前述のように、一般的な映像信号からMP
EG2の4:2:0信号に戻すためには、色差信号の垂
直方向のラインサブサンプリングが必要となる。図13
は、4:2:2信号から4:2:0信号への映像信号フ
ォーマットの逆変換を行う逆変換部80を示している。
4:2:2信号として輝度信号(Y信号)83と二つの
色差信号(Cb,Cr信号)84,85が入力され、逆
変換後の4:2:0信号として輝度信号(Y信号)86
と二つの色差信号(Cb,Cr信号)87,88が出力
される。4:2:2信号から4:2:0信号への変換
は、Cb信号およびCr信号について独立に垂直方向の
適応ラインサブサンプラ81,82で垂直方向のライン
サブサンプリングを行えばよい。Y信号83は、ライン
サブサンプラ81および82での処理遅延量分だけ遅延
回路89で遅延され、Y信号86として取り出される。
【0084】ここで、適応ラインサブサンプラ81,8
2の実施例を説明するに先立ち、まずMPEG2で規定
される4:2:0信号および4:2:2信号の画素の空
間および時間的な位相関係の説明を行う。図14および
図15は、フレーム内での輝度信号サンプル“×”、色
差信号サンプル“○”の位相関係を4:2:0信号およ
び4:2:2信号のそれぞれについて示したものであ
る。横軸はフレーム内水平方向、縦軸はフレーム内垂直
方向をそれぞれ表す。
【0085】図16および図17は、同様に4:2:0
信号および4:2:2信号の輝度信号サンプル“×”と
色差信号サンプル“○”の時間方向およびフレームある
いはフィールド内の垂直方向の位相関係をそれぞれ示し
ている。図16および図17において、それぞれ(a)
はインタレース画像のフィールド、(b)はノンインタ
レース画像のフレームにおける輝度信号および色差信号
の位相関係を示している。
【0086】図12において、MPEG2デコーダ10
により4:2:0信号21として復号化された映像信号
は、映像信号フォーマット変換部70により4:2:2
信号74に変換される。ここで、映像信号フォーマット
変換部70では、図14〜図17に示した位相関係に応
じて、色差信号に対して垂直方向に2倍オーバーサンプ
リングが行われる。このオーバーサンプリングフィルタ
の構成を推定することで、MPEG2デコーダ10によ
り復号化された4:2:0信号21を再構成することが
可能となる。この場合、基準映像信号を用いてオーバサ
ンプリングフィルタのタップ係数の推定を行い、推定さ
れたタップ係数に基づいて逆フィルタのタップ係数を算
出することで、他のフィルタを用いて4:2:2信号か
ら4:2:0信号へのダウンサンプリングを行う場合に
比べて、4:2:0信号21への逆変換を精度よく行う
ことができるようになる。
【0087】例えば、図12の映像フォーマット変換部
70がNタップのFIRフィルタを用いて4:2:0か
ら4:2:2への色差信号変換をフィールド単位で行っ
ていると仮定する。これは、例えば図16(a)におけ
る色差信号サンプル“○”を図17(a)における色差
信号サンプル“○”にフィールド単位で変換するもので
ある。例えば、N=2である場合、トップフィールドに
ついて隣接する2ラインの色差信号サンプルから1:7
および5:3の比で線形内挿が行われ、ボトムフィール
ドについては同様に3:5および7:1の比で線形内挿
が行われる。この線形内挿の様子を式(5)に示す。
【0088】 C422(2v,h) ={a×C420(v,h)+b×C420(v-1,h)}/(a+b) C422(2v+1,h) ={c×C420(v,h)+d×C420(v-1,h)}/(c+d) …(5) ここで、C420(v,h)は垂直ライン位置v、水平画素位置
hの座標の4:2:0信号の色差信号サンプルであり、
C422(v,h)は変換後の4:2:2信号の色差信号サンプ
ルである。a,b,c,dは変換パラメータであり、具
体的には線形内挿の内挿比率である。
【0089】この式(5)をC420(v,h),C420(v-1,h)
について解けば、4:2:2信号から4:2:0信号へ
の逆変換が求まることになる。通常、変換パラメータ
a,b,c,dは未知数であるが、既知の4:2:0基
準映像信号C420 とその4:2:2基準映像信号の実測
値C422 の組を少なくともタップ係数の個数数分独立し
て測定すれば、式(5)における変換パラメータa,
b,c,dを未知数として1次連立方程式解くことで、
a,b,c,dを推定することが可能となる。
【0090】また、タップ数が不明の場合でも、真のタ
ップ数Nより大きなタップ数M(M≧N)である変換フ
ィルタを仮定し、必要な数の基準映像信号およびその実
測データをもとに連立方程式を解くことで、タップ係数
の推定を行うことが可能である。
【0091】こうして4:2:0信号から4:2:2信
号への変換パラメータa,b,c,dが得られれば、こ
れの変換パラメータa,b,c,dにより、4:2:2
信号から4:2:0信号への適切な逆変換パラメータを
求めることが可能となる。ここで、変換パラメータを推
定するための基準映像信号は、色差信号におけるDCT
ブロックあるいはその倍数のブロック波形とすること
で、符号化/復号化の影響を受けずに、ブロック毎に任
意の画素値を設定した波形を伝送することが可能とな
る。
【0092】図18は、図12における映像信号フォー
マット逆変換部71の一例として、映像信号フォーマッ
ト変換部70で4:2:0信号からSビデオ信号に変換
された信号を再度4:2:0信号に逆変換するための映
像信号フォーマット逆変換回路90の構成を示した図で
ある。
【0093】Sビデオ信号は、前述した通り輝度信号
(Y)と、直交変換および帯域制限された色差信号I,
Qが多重化された色信号(C)が並列に伝送される。図
18において、輝度信号93は遅延回路99を通して出
力され、色信号94はI/Q分離回路91でI信号とQ
信号に分離された後に、マトリックス回路92により色
差信号Cb,Crに変換される。この時点でSビデオ信
号は4:2:2信号となっており、さらに色差信号C
b,Crのダウンサンプラ98a,98bで垂直方向の
1/2ダウンサンプリングが行われることによって、
4:2:2信号を構成する輝度信号(Y)95および二
つの色差信号(Cb,Cr)96,97が出力される。
図18におけるマトリックス回路92およびダウンサン
プラ98a,98bの逆変換パラメータは、図13の例
と同様に、既知の基準映像信号を用いて推定される変換
パラメータから逆算して求めることが出来る。
【0094】図19は、図12における映像信号フォー
マット逆変換部71の他の例として、映像信号フォーマ
ット変換部70で4:2:0信号からコンポジットビデ
オ信号に変換された信号を再度4:2:0信号に逆変換
するための映像信号フォーマット逆変換回路100の構
成を示した図である。
【0095】コンポジットビデオ信号104は、Y/C
分離回路102により輝度信号Yと色信号Cに分離され
た後、遅延回路109、分離回路101、マトリクス回
路102およびダウンサンプラ108a,108bによ
って図18に示したSビデオ信号に対する処理と同様の
処理が行われることにより、4:2:0信号へ変換され
る。また、図19においても、基準映像信号による変換
パラメータの推定と逆変換パラメータの算出が行われ
る。
【0096】図20は、図12における映像信号フォー
マット逆変換部71のさらに別の例として、映像信号フ
ォーマット変換部70で4:2:0信号からRGB信号
に変換された信号を再度4:2:0信号に逆変換するた
めの映像信号フォーマット変換回路110の構成を示し
た図である。
【0097】RGB信号114,115,116はマト
リックス回路111によりYCbCrの4:2:2信号
に変換され、さらにダウンサンプラ112,113によ
って色差信号の垂直方向のダウンサンプリングが行われ
ることにより、4:2:0信号117,118,119
に変換される。図20においても、図18および図19
と同様に、基準映像信号による変換パラメータの推定と
逆変換パラメータの算出が行われる。
【0098】次に、本発明のオーバーラップ処理あるい
は補間処理に係る実施形態について説明する。図21
