JP2000087014A - 撥水撥油剤組成物 - Google Patents

撥水撥油剤組成物

Info

Publication number
JP2000087014A
JP2000087014A JP10258729A JP25872998A JP2000087014A JP 2000087014 A JP2000087014 A JP 2000087014A JP 10258729 A JP10258729 A JP 10258729A JP 25872998 A JP25872998 A JP 25872998A JP 2000087014 A JP2000087014 A JP 2000087014A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
water
formula
ester
meth
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP10258729A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000087014A5 (ja
Inventor
Kazuya Oharu
一也 大春
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Glass Co Ltd filed Critical Asahi Glass Co Ltd
Priority to JP10258729A priority Critical patent/JP2000087014A/ja
Publication of JP2000087014A publication Critical patent/JP2000087014A/ja
Publication of JP2000087014A5 publication Critical patent/JP2000087014A5/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Materials Applied To Surfaces To Minimize Adherence Of Mist Or Water (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】優れた撥水撥油性能および耐乾燥汚れ性能を発
揮しうる撥水撥油剤組成物の提供。 【解決手段】フッ素原子を有する重合体(A)、およ
び、Rf1(CH22 OH(ただし、Rf1はポリフルオ
ロアルキル基を示す。)なるヒドロキシ化合物と重合性
不飽和基を有しないカルボン酸とのエステル(B)とを
含有する撥水撥油剤組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、撥水撥油剤組成物
に関する。さらに詳しくは、インテリア用布帛、カーペ
ットやウール等の繊維織物に処理した場合に優れた撥水
撥油性能および耐乾燥汚れ性能を発揮しうる撥水撥油剤
組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリフルオロアルキル基(以下、ポリフ
ルオロアルキル基をRf 基と記す。)を有する(メタ)
アクリレート等のフッ素原子を有する重合体を有効成分
とする撥水撥油剤を繊維に処理して撥水撥油性を付与す
る技術は、従来から行われている。該撥水撥油剤に、他
の含フッ素化合物を配合する技術としては、以下の例が
知られている。
【0003】(1)カルボニルイミノ化合物およびイミ
ン化合物のなかから選択されたフルオロ脂肪族基含有の
水不溶性化合物を配合する方法(特開昭58−1341
43)。 (2)Rf 基含有の重合可能な化合物とこれに相溶しな
い他の共重合可能な化合物とを共重合する時のモノマー
の相溶化剤として、Rf 基を有する炭化水素化合物を配
合する方法(特開平6−166705)。 (3)常温で液状の含フッ素アルコールを配合する方法
(特開平10−81873)。 (4)Rf 基を有するカルボン酸等のフッ素系界面活性
剤を配合する方法(特開平10−8041)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の方法に
は、以下の欠点が認められた。すなわち、(1)の方法
では、構造が複雑で、入手困難で合成が困難であるカル
ボニルイミノ化合物およびイミン化合物を主成分として
用いる方法であり、Rf 基含有の(メタ)アクリレート
含量は本質的に少なくなり、耐乾燥汚れ性及びシャワー
撥水性が低い欠点がある。また(2)、(3)の方法で
は、耐乾燥汚れ性が低い欠点がある。さらに(4)の方
法では、高価な含フッ素界面活性剤を大量に使用しなけ
ればならず、経済的でない欠点がある上に耐乾燥汚れ性
が低い欠点がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の問題を
解決するためになされたものであり、優れた撥水撥油
性、耐乾燥汚れ性、特に撥油性に優れた新規な撥水撥油
剤組成物、および、該撥水撥油剤組成物で処理された被
処理物を提供する。
【0006】すなわち本発明は、フッ素原子を有する重
合体(A)、および、Rf1(CH22 OH(ただし、
f1は上記と同じ意味を示す。)なるヒドロキシ化合物
と重合性の不飽和基を含有しないカルボン酸とのエステ
ル(B)とを含有する撥水撥油剤組成物を提供する。
【0007】
【発明の実施の形態】本明細書において、Rf 基は、ア
ルキル基の水素原子の2個以上がフッ素原子に置換され
た基をいう。Rf 基の炭素数は2〜20が好ましく、特
に6〜16が好ましい。
【0008】Rf 基は、直鎖状または分岐状の基が好ま
しく、特に直鎖状の基が好ましい。分岐状の基である場
合には、分岐部分がRf 基の末端部分に存在し、かつ、
炭素数1〜4程度の短鎖であるのが好ましい。Rf
は、フッ素原子以外の他のハロゲン原子を含んでいても
よい。他のハロゲン原子としては、塩素原子が好まし
い。また、Rf 基中の炭素−炭素結合間には、エーテル
性酸素原子またはチオエーテル性酸素原子が挿入されて
いてもよい。Rf 基の末端部分の構造としては、−CF
2 CF3 、−CF(CF32 、−CF2 H、−CFH
2 、−CF2 Cl等が挙げられ、−CF2 CF3 が好ま
しい。
【0009】Rf 基中のフッ素原子の数は、[(Rf
中のフッ素原子数)/(Rf 基と同一炭素数の対応する
アルキル基中に含まれる水素原子数)]×100(%)
で表現した場合に、60%以上が好ましく、特に80%
以上が好ましい。
【0010】さらにRf 基は、アルキル基の水素原子の
