JP2000097339A - ピストンリングの組合せ - Google Patents

ピストンリングの組合せ

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Shuji Samejima
修二 鮫島
Tomoji Kondo
知二 近藤
Satoshi Kawashima
聡 川島
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 内燃機関に好適な安価でかつ耐摩耗性を有す
るピストンリングの組合せを提供する。 【解決手段】 重量%で、C:0.4 〜0.8 %、Cr:5 〜
11%を含有する低Cr系鋼製で、かつ少なくとも摺動面に
は白層を有する窒化層を形成したピストンリングを第2
圧力リングとし、第1圧力リングは、ステンレス鋼製で
かつ少なくとも摺動面には拡散層を露出した窒化層を形
成したピストンリングとする。なお、白層の厚さは1〜
20μm とするのが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関用ピスト
ンリングの組合せに係り、耐摩耗性と経済性を兼ね備え
たピストンリングの組合せに関する。
【0002】
【従来の技術】最近の内燃機関は、高出力化を指向し、
しかも軽量化をはかり燃費の向上と、さらに排気ガス規
制を満足させるべく開発努力がなされている。このよう
な内燃機関の開発動向にしたがい、使用されるピストン
リングも形状面では厚さをできるかぎり薄くし、材質面
で鋳鉄からステンレス鋼へと改善されてきている。さら
に、排ガス規制によりシリンダ内の腐食性雰囲気が悪化
し、ピストンリングの摩耗が激しくなっている。
【0003】従来、大型ディーゼルエンジンの第1圧力
リングには、摺動面に硬質Crめっきを施した鋳鉄製リン
グが使用されてきたが、排ガス規制の強化により硬質Cr
めっきでは耐摩耗性が不足するため、第1圧力リングは
マルテンサイト系ステンレス鋼製とし、表面に窒化処理
を施して耐摩耗性を向上してきた。一方、第2圧力リン
グは、第1圧力リングほど使用環境は厳しくなく、さら
に形状がテーパ付き、テーパアンダカット付き、テーパ
アンダフック等複雑な形状となるため加工性の観点か
ら、鋳鉄製のリングが使用され、さらに耐摩耗性向上の
ため外周、あるいはさらに上下面をも含みクロムめっき
が施されたリングが多く使用されている。
【0004】しかし、燃費改善のため、第2圧力リング
を薄幅化する場合、鋳鉄製リングでは強度が不足するこ
とから、例えば、特公昭58-25863号公報、特公昭61-541
03号公報には、第2圧力リングも第1圧力リングと同一
鋼材製にすることが提案されている。しかし、高い耐摩
耗性が要求される第1圧力リングと同一の鋼材から、使
用環境が第1圧力リングより厳しくない第2圧力リング
を製作すると経済的に不利となるという問題があった。
【0005】このような問題に対し、特開平5-248540号
公報には、第1圧力リングとしては、11.0〜19.0wt%Cr
を含有するステンレス鋼製で、外周面に高硬度(Hv 105
0 以上)の窒化層が形成されたリングとし、第2圧力リ
ングとしては、2.0 〜10.0wt%含有する低Cr鋼製で、外
周面に低硬度(Hv 1050 未満)の窒化層が形成されたリ
ングとするピストンリングの組合せが提案されている。
【0006】また、特開平9-60726 号公報には、第1圧
力リングは、15.0〜23.0wt%Crを含有するマルテンサイ
ト鋼製で、外周面に表面硬さがHv 1050 以下の窒化層が
形成されたリングとし、第2圧力リングは、5.0 〜11.0
wt%含有するCrを含有するマルテンサイト鋼製で、外周
面に表面硬さがHv 1040 以上の窒化層が形成されたリン
グとし、両リングの窒化層の表面硬さ差がHv300 以下と
するピストンリングの組合せが提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】特開平5-248540号公
報、特開平9-60726 号公報に記載された技術では、第1
