JP2000083327A - 組電池の電圧調整装置及び組電池の電圧調整方法 - Google Patents
組電池の電圧調整装置及び組電池の電圧調整方法Info
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Abstract
に、それらの各単位セルが直列に接続されて構成される
組電池の充電容量が、各単位セル毎の容量のばらつきに
よる制限を極力受けないようにする。 【解決手段】 3個の単位セル21(1)〜21(3)
を直列接続してなる組電池22の端子電圧を、抵抗2
3,24,25を直列に接続してなる分圧回路26によ
り分圧する。論理回路部37は、コンパレータ27H乃
至28Lの出力信号に基づいて、単位セル21(1)〜
21(3)の内端子電圧が平均電圧よりも高いものに対
応する放電回路33のスイッチ35をオン状態にして自
動的に放電させることで、最終的に全ての単位セル21
(1)〜21(3)の端子電圧を略等しくしてばらつき
を解消する。
Description
を直列に接続してなる組電池について、各単位セル間の
端子電圧のばらつきを調整する組電池の電圧調整装置及
び組電池の電圧調整方法に関する。
を目的として、電気自動車とガソリンエンジンとのメカ
ニズムを組み合わせたハイブリッド電気自動車(以下、
HEVと称す)が開発されている。HEVは、ガソリン
エンジンを搭載しているため、電気自動車ほど大容量の
バッテリを使用せずともガソリン車並みの走行性能が確
保できる一方、エンジンの効率が低く二酸化炭素や窒素
酸化物などの排出量が増加する低回転時にはバッテリに
よりモータを駆動して走行するため、低公害性をも達成
し得るようになっている。
速時にはバッテリから供給される電力を使用するため、
バッテリには高い出力が要求される。また、HEVは、
エンジンやモータ/ジェネレータ,バッテリなど多くの
構成部品を搭載しなければならず、自動車全体の重量が
増加することから、バッテリに対しては、電気自動車と
同様に高性能且つ軽量であることが要求されている。
水素電池などに代わるものとして、リチウム電池が注目
されている。リチウム電池は、同容量の鉛やニッカド電
池に比して約3〜4倍もの高い重量エネルギ密度を有し
ており、小形軽量化が要求されるHEVには好適である
として応用が期待されている。
電に弱く、定められた電圧範囲内で使用しないと材料が
分解して著しく容量が減少したり、異常に発熱するなど
して使用できなくなるおそれがある。そのため、リチウ
ム電池を使用する場合は、上限電圧及び下限電圧を明確
に規定して、端子電圧がその範囲内となるように充放電
制御したり、或いは、電圧範囲を制限する保護回路とセ
ットで使用するのが一般的である。
るバッテリは、モータを駆動するために高い電圧が要求
されるので、通常、複数個の単位セルを直列に接続して
構成されている。例えば、300Vのバッテリ電圧を得
るには、単位セル当たり2Vの鉛電池では150個程度
のセルを直列接続し、単位セル当たり3.6Vのリチウ
ム電池では80個程度のセルを直列接続することにな
る。
なる組電池を充電する場合、従来は、組電池の正,負極
の端子間電圧を監視することにより充電を制御してい
た。例えば、単位セル当たりの電圧範囲が1.8〜2.
4Vで150個直列の鉛電池の場合は、組電池の電圧範
囲が270〜360Vの範囲となるように充放電制御し
ていた。
残存容量(State Of Charge,以下、SOCと称す)に基
づく各単位セル間の端子電圧のばらつきである。直列接
続された状態では各単位セルを流れる電流値は等しい
が、各単位セル毎の残存容量には必ずばらつきがあるた
め、これに起因して各単位セルの端子電圧も異なったも
のとなる。この残存容量のばらつきは、主としてセルご
との自己放電や充放電効率の違いによって生じるもの
で、時間と共に蓄積され拡大していくものである。
圧を監視して充電制御しても、その構成要素たる各単位
セルとしては、端子電圧が(組電池の端子間電圧)/
(単位セル個数)で得られる平均電圧よりも高く、或い
は低くなっているものが存在する。このため、上限電圧
まで充電すれば過充電となり、下限電圧まで放電すれば
過放電となる単位セルが存在することになる。
は、過放電や過充電となっても性能の劣化が少なく、ま
た、鉛電池は、性能が劣化しても特に安全性に問題は無
く、何れも使用不能の状態にはならないことから、組電
池の両端電圧のみを参照して制御すれば十分だが、リチ
ウム電池を多直列組電池として使用する場合は、各単位
セル夫々が過充電または過放電状態とならないように対
策することは必須である。
したものとして、例えば、実開平2−136445号公
報においては、充電時には、各単位セルの端子電圧の内
最高値を検出してその最高電圧に基づいて制御を行い、
放電時には、同最低値を検出してその最低電圧に基づい
て制御を行う技術が開示されている。この従来技術で
は、全ての単位セルを所定電圧範囲内で充放電制御する
ことは可能だが、各単位セル毎のSOCがずれてしまっ
た場合は、SOCが最高,最低である単位セルで充電,
放電が制限され、SOCがずれた分だけ容量が少なくな
るという問題がある。
えば、特開平6−253463号公報には、各単位セル
に抵抗及びスイッチからなる放電回路(バイパス回路)
を並列に接続し、単位セルの電圧にばらつきが生じる
と、電圧が高くなっている単位セルに対応する放電回路
のスイッチを閉じて放電させたり、或いは、充電時にお
ける充電電流を分流させる所謂バランス充放電によって
単位セル間の電圧差を縮小するという技術が開示されて
いる。
は、各単位セルの充電状態を監視することで、満充電状
態に達した単位セルについてはバイパス回路に充電電流
を分流することによって全ての単位セルを満充電状態に
揃え、ばらつきを解消する技術が開示されている。
