JP2000099928A - 薄膜磁気ヘッド - Google Patents

薄膜磁気ヘッド

Info

Publication number
JP2000099928A
JP2000099928A JP11299193A JP29919399A JP2000099928A JP 2000099928 A JP2000099928 A JP 2000099928A JP 11299193 A JP11299193 A JP 11299193A JP 29919399 A JP29919399 A JP 29919399A JP 2000099928 A JP2000099928 A JP 2000099928A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
magnetic layer
free magnetic
antiferromagnetic
magnetic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11299193A
Other languages
English (en)
Inventor
Masaji Saito
正路 斎藤
Kiyoshi Sato
清 佐藤
Toshihiro Kuriyama
年弘 栗山
Toshinori Watanabe
利徳 渡辺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Alps Alpine Co Ltd
Original Assignee
Alps Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Alps Electric Co Ltd filed Critical Alps Electric Co Ltd
Priority to JP11299193A priority Critical patent/JP2000099928A/ja
Publication of JP2000099928A publication Critical patent/JP2000099928A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Magnetic Heads (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 スピンバルブ方式の薄膜磁気ヘッドにおい
て、トラック幅を開けた両側部分で、フリー磁性層に反
強磁性層を確実に密着させる構造とするのが困難であっ
た。 【解決手段】 下部ギャップ層1上にてトラック幅(T
w)を開けた両側に第1の反強磁性層10が形成され、
その上にフリー磁性層3、非磁性導電層5、固定磁性層
6、第2の反強磁性層7の順に積層されている。第1の
反強磁性層10を形成した後にフリー磁性層3を形成し
ているため、第1の反強磁性層10とフリー磁性層3と
の密着が確実である。外部磁界によりフリー磁性層3の
磁化の方向が変化すると電気抵抗が変化し、これにより
外部磁界が検出されるが、フリー磁性層3は第1の反強
磁性層10によりX方向へ単磁区化されるため、バルク
ハウゼンノイズが低減する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気記録再生装置
やその他の磁気検出装置に搭載される薄膜磁気ヘッドに
係り、特に固定磁性層の磁化の方向と、外部磁界の影響
を受けるフリー磁性層の磁化方向の変化との関係で電気
抵抗値が変化するいわゆるスピンバルブ方式の薄膜磁気
ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】図3は従来のスピンバルブ方式の薄膜磁
気ヘッドの正面図である。この薄膜磁気ヘッドに対する
ハードディスクなどの磁気記録媒体の走行方向はZ方向
であり、磁気記録媒体からの洩れ磁界(外部磁界)の方
向はY方向である。
【0003】図3に示す薄膜磁気ヘッドでは、Al23
(酸化アルミニウム)などの下部ギャップ層1の上に、
Ta(タンタル)などの非磁性材料で形成された下地層
2が積層されている。下地層2の上には、フリー磁性層
3が積層されている。フリー磁性層3の上にはX方向へ
所定の幅寸法を有して非磁性導電層5、固定磁性層6お
