JP2000107941A - ワイヤ放電加工方法及び放電式ワイヤソー - Google Patents

ワイヤ放電加工方法及び放電式ワイヤソー

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JP2000107941A
JP2000107941A JP10280110A JP28011098A JP2000107941A JP 2000107941 A JP2000107941 A JP 2000107941A JP 10280110 A JP10280110 A JP 10280110A JP 28011098 A JP28011098 A JP 28011098A JP 2000107941 A JP2000107941 A JP 2000107941A
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Tameyoshi Hirano
▲為▼義 平野
Kanji Handa
貫士 半田
Keiji Kawaguchi
桂司 川口
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Toyo Advanced Technologies Co Ltd
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  • Electrical Discharge Machining, Electrochemical Machining, And Combined Machining (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 実際のワークと各切断ワイヤ部分との相対位
置関係を適正に保って終始良好な放電切断加工を行う。 【解決手段】 複数本の切断ワイヤ部分W1,W2,…
を形成し、これらとワーク28との間に電圧を印加しな
がらワーク28を切断送りすることにより、当該ワーク
28を放電切断加工する方法、及び、その切断加工を行
う放電式ワイヤソーに関する。各切断ワイヤ部分W1,
W2,…とワーク28との間の放電電圧を検出し、その
検出電圧に基づいて上記切断送り動作を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低抵抗シリコン等
の導電性を有する材料からなるワークを切断用ワイヤに
よって形成された複数本の切断ワイヤ部分によって放電
切断加工するための方法及び放電式ワイヤソーに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、円柱状インゴットからウェハを切
り出す場合等における切断手段として、砥粒を用いたワ
イヤソーが知られている。このワイヤソーでは、複数の
ガイドローラ間に巻回された切断用ワイヤをその長手方
向に高速駆動しながら、そのワイヤに対してワークを切
断送りすることにより、このワークから多数枚のウェハ
が同時に切り出される。
【0003】しかし、このようなワイヤソーでは、ガイ
ドローラ間に形成された複数本の切断ワイヤ部分に対
し、加工用砥粒が混合された加工液(スラリー)を同時
供給する必要があり、その取扱いは容易でない。また、
ワイヤがワークに直接接触するため、切断中にワイヤが
断線するおそれがあり、このような断線が生じた場合に
は復旧までに長時間を要する不都合がある。
【0004】さらに、加工能率についても、上記従来の
ワイヤソーでは、直径8インチのインゴットからウェハ
を切り出すのに8時間程度を要しており、加工時間短縮
のニーズが高まっている。
【0005】そこで近年は、導電性を有するワークを効
率良く切断する手段として、当該ワークと切断用ワイヤ
との間に電圧を断続的に印加し、各切断ワイヤ部分によ
ってワークを放電加工の原理で切断する放電式ワイヤソ
ー及びこれによる加工方法の開発が進められている(例
えば特開平9−248719号公報)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記放電式ワイヤソー
において良好な放電切断加工を続けるためには、ワーク