示す。組電池1は、複数(n)個の単位セル2(1),
2(2),…,2(n)を直列接続して構成されてお
り、それらの各単位セル2の両端には、放電用の抵抗3
a及びトランジスタやFETなどからなるスイッチ3b
を直列に接続して構成された放電回路3並びに電圧検出
器4が夫々接続されている。電圧検出器4の出力信号
は、マルチプレクサ5及びA/Dコンバータ6を介して
MPU7に与えられる。
端子電圧を参照してメモリ8に記憶させると共に、各単
位セル2の内で端子電圧が高くなったものを放電させる
ため、或いは、充電電流をバイパスさせるために制御信
号をデコーダ9に出力する。当該制御信号は、デコーダ
9によりデコードされると、対応する単位セル2の放電
回路3のスイッチ3bにフォトカプラ(またはアイソレ
ーションアンプ)10を介して出力される。すると、そ
の放電回路3のスイッチ3bは閉じられて、抵抗3aを
介して単位セル2の放電或いは充電電流のバイパスが行
われるようになっている。
出器4やフォトカプラ10などが単位セル2の個数分必
要となり、全体の部品数が多くなってしまうという問題
がある。加えて、実際に、1つのMPU7によって制御
することが可能な単位セル2の数は、絶縁(耐圧)性や
制御性などの制限によって10〜20個程度が限度であ
る。
めには、図13に示すように、組電池1全体を10〜2
0個程度の単位セル2のグループに分けて、各グループ
の制御を図12の構成で夫々対応するMPU7に分担さ
せるモジュール11を構成すると共に、更にそれらモジ
ュール11の各MPU7を統括制御する上位MPU7H
を配置する、という構成にする必要がある。例えば、単
位セル2に80個のリチウム電池を用いた場合には、1
0個×8グループ,または20個×4グループの構成と
なる。その結果、高価な部品であるMPUが5個または
9個必要となり、コストアップすることが避けられな
い。
は、MPUを用いることなく、充電制御することを可能
とした技術が開示されている。これは、図14に示すよ
うに、直列接続された2つの単位セル12からなる組電
池13に対して、抵抗値が等しい2つの抵抗14a及び
14bの直列回路を並列に接続し、コンパレータ15に
より2つの単位セル12の共通接続点VCMと2つの抵抗
14a及び14bの共通接続点VRMとの電位を比較す
る。
抵抗16aを介してnpn型のトランジスタ17aのベ
ースが接続されていると共に、ベース抵抗16bを介し
てpnp型のトランジスタ17bのベースが接続されて
いる。トランジスタ17a,17bのコレクタは、放電
用の抵抗18a,18bを介して組電池13の正極,負
極に夫々接続されており、両者のエミッタは、共通接続
点VCMに共通に接続されている。以上が調整モジュール
19を構成している。
の端子電圧を夫々VC1,VC2とすると、VC1>VC2であ
り電位VCM<V電位RMとなると、コンパレータ15の出
力端子がハイレベルとなりトランジスタ17aがオンす
るので、単位セル12(1)は抵抗18aを介して放電
される。また、VC1<VC2であり電位VCM>V電位RMと
なると、コンパレータ15の出力端子がロウレベルとな
りトランジスタ17bがオンするので、単位セル12
(2)は抵抗18bを介して放電されるようになってい
る。
19は、夫々に接続された2個の単位セルについて端子
電圧のばらつきを調整する構成である。従って、この調
整モジュール19を、数10個以上、例えばN(Nは自
然数)直列組電池に適用した場合を想定すると、それに
対応して調整モジュール19は(N−1)個用いなけれ
ばならない。すると、各調整モジュール19間の調整誤
差が累積されてしまうおそれがあり、全体として高精度
の制御を達成することができるという保障はない。
あり、その目的は、各単位セルの過放電,過充電を防止
すると共に、それらの各単位セルが直列に接続されて構
成される組電池の充電容量が、各単位セル毎の容量のば
らつきによる制限を極力受けないようにすることができ
る組電池の電圧調整装置を提供することにある。
電圧調整装置または請求項10記載の組電池の電圧調整
方法によれば、分圧手段は、組電池の端子電圧を単位セ
ルの個数に応じて分圧し、電位比較手段は、単位セル間
における複数の連結点の内、特定の連結点の電位と当該
連結点に対応する分圧点の電位とを比較する。そして、
放電制御手段は、電位比較手段による比較結果に基づい
て、前記特定の連結点に対応する単位セルの端子電圧が
平均電圧よりも高いと判断すると、当該単位セルを放電
させるように制御する。
の端子電圧が平均電圧に等しくなるように調整して端子
電圧のばらつき、即ち、残存容量のばらつきを調整する
ことができ、過放電や過充電を防ぎながら組電池の使用
効率を向上させることができる。
れば、分圧手段を、組電池の両端子間に単位セルの個数
分直列接続され、且つ各抵抗値が略等しい複数の分圧抵
抗によって構成するので、これらの分圧抵抗によって、
複数の単位セルの各端子電圧に基づく平均電圧を容易に
得ることができる。
は請求項11記載の組電池の電圧調整方法によれば、電
位比較手段及び放電制御手段を複数の連結点に対応して
複数設けるので、複数の単位セルについて端子電圧のば
らつきを調整することができる。
装置,請求項12または13記載の組電池の電圧調整方
法によれば、放電制御手段は、複数の内任意の単位セル
について、当該単位セルにおける正極側及び負極側の連
結点に夫々対応する電位比較手段の比較結果に基づい
て、当該単位セルの端子電圧が平均電圧よりも高いか否
かを判断する(請求項4,12)。
結点の電位が対応する分圧点の電位よりも高いか又は前
記分圧点の電位に略等しく且つ負極側の連結点の電位よ
りも対応する分圧点の電位が高い場合、または、正極側
の連結点の電位が対応する分圧点の電位よりも高く且つ
負極側の連結点の電位よりも対応する分圧点の電位が高