よび第2の反強磁性層7が順に積層されている。前記非
磁性導電層5および固定磁性層6などが形成されている
両側の(イ)の部分では、前記フリー磁性層3の上に第
1の反強磁性層4が積層されている。
【0004】そして、両側に位置する第1の反強磁性層
4,4およびその中間に位置する第2の反強磁性層7の
上にTaなどの非磁性材料による上地層8が形成され、
この上地層8の上面に、トラック幅Twを開けてリード
層(導電層)9,9が形成されている。
【0005】前記第1の反強磁性層4とフリー磁性層3
との膜境界面における交換異方性結合により、フリー磁
性層3はX方向に単磁区化されて磁化の方向がX方向へ
揃えられている。また第2の反強磁性層7と固定磁性層
6との交換異方性結合により、固定磁性層6ではY方向
(紙面手前方向)へ単磁区化され、磁化の方向がY方向
に固定されている。
【0006】このスピンバルブ方式の薄膜磁気ヘッドで
は、リード層9から、フリー磁性層3、非磁性導電層
5、および固定磁性層6に定常電流がX方向へ与えられ
る。ハードディスクなどの磁気記録媒体からの洩れ磁界
(外部磁界)がY方向へ与えられると、フリー磁性層3
の磁化の方向がX方向からY方向へ変化する。このフリ
ー磁性層3内での磁化の方向の変動と、固定磁性層6の
固定磁化方向との関係で電気抵抗値が変化し、この電気
抵抗値の変化に基づく電圧変化により、磁気記録媒体か
らの洩れ磁界が検出される。
【0007】図3に示す構造の薄膜磁気ヘッドでは、フ
リー磁性層3と固定磁性層6の磁化の方向を、反強磁性
層との交換異方性結合により互いに直交する方向へ揃え
ている。よって、バルクハウゼンノイズを低減でき、磁
気媒体からの洩れ磁界に対する抵抗変化の直線応答性が
確保できる利点がある。また、固定磁性層6のX方向の
寸法が決められているため、磁気記録媒体に対するオフ
トラック特性も良好となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、図3に示す構
造の薄膜磁気ヘッドを製造しようとすると、フリー磁性
層3の上に、非磁性導電層5、固定磁性層6および第2
の反強磁性層7をスパッタ工程で積層した後に、イオン
ミーリングなどのエッチング工程により、(イ)の部分
にて非磁性導電層5、固定磁性層6、第2の反強磁性層
7を除去する工程が必要になる。さらに、X方向の寸法
が決められた非磁性導電層5、固定磁性層6、第2の反
強磁性層7の両側の(イ)の部分に、第1の反強磁性層
4を成膜する工程が必要になり、製造工程が非常に複雑
なものとなる。
【0009】また薄膜磁気ヘッドでの各層の膜厚寸法は
数十オングストロームから百数十オングストローム程度
であり、前記非磁性導電層5の膜厚は数十オングストロ
ーム程度である。このように非常に膜厚が薄い3つの層
非磁性導電層5,固定磁性層6,第2の反強磁性層7が
積層されたものをイオンミーリングにより高精度に除去
することは非常に困難であり、(イ)で示す部分におい
て、非磁性導電層5をちょうど膜厚分だけ除去して、フ
リー磁性層3を露出させることは技術的に困難である。
このエッチング工程によりフリー磁性層3の一部が除去
されてしまうと、フリー磁性層3の磁気特性に悪影響が
生じる。また(イ)の部分でフリー磁性層3の表面に非
磁性導電層5が残ってしまうと、その上に形成される第
1の反強磁性層4とフリー磁性層3とが密着せず、第1
の反強磁性層4とフリー磁性層3との間の交換異方性結
合が生じなくなる。
【0010】本発明は上記従来の課題を解決するもので
あり、フリー磁性層に対し反強磁性層を直接接触させ確
実に密着させることができ、また各層の成膜を簡単にで
きるようにした薄膜磁気ヘッドを提供することを目的と
している。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、フリー磁性層
と、前記フリー磁性層に非磁性層を介して形成された固
定磁性層と、前記固定磁性層の磁化方向を前記フリー磁
性層の磁化方向と交叉する方向に固定する層とを有する
薄膜磁気ヘッドにおいて、反強磁性層が、前記フリー磁
性層の前記非磁性層と接する面と逆側の面に対し、所定
の間隔を空けて接触して形成されていることを特徴とす
るものである。
【0012】上記において、フリー磁性層に対して交換
異方性結合する反強磁性層としては、α−Fe23(酸
