JP2000073012A - コーティング剤 - Google Patents

コーティング剤

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JP2000073012A
JP2000073012A JP10243466A JP24346698A JP2000073012A JP 2000073012 A JP2000073012 A JP 2000073012A JP 10243466 A JP10243466 A JP 10243466A JP 24346698 A JP24346698 A JP 24346698A JP 2000073012 A JP2000073012 A JP 2000073012A
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polysilazane
coating agent
amine residue
coated
hydrocarbon
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JP10243466A
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English (en)
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Masaji Konno
正司 今野
Yasuo Shimizu
泰雄 清水
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TECHNO SYST KK
Tonen General Sekiyu KK
Original Assignee
TECHNO SYST KK
Tonen Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被コーティング物に対してこれを高温下
に置いたり、加熱したりすることなく、コーティングす
ることができ、UVカット性或いは撥水性等を帯びたセ
ラミック膜を形成することができるコーティング剤を提
供する。 【解決手段】 例えば、下記一般式(1)で表されるシ
ラザン構造を分子鎖中に含有する数平均分子量が100
〜100,000のアミン残基含有ポリシラザンと、Z
nOを混合してなり、スプレーしてゴム製品、塗装面、
又は木製品の保護に用いる。 一般式(1): 【化4】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コーティング剤、
特にゴム製品、塗装面又は木製品の保護に用いるコーテ
ィング剤に関する。
【0002】
【従来の技術】種々の製品においては、UV(紫外線)
カット処理或いは撥水処理を施す等のために無機物によ
る保護を必要とするものが多い。例えば、各種自動車、
航空機等のタイヤは一般にゴムからなり、紫外線を受け
ると劣化し易いし、水が馴染むとやはり劣化し易いの
で、UVカットや撥水性を持つものでコーティングする
ことが好ましい。
【0003】また、車輪のホイールの部分についても樹
脂による保護だけでは保護が不充分であるので、その樹
脂の上に更に無機物をコーティングして保護する必要が
ある。即ち、車輪のホイールの部分は例えばアルミニウ
ム合金等金属からなるが、整備中乃至修理中に鉄粉によ
り傷ついたり、或いは走行中に石等が当たって傷ついた
りするのを防止すべく表面を樹脂により保護している
が、しかし、ホイールの表面の保護膜に鉄粉が刺さり、
その鉄粉の先が保護膜を通してアルミニウム合金からな
るホイール自体の表面に当たり、傷がつくということが
起きる。このようなことはホイールの錆の原因になるの
で、好ましくなく、そのため、樹脂よりも硬度が高く、
保護効果の強い無機物による保護が望まれているのであ
る。
【0004】無機物による保護が必要なものには、タイ
ヤ等のゴム製品やホイール等樹脂で保護された金属製品
のみならず、木製品も含まれる。木製品には腐朽菌によ
る劣化という問題がある。即ち、木は元々腐朽菌を持っ
ており、この腐朽菌が活性化すると、劣化が激しくなる
が、その腐朽菌は、湿度が例えば90%以上というよう
に高くなり、且つ酸素分子02 の補給があると、木を栄
養分として活性化し、そして木を劣化させる。木製品に
は、色々の樹脂等により保護されたものが多いが、酸素
分子O2 や蒸気(水分)を有効に阻むことはできず、こ
れが木製品自体の表面に達して腐朽菌を活性化するおそ
れがあるのである。従って、無機物により酸素分子02
や蒸気をカットし、更には撥水性、UVカット性も持つ
ようにすることが木製品の劣化防止に有効である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、タイヤ
等のゴム製品や、ホイール等樹脂で保護した製品や、木