と各切断ワイヤ部分との間に常時適当な間隔を保ち、両
者間に十分な放電電圧を確保する必要がある。ところ
が、従来の放電式ワイヤソーでは、現実の切断ワイヤ部
分とワークとの相対位置に関係なく常に一定の切込み速
度でワークの切断送りが行われているため、実際には切
断ワイヤ部分とワークとが過剰接近して放電電圧が低下
しているにもかかわらず、そのままの速度で切断送りが
続けられてしまい、これにより切断不良が生じるおそれ
がある。
【0007】本発明は、このような事情に鑑み、実際の
ワークと各切断ワイヤ部分との相対位置関係を適正に保
って終始良好な放電切断加工を行うことができるワイヤ
放電加工方法及び放電式ワイヤソーを提供することを目
的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の手段として、本発明は、複数本の切断ワイヤ部分を形
成し、これらの切断ワイヤ部分とワークとの間に電圧を
印加しながら当該切断ワイヤ部分に対してワークを切断
送りすることにより当該ワークを複数個所で同時切断す
るワイヤ放電加工方法において、各切断ワイヤ部分とワ
ークとの間の放電電圧を検出し、これらの検出電圧に基
づいて上記ワークの切断送り動作を制御するものであ
る。
【0009】この方法によれば、各切断ワイヤ部分とワ
ークとの間の放電電圧を監視することによって、実際の
各切断ワイヤ部分とワークとの相対位置関係を的確に把
握できる。従って、その検出放電電圧に基づいてワーク
の切断送り動作を制御することにより、終始良好な放電
切断加工を続けることができる。
【0010】なお、検出される電圧は一般に時間変化す
るが(例えばパルス電圧)、この場合には、上記検出電
圧として平均電圧や最高電圧等を採用すればよい。
【0011】ここで、各検出電圧の最小値を求め、この
最小値に基づいてワークの切断送り動作を制御すれば、
すべての切断ワイヤ部分について、当該切断ワイヤ部分
とワークとの間の放電電圧を十分に確保しながら加工を
続けることができる。
【0012】例えば、上記最小値を予め設定された目標
値と比較し、当該最小値が目標値よりも大きい場合には
切断送りを続け、当該最小値が目標値以下の場合には切
断送りを停止するといった制御を行うことにより、放電
電圧が異常に低下するのを確実に防止することができ
る。
【0013】さらに、上記最小値が予め設定された目標
値よりも大きい場合には、その最小値と目標値との差に
応じた速度で切断送りを行うようにすることにより、実
際の放電電圧に見合った切断送り速度(すなわち実際の
ワークと切断ワイヤ部分との相対位置関係に見合った切
断送り速度)で効率よくワークの切断加工を行うことが
可能になる。
【0014】また本発明は、切断用ワイヤによって複数
本の切断ワイヤ部分が形成されるとともに、各切断ワイ
ヤ部分とワークとの間に電圧を印加する電圧印加手段
と、ワークを各切断ワイヤ部分に対して切断送りする切
断送り手段とを備えた放電式ワイヤソーにおいて、各切
断ワイヤ部分とワークとの間の放電電圧を検出する電圧
検出手段と、この電圧検出手段により検出された各電圧
に基づいて上記ワークの切断送り動作を制御する送り制
御手段とを備えたものである。
【0015】この放電式ワイヤソーにおいても、各検出
電圧の最小値を求め、この最小値に基づいてワークの切
断送り動作を制御するように上記送り制御手段を構成す
るのが好ましい。
【0016】そして、上記最小値が予め設定された目標
値よりも大きい場合には切断送りを続け、当該最小値が
目標値以下の場合には切断送りを停止するように上記送
り制御手段を構成することにより、放電電圧が異常に低
下するのを確実に防止でき、さらに、上記最小値が予め
設定された目標値よりも大きい場合には、その最小値と
目標値との差に応じた速度で切断送りを行うように上記
送り制御手段を構成することにより、効率の高い切断加
工が実現できる。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明にかかる実施の形態を図面
に基づいて説明する。
【0018】図3は、本発明方法を実施するためのワイ
ヤソーの一例を示したものである。このワイヤソーは、