化鉄)、NiO(酸化ニッケル)、Ni−Mn(ニッケ
ル−マンガン)合金、Pt−Mn(白金−マンガン)合
金を例示できる。
【0013】本発明では、フリー磁性層の磁化方向を揃
える反強磁性層が、フリー磁性層の固定磁性層が形成さ
れる側と逆の面に形成されているため、図3に示す従来
例のように、フリー磁性層の上に形成される非磁性導電
層や固定磁性層の両側を削除する必要がなく、製造が非
常に簡単になる。また反強磁性層にフリー磁性層を確実
に密着させることができ、フリー磁性層の磁化の方向を
確実に揃えることができる。
【0014】また、反強磁性層として使用されるNi−
Mn合金、またはPt−Mn合金は、いずれも耐腐食性
に優れた材料である。よって、前記反強磁性層とフリー
磁性層とを積層する場合において、反強磁性層とフリー
磁性層との密着が確実になり、膜境界面での交換異方性
を充分に発揮させることが可能になる。
【0015】
【発明の実施の形態】図1、図2は本発明の薄膜磁気ヘ
ッドの正面図である。この薄膜磁気ヘッドはいわゆるス
ピンバルブ方式である。
【0016】図1および図2に示す薄膜磁気ヘッドで
は、Z方向が磁気記録媒体の移動方向、Y方向が磁気記
録媒体からの洩れ磁界(外部磁界)の方向である。
【0017】まず図1に示す薄膜磁気ヘッドの構造を説
明する。図1に示す薄膜磁気ヘッドでは、Al23(酸
化アルミニウム)などで形成された下部ギャップ層1の
両側に所定のトラック幅Twを開けて第1の反強磁性層
10,10が形成されている。そして、両側の第1の反
強磁性層10,10の上面および、下部ギャップ層1の
トラック幅Twの部分の上面にフリー磁性層3が形成さ
れている。フリー磁性層3はNi−Fe(ニッケル−
鉄)系合金である。
【0018】第1の反強磁性層10はフリー磁性層3と
の膜境界面での交換異方性結合により、フリー磁性層3
をX方向に単磁区化し、フリー磁性層3の磁化の方向を
X方向に揃えるためのものである。したがって、第1の
反強磁性層10は、フリー磁性層3との間で交換異方性
結合する材料により形成される。ただし、図1の構造で
は、先に第1の反強磁性層10が成膜され、その上にフ
リー磁性層3が成膜される。よって第1の反強磁性層1
0は、成膜された後に表面が腐蝕しにくい材料により形
成されることが必要である。すなわち、第1の反強磁性
層10が成膜された後にその表面が腐蝕してしまうと、
第1の反強磁性層10とフリー磁性層3との密着性が低
下することになる。したがって、第1の反強磁性層10
はフリー磁性層3に対し交換異方性結合し且つ腐蝕しに
くい材料であるα−Fe23(酸化鉄)、NiO(酸化
ニッケル)、Ni−Mn(ニッケル−マンガン)合金、
Pt−Mn(白金−マンガン)合金のいずれかにより形
成されることが好ましい。
【0019】また、上記第1の反強磁性層10としてα
−Fe23を使用すると、フリー磁性層3に対して交換
異方性磁界(Hex)を与えるだけでなく、第1の反強
磁性層10の上に密着しているフリー磁性層3の保磁力
(Hc)を大きくできる。よってトラック幅(Tw)内
においてフリー磁性層3の磁化の方向を安定でき、バル
クハウゼンノイズを低減できる。さらにトラック幅(T
w)の両側のオフセット長a,bの部分では、α−Fe
23の第1の反強磁性層10からフリー磁性層3への交
換異方性磁界(Hex)が大きく、また第1の反強磁性
層10と密着している部分のフリー磁性層3の保磁力
(Hc)が大きくなる。よってオフセット長a,bの部
分では、フリー磁性層3の磁化がX方向へ固定され、磁
気記録媒体からの洩れ磁界による影響を受けにくくなっ
ている。よって、オフトラック特性が良好になる。
【0020】なお、トラック幅Twの部分で、下部ギャ
ップ層1の上に直接フリー磁性層3を積層してもよい
が、下部ギャップ層1の上にTa(タンタル)などの非
磁性材料の下地層2を形成し、この下地層2の上にフリ
ー磁性層3を形成することが好ましい。この下地層2と
なるTaはbbc構造(体心立方構造)を有し、その上
に積層されるフリー磁性層3の結晶配向を整え、フリー
磁性層3の比抵抗を低下させる機能を発揮する。
【0021】フリー磁性層3の上には、非磁性導電層
5、固定磁性層6、第2の反強磁性層7が順に積層され
ている。非磁性導電層5は例えばCu(銅)により形成