製品を保護する無機物からなるコーティング剤として適
切なものは従来殆ど存在しなかった。というのは、無機
物からなるコーティング剤として非常に適切なものはセ
ラミックであるが、一般にはセラミックには焼結が不可
欠であり、焼結には数100℃乃至数1000℃という
ような高い温度処理が必要である。しかし、そのような
高い温度で焼結処理をすると、コーティングされる製品
が高い温度に耐えられなくなるという問題があったから
である。
【0006】しかしながら、焼結を必要とせず、常温下
で簡単にコーティングするだけで、透明性があり、撥水
性或いはUVカット性等の保護が充分に得られるセラミ
ック膜形成用のコーティング剤の開発が進んだので、本
願発明者はそれをゴム製品用、塗装物用、金属製品用又
は木製品用として活用することを思いつき本発明を為す
に至った。
【0007】本発明はこのような問題点を解決すべく為
されたものであり、被コーティング物に対してこれを高
温下に置いたり、加熱したりすることなく、コーティン
グすることができ、UVカット性或いは撥水性等を帯び
たコーティング膜を形成することができるコーティング
剤を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1のコーティング
剤は、上記一般式(1)で表されるシラザン構造を分子
鎖中に含有する数平均分子量が100〜100,000
のアミン残基含有ポリシラザン(以下、便宜上「第1の
ポリシラザン」という。)、上記一般式(2)で表され
るシラザン構造を有するポリシラザン(以下、便宜上
「第2のポリシラザン」という。)及び/又は上記一般
式(3)で表されるシラザン構造を有するポリシラザン
(以下、便宜上「第3のポリシラザン」という。)と、
ZnOとを混合してなり、ゴム製品、塗装面、又は木製
品の保護に用いることを特徴とする。
【0009】従って、請求項1のコーティング剤によれ
ば、第1のポリシラザン、第2のポリシラザン及び第3
のポリシラザンが、元来常温で塗布して無機質であるセ
ラミック膜を形成することができるもの(常温硬化型セ
ラミック剤)であり、それ自体で被コーティング物を物
理的にも化学的にも保護できるものである上に、それに
含まれるZnOにはUVカット性があるので、被コーテ
ィング物をUV光(紫外線)から保護することができ
る。従って、先ず、例えばタイヤ等のゴム製品の保護用
として極めて有効である。というのは、例えばタイヤ等
はUV光により劣化し易いという性質を有するが、この
請求項1のコーティング剤によりUV光をカットするこ
とができるからである。
【0010】請求項1のコーティング剤は、塗装面を保
護するのにも極めて有効である。というのは、例えばホ
ィール部分は樹脂が塗布されているが、それに鉄粉が刺
さり、ホイール表面を傷つけ、その部分から錆が生じ、
拡がるという現象が生じる。そこで、コーティング剤を
コーティングすることにより無機質のセラミック膜で樹
脂面を覆うことができ、それを物理的にカバーすること
ができ、従って、鉄粉が刺さってホイール表面が傷つ
き、錆びるというおそれを少なくすることができるから
である。
【0011】また、請求項1のコーティング剤は、木製
品を保護するのにも極めて有効である。というのは、本
コーティング剤により木製品表面に常温下でセラミック
膜を形成することができ、物理的に、化学的に保護する
ことができるので、木製品内に存在する腐朽菌の活性化
の原因となる水分、酸素分子02 の木製品表面への到達
をセラミック膜で阻み、以て腐朽菌の活性化による木製
品の劣化(腐朽)を防止することができるからである。
また、ZnOによるUVカット性により木製品をUV光
から護り、UV光による劣化を防止することができる。
【0012】請求項2のコーティング剤は、上記第1、
第2、第3のポリシラザンの少なくとも何れか一つのポ
リシラザンに脂肪族フッ素化化合物を反応付加あるいは
混合してなり(この混合物を便宜上以下「第4のポリシ
ラザン」という。)、ゴム製品、塗装面又は木製品の保
護に用いることを特徴とする。第1乃至第3のポリシラ
ザンに混合する脂肪族フッ化化合物としては、先ずフッ
化アルキル基含有アルコールが挙げられ、次に、フッ化
アルキル基含有シラン化合物が挙げられる。
【0013】従って、請求項2のコーティング剤によれ
ば、第4のポリシラザンが上記第1、第2或いは第3の
ポリシラザンに上述したように脂肪族フッ素化化合物を
反応或いは混合させてなり、その反応乃至混合により第
1乃至第3のポリシラザンにはない撥水性を帯びること
が確認されており、そして、第1乃至第3のポリシラザ
ンと同様に常温下で被コーティング物に塗布してセラミ
ック膜を形成することができ(常温硬化型セラミック
剤)、物理的に、化学的に被コーティング物を保護する
ことができる。従って、第1乃至第3のポリシラザンに