圧力リング、および第2圧力リングの外周面に形成され
た窒化層は、いずれも表層に形成される白層等を除去
し、窒素が拡散した拡散層を表面に露出させている。白
層の除去は、硬く脆い白層が欠け落ちて、アブレシブ摩
耗を引き起こすのを防止することを目的としている。
【0008】しかしながら、摺動面形状の複雑なピスト
ンリングで表面の白層を除去するのは、複雑な加工方法
と、多大な加工時間を要し、ピストンリングの生産性と
経済性の低下要因となるという問題があった。本発明
は、上記した従来技術の問題を解決し、経済性と耐摩耗
性を兼ね備えた内燃機関用ピストンリングの組合せを提
供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を達成するため、ディーゼルエンジン用ピストンリング
の使用環境についてさらに詳細に検討した。その結果、
第2圧力リングの使用環境は、第1圧力リングにくら
べ、ガス圧が低いこと、熱負荷が小さいこと、潤滑条件
も軽いこと、を確認した。そして、本発明者らは、第2
圧力リングでは必ずしも第1圧力リングと同一の材質と
する必要はなく、また、この使用環境では、窒化層の白
層の欠け落ちはないことに想到した。そして、硬さが高
く耐摩耗性に富む白層を有効利用することにより、窒化
層深さを薄くできることを見いだした。
【0010】本発明者らは、窒化層の白層の耐摩耗性に
およぼす影響を調査するため、ディーゼルエンジン用の
第2圧力リングについて、ピストンリングの摩耗量と窒
化層の白層の有無の関係を実機エンジンで調査した。使
用したエンジンは、直列4気筒、ボア内径:92mm、総排
気量:2400ccのディーゼルエンジンであり、試験条件
は、4000rpm ×全負荷×300hr の連続高速運転(a)
と、 4000rpm×全負荷× 100hr−4400rpm ×全負荷×10
0hr −4000rpm ×全負荷×100hr のモード耐久運転
(b)とした。その結果を図1に示す。
【0011】図1から、窒化層の白層を残した場合のほ
うが、試験条件によらず、摺動面の摩耗量は少なく、し
かも欠け落ち等の問題も生じなかった。本発明は、上記
した知見に基づき完成されたものである。すなわち、本
発明は、第1圧力リングが、鋼製で、少なくとも摺動面
に拡散層が露出した窒化層を有し、第2圧力リングが、
鋼製で、少なくとも摺動面に白層と拡散層とからなる窒
化層を有することを特徴とするピストンリングの組合せ
である。
【0012】また、本発明は、第1圧力リングが、重量
%で、C:0.4 〜1.2 %、Cr:11〜18%を含有するマル
テンサイト系ステンレス鋼からなるとともに、少なくと
も摺動面に拡散層が露出した窒化層を有し、第2圧力リ
ングが、重量%で、C:0.4〜0.8 %、Cr:5 〜11%を
含有するCr含有鋼からなるとともに、少なくとも摺動面
に白層と拡散層とからなる窒化層を有することを特徴と
するピストンリングの組合せであり、また、本発明で
は、前記白層の厚さを1 〜20μm とするのが望ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明が対象とするピストンリン
グの組合せは、第1圧力リングと第2圧力リングの組合
せからなり、さらにオイルリングが組み合わせられる。
本発明のピストンリングの組合せでは、各ピストンリン
グは、好適には線材から作られ、少なくとも摺動面に窒
化層が形成される。窒化層の形成方法は、本発明ではと
くに限定されないが、ガス窒化、イオン窒化、塩浴窒化
等の窒化処理が好適である。とくに、アンモニアガス雰
囲気中あるいはアンモニアガスと窒素ガスとの混合ガス
雰囲気等を用いるガス窒化が好ましい。なお、ピストン
リングの摺動面以外の全表面に窒化層を形成してもよい
のは言うまでもない。
【0014】窒化層には、窒素が内部に拡散し、光学顕
微鏡下で白く見える所謂白層と呼ばれる化合物層が表面
に形成される。さらに、白層(化合物層)の下には窒素
濃度が薄くなった拡散層が形成されている。この白層
(化合物層)は固く耐摩耗性に富むが脆く、使用中に欠
