JP2000063810A - 潜熱蓄熱材組成物 - Google Patents
潜熱蓄熱材組成物Info
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- JP2000063810A JP2000063810A JP10263879A JP26387998A JP2000063810A JP 2000063810 A JP2000063810 A JP 2000063810A JP 10263879 A JP10263879 A JP 10263879A JP 26387998 A JP26387998 A JP 26387998A JP 2000063810 A JP2000063810 A JP 2000063810A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 凝固点が比較的低温領域（５〜２５℃）にあ
り、空調用冷暖房システムの蓄熱材として使用できる潜
熱蓄熱材組成物の提供。 【解決手段】 一般式ＣａＣｌ２・ｎＨ２Ｏ（ここでｎ
は４．５〜６．５）の組成を有する塩化カルシウム水和
物１００重量部に対し、多価アルコール１０〜３５重量
部と、アルカリ金属、アルカリ土類金属のハロゲン化物
（但し、塩化ストロンチウムと塩化バリウムを除く）の
一種又は複数の１〜３０重量部と、塩化ストロンチウム
及び／または塩化バリウム０．１〜２０重量部とを混合
し、更に必要に応じてアタパルジャイト、ワラストナイ
ト、セピオライトなどの繊維状鉱物の一種又は複数の
０．１〜２０重量部を混合してなる潜熱蓄熱材組成物。
り、空調用冷暖房システムの蓄熱材として使用できる潜
熱蓄熱材組成物の提供。 【解決手段】 一般式ＣａＣｌ２・ｎＨ２Ｏ（ここでｎ
は４．５〜６．５）の組成を有する塩化カルシウム水和
物１００重量部に対し、多価アルコール１０〜３５重量
部と、アルカリ金属、アルカリ土類金属のハロゲン化物
（但し、塩化ストロンチウムと塩化バリウムを除く）の
一種又は複数の１〜３０重量部と、塩化ストロンチウム
及び／または塩化バリウム０．１〜２０重量部とを混合
し、更に必要に応じてアタパルジャイト、ワラストナイ
ト、セピオライトなどの繊維状鉱物の一種又は複数の
０．１〜２０重量部を混合してなる潜熱蓄熱材組成物。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は潜熱蓄熱材に関する
ものである。詳しくは、住宅やビル等の空調用冷暖房シ
ステムに適した温度域（５〜２５℃）での蓄熱に使用す
る潜熱蓄熱材組成物に関する。
ものである。詳しくは、住宅やビル等の空調用冷暖房シ
ステムに適した温度域（５〜２５℃）での蓄熱に使用す
る潜熱蓄熱材組成物に関する。
【０００２】
【従来の技術】融解と凝固の過程で、一定の温度で大量
の潜熱を吸収または放出する物質は、エネルギーを潜熱
の形で貯蔵することが出来、廃熱の利用、太陽熱の蓄
熱、低廉な夜間電力の利用などに用いられている。
の潜熱を吸収または放出する物質は、エネルギーを潜熱
の形で貯蔵することが出来、廃熱の利用、太陽熱の蓄
熱、低廉な夜間電力の利用などに用いられている。
【０００３】各種の無機系水和塩が優れた潜熱蓄熱材と
して知られているが、無機系水和塩は融解する際に無機
塩固体とその飽和水溶液との２相に分離し、これを冷却
しても元の水和塩が生成しなかったり（相分離）、温度
を低下させて凝固点を過ぎても固化せず放熱しない（過
冷却）という現象が起こりやすい。そして潜熱蓄熱材が
使用されるためには、その凝固・融解が目的とする使用
温度領域内にに入るように調節する必要がある。
して知られているが、無機系水和塩は融解する際に無機
塩固体とその飽和水溶液との２相に分離し、これを冷却
しても元の水和塩が生成しなかったり（相分離）、温度
を低下させて凝固点を過ぎても固化せず放熱しない（過
冷却）という現象が起こりやすい。そして潜熱蓄熱材が
使用されるためには、その凝固・融解が目的とする使用
温度領域内にに入るように調節する必要がある。
【０００４】塩化カルシウム６水和物は融点２９℃、潜
熱量４１ｃａｌ／ｇであり、無機系水和塩としては比較
的融点の低い潜熱蓄熱材であるが、使用温度領域が５〜
２５℃の冷暖房システムには融点が高すぎ、そのままで
は使用に適さない。また塩化カルシウム６水和物は過冷
却を起こしやすい欠点がある。
熱量４１ｃａｌ／ｇであり、無機系水和塩としては比較
的融点の低い潜熱蓄熱材であるが、使用温度領域が５〜
２５℃の冷暖房システムには融点が高すぎ、そのままで
は使用に適さない。また塩化カルシウム６水和物は過冷
却を起こしやすい欠点がある。
【０００５】塩化カルシウム６水和物のような無機塩水
和物の融点を低下させて、より低温用の潜熱蓄熱材とし
て使用するために、グリコール類等の多価アルコール類
を融点降下剤として添加することが知られている（例え
ば特開昭５６−９５９８１号公報、特公平１−４００７
７号公報等）。しかし、このような多価アルコール添加
による凝固点降下には限界があるとされていいた。