よるセラミック膜と同様に物理的に、化学的に被コーテ
ィング物を保護することができるのみならず、更に撥水
性を持たせることができるので、被コーティング物を極
めて有効に保護することができる。
【0014】従って、先ず、例えばタイヤ等のゴム製品
の保護用として極めて有効である。というのは、例えば
タイヤ等は水に濡れ続けると劣化し易いという性質を有
するが、第4のポリシラザン自身が一般のセラミック膜
が有する諸性質(物理的、化学的に安定に保護できる等
の性質)の他に優れた撥水性を有し、タイヤ等の水から
有効に護ることができるからである。
【0015】また、請求項2のコーティング剤は、塗装
面を保護するのにも極めて有効である。というのは、例
えばホィール部分は樹脂が塗布されているが、それに鉄
粉が刺さり、ホイール表面を傷つけ、その部分から錆が
生じ、拡がるという現象が生じるが、本コーティング剤
をコーティングすることにより無機質のセラミック膜で
樹脂面を覆うことができ、それを物理的にカバーするこ
とができ、従って、鉄粉が刺さってホイール表面が傷つ
き、錆びるというおそれを少なくすることができるから
である。
【0016】また、請求項2のコーティング剤は、木製
品を保護するのにも極めて有効である。というのは、本
コーティング剤により木製品表面に常温下でセラミック
膜を形成することができ、物理的に、化学的に保護する
ことができるので、水分(蒸気)や酸素分子02 が木製
品表面に達するのをセラミック膜で阻み以て木自身に存
在する腐朽菌が活性化するのを防止することができるか
らである。
【0017】また、木製品は水に触れ続けると劣化し易
いが、コーティング剤の持つ撥水性により木製品をコー
ティング剤の塗布により形成されたセラミックにより水
分から有効に保護することができる。
【0018】請求項3のコーティング剤は、Zn0を添
加してなることを特徴とする請求項2記載のコーティン
グ剤である。
【0019】従って、請求項3のコーティング剤によれ
ば、請求項2のコーティング剤にUVカット性を有する
ZnOを混合したので、請求項2のコーティング剤によ
るセラミック膜にUVカット性を付加することができ
る。従って、普通のセラミック膜の持つ諸性質の他、撥
水性と共にUVカット性を持つセラミック膜で被コーテ
ィング物を保護することができる。
【0020】請求項4のコーティング剤は、蛍光剤を添
加したことを特徴とする請求項1、2又は3記載のコー
ティング剤である。
【0021】従って、請求項4のコーティング剤によれ
ば、蛍光剤が添加されているので、例えばブラックライ
トを照射することにより光るか否かにより被コーティン
グ物にコーティング剤がコーティングされているか否か
を簡単に識別することができる。即ち、コーティング剤
は薄く形成しても被コーティング物に対する有効な保護
効果を有し、薄いと透明度が高く、下地がきれいに見
え、それは多くの場合極めて好ましいことであるが、そ
の反面、塗布されているか否かの識別がしにくい面があ
る。これは、作業の面で好ましくない。しかるに、本コ
ーティング剤によれば、蛍光剤が含まれているので、ブ
ラックライトを照射することによりコーティング剤が塗
布済みのものは光り、未塗布のものは光らないので、光
るか光らないかによりコーティング剤のコーティングが
されているか否かが簡単に識別できる。従って、未コー
ティングのものを誤ってコーティング済みのものとして
出荷してしまう類のミスをなくすことができる。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明コーティング剤の第1の実
施形態は、第1のポリシラザン、第2のポリシラザン及
び/又は第3のポリシラザンと、ZnOを混合してなる
ことを特徴とする。第1のポリシラザン、第2のポリシ
ラザンは、本願出願人の一人である東燃株式会社の出願
である特願平09−227420号により特許出願され
たものであり、その分子式、製法は同出願の願書に添付
した明細書、図面に詳細が説明されている。また、第3
のポリシラザンは、同出願の以前から広く知られるポリ
シラザンである。そして、本実施形態は、そのポリシラ
ザンにZnOを添加することにより有効にUVカット性
を付加するようにし、そして、それをタイヤ等のゴム製
品、樹脂等による塗装面、木製品の保護用として用いる
ことを提案するものである。
【0023】この場合、第1、第2及び/又は第3のポ
リシラザンは、溶剤、例えばブチルエーテルに溶かし
(ブチルエーテルが例えば約97重量%、ポリシラザン
が例えば約3重量%)、これとUVカット用のZnO
(酸化亜鉛)とを混ぜる。そのポリシラザンを溶かした
溶剤と、ZnOとの混合比は、重量比にして例えば約
1:1である。ZnOは、例えば下記のような超微粒子
特性を有するものを用いると良い。
【0024】平均粒子径(BET法):31nm(0.
