JP2000074090A - ダンパーディスク組立体 - Google Patents

ダンパーディスク組立体

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JP2000074090A
JP2000074090A JP10246999A JP24699998A JP2000074090A JP 2000074090 A JP2000074090 A JP 2000074090A JP 10246999 A JP10246999 A JP 10246999A JP 24699998 A JP24699998 A JP 24699998A JP 2000074090 A JP2000074090 A JP 2000074090A
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Japan
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friction
pair
hub
plate
spring
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JP10246999A
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English (en)
Inventor
Hideki Hashimoto
秀樹 橋本
Takashi Harada
貴司 原田
Keisuke Fujioka
啓介 藤岡
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Exedy Corp
Original Assignee
Exedy Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 分離ハブ型クラッチディスク組立体におい
て、一段目のヒステリシストルクの大きさを安定させ
る。 【解決手段】 クラッチディスク組立体1は、1対のプ
レート31,32と、ハブフランジ18と、第1バネ1
6と、ハブ3と、固定プレート20と、ブッシュ19と
を備えている。固定プレート20は、ハブフランジ18
とプレート32との間に配置され、ハブフランジ18か
らトルクを入力される。ブッシュ19は、固定プレート
20にハブフランジ18側から当接し、ハブ3にトルク
を出力する。第2コーンスプリング78はブッシュ19
を固定プレート20に圧接させる。摩耗追従機構は、固
定プレート20がプレート31側へ移動するのを制限す
ると共に、ブッシュ19と固定プレート20との間での
摩耗に応じて固定プレート20がプレート31側へ移動
するのを許容する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ダンパーディスク
組立体、特に、分離ハブ型ダンパーディスク組立体に関
する。
【0002】
【従来の技術】車輌のクラッチに用いられるクラッチデ
ィスク組立体(ダンパーディスク組立体)は、フライホ
イールに連結及び連結解除するためのクラッチ機能と、
フライホイールから伝達された捩り振動を吸収・減衰す
るためのダンパー機能とを有している。クラッチディス
ク組立体は、クラッチディスクと、クラッチディスクに
固定された1対の入力プレートと、入力プレートの内周
側に配置されたハブと、ハブと入力プレートとを回転方
向に弾性的に連結する弾性部材とを備えいてる。弾性部
材は入力プレートとハブとの間に配置され両者が相対回
転すると回転方向に圧縮されるようになっている。クラ
ッチディスクがフライホイールに連結されると、フライ
ホイールからクラッチディスク組立体の入力プレートに
トルクが入力される。トルクは弾性部材を介してハブに
伝達され、さらにトランスミッションから延びるシャフ
トに出力される。エンジンからのトルク変動がクラッチ
ディスク組立体に入力されると、1対の入力プレートと
ハブとの間で相対回転が生じ、弾性部材が円周方向に繰
り返し圧縮される。
【0003】クラッチディスク組立体は摩擦機構をさら
に備えている。摩擦機構は、入力プレートとハブとの間
に配置され、両部材が相対回転するときに摩擦抵抗を発
生する。摩擦機構は複数のワッシャーや付勢部材から構
成されている。分離ハブ型クラッチディスク組立体は、
ハブの従来のフランジをボスから分離してハブフランジ
(分離フランジ)にするとともに、ボスとハブフランジ
を低剛性の弾性部材により回転方向に連結したものであ
る。このクラッチディスク組立体では、入力プレートと
ハブとの捩り角度が広くなり、さらに2段階の剛性(低
剛性・高剛性)が得られる。
【0004】前記従来の分離ハブ型クラッチディスク組
立体では、例えば、リテーニングプレート(1対の入力
プレートの一方)とハブのボスとの間に小摩擦機構が設
けられ、リテーニングプレートとハブフランジとの間に
大摩擦機構が設けられている。大摩擦機構は、ハブフラ
ンジに当接しさらにリテーニングプレートに相対回転不
能にかつ軸方向に移動可能に係合する第1摩擦部材と、
第1摩擦部材とリテーニングプレートとの間に配置され
第1摩擦部材をハブフランジ側に付勢する第1付勢部材
とから構成されている。小摩擦機構は、ハブのフランジ
に当接しかつリテーニングプレートに相対回転不能にか
つ軸方向に移動可能に係合する第2摩擦部材と、第2摩
擦部材とリテーニングプレートとの間に配置され第2摩
擦部材をフランジ側に付勢する第2付勢部材とから構成
されている。一般に、第1摩擦部材は第2摩擦部材より
摩擦係数が高く、第1付勢部材は第2付勢部材より付勢
力が大きく設定されている。このため、大摩擦機構は小
摩擦機構より大きな摩擦(高ヒステリシストルク)を発
生する。
【0005】ハブフランジとハブとが相対回転する1段
目の捩り角度範囲では、低剛性の弾性部材が圧縮され、
小摩擦機構において第2摩擦部材がボスのフランジに対
して摺動する。ここでは、低剛性・低ヒステリシストル
クの特性が得られる。ハブフランジがボスと一体回転し
だすと、それ以後はハブフランジと1対の入力プレート
との間で相対回転が生じる。この2段目範囲では、高剛
性の弾性部材がハブフランジと1対の入力プレートとの
間で圧縮され、大摩擦機構において第2摩擦部材がハブ
フランジに対して摺動する。そのため、高剛性・高ヒス
テリシストルクの特性が得られる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の分離ハブ型
クラッチディスク組立体では、小摩擦機構の摩擦部材の
摩耗が進行すると、第1付勢部材の姿勢が変化する。こ
の結果、第1付勢部材の付勢力が変化し、一段目で発生
するヒステリシストルクの大きさが変化する。特に付勢
部材がコーンスプリングである場合は、摩耗が進むにつ
れてコーンスプリングの付勢力は一旦増加しその後減少
する。
【0007】本発明の目的は、分離ハブ型クラッチディ
スク組立体において、一段目のヒステリシストルクの大
きさを安定させることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載のダンパ
ーディスクは、1対の回転プレートと、中間体と、弾性
部材と、出力ハブと、摩擦部材と、付勢部材と、摩耗追
従機構とを備えている。1対の回転プレートは軸方向に
間隔をあけて配置され互いに固定されている。中間体は
1対の回転プレートの軸方向間において1対の回転プレ
ートの一方に近接して配置されている。弾性部材は1対
の回転プレートと中間体とを回転方向に弾性的に連結す
