JP2000078815A - 記録ディスク駆動用スピンドルモータ - Google Patents

記録ディスク駆動用スピンドルモータ

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JP2000078815A
JP2000078815A JP10263955A JP26395598A JP2000078815A JP 2000078815 A JP2000078815 A JP 2000078815A JP 10263955 A JP10263955 A JP 10263955A JP 26395598 A JP26395598 A JP 26395598A JP 2000078815 A JP2000078815 A JP 2000078815A
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rotor hub
bearings
pair
recording disk
spindle motor
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JP10263955A
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Harushige Osawa
晴繁 大澤
Takayuki Oe
貴之 大江
Tomohiro Hasegawa
朋広 長谷川
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Nidec Corp
Original Assignee
Nidec Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 セラミック製転動体を有する軸受を用い、温
度変化時の軸受の予圧抜けを防止し、ロータハブの回転
を安定に維持する。 【解決手段】 記録ディスク駆動装置のベース部材に対
して立設状態に固定された固定シャフト4に、軸方向に
離間して配置されセラミック製ボール6c,8cを使用
した一対の軸受6,8を介して、記録ディスクが搭載さ
れるロータハブ10を回転自在に支持する。一対の軸受
6,8は、互いの内輪6a,8aを近接する方向に予圧
が付与されており、ロータハブ10は、温度上昇時に一
対の軸受に対するそれぞれの固着部の間の間隔を拡大す
る方向に変形するよう線膨張係数の異なる複数種の金属
材料を接合して構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハードディスク等
の記録ディスクを回転駆動する記録ディスク駆動用スピ
ンドルモータに関する。
【0002】
【従来の技術】ハードディスク等の記録ディスクを回転
駆動するスピンドルモータは、軸固定タイプの場合、駆
動装置のベース部材に対して立設状態で固定された固定
シャフトに、玉軸受よりなる一対の軸受を介して、記録
ディスクを保持するロータハブが回転自在に支持され、
ベース部材側にシャフトと同心状に固定されたステータ
に対して、ロータハブに固定された環状のロータマグネ
ットが若干の隙間を介して対向し、ステータへの通電に
よりステータとロータマグネットとの磁気的相互作用に
よりロータハブが回転し、ロータハブに搭載された記録
ディスクをこれと一体に回転するようになっている。
【0003】この場合、一対の玉軸受は、内輪又は外輪
を軸線方向において互いに向かい合う方向に押圧するこ
とにより両軸受に予圧を付与し、極めて高精度に回転で
きるようにしており、ベース部材に対するロータハブの
回転を高精度に維持できるようになっている。
【0004】このようなスピンドルモータにおいては、
通常、シャフトはステンレス鋼により形成され、また、
ロータハブは記録ディスクの材質に合わせてステンレス
鋼又はアルミニウム或いはアルミニウム合金により構成
されている。さらに、このようなロータハブを回転支持
するために使用される軸受は、内外輪及び転動体として
のボールがベアリング鋼で構成されている。
【0005】ところで、近年では、記録ディスク駆動装
置の益々の小型化、高速化、高容量化が要求され、特に