は、本発明のオーバーラップ処理あるいは補間処理を施
したフレームを示している。図21中のa,bおよびc
は、連続する複数のマクロブロック位置を示したもので
あり、その水平方向の境界においてオーバーラップ領域
あるいは補間領域132および133を設けている。図
21では、連続する複数のマクロブロックaと連続する
複数のマクロブロックbとの境界付近でオーバーラップ
領域あるいは補間領域132および133となってい
る。これらのオーバーラップ領域あるいは補間領域13
2および133は、伝送特性に依存した映像信号の歪み
抑えたい部分に設定し、再サンプリング後の映像データ
から伝送特性に依存した歪みを除去して、映像信号の再
構成を行うことを目的としている。
【0099】次に、図22を用いてオーバーラップ処理
とその映像信号再構成処理の説明を行う。図22の14
0は、フレーム内の映像信号を水平方向に見た図であ
る。ここで、この映像信号の符号化すべき連続する複数
のマクロブロック領域(マクロブロックの集合)a,b
およびcを図22の141、142、143の位置にマ
ッピングして符号化する。このように符号化すべきマク
ロブロックのマッピングを行うことにより、図21中の
網掛けを施した信号部分は、二重に符号化されることに
なる。
【0100】符号化された映像信号は、通常の符号化デ
ータと同様に復号化され、復号化された映像信号はa,
b,cの順序で連続波形として伝送される。伝送された
映像信号を受信して再サンプリングを行い、マクロブロ
ック領域a,b,cの端部において、真の境界線144
および145より外側部分の映像信号を廃棄して、元の
映像信号140の波形を再構成する。
【0101】すなわち、マクロブロック領域aについて
は境界144より右側、マクロブロック領域bについて
は境界144より左側と境界145より右側、マクロブ
ロック領域cについては境界145より左側の映像デー
タをそれぞれ廃棄し、廃棄した部分を取り除いた後にマ
クロブロック領域a,b,cを結合することにより、元
の映像データ140を再構成する。このような処理を行
うことで、マクロブロック領域a,b,cがそれぞれ伝
送路の特性により、他の領域の画像信号との相互作用を
受けること無く、映像信号を伝送することが可能とな
る。例えば、マクロブロック領域aに着目すると、マク
ロブロック領域aがマクロブロック領域bと接する付近
の映像データは、伝送路の特性によりマクロブロック領
域bの左端付近の映像データからの相互作用を受ける。
しかし、マクロブロック領域aとマクロブロック領域b
とのオーバーラップ領域の外側半分をそれぞれ除去する
ことで、伝送路の特性に依存した領域間の相互作用を受
けた分部を取り除き、なお且つ元の映像信号140を再
構成することが可能となる。
【0102】図23は、補間領域を用いて領域間の伝送
特性に伴う相互作用を低減させる例を示したものであ
る。図23において、150は映像信号を水平方向に見
たものであり、この映像信号150を領域a′,b′,
c′の映像信号151,152,153に分割し、さら
に各領域a′,b′,c′間に補間信号157,158
を挿入する。補間信号157,158は、境界に0内挿
によるオーバーサンプリングと低域通過ディジタルフィ
ルタにより生成する。そして、補間信号157,158
を挿入した後の領域a,b,cの映像信号154,15
5,156を複数のマクロブロックとして符号化する。
【0103】受信側では、こうして符号化された映像デ
ータを復号化し、復号化された映像信号を伝送した後
に、再サンプリングして補間領域157,158に相当
する補間信号の除去を行い、元の映像信号150を再構
成する。
【0104】このように映像信号に補間信号を挿入して
符号化して伝送し、受信側で補間領域を除去することに
より、図22の例と同様に領域間、つまり領域a′と
b′との間、あるいは領域b′とc′との間での伝送特
性に依存した相互作用の影響を除去することが可能とな
る。
【0105】以上説明したように、図22あるいは図2
3の構成を用いると、伝送特性に依存した領域間の相互
作用を抑えることが可能となる。この特徴を用いると、
例えば、複数の異なる映像を同一フレーム上にマッピン
グした場合や、スクランブルによりブロックの入れ替え
が行われた場合などに、その境界線付近での伝送歪みの
影響を十分抑えることが可能となる。
【0106】図22あるいは図23のように、符号化す
べき映像信号として画面内のオーバラップ領域あるいは
補間領域を設けて符号化するフレームと、それらの領域
を設けずに符号化するフレームとが混在する場合、入力
される映像信号のフレームサイズが一定であれば、符号
化対象フレームの水平サイズはそれぞれ異なるものにな
る。
【0107】図24では、入力される映像フレーム17
0に対して、水平方向のオーバラップ領域あるいは補間
領域を設けることで、符号化フレーム171は図のよう
にサイズが水平方向に広がる。一方、オーバラップ領域
あるいは補間領域なしの映像フレームを符号化フレーム
171と同サイズのフレームにマッピングして符号化を
することを考えると、例えば図24の172に示すよう
に、映像フレーム領域174と無データ領域173が生
成される。この場合、無データ領域173を利用して、
入力される映像信号に関連した付加データを符号化され
た映像信号上にマッピングして伝送することが可能であ
る。つまり、オーバラップ領域あるいは補間領域が存在
するフレームと、オーバラップ領域あるいは補間領域が
存在しないフレームとが混在して符号化される場合、前
者のフレームでは付加データのマッピングは行わず、ま
た後者のフレームのみ付加データを映像信号上にマッピ
ングする構成とする。
【0108】ここで、付加データとしては、前述したブ
ロック波形で構成される基準映像信号を伝送することが
可能である。図25に、図24における無データ領域1
73上にブロック波形の基準映像信号をマッピングした
例を示す。図25において、182の部分は本来の映像
信号であり、181の部分が無データ領域にマッピング
された基準映像信号である。
【0109】また、付加データとしてフレーム属性を示
すデータをマッピングすることも可能である。フレーム
属性としては、符号化ピクチャタイプ(Iフレーム、P
フレーム、Bフレーム)、ビットレート、平均量子化ス
テップサイズ、フレーム符号量などのMPEG2符号化
における符号化パラメータ、コンテンツの著作権者情
報、複製不可/複製無制限可/複製回数制限などのコピ
ー制限情報、現在の複製回数を示すコピー世代管理情
報、コンテンツの分類コードや登場人物等のデータ、さ
らに、映像信号がスクランブルされている場合は、スク
ランブルキーに関連する情報などが挙げられる。
【0110】図26は、このような付加データがマッピ
ングされた映像信号に対して付加データ検出及びマスク
処理を行う映像信号処理装置190の構成を示したブロ
ック図である。映像信号処理装置190には、付加デー
タがマッピングされた映像信号の符号化データを復号化
して得られた映像信号197が入力される。映像信号1
97は、セレクタ191により前記のオーバラップ領域
あるいは補間領域が設けられ付加データのないフレーム
の映像信号200と、付加データがマッピングされたフ
レームの映像信号202に分離され、前者の映像信号2
00はフレーム再構成部192へ送られ、また後者の映
像信号202はさらにセレクタ194に送られる。
【0111】フレーム再構成部192では、図22ある
いは図23で説明したようにオーバラップ領域あるいは
補間領域の除去が行われ、再構成されたフレームの映像
信号201を映像多重部193へ出力する。一方、セレ
クタ194は入力の映像信号202が付加データ領域で
あれば付加データ検出器195へ映像信号204を送
る。付加データ検出器195では、映像信号204から
付加データが検出されて付加データ198が出力され
る。また、セレクタ194は入力の映像信号202が映
像領域であれば、映像信号203を映像多重部196に
送る。
【0112】映像多重部196からは、付加データ領域
に対して、黒映像信号205でマスク処理を施した映像