る。出力ハブは1対の回転プレート及び中間体の内周側
に配置されている。摩擦部材は、中間体に1対の回転プ
レートの他方側から当接し、出力ハブにトルクを出力可
能である。付勢部材は、出力ハブに支持され、摩擦部材
を1対の回転プレートの他方側に付勢しそれにより摩擦
部材を中間体に圧接させる。摩耗追従機構は、中間体が
1対の回転プレートの一方側へ移動するのを制限すると
共に、摩擦部材と中間体との間での摩耗に応じて中間体
が1対の回転プレートの一方側へ移動するのを許容す
る。
【0009】請求項1に記載のダンパーディスク組立体
では、捩り角度の小さな範囲では出力ハブと中間体とが
相対回転し、そのときに摩擦部材と中間体とが互いに摺
動し所定の摩擦を発生させる。捩り角度が大きくなる
と、1対の回転プレートと中間体とが相対回転し、両者
の間で弾性部材が回転方向に圧縮される。摩擦部材と中
間体との間の摩擦面は円周方向に互いに摺動することで
摩擦を発生する。このとき摩擦面で摩耗が生じるため、
摩擦部材が1対の回転プレートの他方側に移動し、付勢
部材の姿勢が変化してしまう可能性がある。しかし、こ
のダンパーディスク組立体では、摩耗追従機構によって
中間体が1対の回転プレートの一方側へ移動する。した
がって、摩擦部材の出力ハブに対する軸方向位置は余り
変化せず、その結果付勢部材の姿勢が維持される。この
ようにしてダンパーディスク組立体における捩り角度の
一段目のヒステリシストルクの大きさが安定する。
【0010】請求項2に記載のダンパーディスク組立体
では、請求項1において、摩耗追従機構は付勢機構と支
持機構とを含んでいる。付勢機構は、中間体を付勢部材
の付勢力より大きな付勢力で1対の回転プレートの一方
側に付勢している。支持機構は中間プレートの1対の回
転プレートの一方側を支持する。請求項2に記載のダン
パーディスク組立体では、摩耗追従機構の付勢機構が中
間体を1対の回転プレートの一方側に付勢している。そ
して中間体は摩耗追従機構の支持機構によって支持され
ている。ここでは、例えば摩擦部材と中間体との間の摩
耗があるときに、中間体が1対の回転プレートの一方側
に移動することができれば、付勢部材は初期の状態を保
つことができる。
【0011】請求項3に記載のダンパーディスク組立体
では、請求項2において、付勢機構はバネを含んでい
る。バネは中間体と1対の回転プレートの一方との間に
圧縮された状態で配置されている。請求項4に記載のダ
ンパーディスク組立体では、請求項2又は3において、
支持機構は摩擦機構を含んでいる。摩擦機構は中間体と
1対の回転プレートの一方との間に配置され、中間体が
1対の回転プレートの一方側に移動するのを制限し、1
対の回転プレートと中間体が相対回転すると摺動し摩耗
することで中間体が1対の回転プレートの一方側に移動
するのを許容する。
【0012】請求項4に記載のダンパーディスク組立体
では、摩擦機構が中間体の移動を制限し、自らが摩耗す
ることで中間プレートの移動を許容する。請求項5に記
載のダンパーディスク組立体では、請求項4において、
摩擦機構の摩耗量は摩擦部材の摩耗量と同等となるよう
に設定されている。請求項5に記載のダンパーディスク
組立体では、摩擦機構の摩耗量が摩擦部材の摩耗量と同
等となるように設定されているため、摩擦部材及び付勢
部材の軸方向の位置は長期間に渡って正確に維持され
る。
【0013】
【発明の実施の形態】図1〜図5に、本発明の一実施形
態としてのクラッチディスク組立体1を示す。クラッチ
ディスク組立体1は車輌のクラッチに用いられる。図3
〜図5のクラッチディスク組立体の左側には図示しない
エンジン及びフライホイールが配置され、図3〜図5の
右側には図示しないトランスミッションが配置されてい
る。以後、図3〜図5の左側を第1軸方向側(エンジン
側)と呼び、図3〜図5の右側を第2軸方向側(トラン
スミッション側)と呼ぶ。各図のO−Oはクラッチディ
スク組立体1の回転軸線すなわち回転中心であり、図1
に示す矢印R1はフライホイール及びクラッチディスク
組立体1の回転方向(正側)であり、R2はその反対回
転方向(負側)である。
【0014】概略説明 クラッチディスク組立体1は、図6の機械回路図に示す
ように、主に、入力回転体2と、ハブ3(出力回転体)
と、その中間に配置されたダンパー機構4とから構成さ
れている。ダンパー機構4は、さらに、捩り角度の2段
目特性をもたらす第1ダンパー機構5と、捩り特性の1
段目の特性をもたらす第2ダンパー機構6とから構成さ
れている。第1ダンパー機構5と第2ダンパー機構6と
は間にハブフランジ18(中間プレート)を介して入力
回転体2とハブ3との間に直列に作用するように配置さ
れている。
【0015】第1ダンパー機構5は、第1バネ16やバ
ネ17からなる第1弾性機構7と、ハブフランジ18と
入力回転体2とが相対回転するときに摩擦を発生する第
1摩擦機構8と、ハブフランジ18と入力回転体2との
相対回転角度を規制するための機構であり捩じり角度θ
2+θ3だけ入力回転体2とハブフランジ18との相対
回転を許容している第1ストッパー11とから構成され
ている。第1弾性機構7、第1摩擦機構8及び第1スト
ッパー11はハブフランジ18と入力回転体2との間に
並列に作用するように配置されている。
【0016】第2ダンパー機構6は、主に、第2弾性機
構9と、第2摩擦機構10と、第2ストッパー12とか
ら構成されている。第2弾性機構9の第2バネ21は第
1弾性機構7の第1バネ16よりバネ定数が小さく設定
されている。第2摩擦機構10は第1摩擦機構8で発生
する摩擦より小さな摩擦を発生するように設定されてい
る。第2ストッパー12はハブ3とハブフランジ18と
の相対回転を規制するための機構であり、捩り角度θ1
だけハブ3とハブフランジ18との相対回転を許容して
いる。第2弾性機構9,第2摩擦機構10及び第2スト
ッパー12はハブ3とハブフランジ18との間で並列に
作用するように配置されている。
【0017】詳細説明 次に、クラッチディスク組立体1の各構造について詳細
に説明する。入力回転体2は、クラッチプレート31
と、リテーニングプレート32と、クラッチディスク3
3とから構成されている。クラッチプレート31及びリ
テーニングプレート32は円板状又は環状のプレート部
材であり、互いに対して軸方向に所定距離だけ離れて配
置されている。クラッチプレート31は第1軸方向側に
配置されており、リテーニングプレート32は第2軸方
向側に配置されている。クラッチプレート31とリテー
ニングプレート32の外周部は円周方向に並んで配置さ
れた複数のストップピン40により互いに固定されてい
る。これにより、クラッチプレート31とリテーニング
プレート32との軸方向距離が定められ、さらに両プレ
ート31, 32は一体回転する。クラッチプレート31
の外周部には、クラッチディスク33のクッショニング
プレート41が複数のリベット43により固定されてい
る。クッショニングプレート41の両側に環状の摩擦フ
ェーシング42が固定されている。
【0018】クラッチプレート31及びリテーニングプ
レート32には、円周方向に等間隔で複数の第1収容部
34が形成されている。第1収容部34は軸方向に僅か
に膨らんだ部分であり、円周方向両側に第1支持部35
を有している。第1支持部35は円周方向に互いに対向
している。さらに、クラッチプレート31及びリテーニ
ングプレート32には、円周方向に等間隔で複数の第2
収容部36が形成されている。第2収容部36は各第1
収容部34のR1側に隣接して配置されている。第2収
容部36は円周方向両側に第2支持部37を有してい
