JP2000087345A - 注入方法及びその装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 注入圧力の管理が容易で、かつ過充填の
ない注入方法及び装置を提供する。 【解決手段】 注入個所１１の上方所定の落差圧を必要
とする位置に配置した落差タンク１２と、この落差タン
クに注入材を供給する供給装置１５と、落差タンクに接
続した注入管２１付の注入ホース２０とからなり、落差
圧により注入管から注入材を注入する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、落石を防止する
ための注入方法及びその装置に関する。

【０００２】

【従来の技術及びその課題】亀裂の発生した危険性の大
きい（崩落の危険度の高い）岩盤や落石度の高い岩盤
（石）などの安定をはかる従来技術としては、図２に示
すように、ホッパ１に供給したセメントミルク、ボンド
モルタル、合成樹脂系の接着材をポンプ２の運転により
ホース３からホース３の先端注入管４に向け圧送しなが
ら、岩盤の亀裂空隙や基岩（基岩盤）と落石度のある岩
石（岩盤）との間（空洞）に注入管４から注入（充填）
している。

【０００３】このような方式によると、ポンプ２による
圧送圧力が高すぎると、注入圧により岩盤が押し逃がさ
れ、或いは浮き上がる現象が起生し、その結果崩落や落
石になる。

【０００４】また、逆に注入圧が低すぎると空隙（空
洞）に充分注入されない。このため、ポンプによる圧送
圧力の調整が困難であった。

【０００５】さらに、崩落や落石の危険度が場所（各部
位）により著しく異なるので、なお一層圧送圧力の管理
が困難であった。

【０００６】特に、ポンプ２と注入管４との距離が大き
くなる程、注入管４からのスムーズな注入をはかるため
圧送圧力をアップする。すると、上述の原因が著しい。

【０００７】また、注入部位の近辺にダイヤルゲージ５
を設置し、注入圧により岩石が移動すると、その移動に
ともない作用するダイヤルゲージ５により異常を察知す
ると共に、ブザーなどによる異常を知らせるようにして
あるので、注入を停止し、異常個所の点検後注入圧の低
下などの手段をへて再度注入を開始することになる。こ
のため、作業能率が著しく低下する問題があった。

【０００８】そこで、この発明の課題は、注入圧力の管
理が容易になると共に、ダイヤルゲージなどによる危険
度の察知も不要になるようにしたものである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、この発明は、崩落や落石などのおそれのある注入
個所の上方所定の落差圧を必要とする位置に落差タンク
を配置して、この落差タンクに適宜の方法で注入材を供
給し、上記落差タンクに接続してあるホースの先端注入
管から注入個所に落差圧を利用して注入材を注入する方
法を採用する。

【００１０】また、崩落や落石などのおそれのある注入
個所の上方所定の落差圧を必要とする位置に配置した落
差タンクと、この落差タンクに注入材を供給する適宜の
供給装置と、落差タンクに接続したホースと、このホー
スの先端に接続した注入管とからなる構成を採用する。

【００１１】

【発明の実施の形態】この発明の実施の形態を添付図面
に基づいて説明する。

【００１２】この発明の実施の形態では、図１に示すよ
うに、崩落や落石などのおそれのある注入個所１１の上
方所定の落差圧と必要とする位置には、落差タンク１２
が設置されている。

【００１３】上記落差タンク１２の設置は、注入個所の
変位にともない落差タンク１２の設置位置を移動する
（所望の落差圧力を得るために）関係上、アンカー１３
にワイヤ１４を介し掛吊（図示の場合）したが、その他
の手段により支持させることもある。

【００１４】また、落差タンク１２には、適宜の供給装
置１５により注入材Ａが供給されるようになっている。

【００１５】上記の供給装置１５は、図示の場合ホッパ
１６付のポンプ１７と、このポンプ１７の運転にともな
い圧送する注入材Ａを落差タンク１２に供給するホース
１８とで構成され、ホッパ１６には、パイプ１９から注
入材Ａを流入させる。

【００１６】なお、ホース１８から落差タンク１２内に
注入材Ａの供給圧送圧力が作用しないように、例えば上
面が開放するタンクを使用する。

【００１７】さらに、落差タンク１２の底に注入ホース
２０を接続すると共に、注入ホース２０の先端には、注
入管２１が接続されている。

【００１８】なお、注入材Ａには、セメントミルク、ボ
ンドモルタル、合成樹脂系の接着材などがある。

【００１９】次に注入方法を説明する。

【００２０】注入個所１１に注入管２１を差し込み或い
は臨ませる。一方、落差タンク１２には、ポンプ１７の
運転によりホッパ１６からホース１８をへて注入材Ａを
供給する。

【００２１】すると、落差タンク１２内の注入材Ａは、
落差圧により注入ホース２０から注入管２１をへて注入
される。

【００２２】注入材Ａが間隙や空洞内に充満すると、注
入が自動的に停止する。

【００２３】

【発明の効果】この発明の注入方法及びその装置によれ
ば、落差タンクからの落差圧を利用して注入するので、
注入圧力が危険圧力をこえることがなく一定圧で、しか
も短時間で注入することができる。

【００２４】このため、注入圧力による崩落や落石がな
く、しかも法面の崩壊もなくすることができる。また、
注入圧は、落差タンクの位置で調整することができる。

【００２５】さらに、落差圧を利用した注入方式のた
め、過充填による不都合をなくすることもできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の注入装置を示す正面図

【図２】従来例の正面図

【符号の説明】 １１ 注入個所 １２ 落差タンク １３ アンカー １４ ワイヤ １５ 供給装置 １６ ホッパ １７ ポンプ １８ ホース １９ パイプ ２０ 注入ホース ２１ 注入管 Ａ 注入材

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 崩落や落石などのおそれのある注入個所
   の上方所定の落差圧を必要とする位置に落差タンクを配
   置して、この落差タンクに適宜の方法で注入材を供給
   し、上記落差タンクに接続してあるホースの先端注入管
   から注入個所に落差圧を利用して注入材を注入すること
   を特徴とする注入方法。
2. 【請求項２】 崩落や落石などのおそれのある注入個所
   の上方所定の落差圧を必要とする位置に配置した落差タ
   ンクと、この落差タンクに注入材を供給する適宜の供給
   装置と、落差タンクに接続したホースと、このホースの
   先端に接続した注入管とからなる注入装置。