JP2000093743A - ごみ焼却炉の排ガス処理方法及び処理装置 - Google Patents

ごみ焼却炉の排ガス処理方法及び処理装置

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JP2000093743A
JP2000093743A JP10268742A JP26874298A JP2000093743A JP 2000093743 A JP2000093743 A JP 2000093743A JP 10268742 A JP10268742 A JP 10268742A JP 26874298 A JP26874298 A JP 26874298A JP 2000093743 A JP2000093743 A JP 2000093743A
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exhaust gas
group
metal hydroxide
cooling
refuse incinerator
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Tatsuo Goto
達男 後藤
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SHINSEI DENTAL LABORATORY KK
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SHINSEI DENTAL LAB KK
SHINSEI DENTAL LABORATORY KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 廃棄物の燃焼排ガスを迅速に冷却することが
可能でダイオキシンの発生を極力抑制することができ、
冷却により吸収した熱量を再利用することの可能な焼却
炉の排ガス処理方法を提供する。 【解決手段】 廃棄物をごみ焼却炉1中で燃焼させ、こ
の際生じる高温の排ガスGを塩素系ガスの除去フィルタ
3を流通させた後、II族金属水酸化物を用いた第1及び
第2の冷却フィルタ5,6を流通させる。前記冷却フィ
ルタ5a,6aが、ケーシング21内にII族金属水酸化物
24を充填してII族金属水酸化物層を形成し、ケーシング
21を貫通して排ガス流路4に連通する排ガス流通管25を
有するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ごみ焼却炉の排ガ
スを迅速に冷却するための処理方法及びそのための装置
に関し、特に冷却により吸収した排ガスの熱量を再利用
可能としたごみ焼却炉の排ガス処理方法及び処理装置に
関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】近年、産業廃棄物や一
般廃棄物、あるいはこれらから製造されるごみ固形燃料
(RDF)などを焼却する際に生じるダイオキシン類が社
会的問題になってきている。このように廃棄物を燃焼さ
せるとダイオキシン類が発生する原因は、主に焼却炉内
での燃焼中に廃棄物中に含まれる塩化ビニルなどの塩素
系化合物がクロロフェノール、クロロベンゼン等の前駆
物質となり、飛灰上での触媒反応により250〜400
℃の温度域でダイオキシン類を生成する前駆物質からの
生成と、排ガス処理過程でクロロフェノール、クロロベ
ンゼン等の塩素化芳香族化合物が、250〜350℃の
低温で未燃カーボン、空気、水分、無機塩素などの存在
下に生成する、いわゆるデノボ合成との2通りであるこ
とが知られている。これらのダイオキシン類の生成原因
のうち燃焼中の前駆物質からの合成は、生成速度は速い
が、燃焼排ガスが焼却炉から調温塔までの600〜25
0℃程度の温度域を流通する数秒程度しか反応可能な時
間がないのに対し、デノボ合成が起こる排ガス処理系で
のフライアッシュの滞留時間は非常に長いものあるの
で、実際の焼却装置では後者の反応により生じるダイオ
キシン類の方が多いと考えられている。そして、このよ
うなダイオキシン類の生成反応には前述した温度的要因
の他、塩素、特に廃棄物量の1%以上の塩素が必要であ
ることはもちろんのこと、触媒となる金属成分も必要で
あり、このような金属成分の中では特に塩化銅などの微
粉粒子あるいは飛灰が触媒として重要な役割を担ってい
ることが明らかになってきている。
【0003】すなわち、これらのことからダイオキシン
類は、酸素共存条件下では塩素系化合物の特徴としてそ
の分解・生成温度より非常に高温域である約650〜7
50℃程度で分解を開始し、850℃程度でほぼ分解さ
れることが予想される一方、250℃以下であれば合成
しないことが明らかである。また、その合成をさらに抑
制するためには、塩素(その化合物)を極力除去してや
ること、触媒活性の大きい塩化銅を減少させることなど
が有効であると考えられる。
【0004】そこで、このようなダイオキシン類対策と
してごみ焼却炉自体の燃焼温度を高温化したり、ごみ焼
却炉内の塩素を除去したりすることが行われているのが
現状である。しかしながら、ごみ焼却炉自体の燃焼温度
を高温化したり、ごみ焼却炉内の塩素を除去したりする
ことは、基本的には焼却炉内部でのダイオキシンの発生
を抑制するものであり、廃棄物の燃焼排ガス中には、塩
化水素ガス、塩素ガスなどの塩素系のガスやNOx、S
Oxのなどの腐食性のガスが多量に含まれているため、
この排ガス処理工程においてデノボ合成が起こっている
ことについては前述したとおりである。そこで、排ガス
処理工程においてはバグフィルタに消石灰を担持するこ
とにより、腐食性ガスを補集して除去しているが、この