031μm)、粒子形状:多面体、比表面積(BET
法):35m2 /g、結晶系(X線回折):六方晶系
(Zinclts)、安息角:44度、真密度:5.6g/cm
3 、見掛比重:0.24g/cm3 、純度:88.95
%、pH(煮沸水のpH、JIS K5101 A
法):7.0、吸着水分(JIS K0068乾燥減量法):
0.4%ポリシラザンを溶かしZnOを混ぜた液は、ス
プレーガンを用いて被コーティング物に向けて噴射する
ことによりコーティングする。すると、その後自然乾燥
によりセラミック膜が形成される。尚、上述した事項は
飽くまで実施の形態の一具体例に過ぎない。
【0025】本発明コーティング剤の第2の実施形態
は、第4のポリシラザンからなるものであり、ゴム製
品、塗装面、又は木製品の保護用として用いることを特
徴とするコーティング剤である。
【0026】第4のポリシラザンは上述した第1乃至第
3のポリシラザンに上述したように脂肪フッ素化合物を
反応或いは混合させることによりつくられる。第1乃至
第3のポリシラザンに混合する脂肪族フッ化化合物とし
ては、先ずフッ化アルキル基含有アルコールが挙げられ
る。より具体的には、F(CF2n CH2 OH、F
(CF2n CH2 CH2 OH、F(CF2n (CH
2m OH、(CF22 CF(CF2n (CH2
m OH、H(CF2n (CH2m OH、(CF3
2 CHOH、CF3 CHFCF2 CH2 OH、(CH
32 C(CH3 )CH2 OH[ これらの式中n=約1
〜10、m=約1〜10] がその例なのである。
【0027】第1乃至第3のポリシラザンに混合する脂
肪酸フッ素化合物として、次に、フッ化アルキル基含有
シラン化合物が挙げられる。より具体的には、CF3
2CH2 Si(OCH33 、CH3 (CF25
2 CH2 Si(OCH3 3 、CF3 (CF27
2 CH2 Si(OCH33 、CF3 (CF27
2 CH2 CH3 Si(OCH2 )等、更にはCF3
(CF27 CH2 CH2 SiCl3 等或いはこれらの
部分加水物等がその例である。
【0028】第4のポリシラザンを得るために、第1乃
至第3のポリシラザンに対して脂肪酸フッ素化合物を反
応乃至混合させる方法は、特願平6−167962によ
り本願出願人の一人、東燃株式会社が特許出願をし、特
開平8−27425号公報により出願公開された技術に
おけるポリシラザン系コーティング用組成物のポリシラ
ザンに脂肪族フッ素化合物を反応させる方法と同じでよ
い。その方法に関しては上記特開平8−27425号公
報の例えば第6頁右欄(第10欄)下から14行目〜第
7頁左欄(第11欄)29行目(段落0049〜005
2)について記載があり、その記載されたような方法で
よい。
【0029】第4のセラミックは、その常温での塗布形
成によりセラミック膜が形成でき、そのセラミック膜は
通常のセラミック膜と同様の保護特性を有するのみなら
ず、撥水性において特に優れた特性を有することから、
新たに、特にこれをゴム製品、塗装面、又は木製品の保
護用として用いることを提案するものである。この第4
のポリシラザンも例えば溶剤、例えばブチルエーテルに
溶かし(ブチルエーテルが例えば約97重量%、ポリシ
ラザンが例えば約3重量%)、それをスプレーガンを用
いて被コーティング物に向けて噴射することによりコー
ティングする。すると、その後、自然乾燥によりセラミ
ック膜が形成される。
【0030】本発明コーティング剤の第3の実施の形態
は、第4のポリシラザンにZnOを混合して、第2の実
施形態のコーティング剤と同程度のUVカット性をも持
つようにするものであり、これによれば、通常のセラミ
ック膜が持つ保護特性の他に、第4のポリシラザン自体
が持つ撥水性と、ZnOが持つUVカット性の二つを付
加した特性を得ることができる。ZnOの混合の仕方
は、例えば第1の実施の形態のところで述べたと同じで
よいが、しかし、これは飽くまで一例である。
【0031】本発明コーティング剤の第4の実施の形態
は、上述した各コーティング剤に対して蛍光剤を添加す
ることを提案するものである。それによれば、セラミッ
ク膜にブラックライトを当てたとき光が発生し、その光
によりコーティング剤の塗布形成(セラミック膜の形
成)が為されていることを確認することができるからで
ある。蛍光剤の一例としては、先ず酸化ゲルマニウム、
マグネシウム、鉄等を含んだものが挙げられ、これはブ
ラックライトを当てると緑色の光を発する。コーティン
グ剤に対する蛍光剤の添加量は例えば2%程度が好適で
