JP2000107014A - 畳上敷 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】滑りにくく任意の形状に合わせて使用できる畳
上敷。 【解決手段】人工い草の畳表１と多数の突起３により滑
止加工を施された滑止シート２とを、突起を裏面にして
積層、接着一体化して形成されている。複数枚の積層畳
表シート４を平面状にならべ隣接線６に沿って布帛を基
布とする粘着テープ５を貼りつけつなぎ合わせ、短時間
で簡単に大広間用の畳上敷にすることができる。滑止シ
ート２には、片面を樹脂または樹脂発泡体によりドット
加工した布帛が好適である。任意の形状にカットしても
畳表がほつれることはなく、家具類を移動せずに現場合
わせでカットして敷くことができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、人工い草の畳表と
滑止加工を施された滑止シートとを積層、接着すること
により一体化した畳上敷に関する。

【０００２】

【従来の技術】畳上敷は古くからわが国で本畳に重ねた
り、床上に敷いて重宝に用いられてきた。従来の畳上敷
は、い草の畳表又は畳表を帯状の織物を介して所要の広
さに縫製したものを本畳上やフロア上に敷き、押しピン
や両面接着テープなどで固定して用いられていた。最近
では天然のい草に代え合成樹脂を成形した人工い草が用
いられるようになったが、畳上敷の形態自体は基本的に
従来の天然い草を人工い草に置き換えたものであった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】畳上敷は便利かつ簡易
に利用できる利点があるが、新しく敷いたり取替える際
には重たい家具やピアノなどを別の場所に移動させる必
要がある。また、従来の一般住宅の部屋の形状は規格化
して建設されており、既成の畳上敷を容易に敷くことが
できたが、最近は規格外の部屋が増え、既成の畳上敷を
そのまま利用することが難くなってきている。このよう
な部屋の形状に合わせようとして畳上敷の一部を切断し
て使用すれば、切断部を余程きちんと始末しておかない
と、ほつれてしまい具合が悪い。また、業務用等の数十
畳をこえる大部屋の畳上敷ともなると、多くの畳表を縫
製によりつなぎ合わせるためのコストが高く、しかも加
工に時間がかかって、とくに災害時などの緊急の要に間
に合わないという問題があった。さらに、人工い草を用
いた畳上敷には多くの長所がある一方で、滑りやすく、
安全上の問題がある押しピンや取外しに手間のかかる両
面接着テープ等で確実に留めておかないと位置がずれた
り、波打ったりして常に位置を調整しなければならない
という欠点があった。

【０００４】本発明は、便利かつ簡易に人工い草の畳上
敷を利用できるように、滑りにくく任意の形状に合わせ
て敷くることができ、かつ、広い場所においても迅速に
低コストで対応できる畳上敷の提供を課題に研究し、試
行錯誤の結果、完成されたものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】実施形態例を示す図面を
参照して本発明を説明する。前記の課題を解決するため
に本発明は、人工い草の畳表１と多数の突起３により滑
止加工を施された滑止シート２とが、突起３を裏面にし
て積層され接着により一体化されて積層畳表シート４に
形成されていることを特徴とする畳上敷を提供する。前
記の積層畳表シート４は、平面状に複数枚を隣接させて
配列し、隣接線６に沿って帯状の布帛を基布とする粘着
テープ５を貼りつけ、つなぎ合わせて１枚の畳上敷７に
構成することができる。滑止シート２としては、片面を
樹脂または樹脂発泡体によりドット加工された布帛が好
適である。前記の畳上敷は、容易に任意の一部分を切
断、除去して所要の形状に加工し、利用することができ
る。また、畳上敷の周縁８及び／または切断面９を帯状
の布帛を基布とする粘着テープ５により被覆し、周縁等
を補強し、かつ見栄えよくしておくとよい。粘着テープ
５には、帯状の平織物またはあや織物に粘着剤をコーテ
ィングしたものが好ましい。

【０００６】

【発明の実施の形態】さらに、本発明を実施形態例を示
す図面を参照しながら具体的に説明する。図１は本発明
畳上敷のい草方向断面図、図２はい草に直角方向断面
図、図３は複数の積層畳表シートを配列、つなぎ合わせ
て１枚の畳上敷とした例示図、図４は一部を切断除去し
た畳上敷の部分図である。

【０００７】本発明の畳上敷は、人工い草の畳表１と多
数の突起３により滑止加工を施された滑止シート２とを
突起３を裏面にして積層し、相互に接着してシート状に
一体化した畳表積層シート４により構成されている。人
工い草の畳表１の大きさや平面形状に特別の制限はない
が、形状は一般的に矩形もしくは帯状であって、ポリプ
ロピレンまたはポリエチレンを成形加工して製造されて
いるケースが多い。滑止シート２は、多数の突起３によ
りフロア等の平滑面に対する滑止効果を有するシート状
物であればよく、とくに不織布や織・編物等の布帛に、
樹脂または樹脂発泡体により突起を形成せしめたシート
状物、いわゆるドット加工を施したシートが好適であ
る。裏面に前記加工を施した滑止シート２を積層するこ
とにより、本発明畳上敷はフロア等に接面固定され、押
しピンや両面接着テープなどで固定する必要がなくな
る。滑止シート２の厚さは通常０．１〜２ｍｍ程度が好
ましい。人工い草の畳表１は、滑りやすく比較的接着し
難い素材であるが、滑止シート２との積層接着にはポリ
アクリル酸系統の接着剤が好適であり、紫外線硬化型や
熱硬化型接着剤の使用が好ましく、あるいは感圧型を利
用してもよい。