全てがフッ素原子に置換された基(すなわちペルフルオ
ロアルキル基)、またはペルフルオロアルキル基を末端
部分に有する基が好ましい。
【0011】ペルフルオロアルキル基の炭素数は、2〜
20が好ましく、特に6〜16が好ましい。炭素数が6
未満の場合には、撥水性能および撥油性能が低下する傾
向があり、16超の場合には、これを含む化合物は経済
的ではなく、取扱いが困難になるおそれがある。
【0012】Rf 基の具体例としては、以下の基が挙げ
られる。C49 −[CF3 (CF23 −、(CF
32 CFCF2 −、(CF33 C−、およびCF3
CF2 (CF3 )CF−等の構造異性の基を含む]、C
511−[たとえばCF3 (CF24 −]、C613
−[たとえばCF3 (CF25 −]、C715−[た
とえばCF3 (CF26 −]、C817−[たとえば
CF3 (CF27 −]、C919−[たとえばCF3
(CF28 −]、C1021−[たとえばCF3 (CF
29 −]、C1225−[たとえばCF3 (CF211
−]、C1429−[たとえばCF3 (CF213−]、
1633−[たとえばCF3 (CF215−]、CHF
2 (CF2j −(ここで、jは1〜15の整数)、C
2 Cl(CF2k −(ここで、kは1〜15の整
数)、(CF32 CF(CF2m −(ここで、mは
1〜14の整数)等。
【0013】Rf 基は、炭素−炭素結合間にエーテル性
酸素原子またはチオエーテル性イオウ原子が挿入された
基であってもよい。該基の具体例としては、以下の基が
挙げられる。CF3 (CF24 OCF(CF3 )−、
F[CF(CF3 )CF2 O]y CF(CF3 )CF2
CF2 −、F[CF(CF3 )CF2 O]z CF(CF
3 )−、F[CF(CF3 )CF2 O]u CF2 CF2
−、F(CF2 CF2 CF2O)v CF2 CF2 −、F
(CF2 CF2 O)w CF2 CF2 −(y、zは1〜1
0の整数、uは2〜6の整数、vは1〜11の整数、w
は1〜11の整数)等。
【0014】CF3 (CF24 SCF(CF3 )−、
F[CF(CF3 )CF2 S]y CF(CF3 )CF2
CF2 −、F[CF(CF3 )CF2 S]z CF(CF
3 )−、F[CF(CF3 )CF2 S]u CF2 CF2
−、F(CF2 CF2 CF2S)v CF2 CF2 −、F
(CF2 CF2 S)w CF2 CF2 −(y、zは1〜1
0の整数、uは2〜6の整数、vは1〜11の整数、w
は1〜11の整数)等。
【0015】本発明におけるフッ素原子を有する重合体
(A)としては、フッ素原子を有する重合性単量体の重
合単位を含む重合体である。フッ素原子を有する重合性
単量体としては、テトラフルオロエチレン、トリフルオ
ロクロロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、フッ化
ビニル、またはRf 基を有する(メタ)アクリル酸エス
テルが挙げられる。なお、本明細書においては、アクリ
ル酸とメタクリル酸を総称して(メタ)アクリル酸エス
テルといい、(メタ)アクリレート等の記載も同様の意
味である。なお、Rf 基を有する(メタ)アクリル酸エ
ステルとは、Rf 基が(メタ)アクリル酸エステルのア
ルコール残基部分に存在する化合物をいう。
【0016】重合体(A)は、Rf 基を有する(メタ)
アクリル酸エステルの重合単位を必須とする重合体が好
ましく、Rf 基を有する(メタ)アクリル酸エステルの
重合単位と、該エステル以外の重合性単量体との重合単
位を含む重合体が好ましい。
【0017】Rf 基を有する(メタ)アクリル酸エステ
ルとしては、下式aで表される化合物が好ましい。ただ
し、式1においてQ10は2価の有機基、R10は水素原子
またはメチル基を示す。 Rf8−Q10−OCOCR10=CH2 ・・・式a 式aにおけるRf8は、エーテル性酸素原子またはチオエ
ーテル性イオウ原子を含まないRf 基が好ましく、特に
ペルフルオロアルキル基が好ましく、特に−(CF2
n CF3 (ただし、nは1〜16の整数であり、4〜1
6の整数が好ましく、特に6〜12の整数が好まし
い。)で表される基が好ましい。
【0018】式aにおけるQ10としては、−(CH2
p+q −、−(CH2p CONH(CH2q −、−
(CH2p OCONH(CH2q −、−(CH2
p SO2 NR11(CH2q −、−(CH2p NHC
ONH(CH2q −、−(CH2p CH(OH)−
(CH2q −等が好ましい。ただし、R11は水素原子
またはアルキル基を示す。また、pおよびqは0以上の
整数を示し、p+qは1〜22の整数である。これらの
うち、Q10が−(CH2p+q −、−(CH2p CO
NH(CH2q −、−(CH2p SO2 NR11(C
2q −であり、かつ、qが2以上の整数、p+qが
2〜6である場合が好ましく、特に、p+qが2〜6で
ある場合の−(CH2p+q −、すなわち、エチレン基
〜ヘキサメチレン基が好ましい。Q10と結合するRf
炭素原子には、フッ素原子が結合しているのが好まし
い。
【0019】Rf 基を有する(メタ)アクリル酸エステ
ルとしては、下記化合物が挙げられる。ただし、R11
水素原子またはメチル基を示す。
【0020】CF3(CF2)4 CH2OCOCR11=CH2、 CF3(CF2)5CH2CH2OCOCR11=CH2、 CF2H(CF2)5CH2OCOCR11=CH2、 CF2H(CF2)7CH2OCOCR11=CH2、 CF2H(CF2)9CH2OCOCR11=CH2、 CF2H(CF2)7CH2CH2OCOCR11=CH2 、 CF3(CF2)7CH2CH2CH2OCOCR11=CH2 、 CF3(CF2)7CH2CH2OCOCR11=CH2、 CF3(CF2)9CH2CH2OCOCR11=CH2、 CF3(CF2)11CH2CH2OCOCR11=CH2 、 CF3(CF2)13CH2CH2OCOCR11=CH2 、 CF3(CF2)15CH2CH2OCOCR11=CH2 、 (CF3)2CF(CF2)4CH2CH2OCOCR11=CH2 、 (CF3)2CF(CF2)6CH2CH2OCOCR11=CH2 、 (CF3)2CF(CF2)8CH2CH2OCOCR11=CH2 、 CF3(CF2)7SO2N(C3H7)CH2CH2OCOCR11=CH2、 CF3(CF2)7(CH2)4OCOCR11=CH2、 CF3(CF2)7SO2N(CH3)CH2CH2OCOCR11=CH2 、 CF3(CF2)7SO2N(C2H5)CH2CH2OCOCR11=CH2、 CF3(CF2)7CONHCH2CH2OCOCR11=CH2、 (CF3)2CF(CF2)5(CH2)3OCOCR11=CH2 、 (CF3)2CF(CF2)5CH2CH(OCOCH3)OCR11=CH2、 (CF3)2CF(CF2)5CH2CH(OH)CH2OCOCR11=CH2 、 (CF3)2CF(CF2)7CH2CH(OH)CH2OCOCR11=CH2 、 CF3(CF2)8CH2CH2OCOCR11=CH2、 CF3(CF2)8CONHCH2CH2OCOCR11=CH2