いか又は両者が略等しい場合に、前記正極側及び負極側
の連結点の間に存在する単位セルの端子電圧が平均電圧
よりも高いと判断する(請求項5,13)。従って、単
位セルの端子電圧と平均電圧との高低を確実に判断する
ことができる。請求項6記載の組電池の電圧調整装置に
よれば、電位比較手段及び放電制御手段は、組電池から
動作用電源を得るように構成される。即ち、電位比較手
段及び放電制御手段は、消費電力の大なる電気的構成要
素を用いずとも構成することが可能であるから、組電池
から動作用電源を得ることが可能となる。
れば、電位差増幅手段は、連結点と分圧点との電位差を
増幅するので、電位比較手段は、前記電位差が増幅され
ることで単位セルの端子電圧と平均電圧との高低をより
確実に判定することができ、動作の安定性を向上させる
ことができる。
れば、高いエネルギ密度を有するが、より厳密な過充
電,過放電対策が必要とされるリチウム電池を単位セル
とする組電池に適用することによって、充放電を安全に
制御した上でリチウム電池の性能を十分に引出して活用
することができる。
れば、多数の単位セルが直列接続された組電池を駆動用
バッテリとする電気自動車またはハイブリッド電気自動
車に適用することで、駆動用バッテリの使用効率を十分
向上させることができる。
3個の単位セルを直列接続してなる組電池に適用した場
合の第1実施例について図1乃至図6を参照して説明す
る。電気的構成を示す図1において、リチウム二次電池
で構成される3個の単位セル21(1),21(2),
21(3)は、直列に接続されて組電池22を構成して
いる。この組電池22には、抵抗23,24,25を直
列に接続してなる分圧回路(分圧手段)26が並列に接
続されている。
抵抗23a及び23b,24a及び24bの直列回路で
構成されており、その抵抗比は、例えば4000:1程
度に設定されている。そして、抵抗23a,24a及び
25の抵抗値は、互いに等しくなるように設定されてお
り、抵抗23b,24bの抵抗値は、これらの抵抗値に
比較して無視できる程小さい。従って、実質的には、組
電池22の端子電圧を、3つの抵抗23a,24a及び
25により三等分に分圧していることになる。ここで、
組電池22の負側端子をJc0,正側端子をJc3として、
その間にある単位セル21(1)及び21(2)の連結
点をJc1,単位セル21(2)及び21(3)の連結点
をJc2とする。また、分圧回路26の負側端子をJr0,
正側端子をJr3として、その間にある抵抗23a及び2
3b,24a及び24bの共通接続点を、夫々Jr1,J
r2とする。また、抵抗23b及び24aの共通接続点を
Jr1′,抵抗24b及び25の共通接続点をJr2′とす
る。以下で、上記各接続点は、端子と称する。
ンパレータ27Lの非反転入力端子は、端子Jc1に共通
に接続されている。また、コンパレータ27Hの非反転
入力端子は、端子Jr1に接続され、コンパレータ27L
の反転入力端子は、端子Jr1′に接続されている。ま
た、単位セル21(2)及び抵抗24に対して、2つの
コンパレータ28H及び28Lが同様の接続を成してい
る。尚、4つのコンパレータ27H,27L,28H及
び28Lは、電位比較手段を構成している。
は、INV(インバータ)ゲート29を介してANDゲ
ート30の一方の入力端子に接続されており、コンパレ
ータ27Hの出力端子は、ANDゲート31の一方の入
力端子に接続されている。また、コンパレータ28Lの
出力端子は、ANDゲート30の他方の入力端子に接続
されており、コンパレータ28Hの出力端子は、INV
ゲート32を介してANDゲート31の他方の入力端子
に接続されている。
開型のスイッチ35を直列接続してなるものである。そ
して、3つの放電回路33(1)〜33(3)は、各単
位セル21(1)〜21(3)に対応するように直列接
続されて、組電池22の両端に並列に接続されている。
また、放電回路33(1)及び33(2)の共通接続点
は、端子Jc1に接続されており、放電回路33(2)及
び33(3)の共通接続点は、端子Jc2に接続されてい
る。
ばトランジスタやFETなどで構成されており、制御信
号端子にハイレベルの制御信号が与えられると接点を閉
じる(導通する)ようになっている。そして、スイッチ
35(1)及び35(3)の制御信号端子は、コンパレ
ータ27L及び28Hの出力端子に夫々接続されてい
る。また、スイッチ35(2)の制御信号端子は、OR
ゲート36の出力端子に接続されており、そのORゲー
ト36の2つの入力端子は、ANDゲート30及び31
の出力端子に夫々接続されている。
ート30及び31並びにORゲート36は、論理回路部
37を構成している。また、放電回路33及び論理回路
部37は、放電制御手段を構成している。ところで、具
体的には図示しないが、コンパレータ27H,27L,
28H及び28L並びに論理回路部37の動作用電源
は、組電池22から作成されて供給されるようになって
いる。
をも参照して説明する。ここで、単位セル21(1),
21(2),21(3)の端子電圧を夫々V1,V2,
V3とする。また、端子Jc0を基準とした各端子Jc1,
Jc2,Jc3の電位を夫々Ec1,Ec2,Ec3とし、端子J
r0を基準とした各端子Jr1,Jr2,Jr3の電位を夫々E
r1,Er2,Er3とする。すると、電位Ec1,Ec2,Ec3
は、夫々(1)式のように表される。 Ec1=V1 Ec2=V1+V2 …(1) Ec3=V1+V2+V3=Er3
は等しく、抵抗23b及び24bを無視すると、各抵抗
23a,24a,25の両端には、単位セル21
(1),21(2),21(3)の端子電圧の平均値が
夫々印加される。従って、電位Er1,Er2,Er3は、夫
々(2)式のように表される。 Er1= Ec3/3= (V1+V2+V3)/3 Er2=2・Ec3/3=2(V1+V2+V3)/3 …(2) Er3=3・Ec3/3= V1+V2+V3
