JP2000089032A - 導光板 - Google Patents

導光板

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JP2000089032A
JP2000089032A JP10259692A JP25969298A JP2000089032A JP 2000089032 A JP2000089032 A JP 2000089032A JP 10259692 A JP10259692 A JP 10259692A JP 25969298 A JP25969298 A JP 25969298A JP 2000089032 A JP2000089032 A JP 2000089032A
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JP10259692A
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English (en)
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Koji Minami
幸治 南
Yuichiro Konishi
裕一郎 小西
Kazuyo Ishimaru
一世 石丸
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Zeon Corp
Original Assignee
Nippon Zeon Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形性に優れ、使用における吸湿変形が少な
く、強度にも十分であり、薄型化、広面積化が可能で高
輝度、低輝度斑を達成できる導光板を提供する。 【解決手段】 脂環式構造含有重合体樹脂からなり、光
反射面に反射用の凹部を形成してなる導光板であって、
前記凹部が、光源からの距離が遠ざかるにつれて次第に
その配置密度を疎から密の状態へ変化するように形成さ
れてなる導光板であり、前記凹部が、70°〜150°
の角度および1μm〜1,000μmの深さを持つV字
状の溝であることが望ましく、また前記凹部が、光反射
面のいずれの場所においても光の入射方向に対して略垂
直方向に細長く形成してある溝であることが望ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、面状光源装置など
に用いられる導光板に係わり、さらに詳しくは、成形性
に優れ、使用における吸湿変形が少なく、強度にも十分
であり、薄型化、広面積化が可能で高輝度、低輝度斑を
達成できる導光板に関する。
【0002】
【従来の技術】導光板は各種表示装置に装着される面状
光源装置に使用される光学部材の一つであり、たとえ
ば、エッジライト方式面状光源装置においては、導光板
内に導入された光源からの光を、入射方向に対して垂直
方向に導きながら出射させる役割を果たす。こうした導
光板は、その出射面全面が各種表示装置の直接的な光源
となるので、高輝度化を達成するためには部材が高透明
性を有する材料で構成される必要があり、また出射光量
を均一な分布で達成するためには発光面の輝度斑が少な
いことが要求される。
【0003】このため、従来から導光板の材料としては
ポリメチルメタクリレート(PMMA)やポリカーボネ
ート(PC)等の材料が用いられ、導光板の反射面(リ
フレクター面)には高輝度化を達成するための反射手段
として各種の形状を有する凹部を施す工夫がなされてお
り、例えば光のロスを生じるおそれが少ない溝を導光板
の成形時に形成することが提唱されている(特開平2−
165,504号公報)。
【0004】また、更なる高輝度化のために、溝の配置
パターンを光源からの距離に従って、次第に密になるよ
うに配置する工夫や、更に千鳥格子状に配置する工夫が
提唱されている(特開平6−250,025号公報、特
開平5−216,030号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
PMMAやPC等の材料では、上記のような溝の配置パ
ターンを設けても材料自身の持つ屈折率や透明性などの
光学特性の理由により十分な正面輝度を得るに至ってい
ない。
【0006】また、PMMAにおいては、射出成形時に
おける溶融粘度が高く流動性が劣り、PCでは、流動性
を高める目的で樹脂温度を上げると樹脂が加水分解して
発泡するおそれがあり、実際には反射パターンの配置が
密集しているような(光源からの距離が遠い)範囲で
は、良好な溝形状の転写性が得られず、そのことに起因
する輝度斑の発生や正面輝度が低下する等の弊害が生じ
ていた。
【0007】更には、近年、バックライトユニットの薄
型化、軽量化が年々進む中での導光板の傾向も薄型化、
且つ大面積化に移行しており、形状としても厚みが一定
の平板に変わり、光源からの距離が遠ざかるに従い、そ
の厚みが薄くなるようなくさび型の板形状を持つ導光板
が、光の有効利用における高輝度化、軽量化の観点で数
多く実施されており、流動性、成形性に問題のあるPM
MAやPCにおいては、薄型、大型の導光板としての使
用がより困難な状況になりつつある。
【0008】これに加えて、上記のようなくさび型導光
板において、溝の配置密度が密集する領域は板厚みが薄
くなる領域であるので、PMMAなどにおいては、溝の
敷設による板強度の低下、導光板としての使用時におけ
る変形(表面積が小さい光出射面方向への収縮により板
の反り)が顕著となる問題が懸念されており、そのよう
な寸法変形、強度、成形性、高輝度、低輝度斑を満足で
き且つ薄く広面積を達成できる導光板材料が求められて
いた。
【0009】本発明はこうした実状に鑑みてなされ、成
形性に優れ、使用における吸湿変形が少なく、強度にも
十分であり、薄型化、広面積化が可能で高輝度、低輝度
斑を達成できる導光板を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、そのよう
な実状を鑑みて導光板について鋭意検討したところ、脂
環式構造含有重合体樹脂を用いて成形し、反射パターン
として反射面において、光源からの距離に従って次第に
その配置密度が疎から密になるように配置された凹部を
有する導光板が、薄型、広面積の場合にも良好な成形
性、転写性、寸法安定性、強度を有し、且つ高輝度化、
低輝度斑化を達成できることを見出し本発明を完成する
に至った。
【0011】すなわち、本発明に係る導光板は、脂環式
構造含有重合体樹脂からなり、光反射面に反射用の凹部
を形成してなる導光板であって、前記凹部が、光源から
の距離が遠ざかるにつれて次第にその配置密度を疎から
密の状態へ変化するように形成されてなることを特徴と
する。
【0012】本発明に係る導光板は、脂環式構造含有重
合体樹脂で構成してあるので、透明性に優れるなどの光
学特性に優れる。また、脂環式構造含有重合体樹脂で構
成してあることから、成形時における流動性、耐熱性な
どの成形性に優れ、また転写性に優れた導光板を得るこ
とができる。さらに、脂環式構造含有重合体樹脂で成形
し、且つ光源からの距離が遠くなるに従って、その配置
密度が疎から密になるように配置されるような凹部を光
反射面に施してあることから、光の有効利用による高輝
度化が達成でき、また輝度斑の少ない導光板を得ること
ができる。さらにまた、脂環式構造含有重合体樹脂は強
度物性に優れ、吸湿変形による寸法変形の少ない特徴を
有するので、くさび型のような暫時、厚みが薄くなるよ
うな部分を有し、上記のような凹部の配設パターンを有
する導光板においても、使用時における反り等の寸法変
形が起こるおそれが少なく、また導光板そのものが破損
するおそれが少なくなる。さらに、脂環式構造含有重合
体樹脂は、比重がPMMA、PCと比較しても小さいの
で、導光板の軽量化が可能となり、ひいてはバックライ
トユニットの軽量化を図ることができる。
【0013】本発明における前記、高輝度化を達成する
ために導光板の光反射面に設けられる凹部の形状として
は、特に限定されることはなく、例えばV字状、U字
状、四角形状のドット状の凹部などを挙げることができ
るが、好ましくはV字状の溝が好適に用いられる。この
ような形状の方が、光出射面から出射される光が、より
垂直方向に出射できるような凹部の角度の設定が可能で
あり、またドット状よりも溝状の方が、その効果はより
顕著で、光出射面の高輝度化をより達成しやすい。
【0014】また、上記ドット及び溝においては、その
周辺部に(反射面に対し)***する部分を有していても
よい。
【0015】V字状の溝の形状は、本発明の効果を達成
するものであれば、完全なる平面と平面で構成された正
V字状である必要はなく、略V字状であってもよい。
【0016】正V字状の場合は、その頂角をθとし、略
V字状の場合は、当該V字状溝を500〜1000倍程
度に拡大観測して、明確に肉眼的レベルにおいて光反射
面からの陥没の開始が確認できるV字状溝の左右2点
と、溝の最深部(最深部が平坦である場合にはその平坦
部の中央部)の1点を結ぶ三角形を想定して、最深部に
形成される溝角度を頂角θとすると、θの角度は通常、
70〜150°、好ましくは90〜130°、より好ま
しくは100〜120°、及び溝の深さは通常1〜1,
000μm、好ましくは5〜500μm、より好ましく
は10〜100μmであることが望ましい。V字状の溝
の形状がこの範囲にあるときに、入射光を好適に反射し
て出射面より出光することができ、導光板の高輝度化を
より良好に達成することができる。
【0017】また、正V字状及び略V字状の溝を構成す
る2つの溝面の長さは同一でも、異なっていてもよい。
それらの長さは前記、好適な溝の頂角の好適な溝の深さ
の値をもとに適宜設定されればよい。
【0018】また、溝の方向は、光源からの距離が遠ざ
かるにつれて次第に配置密度が疎から密になるように配
置されているのであれば特に限定されず、光の入射方向
に対して略平行方向に細長くても、略垂直方向に細長く
なるように形成してもよいが、好ましくは光反射面のい
ずれの場所においても略垂直方向に細長く形成してある
ことが望ましい。
【0019】またこの場合には溝の長さは、導光板の光
反射面における当該方向の全幅にわたって形成されてい