信号206が出力される。映像多重部193からは、再
構成された映像フレームの映像信号201と、付加デー
タがマスクされたフレームの映像信号206が適宜切り
替えられて出力映像信号199として出力される。
【0113】図27は、図25の付加データがマッピン
グされた映像フレームに対して付加データ領域に黒映像
のマスク処理を行ったフレーム210と、マスク処理を
行ったフレーム210に対して付加データ領域211の
幅に相当する原点位置の補正を行ったフレーム213を
示している。図26における映像多重部196からは、
図27における213の信号が出力される。
【0114】(第3の実施形態)図28は、本発明の第
3の実施形態に係るシステム構成例を示すブロック図で
ある。本実施形態は、第2の実施形態の特別な場合であ
る。図28において、図12と同一の構成要素について
は同一の参照符号を付して詳細な説明を省略し、第1の
実施形態との相違点を中心に説明する。
【0115】本実施形態が第2の実施形態と異なる点
は、映像信号受信装置3において図12におけるディジ
タル映像処理部14に相当するものが映像信号のデスク
ランブル処理部220となっており、さらに外部よりデ
スクランブルキー221を入力する手段が付加されてい
ることにある。
【0116】本実施形態では、送信側において入力され
る映像データ20はスクランブル処理されている。この
映像データ20をビデオデコーダ10で復号化して得ら
れたディジタル映像信号21がD/A変換器11により
再サンプリングされアナログ映像信号22に変換された
後、アナログ伝送路を介して伝送される。そして、映像
信号受信装置3では受信された映像信号22をA/D変
換器12、映像信号補正部13を経て映像信号フォーマ
ット逆変換部71でMPEG2符号化の4:2:0信号
に逆変換した映像信号76に対して、デスクランブル処
理部220でデスクランブル処理を施し、デスクランブ
ル処理後に再度映像信号フォーマット変換部73を通し
て映像信号77を出力する構成となっている。映像信号
フォーマット変換部73から出力される映像信号77
は、第2の実施形態と同様、そのままディジタル映像信
号27として出力されるか、あるいはD/A変換器15
により再度D/A変換されてアナログ映像信号26とし
て出力される。以下、本実施形態において映像信号に施
されるスクランブル処理の具体的な方法について説明す
る。
【0117】図29は、マクロブロック単位の画素値の
フレーム内での水平方向の入れ替えによるスクランブル
の例を示している。図29の1,2,3,…はフレーム
内のマクロブロック番号を示しており、図29(a)が
スクランブル前のマクロブロック位置を示している。こ
こで、連続する4つのマクロブロックを単位として、水
平方向で画素値の入れ替えを行ったスクランブル映像が
図29(b)である。図29(b)では、連続する4つ
のマクロブロック領域をスクランブル単位とすると、連
続する3つのスクランブル単位毎にランダムに配置を入
れ替えることにより、スクランブル処理が施されてい
る。ここで、ランダムな入れ替えパターンの発生方法を
決定するパラメータがスクランブルキーとなる。
【0118】図29(b)に示したスクランブル処理後
の映像信号がデコーダ10による復号化後にD/A変換
器11によりアナログ映像信号に変換されてアナログ伝
送路を介して伝送され、その後にA/D変換器12によ
り再サンプリングされ、さらに映像信号補正部13、映
像信号フォーマット逆変換部71を介してデスクランブ
ル処理部220でデスクランブル処理される場合を考え
ると、伝送特性に依存した特性により、デスクランブル
処理後の映像信号25に致命的なアーチファクトが発生
する場合がある。このアーチファクトとしては、例えば
(a)フレームの原点位置のずれ、(b)スクランブル
処理単位の境界で発生するリンギング、(c)垂直方向
のマクロブロック境界で発生する歪みなどが考えられ
る。(b)については、A/D変換器12で用いられる
再サンプリングクロックの位相ずれやジッタの影響、ま
た色差信号の軸変換や帯域制限フィルタなどが要因とな
る。また、(c)についても、マクロブロック位置の入
れ替えを行った映像データのデコーダ出力信号に対し
て、相関の無いライン間に跨って色差信号フィルタ
(4:2:0から他のビデオ信号への変換)が施される
ため、デスクランブル処理後の映像信号25に大きな歪
みが発生することになる。
【0119】しかし、本実施形態によれば図28に示す
ような構成で、映像信号補正部13および72におい
て、前述したように基準映像信号を用いた(1) 位置補
正、(2)ゲインおよび直流オフセットの補正、(3) 適応
フィルタによる波形等化処理によるリンギングの低減、
(4) フォーマット変換パラメータの推定によるフォーマ
ット逆変換、(5) スクランブル単位の境界付近でのオー
バラップあるいは補間処理といった各処理を必要に応じ
てデスクランブル処理部220によるデスクランブル処
理の前に行うことにより、デスクランブル処理後の映像
信号25における上記のようなアーチファクトを十分抑
制することが可能となる。
【0120】図30および図31は、他のスクランブル
方式の例を示す図である。図30は水平方向のマクロブ
ロックの集合であるスライスを単位として、フレーム内
で垂直方向に画素値の入れ替えを行う例であり、1,
2,3,…はスライス番号を示し、(a)がスクランブ
ル前の映像フレーム、(b)がスクランブル後の映像フ
レーム内のスライス位置を示している。図30の例で
は、連続する3つのスライス毎に、ランダムな入れ替え
を行っている。
【0121】また、図31は図29の水平方向のマクロ
ブロックの入れ替えと、図30の垂直方向のスライスの
入れ替えを組み合わせたものであり、同様に(a)がス
クランブル前の映像フレーム、(b)がスクランブル後
の映像フレーム内のスライス位置を示している。図31
では、水平方向のスクランブル単位となるマクロブロッ
ク数自体も、ランダムに変化する構成となっている。
【0122】図30あるいは図31のようなマクロブロ
ックあるいはスライスを単位と画素値の入れ替えによる
スクランブルでは、図29の例と同様に復号化、伝送、
再サンプリング、デスクランブルの順序で処理を行う
と、伝送特性に依存したアーチファクトがデスクランブ
ル後の映像信号に大きく発生することになる。しかし、
この場合も図28のような構成でA/D変換器12によ
る再サンプリング後の映像信号に対して、デスクランブ
ル処理部220でのデスクランブル処理の前に上記(1)
〜(5) の処理を施すことにより、これらのアーチファク
トは十分除去することが可能となる。
【0123】図32は、さらに他のスクランブル方式の
例を説明するための図であり、輝度信号Yおよび色差信
号Cb,Crに対して、それぞれ独立に極性反転処理が
施されたスクランブルに対するデスクランブル部260
の構成を示している。このスクランブル処理の例では、
輝度信号Yおよび色差信号Cb,Crが極性反転するか
あるいはしないかを信号成分毎に独立に動的に変化させ
ることでスクランブルさせる。従って、極性反転の時間
変化パターンを生成するパラメータがスクランブルキー
となる。
【0124】図32において、入力信号267,26
8,269はそれぞれY信号、Cb信号、Cr信号であ
り、それぞれ極性反転器261,262,263で極性
反転される。セレクタ264,265,266は、外部
からの制御信号270,271,272により、極性反
転器261,262,263で極性反転された信号と極
性反転されない信号267,268,269を信号成分
毎に独立に切り替えて、出力信号273,274,27
5として出力する。
【0125】このような極性反転の有無によるスクラン
ブル処理が施された映像データに対して、図29の例と
同様に復号化、伝送、再サンプリング、デスクランブル
処理の順序で処理を行うと、伝送特性に依存したアーチ
ファクトがデスクランブル後の映像信号に大きく発生す
ることになる。特に、ゲインおよび直流オフセットのず
れは、深刻なアーチファクトを生じさせることになる。
この場合、式(6)に示すように、信号Yが極性反転さ