ある。また、アントラセンという薬剤も蛍光剤としてし
て使用することができる。
【0032】尚、上記各コーティング剤のコーティング
によるセラミック膜の厚さは、0.01μm〜数十μm
にするのが好適であるが、とりわけ、0.1μm〜1μ
mがより好適である。
【0033】
【実施例】以下、本発明を図示実施例に従って詳細に説
明する。図1(A)〜(C)は本発明コーティング剤の
各別の実施例を示すものである。図面において、1a、
1b、1cは被コーティング物であり、1aはゴム製
品、例えばタイヤ、1bはアルミニウムホィールであ
り、その表面が樹脂2で塗装されている。樹脂2で塗装
されているのは、ホィール表面が傷つくの防止するため
であるが、鉄粉が付着し、その先端が樹脂3を貫通し、
ホィール1bの表面が傷つき、そこが錆等により劣化
し、それが徐々に拡がるという問題があるので、無機物
で保護する必要性が存在するのである。1cは木製品
で、表面が塗装されている場合もあれば、塗装されてい
ない場合もあるが、いずれの場合も、酸素分子O2 や蒸
気を通し、これが木製品自体の表面に達すると木製品自
体の中に元々存在する腐朽菌を活性化するおそれがあ
り、その結果、木製品自体を徐々に劣化させるおそれが
あるので無機物で保護する必要性が存在するのである。
【0034】3は請求項1〜4に記載されたコーティン
グ剤の常温下でのスプレーで形成されたセラミック膜
で、0.01μm〜数十μm(とりわけ0.1〜1μm
がより好適)の膜厚を有する。具体的には、ベースとな
るポリシラザン(第1〜第4のポリシラザン:その詳細
は前記発明の実施の形態の項乃至特願平9−22742
0号或いは特開平8−27425号公報)に溶剤、例え
ばブチルエーテルに溶かし(ブチルエーテルが例えば約
97重量%、ポリシラザンが例えば約3重量%)、それ
に例えばZnOを混合し(第4のポリシラザンで特に強
いUVカット効果を得る必要がない場合には必要としな
い。)、例えばスプレーガンを用いて被コーティング物
1a乃至1cにスプレーする。尚、ブラックライトを当
てたとき光るようにするには、蛍光剤を混ぜることは言
うまでもない。
【0035】元来、上述の第1〜3のポリシラザンを用
いそれにZnO添加したコーティング剤は、常温で塗布
して無機質であるセラミック膜を形成することができる
ものであり、それ自体で被コーティング物を物理的にも
化学的にも保護できるものである上に、それにZnOを
加えた場合には、それにはUVカット性があるので、被
コーティング物をUV光(紫外線)から保護することが
できる。従って、先ず、例えばタイヤ等のゴム製品1a
の保護用として極めて有効である。というのは、例えば
タイヤ等はUV光により劣化し易いという性質を有する
が、ZnOの持つUVカット効果によりUV光をカット
することができるからである。
【0036】また、塗装面を保護するのにも極めて有効
である。というのは、コーティング剤をコーティングす
ることにより無機質のセラミック膜で樹脂面を覆うこと
ができ、それを物理的にカバーすることができ、従っ
て、鉄粉が刺さってホイール表面が傷つき、錆びるとい
うおそれを少なくすることができるからである。
【0037】また、木製品を保護するのにも極めて有効
である。というのは、本コーティング剤により木製品表
面に常温下でセラミック膜を形成することができ、物理
的に、化学的に保護することができるので、腐朽菌の活
性化の原因となる水分や酸素分子02 の木製品表面への
到達をセラミック膜で阻むことができるからである。ま
た、ZnOによるUVカット性により木製品をUV光か
ら護り、UV光による劣化を防止することができる。
【0038】第4のポリシラザンを用いたコーティング
剤も、上述したコーティング剤と同様の効果を有し、ゴ
ム製品、塗装面、木製品の保護に最適である。この第4
のポリシラザンを用いたコーティング剤は、ZnOを添
加しない場合には、UVカット性が劣るという面がある
が、それ以外の面では保護特性には殆ど遜色が無く、し
かも、撥水性では優れる。というのは、このポリシラザ
ンにはそれ自身に撥水性があるからである。また、この
第4のポリシラザンにZnOを添加した場合には、UV
カット効果を享受することができ、より保護効果を完璧
にすることができる。
【0039】尚、上記各コーティング剤に蛍光剤(例え
ば酸化ゲルマニウム、マグネシウム、鉄等或いはアント
ラセン)を添加(添加量例えば2%)した場合には、ブ
ラックライトを当てたとき光(例えば緑色の光)を発す
る。従って、ブラックライトを照射することによりコー
ティング剤が塗布済みのものは光り、未塗布のものは光