ることがより望ましい。
【0020】略垂直方向に細長く形成してある場合の前
記正V字状及び略V字状の溝の頂角θの頂点として認識
される点と隣接する溝の同様の点とのピッチ間隔は、光
源に近い方の導光板端部において、通常50〜10,0
00μm、好ましくは100〜5,000μm、より好
ましくは500〜2,000μmであり、それと反対側
の導光板端部において、通常10〜1,000μm、好
ましくは30〜500μm、より好ましくは50〜10
0μmである。
【0021】更に、光源に近い方の導光板端部における
ピッチ幅(A)とそれと反対側の導光板端部におけるピ
ッチ幅(B)との長さの比(A)/(B)は通常30/
1〜2/1、好ましくは20/1〜2/1、より好まし
くは10/1〜3/1である。V字状の溝のピッチがこ
のような範囲において配置されていることで、光源から
入射される光を発行面のいずれの部分においても光量が
均一になるように反射、出光することができ、輝度斑の
少ない導光板を得ることができる。
【0022】更に、この場合において、前記V字状溝を
構成する面のうち光源側の面と光の入射する方向が形成
する角度θ1は通常90°を越え170°以内、好まし
くは120〜165°、より好ましくは140〜160
°である。光源側の溝面と光の入射方向とで形成される
角度θ1が特にこの角度の範囲にあるときに、入射した
光がV字状溝により全反射に近い反射で導光板の出光面
より出射されるので、導光板の高輝度化を達成するには
好適である。
【0023】なお、前記本発明において該当する溝は、
導光板の少なくとも光反射面に形成してあれば良いが、
更に光出射面に形成してあっても構わない。少なくとも
光反射面に形成してあれば、導光板に導入された光の反
射効率および光の入射方向に対して垂直方向への光の集
光効率が向上し、本発明の目的は達成されるからであ
る。
【0024】本発明における導光板自体の形状は、厚み
が一定の平板でも、光源からの距離が遠ざかるに従って
次第にその厚みが薄くなるようなくさび型板であっても
よいが、好ましくはくさび型板であるほうが、光の有効
利用による高輝度化の達成および導光板自体の軽量化の
観点において望ましい。
【0025】この場合におけるくさび型板の厚みは光源
に近接した端部において、通常0.5〜10mm、好ま
しくは、1〜5mmであり、これと反対側の端部におい
て、通常0.1〜5mm、好ましくは0.1〜1mmで
ある。
【0026】また、両端部の厚みと導光板の長さによっ
て決定される光反射面の光の入射方向に対する傾斜角度
θ2は、通常0.1〜15°、好ましくは0.2〜10
°である。くさび型導光板をこのような範囲内において
設計することにより、導光板自体の薄さと光の有効利用
による高輝度化の達成を好適にバランスすることができ
る。
【0027】また、前記光源側の溝面と光の入射方向と
で形成される角度θ1の好適な範囲とくさび型板の傾斜
角度θ2の好適な範囲との併用が、特に高輝度化を達成
するための光の反射パターンを形成するに望ましい。
【0028】本発明に係る導光板の製造方法は、特に限
定されないが、例えば射出成形により成形することがで
きる。射出成形によると本発明における配置密度を施さ
れた溝等の反射パターンを有する導光板を高精度で且つ
生産性良く製造できるからである。
【0029】導光板 本発明において、「導光板」とは、特に用途は限定され
ないが、例えばラップトップ型、ノート型、ブック型、
パームトップ型などのパーソナルコンピューター、モバ
イルコンピューター、ワードプロセッサーといったOA
機器、壁掛け用などの液晶テレビといった家電製品、電
飾看板、パチンコ装置の表示窓、ATM等の金銭の自動
取引機の表示窓、ライトテーブル、ビュワー、その他の
表示装置のバックライトとして使用される面状光源装置
に用いられる導光板を意味する。
【0030】脂環式構造含有重合体樹脂 本発明で使用される脂環式構造含有重合体樹脂は、主鎖
及び/または側鎖に脂環式構造を有するものであり、機
械的強度、耐熱性などの観点から、主鎖に脂環式構造を
含有するものが好ましい。
【0031】重合体の脂環式構造としては、飽和環状炭
化水素(シクロアルカン)構造、不飽和環状炭化水素
(シクロアルケン)構造などが挙げられるが、機械的強
度、耐熱性などの観点から、シクロアルカン構造やシク
ロアルケン構造が好ましく、中でもシクロアルカン構造
が最も好ましい。
【0032】脂環式構造を構成する炭素原子数は、格別
な制限はないが、通常4〜30個、好ましくは5〜20
個、より好ましくは5〜15個の範囲であるときに、機
械的強度、耐熱性、及び成形性の特性が高度にバランス
され、好適である。
【0033】本発明に使用される脂環式構造含有重合体
樹脂中の脂環式構造を有する繰り返し単位の割合は、使
用目的に応じて適宜選択されればよいが、通常30〜1
00重量%、好ましくは50〜100重量%、より好ま
しくは70〜100重量%である。脂環式構造含有重合
体樹脂中の脂環式構造を有する繰り返し単位の割合が過
度に少ないと耐熱性に劣り好ましくなく、30〜100
重量%の範囲とすることで、機械的強度、耐熱性などが
高度にバランスされ、好適である。
【0034】また、本発明に使用される脂環式構造含有
重合体樹脂中の脂環式構造のうち、ノルボルナン構造以
外で脂環式構造を構成する繰り返し単位の割合が多い方
が導光板としては好ましく、その割合は、使用目的に応
じて適宜選択されればよいが、通常10重量%以上、好
ましくは20重量%以上、より好ましくは30重量%以
上である。ノルボルナン構造以外で脂環式構造を構成す
る繰り返し単位の割合が多い方が成形時の樹脂の流動性
および転写性が一層向上するからである。
【0035】脂環式構造含有重合体樹脂中の脂環式構造
を有する繰り返し単位以外の残部は、格別な限定はな
く、使用目的に応じて適宜選択される。
【0036】こうした脂環式構造を含有する重合体樹脂
の具体例としては、例えば、(1)ノルボルネン系重合
体、(2)単環の環状オレフィン系重合体、(3)環状
共役ジエン系重合体、(4)ビニル脂環式炭化水素系重
合体、及びこれらの水素添加物などが挙げられる。
【0037】これらの中でも、ノルボルナン構造以外で
脂環式構造単位を構成するノルボルネン系重合体、環状
共役ジエン系重合体及びその水素添加物などが好まし
く、ノルボルナン構造以外で脂環式構造単位を構成する
ノルボルネン系重合体がより好ましい。
【0038】(1)ノルボルネン系重合体 本発明に使用されるノルボルネン系重合体は、格別な制
限はなく、例えば、特開平3−14,882号公報や、
特開平3−122,137号公報などに開示されている
公知の重合体であり、具体的には、ノルボルネン系モノ
マーの開環重合体及びその水素添加物、ノルボルネン系
モノマーの付加重合体、ノルボルネン系モノマーとビニ
ル化合物の付加型共重合体などが挙げられる。
【0039】これらの中でも、耐熱性や成形性を高度に
バランスさせる上で、ノルボルナン構造以外で脂環式構
造単位を構成するノルボルネン系重合体が好ましく、例
えば、ノルボルナン構造が一つのノルボルネン系モノマ
ーを含むノルボルネン系モノマーの開環重合体及びその
水素添加物が好ましく、ノルボルナン構造が一つのノル
ボルネン系モノマーを含むノルボルネン系モノマーの開
環重合体水素添加物が特に好ましい。
【0040】ノルボルナン構造が一つのノルボルネン系
モノマーとしては、ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−
2−エン(慣用名:ノルボルネン)、5−メチル−ビシ
クロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン、5,5−ジメ
チル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン、5
−エチル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エ
ン、5−ブチル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2
−エン、5−ヘキシル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプ
ト−2−エン、5−オクチル−ビシクロ[2.2.1]
−ヘプト−2−エン、5−オクタデシル−ビシクロ
[2.2.1]−ヘプト−2−エン、5−エチリデン−
ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン、5−メチ
リデン−ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン、
5−ビニル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エ
ン、5−プロペニル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプト
−2−エン、5−メトキシ−カルボニル−ビシクロ
[2.2.1]−ヘプト−2−エン、5−シアノ−ビシ
クロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン、5−メチル−
5−メトキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]−ヘ
プト−2−エン、5−メトキシカルボニル−ビシクロ
[2.2.1]−ヘプト−2−エン、5−エトキシカル
ボニル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−エトキシカルボニル−ビシクロ[2.
2.1]−ヘプト−2−エン、ビシクロ[2.2.1]
−ヘプト−5−エニル−2−メチルプロピオネイト、ビ
シクロ[2.2.1]−ヘプト−5−エニル−2−メチ
ルオクタネイト、ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2
−エン−5,6−ジカルボン酸無水物、5−ヒドロキシ
メチル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン、
5,6−ジ(ヒドロキシメチル)−ビシクロ[2.2.