る。各第2収容部36は第1収容部34に対して半径方
向及び円周方向に長く形成されている。
【0019】リテーニングプレート32の外周縁には第
2軸方向側に折り曲げられた複数の折り曲げ部51が形
成されている。折り曲げ部51はストップピン40に対
応して形成されている。折り曲げ部51によりストップ
ピン40周辺及びストップピン40の強度が向上してい
る。このためストップピン40をクラッチプレート31
及びリテーニングプレート32に対して最も半径方向外
側に配置でき、その結果ストッパートルクを高くでき
る。さらに折り曲げ部51はリテーニングプレート32
の半径方向を長くしないため、従来の同じ強度のものに
比べて半径方向のスペースを小さくできる。半径方向の
スペースを従来と同様に保つ場合には、ストップピンを
従来よりさらに半径方向外方に配置できる。折り曲げ部
51は部分的にしか形成されていないため、板金材料を
節約できる。
【0020】ハブフランジ18はクラッチプレート31
及びリテーニングプレート32の間すなわち両部材の軸
方向間に配置されている。ハブフランジ18は入力回転
体2とハブ3との間の中間部材として機能する。ハブフ
ランジ18はプレート31,32に比べて厚肉の円板状
又は環状の部材である。ハブフランジ18には、第1収
容部34に対応して第1窓孔57が形成されている。第
1窓孔57は第1収容部34に対して形成されている。
第1窓孔57の円周方向角度は第1収容部34の第1支
持部35間の円周方向角度より小さくなっている。そし
て第1窓孔57の回転方向中心は第1収容部34の回転
方向中心とほぼ一致している。このため、第1窓孔57
の円周方向両端と第1収容部34の第1支持部35との
間には円周方向両側にそれぞれ捩り角度θ2だけの隙間
が確保されている。第1窓孔57内にはバネ17が配置
されている。バネ17はコイルスプリングであり、円周
方向両端が第1窓孔57の円周方向両端に当接してい
る。この状態で、バネ17の円周方向両端は第1収容部
34の第1支持部35に対してそれぞれ捩り角度θ2だ
け隙間をあけている。
【0021】ハブフランジ18には、第2収容部36に
対応した位置に第2窓孔56が形成されている。第2窓
孔56は半径方向及び円周方向長さが第2収容部36に
ほぼ一致している。第1バネ16は第2窓孔56内に配
置されている。第1バネ16は2組のコイルスプリング
が組み合わされてなる弾性部材であり、円周方向両端が
第2窓孔56の円周方向両端に当接している。また、第
1バネ16の円周方向両端は第2収容部36の第2支持
部37に当接している。ハブフランジ18の内周部に
は、軸方向両側に延びる筒状部59が形成されている。
筒状部59には、半径方向内側に延びる複数の内周歯6
1が形成されている。
【0022】ハブ3は、プレート31, 32及びハブフ
ランジ18の内周部すなわち各部材の中心孔内に配置さ
れた筒状の部材である。ハブ3は主に筒状のボス62か
ら構成されている。ボス62の中心孔には複数のスプラ
イン63が形成されている。このスプライン63がトラ
ンスミッションから延びるシャフトのスプラインに係合
することで、ハブ3からシャフトに出力が可能となって
いる。ボス62には半径方向外方に延びるフランジ64
が形成されている。この実施形態ではフランジ64の半
径方向幅は僅かである。フランジ64には、さらに半径
方向外方に延びている複数の外周歯65が形成されてい
る。外周歯65はボス62から半径方向外側に延びるフ
ランジの一部を形成していると考えてもよい。外周歯6
5はハブフランジ18の筒状部59に対応する半径方向
長さを有している。外周歯65は内周歯61の円周方向
間に延びており、円周方向両側にそれぞれ所定の捩じり
角度θ1だけ隙間を有している。また、外周歯65から
見てそのR2側の捩り角度θ1はR1側の捩り角度θ1
に比べてやや大きく設定されている。内周歯61及び外
周歯65はそれぞれ半径方向先端に向かって円周方向幅
が狭くなる形状である。
【0023】内周歯61と外周歯65は円周方向全体に
わたって形成されており、両者の当接可能な面積が増大
している。つまり従来とは異なり、歯の一部を省略して
低剛性弾性部材配置用の切欠きを形成していない。この
結果、内周歯61と外周歯65との接触面積が増大して
いる。すなわち、両部材間での面圧が下がり、摩耗や破
損が生じにくくなっている。このため歯の一部を切り欠
いたものに対し、省スペースで高トルクの特性を実現で
きる。
【0024】次に第2ダンパー機構6について説明す
る。第2ダンパー機構6は、ハブ3とハブフランジ18
との間でトルクを伝達するとともに、捩り振動を吸収・
減衰するためのものである。第2ダンパー機構6の第2
弾性機構9は主に第2バネ21から構成されている。第
2ダンパー機構6の第2摩擦機構10はブッシュ19
と、固定プレート20と第2コーンスプリング78とか
ら構成されている。すなわち、第2ダンパー機構6はハ
ブ3とハブフランジ18の係合部である内周歯61及び
外周歯65から軸方向にずれた位置にある。より具体的
に述べると、第2ダンパー機構6は内周歯61及び外周
歯65からトランスミッション側にずれて配置されてい
る。これにより外周歯65と内周歯61の接触面積を充
分に確保できる。また、第2ダンパー機構6が内周歯6
1と外周歯65との間に配置されていないため、従来と
は異なり、第2バネ21の掛かり代を充分に確保でき
る。この結果、スプリングシートを省略でき、そのため
第2バネ21の組み付け性が向上している。
【0025】固定プレート20は、第2ダンパー機構6
において入力側の部材として機能する。すなわち、固定
プレート20はハブフランジ18からのトルクが入力さ
れる部材である。固定プレート20は、ハブフランジ1
8の内周部とリテーニングプレート32の内周部との間
に配置された板金製の薄肉プレート部材である。固定プ
レート20は、図8〜11に示すように、第1円板状部
71と、第1円板状部71の内周縁から第2軸方向(ト
ランスミッション側)に延びる筒状部72と、筒状部7
2からさらに半径方向内側に延びる第2円板状部73と
から構成されている。
【0026】固定プレート20の第1円板状部71とハ
ブフランジ18との間にはスペーサ80が配置されてい
る。スペーサ80は、ハブフランジ18に固定プレート
20を回転方向に連結するとともに、固定プレート20
からハブフランジ18側へ作用する力を受ける役割を有
している。スペーサ80は、環状部81と、環状部81
から半径方向外側に突出する複数の突出部82とを有し
ている。突出部82には、外周縁に2つの切欠き83が
形成されている。また、突出部82から第1軸方向側に
延び、ハブフランジ18に形成された係合孔58に挿入
された突起84が延びている。突起84は、係合孔58
に対して半径方向には僅かに移動可能にかつ回転方向に
は相対移動不能に係合している。
【0027】固定プレート20の第1円板状部71に
は、円周方向に等間隔で半径方向外方に突出する複数の
突出部74が形成されている。この突出部74は、スペ
ーサ80の突出部82に対応して形成されている。固定
プレート20の突出部74には、スペーサ80の突出部
82に形成された切欠き83に係合する爪75が形成さ
れている。以上に述べた構造において、固定プレート2
0はスペーサ80を介してハブフランジ18に相対回転
不能となるようにすなわちハブフランジ18からトルク
が入力され得るようになっている。また、固定プレート
20はスペーサ80を介してハブフランジ18に第1軸
方向側を支持されるようになっている。なお、固定プレ