高速化に伴い、従来の鋼球を用いた軸受では、鋼球の摩
擦、摩耗、焼き付き等によるガタ及び振動の問題や、こ
の摩耗に起因する発塵による記録ディスク駆動装置内の
清浄空間の汚染等新たな問題が生じてきている。
【0006】この問題を解決する手段の一つとして、ロ
ータハブを回転自在に支持する軸受として、内外輪間に
介在されるボールをセラミックにより構成したセラミッ
クボール軸受を使用することが提唱されている。
【0007】例えば特開平6−176473号公報に
は、ロータハブを回転自在に支持するための軸受の内
輪、外輪あるいはボールのうちの少なくとも一つをセラ
ミックによって形成することが記載されている。中でも
内外輪間に介在される転動体としてのボールをセラミッ
クで構成することにより、高硬度を有するセラミック製
ボールの使用によって、ボールの摩擦、摩耗、焼き付き
に起因するガタ及び振動の発生並びに発塵の問題も解決
することができ、高速回転に対応できる。
【0008】なお、上記公報には、記録ディスク駆動装
置のベース部材とロータハブとを電気的に絶縁する手段
として、セラミック使用の軸受を用いることが示されて
いる。即ち、記録ディスクの単位面積当たりの記録容量
を増大させるために、磁気特性に優れた薄膜磁気ヘッド
や磁界の大きさによって内部抵抗が変化するMR素子を
利用した磁気ヘッドが採用されるようになってきている
が、MR素子を利用した磁気ヘッド採用の記録ディスク
駆動装置の場合、MR素子の特性上、磁気ヘッドに対し
て一定の電圧が印加される。このため記録ディスクと磁
気ヘッドとの間に電位差が生じ、磁気ヘッドが記録ディ
スクから浮上したとき記録ディスクと磁気ヘッドとの間
に放電が発生し、記録ディスクに記録された情報が破壊
されたり、磁気ヘッドが電気的に腐食するという欠点を
有している。セラミック使用の軸受を使用することによ
り、ベース部材とロータハブとを電気的に絶縁すること
ができ、上述の欠点を解決している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、例えば
軸受を構成する部材のうちボールをセラミックによって
形成し内外輪を従来と同じくベアリング鋼によって形成
した場合、記録ディスク駆動装置内の温度上昇時、シャ
フト、ロータハブ及び軸受の熱膨張が生じると、セラミ
ックによって形成されたボールと他の部材との間の線膨
張係数が著しく異なるため、内外輪とボールとの間に隙
間が生じ、一対の軸受に予圧が付与されない、予圧が抜
けた状態となり、ロータハブに回転振れ等が生じ回転特
性が悪化するという新たな問題を生じる。
【0010】本発明は、従来の技術の有するこのような
問題点に留意してなされたものであり、その目的とする
ところは、セラミック製転動体を有する軸受を用いた場
合に温度変化時の軸受の予圧抜けを防止し、ロータハブ
の回転を安定に維持することができるスピンドルモータ
を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明においては、記録ディスク駆動装置のベース
部材に対して立設状態に固定された固定シャフトに、軸
方向に離間して配置された一対の軸受を介して、記録デ
ィスクが搭載されるロータハブを回転自在に支持してな
る記録ディスク駆動用スピンドルモータにおいて、一対
の軸受は、シャフトの外周面に固着される内輪と、ロー
タハブの内周面に固着される外輪と、内輪及び外輪間に
介在されたセラミック製の複数の転動体とを備えてな
り、一対の軸受に互いの内輪を近接する方向に予圧が付
与されており、ロータハブは、温度上昇時に一対の軸受
に対するそれぞれの固着部の間の間隔を拡大する方向に
変形するよう線膨張係数の異なる複数種の金属材料を接
合して構成されていることを特徴としている(請求項
1)。ここでいう複数種金属材料の接合構造は、複数種
の金属材料の熱膨張差に伴って両固着部間を軸方向に拡
大することができる固着構造であり、少なくとも複数種
の金属材料はその軸線方向の面においてすべりなく接着
されている構造が望ましい。
【0012】ベース部材に対して立設状態に固定された
固定シャフトは、ベース部材に直接固定されていてもよ
く、ベース部材に固着されるブラケットに固定されてい