1]−ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシ−i−プロピ
ル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン、ビシ
クロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン、5,6−ジカ
ルボキシ−ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エ
ン、ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン−5,
6−ジカルボン酸イミド、5−シクロペンチル−ビシク
ロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン、5−シクロヘキ
シル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン、5
−シクロヘキセニル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプト
−2−エン、5−フェニル−ビシクロ[2.2.1]−
ヘプト−2−エン、トリシクロ[4.3.0.1
2,5 ]−デカ−3,7−ジエン(慣用名ジシクロペ
ンタジエン)、トリシクロ[4.3.0.12,5
−デカ−3−エン、トリシクロ[4.4.0.1
2,5 ]−ウンデカ−3,7−ジエン若しくはトリシ
クロ[4.4.0.12,5 ]−ウンデカ−3,8−
ジエン及び、これらの部分水素添加物(またはシクロペ
ンタジエンとシクロヘキセンの付加物)である、トリシ
クロ[4.4.0.12,5 ]−ウンデカ−3−エ
ン、テトラシクロ[7.4.0.110,13 .0
2,7 ]−トリデカ−2,4,6−11−テトラエン
(1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロ
フルオレンともいう)、テトラシクロ[8.4.0.1
11,14 .03,8 ]−テトラデカ−3,5,
7,12−11−テトラエン(1,4−メタノ−1,
4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロアントラセ
ンともいう)などのノルボルネン系モノマーなどが挙げ
られる。
【0041】これらのノルボルネン系モノマーは、それ
ぞれ単独であるいは2種以上組み合わせて用いられる。
【0042】ノルボルナン構造が一つ以外のノルボルネ
ン系モノマーとしては、テトラシクロ[4.4.0.1
2,5 .17,10]−ドデカ−3−エン(単にテト
ラシクロドデセンともいう)、8−メチル−テトラシク
ロ[4.4.0.12,5.17,10]−ドデカ−3
−エン、8−メチル−テトラシクロ[4.4.0.1
2,5 .17,10]−ドデカ−3−エン、8−エチ
ル−テトラシクロ[4.4.0.12,5 .1
7,10]−ドデカ−3−エン、8−メチリデン−テト
ラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−ド
デカ−3−エン、8−エチリデン−テトラシクロ[4.
4.0.12,5 .17,10]−ドデカ−3−エ
ン、8−ビニル−テトラシクロ[4.4.0.1
2,5 .17,10]−ドデカ−3−エン、8−プロ
ペニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.1
7,10]−ドデカ−3−エン、8−メトキシカルボニ
ル−テトラシクロ[4.4.0.12,5 .1
7,10]−ドデカ−3−エン、8−メチル−8−メト
キシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.
2,5 .17,10]−ドデカ−3−エン、8−ヒド
ロキシメチル−テトラシクロ[4.4.0.
2,5 .17,10]−ドデカ−3−エン、8−カ
ルボキシ−テトラシクロ[4.4.0.12,5 .1
7,10]−ドデカ−3−エン、8−シクロペンチル−
テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10
−ドデカ−3−エン、8−シクロヘキシル−テトラシク
ロ[4.4.0.12,5.17,10]−ドデカ−3
−エン、8−シクロヘキセニル−テトラシクロ[4.
4.0.12,5 .17,10]−ドデカ−3−エ
ン、8−フェニル−テトラシクロ[4.4.0.1
2,5 .17,10]−ドデカ−3−エン、ペンタシ
クロ[6.5.1.13,6 .02,7 .0
9,13]−ペンタデカ−3,10−ジエン、ペンタシ
クロ[7.4.0.13,6 .110,13 .0
2,7 ]−ペンタデカ−4,11−ジエンなどのノル
ボルネン構造が2つ以上のノルボルネン系モノマーなど
が挙げられる。
【0043】これらのノルボルネン構造が2つ以上のノ
ルボルネン系モノマーは、それぞれ単独であるいは2種
以上組み合わせて用いられる。
【0044】ノルボルネン系モノマー中のノルボルナン
構造が一つのノルボルネン系モノマーの含有量は、前記
ノルボルナン構造以外で脂環式構造を構成する繰り返し
単位の好ましい割合に応じて適宜選択すればよいが、通
常10重量%以上、好ましくは20重量%以上、より好
ましくは30重量%以上であり、上限は100重量%で
ある。
【0045】これらノルボルネン系モノマーの開環
(共)重合体は、ノルボルネン系モノマーを、開環重合
触媒として、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オス
ミウム、イリジウム、白金などの金属のハロゲン化物、
硝酸塩またはアセチルアセトン化合物と、還元剤とから
なる触媒系、あるいは、チタン、バナジウム、ジルコニ
ウム、タングステン、モリブデンなどの金属のハロゲン
化物またはアセチルアセトン化合物と、有機アルミニウ
ム化合物とからなる触媒系を用いて、溶媒中または無溶
媒で、通常、−50°C〜100°Cの重合温度、0〜
50kg/cmの重合圧力で開環(共)重合させるこ
とにより得ることができる。
【0046】触媒系に、分子状酸素、アルコール、エー
テル、過酸化物、カルボン酸、酸無水物、酸クロリド、
エステル、ケトン、含窒素化合物、含硫黄化合物、含ハ
ロゲン化合物、分子状ヨウ素、その他のルイス酸などの
第三成分を加えて、重合活性や開環重合の選択性を高め
ることができる。
【0047】水素添加ノルボルネン系重合体は、常法に
従って、開環(共)重合体を水素添加触媒の存在下に水
素により水素化する方法により得ることができる。
【0048】ノルボルネン系モノマーとビニル系化合物
との付加共重合体は、例えば、モノマー成分を、溶媒中
または無溶媒で、チタン、ジルコニウム、又はバナジウ
ム化合物と有機アルミニウム化合物とからなる触媒系の
存在下で、通常、−50°C〜100°Cの重合温度、
0〜50kg/cmの重合圧力で共重合させる方法
により得ることができる。
【0049】尚、ビニル系化合物としては、共重合可能
なものであれば、格別な制限はないが、例えば、エチレ
ン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキ
セン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペン
テン、3−エチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペ
ンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル
−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、4
−エチル−1−ヘキセン、3−エチル−1−ヘキセン、
1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラ
デセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エ
イコセンなどの炭素数2〜20のエチレンまたはα−オ
レフィン;シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキ
セン、3,4−ジメチルシクロペンテン、3−メチルシ
クロヘキセン、2−(2−メチルブチル)−1−シクロ
ヘキセン、シクロオクテン、3a,5,6,7a−テト
ラヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデンなどのシク
ロオレフィン;1,4−ヘキサジエン、4−メチル−
1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジ
エン、1,7−オクタジエンなどの非共役ジエン;など
が用いられる。これらのビニル系化合物は、それぞれ単
独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することが
できる。
【0050】(2)単環の環状オレフィン系重合体 単環の環状オレフィン系重合体としては、例えば、特開
昭64−66,216号公報に開示されているシクロヘ
キセン、シクロヘプテン、シクロオクテンなどの単環の
環状オレフィン系単量体の付加重合体を用いることがで
きる。
【0051】(3)環状共役ジエン系重合体 環状共役ジエン系重合体としては、例えば、特開平6−
136,057号公報や特開平7−258,318号公
報に開示されているシクロペンタジエン、シクロヘキサ
ジエンなどの環状共役ジエン系単量体を1,2−または
1,4−付加重合した重合体及びその水素添加物などを
用いることができる。
【0052】(4)ビニル脂環式炭化水素系重合体 ビニル脂環式炭化水素系重合体としては、例えば、特開
昭51−59,989号公報に開示されているビニルシ
クロヘキセン、ビニルシクロヘキサンなどのビニル脂環
式炭化水素系単量体の重合体及びその水素添加物、特開
昭63−43,910号公報、特開昭64−1,706
号公報などに開示されているスチレン、α−メチルスチ
レンなどのビニル芳香族系単量体の重合体の芳香環部分
の水素添加物などを用いることができる。
【0053】本発明で使用される脂環式構造含有重合体
樹脂の分子量は、使用目的に応じて適宜選択されるが、
シクロヘキサン溶液(重合体樹脂が溶解しない場合はト
ルエン溶液)のゲル・パーミエーション・クロマトグラ
フ法で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量で、
5,000以上、好ましくは5,000〜500,00
0、より好ましくは8,000〜200,000、特に
好ましくは10,000〜100,000の範囲である
ときに、機械的強度と成形加工性とが高度にバランス
し、好適である。
【0054】本発明で使用される脂環式構造含有重合体
樹脂のガラス転移温度(Tg)は、使用目的に応じて適