一対のワイヤ繰出し・巻取り装置10A,10B、プー
リ12A,12B、プーリ14A,14B、プーリ16
A,16B、ワイヤ張力調節装置18A,18B、プー
リ22A,22B、及び4つのガイドローラ24A,2
4B,26A,26Bを備えている。ガイドローラ24
A,24Bは互いに同じ高さ位置に配され、ガイドロー
ラ26A,26Bはそれぞれガイドローラ24A,24
Bの下方の位置に配されており、ガイドローラ26Aが
駆動モータ25によって回転駆動されるようになってい
る。
【0019】各ワイヤ繰出し・巻取り装置10A,10
Bは、切断用のワイヤWが巻かれるボビン9A,9B
と、これを回転駆動するボビン駆動モータ11A,11
Bとを備えている。一方のワイヤ繰出し・巻取り装置1
0Aのボビン9Aから繰り出されたワイヤWは、プーリ
12A,14A,16A、ワイヤ張力調節装置18Aの
プーリ20A、及びプーリ22Aの順に掛けられ、さら
に多数のガイド溝をもつガイドローラ24A,24B,
26B,26Aの外側に多数回巻回された後、プーリ2
2B、ワイヤ張力調節装置18Bのプーリ20B、プー
リ16B,14B,12Bの順に掛けられ、他方のワイ
ヤ繰出し・巻取り装置10Bのボビン9Bに巻き取られ
ており、両ワイヤ張力調節装置18A,18Bによって
ワイヤWに適当な張力が与えられている。そして、駆動
モータ25によるガイドローラ26Aの回転駆動方向
と、各ボビン駆動モータ11A,11Bによるボビン9
A,9Bの回転駆動方向が正逆に切換えられることによ
り、ワイヤWがボビン9Aから繰り出されてボビン9B
に巻き取られる状態と、ワイヤWがボビン9Bから繰り
出されてボビン9Aに巻き取られる状態とに切換えられ
るようになっている。
【0020】すなわち、このワイヤソーにおいては、図
1に示すように、ガイドローラ24A,24Bの間に、
単一の切断用ワイヤWで構成された多数本の切断ワイヤ
部分(図1では便宜上5本の切断ワイヤ部分W1,W
2,W3,W4,W5のみ図示)が互いに平行な状態で
張られながらその長手方向に往復駆動されるようになっ
ている。
【0021】図3に示すように、ガイドローラ24A,
24B間に張られたワイヤWの上方には、円柱状のイン
ゴットからなるワーク28を横向きの状態で昇降させる
ワーク送り装置30が設けられている。
【0022】上記ワーク28は、例えば低抵抗シリコン
のように導電性を有する材料からなり、その周方向一部
(図では上部)には、当該ワーク28の軸方向に延びる
スライスベース29が導電性を有する接着剤27によっ
て接着されている。このスライスベース29の材質は、
ワーク28と同等のもの、またはこれと放電加工特性が
近似するものか好ましい。ただし、本発明ではこのスラ
イスベース29は適宜省略が可能である。
【0023】上記ワーク送り装置30は、ワーク保持部
32と、切断送りモータ34とを備えている。ワーク保
持部32は、上記ワーク28及びスライスベース29を
その軸方向と切断ワイヤ部分W1,W2,…の並び方向
とが合致する向きに保持するものであり、切断送りモー
タ34は、図略のボールネジとの組み合わせにより、上
記ワーク保持部32とワーク28とを一体に昇降させる
(すなわち切断送りする)ものである。
【0024】ガイドローラ24A,24Bの間に張られ
たワイヤWの上方において、ワーク28とその左右両側
に位置する後述の電極ユニット40との間の位置には、
加工液供給装置36A,36Bが設けられている。これ
らの加工液供給装置36A,36Bは、高速駆動される
各ワイヤWに対して放電加工用の加工液(スラリーでは
ない)を同時供給し、これをワイヤWに付着させるもの
である。
【0025】従って、このワイヤソーでは、ガイドロー
ラ24A,24B間に張られた多数本の切断ワイヤ部分
W1,W2,W3,W4,W5,…(図1)がその長手
方向に同時に高速駆動され、かつ、これらのワイヤWに
加工液供給装置36A,36Bから供給された加工液が
放電切断位置に供給されながら、これらのワイヤWに対
してワーク28が下方に切断送りされるようになってい
る。
【0026】そして、このワイヤソーでは、各切断ワイ