【0021】重合体(A)は、Rf 基を有する(メタ)
アクリル酸エステルの重合単位を1種または2種以上含
む重合体が好ましく、該重合単位を2種以上含む場合に
は、炭素数の異なるRf 基を有する(メタ)アクリル酸
エステルの重合単位を2種以上含むのが好ましい。
【0022】本発明における重合体(A)は、Rf 基を
有する(メタ)アクリル酸エステルのみを重合させた重
合体、Rf 基を有する(メタ)アクリル酸エステルと該
f基を有する(メタ)アクリル酸エステル以外の重合
性単量体(以下、他の単量体という。)とを重合させた
共重合体が好ましい。他の単量体としては、公知または
周知の重合性単量体が挙げられ、重合性不飽和基を1ま
たは2個有する重合性単量体が好ましい。他の単量体と
しては、特に下記重合性単量体(a1 )および/または
下記重合性単量体(a2 )を必須とするのが好ましい。
さらに、他の単量体としては、重合性単量体(a1 )お
よび下記重合性単量体(a2 )の両方を必須とする場
合、または、重合性単量体(a2)のみを必須とする場
合が好ましい。
【0023】重合性単量体(a1 ):アルキル基部分の
炭素数が1〜20である(メタ)アクリル酸アルキルエ
ステルから選ばれる1種以上の重合性単量体。
【0024】重合性単量体(a2 ):オレフィン、ハロ
ゲン化ビニル、ハロゲン化ビニリデン、カルボン酸ビニ
ル、スチレン、置換スチレン、(メタ)アクリルアミ
ド、N−置換(メタ)アクリルアミド、アルキルビニル
エーテル、(置換アルキル)ビニルエーテル、ビニルア
ルキルケトン、ジエン、グリシジル(メタ)アクリレー
ト、アジリジニル(メタ)アクリレート、置換アルキル
(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)ア
クリレート、水酸基末端ポリオキシアルキレン(メタ)
アクリレート、アルコキシ基末端ポリオキシアルキレン
(メタ)アクリレート、ポリオキシアルキレンジ(メ
タ)アクリレート、ポリシロキサン基含有(メタ)アク
リレート、トリアリルシアヌレート、アリルグリシジル
エーテル、カルボン酸アリル、N−ビニルカルバゾー
ル、N−メチルマレイミド、無水マレイン酸、マレイン
酸モノアルキルエステル、マレイン酸ジアルキルエステ
ル、およびブロック化されたイソシアネート基を含有す
る(メタ)アクリル酸エステルから選ばれる1種以上の
重合性単量体。
【0025】重合性単量体(a1 )におけるアルキル基
部分の炭素数は1〜20である。アルキル基は、直鎖、
分岐、または環のいずれの構造であってもよく、環構造
を部分的に有する構造であってもよい。重合性単量体
(a1 )は2種以上であってもよく、2種以上である場
合には、アルキル基部分の構造が異なる2種以上からな
っていてもよい。
【0026】重合性単量体(a1 )は、アルキル基部分
が直鎖または分岐構造であり、その炭素数が1〜18で
ある(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましく、
特にメチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)
アクリレート、または2−エチルヘキシル(メタ)アク
リレート等が好ましい。
【0027】重合性単量体(a2 )としては、エチレ
ン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン、
酢酸ビニル、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチ
ルスチレン、グリシジル(メタ)アクリレート、(メ
タ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリ
ルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、メチロ
ール化ジアセトン(メタ)アクリルアミド、N−メチロ
ール化(メタ)アクリルアミド、ビニルアルキルエーテ
ル、ハロゲン化アルキルビニルエーテル、ビニルアルキ
ルケトン、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン、ア
ジリジニルエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メ
タ)アクリレート、アジリジニル(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、水酸
基末端ポリオキシアルキレン(メタ)アクリレート、メ
トキシ基末端ポリオキシアルキレン(メタ)アクリレー
ト、2−エチルヘキシルポリオキシアルキレン(メタ)
アクリレート、ポリオキシアルキレンジ(メタ)アクリ
レート、ポリシロキサンを有する(メタ)アクリレー
ト、トリアリルシアヌレート、アリルグリシジルエーテ
ル、酢酸アリル、N−ビニルカルバゾール、マレイミ
ド、N−メチルマレイミド、(2−ジメチルアミノ)エ
チル(メタ)アクリレート等が好ましい。
【0028】ここで、ブロックされたイソシアネート基
を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、ブロッ
クされたイソシアネート基を1個以上有する(メタ)ア
クリル酸エステルであり、イソシアネート基を有する
(メタ)アクリル酸エステルのイソシアネート基をブロ
ック化剤でブロックした構造の化合物が好ましい。
【0029】また、イソシアネート基を有する(メタ)
アクリル酸エステルとしては、2−イソシアネートエチ
ル(メタ)アクリレート、または、イソシアネート基と
結合しうる官能基を有する(メタ)アクリル酸エステル
とポリイソシアネートとを1個以上のイソシアネート基
が残る割合で反応させて得られる反応生成物が好まし
い。
【0030】イソシアネート基と結合しうる官能基を有
する(メタ)アクリル酸エステルとしては、水酸基を有
する(メタ)アクリル酸エステルが好ましく、特に(メ
タ)アクリル酸と多価アルコールとのモノエステルまた
はジエステルが好ましい。多価アルコールとしては、エ
チレングリコール、ポリオキシエチレングリコール、プ