宜選択されればよいが、導光板の使用環境からは高い方
が好ましく、通常70°C以上、好ましくは80°C以
上、より好ましくは90°C以上であるときに、耐熱性
と成形加工性とが高度にバランスし、好適である。
【0055】本発明で使用される脂環式構造含有重合体
樹脂の、280°C、荷重2.16kgfにおけるJI
S−K6719により測定したメルトフローレート(M
I)は、使用目的に応じて適宜選択すれば良いが、通常
1〜300g/10min.、好ましくは5〜200g
/10min.特に好ましくは10〜150g/10m
in.の範囲が好適である。メルトフローレートが低す
ぎると成形時に成形材料を加温する温度がより高温とな
るため加工しにくい場合が生じ、高すぎると成形時にバ
リなどの成形不良の発生する場合が生じたり、強度不足
をきたすおそれがある。
【0056】また、本発明で使用される脂環式構造含有
重合体樹脂の、屈折率は室温における測定において通常
1.49以上、好ましくは1.50以上、より好ましく
は1.51以上である。導光板における使用樹脂の屈折
率が高い程、全反射の角度が垂直方向に近くなるので、
反射面での入射光の反射方向を出光面に対しより垂直方
向に向けることができる。
【0057】なお、これらの脂環式構造含有重合体樹脂
は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて
用いることができる。
【0058】その他の成分 本発明に係る「導光板」を構成する上記脂環式構造含有
重合体樹脂には、必要に応じて、軟質重合体、その他の
ポリマー、各種配合剤、充填剤を単独であるいは2種以
上混合して用いることができる。
【0059】(1)軟質重合体 本発明に係わる「導光板」を構成する脂環式構造含有重
合体樹脂には、必要に応じて、軟質重合体を配合するこ
とができる。配合される軟質重合体としては、通常30
°C以下のガラス転移温度(Tg)を有する重合体のこ
とをいい、Tgが複数存在する重合体やTgと融点(T
m)の両方を有する重合体の場合にも、最も低いTgが
30°C以下であれば、該軟質重合体に含まれる。
【0060】このような軟質重合体としては、(a)エ
チレンや、プロピレンなどのα−オレフィンから主とし
てなるオレフィン系軟質重合体、(b)イソブチレンか
ら主としてなるイソブチレン系軟質重合体、(c)ブタ
ジエン、イソプレンなどの共役ジエンから主としてなる
ジエン系軟質重合体、(d)ノルボルネン、シクロペン
テンなどの環状オレフィンから主としてなる環状オレフ
ィン系開環重合体、(e)けい素−酸素結合を骨格とす
る軟質重合体(有機ポリシロキサン)、(f)α,β−
不飽和酸とその誘導体から主としてなる軟質重合体、
(g)不飽和アルコールおよびアミンまたはそのアシル
誘導体またはアセタールから主としてなる軟質重合体、
(h)エポキシ化合物の重合体、(i)フッ素系ゴム、
(j)その他の軟質重合体、などが挙げられる。
【0061】これらの軟質重合体の具体例としては、例
えば、(a)としては、液状ポリエチレン、アタクチッ
クポリプロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ブテ
ン、1−ヘキセン、1−オクテンおよび1−デセンなど
の単独重合体; エチレン・α−オレフィン共重合体、
プロピレン・α−オレフィン共重合体、エチレン・プロ
ピレン・ジエン共重合体(EPDM)、エチレン・環状
オレフィン共重合体およびエチレン・プロピレン・スチ
レン共重合体などの共重合体が挙げられる。
【0062】(b)としては、ポリイソブチレン、イソ
ブチレン・イソプレンゴム、イソブチレン・スチレン共
重合体などが挙げられる。
【0063】(c)としては、ポリブタジエン、ポリイ
ソプレンなどの共役ジエンの単独重合体; ブタジエン
・スチレンランダム共重合体、イソプレン・スチレンラ
ンダム共重合体、アクリロニトリル・ブタジエン共重合
体、アクリロニトリル・ブタジエン共重合体の水素添加
物、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体
などの共役ジエンのランダム共重合体; ブタジエン・
スチレン・ブロック共重合体、スチレン・ブタジエン・
スチレン・ブロック共重合体、イソプレン・スチレン・
ブロック共重合体、スチレン・イソプレン・スチレン・
ブロック共重合体などの共役ジエンと芳香族ビニル系炭
化水素のブロック共重合体、およびこれらの水素添加物
などが挙げられる。
【0064】(d)としては、ノルボルネン、ビニルノ
ルボルネン、エチリデンノルボルネンなどのノルボルネ
ン系モノマー、またはシクロブテン、シクロペンテン、
シクロオクテンなどのモノ環状オレフィンのメタセシス
開環重合体およびその水素添加物が挙げられる。
【0065】(e)としては、ジメチルポリシロキサ
ン、ジフェニルポリシロキサン、ジヒドロキシポリシロ
キサン、などのシリコーンゴムなどが挙げられる。
【0066】(f)としては、ポリブチルアクリレー
ト、ポリブチルメタクリレート、ポリヒドロキシエチル
メタクリレート、ポリアクリルアミド、ポリアクリロニ
トリルなどのアクリルモノマーの単独重合体; ブチル
アクリレート・スチレン共重合体などのアクリルモノマ
ーとその他のモノマーとの共重合体が挙げられる。
【0067】(g)としては、ポリビニルアルコール、
ポリ酢酸ビニル、ポリステアリン酸ビニル、ポリ安息香
酸ビニル、ポリマレイン酸ビニルなどの(エステル化)
不飽和アルコールの単独重合体; 酢酸ビニル・スチレ
ン共重合体などの(エステル化)不飽和アルコールとそ
の他のモノマーとの共重合体などが挙げられる。
【0068】(h)としては、ポリエチレンオキシド、
ポリプロピレンオキシド、エピクロルヒドリンゴム、な
どが挙げられる。
【0069】(i)としては、フッ化ビニリデン系ゴ
ム、四フッ化エチレン−プロピレンゴム、などが挙げら
れる。
【0070】(j)としては、天然ゴム、ポリペプチ
ド、蛋白質、及び特開平8−73709号公報記載のポ
リエステル系熱可塑性エラストマー、塩化ビニル系熱可
塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー
などが挙げられる。
【0071】これらの軟質重合体は、架橋構造を有した
ものであってもよく、また、変性により官能基を導入し
たものであってもよい。
【0072】本発明においては、耐湿環境下での導光板
の使用における耐湿性付与の観点から、上記軟質重合体
の中でも(a)、(b)、(c)の軟質重合体が、特に
配合した後の透明性、分散性に優れるため好ましい。な
かでも、(c)のジエン系軟質重合体が好ましく、さら
に、共役ジエン結合単位の炭素−炭素不飽和結合が水素
添加されたジエン系軟質重合体の水素添加物がより好ま
しい。このような軟質重合体の具体例としては、例え
ば、ポリブタジエンなどの単独重合体の水素添加物、ブ
タジエン・スチレン共重合体などのランダム共重合体の
水素添加物; ブタジエン・スチレン・ブロック共重合
体、スチレン・ブタジエン・スチレン・ブロック共重
合、イソプレン・スチレン・ブロック共重合体、スチレ
ン・イソプレン・スチレン・ブロック共重合体などのブ
ロック共重合体の水素添加物; などが挙げられる。
【0073】本発明においては、脂環式構造含有重合体
樹脂中の軟質重合体の配合量は、耐湿環境下での導光板
の使用において耐湿性が付与されるように決定され、脂
環式構造含有重合体樹脂100重量部に対して軟質重合
体の重量比が、好ましくは0.01〜5重量部、さらに
好ましくは0.01〜1重量部である。
【0074】(2)その他のポリマー 本発明に係る「導光板」を構成する脂環式構造含有重合
体樹脂には、必要に応じて、ポリスチレン、ポリ(メ
タ)アクリレート、ポリカーボネート、ポリエステル、
ポリエーテル、ポリアミド、ポリイミド、ポリスルホン
などの樹脂;などのその他のポリマーを配合することが
できる。また、これらのその他のポリマーはそれぞれ単
独で、あるいは2種以上混合して用いることができる。
また、その割合は、本発明の目的を損なわれない範囲で
適宜選択される。
【0075】(3)配合剤 本発明に係る「導光板」を構成する脂環式構造含有重合
体樹脂には、必要に応じて、配合剤を添加することがで
きる。
【0076】配合剤としては、樹脂工業において通常用
いられているものであれば格別な制限はなく、例えば、
酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、近赤外線吸収
剤、染料や顔料などの着色剤、滑剤、可塑剤、帯電防止
剤、蛍光増白剤などの配合剤が挙げられる。
【0077】酸化防止剤としては、フェノール系酸化防
止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤などが挙
げられるが、これらの中でも、フェノール系酸化防止剤
が好ましく、アルキル置換フェノール系酸化防止剤が特
に好ましい。
【0078】フェノール系酸化防止剤としては、従来公
知のものが使用でき、例えば、2−t−ブチル−6−
(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジ
ル)−4−メチルフェニルアクリレート、2,4−ジ−
t−アミル−6−(1−(3,5−ジ−t−アミル−2
−ヒドロキシフェニル)エチル)フェニルアクリレート
などの特開昭63−179,953号公報や特開平1−
168,643号公報に記載されるアクリレート系化合
物;オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−メ
チレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノー
ル)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキ
シ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−ト
リメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス
(メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’
−ヒドロキシフェニルプロピオネート)メタン[すなわ
ち、ペンタエリスリメチル−テトラキス(3−(3,5
−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオネ
ート)]、トリエチレングリコールビス(3−(3−t
−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロ
ピオネート)などのアルキル置換フェノール系化合物;
6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリ
ノ)−2,4−ビスオクチルチオ−1,3,5−トリア