れた信号Inv(Y)は、さらに極性反転することによ
り、信号Yへ戻すことができる。しかし、伝送路のゲイ
ンがaであり、また直流オフセットbが加算された場
合、極性反転して伝送した信号を再度極性反転したもの
Y′と、極性反転せずに伝送したものY″とが一致しな
くなり、極性反転の有無が切り替わる度に、デスクラン
ブルされた映像信号の特性が変化して、視覚的に非常に
見苦しい映像となってしまう。
【0126】 Y=Inv(Inv(Y)) Y′=Inv(a×Inv(Y)+b) Y″=aY+b Y′≠Y″ …(6) しかし、本発明に基づいて基準映像信号を用いたゲイン
および直流オフセットの補正を再サンプリング後の信号
に対して施した後にデスクランブル処理を行うことで、
上記のアーチファクトは取り除くことが可能となる。
【0127】図33に、さらに別のスクランブル方式の
例を示す。図33に示すスクランブルは、2次元の色差
信号に着目し、色差信号の直交変換によるスクランブル
を施すものである。式(7)にその変換式を示す。
【0128】
【数2】 図33は、色差信号軸の入れ替えあるいは回転を示して
いる。図33(a)はCb信号とCr信号の入れ替えに
よるスクランブルであり、式(7)における変換係数が
a=0,b=1,c=1,d=0となる場合である。図
33(b)はCbおよびCrの軸を+θだけ回転した場
合であり、式(7)の変換係数を時間的に変動させるこ
とにより、スクランブルを行う。ここで、変換係数の変
化パターンを発生させるためのパラメータがスクランブ
ルキーとなる。スクランブルおよびデスクランブルとも
に、式(7)の演算を行うことになるが、変換係数はそ
れぞれ逆行列の関係になる。
【0129】図34は、式(7)に示されるスクランブ
ルを行うスクランブル処理部あるいはデスクランブル処
理部をブロック図で示したものである。このスクランブ
ル処理部あるいはデスクランブル処理部280は変換係
数a,b,c,dを用いて演算を行うマトリクス回路2
81を有し、入力信号282,283,284としてY
信号、Cb信号、Cr信号が入力され、出力信号28
5,286,287としてスクランブル処理された、あ
るいはデスクランブル処理されたY信号、Cb信号、C
r信号を出力する。
【0130】ここで、図29の例と同様に、復号化、伝
送、再サンプリング、デスクランブルの順序で処理を行
うと、伝送特性に依存したアーチファクトがデスクラン
ブル後の映像信号に大きく発生することになる。特に、
式(7)の演算により、デスクランブル処理部では信号
成分間の相互作用を受けるため、信号成分間の伝送特性
の違いは、致命的なアーチファクトをデスクランブル後
の映像データに発生させる。しかし、本発明に基づいて
再サンプリング後にデスクランブル前のデータに対し
て、上述の(1) 〜(5) の処理を信号成分毎に施すことに
より、こららのアーチファクトは十分除去することが可
能となる。
【0131】図35は、図29〜図31に示したスクラ
ンブル方式において、画面内の最外周部分でブロックあ
るいはマクロブロックを単位とした所定の幅の領域で
は、マクロブロックの入れ替えによるスクランブルを行
わないように制限する例を示している。図35に示すマ
クロブロックの入れ替えによるスクランブルが行われる
フレーム290のうち、外周の1マクロブロック291
はマクロブロック入れ替えのスクランブルが行われず、
図中の網掛けで示した領域292のみについてマクロブ
ロックの入れ替えによるスクランブルが行われる。
【0132】図2に示したように、伝送特性に依存して
映像フレームの原点位置がずれてしまった場合、外周部
分の一部の有効画素データが欠落してしまう場合があ
る。この場合、有効画像領域内の全てのマクロブロック
位置で、マクロブロックの画素データの入れ替えを行う
と、上記の有効画素データの欠落に伴い、映像フレーム
内部にデスクランブルにおいても再構成されない画素領
域が発生する。
【0133】しかし、図35のようにスクランブル領域
291と非スクランブル領域292とを切り分けること
で、有効画素データの欠落を非スクランブル領域に限定
することが可能となり、デスクランブル後の映像の内部
に画素データの欠落個所が発生することを防ぐことが可
能となる。
【0134】(第4の実施形態)図36は、本発明の第
4の実施形態に係るシステム構成例を示すブロック図で
ある。本実施形態は、第3の実施形態を拡張したもので
ある。図36において、と図28と同一の構成要素につ
いては同一の参照符号を付して詳細な説明を省略し、第
3の実施形態との相違点を中心に説明する。
【0135】本実施形態の第3の実施形態との違いは、
映像信号受信装置4にスクランブルキー情報検出部23
0とスクランブルキー生成部233が追加されているこ
とにある。本実施形態では、映像信号受信装置4に入力
される映像信号22がスクランブルされており、また映
像信号上の有効画像信号領域の一部を用いてスクランブ
ルキーに関連する第1の情報がマッピングされている。
そして、スクランブルキー情報検出部230によりスク
ランブルキーに関連する第1の情報231の抽出を行
う。
【0136】また、外部より入力されるスクランブルキ
ーに関連する第2の情報232と、映像信号から抽出し
たスクランブルキーに関連する第1の情報231とか
ら、スクランブルキー生成部233によりスクランブル
キー234を生成し、デスクランブラ220で映像信号
のデスクランブル処理を行う。
【0137】スクランブルキーに関連する第2の情報2
32は、例えば映像タイトル毎に固定の情報であり、I
Cカードやインターネットを経由して入力される。ま
た、スクランブルキーに関連する第1の情報231は、
動的に変化するスクランブルキーの差分情報である。こ
れら二つの情報231,232を組み合わせることで、
動的に変化するスクランブルキーを再構成することが可
能となる。ここで、スクランブルキーに関連する第2の
情報232を有料で提供することにより、映像信号の個
別課金システムを構成することも可能である。
【0138】(第5の実施形態)図37は、本発明の第
5の実施形態に係るシステム構成例を示すブロック図で
ある。本実施形態は、第1の実施形態を応用したシステ
ムである。デコーダ10へ入力される映像データは、光
ディスク302に記録されており、光ディスクドライブ
装置301により再生される。復号化された映像信号2
1は、D/A変換器11によりアナログ映像信号22に
変換され、アナログ伝送路を経由して伝送される。
【0139】映像信号受信装置5においては、受信され
たアナログ映像信号22がA/D変換器12により再サ
ンプリングされてディジタル化され、このディジタル映
像信号23に対して映像信号補正部13による補正処理
とディジタル信号処理部14によるディジタル映像信号
処理された後に、D/A変換器15でアナログ信号に戻
されて出力される。出力されたアナログ映像信号26は
表示装置305に供給され、映像として表示される。
【0140】ここで、光ディスク302はDVD−Vi
deoディスクであり、光ディスクドライブ装置301
とデコーダ300およびD/A変換器11の部分300
は、従来のDVDビデオプレーヤであると想定すること
が出来る。また、A/D変換器12、映像信号補正部1
3、ディジタル信号処理部14、D/A変換器15およ
び後述するデータメモリ303からなる映像信号受信装
置5は、外付けのアダプタであり、DVDプレーヤ30
0から出力される映像信号22を入力して、映像信号2
6を出力する。
【0141】図37のシステムにおいて、DVD−Vi
deoディスク(DVDビデオディスク)である光ディ
スク303に記録されている映像信号は、図29〜図3
5で説明したスクランブル処理が施されており、アダプ
タ5のディジタル映像信号処理部14でデスクランブル
される。外部からのデスクランブルキーは、線304を
介してアダプタ5に設定される。線304はICカード
やインターネットと接続されており、デスクランブルキ
ーを有料とすることで、課金制御を行うことが可能とな
る。すなわち、映像信号のスクランブルを利用すること
により、従来のDVDビデオ規格の枠組みの中で、従来
のDVDプレーヤ300と外付けアダプタ5の組み合わ