【０００８】本発明の畳上敷は、薄くて切断しやすく切
り放しにしても切断部からほつれない。滑止シート２は
滑りやすい人工い草の畳表１を滑りにくくするととも
に、切断された畳表が縁部からほつれることを防止する
作用があるからである。従って重たい家具やピアノが置
かれている部屋では、これらの家具を移動させないで畳
職人などにも頼らず、日曜大工的に家具の置いてある部
分を現場合わせで切り取って敷くことができる。掘炬燵
等のある部分についても同様に処置すればよい。

【０００９】一方、複数枚の畳表積層シート４を平面状
に隣接して配列し、隣接線６に沿って帯状の布帛を基布
とする粘着テープ５を貼ってつなぎ合わせ、１枚のシー
ト７に構成して簡単に任意の広い畳上敷に仕上げること
ができる。とくに百畳を超えるような旅館の大広間や体
育館などの公共施設などであっても、表積層シート４を
任意の広さにつなぎ合わせ、数時間で簡単に全面に敷き
詰めることができる。具体例をあげると、業務用の３０
０畳の大広間の畳表交換工事の場合、従来の畳工事では
約５日間かかっていたが、本発明の畳上敷を利用すれば
約５時間で敷くことができる上に安価であり、また、使
用しないときには粘着テープ５を剥がしばらばらにして
保管できるという利点もあり、災害時の緊急用としても
有用である。畳上敷の周縁８や前記の切断面９にも、粘
着テープ５を被せて保護を強化し見栄えをよくしておく
とよい。

【００１０】粘着テープ５の基布には合成繊維等の帯状
織物を用いればよく、とくにポリエステルの平織物また
はあや織物が好適である。使用できる粘着剤としてゴム
系、アクリル系、ウレタン系等のものをがあげられる
が、今のところゴム系粘着剤には耐水性や耐候性に、ウ
レタン系粘着剤には経済性の点でやや問題があり、安定
した粘着力を有し温度変化に強く経済的に有利なアクリ
ル系粘着剤の使用が望ましい。

【００１１】

【発明の効果】本発明の畳上敷は、面全体の強い摩擦力
により床等に接面固定されているので位置がずれ難く、
また、押ピン等を使用して固定する必要がなく安全であ
る。畳表と滑止シートとが接着剤により積層、一体化さ
れているのでどの様な形状にカットしても畳表がほつれ
ることはない。従って、家具やピアノを移動せずに、ま
た掘炬燵等があっても現場合わせで、専門職人等に手を
借りずに該当する部分をカットして敷くことができる。
従来の畳のよりも廃棄処分が容易であって、便利に使用
することができる。さらに、単位の畳シートを簡単に接
続することが可能であって、短時間、低コストで大広間
用の畳上敷等に仕上げることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る畳上敷のい草方向断面図

【図２】い草に直角方向の断面図

【図３】複数の積層畳表シートをつなぎ合わせて１枚の
畳上敷とした例示図

【図４】一部を切断除去した畳上敷の部分図

【符号の説明】

１：人工い草の畳表 ２：滑止シート ３：突起 ４：積層畳表シート ５：粘着テープ ６：隣接線 ７：複数の積層畳表シートからなるシート ８：畳上
敷の周縁 ９：切断面

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】人工い草の畳表（１）と多数の突起（３）
   により滑止加工を施された滑止シート（２）とが、前記
   突起を裏面にして積層され接着により一体化されて積層
   畳表シート（４）に形成されていることを特徴とする畳
   上敷。
2. 【請求項２】複数枚の前記積層畳表シート（４）を平面
   状に隣接させて配列し、隣接線（６）に沿って帯状の布
   帛を基布とする粘着テープ（５）を貼りつけることによ
   り、複数枚の積層畳表シートをつなぎ合わせて１枚のシ
   ート（７）に構成したことを特徴とする畳上敷。
3. 【請求項３】滑止シート（２）が、片面を樹脂または樹
   脂発泡体によりドット加工された布帛であることを特徴
   とする請求項１または２記載の畳上敷。
4. 【請求項４】任意の一部分を切断、除去して所要の形状
   に加工されていることを特徴とする請求項１、２または
   ３記載の畳上敷。
5. 【請求項５】周縁（８）及び／または切断面（９）が、
   帯状の布帛を基布とする粘着テープ（５）により被覆さ
   れていることを特徴とする請求項１ないし４のいずれか
   に記載の畳上敷。
6. 【請求項６】粘着テープ（５）が、帯状の平織物または
   あや織物に粘着剤をコーティングしたものであることを
   特徴とする請求項１ないし５のいずれかに記載の畳上
   敷。