ジン、4−ビスオクチルチオ−1,3,5−トリアジ
ン、2−オクチルチオ−4,6−ビス−(3,5−ジ−
t−ブチル−4−オキシアニリノ)−1,3,5−トリ
アジンなどのトリアジン基含有フェノール系化合物;な
どが挙げられる。
【0079】リン系酸化防止剤としては、一般の樹脂工
業で通常使用される物であれば格別な限定はなく、例え
ば、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシル
ホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、ト
リス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ジノニ
ルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−
ブチルフェニル)ホスファイト、10−(3,5−ジ−
t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−9,10−ジ
ヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−
10−オキサイドなどのモノホスファイト系化合物;
4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブ
チルフェニル−ジ−トリデシルホスファイト)、4,
4’イソプロピリデン−ビス(フェニル−ジ−アルキル
(C12〜C15)ホスファイト)などのジホスファイ
ト系化合物などが挙げられる。これらの中でも、モノホ
スファイト系化合物が好ましく、トリス(ノニルフェニ
ル)ホスファイト、トリス(ジノニルフェニル)ホスフ
ァイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホ
スファイトなどが特に好ましい。
【0080】イオウ系酸化防止剤としては、例えば、ジ
ラウリル3,3−チオジプロピオネート、ジミリスチル
3,3’−チオジプロピピオネート、ジステアリル
3,3−チオジプロピオネート、ラウリルステアリル
3,3−チオジプロピオネート、ペンタエリスリトール
−テトラキス−(β−ラウリル−チオ−プロピオネー
ト、3,9−ビス(2−ドデシルチオエチル)−2,
4,8,10−テトラオキサスピロ [5,5] ウン
デカンなどが挙げられる。
【0081】これらの酸化防止剤は、それぞれ単独で、
あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
酸化防止剤の配合量は、本発明の目的を損なわれない範
囲で適宜選択されるが、ポリマー成分100重量部に対
して通常0.001〜5重量部、好ましくは0.01〜
1重量部の範囲である。
【0082】紫外線吸収剤としては、例えば、2−(2
−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)2H−ベンゾトリ
アゾール、2−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5
−メチルフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリア
ゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキ
シフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾー
ル、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフ
ェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、5−クロロ−2
−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニ
ル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−
t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾ
トリアゾールなどのベンゾトリアゾール系紫外線吸収
剤;4−t−ブチルフェニル−2−ヒドロキシベンゾエ
ート、フェニル−2−ヒドロキシベンゾエート、2,4
−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル−3,5−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2−
(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル
−6−(3,4,5,6−テトラヒドロフタリミジルメ
チル)フェノール、2−(2−ヒドロキシ−5−t−オ
クチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−
(2−ヒドロキシ−4−オクチルフェニル)−2H−ベ
ンゾトリアゾールなどのベゾエート系紫外線吸収剤;
2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ
−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−
メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸3水和物、2
−ヒドロキシ−4−オクチロキシベンゾフェノン、4−
ドデカロキシ−2−ホドロキシベンゾフェノン、4−ベ
ンジルオキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,
2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、
2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾ
フェノンなどのベンゾフェノン系紫外線吸収剤;エチル
−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、2’
−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルア
クリレートなどのアクリレート系紫外線吸収剤;[2,
2’−チオビス(4−t−オクチルフェノレート)]−
2−エチルヘキシルアミンニッケルなどの金属錯体系紫
外線吸収剤などが挙げられる。
【0083】光安定剤としては、例えば、2,2,6,
6−テトラメチル−4−ピペリジルベンゾエート、ビス
(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)
セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル
−4−ピペリジル)−2−(3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロネー
ト、4−(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロピオニルオキシ)−1−(2−(3
−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオニルオキシ)エチル)−2,2,6,6−
テトラメチルピペリジンなどのヒンダードアミン系光安
定剤を挙げることができる。
【0084】近赤外線吸収剤は、例えば、シアニン系近
赤外線吸収剤;ピリリウム系赤外線吸収剤;スクワリリ
ウム系近赤外線吸収剤;クロコニウム系赤外線吸収剤;
アズレニウム系近赤外線吸収剤;フタロシアニン系近赤
外線吸収剤; ジチオール金属錯体系近赤外線吸収剤;
ナフトキノン系近赤外線吸収剤;アントラキノン系近赤
外線吸収剤;インドフェノール系近赤外線吸収剤;アジ
系近赤外線吸収剤;等が挙げられる。
【0085】また、市販品の近赤外線吸収剤SIR−1
03,SIR−114,SIR−128,SIR−13
0,SIR−132,SIR−152,SIR−15
9,SIR−162(以上、三井東圧染料製)、Kay
asorb IR−750,Kayasorb IRG
−002,Kayasorb IRG−003,IR−
820B,Kayasorb IRG−022,Kay
asorb IRG−023,Kayasorb CY
−2,Kayasorb CY−4,Kayasorb
CY−9(以上、日本化薬製)等を挙げることでき
る。
【0086】染料としては、ポリマー成分に均一に分散
・溶解するものであれば特に限定されないが、油溶性染
料(各種C.I.ソルベント染料)が広く用いられる。
油溶性染料の具体例としてはThe Society
of Diyes andColourists社刊C
olor Index vol.3に記載される各種の
C.I.ソルベント染料が挙げられる。
【0087】顔料としては、例えば、ピグメントレッド
38等のジアリリド系顔料;ピグメントレッド48:
2、ピグメントレッド53、ピグメントレッド57:1
等のアゾレーキ系顔料;ピグメントレッド144、ピグ
メントレッド166、ピグメントレッド220、ピグメ
ントレッド221、ピグメントレッド248等の縮合ア
ゾ系顔料;ピグメントレッド171、ピグメントレッド
175、ピグメントレッド176、ピグメントレッド1
85、ピグメントレッド208等のペンズイミダゾロン
系顔料;ピグメントレッド122等のキナクリドン系顔
料;ピグメントレッド149、ピグメントレッド17
8、ピグメントレッド179等のペリレン系顔料;ピグ
メントレッド177等のアントラキノン系顔料が挙げら
れる。
【0088】本発明方法により製造される導光板に着色
を必要とするときは、染料と顔料の何れでも、本発明の
目的の範囲で使用でき、限定されるものではないが、ミ
クロな光学特性が問題となるような導光板の場合には染
料による着色が好ましい。また、紫外線吸収剤が目視で
は黄色〜赤色の色を示すこともあり、近赤外線吸収剤が
目視では黒色の色を示すこともあるため、これらと染料
を厳密に区別して使用する必要は無く、また、組合わせ
て使用しても良い。
【0089】滑剤としては、脂肪族アルコールのエステ
ル、多価アルコールのエステルあるいは部分エステル等
の有機化合物や無機微粒子等を用いることができる。有
機化合物としては、例えば、グリセリンモノステアレー
ト、グリセリンモノラウレート、グリセリンジステアレ
ート、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタ
エリスリトールジステアレート、ペンタエリスリトール
トリステアレート等が挙げられる。
【0090】他の滑剤としては、一般に無機粒子を用い
ることができる。ここで無機微粒子としては、周期律表
の1族、2族、4族、6〜14族元素の酸化物、硫化
物、水酸化物、窒素化物、ハロゲン化物、炭酸塩、硫酸