バグフィルタは、一般にその耐用温度が200℃程度で
あるので高温となるごみ焼却炉の出口直後には使用でき
ず、また排ガスの圧損失が大きいという問題点がある。
このため従来は排ガス流路に調温塔を設け、この調温塔
内を流通する排ガスにスクラバーなどにより水蒸気を噴
霧することによりその温度を低下させた後バグフィルタ
に流通させていた。しかしながら、ごみ焼却炉の煙口か
ら排出された直後の排ガスは約700℃程度あり、前述
した水蒸気を噴霧するタイプの調温塔では、排ガスの冷
却速度が迅速でないため、ダイオキシン類の合成温度で
ある250〜600℃の温度領域に長く排ガスが滞留す
ることになるので、排ガス流路内においてダイオキシン
類が発生するおそれがある。この対策として水蒸気の供
給量を多くしてやることにより排ガスを急冷してやるこ
とが考えられるが、排ガスを急速に冷却するには非常に
多量の水蒸気が必要であり、排ガス流路を流通するガス
量が大幅に増大するだけでなくバグフィルタを流通する
ガス量も増大するため、装置が非常に大掛かりとなるな
ど現実的でなく、またバグフィルタにかかる負荷も大き
くなるという問題点もある。さらに、もし冷却装置にお
いて迅速に冷却しながら塩素系ガスなども除去できれば
排ガス流路におけるダイオキシン類の発生を一層抑制す
ることができて望ましい。また、このような排ガスの熱
を吸収して熱源として利用できれば、エネルギー効率や
焼却炉設備の普及への寄与の点からも望ましい。
【0005】本発明はこれらの課題に鑑みてなされたも
のであり、廃棄物の燃焼排ガスを迅速に冷却することが
可能でダイオキシンの発生を極力抑制することのできる
ごみ焼却炉の排ガス処理方法及びそのための装置を提供
することを目的とする。また、本発明は燃焼排ガスの冷
却により吸収した熱量を再利用することの可能な焼却炉
の排ガス処理方法及びそのための装置を提供することを
目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
ごみ焼却炉の排ガス処理方法は、廃棄物をごみ焼却炉中
で燃焼させ、この際生じる高温の排ガスを塩素系ガスの
除去フィルタを流通させた後、II族金属水酸化物を用い
た冷却フィルタを流通させるものである。これにより、
ごみ焼却炉から排出される燃焼排ガスからまず腐食性の
塩素系ガスを除去した後、排ガス温度がまだ高温、特に
600℃以上の段階でII族金属水酸化物からなる冷却フ
ィルタを流通させることにより、II族金属水酸化物が分
解してII族金属酸化物になるに伴い排ガスの熱量が奪わ
れ、ここを流通する排ガスを250℃以下のダイオキシ
ン類の生成しない温度まで迅速に冷却することができ
る。
【0007】請求項2記載のごみ焼却炉の排ガス処理方
法は、請求項1において、前記冷却フィルタが、II族金
属水酸化物層とこのII族金属水酸化物層を貫通する排ガ
ス流通管とを有し、前記排ガスが前記排ガス流通管を流
通することによりII族金属水酸化物層と非接触状態であ
るものである。このため、排ガスから熱量を奪うことに
よりII族金属水酸化物はII族金属酸化物となるが、この
II族金属酸化物は水と反応するとII族金属水酸化物に復
元し、この際熱を放出することから、排ガスの熱の再利
用を図ることができる。この際II族金属水酸化物は排ガ
スと非接触状態で熱量だけ奪うことになるので、II族金
属水酸化物が排ガスにより汚染されることがなく、再利
用に好適である。
【0008】さらに、請求項3記載のごみ焼却炉の排ガ
ス処理方法は、請求項1又は2において、前記II族金属
水酸化物がカルシウム、マグネシウム、バリウム、スト
ロンチウムから選択された1種又は2種以上の金属の水
酸化物、あるいはその水和物であるものである。このた
め、600℃以上の排ガスをその脱水吸熱反応により冷
却するのに好適である。
【0009】また、本発明の請求項4記載のごみ焼却炉
の排ガス処理装置は、廃棄物の投入口及び煙口を有する
ごみ焼却炉の煙口に連通する排ガス流路に塩素系ガスの
除去フィルタと、II族金属水酸化物を用いた冷却フィル
タとを設けたものである。このような構成を採用するこ
とにより、ごみ焼却炉の排ガス流路、特に排ガス温度が
600℃以上となる焼却炉の煙口の直後にII族金属水酸
化物からなる冷却フィルタを設けることにより、ダイオ
キシンの原因となる塩素ガスを除去した後、II族金属水
酸化物が分解してII族金属酸化物になるに排ガスの熱量
が奪われ、ここを流通する排ガスを250℃以下のダイ
オキシン類の生成しない温度まで迅速に冷却することが
できる。
【0010】請求項5記載のごみ焼却炉の排ガス処理装
置は、請求項4において、前記冷却フィルタが、II族金
属水酸化物を充填するためのケーシングと、このケーシ
ング内を貫通する前記排ガス流路に連通した排ガス流通
管とを有し、該ケーシングには通気孔が形成されている
ものである。このため、排ガスから熱量を奪うことによ
りII族金属水酸化物はII族金属酸化物となるが、このII
族金属酸化物は水と反応するとII族金属水酸化物に復元
するに伴い熱を放出することから、排ガスの熱の再利用
を図ることができる。この際II族金属水酸化物は排ガス
と非接触状態で熱量だけ奪うことになるので、II族金属
水酸化物が排ガスにより汚染されることがなく、再利用
に好適である。また、ケーシング単位で冷却フィルタを
着脱することにより一層再利用しやすくなっている。
【0011】請求項6記載のごみ焼却炉の排ガス処理装
置は、請求項4又は5において前記II族金属水酸化物が
カルシウム、マグネシウム、バリウム、ストロンチウム
から選択された1種又は2種以上の金属の水酸化物、あ