せによって課金制御可能なDVDビデオシステム(より
一般的には、ディジタル映像システム)を構築すること
が可能となる。
【0142】ただし、図37ではDVDプレーヤ300
から出力されるアナログ映像信号22をアナログ伝送路
を介してアダプタ5に伝送した後に、再サンプリング処
理を施してデスクランブル処理を行う構成となるため、
アナログ伝送路の特性に応じて、デスクランブル後の映
像信号にアーチファクトが発生する場合がある。しか
し、既に説明したように本発明に基づき、基準信号を用
いて補正パラメータを算出し、映像信号補正部13によ
る補正処理を行うことで、アナログ伝送路の特性に依存
したアーチファクトを十分に低下させることが可能とな
る。
【0143】図37のシステムでは、一旦各機器が設置
されれば、そこでのアナログ伝送特性は、ほぼ一意に決
定される。従って、アダプタ5の内部にデータメモリ3
03を用意しておき、基準映像信号を用いた補正パラメ
ータの算出を一度だけ行い、得られた補正パラメータは
データメモリ303に記憶しておく構成とすることが可
能である。
【0144】また、このようにして補正パラメータの設
定が済めば、同一システム環境においては、基準映像信
号による補正パラメータの算出を毎回行う必要はなく、
DVDビデオの再生を行う度に、データメモリ303に
記録された補正パラメータを読み出して、映像信号に対
する補正処理を行う構成とすることも出来る。
【0145】次に、図38〜図40に示すフローチャー
トを用いて、本実施形態に係るディジタル映像システム
の動作例を説明する。図38は、上述した補正パラメー
タ算出のための基準映像信号が独立した光ディスク(基
準ディスクという)として供給される場合の動作フロー
である。この動作例では、DVDプレーヤ300にアダ
プタ5を接続して、DVDビデオディスク302からの
再生を開始するに当たり、まずアダプタ5内のデータメ
モリ303に記録される補正パラメータが初期化されて
いるか否かを判断し(ステップS10)、初期化されて
いない場合、基準映像信号が記録された基準ディスクの
再生がユーザに対して要求される(ステップS11)。
そこで、ユーザが基準ディスクから基準映像信号の再生
を行うと(ステップS12)、映像信号補正部13で必
要な補正パラメータが算出され(ステップS13)、算
出された補正パラメータがデータメモリ303に記録さ
れる(ステップS14)。この後、ステップS10に戻
る。
【0146】一方、ステップS10で補正パラメータが
初期化されている場合は、スクランブルされた映像信号
の符号化データが含まれるDVD−Videoディスク
302から再生を行うと、データメモリ303に記録さ
れた補正パラメータが読み出され(ステップS15)、
これに基づいて入力される映像信号に対して順次補正処
理が施され(ステップS16)、さらに補正処理された
映像信号に対しディジタル信号処理(デスクランブル処
理)が施される(ステップS18)。そして、ステップ
S19でDVDビデオディスク302からの再生が終了
したと判断されるまで、ステップS16〜S18の処理
が繰り返される。
【0147】図39は、補正パラメータ算出のための基
準映像信号がスクランブルされた映像信号の符号化デー
タが記録されたディスクと同一の媒体上に記録されてお
り、映像信号の再生に先立って、基準映像信号が再生さ
れる場合の動作フローを示したものである。この動作例
では、ディスクを入れ替えて再生する毎に自動的に基準
映像信号が再生され(ステップS20)、アダプタ5の
補正パラメータの算出が行われ(ステップS21)、補
正パラメータが設定される(ステップS22)。次に、
同一ディスク上の映像信号(映像コンテンツ)の再生が
開始され(ステップS23)、この映像信号に対して順
次補正処理が施され(ステップS24)、さらに補正処
理された映像信号に対してディジタル信号処理(デスク
ランブル処理)が施される(ステップS25)。そし
て、ステップS26でDVD−Videoディスク30
2からの再生が終了したと判断されるまで、ステップS
23〜S25の処理が繰り返される。
【0148】図40は、補正パラメータ算出のための基
準映像信号が映像信号フレーム内の有効画像領域の一部
を使って伝送されるシステムにおける動作フローを示し
たものである。この動作例では、ディスクから映像が再
生され(ステップS30)、ステップS31で再生映像
信号の有効画像領域の一部に基準映像信号がマッピング
された映像フレームが検出されると、基準映像信号が検
出され(ステップS32)、さらに補正パラメータの算
出が行われ(ステップS33)、これに基づき前回まで
の補正パラメータの更新が行われる(ステップS3
4)。その後、更新された補正パラメータを用いて、再
生された映像信号に対して順次補正処理が施され(ステ
ップS35)、さらに補正処理された映像信号のディジ
タル信号処理(デスクランブル処理)が施される(ステ
ップS36)。そして、ステップS37でディスクから
の再生が終了したと判断されるまで、ステップS30〜
S36の処理が繰り返される。
【0149】この図40の動作フローに基づくシステム
では、基準映像信号がマッピングされた映像フレームを
検出する度に、基準映像信号の検出と補正パラメータの
更新を順次行う構成となるため、動的に変動する伝送特
性の変化に対しても追随することが可能となる。
【0150】(第6の実施形態)次に、本発明の第6の
実施形態として、図41〜図44を用いて補正パラメー
タを算出ための基準映像信号を主映像信号ではなく、副
映像信号を利用して伝送するシステムについて説明す
る。
【0151】DVDビデオ規格では、MPEG2で符号
化される主映像データ以外に、サブピクチャと呼ばれる
副映像データが規定されている。サブピクチャは、ビッ
トマップデータを符号化したものであり、主映像の符号
化データとサブピクチャの符号化データとは、パケット
多重されて光ディスクに記録される。サブピクチャの映
像は、DVDプレーヤ内部で復号化された主映像信号の
有効画像領域上の定められた位置にオーバレイされ、こ
のサブピクチャがオーバレイされた映像信号がDVDプ
レーヤより出力される。
【0152】図41は、サブピクチャと主映像フレーム
とのマッピング例を示したものである。主映像フレーム
311と基準映像信号であるサブピクチャデータ310
は、それぞれ独立に符号化されパケット多重化される。
デコーダでそれぞれの符号化データは復号化され、図4
1の312に示すように、主映像フレーム上の定められ
た位置にサブピクチャ映像がマッピングされて出力され
る。
【0153】図42は、本発明の第6の実施形態に係る
システム構成例を示すブロック図であり、DVD規格の
サブピクチャのような副映像信号に対して、映像信号の
補正パラメータを決定するための基準映像信号をマッピ
ングして伝送する構成となっている。図42において、
サブピクチャ符号化データと主映像信号符号化データが
パケット多重されたデータ320は、デマルチプレクサ
321により主映像信号符号化データ322とサブピク
チャ符号化データ323とに分離される。分離された各
データ322,323は、ビデオデコーダ324および
サブピクチャデコーダ325でそれぞれ復号化され、オ
ーバーレイ部328により、復号化された主映像信号3
26上に復号化されたサブピクチャ327がマッピング
される。オーバーレイ部328によりマッピングされた
映像信号は、A/D変換器11によりアナログ映像信号
22に変換された後、アナログ伝送路を介して映像信号
受信装置6に伝送される。
【0154】なお、図42におけるデマルチプレクサ3
21からD/A変換器11までの処理部は、従来のDV
Dプレーヤにも含まれているものである。出力された映
像信号22は、映像信号受信装置6においてA/D変換
器12により再サンプリングされディジタル化されて、
サブピクチャとしてマッピングされた基準映像信号が基
準映像信号検出部330により抽出され、映像信号補正
部13の補正パラメータの更新に用いられる。映像信号
補正部13により補正された映像信号24は、ディジタ
ル信号処理部14によりデスクランブル処理されて出力