L,28H,28Lの出力レベルが、夫々どの様な入力
条件でハイ“H”になるかを検討すると、以下のように
なる。尚、抵抗23b及び24bの端子電圧をVαとす
る。 コンパレータ27H: Er1>Ec1 コンパレータ27L: Er1+Vα<Ec1 →Er1<Ec1−Vα コンパレータ28H: Er2>Ec2 …(3) コンパレータ28L: Er2+Vα<Ec2 →Er2<Ec2−Vα
r1が、端子Jc1の電位Ec1よりも高い場合にハイレベル
となり、コンパレータ27Lは、分圧電位Er1が、電位
Ec1から微小電圧Vαを減じたものよりも低くなった場
合にハイレベルとなる。従って、分圧電位Er1が、Ec1
−Vα≦Er1≦Ec1,の範囲にあり電位Ec1にほぼ等し
いとみなされる場合には、コンパレータ27H,27L
は何れもロウレベルとなる。また、コンパレータ28
H,28Lについても、分圧電位Er2,端子Jc2の電位
Ec2に関して同様である。
H,27L,28H,28Lの出力レベルを論理合成す
ることにより、3つのスイッチ35(1)乃至35
(3)を夫々オン状態“1”とする条件は、図2に示す
真理値表のようになる。但し、“×”は任意のレベルを
示す。
が、V3>V2>V1となっている初期状態からの作用
について図3も参照して説明する。
号は何れもハイレベル“H”となる。従って、図2に示
す真理値表では、スイッチ35(3)がオン状態“1”
となる条件が成立するので、放電回路33(3)により
単位セル21(3)が放電される。
り端子電圧V3が低下すると、組電池22の端子電圧E
c3(=Er3)が低下し、それに応じて分圧電位Er2も低
下する。そして、V3<V2となり、Er2=Ec2となる
と、コンパレータ28Hの出力信号はロウレベル“L”
となる。
子電圧V3は、組電池22の平均セル電圧となっている
が、単位セル21(2)は放電されていないのでV2>
V1の関係は維持されており、(4)式におけるEr1>
Ec1、は変わらない。従って、コンパレータ27Hの出
力信号は“H”のままである。すると、図2に示す真理
値表では、スイッチ35(2)がオン状態“1”となる
条件が成立するので、放電回路33(2)により単位セ
ル21(2)が放電されると同時に、放電回路33
(3)による単位セル21(3)の放電は停止する。
いて、コンパレータ27Hの出力信号が“L”であり、
コンパレータ27Lの出力信号レベルは問わないという
条件は、少なくともEr2よりもEc2が高くないという条
件であり、即ち、Er2がEc2にほぼ等しいかまたはEr2
がEc2よりも低い、Er2≦Ec2という条件を意味してい
る。
ることにより端子電圧V2が低下すると、電圧Ec2及び
Er3が低下するので、それに伴って分圧電位Er2も低下
する。ここで、Er2とEc2とを比較すると、(1)式及
び(2)式から、 Ec2= V1+V2 Er2=2(V1+V2+V3)/3 であり、端子電圧V2の低下の影響はEc2の方が明らか
に大きい。従って、両者の大小関係は、Er2=Ec2から
再びEr2>Ec2となり、コンパレータ28Hの出力信号
は再び“H”となる。すると、スイッチ35(3)がオ
ン状態“1”となる条件が成立して、放電回路33
(2)による放電は停止し、放電回路33(3)により
単位セル21(3)が放電される。
電されて端子電圧V2が低下することで、単位セル21
の平均電圧も低下することになる。すると、端子電圧V
3もまた、その電位が時点Pから維持されたままでは平
均電圧とのずれが生じることになるので、単位セル21
(3)が再び放電されて、端子電圧V3が平均電圧に略
一致するように作用する。
り端子電圧V3が低下して、再び平均電圧に略一致する
と、前述のように分圧電位Er3,Er2が低下し、Er2=
Ec2となってコンパレータ28Hの出力信号は“L”と
なる。また、単位セル21(2)は放電されないのでV
2>V1であり、Er1>Ec1であるから、コンパレータ
27Hの出力信号は“H”のままである。すると、スイ
ッチ35(2)がオン状態“1”となる条件が成立する
ので、単位セル21(2)が放電されると同時に、単位
セル21(3)の放電は停止する。
(2),35(3)が交互にオン状態となり、単位セル
21(2),21(3)が交互に放電される。また、図
3においては、端子電圧V2,V3は直線状に低下する
ように図示されているが、実際には、一方の電位が低下
している場合に他方の電位は変化しないようになってお
り、その状態が短期間で交互に繰り返されるようになっ
ている。
c2,即ち、V1=V2=V3になると、コンパレータ2
7H,27L,28H,28Lの出力レベルは何れも
“L”となり、単位セル21(1)〜21(3)の放電
は停止する。以上で端子電圧V1,V2,V3のばらつ
き調整作用は終了する。
用について説明する。この場合、 Er1= (V1+V2+V3)/3<V1=Ec1 <Ec1 Er2=2(V1+V2+V3)/3<V1+V2=Ec2 <Ec2 …(5) となることから、コンパレータ27L,28Lの出力信
号は何れも“H”となる。従って、図2に示す真理値表
では、スイッチ35(1)がオン状態“1”となる条件
が成立するので、放電回路33(1)により単位セル2
1(1)が放電される。
り端子電圧V1が低下すると、端子電圧Ec1が低下し、
それに応じて電圧Er3,Er1も低下する。ここで、Er1
とEc1とを比較すると、(1)式及び(2)式から、 Ec1= V1 Er1=(V1+V2+V3)/3 であり、端子電圧V1の低下の影響はEc1の方が明らか
に大きい。従って、Ec1はEr1に近付いてやがてEr1=
Ec1となり、コンパレータ27Lの出力信号は“L”と
なる。すると、スイッチ35(2)がオン状態“1”と