るいはその水和物であるものである。このため、600
℃以上の排ガスをその脱水吸熱反応により冷却するのに
好適である。
【0012】さらに、請求項7記載のごみ焼却炉の排ガ
ス処理装置は、請求項5又は6において、前記冷却フィ
ルタが、前記排ガス流路から取り外した後前記通気孔か
ら水分を供給することにより、該水と反応して繰り返し
使用可能であるものである。このため、冷却フィルタに
要するコストの低減を図ることができる。
【0013】
【発明の実施形態】以下、本発明のごみ焼却炉の排ガス
処理方法について、図1乃至図3に示す装置を例に詳細
に説明する。
【0014】図1は本発明の方法を適用可能なごみ焼却
炉の排ガス処理装置の一例を示し、同図において1は金
属製あるいはセラミック製などの耐熱性のごみ焼却炉で
あり、このごみ焼却炉1の上側の投入口2の先には廃棄
物のストッカーが(図示せず)が連通していて、定量ず
つの廃棄物がごみ焼却炉1に供給されるようになってい
る。また、3はごみ焼却炉1の煙口1aの直後に設けら
れ石灰系造粒物からなる塩素系ガス除去フィルタであ
り、この塩素系ガス除去フィルタ3の後には、管路4を
経由して第1の冷却フィルタ層5が設けられている。こ
の第1の冷却フィルタ層5内には、II族金属の水酸化物
による第1の冷却フィルタ5aが複数個設けられてい
る。さらに、この第1の冷却フィルタ層5の下流側に
は、管路4Aを経て第2の冷却フィルタ層6が配置され
ていて、この第2の冷却フィルタ層6内にもII族金属水
酸化物による第2のフィルタ6aが複数個設けられてい
る。さらに、管路4Bは、第2の冷却フィルタ層6から
先では排出路となってバグフィルタや電気集塵機などの
飛灰等の煤塵除去装置 (図示せず)を経て外部環境等に
連通している。本実施例においては、この管路4、4
A、4Bにより排ガス流路が構成されている。
【0015】ところで、本実施例においては廃棄物とし
ては、一般廃棄物、産業廃棄物のみならず、ごみ固形燃
料(RDF)をも含む。このごみ固形燃料とは、廃棄物
から得られる燃料(Refuse Derived F
uel)の総称であり、金属片、ガラス片、その他の除
去可能な無機物を含有せず、そのまま燃料として利用可
能な形態の廃棄物のことであり、特に生ごみや可燃ごみ
などを粉砕した後乾燥させて発熱量、保存性を向上さ
せ、これをペレット状などに圧縮成形して保存性、搬送
性を向上させたもののことであり、好ましくは乾燥前に
消石灰や生石灰を添加することにより脱臭及び有害ガス
の発生を防止したものである。
【0016】上述したような装置において、塩素系ガス
の除去フィルタ3に使用する石灰系造粒物とは、基本的
には生石灰の粒状物、塊状物、石灰石などのことである
が、本発明においては、生石灰や石灰石を破砕するなど
してそのまま用いてもよいし、以下のような二種類の方
法で得られるものを用いることもできる。
【0017】第一の方法においては、炭酸カルシウムと
水ガラスと重曹とを使用する。本発明で使用する炭酸カ
ルシウムは、天然炭酸カルシウム、合成炭酸カルシウム
のいずれも用いることができ、天然炭酸カルシウムとし
ては、貝殻、石灰石、方解石、大理石などを用いること
ができる。その比表面積などは特に制限されない。ま
た、本発明において使用する水ガラスは、前記炭酸カル
シウムと混合してゲル状物を形成するためのものであ
り、重金属類の安定化にも寄与する。この水ガラスとし
ては、汎用の水溶性ケイ酸塩、例えばケイ酸ソーダ、ケ
イ酸カリウムなどが挙げられる。そのモル比(SiO2
/M2O:Mはアルカリ金属)は、通常の市販品の範
囲、すなわち0.5〜4.2の範囲内で任意に選択する
ことができる。このような水ガラスとしては特にケイ酸
ソーダが好ましく、濃度2〜30%程度の水溶液を使用
し、必要に応じて水ガラスに対して等量〜10倍量程度
の水を添加して炭酸カルシウムとの混練性を調整するこ
とができる。ただし、水ガラスの濃度があまり低くなり
すぎると造粒物とすることができなくなる。さらに、重
曹(炭酸水素ナトリウム)を配合する。この重曹は、炭
酸カルシウムと水ガラスとの混合物をゲル状化するのに
必要である。
【0018】上述したような炭酸カルシウムと水ガラス
と重曹との配合割合は、炭酸カルシウム100重量部に
対して、水ガラス(濃度10%の水溶液換算)5〜20
重量部とするのが好ましい。水ガラスが5重量部未満で
は炭酸カルシウムとの間にゲル状物を形成するのが困難
となる一方、20重量部を超えると乾燥に時間がかかる
ため好ましくない。また、重曹の配合割合は炭酸カルシ
ウム100重量部に対して1〜5重量部程度とするのが
好ましい。重曹が1重量部未満では、炭酸カルシウムと
の間にゲル状物を形成するのが困難となる一方、5重量
部を超えても意味がないばかりかかえってゲル化が早す
ぎて造粒が困難となる。
【0019】上述したような各成分からなるゲル化物
は、その水分が蒸発することにより多孔質化するが、さ
らに、本発明において上述した炭酸カルシウムと水ガラ
スと重曹とにさらに多孔質化剤を配合することができ
る。この多孔質化剤とは、常温では固形状であるが所定
の温度以上に加熱すると、炭化や気化することにより容
積が大幅に減少して空隙を形成し、得られる炭酸カルシ
ウムの粒状化物を多孔質化するためのものであり、有機
粉末や低沸点固体などを用いることができる。具体的に
は、木粉、コーヒー、コーンスターチ、大豆などの絞り
粕などの廃物を利用することができる。上述したような
多孔質化剤の配合割合は、炭酸カルシウム100重量部
に対して、5〜20重量部程度でよい。
【0020】第一の方法では、前述した炭酸カルシウ
ム、水ガラス及び重曹と、必要に応じて添加される多孔