らないので、光るか光らないかによりコーティング剤の
コーティングがされているか否かが簡単に識別できる。
従って、未コーティングのものを誤ってコーティング済
みのものとして出荷してしまうミスをなくすことができ
る。
【0040】上記各コーティング剤は、スプレーガンに
直接着脱自在に接続してスプレー使用できるカートレッ
ジに入れた状態で供給できる。これに関しては既に本願
出願人の一人である株式会社テクノシステムにより特願
平10−160159号(発明の名称:塗料カートレッ
ジとスプレーガン)により技術的提案をしている。
【0041】
【発明の効果】請求項1のコーティング剤によれば、第
1のポリシラザン、第2のポリシラザン及び第3のポリ
シラザンが、元来常温で塗布して無機質であるセラミッ
ク膜を形成することができるものであり、それ自体で被
コーティング物を物理的にも化学的にも保護できるもの
である上に、それに含まれるZnOにはUVカット性が
あるので、被コーティング物をUV光(紫外線)から保
護することができる。従って、先ず、例えばタイヤ等の
ゴム製品の保護用として極めて有効である。というの
は、例えばタイヤ等はUV光により劣化し易いという性
質を有するが、この請求項1のコーティング剤によりU
V光をカットすることができるからなのである。
【0042】また、本コーティング剤は、塗装面を保護
するのにも極めて有効である。というのは、例えばホィ
ール部分は樹脂が塗布されているけれども、それに鉄粉
が刺さり、ホイール表面を傷つけ、その部分から錆が生
じ、拡がるという現象が生じるが、コーティング剤をコ
ーティングすることにより無機質のセラミック膜で樹脂
面を覆うことができ、それを物理的にカバーすることが
でき、従って、鉄粉が刺さってホイール表面が傷つき、
錆びるというおそれを少なくすることができるからであ
る。
【0043】また、本コーティング剤は、木製品を保護
するのにも極めて有効である。というのは、本コーティ
ング剤により木製品表面に常温下でセラミック膜を形成
することができ、物理的に、化学的に保護することがで
きるので、腐朽菌の活性化をもたらす水分(蒸気)、酸
素分子02 の木製品表面への到達をセラミック膜で阻む
ことができるからである。また、ZnOによるUVカッ
ト性により木製品をUV光から護り、UV光による劣化
を防止することができる。
【0044】請求項2のコーティング剤によれば、第4
のポリシラザンが上記第1、第2及び第3のポリシラザ
ン同様に常温下で被コーティング物に塗布してセラミッ
ク膜を形成することができ、物理的に、化学的に被コー
ティング物を保護することができるし、更に撥水性を有
するので、被コーティング物を極めて有効に保護するこ
とができる。従って、先ず、例えばタイヤ等のゴム製品
の保護用として極めて有効である。というのは、例えば
タイヤ等は水に濡れ続けると劣化し易いという性質を有
するが、第4のポリシラザン自身が一般のセラミック膜
が有する諸性質(物理的、化学的に安定に保護できる等
の性質)の他に優れた撥水性を有し、タイヤ等の水から
有効に護ることができるからである。
【0045】請求項2のコーティング剤は、塗装面を保
護するのにも極めて有効である。というのは、例えばホ
ィール部分は樹脂が塗布されているが、それに鉄粉が刺
さり、ホイール表面を傷つけ、その部分から錆が生じ、
拡がるという現象が生じるが、本コーティング剤をコー
ティングすることにより無機質のセラミック膜で樹脂面
を覆うことができ、それを物理的にカバーすることがで
き、従って、鉄粉が刺さってホイール表面が傷つき、錆
びるというおそれを少なくすることができるからであ
る。
【0046】また、本コーティング剤は、木製品を保護
するのにも極めて有効である。というのは、本コーティ
ング剤により木製品表面に常温下でセラミック膜を形成
することができ、物理的に、化学的に保護することがで
きるので、水分(蒸気)、酸素分子O2 が木製品表面に
達して木製品自体に元々存在する腐朽菌を活性化するの
をセラミック膜で阻むことができるからである。また、
木製品は水に触れ続ける劣化し易いが、コーティング剤
の持つ撥水性により木製品をコーティング剤により水分
から有効に保護することができる。
【0047】請求項3のコーティング剤によれば、請求
項2のコーティング剤にUVカット性を有するZnOを
混合したので、請求項2のコーティング剤にUVカット
性を付加することができる。従って、普通のセラミック
膜の持つ諸性質の他、撥水性と共にUVカット性を持つ
セラミック膜で被コーティング物を保護することができ