され、固定磁性層6はフリー磁性層3と同じNi−Fe
(ニッケル−鉄)系合金により形成されている。第2の
反強磁性層7はPt−Mn(白金−マンガン)合金、F
e−Mn(鉄−マンガン)合金またはNi−Mn(ニッ
ケル−マンガン)合金で形成される。第2の反強磁性層
7と固定磁性層6との膜境界面での交換異方性結合によ
り、固定磁性層6はY方向(紙面手前方向)へ単磁区化
され、磁化の方向が紙面手前方向へ固定される。
【0022】第2の反強磁性層7の上には、Taなどの
上地層8が形成されている。上地層8の上には、リード
トラック幅(Lead Tw)を開けてリード層9,9
が形成されている。このリード層9,9は、Cu
(銅)、Ta(タンタル)、W(タングステン)などの
導電性材料により形成されている。上地層8とリード層
9の上に、Al23などの上部ギャップ層11が積層さ
れている。
【0023】次に図2に示す薄膜磁気ヘッドの構造を説
明する。図2に示す薄膜磁気ヘッドでは、下部ギャップ
層1の上面の全面に第1の反強磁性層10が積層されて
いる。トラック幅(Tw)の部分で第1の反強磁性層1
0の上に、Ta(タンタル)などの非磁性材料の下地層
2が積層されている。そして、第1の反強磁性層10と
下地層2の上に、フリー磁性層3が形成され、さらにそ
の上に非磁性導電層5、固定磁性層6、第2の反強磁性
層7が積層されている。
【0024】図2に示す薄膜磁気ヘッドでは、図1に示
したのと同様に、第1の反強磁性層10はα−Fe
23、NiO、Ni−Mn合金、またはPt−Mn合金
により形成され、第2の反強磁性層7はPt−Mn合
金、Fe−Mn合金、またはNi−Mn合金により形成
されている。フリー磁性層3と固定磁性層6は、Ni−
Fe系合金、非磁性導電層5はCuにより形成されてい
る。
【0025】第1の反強磁性層10により、フリー磁性
層3はX方向へ単磁区化され、磁化の方向が揃えられて
おり、第2の反強磁性層7により、固定磁性層6の磁化
の方向がY方向(紙面手前方向)に揃えられて固定され
ている。
【0026】また、第2の反強磁性層7の上にTaの上
地層8が形成され、上地層8の上にはリードトラック幅
(Lead Tw)を開けてリード層9,9が形成さ
れ、さらに上地層8とリード層9の上には、上部ギャッ
プ層11が積層されている。
【0027】図1と図2に示す薄膜磁気ヘッドでは、ト
ラック幅(Tw)を開けた両側で、フリー磁性層3の下
面に第1の反強磁性層10が密着している。第1の反強
磁性層10の交換異方性磁界(Hex)により、フリー
磁性層3の磁化がX方向へ揃えられる。また第2の反強
磁性層7により固定磁性層6の磁化の方向が紙面手前方
向へ揃えられている。定常電流はリード層9からフリー
磁性層3、非磁性導電層5、固定磁性層6に対しX方向
へ流れる。磁気記録媒体からY方向へ磁界が与えられる
と、フリー磁性層3の磁化の方向がX方向からY方向へ
変化し、このフリー磁性層3の磁化の方向と固定磁性層
6の磁化の方向との関係で電気抵抗値が変わり、定常電
流に対する電圧降下を検出することにより、磁気記録媒
体からの磁界の検出ができる。
【0028】図1と図2に示す薄膜磁気ヘッドでは、第
1の反強磁性層10と第2の反強磁性層7とが、互いに
影響を与えることのない位置に離れて設けられている。
よってフリー磁性層3と固定磁性層6の磁化の方向を互
いに直交する方向へ揃えることが容易である。
【0029】固定磁性層6は、その全面に積層された第
2の反強磁性層7との交換異方性結合により、Y方向へ
磁化が固定されている。また第1の反強磁性層10がα
−Fe23の場合には、その上に密着しているフリー磁
性層3に対し交換異方性磁界(Hex)を与えると共
に、第1の反強磁性層10に密着している部分のフリー
磁性層3の保磁力(Hc)を大きくすることが可能であ
る。したがって、トラック幅(Tw)以外の部分では、
フリー磁性層3のX方向への磁化が安定し、外部磁界に
よりオフセット長a,bの部分の磁化が変動しにくいた
め、オフトラック特性が良好になる。
【0030】また全体の電気抵抗は、リードトラック幅
(Lead Tw)により決められ、リード層9と9の
間隔を高精度に設定しておくことにより、定常電流に対
する薄膜磁気ヘッド全体の抵抗値の変動が小さくなる。
【0031】次に、図1と図2に示す薄膜磁気ヘッドの