ロピレングリコール、ポリオキシプロピレングリコー
ル、グリセリン、トリメチロールプロパン−アルキレン
オキシド付加物、ペンタエリスリトール等がある。
【0031】ポリイソシアネートとしては、4,4’−
ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシ
アネート等の芳香族イソシアネート類、ヘキサメチレン
ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,
4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、シク
ロヘキシレンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシ
アネート等の脂肪族イソシアネート類または環状脂肪族
イソシアネート類、およびそれらのヌレート変性体、プ
レポリマー変性体、ビュレット変性体等の変性体が好ま
しく、特に、脂肪族イソシアネート類、環状脂肪族イソ
シアネート類、および、それらのヌレート変性体、プレ
ポリマー変性体、ビュレット変性体が好ましい。
【0032】ブロック化剤としては、アルキルケトオキ
シム類、フェノール類、アルコール類、β−ジケトン
類、ラクタム類が好ましく、メチルエチルケトオキシ
ム、ε−カプロラクタム、フェノール、クレゾール、ア
セチルアセトン、マロン酸ジエチル、イソプロパノー
ル、t−ブチルアルコール、マレイン酸イミド等が特に
好ましく、とりわけ、メチルエチルケトオキシム等のア
ルキルケトオキシム類、ε−カプロラクタム等のラクタ
ム類等の解離温度が120〜180℃の化合物からなる
ブロック化剤が好ましい。
【0033】ブロックされたイソシアネート基を有する
(メタ)アクリル酸エステルの具体例としては、2−イ
ソシアネートエチル(メタ)アクリレートのイソシアネ
ート基をメチルエチルケトオキシムでブロックした化合
物、2−イソシアネートエチル(メタ)アクリレートの
イソシアネート基をε−カプロラクタムでブロックした
化合物、イソホロンジイソシアネートと2−ヒドロキシ
エチル(メタ)アクリレートとの1:1(モル比)反応
物のイソシアネート基をメチルエチルケトオキシムでブ
ロックした化合物、イソホロンジイソシアネートと2−
ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートとの1:1
(モル比)反応物のイソシアネート基をメチルエチルケ
トオキシムでブロックした化合物、ノルボルネンジイソ
シアネートと2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
トとの1:1(モル比)反応物をメチルエチルケトオキ
シムでブロックした化合物等が挙げられる。重合性単量
体(a2 )は2種以上を用いてもよい。
【0034】重合体(A)を得る方法としては、公知ま
たは周知の重合方法、すなわち塊状重合、懸濁重合、乳
化重合、放射線重合、光重合、溶液重合等を採用でき
る。溶液重合における溶媒は、アセトン、メチルエチル
ケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、ジオキ
サン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラ
ヒドロフラン、メチル−t−ブチルエーテル、ジプロピ
レングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリ
コール、トリジプロピレングリコール等のエーテル類、
エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール
等のアルコール類、ミネラルスピリット、ウンデカン、
トルエン、キシレン、ヘキサン等の炭化水素類、ホルム
アミド、ジメチルホルムアミド、アセトアミド、ジメチ
ルアセトアミド等のアミド類、酢酸エチル、酢酸ブチ
ル、マロン酸ジエチル、コハク酸ジエチル等のカルボン
酸エステル類、ペンタフルオロジクロロプロパン、トリ
デカフルオロヘキサン、塩化メチレン等のハロゲン化炭
化水素類等が挙げられる。
【0035】また乳化重合および懸濁重合においては、
水または水と水溶性溶剤との混合溶媒からなる媒体に、
重合性単量体および乳化剤を投入し、重合性単量体を乳
化した後重合させる方法、または溶剤からなる媒体中に
重合性単量体を溶解分散させ重合させる方法等が採用で
きる。水溶性溶剤としては、水100gに対する溶解度
が10g以上である水溶性溶剤が好ましく、たとえばア
セトン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、トリプロピレングリコール、ジプロピレングリコー
ルモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチル
エーテル等が挙げられる。水溶性溶剤は2種以上を用い
てもよい。さらに、水溶性溶剤の量は、重合体(A)に
対して0〜80重量%が好ましい。
【0036】重合は、通常の場合、重合開始源を作用さ
せることによって実施する。重合開始源としては特に限
定されず、有機過酸化物、アゾ化合物、過硫酸塩等の通
常の重合開始剤、または、γ線のような電離性放射線等
が採用できる。撥水撥油剤組成物中の重合体(A)の量
は、10〜30重量%が好ましく、特に15〜30重量
%が好ましい。
【0037】本発明の撥水撥油剤組成物は界面活性剤
(C)を含むのが好ましい。界面活性剤(C)は、重合
時に系内に加えてもよく、重合後に加えてもよく、前者
が好ましい。界面活性剤(C)としては、分子中にアミ
ンオキシド部分を有する公知ないしは周知の非イオン性
界面活性剤、その他の非イオン性界面活性剤、カチオン
性界面活性剤、両性界面活性剤、高分子界面活性剤等が
挙げられ、これらを単独または混合して用いることがで
きる。界面活性剤(C)は、フッ素原子を含まない界面
活性剤を用いるのが好ましい。さらに界面活性剤として
は、つぎの界面活性剤(C1 )〜(C6 )のいずれかを
用いるのが好ましい。
【0038】ポリオキシアルキレンアルキルエーテルか
らなるノニオン性界面活性剤(c1)、分子中に1以上
の三重結合、1以上の水酸基、および2以上のオキシア
ルキレン部分を含む化合物からなるノニオン性界面活性
剤(c2 )、ポリオキシエチレン部分と、炭素数3以上
のオキシアルキレンが2個以上連続して連なった部分と
を有するブロックポリマーからなるノニオン性界面活性
剤(c3 )、分子中にアミンオキシド部分を有するノニ
オン性界面活性剤(c4 )、ポリオキシエチレンアルキ