なる条件が成立して、放電回路33(1)による放電は
停止し、放電回路33(2)により単位セル21(2)
が放電される。
り端子電圧V2が低下すると、電圧Er3,Er1が低下す
る。また、単位セル21(1)は放電されないので、V
1=Ec1は低下しない。その結果、再びEr1<Ec1とな
り、コンパレータ27Lの出力信号は再び“H”とな
る。すると、放電回路33(2)による放電は停止し、
放電回路33(1)により単位セル21(1)が放電さ
れる。
り端子電圧V1が低下すると、端子電圧Ec1が低下し、
再びEr1=Ec1となり、放電回路33(1)による放電
は停止し、放電回路33(2)により単位セル21
(2)が放電される。以降、スイッチ35(1),35
(2)が交互にオン状態となり、単位セル21(1),
21(2)が交互に放電される。そして、最終的にEr1
=Ec1,Er2=Ec2,即ち、V1=V2=V3になる
と、単位セル21(1)〜21(3)の放電は停止し
て、端子電圧V1,V2,V3のばらつき調整作用は終
了する。この電圧変化は、図3におけるV1とV3とを
入れ替えたものとなる。
ついて図4をも参照して説明する。この場合、 Er1=(V1+V2+V3)/3>V1=Ec1 >Ec1 Er2=2(V1+V2+V3)/3<V1+V2=Ec2 <Ec2 …(6) となることから、コンパレータ27H,28Lの出力信
号は何れも“H”となる。この時、コンパレータ27
L,28Hの出力信号は何れも“L”であり、図2に示
す真理値表では、スイッチ35(2)がオン状態“1”
となる条件が成立するので、放電回路33(2)により
単位セル21(2)が放電される。
り端子電圧V2が低下すると、電圧Ec2及びEr3が低下
するので、それに伴って分圧電位Er2,Er1も低下し、
Er1はEc1に近付いて行く。また、前述のように、Er
2,Ec2間では、端子電圧V2の低下の影響はEc2の方
が明らかに大きいので、Ec2はEr2に近付いて行く。そ
して、最終的に、Er1=Ec1,Er2=Ec2,V1=V2
=V3になると、端子電圧V1,V2,V3のばらつき
調整動作は終了する。
セル21の平均電圧に対して端子電圧V2のみが常に高
く、端子電圧V1及びV3は常に低いことから、単位セ
ル21(2)のみが終始放電されることになる。
位セル21(1)〜21(3)を直列接続してなる組電
池22の端子電圧を、抵抗23,24,25を直列に接
続してなる分圧回路26により分圧して、論理回路部3
7は、コンパレータ27H乃至28Lの出力信号に基づ
いて、単位セル21(1)〜21(3)の内端子電圧が
平均電圧よりも高いものを自動的に放電させて、最終的
に全ての単位セル21(1)〜21(3)の端子電圧を
略等しくしてばらつきを解消するようにした。
いては、論理回路部37は、正極側の連結点Jc2の電位
Ec2が対応する分圧点Jr2の電位Er2よりも高いか又は
略等しく(Ec2≧Er2)且つ負極側の連結点Jc1の電位
Ec1よりも対応する分圧点Jr1の電位Er1が高い場合
(Ec1<Er1)、または、電位Ec2が電位Er2よりも高
く(Ec2>Er2)且つ電位Ec1よりも電位Er1が高いか
又は両者が略等しい場合(Ec1≦Er1)に、端子電圧V
2が平均電圧よりも高いと判断するようにした。
路26より得られる平均電圧との高低を確実に判断し
て、各単位セル間の端子電圧、即ち、残存容量のばらつ
きを解消することができるので、過充電や過放電を防止
すると共に組電池22の使用効率を向上させることがで
きる。
度を有するが、より厳密な過充電,過放電対策が必要と
されるリチウム電池を単位セル21とする組電池22に
適用することによって、充放電を安全に制御した上でリ
チウム電池の性能を十分に引出して活用することができ
る。
使用する構成であり、そのMPUに対して安定したレベ
ルの動作用電源を供給する必要があった。そのため、従
来は、その動作用電源を駆動用電源のバッテリとは別個
に設けられている制御用電源(12Vバッテリ,所謂ガ
ソリン自動車のバッテリに相当する)から供給するよう
にしていた。
レータ27H〜41L及び論理回路部37の動作用電源
を駆動用電源たる組電池22から得るようにした。即
ち、論理回路部37は、従来とは異なり、MPUなどを
用いることなしに論理ゲートの組合わせで構成すること
ができるので、その消費電力は、従来に比して極めて僅
かとなっている。そして、組電池22は3直列構成であ
るから、その端子電圧は3.6×3=10.8(V)程
度であり、3.3〜5V程度の動作用電源の作成にも適
している。加えて、これらの回路はMPUとは異なり、
電源電圧が多少低下しても動作が可能であることから、
これらの動作用電源を組電池22から得ることができる
ようになっている。従って、前記動作用電源に対しては
相対的に容量が小さい制御用電源の電力消費を抑制する
ことができる。
2実施例を示すものであり、第1実施例と同一部分には
同一符号を付して説明を省略し、以下異なる部分につい
てのみ説明する。第2実施例では、組電池22に単位セ
ル21(4)を加えて、直列接続数を4とした組電池3
8に適用した構成である。
3及び24と同様に、抵抗比4000:1の抵抗25a
及び25bで構成され、更に、単位セル21(4)に対
応する抵抗39を直列に加えたものが分圧回路40を構
成している。そして、単位セル21(3)及び21
(4)の連結点Jc3と抵抗25bの両端とには、コンパ
レータ41H及び41L(電位比較手段)が、コンパレ
ータ28H及び28Lなどと同様に接続されている。
NOTゲート42を介してANDゲート43の一方の入
力端子に接続されており、そのANDゲート43の他方
の入力端子は、コンパレータ41Lの出力端子に接続さ
れている。また、コンパレータ28Hの出力端子は、ス
イッチ35(3)の制御端子に代えて、ANDゲート4