製造方法を説明する。図1に示す薄膜磁気ヘッドの製造
工程は以下の通りである。
【0032】下部ギャップ層1の上に、下地層2をス
パッタ成膜する。そして、下地層2の上にレジスト材料
を塗布し、露光し現像してトラック幅(Tw)の部分に
のみレジスト層を形成する。このレジスト層によりトラ
ック幅(Tw)が決められる。そして、イオンミーリン
グなどによるエッチングを行い、レジスト層が形成され
ていない領域(トラック幅(Tw)の両側)の下地層2
および下部ギャップ層1の一部を除去する。
【0033】下地層2の上に前記レジスト層が形成さ
れている状態で、両側の下部ギャップ層1の上に第1の
反強磁性層10をスパッタ成膜する。その後、前記レジ
スト層をエッチバック法などにより剥離する。
【0034】第1の反強磁性層10および下地層2の
表面を軽く逆スパッタでクリーニングする。そしてフリ
ー磁性層3、非磁性導電層5、固定磁性層6、第2の反
強磁性層7、上地層8を連続してスパッタ成膜する。
【0035】上地層8の上のリードトラック幅(Le
ad Tw)部分にレジスト層を形成する。このレジス
ト層を載せたままでリード層9を成膜する。そして、レ
ジスト層を除去する。これにより、上地層8の上に間隔
を開けてリード層9,9が形成される。その後に上部ギ
ャップ層11が形成される。
【0036】以上の工程により、図1に示した薄膜磁気
ヘッドを製造できる。この製造工程では、下地層2の上
にレジスト層を形成してトラック幅(Tw)を決め、イ
オンミーリングにより下地層2と下部ギャップ層1の一
部を除去しさらに第1の反強磁性層10を成膜した後
は、フリー磁性層3から上地層8までを連続成膜すれば
よいため、成膜工程が簡単である。また、図3に示す従
来例のように薄い各層をエッチングで除去する工程が不
要である。
【0037】なお図1に示すものにおいて、上地層8を
成膜した時点で、レジスト層によりリードトラック幅
(Lead Tw)を決め、このリードトラック幅の両
側において、上地層8からフリー磁性層3まであるいは
第1の反強磁性層10の表面の一部までイオンミーリン
グによりエッチングし、リードトラック幅(LeadT
w)の両側において第1の反強磁性層10の上にリード
層9を形成してもよい。この場合、イオンミーリングに
よるエッチング工程が増えるが、リードトラック幅(L
ead Tw)内では、既に第1の反強磁性層10とフ
リー磁性層3とが完全に密着しているため、イオンミー
リングによるエッチングの深さ精度は要求されない。例
えば第1の反強磁性層10の上にフリー磁性層3の一部
が残り、その上にリード層9が形成されても、機能上何
ら問題はない。
【0038】図2に示した薄膜磁気ヘッドの製造工程は
以下の通りである。 下部ギャップ層1の上に全面的に第1の反強磁性層1
0を、その上に下地層2を順にスパッタ成膜する。そし
て、下地層2の上にトラック幅(Tw)を決めるレジス
ト層を形成する。そして、イオンミーリングなどのエッ
チングによりレジスト層の形成されていない領域の下地
層2および第1の反強磁性層10の一部を除去する。
【0039】その後に、フリー磁性層3から上地層8
までを連続成膜し、さらにリード層9と上部ギャップ層
11を成膜する。
【0040】このように図1に示す薄膜磁気ヘッドの製
造方法では、下地層2と下部ギャップ層1とがイオンミ
ーリングなどにより除去されるが、この下部ギャップ層
1のエッチング深さは、薄膜磁気ヘッドの機能に影響を
与えず、図2においても第1の反強磁性層10に対する
エッチング深さに誤差が生じても、ヘッドの機能に影響
を与えない。しかも、フリー磁性層3が成膜された時点
で、トラック幅(Tw)の両側において、フリー磁性層
3と第1の反強磁性層10とが確実に密着する。よっ
て、製造が簡単であり、製造後の薄膜磁気ヘッドは、フ
リー磁性層3の磁化の方向を確実に揃えることができ、
バルクハウゼンノイズが低減されるものとなる。
【0041】なお、図1と図2に示す薄膜磁気ヘッドで
は、固定磁性層6をY方向に単磁区化するために第2の
反強磁性層7が用いられているが、固定磁性層6の上に
保磁力(Hc)の大きい磁性材料を積層し、この磁性材
料の永久磁化により、固定磁性層6の磁化方向をY方向
へ向けるようにしてもよい。
【0042】
【発明の効果】本発明では、フリー磁性層を一方向に磁