質化剤とをそれぞれ所定の割合で配合し、十分に混練す
ることによりゲル状組成物を調整し、このゲル状組成物
を加熱乾燥することにより、炭酸カルシウムのまま2〜
30mm程度の大きさの粒状物としての除去剤として使用
することができるが、好ましくは約900℃に加熱して
乾燥することにより、炭酸カルシウムを生石灰に変成し
て除去剤として使用する。また、前述したゲル状組成物
をスティック状に成形して裁断した後加熱乾燥すること
によりペレット状物とすることもできる。さらに、ゲル
状組成物の粘度によっては、特に成形せずにそのまま乾
燥させ、軽く粉砕してもよい。
【0021】また、石灰系造粒物を製造する第二の方法
としては、消石灰と水ガラスとを使用する。本発明で使
用する消石灰としては、通常用いられているJIS特号
消石灰、あるいは他の市販品を用いることができ、その
比表面積などは特に制限されない。また、本発明におい
て使用する水ガラスは、前述した第一の方法と同じもの
を用いることができる。
【0022】上述したような炭酸カルシウムと水ガラス
との配合割合は、炭酸カルシウム100重量部に対し
て、水ガラス(濃度10%の水溶液換算)5〜20重量
部とするのが好ましい。水ガラスが5重量部未満では炭
酸カルシウムをゲル状化するのが困難となる一方、20
重量部を超えると、乾燥に時間がかかるため好ましくな
い。
【0023】さらに、第二の方法においても多孔質化剤
を配合することができる。この多孔質化剤としては前述
した第一の方法と同じものを用いることができ、その配
合量も同じでよい。
【0024】第二の方法においては、前述した消石灰及
び水ガラスと、必要に応じて添加される多孔質化剤とを
それぞれ所定の割合で配合し、十分に混練することによ
りゲル状組成物を調整し、このゲル状組成物を加熱乾燥
することにより、消石灰のまま2〜30mm程度の大きさ
の粒状物としての除去剤として使用することができる
が、好ましくは約550〜650℃、特に約600℃に
加熱して乾燥することにより、消石灰を生石灰に変成し
て除去剤として使用する。また、前述したゲル状組成物
をスティック状に成形して裁断した後加熱乾燥すること
によりペレット状物とすることもできる。
【0025】このような石灰系造粒物は、例えば、石灰
系増粒物の大半を占める生石灰(CaO)が、400〜
700℃の高温下で塩素ガスなどの腐食性ガスと接触す
ると、塩素ガス(Cl2)と反応して塩化カルシウム
(CaCl2)としてその表面にこれを固定化するため
排ガス中の塩素系ガスを除去する性能を発揮するもので
ある。また、NOxなども類似する反応により除去する
ことができる。その上、これらの石灰系造粒物は微粒子
や飛灰となっている塩化銅を酸化銅に転化する作用も発
揮する。そして、生石灰(CaO)が、ある程度塩化カ
ルシウムを収着したらその触媒活性が低下するが、生石
灰は水蒸気などによりわずかな量の水分を供給すると表
面部分を主体として急激に脆化して崩壊し、新たな表面
が露出するため、前述した腐食性ガスの収着性を再現す
ることができる。この繰り返しにより、石灰系造粒物の
粒径が小さくなり、所定の大きさ例えば2mm未満とな
ったらふるい落として、少しずつ新しい石灰系造粒物を
加えてやればよい。
【0026】特に、第一及び第二の方法に例示したよう
にゲル状組成物から加熱乾燥して石灰系造粒物を製造す
る方法では、この加熱乾燥の前に他の触媒物質、例えば
脱硝触媒や脱硫触媒などの粉末を混合することが可能で
あり、触媒としての石灰系造粒物の性能の向上及び多機
能化が容易に図れるという効果も有する。
【0027】上述したような石灰系造粒物を有する塩素
系ガス除去フィルタ3は、例えば、図2に示すように、
粒状あるいはペレット状の石灰系造粒物11,11…を、該
石灰系造粒物11,11…の粒径よりも目の細かい2枚の金
属製メッシュ板12,12を管路4に設けられた筒体13によ
り所定の間隔をもって接合し、この2枚の金属製メッシ
ュ板12,12間に形成される空間S内に充填することによ
り形成することができる。この石灰系造粒物11の粒径
は、排ガスの圧力損失や該排ガス中の腐食性ガスの除去
効率を考慮して適宜設定すればよいが、石灰系造粒物11
を多孔質化するなどして粒径が大きく、かつ表面積が大
きいものを用いることにより、排ガスの圧損失を抑制す
ることができ、ここでの排ガス温度の低下を最小限に抑
制することができて望ましい。また、触媒層の厚さとな
るメッシュ板12,12の間隔も、排ガスの圧損失や該排ガ
ス中の腐食性ガスの除去効率を考慮して適宜設定すれば
よいが、あまり厚すぎると排ガス温度がゆっくりと低下
することになり、その結果冷却フィルタ5,6で排ガス
を迅速に冷却することによりダイオキシンの生成防止効
果が十分に得られないため、この点を考慮する必要があ
る。
【0028】また、第1及び第2の冷却フィルタ層5,
6を構成する冷却フィルタ5a,6aに使用するII族金
属水酸化物とは、基本的にはアルカリ土類金属に二個の
水酸基が結合したものであり、例えば、アルカリ土類金
属酸化物の水和反応により発熱を伴って生成されるもの
である。上述したようなII族金属水酸化物としては、水
酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化バリウム
(8水和物)、水酸化ストロンチウム(8水和物)など
を用いることができ、具体的には、水酸化カルシウムは
約400〜500℃の範囲に分解温度を有し、水酸化マ
グネシウムは、約670〜420℃の範囲に分解温度を
有し、水酸化バリウム(8水塩)は、約80〜170℃
の範囲の脱水温度と、650〜750℃の範囲の分解温
度とを有し、水酸化ストロンチウム(8水塩)は、約9