てもよい。セラミック製転動体を有する一対の軸受は、
互いの内輪を相互に近接する方向に予圧が付与されてお
り、温度上昇時には、ベアリング鋼或いはステンレス鋼
で構成された内外輪の熱膨張変形に比べ、セラミック製
転動体の熱膨張変形が小さいため、内外輪と転動体との
間に隙間が生じ、予圧抜けが生じる。
【0013】ロータハブは、線膨張係数の異なる複数種
の金属材料の接合構造になっているため、温度上昇時に
金属材料間の熱変位量の差に基づく変形力を受け、つま
りロータハブの径方向、軸方向の熱膨張が抑制されて恰
も鼓状に変形し、その内側に配置された一対の軸受に対
するそれぞれの固着部間の間隔が拡大するように変形す
る。従って、一対の軸受のそれぞれの外輪はロータハブ
の変形により互いに離れる方向に変形力を受け、両軸受
に予圧が加圧される。この結果、温度上昇時に軸受の内
外輪と転動体との間に生じる隙間が予圧の加圧により実
質上無くなり、予圧抜けが防止される。
【0014】上述した本発明において、ロータハブを、
記録ディスクを保持する円筒部及びこの円筒部より径方
向内方に位置し内周部に前記一対の軸受の外輪との固着
部が形成された一対の円盤部を有するロータハブ本体
と、前記両円盤部間の前記円筒部の内周面に接合され前
記ロータハブ本体より線膨張係数の小さい円筒体とを用
いて構成することができ(請求項2)、例えば、ロータ
ハブ本体をアルミニウム又はアルミニウム合金で構成
し、円筒体をステンレス鋼、チタン、タングステン、イ
ンバー材等により構成することができる(請求項3)。
【0015】ロータハブ本体の円筒部とこの内面の円筒
体との接合構造は、温度上昇時の円筒部の径方向外方へ
の膨張が抑制され、この状態で両円盤部が軸方向及び径
方向に熱膨張変形することにより、ロータハブは両固着
部が互いに軸方向外方へ移動するように変形する。この
結果、両固着部に固着された軸受の外輪は軸方向外方へ
の予圧力を受けることになる。
【0016】また、ロータハブを、内周部の軸方向に離
間した位置に一対の軸受のそれぞれの外輪との固着部を
形成した軸受保持筒と、軸受保持筒の外周面の軸方向に
離れた2箇所で接合し軸受保持筒に比し線膨張係数が大
きいロータハブ本体とを備えて構成することができ(請
求項4)、軸受保持筒に対するロータハブ本体の2箇所
の固着部を一対の軸受の径方向外方に位置させるのが望
ましい(請求項5)。この場合、ロータハブ本体をアル
ミニウム又はアルミニウム合金で構成し、軸受保持筒を
ステンレス鋼で構成することができる(請求項6)。
【0017】ロータハブのロータハブ本体と軸受保持筒
との接合は軸方向に離れた2箇所で行われ、この場合の
接合とは、少なくとも軸方向の滑りを生じない固着を意
味する。温度上昇時、ロータハブ本体と軸受保持筒との
熱膨張差に伴い、ロータハブ本体が軸受保持筒に比べ軸
方向に大きく延び、このロータハブ本体の変形に従って
ロータハブ本体の軸受保持筒との2箇所の固着部をそれ
ぞれ軸方向外方に引っ張る方向の力が軸受保持筒に作用
する。この結果、軸受保持筒は軸方向外方に引っ張ら
れ、軸受保持筒に軸方向に離間して外輪が固着された一
対の軸受は、それぞれの外輪に軸方向外方への変位力を
受けることにより、予圧が加圧される。この結果、温度
上昇時に軸受の内外輪と転動体との間に生じる隙間が予
圧の加圧により実質上無くなり、予圧抜けが防止され
る。
【0018】軸受保持筒とロータハブ本体との2箇所の
固着部が一対の軸受の径方向外方に位置していると、ロ
ータハブ本体と軸受保持筒との熱膨張差に伴う軸受保持
筒に作用する軸方向外方への引っ張り力は、一対の軸受
の外輪の位置で作用し、上述した加圧力が一対の軸受に
効果的に作用する。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して詳述する。まず、図1は、ハードディスク駆
動装置に適用した場合の実施の形態を示したものであ
る。
【0020】浅皿状に形成されたブラケット2には中央
部に円筒ボス部2aが形設され、この円筒ボス部2aの
内側の固定孔に固定シャフト4の下端部を圧入すること
により、ブラケット2に固定シャフト4が立設されてい