4の一方の入力端子に接続されており、そのANDゲー
ト44の他方の入力端子は、NOTゲート45を介して
コンパレータ41Hの出力端子に接続されている。
端子は、ORゲート46の入力端子に夫々接続されてお
り、そのORゲート46の出力端子は、スイッチ35
(3)の制御端子に接続されている。また、単位セル2
1(4)に対応して設けられた放電回路33(4)を構
成するスイッチ35(4)の制御端子は、コンパレータ
41Hの出力端子に接続されている。
ゲート42及び45,ANDゲート43及び44並びに
ORゲート46を加えたものが、論理回路部47を構成
している。また、放電回路33に論理回路部47を加え
たものが、放電制御手段を構成している。加えて、第1
実施例と同様に、コンパレータ27H〜41L並びに論
理回路部47の動作用電源は、組電池38から作成され
て供給されるようになっている。
参照して説明する。図6に示す論理回路部47の真理値
表は、下から2〜4段目は、第1実施例の図2と同様に
コンパレータ27H乃至28Lの論理で決定される。ま
た、何れのスイッチ35もオフ状態となる最下段につい
ても、コンパレータ41H,41Lが共にロウレベルで
ある条件が加わっただけである。
(3)がオン状態“1”となる条件は、スイッチ35
(2)がオン状態となるコンパレータ27H乃至28L
の論理を、コンパレータ28H乃至41Lに対して同様
に適用したものとなっている。また、最上段のスイッチ
35(4)がオン状態となる条件は、コンパレータ41
Hがハイレベルである条件となる。
位セル21(1)に対応するスイッチ35(1)のオン
条件は、正側の連結点Jc1の電位が分圧点Jr1(Jr
1′)の電位よりも高い時にハイレベルの信号を出力す
るコンパレータ27Lの出力論理のみで決定され、最も
正側となる単位セル21(4)に対応するスイッチ35
(4)のオン条件は、分圧点Jr3の電位が、負側の連結
点Jc3の電位よりも高い時にハイレベルの信号を出力す
るコンパレータ41Hの出力論理のみで決定される。
位セル21(2)に対応するスイッチ35(2)のオン
条件は、単位セル21(2)の正側に配置されたコンパ
レータ28H,28Lと、負側に配置されたコンパレー
タ27H,27Lとの出力論理で決定される。
ば、4直列構成の組電池38に適用した場合でも、第1
実施例と同様の効果を得ることができる。また、従来と
は異なり、多直列の組電池38に適用した場合でも、誤
差が累積されることがなく、精密な電圧調整を行うこと
ができる。
て、n(nは自然数)直列構成の組電池に適用した場合
を図7及び図8に示す。即ち、第i番目(1<i<n)
の単位セルCi の正側,負側の連結点をJci,Jci-1,
対応する分圧抵抗Ri ,Ri-1の連結点をJri,Jri-1
として、図示しない端子Jc0を基準とする連結点Jci,
Jci-1の電位をEci,Eci-1,連結点Jri,Jri-1の電
位をEri,Eri-1とする。
riの電位が連結点Jciの電位よりも高い時にハイレベル
の信号を出力するコンパレータをCPi H,逆に、連結
点Jciの電位が分圧点Jriの電位よりも高い時にハイレ
ベルの信号を出力するコンパレータをCPi Lとする。
また、分圧抵抗Rによって得られる単位セルCの平均電
圧をVM ,単位セルCi の端子電圧をVi とすると、各
値には(7)式の関係がある。 Vi =Eci−Eci-1 VM =Eri−Eri-1 …(7)
件、即ち、単位セルCi に対応する放電回路のスイッチ
SWi をオン状態にする条件は、 (Eci≧Eri)・(Eci-1<Eri-1) +(Eci>Eri)・(Eci-1≦Eri-1) …(8) であり、上記(8)の条件を満たすコンパレータCPの
出力条件は、図8に示すように、 となる。尚、(8)式において、シンボル“・”は論理
ANDを、シンボル“+”は論理ORを示している。
見ると、少なくともコンパレータCPi-1 Hが“H”で
ある、ということは、条件(Eci-1<Eri-1)そのもの
であり、少なくともコンパレータCPi Hが“L”であ
る、ということは、条件(Eci<Eri)の否定であるか
ら、条件(Eci≧Eri)を意味している。尚、コンパレ
ータCPi H及びCPi Lが共に“L”である、という
ことは、条件(Eci=Eri)を意味する。
ような多直列構成の組電池であっても、第1番目,第n
番目の単位セルC1 ,Cn については、コンパレータC
P1L,CPn Hの出力レベルが夫々“H”の時に対応
する放電回路のスイッチSW1 ,SWn をオン状態にす
るように、また、それらの中間にある負側から第i番目
の単位セルCi については、コンパレータCPの出力条
件が(8)式のように成立した時に、対応する放電回路
のスイッチSWi をオン状態にするように論理回路部を
構成すれば良い。
を示すものである。上述したように、本発明は、理論的
には組電池の直列数が幾つのものであっても適用するこ
とが可能である。しかしながら、実際には、使用する素
子の耐圧などの問題があるため、単位セルがセル電圧約
3.6Vのリチウム電池の場合には、4〜5直列程度の
組電池を1単位として構成するのが好ましいと考えられ
る。
に4直列構成の組電池38に、放電回路33,分圧回路
40及び論理回路部47からなる電圧調整機構を加えた
ものを1つの電池モジュール48としている。そして、
その電池モジュール48を20個直列に接続することに
より、リチウム電池の単位セル21のセル電圧3.6V
×80個で電圧約300VとなるHEVの駆動用バッテ
リ49を構成した。
て、図12に示す従来構成の電圧調整装置を適用したも
のであり、図12における単位セル2が、電池モジュー
ル48に置き換わっている。即ち、各電池モジュール4
8においては、内蔵された論理回路部47の作用によ
り、4つの単位セル21間における端子電圧のばらつき