0〜150℃の脱水温度と、約475から575℃の分
解温度とを有することが実験的に確認されている。これ
らのII族金属水酸化物は粒状物あるいは塊状物、場合に
よっては粉状物を使用することができる。
【0029】このようなII族金属水酸化物は、その分解
温度以上では水和反応とは逆に水を放出して酸化物に転
化するに伴い熱を吸収する。したがって、高温(その分
解温度以上)の排ガスと接触すると分解反応等を起こし
てその熱を吸収する。すなわち、カルシウム、マグネシ
ウム、バリウム、ストロンチウムなどのII族金属をMと
すると、2M(OH)2→2MO+2H2O−(熱量)の
脱水吸熱反応を起こす。例えば、カルシウムの場合には
消石灰(Ca(OH)2)が生石灰(CaO)に転化す
るに伴い周囲から熱を吸収する。なお、水酸化バリウ
ム、水酸化ストロンチウムなどのII族金属水酸化物の8
水和物の場合には、前述した脱水吸熱反応に先立ち、付
加している結晶水の乾燥に伴う脱水反応が生じるので、
これによっても吸熱する。このような冷却フィルタ5
a、6aに使用するII族金属水酸化物の量は、その単位
重量当たりの表面積にもよるが、600℃の排ガスGの
流量1m3当たり200g〜1kg程度用いるのが好ま
しく、特にこの脱水吸熱反応は、反応速度が遅いので十
分な量のII族金属水酸化物を用いて、長期間使用可能と
するのが好ましい。
【0030】特に本実施例においては、冷却フィルタ5
a、6aとして図3に示すようなものを用いるのが好ま
しい。この冷却フィルタ5a(6a)は、ケーシング21
と、このケーシング21の上側に形成された開口筒部22
と、下側に形成された開口凹部23とを有し、これら通気
孔たる開口部筒部22及び開口凹部23には、目の細かい金
網22Aが張設されていて、このケーシング21内にII族金
属水酸化物造粒物24が充填されてII族金属水酸化物層を
形成している。そして、このケーシング21を貫通して複
数の排ガス流通管25,25…が配設されており、この排ガ
ス流通管25,25…が管路4、4A、4Bに連通してい
る。
【0031】次に上述したような塩素系ガス除去フィル
タ3と、第1及び第2の冷却フィルタ層5,6を有する
ごみ焼却炉の排ガス処理装置を用いた本実施例の排ガス
処理方法の作用について、冷却フィルタ5a,6aに消
石灰と水酸化バリウムの8水和物との混合物を用いた場
合を例に説明する。
【0032】まず、図1乃至図3に示す装置において、
ごみ焼却炉1でごみ固形燃料を燃焼させると、高温(約
600〜700℃)の排ガスGが煙口1aから、管路4
を通って塩素系ガス除去フィルタ3に到達する。ここで
は、前述した石灰系造粒物11の反応により迅速に塩素な
どの腐食性ガスが除去される。また、これらの石灰系造
粒物11は微粒子や飛灰となっているダイオキシン生成の
際の触媒として機能する塩化銅を酸化銅に転化する作用
も発揮する。
【0033】続いて排ガスGは、第1の冷却フィルタ層
5に到達する。この第1の冷却フィルタ層5のフィルタ
5aは、II族金属水酸化物24として消石灰と水酸化バリ
ウムの8水和物との混合物が用いられているので、排ガ
ス流通管25内を流れる排ガスGの温度がその分解開始温
度である約400〜500℃よりも高ければ脱水吸熱反
応を起こして消石灰は生石灰に転化し、水酸化バリウム
の8水和物は、その結晶水が脱水した後酸化バリウムに
転化する反応を起こす。これらの反応は前述したように
吸熱反応であるので、排ガスGの熱量が吸収されて迅速
に冷却される。そして、この際生じる水(水蒸気)は開
口筒部22から排出される。なお、初期段階においては、
消石灰及び水酸化バリウムの8水和物自身の比熱分の熱
量も吸収される。しかも、本実施例においては、排ガス
Gは排ガス流通管25内をII族金属水酸化物と接触するこ
となく流通することになるので圧損失が少なく、しかも
II族金属水酸化物24が排ガスGにより汚染されることが
ない。しかも、この排ガスGは、排ガス流通管25に到達
する以前に塩素系ガス除去フィルタ3により腐食性ガス
が大幅に低減されているので、該排ガス流通管25、さら
には管路4A,4Bの腐食が抑制されるという効果も奏
する。
【0034】続いて排ガスGは管路4Aをさらに進んで
第2の冷却フィルタ層6に到達する。この第2の冷却フ
ィルタ層6においては、排ガスGの温度が約400〜5
00℃より高ければ、再度消石灰と水酸化バリウム8水
和物の脱水吸熱反応が起こり排ガスGはさらに冷却され
る。一方、第1の冷却フィルタ層5において、排ガスG
の温度がすでに400℃以下にまで低下していたとして
も、約80〜170℃よりも高ければ水酸化バリウム8
水和物の乾燥による脱水反応により排ガスGはさらに冷
却される。したがって、第2の冷却フィルタ層6では、
第2の冷却フィルタ6aを構成するII族金属水酸化物24
として水酸化バリウム8水和物の比率を第1の冷却フィ
ルタ5aよりも高くしておくのが望ましい。
【0035】このような第1及び第2の冷却フィルタ5
a,6aに排ガスGに対して十分な量のII族金属水酸化
物24を用いることにより、排ガスGを250℃以下まで
迅速に冷却することが可能となり、排ガスG中に含まれ
る塩素ガスが反応してクロロフェノール、クロロベンゼ
ンなどを経てダイオキシン類が合成されるのを防止する
ことができる。
【0036】そして、このようにして排ガスGを冷却し
た後は、さらに管路4Bを流通しバグフィルタや電気集
塵機などの煤塵除去装置(図示せず)により、煤塵、塩素
系ガスなどや、さらには塩素系ガス除去フィルタ3から
排出される石灰系造粒物の微粉末などが補集されて外部
環境に放出される。
【0037】また、第1及び第2の冷却フィルタ5、6