る。ブラケット2は、駆動装置のベース部材(図示せ
ず)にねじ止め等により固定され、これにより固定シャ
フト4がベース部材に対して立設状態で固定されてい
る。固定シャフト4の円筒ボス部2aより突出した部分
には、一対の軸受6,8を介して記録ディスクを保持す
るロータハブ10が回転自在に支持されている。
【0021】一対の軸受6,8は玉軸受からなり、それ
ぞれベアリング鋼により構成された内輪6a,8a及び
外輪6b,8bと、この内外輪間に介在された転動体と
しての複数のボール6c,8cと、各ボールを周方向等
間隔に保持するリテーナ及びシール部材等を備えてな
り、ボール6c,8cはセラミック、例えば窒化ケイ素
により構成されている。このセラミックボールを有する
軸受6,8の使用は、ロータハブ10とシャフト4間の
電気的絶縁を実現すると同時に、ボールの摩耗に起因す
るガタ及び振動の発生並びに発塵の問題も解決すること
が可能である。
【0022】前記ロータハブ10は、記録ディスクの中
心孔に嵌合してこれを保持する円筒外周面を有する円筒
部12a、この円筒部12aの上端に一体的に設けられ
径方向内方に延出した上側円盤部12b、及び円筒部1
2aのほぼ中腹内周面に固着され円筒部12aより径方
向内方に位置した下側円盤部12cを備え、記録ディス
クとほぼ同じ線膨張係数を有するアルミ又はアルミ合金
により構成されたロータハブ本体12と、上下円盤部1
2b,12c間の円筒部12aの内周面に接着固定され
ロータハブ本体12より線膨張係数の小さい例えばステ
ンレス鋼(SUS430)により構成された円筒体14
と、上端がロータハブ本体12の下側円盤部12cに固
定された円筒状のロータヨーク16と、このロータヨー
ク16の内周面に固着された円筒状ロータマグネット1
8とを備えてなる。ロータハブ本体12の上側円盤部1
2bの内周面は上側軸受6の外輪6aの外周面に接着固
定され、下側円盤部12cの内周面は下側軸受8の外輪
8aの外周面に接着固定されている。円筒体14はその
軸方向全面において円筒部12aに接着剤を用いて固着
されている。
【0023】ロータハブ本体12には、円筒部12aの
下部外周より外方に張り出したディスク載置部12dが
一体に設けられ、これに記録ディスクが載置されて装着
される。円筒部12aのディスク載置部12dより下方
に垂下した外周壁部12eはブラケット2の外周壁内面
と僅かな間隙を介して対向しており、ラビリンスシール
を構成している。ヨーク16は下側円盤部12cに設け
られた垂下部12fの外周に外嵌され、垂下部12fの
一部をかしめることによりヨーク16がその上面を下側
円盤部12cに当接させた状態で固定される。
【0024】円筒ボス部2aの外周面には、ステータコ
ア及びこのステータコアに巻回されたコイルを備えてな
るステータ20が外嵌固定され、ステータ20の外周面
に対し、ロータマグネット18が若干の隙間を介して対
向している。上側軸受6の上方及び下側軸受8の下方に
は、シャフト4の外周面との間でラビリンスギャップを
形成するラビリンスキャップ22,24がそれぞれ上側
円盤部12b及び下側円盤部12cに固着されて配置さ
れている。
【0025】一対の軸受6,8は、それぞれの内輪6
a,8aが互いに近接する方向に予圧が付与されてい
る。ロータハブ本体12の円筒部12aは従来のものに
比べその肉厚が大幅に小さく設定されているが、この円
筒部12aの内面に円筒体14が配置されることでその
機械的強度は補われている。円筒部12aの厚みは円筒
体14より若干大きくされている。
【0026】上述したスピンドルモータにおいて、温度
が上昇すると、一対の軸受6,8においては、内外輪6
a,6b,8a,8bを構成するベアリング鋼(SUJ
2)の線膨張係数(12.5/106)とボール6c,
8cを構成するセラミック(Si34)の線膨張係数
(3.4/106)との差により、内外輪6a,6b,
8a,8bとボール6c,8cとの間に隙間が生じる。
一方、ロータハブ10のロータハブ本体12において
は、その材質であるアルミニウム(A6061)の線膨
張係数(23.6/106)が大きいため、温度上昇に
より大きな熱変形を生じるが、この場合、円筒体14の