塩、酢酸塩、燐酸塩、亜燐酸塩、有機カルボン酸塩、珪
酸塩、チタン酸塩、硼酸塩およびそれらの含水化物、そ
れらを中心とする複合化合物、天然化合物などの粒子が
挙げられる。
【0091】可塑剤としては、例えば、トリクレジルフ
ォスフェート、トリキシリルフォスフェート、トリフェ
ニルフォスフェート、トリエチルフェニルフォスフェー
ト、ジフェニルクレジルフォスフェート、モノフェニル
ジクレジルフォスフェート、ジフェニルモノキシレニル
フォスフェート、モノフェニルジキシレニルフォスフェ
ート、トリブチルフォスフェート、トリエチルフォスフ
ェートなどの燐酸トリエステル系可塑剤;フタル酸ジメ
チル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル
酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシ
ル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸オクチルデシル、
フタル酸ブチルベンジル等のフタル酸エステル系可塑
剤;オレイン酸ブチル、グリセリンモノオレイン酸エス
テルなどの脂肪酸一塩基酸エステル系可塑剤;二価アル
コールエステル系可塑剤;オキシ酸エステル系可塑剤;
などが使用できるが、これらの中でも燐酸トリエステル
系可塑剤が好ましく、トリクレジルフォスフェート、ト
リキシリルフォスフェートが特に好ましい。
【0092】さらに、可塑剤として、常温で液状の炭化
水素ポリマーもしくは液状低分子量炭化水素が好ましく
用いられる。これらの中でも、主鎖の中に炭化水素環を
持たない直鎖状または分岐鎖状の液状炭化水素ポリマー
が好ましい。この液状炭化水素ポリマーもしくは液状低
分子量炭化水素の重量平均分子量は、好ましくは10,
000以下、より好ましくは200〜8,000、特に
好ましくは300〜4,000の範囲である。液状炭化
水素ポリマーの具体例としては、ポリイソブテン、水添
ポリブタジエン、水添ポリイソプレン等が挙げられる。
液状低分子量炭化水素の具体例としては、スクアラン
(C3062、分子量=422.8)、流動パラフィ
ン(ホワイトオイル JIS−K2231に規定される
ISOVG10、ISO VG15、ISO VG3
2、ISO VG68、ISOVG100、VG8およ
びVG21など)が挙げられる。これらの中でも、スク
アラン、流動パラフィン、ポリイソブテンが好ましい。
【0093】帯電防止剤としては、ステアリルアルコー
ル、ベヘニルアルコールなどの長鎖アルキルアルコー
ル、グリセリンモノステアレート、ペンタエリスリトー
ルモノステアレートなどの多価アルコールの脂肪酸エス
テルなどが挙げられるが、ステアリルアルコール、ベヘ
ニルアルコールが特に好ましい。
【0094】これらの配合剤は単独、2種以上混合して
用いることができ、その割合は、本発明の目的を損なわ
れない範囲で適宜選択される。配合量は、本発明の目的
を損なわれない範囲で適宜選択されるが、ポリマー成分
100重量部に対して通常0.001〜5重量部、好ま
しくは0.01〜1重量部の範囲である。
【0095】本発明では、上記ポリマー成分は、上記成
分を必要に応じて混合して使用される。混合方法は、ポ
リマー成分中に、これらの配合剤が十分に分散される方
法であれば、特に限定されない。例えば、ミキサー、二
軸混練機、ロール、ブラベンダー、押出機などで樹脂を
溶融状態で混練する方法、適当な溶剤に溶解して分散さ
せて凝固法、キャスト法、または直接乾燥法により溶剤
を除去する方法などがある。二軸混練機を用いる場合、
混練後は、通常は溶融状態で棒状に押出し、ストランド
カッターで適当な長さに切り、ペレット化して用いられ
ることが多い。
【0096】成形方法 本発明に係わる脂環式構造含有重合体樹脂からなる「導
光板」の成形方法としては、溶融成形が好ましく、熱プ
レス成形、、射出成形が挙げられるが、特に射出成形が
成形性、生産性の観点から好ましい。
【0097】本発明において射出成形時の樹脂温度は、
通常230〜360°C、好ましくは260〜340°
Cの範囲で適宜選択される。樹脂温度が過度に低いと流
動性が悪化し、成形品にヒケやひずみを生じ、樹脂温度
が過度に高いと樹脂の熱分解によるシルバーストリーク
が発生したり、成形品が黄変するなどの成形不良が発生
するおそれがある。
【0098】また、上記成形不良を極力低減させる目的
で、成形用の樹脂を予め通常6時間以内、好ましくは4
時間以内、より好ましくは2時間以内で予備乾燥を行う
ことが好ましい。
【0099】金型温度は、脂環式構造含有重合体のガラ
ス転移温度(Tg)よりも、通常低い温度で設定され、
好ましくは樹脂のTg−10(°C)〜Tg−80(°
C)の範囲、より好ましくはTg−20(°C)〜Tg
−60(°C)の範囲の温度において設定される。この
ような範囲において金型温度を設定することにより、成
形品のひずみを低く抑制することができる。
【0100】射出速度は、通常、20cm/sec
〜100cm/secである。射出速度が20cm
/sec未満であると、比較的大きい画面サイズ
(10インチ以上)の導光板を高い面精度で成形するこ
とが困難となり、輝度斑を発生する原因となる。
【0101】射出圧は、通常 500〜1500kgf
/cmの範囲において、金型の設計、使用される脂
環式構造含有重合体樹脂の流動性、等の条件を考慮して
適宜選択し、設定すればよい。
【0102】保圧は、射出圧によって、金型が略充填さ
れた後、金型のゲート部分が完全に冷却固化するまでの
一定時間かけられる圧力である。保圧の上限値としては
一般に金型の型締め圧の範囲内で設定されるが、通常、
2000kgf/cm以下、好ましくは1700k
gf/cm以下、より好ましくは1500kgf/
cm以下の範囲において設定される。保圧の上限値
をこのような範囲とすることで、成形品に歪みなどの成
形不良が発生するおそれがなくなる。保圧の下限値とし
ては、少なくとも100kgf/cm以上、好まし
くは120kgf/cm以上、より好ましくは15
0kgf/cm以上の範囲において設定される。保
圧の下限値をこのような範囲とすることで、成形品たる
導光板のひけの発生が防止され、成形収縮率を小さくす
ることができ、寸法精度の優れた導光板をえることがで
きる。
【0103】
【発明の実施の形態】以下、本発明を、図面に示す実施
形態に基づき説明する。
【0104】本実施形態においては、本発明に係る導光
板が、各種表示装置のエッジライト方式面状光源装置1
に用いられる場合について説明する。
【0105】図1は本実施形態に係る導光板を用いた一
の面状光源装置を示す概略斜視図、図2は図1のX方向
から見た場合の部分断面図、図3は図2のIIの部分拡
大図である。
【0106】本実施形態における面状光源装置1は、図
1に示すように、導光板2と、導光板2の少なくとも一
側面に配置された光源4とを有する。
【0107】光源4としては、冷陰極管、熱陰極管の蛍
光灯が例示でき、特に冷陰極管によれば消費電力が少な
いため、好ましく用いられる。高輝度薄型化のために、
光源4も細管径で高輝度のものが好ましく、管径6〜2
mm、管面輝度15000cd/m 以上のものがよ
り好ましい。また、光源4の色温度(光源4がどのよう
な色をしているかを温度(°K:ケルビン)で表したも
の)が、導光板2の出射面2bから出射される光の見え
方に影響を与えるので、出射面2bから出射される光
が、色温度7000〜8000°K、好ましくは740
0〜7500°K程度となるような光源を用いることが
望ましい。
【0108】なお、上記部材の他、図示しないが、光源
4を囲むように配置され導光板2の光源側端面2aに直
接入射しなかった光源光を導光板2に効率良く導くため
のランプリフレクターや、導光板2の光反射面2c側に
配置され、導光板2から漏れた光を再度導光板2内に戻
すための反射シートも、本実施形態における面状光源装
置を構成する部材である。また所望により、さらに光出
射面2bの上部に集光シートおよび拡散シートを配置し
てもよい。
【0109】導光板2は、図1および図2に示すよう
に、光入射面2aから入射した光源4の光を長手方向に
導きながら光出射面2bから輝度斑なく出射させるため
の部材であり、脂環式構造含有重合体樹脂から構成して
ある。
【0110】また、導光板2は、図1および図2に示す
ように、断面が光源4側から遠ざかる方向(直線状光源
の軸芯と略垂直方向)に行くにつれて厚みが漸次薄くな
るようなくさび型にしてある。
【0111】また、導光板2は、図1および図2に示す
ように、導光板2の光反射面2c側に、光源4から導入
された光を均一に発光させるために、光源4側から遠ざ
かる方向に対して略垂直方向(直線状光源の軸芯と略平
行方向)に細長いV字状溝22を有する。このV字状溝
22は、導光板2の光源4側から末端部分にかけて漸次
密になるように形成してある。
【0112】図2に示すように、本実施形態における隣
接するV字状溝22,22間のピッチP は光源に近
い方の端部において通常50μm〜10,000μm、
好ましくは100μm〜5,000μm、より好ましく
は500μm〜2,000μmであり、それと反対側の
端部付近において、通常10μm〜1,000μm、好
ましくは30μm〜500μm、より好ましくは50μ
m〜100μmである。また、隣接するV字状溝22,
22間の導光板2の2a側のピッチP と、2d側の
ピッチP との比は10:1〜3:1であることが特
に好ましい。V字状溝22の深さHは1μm〜1,
000μmの範囲である。V字状溝22の角度θは70
°〜150°の範囲である。
【0113】更に、図3に示すように、上記V字状溝2
2を構成する面の光源側の面22aと、光の入射する方
向が形成する角度θ1は90°を越え170°以内の範
囲である。
【0114】以上のような範囲において導光板2におけ
るV字状溝の設定を行なうことが、光源からの光の反射
効率の向上、また光出射面における高輝度化において好
ましい。
【0115】なお、こうしたV字状溝22を有する導光
板は、射出成形により一体成形してある。
【0116】上記した特定形状のV字状溝22は、精度
よく転写されないと輝度斑、反射効率の低下および集光
効率の低下などの原因となるが、本実施形態に係る導光
板2は、脂環式構造含有重合体樹脂で構成してあること
から、溶融時の流動性に優れ、V字状溝22を射出成形
により一体成形しても、転写不良を生じることなく、良
好な形状のV字状溝22を導光板に成形できる。
【0117】なお、本発明は、上記した実施形態に限定
されるものではなく、本発明の範囲内で種々変更するこ
とができる。たとえば、上記実施形態では、V字状溝2
2は導光板の光反射面2c側にのみ形成してあるが、こ
れに限定されず、導光板の両面(光反射面および光出射
面)に形成してあっても良い。
【0118】導光板2のくさび型形状は、光源側面2a
において0.5〜10mm、反対側面2dにおいて0.