ルフェニルエーテルからなるノニオン性界面活性剤(c
5 )、ポリエチレングリコールの脂肪酸エステルからな
るノニオン性界面活性剤(c6 )。
【0039】界面活性剤の量は、重合体(A)に対して
3〜10重量%が好ましい。界面活性剤の量が10重量
%以上の場合には、撥水撥油性能が低下するおそれがあ
り、3重量%以下の場合には、エマルションの安定性が
低下するおそれがある。ただし、自己乳化性のある重合
性単量体を使用しているときには例外もありうる。
【0040】本発明におけるエステル(B)は、R
f1(CH22 OH(ただし、Rf1はRf 基を示す。)
なるヒドロキシ化合物と重合性の不飽和基を含有しない
カルボン酸とのエステルである。Rf1(CH22 OH
なるヒドロキシ化合物におけるRf1は、Rf 基であり、
重合体(A)中のRf 基と同一であっても異なっていて
もよい。Rf1は前記のペルフルオロアルキル基と同様の
基が好ましい。
【0041】重合性の不飽和基を含有しないカルボン酸
としては、重合性の不飽和基を含有しないモノカルボン
酸、または、重合性の不飽和基を含有しないジカルボン
酸が好ましい。
【0042】さらに重合性の不飽和基を含有しないカル
ボン酸としては、R12COOHで表されるモノカルボン
酸、または、HOOC−R13−COOHで表されるジカ
ルボン酸が好ましい。ただし、R12は、アルキル基、ま
たは、置換アルキル基が挙げられる。置換アルキル基と
しては、アルキル基の水素原子の1個以上がハロゲン原
子やフェニル基に置換された基および/またはアルキル
基の炭素−炭素結合間にエーテル性酸素原子が挿入され
た基が好ましい。また、R13はアルキレン基、または置
換アルキレン基が挙げられる。置換アルキレン基として
は、アルキレン基の水素原子の1個以上がハロゲン原子
やフェニル基に置換された置換アルキレン基および/ま
たはアルキレン基の炭素−炭素結合間にエーテル性酸素
原子が挿入された基が好ましい。該モノカルボン酸、ジ
カルボン酸の好ましい具体例としては、下式1〜4で表
されるエステル化合物中のエステル残基に対応する基を
有するカルボン酸化合物が好ましい。
【0043】エステル(B)としては、ヒドロキシ化合
物の1モルとモノカルボン酸の1モルから形成されるエ
ステルからなるエステル(B1 )、またはヒドロキシ化
合物の2モルとジカルボン酸の1モルから形成されるエ
ステルからなるジエステル(B2 )が好ましく、特にエ
ステル(B2 )が好ましい。
【0044】さらに、エステル(B1 )としては、下式
2、または下式3で表される化合物が好ましく、エステ
ル(B2 )としては、下式1、または下式4で表される
化合物が好ましい。さらにエステル(B)としては、下
式1、または下式4で表される化合物が好ましい。
【0045】
【化2】 Rf2−Q1 −(CH22 OCOCHR1 CH2 O(CH22f3…式1 Rf4−Q2 −(CH22 OCOCR2 ClCH3 …式2 Rf5−Q3 −(CH22 OCOR3 …式3 Rf6−Q4 −(CH22 OCO−Q5 −COO(CH22f7 …式4
【0046】ただし、式中の記号は、以下の意味を示
す。 Rf2、Rf3、Rf4、Rf5、Rf6、Rf7:それぞれ独立
に、ポリフルオロアルキル基であり、式1中のRf2とR
f3とは、同一であっても異なっていてもよく、式4中の
f6とRf7とは、同一であっても異なっていてもよい。 R1 、R2 :水素原子またはメチル基。 R3 :水素原子、炭素数1〜22のアルキル基、フェニ
ル基、またはベンジル基。 Q1 〜Q4 :それぞれ、単結合、−COO−、または−
SO2 NR10−(ただし、R10は水素原子または低級ア
ルキル基)。Q1 〜Q4 は単結合が好ましい。 Q5 :単結合、炭素数1〜8のアルキレン基、またはフ
ェニレン基。 式1で表されるエステル化合物の具体例としては、下記
化合物が挙げられる。
【0047】
【化3】C817(CH22 OCOCH2 CH2
(CH22817、C1021(CH22 OCOC
2 CH2 O(CH22817、C1021(CH
22 OCOCH2 CH2 O(CH221021、C
817SO2 N(CH3 )(CH22 O−−COCH
2 CH2 O(CH22 N(CH3 )SO2817
【0048】式2で表されるエステル化合物の具体例と
しては、下記化合物が挙げられる。
【0049】
【化4】 C817(CH22 OCOC(CH3 )ClCH3 、 C817(CH22 OCOCHClCH3 、 C1021(CH22 OCOC(CH3 )ClCH3 、 C1021(CH22 OCOCHClCH3
【0050】式3で表されるエステル化合物の具体例と
しては、下記化合物が挙げられる。
【0051】
【化5】C817(CH22 OCOH、C817(C
22 OCOCH3 、C817(CH22 OCOC
1735、C817(CH22 OCOC65 、C10
21(CH22 OCOC715
【0052】式4で表されるエステル化合物の具体例と
しては、下記化合物が挙げられる。
【0053】
【化6】C817(CH22 OCOCOO(CH2
2817、C817(CH22 OCO(CH22
COO(CH22817、C817(CH22
CO(CH22 COO(CH221021、C10
21(CH22 OCO(CH22 COO(CH22
1021、C817(CH22 OCO(CH24
OO(CH22817、C817(CH22 OC
O(CH28 COO(CH22817、C817
(CH22 OCOC64 COO(CH228
17
【0054】上記式1〜式4で表される化合物は、それ
ぞれ以下の方法で合成できる。なお、該化合物の合成方
法は、以下の方法に限定されない。
【0055】[式1で表される化合物の製造方法]Rf2
−Q1 −(CH22 OCOCR1 =CH2 とRf3(C
22 OHとをパラトルエンスルホン酸等の酸触媒の
存在下に、100〜150℃程度で反応させることによ
りRf2−Q1 −(CH22 OCOCHR1 CH2
(CH22f3とする方法。
【0056】[式2で表される化合物の製造方法]Rf4
−Q2 −(CH22 OCOCR2 =CH2 と塩化水素
とを反応させることによりRf4−Q2 −(CH22
COCR2 ClCH3 とする方法。
【0057】[式3で表される化合物の製造方法]R3
COOHとRf5−Q3 −(CH22 OHとを、パラト
ルエンスルホン酸等の酸触媒の存在下に50〜150℃
程度で脱水エステル化反応させてRf5−Q3 −(CH
22 OCOR3 とする方法。または、R3 COX(X
はハロゲン原子)とRf5−Q3 −(CH22 OHとを
反応させてRf5−Q3 −(CH22 OCOR3 とする