ート20はスペーサ80及びハブフランジ18から第2
軸方向側には移動可能となっている。
【0028】次に、固定プレート20とリテーニングプ
レート32との間に形成された第1摩擦機構8について
説明する。第1摩擦機構8は、第1摩擦ワッシャー48
と、第1コーンスプリング49とから構成されている。
第1摩擦ワッシャー48は、リテーニングプレート32
に対して相対回転不能かつ軸方向に移動自在に係合し、
固定プレート20に対して摺動することで摩擦を発生す
るための摩擦部材である。第1摩擦ワッシャー48は主
に環状の樹脂部材からなる。第1摩擦ワッシャー48は
樹脂製の環状部85を有している。
【0029】環状部85において固定プレート20側に
は摩擦材86がモールド又は接着されている。摩擦材8
6は第1摩擦ワッシャー48と固定プレート20との間
の摩擦係数を高めるための部材であり、環状又は円板状
に延びている。環状部85の内周部には、第2軸方向側
に延びる複数の回転方向係合部87が形成されている。
回転方向係合部87は、リテーニングプレート32の中
心孔52(内周縁)に形成された複数の切欠き53内に
挿入されている。これにより、第1摩擦ワッシャー48
はリテーニングプレート32に対して相対回転不能にか
つ軸方向に移動自在に係合している。さらに、環状部8
5には、外周縁から半径方向外側に延びさらにそこから
第2軸方向側に延びる係合部88が形成されている。係
合部88は比較的細い形状であり、先端に爪部が形成さ
れている。係合部88はリテーニングプレート32に形
成された孔54内に挿入され、爪部がリテーニングプレ
ート32に係合している。係合部88は係合状態で半径
方向外方に自らを付勢しており、孔54に圧接してい
る。このためサブアッシー組み付け後にも第1摩擦ワッ
シャー48はリテーニングプレート32から外れにく
い。このように第1摩擦ワッシャー48においてトルク
を伝達するための係合部(回転方向係合部87)とリテ
ーニングプレート32に対して部材を仮止めするための
係合部(係合部88)とを別々に設け、係合部88を細
く撓み可能な形状にしている。係合部88は剛性が低い
ためサブアッシー時に折れにくい。このため、回転方向
係合部87にはサブアッシー組立時に力が作用せず、従
来の樹脂製摩擦ワッシャーにおいて半径方向係合部にリ
テーニングプレートへの係合の爪部を持たせたものに比
べても破損しにくい。また、サブアッシー組立時に圧入
機が不要になり、設備費が低減できる。
【0030】第1コーンスプリング49は、第1摩擦ワ
ッシャー48とリテーニングプレート32の内周部との
間に配置されており、両部材間で軸方向に圧縮された配
置となっている。第1コーンスプリング49は、外周端
がリテーニングプレート32に支持され、内周端が第1
摩擦ワッシャー48の環状部85に当接している。第1
コーンスプリング49の内周側には、複数の切欠き49
aが形成されている。この切欠き49aによって複数の
突起が内周縁に形成されていると見なしてもよい。切欠
き49a内には第1摩擦ワッシャー48の回転方向係合
部87の外周側に形成された突起部分が挿入されてい
る。これにより、第1コーンスプリング49は第1摩擦
ワッシャー48と相対回転不能に係合している。
【0031】固定プレート20の第2円板状部73に
は、円周方向に等間隔で複数の切り起こし部76が形成
されている。切り起こし部76は、第2円板状部73の
内周側から軸方向に切り起こされた形状であり、第2円
板状部73における他の部分に比べて第2軸方向側に配
置されている。この切り起こし部76が形成された部分
には、第2円板状部73において切欠き部分が形成され
ている。切欠き部分の円周方向両端には支持部77が形
成されている。
【0032】ブッシュ19は、第2ダンパー機構6にお
いて出力側の部材として機能し、ハブ3に相対回転不能
に係合している。さらに詳細に説明すると、ブッシュ1
9は、ハブフランジ18の内周歯61及びハブ3の外周
歯65の第2軸方向側で固定プレート20の筒状部72
の内周側、さらにはボス62の第2軸方向側部分の外周
側の空間に配置された環状の樹脂製部材である。ブッシ
ュ19は、図12〜19に示すように環状部89から主
に構成されている。環状部89には、第2軸方向側面に
円周方向に等間隔で複数のバネ収容部90が形成されて
いる。バネ収容部90は固定プレート20の切り起こし
部76すなわち切欠き部分に対応して形成されている。
バネ収容部90はブッシュ19の第2軸方向側面に形成
された凹部である。この凹部は図14及び15に示すよ
うに断面で円の一部を構成するように滑らかに形成され
ている。また、各バネ収容部90の半径方向及び円周方
向中心には軸方向に貫通する孔が形成されている。さら
には、環状部89の内周部には、第2軸方向側に延びる
筒状の内周支持部91が形成されている。この内周支持
部91を含めたブッシュ19の内周面91aは、ボス6
2の外周面に当接又は近接している。さらに、ブッシュ
19の環状部89に形成された第2軸方向側面89aは
固定プレート20の第2円板状部73の第1軸方向側面
に当接している。ここでは、ブッシュ19の環状部89
と固定プレート20の第2円板状部73との間で第2摩
擦機構10が形成されている。
【0033】各バネ収容部90内には第2バネ21が配
置されている。第2バネ21は、第1バネ16やバネ1
7に対して小型のコイルスプリングであり、バネ定数が
小さい。第2バネ21は、バネ収容部90内に配置さ
れ、円周方向両端がバネ収容部90の円周方向両端に当
接又は近接している。第2バネ21は、バネ収容部90
内において、ブッシュ19によって軸方向内側(第1軸
方向側)及び内周側を支持されている。
【0034】第2バネ21の円周方向両端には、固定プ
レート20の支持部77が回転方向に係合(当接)して
いる。これにより、固定プレート20からのトルクは第
2バネ21を介してブッシュ19に伝達されるようにな
っている。第2バネ21の円周方向端面はバネ収容部9
0の円周方向端部によって第1軸方向側が全面的に支持
されている。また、第2バネ21の円周方向端面は支持
部77が半径方向にわたって支持している。このように
第2バネ21は円周方向両端の掛かり代が大きくなって
いる。言い換えると、第2バネ21の円周方向両端にお
いて支持される部分の面積が増えている。これは第2バ
ネを従来のハブとハブフランジの間から軸方向にずらし
た位置に配置することで可能になっている。以上の結果
スプリングシートを廃止することができ、部品点数が減
っている。
【0035】また、第2バネ切り起こし部76は第2バ
ネ21の軸方向外側(第2軸方向側)を支持するように
配置されている。このようにして、第2バネ21は固定
プレート20によって外周側及び軸方向外側を支持され
ている。ブッシュ19には、環状部89から第1軸方向
側に延びる係合部99が形成されている。係合部99は
第1軸方向側に延びる突起であり、ブッシュ19のトル
クをハブ3に伝達するための構成である。係合部99は
断面が外周歯65間の隙間に合った形状をしており、ハ
ブ3の外周歯65の間に挿入され各外周歯65に対して
円周方向に移動不能に係合している。
【0036】第2コーンスプリング92は第2摩擦機構
10において第2円板状部73と環状部89とを軸方向
に互いに付勢するための付勢部材である。第2コーンス
プリング92は、ハブ3の外周歯65及びハブフランジ
18の内周歯61とブッシュ19との軸方向間に配置さ
れている。第2コーンスプリング92は内周部がハブ3
のフランジ64に支持され、外周部がブッシュ19の環