る。
【0048】請求項4のコーティング剤によれば、蛍光
剤が含まれているので、ブラックライトを照射すること
によりコーティング剤が塗布済みのものは光り、未塗布
のものは光らないので、光るか光らないかによりコーテ
ィング剤のコーティングがされているか否かが簡単に識
別できる。従って、未コーティングのものを誤ってコー
ティング済みのものとして出荷してしまうミスをなくす
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)〜(C)は本発明コーティング剤の各別
の実施例の説明図である。
【符号の説明】
1a・・・ゴム製品(例えばタイヤ)、1b・・・被塗
装物(アルミニウムホィール)、1c・・・木製品、2
・・・樹脂、3・・・コーティング剤(によるセラミッ
ク膜)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 清水 泰雄 埼玉県入間郡大井町西鶴ヶ岡1丁目3番1 号 東燃株式会社総合研究所内 Fターム(参考) 4J038 DL171 GA09 HA186 MA14 NA19 PA07 PC06 PC07

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で表されるシラザン構
    造を分子鎖中に含有する数平均分子量が100〜10
    0,000のアミン残基含有ポリシラザン、下記一般式
    (2)で表されるシラザン構造を有するポリシラザン及
    び/又は下記の一般式(3)で表されるシラザン構造を
    有するポリシラザンと、ZnOとを混合してなり、 ゴム製品、塗装面、又は木製品の保護に用いることを特
    徴とするコーティング剤。 一般式(1): 【化1】 一般式(2): 【化2】 一般式(3): 【化3】 (式中、R1 、R2 及びR3 は水素、炭化水素基又は炭
    化水素含有シリル基を示し、一般式(3)において、R
    1 及びR3 の少なくとも一方は水素を示し、A及びA2
    は2価炭化水素基を示し、BはN−炭化水素置換アミン
    残基又は環状アミン残基を示し、B2 は2価鎖状アミン
    残基又は2価環状アミン残基を示し、p及びqは1又は
    0を示し、BがN−炭化水素基置換アミン残基を或いは
    2 が2価鎖状アミン残基を示す場合にはp、qは1を
    示し、Bが環状アミン残基を或いはB2 が2価環状アミ
    ン残基を示す場合にはp、qは1又は0を示す。)
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の一般式(1)、
    (2)、(3)の少なくとも何れか一つのポリシラザン
    系コーティング剤に脂肪族フッ素化化合物を反応付加あ
    るいは混合してなり、 ゴム製品、塗装面、又は木製品の保護に用いることを特
    徴とするコーティング剤。
  3. 【請求項3】 Zn0を添加してなることを特徴とする
    請求項2記載のコーティング剤。
  4. 【請求項4】 蛍光剤を添加したことを特徴とする請求
    項1、2又は3記載のコーティング剤。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002076445A (ja) * 2000-09-01 2002-03-15 Sanken Electric Co Ltd 半導体発光装置
EP2174780A1 (de) 2008-10-10 2010-04-14 Sika Technology AG Aufwickelbarer Fliesenaufbau, Verfahren zur Herstellung sowie die Verwendung
JP2012532208A (ja) * 2009-06-30 2012-12-13 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 表面処理方法及び処理された物品

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EP2174780A1 (de) 2008-10-10 2010-04-14 Sika Technology AG Aufwickelbarer Fliesenaufbau, Verfahren zur Herstellung sowie die Verwendung
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