存在により独特の変形を生じる。
【0027】すなわち、ステンレス鋼(SUS430)
よりなる円筒体14はその線膨張係数がロータハブ本体
12に比べ遥かに小さいため(10.4/106)、円
筒体14と接合している円筒部12aは径方向及び軸方
向の膨張が抑えられるが、円筒部12aの円筒体14よ
り上下の部分では軸方向及び径方向に熱膨張し、同時に
両円盤部12b,12cも膨張する。この結果、上側円
盤部12bはその内周部が上方に向くように変形し、下
側円盤部12cはその内周部が下方に向くように変形す
る。従って、上側円盤部12bの内周面に接着された上
側軸受6の外輪6bは上方に引き上げられ、下側円盤部
12cの内周面に接着された下側軸受8の外輪8bは下
方に引き下げられ、一対の軸受6,8に予圧力が加圧さ
れる。この予圧力の増加は、一対の軸受6,8の内外輪
とボール間の隙間をなくすように作用し、従来技術で説
明したような予圧抜けが防止されることになる。
【0028】なお、円筒体14は、上述のステンレス鋼
に限らず、ロータハブ本体12の構成材料より線膨張係
数の小さい材質であればよく、前記と同様の作用により
予圧抜けを防止することが可能となる。
【0029】次に、本発明の他の実施形態について説明
する。図2に示す実施の形態は、先の実施形態と同様に
ハードディスク駆動装置用スピンドルモータを示したも
のであり、図1と同一もしくは対応するものには同一符
号を付してその詳細を省略する。
【0030】図2の実施の形態では、固定シャフト4に
対してセラミックボール使用の一対の軸受6,8を介し
て回転自在に支持されたロータハブ26が、一対の軸受
6,8を保持する軸受保持筒28と、この軸受保持筒2
8の外側に結合されたロータハブ本体30と、ロータハ
ブ本体30に上端部が固着されたロータヨーク16と、
ロータヨーク16の内周面に装着されたロータマグネッ
ト18とから構成されている。
【0031】軸受保持筒28は、ロータハブ本体30よ
り線膨張係数の小さい例えばステンレス鋼(SUS43
0)によりほぼ円筒状に構成され、軸受保持筒の上部内
周面及び下部内周面に一対の軸受6,8のそれぞれの外
輪6b,8bの外周面が接着剤にて固着され、軸受保持
筒28の中央部内周に両外輪6b,8bのそれぞれの端
面が当接してその位置決めをするための環状段部28a
が形設されている。一対の軸受6,8は、それぞれの内
輪6a,8aが互いに近接する方向に予圧が付与されて
いる。ロータハブ本体30は、アルミニウム又はアルミ
ニウム合金により構成され、記録ディスクを保持する円
筒部30a、この円筒部30aの上部及び中央部に径方
向内方に延設された円盤部30b,30c及び鍔状ディ
スク載置部30d等を備えていおり、両円盤部30b,
30cのそれぞれの内周部が軸受保持筒28に接着剤に
て固着されている。円盤部30b,30cと軸受保持筒
28との接合部は一対の軸受6,8の径方向外方に位置
している。
【0032】このような構成のスピンドルモータにおい
て、温度上昇時、ロータハブ26においては、アルミニ
ウム又はアルミニウム合金よりなるロータハブ本体30
の熱膨張がステンレス鋼よりなる軸受保持筒28のそれ
より大きいため、ロータハブ本体30の円筒部30aを
含む外周部分の軸方向の変位量に比し、軸受支持筒28
に接合されたロータハブ本体30の内周部分、つまり両
円盤部30b,30cの内周部の軸方向の変位量が小さ
くなり、ロータハブ本体30に両円盤部30b,30c
のそれぞれの外周部が軸方向外方に変位するような変形
を生じる。
【0033】この時、両円盤部30b,30cの変形に
応じ、両円盤部30b,30cと軸受保持筒28とのそ
れぞれの接合部に軸方向外方への引っ張り力が作用し、
軸受保持筒28の両端部が軸方向に延びるように引っ張
られる。この結果、軸受保持筒28の両端部内周に接着
されている一対の軸受6,8のそれぞれの外輪6b,8
bに軸方向外方への力が作用し、一対の軸受6,8に予
圧が加圧される。従って、温度上昇に伴う一対の軸受
6,8の予圧抜けが防止されることになる。
【0034】次に、図3に示す本発明の実施の形態につ
いて説明する。図3に示すスピンドルモータは、固定シ