方法。
【0058】[式4で表される化合物の製造方法]HO
COQCOOHとRf6−Q4 −(CH22 OHとをパ
ラトルエンスルホン酸等の酸触媒の存在下に50〜15
0℃程度で脱水エステル化反応させることによりRf6
4 −(CH22 OCOQ5 COO(CH22f7
とする方法。または、XCOQ4 COX(Xはハロゲン
原子)とRf6(CH22 OHとを反応させることによ
ってRf6(CH22 OCOQ4 COO(CH22
f7とする方法。
【0059】本発明の撥水撥油剤組成物中に含まれるエ
ステル(B)は、2種以上の混合物であってもよく、2
種以上である場合には、Rf 基の鎖長のみが異なる2種
以上のエステルの混合物であっても、構造が異なる2種
以上のエステルの混合物であってもよい。
【0060】本発明の撥水撥油剤組成物中に含まれるエ
ステル(B)の総量は、重合体(A)に対して0.5〜
20重量%が好ましく、特に5〜20重量%が好まし
い。
【0061】エステル(B)を組成物中に含ませる時期
は特に限定されないが、重合前にモノマーと同時期に仕
込み乳化させてから重合させる方法、または重合後混合
撹拌する方法等が挙げられ、前者の方法が好ましい。さ
らに、本発明の撥水撥油組成物中には重合体(A)およ
びエステル(B)以外の添加剤を含んでいてもよい。添
加剤としては、他の重合体ブレンダー、他の撥水剤、撥
油剤、防虫剤、難燃剤、帯電防止剤、染料安定剤、防シ
ワ剤、ステインブロッカー等が挙げられる。
【0062】本発明の撥水撥油剤組成物は、目的や用途
等に応じて任意の濃度に希釈し、被処理物に適用させ
る。被処理物への適用方法も、被処理物の種類や組成物
の調製形態等に応じて、任意の方法が採用されうる。た
とえば、浸漬塗布等の被覆加工方法により被処理物の表
面に付着させ乾燥する方法が採用される。また、必要な
らば適当な架橋剤とともに適用し、キュアリングを行っ
てもよい。
【0063】本発明の撥水撥油剤組成物は、優れた撥水
撥油性能のほかに優れた耐乾燥汚れ性を被処理物に付与
する。本発明の撥水撥油剤組成物で処理される被処理物
としては、特に限定されず、繊維、繊維織物、ガラス、
紙、木、皮革、毛皮、石綿、レンガ、セメント、金属お
よびその酸化物、窯業製品、プラスチック等が挙げら
れ、繊維織物が好ましい。
【0064】繊維織物としては、綿、麻、羊毛、絹等の
動植物性天然繊維、ポリアミド、ポリエステル、ポリビ
ニルアルコール、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニ
ル、ポリプロピレン等の合成繊維、レーヨン、アセテー
ト等の半合成繊維、ガラス繊維、炭素繊維、アスベスト
繊維等の無機繊維、またはこれらの混合繊維の織物が挙
げられる。本発明の撥水撥油剤組成物は、動植物性天然
繊維、合成繊維、半合成繊維、またはこれらの繊維から
形成される繊維織物に、特に優れた撥水撥油性能と優れ
た耐乾燥汚れ性を付与しうることから、特にカーペット
用および室内インテリア用の撥水撥油剤組成物として有
用である。
【0065】
【実施例】つぎに、実施例(例1〜5)および比較例
(例6〜8)を挙げて本発明を具体的に説明するが、本
発明はこれらに限定されない。なお、実施例中のペルフ
ルオロアルキル基およびアルキル基の表記は直鎖構造を
表す。
【0066】[参考例1]C817(CH22 OCO
CH2 CH2 O(CH22817の合成例 撹拌機、温度計、還流冷却器を備えた500mlのガラ
ス製3つ口フラスコにC817(CH22 OCOCH
=CH2 の311g、C817(CH22 OH2 78
g、パラトルエンスルホン酸の10gを仕込み、130
℃で10時間反応させた。カスクロマトグラフィ(G
C)分析で分析したところ、反応は、28%まで進行し
ていた。反応混合物を80℃の温水で洗浄した後、5m
mHgの圧力で出発物質を留去し、残留物として標記化
合物141gを回収した。以下、該化合物をエステル化
合物1という。
【0067】[参考例2]C817(CH22 OCO
C(CH3 )ClCH3 の合成例 撹拌機、温度計を備えた1リットルのガラス製オートク
レーブにC817(CH22 OCOC(CH3 )=C
2 の311gを仕込み、塩化水素23gを50℃でゆ
っくり導入した。すべてを仕込んだ後2時間さらに撹拌
した。GC分析により反応率は100%であることを確
認した。生成物を50℃の温水で洗浄し、330gの標
記化合物を得た。以下、該化合物をエステル化合物2と
いう。
【0068】[参考例3]C817(CH22 OCO
1735の合成例 撹拌機、温度計、滴下ロート、還流冷却器を備えた1リ
ットルのガラス製4つ口フラスコにC817(CH2
2 OH278g、トリエチルアミン67g、アセトン1
50gを仕込み、反応器内温を30℃とした。そこにC
1735COClの182gとアセトン100gの混合物
を3時間かけて滴下した。滴下終了後、2時間加熱還流
させた。80℃の温水で洗浄し、420gの標記化合物
を得た。以下、該化合物をエステル化合物3という。
【0069】[参考例4]C817(CH22 OCO
(CH22 COO(CH22817の合成例 撹拌機、温度計、滴下ロート、還流冷却器を備えた1リ
ットルのガラス製4つ口フラスコにC817(CH2
2 OHの278g、トリエチルアミン67g、ペンタフ
ルオロジクロロプロパンの100gとアセトン100g
を仕込み、反応器内温を30℃とした。そこに(CH2
COCl)2 の46.5gとアセトン100gの混合物
を3時間かけて滴下した。滴下終了後、2時間加熱還流
させた。80℃の温水で洗浄し、290gの標記化合物
を得た。以下、該化合物をエステル化合物4という。
【0070】[参考例5]C817(CH22 OCO
PhCOO(CH22817(ただし、Phは1,
4−フェニレン基を示す。)の合成例 撹拌機、温度計、滴下ロート、還流冷却器を備えた1リ
ットルのガラス製4つ口フラスコにC817(CH2
2 OH278g、トリエチルアミン67g、ペンタフル
オロジクロロプロパン100gとアセトン100gを仕
込み、反応器内温を30℃とした。そこに二塩化フタロ
イル61gとアセトン100gの混合物を3時間かけて
滴下した。滴下終了後、2時間加熱還流させた。80℃
の温水で洗浄し、300gの標記化合物を得た。以下、
該化合物をエステル化合物5という。
【0071】[例1](実施例) ペルフルオロアルキルエチルアクリレート[CF3 (C
2n CH2 CH2OCOCH=CH2 であり、nが5〜15
の混合物でnの平均値は8。](167g)、エステル
化合物1(30g)、ステアリルアクリレート(46.