化する反強磁性層が、フリー磁性層の非磁性層の接して
いる面と逆側の面に密着して設けられるために、フリー
磁性層と反強磁性層とを確実に密着させることができ、
フリー磁性層の磁化の方向を安定させることができる。
特に反強磁性層としてα−Fe23を使用すると、トラ
ック幅以外の部分でのフリー磁性層の磁化が安定し、オ
フトラック特性が良好になる。
【0043】また従来のように、各層をエッチングする
工程を少なくでき、製造工程を簡単にできる。また従来
のようにエッチング精度によりフリー磁性層と反強磁性
層との密着状態が決まることはなく、フリー磁性層を成
膜した時点で、フリー磁性層と反強磁性層を確実に密着
させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の薄膜磁気ヘッドの正面図
【図2】本発明の他の構造の薄膜磁気ヘッドの正面図
【図3】従来の薄膜磁気ヘッドの正面図
【符号の説明】
1 下部ギャップ層 2 下地層 3 フリー磁性層 5 非磁性導電層 6 固定磁性層 7 第2の反強磁性層 8 上地層 9 リード層 10 第1の反強磁性層 11 上部ギャップ層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 栗山 年弘 東京都大田区雪谷大塚町1番7号 アルプ ス電気株式会社内 (72)発明者 渡辺 利徳 東京都大田区雪谷大塚町1番7号 アルプ ス電気株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フリー磁性層と、前記フリー磁性層に非
    磁性層を介して形成された固定磁性層と、前記固定磁性
    層の磁化方向を前記フリー磁性層の磁化方向と交叉する
    方向に固定する層とを有する薄膜磁気ヘッドにおいて、 反強磁性層が、前記フリー磁性層の前記非磁性層と接す
    る面と逆側の面に対し、所定の間隔を空けて接触して形
    成されていることを特徴とする薄膜磁気ヘッド。
  2. 【請求項2】 反強磁性層が、α−Fe23(酸化
    鉄)、NiO(酸化ニッケル)、Ni−Mn(ニッケル
    −マンガン)合金、Pt−Mn(白金−マンガン)合金
    のいずれかにより形成されている請求項1記載の薄膜磁
    気ヘッド。
JP11299193A 1999-10-21 1999-10-21 薄膜磁気ヘッド Pending JP2000099928A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11299193A JP2000099928A (ja) 1999-10-21 1999-10-21 薄膜磁気ヘッド

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11299193A JP2000099928A (ja) 1999-10-21 1999-10-21 薄膜磁気ヘッド

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP22807795A Division JP3629309B2 (ja) 1995-05-09 1995-09-05 薄膜磁気ヘッド

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000099928A true JP2000099928A (ja) 2000-04-07

Family

ID=17869353

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11299193A Pending JP2000099928A (ja) 1999-10-21 1999-10-21 薄膜磁気ヘッド

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000099928A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6756648B2 (en) 2002-03-25 2004-06-29 International Business Machines Corporation System and method for stabilizing a magnetic tunnel junction sensor