は自動的に補正される。従って、MPU7は、電池モジ
ュール48を1個のセルのように扱うことが可能であ
る。
ば、MPU7が20個の電池モジュール48の端子電圧
を夫々電圧検出器4で周期的に測定し、マルチプレクサ
5及びA/Dコンバータ6を介して読み込むことによ
り、1個のMPU7により実質80個の単位セル21を
直列接続してなる駆動用バッテリ49の電圧調整を行う
ことができる。従って、従来とは異なり、複数のMPU
を使用する必要がないので、装置のコストを大幅に削減
することができる。
例を示すものであり、第2実施例と同一部分には同一符
号を付して説明を省略し、以下異なる部分についてのみ
説明する。第4実施例の分圧回路(分圧手段)40′
は、第2実施例の分圧回路40から小分圧抵抗23b,
24b及び25bを削除した構成となっている。
位比較手段)50(1)の反転及び非反転入力端子は、
端子Jc1及びJr1に夫々接続されており、出力端子は、
(第2実施例の端子Jc1に代わって)コンパレータ27
H及び27Lの非反転及び反転入力端子に接続されてい
る。また、差動増幅器50(1)の反転入力端子に挿入
されている抵抗57(1)と、当該反転入力端子と出力
端子との間に接続されている抵抗58(1)とは、差動
増幅器50(1)の増幅率を決定するために設けられて
いる。
H,ダイオード52H及び52L,抵抗51Lの直列回
路が接続されており、ダイオード52Hのカソード及び
52Lのアノード(共通接続点)は、端子Jc1に接続さ
れている。そして、コンパレータ27Hの反転入力端子
はダイオード52Hのアノードに接続され、コンパレー
タ27Lの非反転入力端子はダイオード52Hのカソー
ドに接続されている。
段,電位比較手段)50(2)が、端子Jc2及びJr2と
コンパレータ28H及び28Lとの間に配置され、差動
増幅器(電位差増幅手段,電位比較手段)50(3)
が、端子Jc3及びJr3とコンパレータ41H及び41L
との間に配置されている。そして、端子Jc3,Jc1間に
は、抵抗53H,ダイオード54H及び54L,抵抗5
3Lの直列回路が接続され、端子Jc4,Jc2間には、抵
抗55H,ダイオード56H及び56L,抵抗55Lの
直列回路が接続されている。その他の構成は第2実施例
と同様である。
る。例えば、差動増幅器50(1)は、端子Jr1におけ
る電位Er1と端子Jc1における電位Ec1との電位差Vd1
(=Eri−Eci)を増幅して増幅信号α・Vd1をコンパ
レータ27H及び27Lに出力する。コンパレータ27
Hは、増幅信号α・Vd1のレベルが、ダイオード52H
の順方向電圧VF よりも高い場合、即ち、 α・Vd1>VF の時に“H”を出力する。
・Vd1のレベルが負(即ち、Eri<Eci)の場合におい
て、その絶対値がダイオード52Lの順方向電圧VF よ
りも高い場合、即ち、 |α・Vd1|>VF (Vd1<0) の時に“H”を出力する。また、差動増幅器50
(2)、50(3)も夫々対応する電位について同様に
動作して、論理回路部47(図10では図示せず)は、
コンパレータ27H〜41Lの出力信号を第2実施例と
同様に論理合成する。
b,24b及び25bを用いてコンパレータ28H〜4
1Lが電位比較を行うと、実際には、動作環境の温度変
化などによって抵抗値が変化することなどから、比較動
作が安定し難いという問題がある。
池38側の電位と分圧回路40′側の電位との差Vd を
差動増幅器50により増幅してコンパレータ28H〜4
1Lに与え、コンパレータ28H〜41Lは、増幅信号
α・Vd のレベルを、安定性の良いダイオード52,5
4,56の順方向電圧VF を利用して作成された基準電
圧と比較するので、単位セル21の端子電圧Ec と平均
電圧VM との高低をより確実に判定することができ、動
作の安定性を向上させることができる。
にのみ限定されるものではなく、次のような変形または
拡張が可能である。第2実施例において、2個のNOT
ゲート32及び42を使用する代わりに、図11に示す
ように、負論理入力のANDゲート59を用いて、その
ANDゲート59の出力端子をANDゲート31及び4
3の入力端子に共通に接続しても良い。斯様に構成した
場合、当該変形部分にかかる単位セル21(2)の論理
条件は、正極側の端子電圧Ec2が分圧電位Er2にほぼ等
しい(Ec2=Er2)という条件が成立し、且つ、負極側
の端子電圧Ec1よりも分圧電位Er1が高い場合(Ec1<
Er1)に、端子電圧V2が平均電圧よりも高いと判断す
ることになる。また、単位セル21(3)については、
負極側の端子電圧Ec2が分圧電位Er2にほぼ等しい(E
c2=Er2)という条件が成立し、且つ、正極側の端子電
圧Ec3が分圧電位Er3よりも高い場合(Ec3>Er3)
に、端子電圧V3が平均電圧よりも高いと判断すること
になる。更に、図7に示すn直列構成の場合のコンパレ
ータCPi ,CPi-1 ,CPi+1 などの出力信号の論理
合成についても同様である。斯様に構成すれば、特に多
直列構成で論理回路部にディスクリートの素子を使用す
る場合などには、共通化によってゲート数を削減するこ
とができる。
池やニッケル系電池であっても同様に適用が可能であ
る。必ずしも組電池を構成する全ての単位セルについて
電圧調整を行う必要はなく、その内の特定の1個のみに
ついて、或いは特定の複数個について電圧調整を行って
も良い。電気自動車やHEVに限ることなく、複数の単
位セルを直列に接続して構成されるバッテリを使用する
ものであれば適用が可能である。
第1実施例を示す電気的構成図
の、各端子電圧の変化の一例を示す図(その1)
第2実施例を示す図1相当図
図1相当図
テリに適用した場合の第3実施例を示す図
図12相当図
3,24,25は抵抗、26は分圧回路(分圧手段)、
27H,27L,28H及び28Lはコンパレータ(電