2g)、N−メチロールアクリルアミド(5.1g)、
ステアリルメルカプタン(0.77g)、末端が水酸基
である(ポリオキシエチレン)オレイルエーテル(PE
OOE、10. 3g)、下式5で表される界面活性剤
(ただし、xは0〜10の整数、yは0〜10の整数で
あり、(x+y)の平均値は10、以下B1と記す、
5.1g)、末端が水酸基である(ポリオキシエチレ
ン)−2−ドデシルエーテル(PEOLE、5.1
g)、トリプロピレングリコール(130g)、イオン
交換水(350g)を含む組成物を50℃で30分間撹
拌した。該組成物を40〜50℃に保ちながらマントン
ゴーリン社製の高圧乳化機を用いて400kg/cm2
で乳化した。乳化後のエマルションの粒子径は0.18
μmであった。
【0072】
【化7】
【0073】つぎに、これを1リットルのガラス製オー
トクレーブに移し、アゾビス(ジメチレンイソブチラミ
ジン)塩酸塩(0. 5g)を加えた後、オートクレーブ
を窒素置換した。その後塩化ビニル(38.5g)を加
え、撹拌しながら60℃に昇温して15時間重合を行
い、平均分子量が70,000である重合体を含む乳白
色エマルション得た。エマルションの固形分濃度38.
5重量%、粒子径0. 09μmであった。エマルション
を固形分濃度が20重量%となるように水で調整してこ
れをエマルション原液とした。
【0074】[例2〜5](実施例) エステル化合物1の代わりにエステル化合物2を用いる
(例2)、エステル化合物3を用いる(例3)、エステ
ル化合物4を用いる(例4)エステル化合物5を用いる
(例5)こと以外は、例1と同様の操作でエマルション
原液を得た。
【0075】[例6〜7](比較例) エステル化合物1の代わりにC37 O[CF(CF
3 )CF2 O]2 CF(CF3 )COOC1225を用い
る(例6)、C37 O(C36 O)2 CF(CF
3 )CH2 OHを用いる(例7)、こと以外は、例1と
同様の操作でエマルション原液を得た。
【0076】[例8](比較例) 例1におけるエステル化合物1を加えず、例1で用いた
乳化剤としてのPEOOE、B1、PEOLEの代わり
に、C817SO2 NH(CH23+ (CH33
・Cl- を17.9g用いること以外は、同様の操作で
エマルション原液を得た。
【0077】[評価方法]上記の方法で得られたエマル
ション原液を、水に対する割合が2重量%となるように
希釈したものを処理液として、撥水撥油性能および耐ド
ライソイル性能を測定した。
【0078】性能の評価は、ナイロンニット布について
調製した処理液に試験布を浸漬し、2本のゴムローラー
の間で布を絞ってウェットピックアップを60重量%と
した。ついで110℃で90秒間乾燥し、さらに170
℃で60秒間熱処理した布を得て、この布について以下
の基準で評価した。結果を表4にまとめて示す。
【0079】(1)防ドライソイル性の評価方法 表1に示すドライソイルを表1で示す割合で調整したも
のを用いた。このドライソイル混合物1.25gと処理
ナイロンニット布(5cm×5cm)10枚と直径1.
5cmのゴムボール10個を30cm×40cmのビニ
ール袋に入れ窒素封入した。この袋を5分間激しく振と
うした後、試験布表面の余剰のドライソイル混合物を電
気掃除機で吸引してから色彩色差計による表面の明度を
測定し、次式によって汚染率を算出してドライソイル汚
染性の評価とした。なお、この評価では数字が小さい方
がより高性能であることを示す。
【0080】汚染率=L0 −L(ただし、L0 :汚染前
の明度、L:汚染後の明度)
【0081】
【表1】
【0082】(2)撥水性の評価方法 JIS−L1092のスプレー試験により行い、表2に
示す撥水性ナンバーで表した。
【0083】
【表2】
【0084】(3)撥油性の評価方法 AATCC−TM118−1966により行い、表3に
示す撥油性ナンバーで表した。
【0085】
【表3】
【0086】
【表4】
【0087】
【発明の効果】本発明の撥水撥油剤組成物は、撥水撥油
性能、耐乾燥汚れ性能に優れた撥水撥油剤組成物であ
る。本発明の撥水撥油剤は、繊維織物に、特に優れた撥
水撥油性能のと耐乾燥汚れ性を付与しうることから、カ
ーペット用繊維織物や、室内インテリア用繊維織物に処
理する撥水撥油剤組成物として有用である。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フッ素原子を有する重合体(A)、およ
    び、Rf1(CH22 OH(ただし、Rf1はポリフルオ
    ロアルキル基を示す。)で表されるヒドロキシ化合物と
    重合性不飽和基を有しないカルボン酸とのエステル
    (B)とを含有する撥水撥油剤組成物。
  2. 【請求項2】エステル(B)が、ヒドロキシ化合物の1
    モルと重合性不飽和基を有しないモノカルボン酸の1モ
    ルから形成されるモノエステル、または、ヒドロキシ化
    合物の2モルと重合性不飽和基を有しないジカルボン酸
    の1モルから形成されるジエステルである請求項1に記
    載の撥水撥油剤組成物。
  3. 【請求項3】エステル(B)が、下式1、下式2、下式
    3、または下式4で表される化合物である請求項2に記
    載の撥水撥油剤組成物。 【化1】 Rf2−Q1 −(CH22 OCOCHR1 CH2 O(CH2)2f3 …式1 Rf4−Q2 −(CH22 OCOCR2 ClCH3 …式2 Rf5−Q3 −(CH22 OCOR3 …式3 Rf6−Q4 −(CH22 OCO−Q5 −COO(CH22f7 …式4 ただし、式中の記号は、以下の意味を示す。 Rf2、Rf3、Rf4、Rf5、Rf6、Rf7:それぞれ独立
    に、ポリフルオロアルキル基であり、式1中のRf2とR
    f3とは、同一であっても異なっていてもよく、式4中の
    f6とRf7とは、同一であっても異なっていてもよい。 R1 、R2 :水素原子またはメチル基。 R3 :水素原子、炭素数1〜22のアルキル基、フェニ
    ル基、またはベンジル基。 Q1 〜Q4 :それぞれ、単結合、−COO−、または−
    SO2 NR10−(ただし、R10は水素原子または低級ア
    ルキル基)。 Q5 :単結合、炭素数1〜8のアルキレン基、またはフ
    ェニレン基。
  4. 【請求項4】Rf2、Rf3、Rf4、Rf5、Rf6、Rf7が、
    それぞれ独立に、炭素数4〜12のペルフルオロアルキ
    ル基である請求項3に記載の撥水撥油剤組成物。
  5. 【請求項5】重合体(A)に対して、エステル(B)を
    0.5〜20重量%含む請求項1、2、3、または4に
    記載の撥水撥油剤組成物。
  6. 【請求項6】重合体(A)がポリフルオロアルキル基を
    有する(メタ)アクリル酸エステルの重合単位を含む重
    合体である請求項1、2、3、4、または5に記載の撥
    水撥油剤組成物。
  7. 【請求項7】繊維処理用である請求項1〜6のいずれか
    に記載の撥水撥油剤組成物。
  8. 【請求項8】請求項1〜6のいずれかに記載の撥水撥油
    剤組成物で処理された繊維織物。
JP10258729A 1998-09-11 1998-09-11 撥水撥油剤組成物 Withdrawn JP2000087014A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10258729A JP2000087014A (ja) 1998-09-11 1998-09-11 撥水撥油剤組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10258729A JP2000087014A (ja) 1998-09-11 1998-09-11 撥水撥油剤組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000087014A true JP2000087014A (ja) 2000-03-28