ヤ部分W1,W2,W3,W4,W5,…によってワー
ク28を放電切断すべく、このワーク28と各切断ワイ
ヤ部分W1,W2,W3,W4,W5,…との間に電圧
を印加する手段を備えている。
【0027】具体的に、このワイヤソーでは、ワーク2
8の前後の位置に電極ユニット40(図1,図2)が配
設されるとともに、これら電極ユニット40を媒介とし
てワーク28と各切断ワイヤ部分W1,W2,…との間
に個別に電圧を印加するため電圧印加回路(図4)が具
備されている。
【0028】図2に示すように、各電極ユニット40
は、切断ワイヤ部分W1,W2,…と同数の導体ブロッ
ク41と絶縁ブロック42とが交互に並べて配置された
ものであり、これらのブロック41,42をボルト43
が横方向に貫通した状態で当該ボルト43の端部にナッ
ト44が締め付けられることにより、ブロック41,4
2が一体化されている。各導体ブロック41の上端に
は、電圧印加回路から導出されたケーブル46の導体端
末46aがはんだ付け47によって接続されるととも
に、図2に示すように各導体ブロック41の下面が各切
断ワイヤ部分W1,W2,…と接触する位置に、電極ユ
ニット40が配設されている。また、各ブロック41,
42とボルト43との間には、その隙間を埋めるための
カラー45が介設されている。
【0029】なお、この電極ユニット40は必ずしもワ
ーク28の前後の位置に設けなくてもよく、その前側位
置もしくは後側位置にのみ設けるようにしてもよい。ま
た、このようなユニット化をせず、各導体ブロック41
に相当する接触子を個別に配置するようにしてもよい。
【0030】上記電圧印加回路は、図4に示すように、
電極ユニット40の各導体ブロック41ごとに、当該導
体ブロック41とワーク側接続端子38との間にトラン
ジスタT及び直流電源Eを直列に配したものであり、上
記接続端子38はスライスベース29に直接接続されて
いる。各トランジスタTのベースはコントローラ50に
接続されており、このコントローラ50による制御信号
の出力によって各トランジスタTが個別に所定の周波数
でオンオフ作動し、これにより当該周波数をもつパルス
電圧がスライスベース29及びワーク28と各切断ワイ
ヤ部分W1,W2,W3,…との間に個別に印加される
(すなわち電圧が断続的に印加される)ようになってい
る。
【0031】なお、スライスベース29を省略する場合
には、上記接続端子38をワーク28に直接接続すれば
よい。
【0032】さらに、この回路の特徴として、各電極間
の放電電圧(すなわち各導体ブロック41とワーク側接
続端子38との間に印加される電圧)を検出する電圧検
出器37が各切断ワイヤ部分ごとに設けられるととも
に、これら電圧検出器37の検出信号が共通のコントロ
ーラ(送り制御手段)50に入力されるようになってい
る。そして、このコントローラ50は、各電圧検出器3
7から入力される検出電圧をモニタし、これに基づき切
断送りモータ34に適当な制御信号を出力してワーク2
8の切断送り速度を制御するように構成されている。
【0033】なお、各切断ワイヤ部分W1,W2,W
3,W4,…の間のワイヤ部分は、特定のガイドローラ
(図例ではガイドローラ26B)に複数回(図1では5
回)巻かれてコイル状部分51,52,…を形成してお
り、これらコイル状部分51,52,…の形成により、
各切断ワイヤ部分W1,W2,W3,…同士の間に大き
なインダクタンスが形成され、このインダクタンスとワ
イヤ自身の抵抗とからなる合成インピーダンスによって
各切断ワイヤ部分間の電気的絶縁性が確保されるように
なっている。
【0034】このようなインピーダンスを確保するに
は、上記のようなコイル状部分を形成するほか、切断ワ
イヤ部分間に大きなワイヤ長を確保するようにしてもよ
い。また、1本の切断用ワイヤで1本の切断ワイヤ部分
を形成する(すなわち切断ワイヤ部分の所要本数と同数
の切断用ワイヤを用意する)ようにしてもよいし、前記
特開平9−248719号公報に示すように1本の切断
用ワイヤで複数本(例えば3本)の切断ワイヤ部分を形
成するとともに、各切断用ワイヤごとに放電電圧を印加
するようにしてもよい。
【0035】次に、このワイヤソーにおいて行われるワ