状部89に当接している。第2コーンスプリング92は
軸方向に圧縮された状態であり、ブッシュ19を第2軸
方向側に付勢している。この結果、ブッシュ19の環状
部89の第2軸方向側面89aと固定プレート20の第
2円板状部73の第1軸方向側面とが所定の力で軸方向
に互いに付勢されている。第2コーンスプリング92は
第1コーンスプリング49に比べて内外径共に小さく、
厚みも大幅に小さい。このようにして第2コーンスプリ
ング92は第1コーンスプリング49に対して付勢力が
大幅に小さくなっている。第2コーンスプリング92の
内周縁には複数の切欠き92aが形成されている。切欠
き92aによって内周縁に複数の突起が形成されている
と見なしてもよい。前述の係合部99は切欠き92a内
を延びている。
【0037】以上に述べたように、固定プレート20
は、第2ダンパー機構6において第2バネ21に係合す
る入力側の部材及び第2摩擦機構10を構成する部材と
して、さらには第1摩擦機構8を構成する部材として機
能している。以下に、この固定プレート20を用いた利
点について説明する。固定プレート20は、前述のよう
に、第2ダンパー機構6において第2バネ21の円周方
向両端を支持する支持部材及び第2摩擦機構10を構成
する部材として機能している。このように1つの部材で
2つの機能を実現しているために部品点数が少なくな
る。さらには、固定プレート20は第2バネ21の軸方
向外側をも支持している。さらには、固定プレート20
は、捩り特性の1段目で摺動して摩擦を発生する第2摩
擦機構10と、捩り特性の2段目で摺動して摩擦を発生
する第1摩擦機構8の両方の摩擦面を構成している。こ
のように1つの部材で両摩擦面を形成しているため、両
摩擦面の摩擦特性を調整・管理するのが容易になってい
る。具体的には、従来のようにボスのフランジ及びハブ
フランジの両方の摺動面を管理する必要がなくなる。特
に、固定プレート20は従来のハブやハブフランジとは
異なり小型で単純な構成であるため摩擦面の管理が容易
である。以上に述べた固定プレート20は板金製であ
り、プレス加工により所望の形状を容易に実現でき、安
価に実現可能である。
【0038】次に、ブッシュ19の利点について説明す
る。ブッシュ19は樹脂製であり所望の形状を容易に実
現できる。特に、樹脂製であるため係合部99を一体成
形でき、製造が容易である。係合部99はハブ3の外周
歯65の円周方向間に係合しているため、ハブ3に係合
のための特別な孔や凹部等を形成する必要がない。この
ため、ハブ3の加工工程が増えることはない。ブッシュ
19は、第2ダンパー機構6の出力側の部材として機能
し、第2バネ21の円周方向両側に係合するとともに第
2摩擦機構10の一部を構成している。このように単一
の部材でトルク伝達と摩擦発生部を実現しているため、
全体の部品点数が少なくなる。
【0039】第2摩擦機構10において摩擦面同士を軸
方向に付勢する部材としての第2コーンスプリング78
はハブ3のフランジ64に支持されている。このように
第2コーンスプリング78が従来のようにリテーニング
プレートに支持されているのでなく他の部材によって支
持されることにより、1段目の特性におけるヒステリシ
ストルクが安定する。このため1段目のヒステリシスト
ルクの調整が容易である。従来は第1付勢部材と第2付
勢部材の両方がリテーニングプレートにより支持されて
いたため、第1弾性部材の付勢力によってリテーニング
プレートの変形が起こる可能性があり、そのため第2付
勢部材の姿勢が変化し第2付勢部材の付勢力が安定しな
いという問題があった。この実施形態では、第1コーン
スプリング49の付勢力と第2コーンスプリング78の
付勢力は固定プレート20に対して軸方向に互いに反対
に働いている。すなわち、第1コーンスプリング49は
第1摩擦ワッシャー48を介して固定プレート20を第
1軸方向側に付勢し、第2コーンスプリング78はブッ
シュ19を介して固定プレート20を第2軸方向側に付
勢している。
【0040】第2ストッパー12はトルクの大きな領域
では第2ダンパー機構6の各部材にトルクを作用させな
い構造である。捩じり特性の2段目範囲ではブッシュ1
9,第2バネ21及び固定プレート20にはトルクが作
用しない。このため各部材の強度を極端に大きくする必
要がなく、設計が容易である。次に、クラッチプレート
31の内周側に設けられたブッシュ93について説明す
る。ブッシュ93はクラッチプレート31の内周部に設
けられ、ハブ3の外周面、フランジ64の端面、外周歯
65,ハブフランジ18の筒状部59及び内周歯61に
当接する部材である。ブッシュ93の機能としては、摩
擦を発生して回転方向の振動を減衰する、クラッチプレ
ート31をハブ3に対して半径方向に位置決めする、ハ
ブフランジ18をハブ3に対して半径方向に位置決めす
るなどがある。ブッシュ93は、図20〜22に示すよ
うに、主に、樹脂製の環状部94から主に構成されてい
る。環状部94は半径方向に所定の幅を有し軸方向の厚
みが薄い円板状の部材である。環状部94はクラッチプ
レート31の内周部とハブフランジ18の内周部との軸
方向間に配置されている。環状部94の第2軸方向側に
は環状の摩擦部材95がモールド若しくは接着又は単に
配置されている。摩擦部材95は環状であり、半径方向
に所定の幅を有し軸方向の厚みが薄い円板状の部材であ
る。摩擦部材95は高摩擦係数の例えばゴム系、ガラス
系の混紡もしくは含浸成形品や、セラミック等からな
る。摩擦部材95はブッシュ93に高摩擦係数の特性を
もたらものであり、また材料を選択することで摩擦の大
きさを調整できる。
【0041】図20の平面図で示すように、環状部94
及び摩擦部材95は内外径が円形となっている。摩擦部
材95は、環状部94の第2軸方向側面に当接するよう
に配置されていると見なしても良いし、環状部94の第
2軸方向側面に形成された溝内に配置されていると見な
しても良い。すなわち、環状部94の内周縁には第2軸
方向側に延びる筒状部96が形成され、外周縁には第2
軸方向側に延びる筒状部97が形成されている。筒状部
96,97に囲まれた環状の空間が環状部94の溝を構
成している。この溝は内外径が円であり、この溝内に摩
擦部材95は配置されている。
【0042】筒状部96すなわちブッシュ93はハブ3
のフランジ64の第1軸方向側面に当接している。ブッ
シュ93とフランジ64は第2コーンスプリング78に
よって互いに圧接するようち付勢されている。筒状部9
6とフランジ64は1段目の捩じり角度範囲で摺動する
ようになっている。摩擦部材95すなわちブッシュ93
は、ハブフランジ18の筒状部59及び内周歯61の第
1軸方向側端面に当接している。ブッシュ93すなわち
クラッチプレート31とハブフランジ18は第1コーン
スプリング49によって互いに圧接するように付勢され
ている。この部分が2段目の捩じり範囲で摺動するよう
になっている。摩擦部材95とハブ3の外周歯65の第
1軸方向側面との間にはわずかな隙間が確保されてい
る。ハブフランジ18の筒状部59及び内周歯61の第
1軸方向側端面は摩擦部材95にのみ軸方向に当接して
いる。
【0043】摩擦部材95には円周方向に並んだ複数の
孔95aが形成されており、この孔95a内に環状部9
4から突起94aが挿入されている。これにより、環状
部94と摩擦部材95の回り止めが実現されている。特
に、摩擦部材95は円形であるため、このような回り止
めが重要な役割を果たす。従来であれば摩擦部材が円形
の場合にはSPCCからなる裏板に接着しても剥離等の