け落ちることから、従来は使用前に除去されていたが、
本発明では積極的に利用する。第2圧力リングに使用さ
れるピストンリングでは、耐摩耗性を高めるために白層
を除去せず、白層(化合物層)と拡散層からなる窒化層
を少なくとも摺動面に形成したリングとする。
【0015】窒化層の厚さは、白層を含み、30〜 110μ
m とするのが好ましい。なお、本発明では、とくに断ら
ないかぎり窒化層の厚さは、白層と拡散層を含む厚さと
する。30μm 未満では、効果が少なく、 110μm を超え
ると剥離しやすい。白層の厚さは、1 〜20μm とするの
が望ましい。白層の厚さが1μm 未満では、拡散層の厚
さも薄くなり、所望する耐摩耗層の厚さを得ることがで
きない。また、20μm を超えると、剥離しやすく、異常
摩耗の原因となる。
【0016】また、窒化層の硬さは、窒化条件、例え
ば、ガス窒化の場合には雰囲気の成分、処理時間、処理
温度等の調整でも可能である。なお、窒化層の表面硬さ
は、Hv800〜1300とするのが望ましい。硬さがHv 800未
満では、耐摩耗性が低下し、一方、Hv1300を超えると、
相手攻撃性が増加する。一方、第1圧力リングでは、使
用環境が厳しいため、脆い白層を除去し、拡散層を露出
した窒化層を形成させる。第1圧力リングの形状は、比
較的単純であるため、除去加工が簡単で、容易に拡散層
を露出させることができる。拡散層を露出した窒化層の
厚さは、50〜 110μm とするのが好ましい。50μm 未満
では、耐摩耗性向上効果が少なく、 110μm を超えると
剥離しやすい。なお、拡散層を露出した窒化層の表面硬
さは、Hv 900〜1400とするのが望ましい。硬さがHv 900
未満では、耐摩耗性が低下し、一方、Hv1400を超える
と、相手攻撃性が増加する。
【0017】つぎに、窒化層を形成するピストンリング
の母材について、説明する。本発明のピストンリング
は、鋼製であり、好ましくはCrを含有する鋼製とするの
が好ましい。第2圧力リング用ピストンリングの母材
は、重量%で、C:0.4 〜0.8 %、Cr:5 〜11%を含有
し、さらに好ましくはSi: 0.1〜 0.4%、Mn: 0.2〜
0.4%を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる
鋼材である。なお、オイルリングも同様の組成を有する
鋼製としてもよい。
【0018】Cは、母材の硬さ、強度を向上させる重要
な元素であり、Crと結合し微細で硬質なクロム炭化物を
形成し母材の耐摩耗性を向上させる。このような効果は
0.4%以上の含有で認められる。一方、0.8 %を超える
含有は、粗大な1次炭化物が形成されやすく、リングが
脆化し強度が低下するとともに相手攻撃性が高くなり、
シリンダ内周面の摩耗を増大させる。このようなことか
ら、Cは0.4 〜0.8 %の範囲に限定した。
【0019】Crは、基地に固溶し耐熱性、耐食性を向上
させ、さらにCと結合し微細なクロム炭化物を形成し耐
焼付性、耐摩耗性、耐へたり性を高める元素である。こ
のような効果は5%以上の含有で認められる。一方、11
%を超える含有は、耐摩耗性をさらに向上させるが、使
用環境からは最適な合金添加量ではなく、過剰な特性の
付与となり、経済的に不利となるとともに、クロム炭化
物の析出が多くなり、加工性が劣化する。このため、Cr
は5 〜11%の範囲に限定した。
【0020】Siは、脱酸剤として作用し、さらに耐へた
り性を向上させる元素である。このような効果は、 0.1
%以上の含有で認められる。一方、 0.4%を超える含有
は加工性を低下させるとともに靱性も劣化させる。この
ため、Siは 0.1〜 0.4%の範囲に限定した。Mnは、脱酸
剤として作用するとともに、強度を増加させ、熱間加工
性を向上させる元素である。このような効果は、 0.2%
以上の含有で認められる。一方、 0.4%を超える含有は
リング成形時の冷間加工性を低下させる。このため、Mn
は 0.2〜 0.4%の範囲に限定した。
【0021】なお、残部は、Feおよび不可避的不純物か