ーク28の切断加工方法を説明する。
【0036】まず、ワーク送り装置30のワーク保持部
32にワーク28が保持された状態で、コントローラ5
0は切断送りモータ34に制御信号を出力してワーク2
8を各切断ワイヤ部分W1,W2,…に接近させる。そ
して、各トランジスタTにパルス信号を出力して各電極
間(各導体ブロック41とスライスベース29との間)
に所定周波数の電圧を印加するとともに、電圧検出器3
7により検出される実際の各電極間電圧(放電電圧)を
監視しながら切断送り制御を行う。その具体的な制御内
容を図5のフローチャートに基づいて以下に説明する。
【0037】ステップS1:各電圧検出器37から入力
される検出信号を取り込んで各電極間について平均電圧
を算出し、これをモニタリングする。
【0038】ステップS2:各電極間について算出した
平均電圧の最低値Vminを求める。
【0039】ステップS3:当該平均電圧最低値Vmin
と、予め設定された目標電圧値Voとを比較する。
【0040】ステップS4〜S6:平均電圧最低値Vmi
nが目標電圧値Voよりも大きい場合には(ステップS4
でYES)、その差分ΔV(=Vmin−Vo)に応じた切
断送り速度(例えば差分ΔVに所定のゲインを乗じた値
に相当する速度、あるいは当該値を基本最低速度に加え
た速度)で切込みを続ける(ステップS5)。これに対
し、平均電圧最低値Vminが目標電圧値Vo以下の場合に
は(ステップS4でNO)、放電電圧が低く、ワーク2
8と切断ワイヤ部分が過剰接近していると判断できるの
で、切断送り(切込み)を停止する(ステップS6)。
【0041】このような制御動作を続けながら、切断ワ
イヤ部分がスライスベース29に到達し、あるいは当該
スライスベース29を切断するまで切断送りを行うこと
により、多数枚のウェハを同時に切り出す。
【0042】以上説明した放電式ワイヤソー及びこれに
よる切断加工方法では、実際の放電電圧を検出し、これ
に基づいてワーク28の切断送り動作を制御するように
しているので、常に各切断ワイヤ部分とワーク28との
相対位置関係に見合った適正な切断送り動作を行うこと
ができ、これにより終始良好な放電切断加工を行って高
品質のウェハを切り出すことができる。
【0043】なお、この実施の形態では、各電極間パル
ス電圧の平均電圧を採用するようにしているが、これに
代えて最高電圧を求めるようにしてもよい。この場合に
は、当該最高電圧に見合った目標値を設定すればよい。
【0044】また、上記実施形態では、各電極間平均電
圧の最低値Vminに基づいて切断送り制御を行っている
が、各電極間電圧(各電極間平均電圧等)の平均値に基
づいて同制御を行うようにしてもよい。ただし、上記の
ように平均電圧等の最低値Vminをベースにした制御を
行えば、より確実に、すべての切断ワイヤ部分とワーク
28との間に十分な放電電圧を確保することが可能にな
る。
【0045】また、上記実施形態では、平均電圧の最低
値Vminが目標電圧値Voよりも大きい場合に、両値の差
分ΔVに基づいて切断送り速度を演算するようにしてい
るが、かかる場合に予め設定された一定の速度で切断送
りを行うようにしてもよい。ただし、上記のような差分
ΔVに基づく切断送り速度制御を行えば、実際の加工状
況により見合った適正な切断送り動作ができる利点があ
る。
【0046】
【発明の効果】以上のように本発明は、複数本の切断ワ
イヤ部分とワークとの間の放電電圧を検出し、これらの
検出電圧に基づいて上記切断ワイヤ部分に対するワーク
の切断送り動作を制御するものであるので、実際のワー
クと各切断ワイヤ部分との相対位置関係を適正に保って
終始良好な放電切断加工を行うことができる効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかる放電式ワイヤソー
の要部を示す斜視図である。
【図2】上記ワイヤソーに用いられる電極ユニットの断
面正面図である。
【図3】上記ワイヤソーの全体構成図である。
【図4】上記ワイヤソーに具備される電圧印加回路を示
した図である。
【図5】上記ワイヤソーにおいて実行される切断送り制
御の内容を示すフローチャートである。
【符号の説明】