内のII族金属水酸化物24たる水酸化カルシウム(消石
灰)や水酸化バリウム8水和物が吸熱により十分に酸化
カルシウムや酸化バリウムに転化すると、排ガスGの冷
却効率が低下するので、フィルタ5a,6aを取り出し
て新しいものと交換すればよい。そして、使用後のフィ
ルタ5a,6a中の酸化カルシウムや酸化バリウムは、
水和反応の繰り返し性により、水蒸気などの水を供給す
ることにより容易に反応して排ガスGから奪った熱を放
出し、消石灰及び水酸化バリウムの8水和物に戻るの
で、フィルタとして再利用することができる。この際、
水和反応による発熱を熱源として再利用するようにすれ
ば、エネルギー的な見地から望ましい。
【0038】この冷却フィルタ5aを熱源として利用す
る方法としては、例えば図4に示すように密閉式の反応
容器31に水を充填した蒸発器32をバルブ33を有する管路
34により連結し、反応容器31には真空ポンプ35を接続し
た装置を用いる。そして、バルブ33を閉じた状態で反応
容器31内に冷却フィルタ5aを収納し、真空ポンプ35を
作動させて反応容器31内を減圧下としてバルブ33を開く
と圧力差により蒸発器32内の水が蒸発し反応容器31へと
移動する。この際、反応容器31内では冷却フィルタ5a
内の酸化カルシウムや酸化バリウムの水和反応が起こ
り、300℃レベルの温熱が生成される。この温熱を熱
交換パイプ(図示せず)などにより水を温めて種々の熱
源として再利用することができる。このような再利用法
により、上述したような簡単な装置を設けておけば、冷
却フィルタ5aだけを取り外してこの装置にセットする
だけで熱源として利用可能となる。また、冷却フィルタ
5aを乾燥状態で保管することにより、熱源として長期
間保存することができる。
【0039】特に、本実施例の排ガス処理装置によれ
ば、排ガスGを排ガス流通管25を流通させることによ
り、第1及び第2の冷却フィルタ5a,6aのII族金属
水酸化物24と直接接触するがないので、II族金属水酸化
物24に排ガスG中の不純物や汚染物質が付着することが
なく清浄な状態に維持することができるので、野菜の温
室栽培など農園の温室や各種暖房など民生用の熱源など
幅広い用途に用いるのに公的である。
【0040】以上詳述したとおり、本実施例のごみ焼却
炉の排ガス処理方法は、廃棄物をごみ焼却炉1中で燃焼
させ、この際生じる高温の排ガスGを塩素系ガスの除去
フィルタ3を流通させた後、II族金属水酸化物を用いた
第1及び第2の冷却フィルタ5,6を流通させるもので
あるので、まず排ガスGからダイオキシンの原料となる
腐食性の塩素系ガスを除去した後、排ガス温度がまだ高
温、特に600℃以上のうちにII族金属水酸化物24から
なる冷却フィルタ5a,6aを流通させることにより、
II族金属水酸化物が分解してII族金属酸化物になるに伴
い排ガスGの熱量が奪われるので、排ガスGをダイオキ
シン類の生成しない250℃以下の温度まで迅速に冷却
することができる。これによりダイオキシンの生成を大
幅に抑制することが可能となる。特に前記冷却フィルタ
5a,6aが、ケーシング21内にII族金属水酸化物24を
充填してII族金属水酸化物層を形成し、ケーシング21を
貫通する排ガス流通管25を有するものであるので、前記
排ガスGは前記II族金属水酸化物24の層を非接触状態で
流通することになるため、冷却フィルタ5a,6a中の
II族金属水酸化物24が排ガスGにより汚染されることが
なく、再利用に好適なものとなっている。また、このII
族金属水酸化物としては、カルシウム、マグネシウム、
バリウム、ストロンチウムから選択された1種又は2種
以上の金属の水酸化物、あるいはその水和物を用いるこ
とができ、600℃以上の排ガスをその脱水吸熱反応に
より冷却するのに好適なものとなっている。
【0041】また、本実施例のごみ焼却炉の排ガス処理
装置は、廃棄物の投入口2及び煙口1aを有するごみ焼
却炉1の煙口1aに連通する排ガス流路4に塩素系ガス
の除去フィルタ3と、II族金属水酸化物24を用いた冷却
フィルタ5a,6aとを設けているので、排ガスGから
まずダイオキシンの原料となる腐食性の塩素系ガスを除
去した後、排ガス温度がまだ高温、特に600℃以上の
段階でII族金属水酸化物24からなる冷却フィルタ5a,
6aを流通させることにより、II族金属水酸化物が分解
してII族金属酸化物になるに伴い排ガスGの熱量が奪わ
れ、ここを流通する排ガスGをダイオキシン類の生成し
ない250℃以下の温度まで迅速に冷却することができ
る。これによりダイオキシンの生成を大幅に抑制するこ
とが可能となる。特に前記冷却フィルタ5a,6aが、
II族金属水酸化物24を充填するためのケーシング21と、
このケーシング21内を貫通する排ガス流路4に連通した
排ガス流通管25とを有するので、前記排ガスGが前記II
族金属水酸化物24の層を非接触状態で流通することにな
るため、II族金属水酸化物24が排ガスGにより汚染され
ることがなく、再利用に好適である。また、ケーシング
21には通気孔としての開口筒部22と開口凹部23とが形成
されているので、冷却フィルタ5a,6a中のII族金属
水酸化物24が消耗したら、排ガス流路4から取り外して
開口凹部23から水分を供給することにより、該水と反応
させてII族金属水酸化物に復元するので、繰り返し使用
可能となっている。
【0042】次に本発明の第2実施例について図5を参
照して詳細に説明する。第2実施例のごみ焼却炉の排ガ
ス処理装置は、基本的には、前述した第1実施例と同じ
構成を有するので同一の構成には、同一の符合を付しそ
の詳細な説明を省略する。
【0043】本実施例においては、管路4は、煙口1a