される。
【0155】本実施形態においては、主映像信号が図2
9〜図35で説明した各種のスクランブル処理が施され
ている場合、サブピクチャの映像が本来表示されるべき
映像データであれば、サブピクチャについても関連する
主映像フレームのスクランブルと同期したスクランブル
処理を施すものとする。
【0156】例えば、図30で示したスライスの入れ替
えによるスクランブルが主映像信号に施されている場合
について、図43を用いて説明する。図43(a)は、
本来表示されるべき映像フレームを示しており、主映像
フレーム340とサブピクチャ341からなる。サブピ
クチャ341のみを抜き出したのが342である。
【0157】ここで、主映像フレームが図43(b)の
ようにスライスの入れ替えによるスクランブル処理が施
されている場合、サブピクチャについても344,34
5,346のように主映像フレームと連動したスクラン
ブルを施しておけば、復号化されサブピクチャが主映像
信号にマッピングされた後の信号に対して、デスクラン
ブル処理を施すことにより、主映像とサブピクチャの両
方の信号を同時にデスクランブルすることが可能とな
る。そのためには、図43(a)のサブピクチャ342
を図43(b)の347のように置き換えて符号化して
おけばよい。ここで、図43(b)の348,349の
部分については、主映像信号が表示される領域であるの
で、サブピクチャのピクセルデータの属性を透過(Trans
parent) とする。
【0158】一方、図41のように、補正パラメータ算
出のための基準映像信号をサブピクチャを利用して伝送
する場合、基準映像信号をデスクランブル処理よりも前
段で検出する必要があり、図43で示したように主映像
信号と同期したスクランブルをサブピクチャに施すと、
基準映像信号の検出が困難となる。そこで、サブピクチ
ャが映像信号である場合は、図43のように主映像信号
と同期したスクランブルをサブピクチャにも施し、ま
た、サブピクチャが補正パラメータ算出のための基準映
像信号である場合は、主映像信号と同期したスクランブ
ル処理を施さないように、切り替えて符号化する。この
ようにすることで、デスクランブル前の映像信号から、
主映像信号のスクランブル方式に関わらず、サブピクチ
ャにマッピングされた基準映像信号を検出することが可
能となる。
【0159】図44は、サブピクチャにマッピングされ
た基準映像信号の主映像信号に対するオーバーレイの例
を示している。図44(a)は、主映像信号360がス
クランブルされていない場合であり、サブピクチャに基
準映像信号361がマッピングされている。図44
(b)は主映像信号362がスクランブルされている場
合であり、同様にサブピクチャに基準映像信号363が
マッピングされている。図44に示したように、主映像
信号のスクランブルの有無に関わらず基準映像信号が常
に所定の位置にマッピングされているので、デスクラン
ブル処理の前段で基準映像信号の検出を正常に行うこと
が可能となる。
【0160】
【発明の効果】以上説明したように、MPEG2等の動
画像符号化が行われた映像データを復号化し、復号化さ
れた映像信号をアナログ伝送路を介して伝送した後に、
再サンプリングを行い、ベースバンド映像信号のデスク
ランブル処理等のディジタル映像信号処理を行うシステ
ムにおいては、有効画像領域の原点位置のずれ、各映像
信号成分のゲイン及びDCオフセットのずれ、伝送特性
に依存したリンギングやエコーなどの影響、ポストフィ
ルタあるいは映像信号フォーマット変換の影響等によ
り、再生される映像信号にアーチファクトが発生する場
合があるが、本発明によれば、映像信号の有効領域を利
用してマクロブロックあるいはブロックといった所定の
領域単位毎に画素値を一定とした基準映像信号を伝送す
るか、あるいは副映像信号を利用して基準映像信号を伝
送し、この基準信号を用いて映像信号の補正を行うこと
により、このようなアーチファクトの発生を防ぐことが
可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るシステム構成を
示すブロック図
【図2】有効画像領域のずれの例を示す図
【図3】同実施形態における基準映像信号の一例を示す
【図4】同実施形態における基準映像信号の他の例を示
す図
【図5】同実施形態における基準映像信号の更に別の例
を示す図
【図6】伝送路の理想ゲイン特性を示す図
【図7】同実施形態における伝送路のゲイン補正の一例
を示す図
【図8】同実施形態における伝送路のゲイン補正の他の
例を示す図
【図9】同実施形態における伝送路のゲイン補正の別の
例を示す図
【図10】同実施形態における伝送路のゲイン補正の更
に別の例を示す図
【図11】同実施形態における波形等化フィルタの構成
例を示す図
【図12】本発明の第2の実施形態に係るシステム構成
を示すブロック図
【図13】同実施形態における映像信号フォーマット逆
変換部の構成例を示すブロック図
【図14】MPEG2ビデオ符号化における画素サンプ
ルの位相関係の一例を説明する図
【図15】MPEG2ビデオ符号化における画素サンプ
ルの位相関係の他の例を説明する図
【図16】MPEG2ビデオ符号化における画素サンプ
ルの位相関係の別の例を説明する図
【図17】MPEG2ビデオ符号化における画素サンプ
ルの位相関係のさらに別の例を説明する図
【図18】同実施形態に係る映像信号フォーマット逆変
換部の構成例を示すブロック図
【図19】同実施形態に係る映像信号フォーマット逆変
換部の他の構成例を示すブロック図
【図20】同実施形態に係る映像信号フォーマット逆変
換部の別の構成例を示すブロック図
【図21】本発明の第3の実施形態における映像信号に
対するオーバーラップ領域或いは補間領域の設定例を示
す図
【図22】同実施形態における映像信号に対するオーバ
ーラップ処理を説明する図
【図23】同実施形態における映像信号に対する補間処
理を説明する図
【図24】同実施形態における映像信号に対するオーバ
ーラップ領域或いは補間領域の設定例を示す図
【図25】同実施形態における映像信号に対する基準映
像信号のマッピング例を示す図
【図26】同実施形態における映像信号付加データ検出
及びマスク処理回路の構成例を示すブロック図
【図27】同実施形態における映像信号付加データのマ
スク処理の例を示す図
【図28】本発明の第4の実施形態に係るシステム構成
を示すブロック図
【図29】同実施形態における映像信号スクランブルの
一例を示す図
【図30】同実施形態における映像信号スクランブルの
他の例を示す図
【図31】同実施形態における映像信号スクランブルの
別の例を示す図
【図32】同実施形態における映像信号のデスクランブ
ル処理部の構成例を示すブロック図
【図33】同実施形態における映像信号スクランブルの
例を示す図
【図34】同実施形態における映像信号のデスクランブ
ル処理部の他の構成例を示すブロック図
【図35】同実施形態における映像信号スクランブル領
域設定例を示す図
【図36】本発明の第5の実施形態に係るシステム構成
を示すブロック図
【図37】本発明の実施形態に係るシステム構成例を示
すブロック図
【図38】同実施形態に係る処理の一例を示すフローチ
ャート
【図39】同実施形態に係る処理の他の例を示すフロー
チャート
【図40】同実施形態に係る処理の別の例を示すフロー
チャート
【図41】本発明の第6の実施形態に係る副映像信号を
用いた基準映像信号の例を示す図
【図42】同実施形態に係るシステム構成を示すブロッ
ク図
【図43】同実施形態における主映像信号及び副映像信
号のスクランブル例を示す図
【図44】同実施形態における主映像信号のスクランブ
ル及び副映像信号を用いた基準映像信号の例を示す図
【符号の説明】
10…ビデオデコーダ 11…D/A変換器 12…A/D変換器 13,72…映像信号補正部 14…ディジタル信号処理部 15…D/A変換器 20…映像信号符号化データ 22,26…アナログ映像信号 27…ディジタル映像信号 70、73…映像信号フォーマット変換部 71…映像信号フォーマット逆変換部 192…映像再構成部 195…付加データ検出部 220…デスクランブラ 221…スクランブルキー情報 261、262、263…ビット反転器 230…スクランブルキー情報検出部 301…光ディスク再生装置 302…光ディスク 303…データメモリ 305…ディスプレイ装置 321…デマルチプレクサ 324…ビデオデコーダ 325…サブピクチャデコーダ 328…サブピクチャオーバーレイ部 330…基準映像信号検出部