W 切断用ワイヤ W1,W2,W3,W4,W5 切断ワイヤ部分 E 電源 T トランジスタ 28 ワーク 34 切断送りモータ(切断送り手段) 37 電圧検出器(電圧検出手段) 50 コントローラ(送り制御手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川口 桂司 広島市南区宇品東5丁目3番38号 トーヨ ーエイテック株式会社内 Fターム(参考) 3C059 AA01 AB05 BA03 BA16 CC01 CE01 CH01 CH09 DA06 FA02 FB02 FB03 FB04 FB05 HA02

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数本の切断ワイヤ部分を形成し、これ
    らの切断ワイヤ部分とワークとの間に電圧を印加しなが
    ら当該切断ワイヤ部分に対してワークを切断送りするこ
    とにより当該ワークを複数個所で同時切断するワイヤ放
    電加工方法において、各切断ワイヤ部分とワークとの間
    の放電電圧を検出し、これらの検出電圧に基づいて上記
    ワークの切断送り動作を制御することを特徴とするワイ
    ヤ放電加工方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のワイヤ放電加工方法にお
    いて、各検出電圧の最小値を求め、この最小値に基づい
    てワークの切断送り動作を制御することを特徴とするワ
    イヤ放電加工方法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のワイヤ放電加工方法にお
    いて、上記最小値が予め設定された目標値よりも大きい
    場合には切断送りを続け、当該最小値が目標値以下の場
    合には切断送りを停止することを特徴とするワイヤ放電
    加工方法。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のワイヤ放電加工方法にお
    いて、上記最小値が予め設定された目標値よりも大きい
    場合には、その最小値と目標値との差に応じた速度で切
    断送りを行うことを特徴とするワイヤ放電加工方法。
  5. 【請求項5】 切断用ワイヤによって複数本の切断ワイ
    ヤ部分が形成されるとともに、各切断ワイヤ部分とワー
    クとの間に電圧を印加する電圧印加手段と、ワークを各
    切断ワイヤ部分に対して切断送りする切断送り手段とを
    備えた放電式ワイヤソーにおいて、各切断ワイヤ部分と
    ワークとの間の放電電圧を検出する電圧検出手段と、こ
    の電圧検出手段により検出された各電圧に基づいて上記
    ワークの切断送り動作を制御する送り制御手段とを備え
    たことを特徴とする放電式ワイヤソー。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の放電式ワイヤソーにおい
    て、各検出電圧のうちの最小値を求め、この最小値に基
    づいてワークの切断送り動作を制御するように上記送り
    制御手段を構成したことを特徴とする放電式ワイヤソ
    ー。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の放電式ワイヤソーにおい
    て、上記最小値が予め設定された目標値よりも大きい場
    合には切断送りを続け、当該最小値が目標値以下の場合
    には切断送りを停止するように上記送り制御手段を構成
    したことを特徴とする放電式ワイヤソー。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の放電式ワイヤソーにおい
    て、上記最小値が予め設定された目標値よりも大きい場
    合には、その最小値と目標値との差に応じた速度で切断
    送りを行うように上記送り制御手段を構成したことを特
    徴とする放電式ワイヤソー。
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