強度に関する問題が生じる可能性があった。そのため摩
擦部材を四角形状化することで回り止めを図っていた。
本願に係る摩擦部材95では、摩擦部材95を円形とい
う簡単な構造に保ったまま、剥離等の問題も解消してい
る。特に、摩擦部材95の孔95aの形成、及び樹脂製
環状部94の突起94aの形成はともに容易であり、コ
スト低減が実現されている。
【0044】なお、この実施形態では摩擦部材95は環
状部94に対して固定されておらず、軸方向に離脱可能
である。このため接着等の作業が不要である。ただし、
本願発明の構成においても摩擦部材95と環状部94と
を接着等していてもよい。さらには、環状部94には円
周方向に並んだ複数の孔94bが形成されている。孔9
4bは軸方向に延び環状部94の第1軸方向側と第2軸
方向側とを連絡しており、摩擦部材95の第1軸方向側
面の一部を露出させている。また、クラッチプレート3
1の内周部には、孔94bに対応して孔13が形成され
ている。孔13は孔94bより大径で孔94bの周囲に
さらに広がっている。このように同一位置に形成された
孔94b及び孔13によって摩擦部材95の一部がクラ
ッチディスク組立体1の外部に露出している。このた
め、摩擦部材95は充分に冷却され、すなわち摩擦部材
95はクラッチプレート31側への大気にも放熱し、摩
擦部材95の摩擦熱による摩擦特性の変化等が抑えられ
る。さらに、摩擦部材95の耐久強度が向上する。さら
に突起94aには軸方向に延び貫通する孔94cが形成
されている。孔94cは環状部94の第1軸方向側と第
2軸方向側とを貫通させている。孔94b,94cはブ
ッシュ93全体の体積を低減しており、これにより樹脂
の使用量が減り、コストが低減されている。
【0045】環状部94の内周縁には、第1軸方向側に
延びる筒状部98が形成されている。筒状部96,98
は内周面がボス62の外周面に当接している。これによ
り、クラッチプレート31及びリテーニングプレート3
2のハブ3に対する半径方向の位置決め(芯出し)が行
われている。また、筒状部98の外周面には、クラッチ
プレート31の内周縁に形成された複数の突起に係合す
る溝98aが形成されている。これにより、ブッシュ9
3はクラッチプレート31と一体回転してハブ3のフラ
ンジ64、さらにハブフランジ18の筒状部59に摺動
可能である。
【0046】筒状部97には複数の切り欠き97aが形
成されている。筒状部97の半径方向内側面は、ハブフ
ランジ18の筒状部59の第1軸方向側外周面に当接し
ている。すなわち、ハブフランジ18はこのブッシュ9
3の筒状部97によってハブ3及びクラッチプレート3
1及びリテーニングプレート32に半径方向の位置決め
をされている。
【0047】環状部94の外周縁には第1軸方向に延び
る複数の係合部14が形成されている。係合部14は円
周方向に等間隔で形成されている。係合部14は爪形状
を有しており、クラッチプレート31に形成された孔1
5に係合している。これにより、ブッシュ93はクラッ
チプレート31に対して軸方向に仮止めされている。以
上に述べたブッシュ93は、ボス62の外周面に当接す
ることでクラッチプレート31をハブ3に対して半径方
向の位置決めをし、フランジ64及び筒状部59にそれ
ぞれ当接する摩擦面を有することで1段目と2段目のヒ
ステリシストルクを発生する。このように1つの部材に
複数の機能をもたすことで全体の部品点数が減ってい
る。
【0048】入力回転体2のクラッチディスク33が図
示しないフライホイールに押し付けられると、クラッチ
ディスク組立体1にトルクが入力される。トルクは、ク
ラッチプレート31及びリテーニングプレート32から
第1バネ16,ハブフランジ18,スペーサ80,固定
プレート20,第2バネ21,ブッシュ19の順番で伝
達され、最後にハブ3から図示しないシャフトに出力さ
れる。
【0049】エンジンからのトルク変動がクラッチディ
スク組立体1に入力されると、入力回転体2とハブ3と
の間で捩り振動すなわち相対回転が生じ、第1バネ1
6,バネ17及び第2バネ21が回転方向に圧縮され
る。次に、図6の機械回路図及び図7の捩り特性線図を
用いてクラッチディスク組立体1のダンパー機構として
の動作を説明する。図6に示す機械回路図は、入力回転
体2とハブ3との間に形成されるダンパー機構4を模式
的に描いたものであり、例えばハブ3を入力回転体2に
対して一回転方向(例えばR2方向)に捩じったときの
各部材の動作関係を説明するための図である。
【0050】ハブ3を入力回転体2に対してR2側に捩
って行くと、捩り角度θ1までの角度では主に第2ダン
パー機構6が作動する。すなわち、第2バネ21が回転
方向に圧縮され、第2摩擦機構10で摺動が生じる。こ
こでは、第1摩擦機構8で摺動が生じないために、高ヒ
ステリシストルクの特性となることはない。この結果、
低剛性・低ヒステリシストルクの1段目特性が得られ
る。捩り角度が捩り角度θ1を超えると、第2ストッパ
ー12が当接し、ハブ3とハブフランジ18との相対回
転が停止する。すなわち、捩り角度θ1以上では第2ダ
ンパー機構6が作動しない。このように捩り角度θ1以
上では第2バネ21が圧縮されないため、第2バネ21
の破損が生じにくい。また第2バネ21の強度を心配し
なくて良くなるので設計が容易になる。捩り特性の2段
目では第1ダンパー機構5が作動する。すなわち、第1
バネ16がハブフランジ18と入力回転体2との間で回
転方向に圧縮され、第1摩擦機構8で摺動が生じる。こ
の結果、高剛性・高ヒステリシストルクの2段目特性が
得られる。捩り角度がθ1+θ2を超えると、バネ17
の円周方向端部が第2収容部36の第2支持部37に当
接する。すわなち、第2ダンパー機構6において第1バ
ネ16とバネ17とが並列に圧縮される。この結果、3
段目では2段目より高い剛性が得られる。捩り角度がθ
1+θ2+θ3となると第1ストッパー11が当接し、
入力回転体2とハブ3との相対回転が停止する。
【0051】捩り特性の負側においても各捩り角度θ1
〜θ3の大きさは異なるものの同様の特性が得られる。
なお、捩り特性の1段目では、ブッシュ93とハブ3の
フランジ64及び外周歯65との間で摩擦が発生してい
る。さらには、2段目及び3段目ではブッシュ93とハ
ブフランジ18の内周部との間で摩擦が生じている。 [他の実施例]図23に示すように、前記実施形態のス
ペーサを廃止して、固定プレート20をハブフランジ1
8に直接係合させてもよい。固定プレート20の第1円
板状部71はハブフランジ18の筒状部59に直接支持
されている。また、第1円板状部71の外周縁からは、
ハブフランジ18の係合孔58内に係合爪28が延びて
いる。この構成では、スペーサを省略でき部品点数が少
なくなっている。
【0052】さらには、図6の機械回路図においてスペ
ーサ80の位置に他の弾性部材すわなちバネを配置して
もよい。この場合は、全体で4段の特性が得られる。こ
の実施形態の説明で、「一体回転するように係合してい
る」又は「相対回転不能に係合している」などは、両部
材が円周方向にトルク伝達可能となっている構成を意味
している。すなわち、両部材の間に回転方向に隙間等が
形成され所定角度までは両部材がトルク伝達を行わない
場合も含む。 〔クラッチディスク組立体の軸方向支持構造〕以下に述
べる本発明の構造は、捩じり角度1段目で機能する第2
摩擦機構10において安定しかつばらつきの少ない摩擦
を得るための構造である。
【0053】図24は、本発明のクラッチディスク組立
体1において各部材の軸方向に作用する力及びそれを受
ける各部材の構造を簡略して描いたモデル図である。こ