の直後に形成された主流路41と、環状流路42と、排出路
43とからなり、主流路41の2カ所に形成された開口部4
4、44Aに環状流路42が接続されており、この主流路41
の基端(煙口1a)側に塩素系ガス除去フィルタ3が設
けられているとともに、環状流路42内に第1の冷却フィ
ルタ層5及び第2の冷却フィルタ層6が設けられてい
る。そして、この主流路41には前記開口部44、44Aから
煙口1a側に開閉機構たる第1及び第2の開閉弁45、45
Aが設けられており、さらに、この主流路41の両端側に
は、第1及び第2の排出弁46、46Aが設けられていて、
その後合流して排出路43となってバグフィルタや電気集
塵機などの飛灰等の煤塵除去装置 (図示せず)を経て外
部環境等に連通している。
【0044】次に前述したような第2実施例のごみ焼却
炉の排ガス処理装置について、冷却フィルタ5a,6a
に消石灰と水酸化バリウムの8水和物との混合物を用い
た場合を例に説明する。図5に示す装置において、ま
ず、第1の開閉弁45を開成し、第2の開閉弁45Aを閉鎖
しておく。また、第1の排出弁46は閉鎖し、第2の排出
弁46Aは開成しておく。そして、ごみ焼却炉1でごみ固
形燃料を燃焼させると、高温(約600〜700℃)の
排ガスGが煙口1aから、主流路41に流入し、まず塩素
系ガス除去フィルタにより腐食性の塩素系ガスが除去さ
れる。そして、この主流路41では第1の開閉弁45は開成
し第2の開閉弁45Aは閉鎖しているとともに、第1の排
出弁46が閉鎖しているので、排ガスGは開口部44から環
状流路42に流入し、第1の冷却フィルタ層5に到達し、
前述した第1実施例の場合と同様に排ガスGの熱量が吸
収されて迅速に冷却される。続いて、第2の冷却フィル
タ層6のフィルタ6aでは、排ガスGの温度が約400
〜500℃より高ければ、消石灰と水酸化バリウム8水
和物の脱水吸熱反応による脱水反応により排ガスGはさ
らに冷却される。また、排ガスGの温度が400℃以下
にまで低下していたとしても約80〜170℃よりも高
ければ水酸化バリウム8水和物の乾燥による脱水反応に
より排ガスGはさらに冷却される。
【0045】そして、このようにして冷却された排ガス
Gは、開口部44Aから主流路41に復帰するが、第2の開
閉弁45Aが閉鎖されているので主流路41の一端側から排
出路43を流通しバグフィルタや電気集塵機などの煤塵除
去装置(図示せず)により、煤塵、塩素系ガスなどの各種
腐食性ガス、さらには、第1及び第2の冷却フィルタ
5,6から排出される消石灰などのII族金属水酸化物の
微粉末などが補集されて外部環境に放出される。
【0046】また、第1及び第2の冷却フィルタ5,6
内のII族金属水酸化物24たる水酸化カルシウム(消石
灰)や水酸化バリウム8水和物は、吸熱により次第に酸
化カルシウム(生石灰)や酸化バリウムに転化するが、
当然、最初に吸熱反応により排ガスGを冷却する第1の
フィルタ6内のII族金属水酸化物の方が消耗が激しい。
このような場合には、図5中に破線で示すように第2の
開閉弁45Aを開成するとともに第1の開閉弁45を閉鎖す
る一方、第1の排出弁46は開成し第2の排出弁46Aは閉
鎖する。そうすると、排ガスGは環状流路42を逆方向に
流通するようになる。すなわち、開口部44Aから流入し
て第2の冷却フィルタ6、第1の冷却フィルタ5を順次
流通した後、開口部44から主流路41に戻って他端側から
排出路43を流通する。そして、第2の冷却フィルタ層6
のII族金属水酸化物24も消耗したら、再度開閉弁45,45
A及び排出弁46,46Aを切り替えて、第1の冷却フィル
タ5aのみを新しいものと交換し、最初と同じ流通方向
で使用し、さらに次の開閉弁45,45A及び排出弁46,46
Aの切り替え時に第2の冷却フィルタ6aを交換すれば
よい。このようにして、冷却フィルタ5a,6aの交換
回数を削減することができる。
【0047】そして、使用後の冷却フィルタ5a,6a
は、前述した第1実施例の場合と同様に再利用すること
ができる。
【0048】以上詳述したとおり、本実施例のように管
路4に環状流路42を形成し、この環状流路42内の排ガス
の流通方向を逆転可能とすることにより冷却フィルタ5
a,6aをより効率良く、有効利用可能となっている。
【0049】以上本発明について前記実施例に基き説明
してきたが、本発明は前記第1及び第2実施例に限られ
るものではなく、種々の変形実施が可能である。例え
ば、前記各実施例においては、第1の冷却フィルタ5a
及び第2の冷却フィルタ6aとして2個の冷却フィルタ
を設けたが、この冷却フィルタは3個以上としてもよ
い。特に再利用する際の利便性の点から小型のものを多
数連設するのがよい。
【0050】
【発明の効果】本発明の請求項1記載のごみ焼却炉の排
ガス処理方法は、廃棄物をごみ焼却炉中で燃焼させ、こ
の際生じる高温の排ガスを塩素系ガスの除去フィルタを
流通させた後、II族金属水酸化物を用いた冷却フィルタ
を流通させるものであるので、ごみ焼却炉から排出され
る燃焼排ガスからまず腐食性の塩素系ガスを除去した
後、排ガス温度がまだ高温、特に600℃以上の段階で
II族金属水酸化物からなる冷却フィルタを流通させるこ
とにより、排ガスを250℃以下のダイオキシン類の生
成しない温度まで迅速に冷却することができる。
【0051】請求項2記載のごみ焼却炉の排ガス処理方
法は、請求項1において、前記冷却フィルタが、II族金
属水酸化物層とこのII族金属水酸化物層を貫通する排ガ
ス流通管とを有し、前記排ガスが前記排ガス流通管を流
通することによりII族金属水酸化物層と非接触状態であ
るものであるので、II族金属水酸化物は排ガスと非接触