ャフト4に対してセラミックボール使用の一対の軸受
6,8を介して回転自在に支持されたロータハブ32
が、一対の軸受6,8を保持する軸受保持筒34と、こ
の軸受保持筒34の外側に結合されたロータハブ本体3
6と、ロータハブ本体36に上端部が固着されたロータ
ヨーク16と、ロータヨーク16の内周面に装着された
ロータマグネット18とから構成されている。軸受保持
筒34はステンレス鋼(SUS430)により構成さ
れ、ロータハブ本体36は軸受保持筒34より線膨張係
数の大きいアルミニウム又はアルミニウム合金により構
成されている。
【0035】軸受保持筒34は、図2の実施形態の場合
と同様その上下内周部で軸受6,8を保持するが、図2
のものと異なる点は、軸受保持筒34の上下外周部つま
り軸受6,8の保持位置に対向する部分に肉厚のある補
強部34b,34cを形設したことであり、温度変化に
対し軸受6,8の径方向の変形をできる限り抑えるよう
にしたものである。軸受保持筒34の中央部内周面に
は、軸受6,8のそれぞれの外輪6b,8bを位置決め
するための環状段部34aが形設されている。
【0036】ロータハブ本体36は、記録ディスクを保
持する円筒部36aが比較的厚肉に形成されており、そ
の上部及び中央部の内周面において前記軸受保持筒34
の補強部34b,34cの外周面に接着剤にて固着され
ている。円筒部36aの下部外周には外方に張り出した
ディスク載置部36bが一体に設けられている。
【0037】図3に示す実施形態においては、温度上昇
時、ロータハブ本体36の円筒部36aは軸受保持筒3
4との2箇所の接合部で拘束された状態で熱膨張し、特
に円筒部36aの軸方向の変位力が軸受保持筒34の上
下部にこれを上下外方に引っ張る力として作用する。従
って、軸受保持筒34に保持された一対の軸受6,8
は、それぞれの外輪6b,8bが軸方向外方に変位され
ることにより予圧力が加えられることになり、温度上昇
に伴う予圧抜けが防止されることになる。加えて、この
実施形態にあっては、線膨張係数の小さい軸受保持筒3
4に一対の軸受6,8に対応して補強部34b,34c
が設けられていることから、軸受6,8の半径方向外方
への変形が極力抑えられることになる。
【0038】図2及び図3の実施形態におけるロータハ
ブ本体30,36及び軸受保持筒28,34は、両者の
線膨張係数の大きさが上述した関係を満足すれば、上記
した材料に限るものではない。
【0039】以上、本発明の実施形態について説明した
が、本発明は上記実施形態に限定するものではなく、本
発明の主旨を逸脱することなく、種々変更又は修正が可
能である。
【0040】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、次に記載する効果を奏する。請求項1に記
載の記録ディスク駆動用スピンドルモータにあっては、
セラミック転動体を用いた一対の軸受により回転自在に
支持されたロータハブを線膨張係数の異なる複数種の金
属材料の接合構造とし、温度上昇時に、軸方向の熱膨張
が抑制され、恰も鼓状に変形してその内側に配置された
一対の軸受に対するそれぞれの固着部間の間隔が拡大す
るように変形するので、一対の軸受のそれぞれの外輪を
互いに離れる方向に変位させて両軸受に予圧を加えるこ
とができ、温度上昇時に軸受の内外輪と転動体との間に
生じる隙間を実質上無くして予圧抜けを防止することが
できる。この結果、セラミック転動体軸受の使用により
駆動装置のベース部材と記録ディスクとの電気的絶縁を
保った上で、温度変化時の軸受の予圧抜けを確実に防止
し、ロータハブの回転を安定に維持することができるも
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示すスピンドルモ
ータの軸断面図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態を示すスピンドルモ
ータの軸断面図である。
【図3】本発明の第3の実施の形態を示すスピンドルモ
ータの軸断面図である。
【符号の説明】
4 固定シャフト 6、8 軸受 6a、8a 内輪 6b、8b 外輪 6c、8c ボール 10、 26、32 ロータハブ 12、30、36 ロータハブ本体 12a 円筒部 12b、12c 円盤部 14 円筒体 28、34 軸受保持筒