フロントページの続き Fターム(参考) 5C021 PA17 PA36 PA42 PA56 PA58 PA62 PA66 PA67 PA74 PA79 RB00 RB08 SA11 SA22 SA25 XB12 XC00 YC08 ZA00 ZA02 ZA12 5C053 FA24 FA30 GB23 GB38 JA21 JA30 KA09 KA11 KA16 KA30 LA15 5C059 KK01 KK43 LA00 MA00 PP04 RB12 RC00 RC35 SS06 SS13 UA11 5C064 CB01 CC06

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】処理対象映像信号と共に与えられる所定の
    領域単位毎に画素値を一定とした基準映像信号を用いて
    前記処理対象映像信号の位置補正を行う補正手段を有す
    ることを特徴とする映像信号処理装置。
  2. 【請求項2】処理対象映像信号と共に与えられる所定の
    領域単位毎に画素値を一定とした基準映像信号を用いて
    前記処理対象映像信号のゲインおよび直流オフセットの
    補正を行う補正手段を有することを特徴とする映像信号
    処理装置。
  3. 【請求項3】処理対象映像信号の波形を等化する波形等
    化フィルタと、 前記処理対象映像信号と共に与えられる所定の領域単位
    毎に画素値を一定とした基準映像信号を用いて前記波形
    等化フィルタのタップ利得を決定するタップ利得決定手
    段とを有することを特徴とする映像信号処理装置。
  4. 【請求項4】信号成分が変換された処理対象映像信号と
    共に与えられる所定の領域単位毎に画素値を一定とした
    基準映像信号を用いて、前記処理対象映像信号の前記信
    号成分を変換した際の変換パラメータを推定する変換パ
    ラメータ推定手段と、 前記変換パラメータ推定手段により推定された変換パラ
    メータから前記信号成分に対する逆変換パラメータを算
    出する逆変換パラメータ算出手段と、 前記逆変換パラメータ算出手段により算出された逆変換
    パラメータにより前記処理対象映像信号の信号成分の逆
    変換を行う逆変換手段とを有することを特徴とする映像
    信号処理装置。
  5. 【請求項5】連続する複数の所定領域単位毎に、画素値
    のオーバーラップ領域あるいは補間領域を設けた処理対
    象映像信号に対し、前記オーバーラップ領域あるいは補
    間領域において画素値の空間的な変化量が最小となるよ
    うに該処理対象映像信号の有効画像領域の画素値の選択
    あるいは生成を行う手段を有することを特徴とする映像
    信号処理装置。
  6. 【請求項6】前記画素値のオーバーラップ領域あるいは
    補間領域を設けるか否かが所定の映像信号単位に設定さ
    れ、オーバーラップ領域あるいは補間領域を設けない所
    定の映像信号単位部分については、有効画像領域の画素
    値の選択あるいは生成に伴い削減される画素数に相当す
    る所定の付加データが処理対象映像信号の有効画像領域
    に埋め込まれており、 所定の付加データを抽出する付加データ検出手段と、 前記付加データ検出手段により検出された付加データを
    所定の映像信号に置き換えて出力する手段とをさらに有
    することを特徴とする請求項5記載の映像信号処理装
    置。
  7. 【請求項7】前記処理対象映像信号はスクランブルされ
    た映像信号であり、この映像信号をデスクランブルする
    デスクランブル手段をさらに有することを特徴とする請
    求項1乃至6のいずれか1項記載の映像信号処理装置。
  8. 【請求項8】所定の領域単位毎に画素値を一定とした基
    準映像信号を記録した記録媒体から該基準映像信号を再
    生する基準映像信号再生手段と、 前記基準映像信号再生手段により再生された基準映像信
    号を用いて、(a) 映像信号の位置補正量、(b) 映像信号
    のゲインおよび直流オフセットの補正量、(c)映像信号
    のための波形等化フィルタのタップ利得、(d) 映像信号
    の変換された信号成分に対する逆変換パラメータの少な
    くとも一つのパラメータを決定するパラメータ決定手段
    と、 前記パラメータ決定手段により決定されたパラメータを
    記憶するパラメータ記憶手段と、 前記基準映像信号を記録した記録媒体と同一または異な
    る記録媒体に記録された処理対象映像信号を再生する処
    理対象映像信号再生手段と、 前記処理対象映像信号再生手段により再生された処理対
    象映像信号を前記パラメータ記憶手段に記憶されたパラ
    メータに従って補正する補正手段とを有することを特徴
    とする映像信号処理装置。
  9. 【請求項9】主映像信号の符号化データと、(a) 映像信
    号の位置補正量、(b) 映像信号のゲインおよび直流オフ
    セットの補正量、(c) 映像信号のための波形等化フィル
    タのタップ利得、(d) 映像信号の変換された信号成分に
    対する逆変換パラメータの少なくとも一つのパラメータ
    を決定するための基準映像信号を含む、前記主映像信号
    に付随する副映像信号の符号化データを伝送または記録
    媒体を介して受信する符号化データ受信手段と、 前記符号化データ受信手段により受信された主映像信号
    の符号化データを復号化する主映像信号復号化手段と、 前記符号化データ受信手段により受信された副映像信号
    の符号化データを復号化する副映像信号復号化手段と、 前記主映像信号復号化手段により得られた主映像信号上
    に前記副映像信号復号化手段により得られた副映像信号
    をマッピングするマッピング手段と、 前記マッピング手段により主映像信号に副映像信号がマ
    ッピングされた映像信号を受信する映像信号受信手段
    と、 前記映像信号受信手段により受信された映像信号から前
    記マッピングされた副映像信号を抽出する副映像信号抽
    出手段と、 前記基準映像信号を用いて前記(a) 〜(d) の少なくとも
    一つのパラメータを決定するパラメータ決定手段と、 前記パラメータ決定手段により決定されたパラメータに
    より前記映像信号受信手段により受信された映像信号の
    補正を行う補正手段とを有することを特徴とする映像信
    号処理装置。
  10. 【請求項10】主映像信号の符号化データと前記主映像
    信号に付随する副映像信号の符号化データを伝送または
    記録媒体を介して受信する符号化データ受信手段と、 前記符号化データ受信手段により受信された主映像信号
    の符号化データを復号化する主映像信号復号化手段と、 前記符号化データ受信手段により受信された副映像信号
    の符号化データを復号化する副映像信号復号化手段と、 前記主映像信号復号化手段により得られた主映像信号上
    に前記副映像信号復号化手段により得られた副映像信号
    をマッピングするマッピング手段と、 前記マッピング手段により主映像信号に副映像信号がマ
    ッピングされた映像信号を受信する映像信号受信手段
    と、 前記映像信号受信手段により受信された映像信号に対し
    てデスクランブル処理を行うデスクランブル処理手段と
    を有し、 前記主映像信号あるいは前記主映像信号の符号化データ
    にスクランブル処理がなされ、かつ前記副映像信号ある
    いは前記副映像信号の符号化データに前記主映像信号あ
    るいは前記主映像信号の符号化データに対するスクラン
    ブル処理と同期して該スクランブル処理と等価なスクラ