WO2006107042A1 (ja) * 2005-04-05 2006-10-12 Hitachi Metals, Ltd. 磁性合金及びその製造方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6756648B2 (en) 2002-03-25 2004-06-29 International Business Machines Corporation System and method for stabilizing a magnetic tunnel junction sensor
WO2006107042A1 (ja) * 2005-04-05 2006-10-12 Hitachi Metals, Ltd. 磁性合金及びその製造方法
US7815752B2 (en) 2005-04-05 2010-10-19 Hitachi Metals, Ltd. Magnetic alloy and method for producing same

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3629309B2 (ja) 薄膜磁気ヘッド
JP3263004B2 (ja) スピンバルブ型薄膜素子
US5729410A (en) Magnetic tunnel junction device with longitudinal biasing
JP3455037B2 (ja) スピンバルブ型薄膜素子、その製造方法、及びこのスピンバルブ型薄膜素子を用いた薄膜磁気ヘッド
JP3255872B2 (ja) スピンバルブ型薄膜素子及びその製造方法
US6947263B2 (en) CPP mode magnetic sensing element including a multilayer free layer biased by an antiferromagnetic layer
JPH11134616A (ja) 磁気抵抗型読取りセンサ、磁気記憶装置及び磁気抵抗型センサの製造方法
US20070188943A1 (en) Magnetoresistance Effect Element, Method of Manufacturing Same and Magnetic Head Utilizing Same
JP2002124721A (ja) スピンバルブ構造およびその形成方法、並びに再生ヘッドおよびその製造方法
JP3263018B2 (ja) 磁気抵抗効果素子およびその製造方法
JP2002280643A (ja) 磁気検出素子及びその製造方法
JP2002151757A (ja) 薄膜磁気素子及びその製造方法
US6178071B1 (en) Spin-valve type thin film element and its manufacturing method
JPH0991629A (ja) 薄膜磁気ヘッド
JPH07296340A (ja) 磁気抵抗効果素子およびその素子を使用した薄膜磁気ヘッド
JP2003338014A (ja) 磁気抵抗効果装置およびその製造方法ならびに薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法
JP2000113421A (ja) 磁気トンネル接合磁気抵抗ヘッド
JP3537723B2 (ja) 薄膜磁気ヘッド及び浮上式磁気ヘッド
JP2000099928A (ja) 薄膜磁気ヘッド
JP2000011333A (ja) トンネリング磁気抵抗効果素子およびその製造方法
JP3261698B2 (ja) 磁気ヘッドおよび磁気抵抗効果素子
JP2000163717A (ja) 磁気抵抗効果素子
US6350487B1 (en) Spin-valve type thin film element and its manufacturing method
JP2002334411A (ja) 薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法
JP3660633B2 (ja) 薄膜磁気ヘッド及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20020312