JP2000087014A5 JP2000087014A5 (ja) 2005-04-21

Family

ID=17324286

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10258729A Withdrawn JP2000087014A (ja) 1998-09-11 1998-09-11 撥水撥油剤組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000087014A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010043277A (ja) * 1998-12-22 2010-02-25 Daikin Ind Ltd 撥水撥油剤水性分散液
US10391506B2 (en) 2014-10-28 2019-08-27 3M Innovative Properties Company Spray application system components comprising a repellent surface and methods
US10584249B2 (en) 2015-10-28 2020-03-10 3M Innovative Properties Company Articles subject to ice formation comprising a repellent surface
US10907070B2 (en) 2016-04-26 2021-02-02 3M Innovative Properties Company Articles subject to ice formation comprising a repellent surface comprising a siloxane material
US10946399B2 (en) 2016-04-26 2021-03-16 3M Innovative Properties Company Liquid reservoirs and articles comprising a repellent surface comprising a siloxane material

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010043277A (ja) * 1998-12-22 2010-02-25 Daikin Ind Ltd 撥水撥油剤水性分散液
US10391506B2 (en) 2014-10-28 2019-08-27 3M Innovative Properties Company Spray application system components comprising a repellent surface and methods
US10987686B2 (en) 2014-10-28 2021-04-27 3M Innovative Properties Company Spray application system components comprising a repellent surface and methods
US10987685B2 (en) 2014-10-28 2021-04-27 3M Innovative Properties Company Spray application system components comprising a repellent surface and methods
US10584249B2 (en) 2015-10-28 2020-03-10 3M Innovative Properties Company Articles subject to ice formation comprising a repellent surface
US11136464B2 (en) 2015-10-28 2021-10-05 3M Innovative Properties Company Articles subject to ice formation comprising a repellent surface
US10907070B2 (en) 2016-04-26 2021-02-02 3M Innovative Properties Company Articles subject to ice formation comprising a repellent surface comprising a siloxane material
US10946399B2 (en) 2016-04-26 2021-03-16 3M Innovative Properties Company Liquid reservoirs and articles comprising a repellent surface comprising a siloxane material

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100679898B1 (ko) 불소함유 화합물 및 발수발유제 조성물
JP3320491B2 (ja) 防汚加工剤
US7651993B2 (en) Fluorine-containing polymer and soil release agent
JP4206639B2 (ja) 撥水撥油剤組成物およびその製造方法
EP1652901B1 (en) Silicon-containing fluorochemical surface-treating agent
US6251984B1 (en) Aqueous dispersion type antisoiling composition
JP3906506B2 (ja) 防汚加工剤
WO2001032800A1 (fr) Dispersion aqueuse pour repulsif eau et huile et procede de production
US6193955B1 (en) Copolymer, process for the preparation of the same, and use thereof
JP3346643B2 (ja) 水分散型撥水撥油剤組成物およびその製造方法
JP2000087014A (ja) 撥水撥油剤組成物
JP3399286B2 (ja) 防汚加工剤組成物
JP2001098033A (ja) 共重合体、撥水撥油剤、および水分散型撥水撥油剤組成物
US4382798A (en) Anti-soiling treating agent
JP3731273B2 (ja) 共重合体およびそれを含む防汚加工剤
JPH09324173A (ja) 防汚加工用組成物および防汚加工方法
JPH05222149A (ja) 撥水撥油剤組成物
JP2000282016A (ja) 撥水撥油剤組成物
JPS6122066B2 (ja)
JP2002241441A (ja) 水分散型含フッ素共重合体組成物
JP3864591B2 (ja) 撥水撥油加工剤
JP3861473B2 (ja) 撥水撥油加工剤組成物
JP2002220781A (ja) 防汚加工剤組成物および繊維製品
JPH0641520A (ja) 防汚加工剤組成物
JP2000129246A (ja) 撥水撥油剤組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040615

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040615

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060814

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060822

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20060825