    ンブル処理がなされていることを特徴とする映像信号処
    理装置。
JP29282298A 1998-09-30 1998-09-30 映像信号処理装置 Pending JP2000115581A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29282298A JP2000115581A (ja) 1998-09-30 1998-09-30 映像信号処理装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29282298A JP2000115581A (ja) 1998-09-30 1998-09-30 映像信号処理装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000115581A true JP2000115581A (ja) 2000-04-21

Family

ID=17786803

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29282298A Pending JP2000115581A (ja) 1998-09-30 1998-09-30 映像信号処理装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000115581A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7293172B2 (en) 2003-01-22 2007-11-06 Ricoh Copmany, Ltd. Scrambling of image by randomizing pixel values
JP2008519558A (ja) * 2004-11-05 2008-06-05 インターデイジタル テクノロジー コーポレーション 等化器フィルタのタップ係数を発生するための方法および装置
JP2008209618A (ja) * 2007-02-26 2008-09-11 Necディスプレイソリューションズ株式会社 映像表示システム、映像信号送出機および映像表示装置
JP2011055486A (ja) * 2009-08-06 2011-03-17 Panasonic Corp 映像処理装置
JP2016507991A (ja) * 2013-01-22 2016-03-10 マイクロソフト テクノロジー ライセンシング,エルエルシー デインタレース後のサイド情報ベースの垂直彩度フィルタリング
WO2016092835A1 (ja) * 2014-12-10 2016-06-16 日本電気株式会社 映像生成装置、映像出力装置、映像出力システム、映像生成方法、映像出力方法、映像出力システム制御方法及び記録媒体

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7293172B2 (en) 2003-01-22 2007-11-06 Ricoh Copmany, Ltd. Scrambling of image by randomizing pixel values
JP2008519558A (ja) * 2004-11-05 2008-06-05 インターデイジタル テクノロジー コーポレーション 等化器フィルタのタップ係数を発生するための方法および装置
JP2008209618A (ja) * 2007-02-26 2008-09-11 Necディスプレイソリューションズ株式会社 映像表示システム、映像信号送出機および映像表示装置
JP2011055486A (ja) * 2009-08-06 2011-03-17 Panasonic Corp 映像処理装置
CN101998083A (zh) * 2009-08-06 2011-03-30 松下电器产业株式会社 影像处理装置
CN101998083B (zh) * 2009-08-06 2013-03-27 松下电器产业株式会社 影像处理装置
JP2016507991A (ja) * 2013-01-22 2016-03-10 マイクロソフト テクノロジー ライセンシング,エルエルシー デインタレース後のサイド情報ベースの垂直彩度フィルタリング
WO2016092835A1 (ja) * 2014-12-10 2016-06-16 日本電気株式会社 映像生成装置、映像出力装置、映像出力システム、映像生成方法、映像出力方法、映像出力システム制御方法及び記録媒体
JPWO2016092835A1 (ja) * 2014-12-10 2017-09-21 日本電気株式会社 映像生成装置、映像出力装置、映像出力システム、映像生成方法、映像出力方法、映像出力システム制御方法及び記録媒体

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7945102B2 (en) Data encoding apparatus, data encoding method, data output apparatus, data output method, signal processing system, signal processing apparatus, signal processing method, data decoding apparatus, and data decoding method
GB2277655A (en) Drop-out correction using motion vectors
EP0808067B1 (en) Noise reduction apparatus for encoded video signal
JP3772846B2 (ja) データ符号化装置およびデータ符号化方法、並びにデータ出力装置およびデータ出力方法
KR960010492B1 (ko) 서브나이키스트 샘플링된 영상 신호를 복조하기 위한 장치 및 그 복조방법
JP2009033581A (ja) 画像信号記録再生装置
KR100367831B1 (ko) 영상의 색차신호 필터링 방법 및 장치
JP3540447B2 (ja) 動画像符号化装置及び復号装置
US20040207755A1 (en) Apparatus and method for signal prcoessing of format conversion and combination of video signals
JP2000115581A (ja) 映像信号処理装置
JPH09172621A (ja) 圧縮高解像度ビデオ信号の補間装置および補間方法
US5450506A (en) Image data processing apparatus and method
JPS603266B2 (ja) 搬送色信号の位相調整方式
AU645200B2 (en) Method and apparatus for video signal bandwidth reduction with high quality compatible signal
CA2073736C (en) Apparatus and method for recording digital video signals
JP2009033582A (ja) 画像信号記録再生装置
JP3946177B2 (ja) 動画像符号化装置及び復号装置
JPH07107445A (ja) 画像信号処理方法
JP2591437B2 (ja) 高精細動画像信号符号化復号化装置
JP3831960B2 (ja) 圧縮高解像度ビデオ信号の補間装置および補間方法
JP4120900B2 (ja) 画像処理装置及び方法、並びに記録媒体
JPS62250708A (ja) 適応型サブサンプル用フイルタ装置
JPH06181563A (ja) Edtvテレビジョン信号のディジタル録画装置
JPH06315135A (ja) Edtv信号の記録装置
WO2004110072A1 (fr) Dispositif et procede pour conversion de format et melange de signal video