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5D109 BA04 BA14 BA16 BA18 BA20 BA32 BB01 BB04 BB05 BB16 BB21 BB27 BB31 5H605 AA05 AA15 BB05 BB14 BB19 CC03 CC04 DD01 DD03 DD05 DD07 EA06 EA14 EB04 EB10 EB17 EB38 FF00 FF03 FF10 5H621 BB07 GA01 GA04 HH05 JK02 JK08 JK10 JK15 JK18 JK19 PP05

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録ディスク駆動装置のベース部材に対
    して立設状態に固定された固定シャフトに、軸方向に離
    間して配置された一対の軸受を介して、記録ディスクが
    搭載されるロータハブを回転自在に支持してなる記録デ
    ィスク駆動用スピンドルモータにおいて、 前記一対の軸受は、前記シャフトの外周面に固着される
    内輪と、前記ロータハブの内周面に固着される外輪と、
    内輪及び外輪間に介在されたセラミック製の複数の転動
    体とを備えてなり、該一対の軸受には互いの内輪を近接
    する方向に予圧が付与されており、 前記ロータハブは、温度上昇時に前記一対の軸受に対す
    るそれぞれの固着部の間の間隔を拡大する方向に変形す
    るよう、線膨張係数の異なる複数種の金属材料を接合し
    て構成されていることを特徴とする記録ディスク駆動用
    スピンドルモータ。
  2. 【請求項2】 前記ロータハブは、前記記録ディスクを
    保持する円筒部、及びこの円筒部より径方向内方に位置
    し内周部に前記一対の軸受の外輪との固着部が形成され
    た一対の円盤部を有するロータハブ本体と、前記両円盤
    部間の前記円筒部の内周面に接合され前記ロータハブ本
    体より線膨張係数の小さい円筒体とを用いて構成されて
    いる請求項1に記載の記録ディスク駆動用スピンドルモ
    ータ。
  3. 【請求項3】 前記ロータハブ本体はアルミニウム又は
    アルミニウム合金により構成され、前記円筒体はステン
    レス鋼、チタン、タングステン、インバー材等により構
    成されている請求項2に記載の記録ディスク駆動用スピ
    ンドルモータ。
  4. 【請求項4】 前記ロータハブは、内周部の軸方向に離
    間した位置に前記一対の軸受のそれぞれの外輪との固着
    部を形成した軸受保持筒と、該軸受保持筒の外周面の軸
    方向に離れた2箇所で接合し前記軸受保持筒に比し線膨
    張係数が大きいロータハブ本体とを備えてなる請求項1
    に記載の記録ディスク駆動用スピンドルモータ。
  5. 【請求項5】 前記軸受保持筒に対する前記ロータハブ
    本体の2箇所の固着部は、前記一対の軸受の径方向外方
    に位置している請求項4に記載の記録ディスク駆動用ス
    ピンドルモータ。
  6. 【請求項6】 前記ロータハブ本体はアルミニウム又は
    アルミニウム合金で構成され、前記軸受保持筒はステン
    レス鋼で構成されている請求項4又は5に記載の記録デ
    ィスク駆動用スピンドルモータ。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1136999A2 (en) * 2000-03-16 2001-09-26 Minebea Kabushiki Kaisha Spindle motor
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WO2019111430A1 (ja) * 2017-12-04 2019-06-13 三菱電機株式会社 電動機及び電動送風機

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