こでは、各部材の半径方向及び円周方向の関係を省略し
ている。クラッチディスク組立体1において、クラッチ
プレート31(第1回転プレート)とリテーニングプレ
ート32(第2回転プレート)は軸方向に間隔をあけて
配置された1対のプレート部材(回転プレート)であ
り、互いに固定されることで軸方向位置が定められてい
る。なお、プレート31,32は板金製であるため大き
な荷重が作用すると軸方向には多少は変形可能である。
【0054】中間体は、クラッチプレート31とリテー
ニングプレート32との軸方向間に軸方向に移動可能に
配置された部材であり、主にハブフランジ18からな
る。中間体はハブフランジ18とともに軸方向に移動可
能な固定プレート20やスペーサ80なども含んだ概念
である。ハブフランジ18(中間プレート)は第1軸方
向側の面がクラッチプレート31の第2軸方向側の面に
支持され、より具体的にはクラッチプレート31に係合
するブッシュ93に当接している。ハブフランジ18と
リテーニングプレート32との間には第1コーンスプリ
ング49が配置されている。第1コーンスプリング49
は両部材間で軸方向に圧縮されて配置されており、この
結果中間体とリテーニングプレート32とに軸方向に付
勢力を与えている。これにより、中間体としてのハブフ
ランジ18はクラッチプレート31側に強く圧接されて
おり、この結果プレート31,32に対するハブフラン
ジ18や固定プレート20の軸方向位置が定められてい
る。
【0055】なお、ハブフランジ18と第1コーンスプ
リング49との間には固定プレート20が配置されてい
る。固定プレート20の外周部分である第1円板状部7
1(第1部分)は第1コーンスプリング49によってハ
ブフランジ18に強く圧接されている。ここでは、第1
コーンスプリング49の反発力が大きいため固定プレー
ト20はプレート31,32及びハブフランジ18に対
して軸方向に移動不能となっている。以上に述べた構造
において、プレート31,32と中間体(18,20)は
軸方向に一体の構成となっている。さらに、第1コーン
スプリング49の反発力は固定プレート20の内周部で
ある第2円板状部73(第2部分,支持部)に作用して
いない。以上に述べた構造において、クラッチプレート
31の内周部と固定プレート20の第2円板状部73と
が軸方向に隙間をあけて対向している。
【0056】ハブ3はプレート31,32及びハブフラ
ンジ18の内周側に配置されており、半径方向に延びる
フランジ(64,65)を有している。フランジ(64,
65)は、クラッチプレート31の内周部と固定プレー
ト20の第2円板状部73との間に配置され、第1軸方
向側の面がクラッチプレート31の第2軸方向側に支持
されている。より具体的には、フランジ(64,65)
はブッシュ93に当接している。
【0057】ブッシュ19はフランジ(64,65)と
固定プレート20の内周部との軸方向間において、固定
プレート20の第2円板状部73側に配置されている。
ブッシュ19は、第2円板状部73の第1軸方向側の面
に当接し、第2摩擦機構10を構成している。第2コー
ンスプリング78はフランジ(64,65)とブッシュ
19との間に配置され、両部材に軸方向に反発力を与え
ている。この結果、ハブ3はクラッチプレート31側に
付勢され、ブッシュ19(第1摩擦部材)は固定プレー
ト20の第2円板状部73に圧接されている。このよう
にして、ハブ3及びブッシュ19がプレート31,32
及びハブフランジ18に対して軸方向に位置決めされて
いる。なお、第2コーンスプリング78(第2付勢部
材)の付勢力は第1コーンスプリング49(第1付勢部
材)の付勢力に比べて大幅に小さいため、ブッシュ19
が固定プレート20を軸方向トランスミッション側に移
動させることは生じにくい。また、固定プレート20の
第2円板状部73は第2コーンスプリング78からの荷
重によって変形しないだけの剛性を少なくとも有してい
る。
【0058】図24に示す本願のクラッチディスク組立
体1の軸方向支持構造によって、以下の効果が得られ
る。 (1)第2摩擦機構10において第2コーンスプリング
78の荷重を受ける支持部材としての固定プレート20
は、第1コーンスプリング49によってプレート31,
32とハブフランジ18に対して軸方向に位置決めされ
ている。より具体的には、固定プレート20には第1コ
ーンスプリング49から第1軸方向側に(すなわち第2
コーンスプリング78の荷重とは反対方向に)荷重が作
用している。この結果、従来とは異なり、固定プレート
20を第2軸方向側に移動させようとする荷重は第2コ
ーンスプリング78以外からは作用しない。したがっ
て、各部材に摩耗が生じていない時点では固定プレート
20は軸方向に移動しない。
【0059】(2)第1コーンスプリング49の反発力
はプレート31,32とハブフランジ18との間でバラ
ンスされており、その付勢力が第2コーンスプリング7
8の姿勢に影響を与えることはない。特に、第1コーン
スプリング49の荷重は固定プレート20の第1円板状
部71には作用しているが、第2摩擦機構10の支持部
を構成している第2円板状部73には作用していないた
め、第2円板状部73が第1コーンスプリング49によ
って変形することはない。
【0060】以上の結果、固定プレート20の内周部が
所定の軸方向位置に保たれ、第2摩擦機構10でのヒス
テリシストルクの大きさが安定し、また各製品間でのば
らつきも少ない。 〔摩耗追従機構〕第2ダンパー機構6においてブッシュ
19と固定プレート20の摩擦面においてブッシュ19
の摩耗が進むと、ブッシュ19が他の部材に対して第2
軸方向側に移動することが考えられる。この場合は、第
2コーンスプリング78の姿勢が変化し、具体的には起
き上がった状態になる。このため、第2コーンスプリン
グ78の付勢力(セット荷重)が変化してしまう。この
ように第2摩擦機構10におけるヒステリシストルクの
大きさが安定しない。
【0061】しかし、本発明に係るクラッチディスク組
立体1は以下のような摩耗追従(補償)機構を有してお
り、それにより第2摩擦機構10におけるヒステリシス
トルクの大きさをブッシュ19の摩耗にも関わらず安定
させることができる。摩耗追従機構は、中間体(ハブフ
ランジ18,固定プレート20など)がクラッチプレー
ト31側に移動するのを制限するとともに、ブッシュ1
9と固定プレート20の摩擦面での摩耗に応じて中間体
がクラッチプレート31側に移動するのを許容するため
の構造である。ここでは中間体の移動量が摩耗量と同一
であるのが理想であり、近ければ近いほど望ましい。摩
耗追従機構は、中間体をクラッチプレート31側に付勢
する付勢機構と、中間体のクラッチプレート31側を支
持する支持機構とを有している。付勢機構は、具体的に
は、第1コーンスプリング49であり、第2コーンスプ
リング78より付勢力がはるかに大きい。第1コーンス
プリング49は固定プレート20を第1軸方向側に付勢
し、その付勢力はハブフランジ18に作用している。支
持機構は、中間体のクラッチプレート31側を支持して
いる摩擦機構を有している。摩擦機構は自らの摩耗によ
って中間体がクラッチプレート31側に移動するのを許
容する機能を有している。摩擦機構における摩耗は、プ
レート31,32と中間体(ハブフランジ18)が相対
回転するときに生じる。摩擦機構は、具体的には、クラ
ッチプレート31に支持されハブフランジ18の第1軸
方向側を支持するブッシュ93によって構成されてい
る。ブッシュ93はクラッチプレート31と一体回転