1〜5mmである。また、導光板2の反射面2cの傾斜
角度θ2は0.1〜15°の範囲である(図2参照)。
【0119】
【実施例】以下、本発明をさらに詳細な実施例に基づ
き、比較例との比較において説明するが、本発明はこれ
ら実施例に限定されない。また、以下の例において特に
断りのない限り、「部」および「%」は重量基準であ
る。
【0120】以下の製造例、実施例および比較例におい
て、各種物性の測定法は次のとおりである。
【0121】(1)樹脂の物性については、重量平均分
子量(Mw)、主鎖および芳香環の水素添加率(核水素
添加率)、ガラス転移温度(Tg)、メルトフローレー
ト(MI)、透明性、屈折率を測定した。ここで、「M
w」は、特に記載がない限りシクロヘキサンを溶剤とす
るゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)
によりポリイソプレン換算値として測定した。「主鎖お
よび芳香環の水素添加率(核水素添加率)」は、
−NMRにより測定した。「Tg」は、JIS−K71
21に基づいて測定した値とする。「MI」は、JIS
−K6719に基づいて、280°C,2.16kgf
の荷重で測定した。「屈折率」は、ASTM−D542
に準拠して測定した。
【0122】(2)「透明性」は、分光光度計(日本分
光社製の製品番号U−30)により、波長400〜90
0nmの範囲について波長を連続的に変化させて光透過
率(%)を測定し、最小の透過率を、その導光板の光透
過率として測定した。 (3)「輝度」は、成形した導光板に対し、その光出射
面側に拡散シートとしてキモト株式会社製PC製、10
0MX及び、プリズムシートとして住友スリーエム社製
のBEF90を各1枚ずつ積層した形でその平均輝度を
測定した。平均輝度は輝度計(BM−7:トプコン株式
会社製)を用い、上記シート構成を施した導光板発光面
(導光板の成形面の周辺から1.5cm内側の長方形
面)において、長辺、短辺に対し等間隔な合計9点の輝
度(垂直方向)を測定して、その平均を算出した。
【0123】(4)「輝度斑」は、上記(2)と同様
に、9点の輝度(垂直方向)を測定して、輝度斑=(最
小値/最大値)で評価し、85%以上を良好とした。
【0124】(5)「吸湿変形性」は、湿度環境下にお
ける放置試験前後においての寸法変化を測定することに
より行なった。試験条件は50°C、湿度60%の高温
高湿槽内に一週間放置し、導光板の吸湿変形(反り)の
有無を確認した。反りの全く無いものを「◎」、反りに
よる寸法変化が0%を越え0.3%未満のものを
「○」、寸法変化が0.3%以上1.0%未満のものを
「△」、寸法変化が1.0%以上のものを「×」として
評価した。
【0125】(6)「強度」は、導光板に用いた成形材
料のIZOD強度をJIS K7110において測定す
ることにより評価した。試験片としては、ノッチ付きの
2号A試験片を用いた。評価は計10回の測定の平均値
が2.0kgf・cm/cm 以上のものを「○」、
1.5kgf・cm/cm以上、2.0kgf・c
m/cm未満のものを「△」、1.5kgf・cm
/cm未満のものを「×」とした。
【0126】(7)「成形性」は、成形物(導光板)を
目視判断することにより、以下の判定基準により評価し
た。10回の射出成形において発泡、ひけ、シルバース
トリークが全くないもの「○」、10回の射出成形にお
いて1〜2サンプルにおいて上記成形不良が見られるも
の「△」、10回の射出成形において3サンプル以上に
おいて上記成形不良が見られるもの「×」とした。
【0127】(8)「転写性」は、目視により、凹部お
よび凸部が良好に転写されているか否かを、「◎」…転
写不良全くなし、「○」…転写不良なし、「△」…転写
不良若干あり、「×」…転写不良が目立つ、の基準によ
り評価した。
【0128】[製造例1]窒素雰囲気下、8−エチルテ
トラシクロ[4.4.0.12,5 .17,1 ]−
ドデカ−3−エン(以下、ETCDと略す)100重量
部を公知のメタセシス開環重合触媒系で重合し、次いで
公知の方法で水素添加しETCD開環重合体水素添加物
を得た。このETCD開環重合体水素添加物の、Mwは
42,000、水素添加率は99.8%以上、Tgは1
40°C、屈折率は1.53、MIは19g/10mi
n.であった。このペレット100重量部に対して0.
2重量部のフェノール系老化防止剤ペンタエリスリチル
−テトラキス(3−(3,5−ジ−ターシャリーブチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)と0.4
重量部の水添スチレン・ブタジエン・スチレン・ブロッ
ク共重合体(旭化成工業株式会社製タフテックH105
1、クラム状、30°Cにおける屈折率1.52)を混
合し、二軸混練機で混練し、ストランド(棒状の溶融樹
脂)をストランドカッターを通してペレット(粒状)状
の成形材料を得た。また、この成形材料でJIS−K7
110に基づいてIZOD強度を測定したところ、10
回の測定における平均値は3.00(kgf・cm/c
)であった。
【0129】[製造例2]ETCD100重量部の代わ
りに、ETCD15重量部、トリシクロ[4.3.0.
2,5 ]デカ−3,7−ジエン(ジシクロペンタジ
エン、以下、DCPという)85重量部(計100重量
部)に代えた以外は、製造例1と同様にしてETCD/
DCP開環共重合体水素添加物を得た。重合体中の各ノ
ルボルネン類の共重合比率を、重合後の溶液中の残留ノ
ルボルネン類組成(ガスクロマトグラフィー法による)
から計算したところ、ETCD/DCP=15/85で
ほぼ仕込組成に等しかった。このETCD/DCP開環
重合体水素添加物の、Mwは40,000、水素添加率
は99.8%以上、Tgは104°C、屈折率は1.5
3、MIは20g/10min.であった。また、この
成形材料でJIS K−7110に基づいてIZOD強
度を測定したところ、10回の測定における平均値は
3.15(kgf・cm/cm)であった。
【0130】実施例1 成形材料として、製造例1で作製したETCD開環単独
重合体水素添加物のペレットを、V字状溝が予め配設さ
れた金型を用いて射出成形することにより、導光板を作
製した。射出成形の成形条件は、東芝機械株式会社製の
製品番号IS450の射出成形機を用い、金型温度11
0°C、シリンダー温度290°C、ノズル温度260
°C、射出圧1000kgf/cm 、保圧800k
gf/cm 、型締め圧1200kgf/cm 、射
出速度(スクリュー前進速度に対応する)40cm
/sとした。得られた導光板は、それぞれ、図1に示す
ように、一端側(2a側)の厚みが2mm、末端側(2
d側)の厚みが0.5mm、一端側から末端側までの長
さが190mm、直線状光源の軸方向に沿った長さが2
50mmであり、一端側から末端側へ遠ざかる方向(直
線状光源の軸芯と略垂直方向)につれて厚みが漸次薄く
なるようなくさび型であった。また、導光板の光反射面
2c側には、光源4側から遠ざかる方向に対して略垂直
方向(直線状光源の軸芯と略平行方向)に細長く、か
つ、導光板の一端側から末端側へ遠ざかるにつれて漸次
密になるV字状溝22が転写不良なく、良好に一体成形
されていた。また、10回の射出成形において、発泡、
ひけ、シルバーストリーク等の成形不良は観測されなか
った。
【0131】なお、図2に示すように、V字状溝22
は、頂角θの角度110°、θ1の角度は約145°、
溝幅0.2mm、光源付近でのピッチ幅は0.5〜2m
m、末端付近のピッチ幅は0.05〜0.1mmであ
り、溝深さは光源付近から末端付近まで一律に約50μ
mであった。
【0132】導光板の光線透過率を測定したところ、4
00nm〜900nmにおける最小の光線透過率は9
0.0%であり、透明性は良好であった。
【0133】得られたそれぞれの導光板を用いて、エッ
ジライト方式面状光源ユニットを作製した。具体的に
は、それぞれの導光板の光入射端面以外の側端面に、株
式会社辻本電機製作所製の製品番号RF188の反射テ
ープを貼り付け、短辺側光入射端部にハリソン電機株式
会社製の管径2.4mmφの冷陰極ランプを設置し、ラ
ンプと導光板光入射部の周囲を株式会社きもと製の製品
番号GR38Wのリフレクターで被った。さらに導光板
の光出射面側に株式会社辻本電機製作所製の製品番号P
CM100MXの光拡散性シートおよび住友スリーエム
社製のプリズムシートBEF90を、導光板の光出射面
とは反対面に株式会社辻本電機製作所製の製品番号RF
188の反射シートを配置して、エッジライト方式面状
光源ユニットとした。
【0134】このユニットを用いて、平均輝度、輝度
斑、吸湿変形性について評価した結果をまとめて表1に
示す。
【0135】実施例2 成形材料として、製造例2で作成したETCD/DCP
=15/85開環重合体水素添加物のペレットを実施例
1と同様の金型を用い、同様の成形条件で射出成形する
ことにより導光板を作成した。得られた導光板は、実施
例1と同様の大きさ、形状を有するくさび型であり、同
様のV字状溝が転写不良が全くなく、良好に一体成形さ
れていた。また、10回の射出成形において、発泡、ひ
け、シルバーストリーク等の成形不良は観測されなかっ
た。導光板の光線透過率を測定したところ、400〜9
00nmにおける最小の光線透過率は90.2%であ
り、透明性は良好であった。得られた導光板を用いて、
実施例1と同様にエッジライト方式面状光源ユニットを
作成し、平均輝度、輝度斑、吸湿変形性について評価し
た。結果をまとめて表1に示す。
【0136】比較例1 成形材料として、製造例2で作成したETCD/DCP
=15/85開環重合体水素添加物のペレットを、実施
例1〜2とは異なるパターンでV字状溝が予め配設され
た金型を用いて、同様の成形条件で射出成形することに
より導光板を作成した。得られた導光板は、実施例1と
同様の大きさ、形状を有するくさび型であり、同様の形
状のV字状溝が光源側から反対側の末端まで、実施例1