位比較手段)、33は放電回路(放電制御手段)、37
は論理回路部(放電制御手段)、38は組電池、39は
抵抗、40及び40′は分圧回路(分圧手段)、41H
及び41Lはコンパレータ(電位比較手段)、47は論
理回路部(放電制御手段)、49は駆動用バッテリ、5
0は差動増幅器(電位差増幅手段,電位比較手段)、J
c1,Jc2,Jc3,Jci-1,Jciは連結点、Jr1,Jr2,
Jr3,Jci-1,Jciは分圧点を示す。
Claims (13)
- 【請求項1】 二次電池からなる単位セルを複数個直列
に接続して構成される組電池と、 この組電池の端子電圧を、前記単位セルの個数に応じて
分圧する分圧手段と、 前記複数の単位セル間における連結点の内、特定の連結
点の電位と、当該連結点に対応する前記分圧手段により
分圧された分圧点の電位とを比較する電位比較手段と、 この電位比較手段による比較結果に基づいて、前記特定
の連結点に対応する単位セルの端子電圧が平均電圧より
も高いと判断すると、当該単位セルを放電させるように
制御する放電制御手段とを備えたことを特徴とする組電
池の電圧調整装置。 - 【請求項2】 前記分圧手段は、前記組電池の両端子間
に前記単位セルの個数分直列接続され、且つ各抵抗値が
略等しい複数の分圧抵抗によって構成されていることを
特徴とする請求項1記載の組電池の電圧調整装置。 - 【請求項3】 前記電位比較手段及び前記放電制御手段
は、複数の連結点に対応して複数設けられていることを
特徴とする請求項1または2記載の組電池の電圧調整装
置。 - 【請求項4】 前記放電制御手段は、前記複数の内任意
の単位セルについて、当該単位セルにおける正極側及び
負極側の連結点に夫々対応する電位比較手段の比較結果
に基づいて、当該単位セルの端子電圧が平均電圧よりも
高いか否かを判断するように構成されていることを特徴
とする請求項3記載の組電池の電圧調整装置。 - 【請求項5】 前記放電制御手段は、前記正極側及び負
極側の連結点に夫々対応する電位比較手段の比較結果
が、正極側の連結点の電位が対応する分圧点の電位より
も高いか又は前記分圧点の電位に略等しく且つ負極側の
連結点の電位よりも対応する分圧点の電位が高い場合、
または、正極側の連結点の電位が対応する分圧点の電位
よりも高く且つ負極側の連結点の電位よりも対応する分
圧点の電位が高いか又は両者が略等しい場合に、前記正
極側及び負極側の連結点の間に存在する単位セルの端子
電圧が平均電圧よりも高いと判断することを特徴とする
請求項4記載の組電池の電圧調整装置。 - 【請求項6】 前記電位比較手段及び前記放電制御手段
は、前記組電池から動作用電源を得るように構成されて
いることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の
組電池の電圧調整装置。 - 【請求項7】 前記電位比較手段は、連結点と分圧点と
の電位差を増幅する電位差増幅手段を備えていることを
特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の組電池の電
圧調整装置。 - 【請求項8】 前記単位セルは、リチウム電池であるこ
とを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の組電池
の電圧調整装置。 - 【請求項9】 前記組電池は、電気自動車またはハイブ
リッド電気自動車の駆動用バッテリとして用いられるこ
とを特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載の組電池
の電圧調整装置。 - 【請求項10】 二次電池からなる単位セルを複数個直
列に接続して構成される組電池の端子電圧を、分圧手段
により前記単位セルの個数に応じて分圧し、 前記複数の単位セル間における連結点の内、特定の連結
点の電位と、当該連結点に対応する前記分圧手段により
分圧された分圧点の電位とを電位比較手段によって比較
し、 前記電位比較手段による比較結果に基づいて、放電制御
手段が、前記特定の連結点に対応する単位セルの端子電
圧が平均電圧よりも高いと判断すると、当該単位セルを
放電させることを特徴とする組電池の電圧調整方法。 - 【請求項11】 前記電位比較手段及び前記放電制御手
段は、複数の連結点に対応して複数設けられており、 各電位比較手段は、各連結点の電位と、当該連結点に対
応する分圧点の電位とを夫々比較し、 各放電制御手段は、夫々対応する電位比較手段による比
較結果に基づいて、各連結点に対応する単位セルの端子
電圧が平均電圧よりも高いと判断すると、当該単位セル
を放電させることを特徴とする請求項10記載の組電池
の電圧調整方法。 - 【請求項12】 前記放電制御手段は、前記複数の内任
意の単位セルについて、当該単位セルにおける正極側及
び負極側の連結点に夫々対応する電位比較手段の比較結
果に基づいて、当該単位セルの端子電圧が平均電圧より
も高いか否かを判断することを特徴とする請求項11記
載の組電池の電圧調整方法。 - 【請求項13】 前記放電制御手段は、前記正極側及び
負極側の連結点に夫々対応する電位比較手段の比較結果
が、正極側の連結点の電位が対応する分圧点の電位より
も高いか又は前記分圧点の電位に略等しく且つ負極側の
連結点の電位よりも対応する分圧点の電位が高い場合、
または、正極側の連結点の電位が対応する分圧点の電位
よりも高く且つ負極側の連結点の電位よりも対応する分
圧点の電位が高いか又は当該分圧点の電位が前記連結点
の電位に略等しい場合に、前記正極側及び負極側の連結
点の間に存在する単位セルの端子電圧が平均電圧よりも
高いと判断することを特徴とする請求項12記載の組電
池の電圧調整方法。
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