し、ハブフランジ18と回転方向に摺動可能である。第
2摩擦機構10の摩擦面Aでの摩耗量とブッシュ93と
ハブフランジ18との間の摩擦面Bでの摩耗量とがクラ
ッチディスク組立体1の動作中で所定時間経過したとき
に対応又は一致していると、次のような効果が得られ
る。
【0062】摩擦面Aでは樹脂製のブッシュ19が摩耗
し、第2軸方向側に移動しようとする。一方、摩擦面B
ではブッシュ93においてハブフランジ18の筒状部5
9に対応する部分(摩擦部材95)が摩耗し、その摩耗
量だけハブフランジ18、スペーサ80、固定プレート
20及び第1摩擦ワッシャー48からなる中間体は第1
軸方向側に移動する。このため、第2摩擦機構10の摩
擦面Aにおいても固定プレート20の第2円板状部73
が第1軸方向側へと移動する。この結果、ブッシュ19
は摩耗にも関わらず第2軸方向側に移動することができ
ない。したがって、ブッシュ19のハブ3に対する軸方
向の位置はほとんど変化せず、その結果フランジ64と
ブッシュ19との間に配置された第2コーンスプリング
78の姿勢もほとんど変化しない。このようにハブフラ
ンジ18や第1摩擦機構8を用いた摩耗追従機構によ
り、第2摩擦機構10の摩擦面Aでの摩耗に関わらず第
2コーンスプリング78の姿勢を一定に維持し、その結
果第2摩擦機構10でのヒステリシストルクを安定的に
発生させることができる。この結果、経時変化の少ない
ヒステリシストルクが得られ、音振性能が向上する。ま
た、第2コーンスプリング78の摩耗代を考慮する必要
が少なくなるため、第2コーンスプリング78の設計自
由度が増大する。具体的には、第2コーンスプリング7
8の応力を低くかつ荷重を高く設計することができる。
【0063】第2コーンスプリング78のセット荷重は
荷重特性のピーク付近に設定されている。ブッシュ19
での摩耗量とブッシュ93での摩耗量が同等に維持され
る場合は、第2コーンスプリング78の荷重は常に最大
付近に維持される。摩擦面Aでの摩耗量と摩擦面Bでの
摩耗量が異なる場合には、摩耗によってセット荷重は荷
重特性のピークから両側に多少ずれる。この場合でもセ
ット荷重の変化量は最小限になるように設定されてお
り、またその変化は予測可能である。 〔他の実施形態〕本発明はクラッチディスク組立体以外
のダンパーディスク組立体にも採用できる。例えば本発
明は2つのフライホイール同士を回転方向に連結するダ
ンパーディスク組立体やその他クラッチを有さないダン
パーディスク組立体にも採用できる。
【0064】
【発明の効果】本発明に係るダンパーディスク組立体で
は、摩擦部材における摩擦面で摩耗が生じたときに、摩
耗追従機構によって中間体が1対の回転プレートの他方
側へ移動する。したがって、摩擦部材の出力ハブに対す
る軸方向位置は余り変化せず、その結果付勢部材の姿勢
が維持される。このようにしてダンパーディスク組立体
における捩り角度一段目のヒステリシストルクの大きさ
が安定する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としてのクラッチディスク
組立体の平面図。
【図2】図1の部分拡大図。
【図3】図1のIII −III 断面図。
【図4】図1の0-IV断面図。
【図5】図1のO-V 断面図。
【図6】本発明のクラッチディスク組立体のダンパー機
構としての機械回路図。
【図7】クラッチディスク組立体の捩り特性線図。
【図8】固定プレートの平面図。
【図9】図8のIX-IX 断面図。
【図10】図8のX 矢視図。
【図11】図8のXI矢視図。
【図12】ブッシュの平面図。
【図13】図12のXIII矢視図。
【図14】図12のXIV-XIV 矢視図。
【図15】図14の部分拡大図。
【図16】図17のXVI-XVI 断面図。
【図17】ブッシュの裏面図。
【図18】図17のXVII矢視図。
【図19】図17のXIX 矢視図。
【図20】摩擦ブッシュの平面図。
【図21】図20のXXI-XXI 断面図。
【図22】図21の部分拡大図。
【図23】他の実施形態における図3に対応する図。
【図24】本発明の各構成の軸方向の付勢及び支持関係
を説明するためのモデル図。
【符号の説明】
1 クラッチディスク組立体 2 入力回転体 3 ハブ 4 ダンパー機構 5 第1ダンパー機構 6 第2ダンパー機構 7 第1弾性機構 8 第1摩擦機構 9 第2弾性機構 10 第2摩擦機構 16 第1バネ 18 ハブフランジ 19 ブッシュ 20 固定プレート 21 第2バネ 31 クラッチプレート 32 リテーニングプレート 48 第1摩擦ワッシャー 49 第1コーンスプリング 78 第2コーンスプリング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤岡 啓介 大阪府寝屋川市木田元宮1丁目1番1号 株式会社エクセディ内 Fターム(参考) 3J056 AA58 BA01 BB09 CA04 CB14 CX02 CX17 CX23 CX28 CX38 CX44 CX63 CX90 GA02 GA12

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】軸方向に間隔をあけて配置され互いに固定
    された1対の回転プレートと、 前記1対の回転プレート軸方向間において前記1対の回
    転プレートの一方に近接して配置された中間体と、 前記1対の回転プレートと前記中間体とを回転方向に弾
    性的に連結する弾性部材と、 前記1対の回転プレート及び前記中間体の内周側に配置
    された出力ハブと、 前記中間体に前記1対の回転プレートの他方側から当接
    し、前記出力ハブにトルクを出力可能な摩擦部材と、 前記出力ハブに支持され前記摩擦部材を前記1対の回転
    プレートの前記他方側に付勢しそれにより前記摩擦部材
    を前記中間体に圧接させる付勢部材と、 前記中間体が前記1対の回転プレートの前記一方側へ移
    動するのを制限するとともに、前記摩擦部材と前記中間
    体との間での摩耗に応じて前記中間体が前記1対の回転
    プレートの前記一方側へ移動するのを許容する摩耗追従
    機構と、を備えたダンパーディスク組立体。
  2. 【請求項2】前記摩耗追従機構は、前記中間体を前記付
    勢部材の付勢力より大きな付勢力で前記1対の回転プレ
    ートの前記一方側に付勢する付勢機構と、前記中間体の
    前記1対の回転プレートの前記一方側を支持する支持機
    構とを含んでいる、請求項1に記載のダンパーディスク
    組立体。
  3. 【請求項3】前記付勢機構は、前記中間体と前記1対の
    回転プレートの前記他方との間に圧縮された状態で配置
    されたバネを含む、請求項2に記載のダンパーディスク
    組立体。
  4. 【請求項4】前記支持機構は、前記中間体と前記1対の
    回転プレートの前記一方との間に配置され、前記中間体
    が前記1対の回転プレートの前記一方側に移動するのを
    制限し、前記1対の回転プレートと前記中間体が相対回
    転すると摺動し摩耗することで前記中間体が前記1対の
    回転プレートの前記一方側に移動するのを許容する摩擦
    機構を含んでいる、請求項2又は3に記載のダンパーデ
    ィスク組立体。
  5. 【請求項5】前記摩擦機構の摩耗量は前記摩擦部材の摩
    耗量と同等になるように設定されている、請求項4に記
    載のダンパーディスク組立体。
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