らなる。不可避的不純物としては、P:0.04%以下、
S:0.03%以下が許容される。さらに第1圧力リング
は、下記組成の母材とするのが望ましい。ディゼルエン
ジン用の第1圧力リングは、耐摩耗性に加えて耐熱性、
耐スカッフ性が要求される。このため、第1圧力リング
は、Cr含有量の高いマルテンサイト系ステンレス鋼、す
なわち、重量%で、C: 0.4〜 1.2%、Cr:11〜18%を
含有し、さらに好ましくはSi: 0.2〜 0.5%、Mn: 0.2
〜 0.5%を含有しあるいはさらに、Ni: 0.6%以下、M
o:1.25%以下、V:0.15%以下のうちから1種以上を
含み、残部Feおよび不可避的不純物からなるマルテンサ
イト系ステンレス鋼鋼材(例えば、SUS410J1、
440B等)を適用するのが好ましい。
【0022】Cが 0.4%未満では、耐摩耗性に寄与する
炭化物量が不足し優れた耐摩耗性が得られない。一方、
Cが 1.2%を超えると炭化物が粗大となり、強度が不足
する。このため、Cは 0.4〜 1.2%の範囲に限定するの
が望ましい。Crは、固溶され耐食性、耐熱性を向上させ
るとともに、炭化物を形成し耐摩耗性の向上に寄与する
が、11%未満では、これらの効果が少なく、一方、18%
を超える含有は、基地に固溶するCr量が多くなり、耐食
性は向上するが強度が増加し靱性が劣化する。このた
め、Crは11〜18%に限定するのが望ましい。
【0023】Siは、脱酸剤として作用し、さらに耐へた
り性を向上させる元素である。このような効果は、 0.2
%以上の含有で認められる。一方、 0.5%を超える含有
は加工性を低下させるとともに靱性も劣化させる。この
ため、Siは 0.2〜 0.5%の範囲に限定するのが好まし
い。Mnは、脱酸剤として作用するとともに、強度を増加
させ、熱間加工性を向上させる元素である。このような
効果は、 0.2%以上の含有で認められる。一方、 0.5%
を超える含有はリング成形時の冷間加工性を低下させ
る。このため、Mnは 0.2〜 0.5%の範囲に限定するのが
好ましい。
【0024】その他、耐摩耗性、耐熱性の向上を目的と
して、Ni: 0.6%以下、Mo:1.25%以下、V:0.15%以
下の1種以上を添加してもよい。なお、残部は、Feおよ
び不可避的不純物からなる。不可避的不純物としては、
P:0.04%以下、S:0.03%以下が許容される。本発明
のピストンリングは、上記した組成を有する鋼を溶製し
た鋼素材を熱間圧延等により線材とした素材から加工し
て、必要に応じ適正な熱処理を施し製作されるのが望ま
しい。また、溶製鋼からの製造に代えて、焼結合金製と
してもよい。
【0025】本発明の1実施例であるディゼルエンジン
用ピストンリングの組合せを図2に示す。図2はシリン
ダのボア内にピストンが装着された状態の縦断面図であ
る。シリンダ1内のボア内にピストン2が挿入され、ピ
ストン2の外周面に形成されているピストンリング溝
3、4、5に第1圧力リング6、第2圧力リング7、お
よび組合せオイルリング8がそれぞれ装着されている。
【0026】図2の第1圧力リング6は、片面キースト
ン型のリングが示されているが、この形状に限定される
ものではなく、両面キーストン型としても矩形でもよ
い。第1圧力リング6の摺動面およびその他の外表面に
は拡散層が露出した窒化層10が形成されている。また、
図2の第2圧力リング7は、テーパフェイス型のリング
が示されているが、気密性とともに潤滑油のかきおとし
性が要求されるため、テーパアンダーカット、テーパイ
ンナーカット等の形状としてもよいのは言うまでもな
い。第2圧力リング7の摺動面およびその他の外表面に
は白層を有する窒化層9が形成されている。また、図2
の組合せオイルリング8は、コイルエキスパンダ11付き
のオイルリングであり、断面ほぼI字形のオイルリング
12の外周面には窒化層9が形成されている。
【0027】
【実施例】表1に示すステンレス鋼製鋼材を用いて、図
1に示す形状の第1圧力リング、第2圧力リングを作製
した。これらリングを、ディゼルエンジンに表3
(a)、(b)に示すような組合せで装着し、実機試験