〜2の平均ピッチ幅に相当する0.5mmの一定のピッ
チ幅の間隔で形成されていた。溝の転写不良は全くな
く、良好に一体成形されていた。また10回の射出成形
において、発泡、ひけ、シルバーストリーク等の成形不
良は観測されなかった。導光板の光線透過率を測定した
ところ、400〜900nmにおける最小の光線透過率
は90.2%であり、透明性は良好であった。得られた
導光板を用いて、実施例1と同様にエッジライト方式面
状光源ユニットを作成し、平均輝度、輝度斑、吸湿変形
性について評価した。結果をまとめて表1に示す。
【0137】比較例2 成形材料として、製造例1〜2のペレットを用いるかわ
りに、ポリメチルメタクリレート(PMMA)(住友化
学工業社製の製品番号スミペックスMG5)を用い、実
施例1〜2と同様の方法でペレットを製造して用いた。
この成形材料のIZOD強度を実施例1〜2と同様に測
定したところ平均値は1.60(kgf・cm/cm
)であった。この成形材料を用い、実施例1〜2と
同様の金型、同様の成形条件で導光板を作成した。得ら
れた導光板は、実施例1〜2と同様の大きさ、形状を有
するくさび型であったが、くさび型の先端部分はV字状
溝の転写不良が生じていた。また、このような成形不良
は10回の射出成形全てにおいて観測され、10サンプ
ル中、3サンプルがくさび型の先端部分において、ひけ
を生じ、また樹脂の発泡によるシルバーストリークが全
サンプルにおいて観測される結果となった。導光板の光
線透過率を測定したところ、400nm〜900nmに
おける最小の光線透過率は90.0%であり、透明性に
おいては良好な結果であった。得られた導光板を用い
て、実施例1と同様にエッジライト方式面状光源ユニッ
トを作成し、平均輝度、輝度斑、吸湿変形性について評
価した。結果をまとめて表1に示す。
【0138】比較例3 成形材料として、製造例1〜2のペレットを用いるかわ
りに、ポリカーボネート(PC)(帝人化成社製の製品
番号パンライト−122)を用い、実施例1〜2と同様
の方法でペレットを製造して用いた。この成形材料のI
ZOD強度を実施例1〜2と同様に測定したところ平均
値は5.90(kgf・cm/cm)であった。この
成形材料を用い、実施例1〜2と同様の金型、同様の成
形条件で導光板を作成した。得られた導光板は、実施例
1〜2と同様の大きさ、形状を有するくさび型であった
が、くさび型の先端部分はV字状溝の転写不良が生じて
いた。また、このような成形不良は10回の射出成形全
てにおいて観測され、10サンプル中、6サンプルがく
さび型の先端部分において、ひけを生じる結果となっ
た。また樹脂の加水分解によると考えられる発泡、及び
シルバーストリークが全サンプルにおいて観測された。
導光板の光線透過率を測定したところ、400nm〜9
00nmにおける最小の光線透過率は82.5%であ
り、透明性においてはやや不良の結果であった。得られ
た導光板を用いて、実施例1と同様にエッジライト方式
面状光源ユニットを作成し、平均輝度、輝度斑、吸湿変
形性について評価した。結果をまとめて表1に示す。
【0139】
【表1】
【0140】実施例3〜12 成形材料として、製造例1(実施例3〜7)、製造例2
(実施例8〜12)で作製したETCD/DCPD開環
共重合体水素添加物のペレットを、実施例1〜2と同様
の金型をそれぞれ用いて、同様の成形条件で射出成形す
ることにより、導光板を作製した。得られたそれぞれの
導光板は、実施例1〜2と同様の形状のくさび型であっ
た。また、導光板の光反射面側には、実施例1〜2と同
様に、光源4側から遠ざかる方向に対して略垂直方向に
細長く、かつ、導光板の一端側から末端側へ遠ざかるに
つれて漸次密になるようなV字状溝が、実施例3〜7に
ついては転写不良なく、実施例8〜12については転写
不良が全くなく、良好に一体成形されていた。なお、図
2に示すように、V字状溝22は、角度を除き、溝幅、
光源付近および末端付近でのピッチ幅および溝深さと
も、実施例1〜2と同様であった。
【0141】V字状溝22の角度は、それぞれ、75°
(実施例3および8)、95°(実施例4および9)、
110°(実施例5および10)、125°(実施例6
および11)、145°(実施例7および12)であっ
た。それぞれの導光板の全光線透過率を測定したとこ
ろ、実施例3〜7については90.0%、実施例8〜1
2については90.2%であり、透明性は良好であっ
た。得られた導光板を用いて、実施例1〜2と同様のエ
ッジライト方式面状光源ユニットを作製した。このユニ
ットを用いて、平均輝度、輝度斑、吸湿変形性について
評価した結果を表2に示す。
【0142】
【表2】
【0143】実施例13〜22 成形材料として、製造例1(実施例13〜17)、およ
び製造例2(実施例18〜22)で作製したETCD開
環単独重合体水素添加物のペレットを、V字状溝の深さ
のみが異なるそれぞれの金型を用いて、実施例1〜2と
同様の成形条件で、射出成形することにより、導光板を
作製した。得られたそれぞれの導光板は、実施例1〜2
と同様の形状のくさび型であった。
【0144】なお、図2に示すように、V字状溝22
は、深さを除き、角度110°、溝幅0.2mm、光源
付近でのピッチ幅は0.5〜2mm、末端付近のピッチ
幅は0.05〜0.1mmであった。V字状溝22の深
さは、光源付近から末端付近まで一律に、それぞれ、3
0μm(実施例13および18)、40μm(実施例1
4および19)、60μm(実施例15および20)、
80μm(実施例16および21)、100μm(実施
例17および22)であった。
【0145】それぞれの導光板の全光線透過率を測定し
たところ、実施例13〜17については90.0%、実
施例18〜22については90.2%であり、透明性は
良好であった。得られた導光板を用いて、実施例1〜2
と同様のエッジライト方式面状光源ユニットを作製し
た。このユニットを用いて、輝度および輝度斑について
評価した結果を表3に示す。
【0146】
【表3】
【0147】考察 (1)実施例と比較例の比較 表1より、実施例1〜2の導光板(脂環式構造含有重合
体樹脂)を用いたユニットの方が、比較例2〜3の導光
板(PMMA、PC)を用いたユニットに比し、高輝度
で、輝度斑がなく、吸湿変形性に優れていることが確認
された。また表1より、実施例2の導光板を用いたユニ
ット(溝のピッチが疎から密へ可変)の方が、比較例1
のユニット(溝のピッチが等間隔)よりも、輝度斑が少
ないことが確認された。
【0148】(2)実施例同士の比較 表2より、実施例8〜12の導光板を用いたユニットの
方が、実施例3〜7のユニットに比し、溝転写性に優
れ、かつ高輝度であることが確認された。表3より、実
施例18〜22の導光板を用いたユニットの方が、実施
例13〜17のユニットに比し、溝転写性に優れ、かつ
高輝度であることが確認された。
【0149】
【発明の効果】本発明に係る導光板は、脂環式構造含有
重合体樹脂で構成してあるので、透明性に優れるなどの
光学特性に優れる。また、脂環式構造含有重合体樹脂で
構成してあることから、成形時における流動性、耐熱性
などの成形性に優れ、また転写性に優れた導光板を得る
ことができる。さらに、脂環式構造含有重合体樹脂で成
形し、且つ光源からの距離が遠くなるに従って、その配
置密度が疎から密になるように配置されるような凹部を
光反射面に施してあることから、光の有効利用による高
輝度化が達成でき、また輝度斑の少ない導光板を得るこ
とができる。さらにまた、脂環式構造含有重合体樹脂は
強度物性に優れ、吸湿変形による寸法変形の少ない特徴
を有するので、くさび型のような暫時、厚みが薄くなる
ような部分を有し、上記のような凹部の配設パターンを
有する導光板においても、使用時における反り等の寸法
変形が起こるおそれが少なく、また導光板そのものが破
損するおそれが少なくなる。さらに、脂環式構造含有重
合体樹脂は、比重がPMMA、PCと比較しても小さい
ので、導光板の軽量化が可能となり、ひいてはバックラ
イトユニットの軽量化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本実施形態に係る導光板を用いた一の面
状光源装置を示す概略斜視図である。
【図2】図2は図1のX方向から見た場合の部分断面図
である。
【図3】図3は図2のIIの部分拡大図である。
【符号の説明】
1…面状光源装置 2…導光板 2a…光入射面 2b…光出射面 2c…光反射面 2d…端部光反射面 22…V字状溝 22a…光源側の面 4…光源
フロントページの続き (72)発明者 石丸 一世 神奈川県川崎市川崎区夜光一丁目2番1号 日本ゼオン株式会社総合開発センター内 Fターム(参考) 2H038 AA55 BA01 2H091 FA14Z FA23Z FB02 FC17 FD06 LA11 LA12 LA17 LA18 4J032 CA23 CA24 CA27 CA28 CA34 CA35 CA36 CA38 CA43 CA45 CA46 CA62 CB01 CB03 CB12 CD02 CD05 CD09 CE22 CE23 CG02 CG07

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】脂環式構造含有重合体樹脂からなり、光反
    射面に反射用の凹部を形成してなる導光板であって、前
    記凹部が、光源からの距離が遠ざかるにつれて次第にそ
    の配置密度を疎から密の状態へ変化するように形成され
    てなる導光板。
  2. 【請求項2】前記凹部が、70°〜150°の角度およ
    び1μm〜1,000μmの深さを持つV字状の溝であ
    る請求項1に記載の導光板。
  3. 【請求項3】前記凹部が、光反射面のいずれの場所にお
    いても光の入射方向に対して略垂直方向に細長く形成し
    てある溝である請求項1に記載の導光板。
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