状態で熱量だけ奪うことになるので、II族金属水酸化物
が排ガスにより汚染されることがなく、再利用に好適で
ある。
【0052】さらに、請求項3記載のごみ焼却炉の排ガ
ス処理方法は、請求項1又は2において、前記II族金属
水酸化物がカルシウム、マグネシウム、バリウム、スト
ロンチウムから選択された1種又は2種以上の金属の水
酸化物、あるいはその水和物であるものであるので、6
00℃以上の排ガスをその脱水吸熱反応により冷却する
のに好適である。
【0053】また、本発明の請求項4記載のごみ焼却炉
の排ガス処理装置は、廃棄物の投入口及び煙口を有する
ごみ焼却炉の煙口に連通する排ガス流路に塩素系ガスの
除去フィルタと、II族金属水酸化物を用いた冷却フィル
タとを設けたものであるので、ごみ焼却炉の排ガス流
路、特に排ガス温度が600℃以上となる焼却炉の煙口
の直後にII族金属水酸化物からなる冷却フィルタを設け
ることにより、ダイオキシンの原因となる塩素ガスを除
去した後、排ガスを250℃以下のダイオキシン類の生
成しない温度まで迅速に冷却することができる。
【0054】請求項5記載のごみ焼却炉の排ガス処理装
置は、請求項4において、前記冷却フィルタが、II族金
属水酸化物を充填するためのケーシングと、このケーシ
ング内を貫通する前記排ガス流路に連通した排ガス流通
管とを有し、該ケーシングには通気孔が形成されている
ものであるので、II族金属水酸化物は排ガスと非接触状
態で熱量だけ奪うことになるので、II族金属水酸化物が
排ガスにより汚染されることがなく、再利用に好適であ
る。また、ケーシング単位で取り外すことにより一層再
利用しやすくなっている。
【0055】請求項6記載のごみ焼却炉の排ガス処理装
置は、請求項4又は5において前記II族金属水酸化物が
カルシウム、マグネシウム、バリウム、ストロンチウム
から選択された1種又は2種以上の金属の水酸化物、あ
るいはその水和物であるものであるので、600℃以上
の排ガスをその脱水吸熱反応により冷却するのに好適で
ある。
【0056】さらに、請求項7記載のごみ焼却炉の排ガ
ス処理装置は、請求項5又は6において、前記冷却フィ
ルタが、前記排ガス流路から取り外した後前記通気孔か
ら水分を供給することにより、該水と反応して繰り返し
使用可能であるものであるので、冷却フィルタに要する
コストの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例によるごみ焼却炉の排ガス
処理装置を示す概略図である。
【図2】前記実施例において使用する塩素系ガス除去フ
ィルタを示す断面図である。
【図3】前記実施例において使用する冷却フィルタを示
す部分破断斜視図である。
【図4】使用後の冷却フィルタを熱源として使用する装
置を示す断面図である。
【図5】本発明の第2実施例によるごみ焼却炉の排ガス
処理装置を示す概略図である。
【符号の説明】
1 ごみ焼却炉 1a 煙口 2 投入口 3 塩素系ガス除去フィルタ 4 管路 5 第1の冷却フィルタ層 5a 第1の冷却フィルタ 6 第2の冷却フィルタ層 6a 第2の冷却フィルタ 11 石灰系造粒物 21 ケーシング 22 開口筒部(通気孔) 23 開口凹部(通気孔) 24 II族金属水酸化物 25 排ガス流通管

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 廃棄物をごみ焼却炉中で燃焼させ、この
    際生じる高温の排ガスを塩素系ガスの除去フィルタを流
    通させた後、II族金属水酸化物を用いた冷却フィルタを
    流通させることを特徴とするごみ焼却炉の排ガス処理方
    法。
  2. 【請求項2】 前記冷却フィルタが、II族金属水酸化物
    層とこのII族金属水酸化物層を貫通する排ガス流通管と
    を有し、前記排ガスが前記排ガス流通管を流通すること
    によりII族金属水酸化物層と非接触状態であることを特
    徴とする請求項1記載のごみ焼却炉の排ガス処理方法。
  3. 【請求項3】 前記II族金属水酸化物がカルシウム、マ
    グネシウム、バリウム、ストロンチウムから選択された
    1種又は2種以上の金属の水酸化物、あるいはその水和
    物であることを特徴とする請求項1又は2記載のごみ焼
    却炉の排ガス処理方法。
  4. 【請求項4】 廃棄物の投入口及び煙口を有するごみ焼
    却炉の煙口に連通する排ガス流路に塩素系ガスの除去フ
    ィルタと、II族金属水酸化物を用いた冷却フィルタとを
    設けたことを特徴とするごみ焼却炉の排ガス処理装置。
  5. 【請求項5】 前記冷却フィルタが、II族金属水酸化物
    を充填するためのケーシングと、このケーシング内を貫
    通する前記排ガス流路に連通した排ガス流通管とを有
    し、該ケーシングには通気孔が形成されていることを特
    徴とする請求項4記載のごみ焼却炉の排ガス処理装置。
  6. 【請求項6】 前記II族金属水酸化物がカルシウム、マ
    グネシウム、バリウム、ストロンチウムから選択された
    1種又は2種以上の金属の水酸化物、あるいはその水和
    物であることを特徴とする請求項4又は5記載のごみ焼
    却炉の排ガス処理装置。
  7. 【請求項7】 前記冷却フィルタが、前記排ガス流路か
    ら取り外した後前記通気孔から水分を供給することによ
    り、該水と反応して繰り返し使用可能であることを特徴
    とする請求項5又は6に記載のごみ焼却炉の排ガス処理
    装置。
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