を実施した。試験後、ピストンリング摺動面の摩耗量を
調査した。
【0028】供試エンジンは、直列4気筒、ボア内径:
92mm、総排気量:2400ccのディゼルエンジンとし、連続
高速運転とモード耐久運転を実施した。連続高速運転の
試験条件は、4000rpm ×全負荷×300hr とし、モード耐
久運転の試験条件は、4000rpm ×全負荷× 100hr−4400
rpm ×全負荷×100hr −4000rpm ×全負荷×100hr とし
た。なお、使用エンジンオイルは10W−30を用いた。
【0029】各ピストンリングの寸法は、第1圧力リン
グが幅: 2.0mm×厚さ3.35mm、第2圧力リングが幅:
1.5mm×厚さ3.30mmとした。また、各ピストンリングの
窒化処理条件および外周面の硬さ、白層および白層を含
む窒化層厚さを表2に示す。なお、第1圧力リングの窒
化層厚さは白層を除去した拡散層が露出した窒化層厚さ
である。
【0030】実機試験の結果を表3に示す。なお、ピス
トンリングの摩耗量は、摺動位置での厚さの減少量で表
示した。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】
【表3】
【0034】本発明例のピストンリングの組合せは、デ
ィーゼルエンジン用として十分な耐摩耗性を有するピス
トンリングとなる。比較例である拡散層を露出した第2
圧力リングにくらべ、耐摩耗性は向上し、しかも欠け落
ち等のトラブルも生じていない。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、窒化層の白層を除去す
るという加工を必要とせず、安価で、要求される耐摩耗
性を満足するピストンリングを提供することができ、産
業上格段の効果を奏する。また、窒化層深さを少なくで
き、経済的であるという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実機エンジンにおけるピストンリングの摩耗量
におよぼす窒化層白層の有無の影響を示すグラフであ
る。(a)は連続高速条件の場合、(b)はモード耐久
条件の場合を示す。
【図2】ピストンリングの組合せの1例を示す縦断面図
である。
【符合の説明】
1 シリンダ 2 ピストン 3 ピストンリング溝 4 ピストンリング溝 5 ピストンリング溝 6 第1圧力リング 7 第2圧力リング 8 組合せオイルリング 9 窒化層 10 表面硬化層 11 コイルエキスパンダ 12 オイルリング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川島 聡 埼玉県与野市本町西5−2−6 日本ピス トンリング株式会社与野工場内 Fターム(参考) 3J044 AA02 AA18 BA03 BB06 CB13 CB15 CB20 DA09 DA16

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1圧力リングが、鋼製で、少なくとも
    摺動面に拡散層が露出した窒化層を有し、第2圧力リン
    グが、鋼製で、少なくとも摺動面に白層と拡散層とから
    なる窒化層を有することを特徴とするピストンリングの
    組合せ。
  2. 【請求項2】 第1圧力リングが、重量%で、C:0.4
    〜1.2 %、Cr:11〜18%を含有するマルテンサイト系ス
    テンレス鋼からなるとともに、少なくとも摺動面に拡散
    層が露出した窒化層を有し、第2圧力リングが、重量%
    で、C:0.4〜0.8 %、Cr:5 〜11%を含有するCr含有
    鋼からなるとともに、少なくとも摺動面に白層と拡散層
    とからなる窒化層を有することを特徴とするピストンリ
    ングの組合せ。
  3. 【請求項3】 前記白層の厚さが、1 〜20μm であるこ
    とを特徴とする請求項1または2に記載のピストンリン
    グの組合せ。
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