和物の融点を低下させて、より低温用の潜熱蓄熱材とし
て使用するために、グリコール類等の多価アルコール類
を融点降下剤として添加することが知られている（例え
ば特開昭５６−９５９８１号公報、特公平１−４００７
７号公報等）。しかし、このような多価アルコール添加
による凝固点降下には限界があるとされていいた。
【０００６】すなわちエチレングリコール添加量が比較
的少量の場合は添加量に応じて凝固点降下が見られる
が、添加量が多くなると発核しにくくなり、凝固しなく
なる。また塩化カルシウム６水和物に対してエチレング
リコールが１０重量％を超えると、更に添加量を増やし
ても、凝固点の降下は緩やかとなる。これらの理由から
添加量の範囲はせいぜい１〜１０重量％とされていた。
的少量の場合は添加量に応じて凝固点降下が見られる
が、添加量が多くなると発核しにくくなり、凝固しなく
なる。また塩化カルシウム６水和物に対してエチレング
リコールが１０重量％を超えると、更に添加量を増やし
ても、凝固点の降下は緩やかとなる。これらの理由から
添加量の範囲はせいぜい１〜１０重量％とされていた。
【０００７】更に多価アルコール添加で融点を降下さ
せ、５〜２５℃の凝固点の潜熱蓄熱材が得られたとして
も、その融解点は凝固点よりはるかに高く実際の使用の
上に問題となる。即ち、この多価アルコールと塩化スト
ロンチウム及び／または塩化バリウム添加で例えば凝固
点９℃とした塩化カルシウム水和物の場合の融解点は１
９℃と高く、その温度差は１０℃にも達し、特に潜熱蓄
熱材を冷房用に使用する場合に障害となる。
せ、５〜２５℃の凝固点の潜熱蓄熱材が得られたとして
も、その融解点は凝固点よりはるかに高く実際の使用の
上に問題となる。即ち、この多価アルコールと塩化スト
ロンチウム及び／または塩化バリウム添加で例えば凝固
点９℃とした塩化カルシウム水和物の場合の融解点は１
９℃と高く、その温度差は１０℃にも達し、特に潜熱蓄
熱材を冷房用に使用する場合に障害となる。
【０００８】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、冷暖房
用システムに適した温度領域において使用できる塩化カ
ルシウム水和物を主剤とする潜熱蓄熱材について検討し
た結果、塩化カルシウム水和物に対し、多価アルコール
と共にアルカリ金属またはアルカリ土類金属のハロゲン
化物（但し、塩化ストロンチウムと塩化バリウムを除
く）の一種又は複数と、塩化ストロンチウム及び／また
は塩化バリウムとを混合することにより、凝固点と融解
点との温度差が７℃以下の冷暖房用システムに使用でき
る潜熱蓄熱材が得られることを見いだした。
用システムに適した温度領域において使用できる塩化カ
ルシウム水和物を主剤とする潜熱蓄熱材について検討し
た結果、塩化カルシウム水和物に対し、多価アルコール
と共にアルカリ金属またはアルカリ土類金属のハロゲン
化物（但し、塩化ストロンチウムと塩化バリウムを除
く）の一種又は複数と、塩化ストロンチウム及び／また
は塩化バリウムとを混合することにより、凝固点と融解
点との温度差が７℃以下の冷暖房用システムに使用でき
る潜熱蓄熱材が得られることを見いだした。
【０００９】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は一般式
ＣａＣｌ２・ｎＨ２Ｏ（ここでｎは４．５〜６．５）の
組成を有する塩化カルシウム水和物１００重量部に対
し、多価アルコール１０〜３５重量部と、アルカリ金属
またはアルカリ土類金属（但し、塩化ストロンチウムと
塩化バリウムを含まない）のハロゲン化物の一種又は複
数の１〜３０重量部と、塩化ストロンチウム及び／また
は塩化バリウム０．１〜２０重量部とを混合してなる潜
熱蓄熱材組成物に関する。
ＣａＣｌ２・ｎＨ２Ｏ（ここでｎは４．５〜６．５）の
組成を有する塩化カルシウム水和物１００重量部に対
し、多価アルコール１０〜３５重量部と、アルカリ金属
またはアルカリ土類金属（但し、塩化ストロンチウムと
塩化バリウムを含まない）のハロゲン化物の一種又は複
数の１〜３０重量部と、塩化ストロンチウム及び／また
は塩化バリウム０．１〜２０重量部とを混合してなる潜
熱蓄熱材組成物に関する。
【０００１０】さらに本発明の潜熱蓄熱材組成物は上記
潜熱蓄熱材組成物に、相分離防止剤としてアタパルジャ
イト、ワラストナイト、セピオライトなどの繊維状鉱物
の一種又は複数の０．１〜２０重量部添加した組成物を
包含する。
潜熱蓄熱材組成物に、相分離防止剤としてアタパルジャ
イト、ワラストナイト、セピオライトなどの繊維状鉱物
の一種又は複数の０．１〜２０重量部添加した組成物を
包含する。
【００１１】
【発明の実施の形態】本発明の潜熱蓄熱材の主剤として
用いられる塩化カルシウム水和物は、化学式ＣａＣｌ２
・６Ｈ２Ｏで表される、いわゆる塩化カルシウム６水和
物及びそれよりも結晶水の量が若干増減したものを含
み、ＣａＣｌ２・ｎＨ２Ｏ（ここでｎは４．５〜６．
５、好ましくは５．０〜５．８）の組成を有する塩化カ
ルシウム水和物である。ｎは水和物の結晶水モル数であ
り、ｎ＝６の場合は塩化カルシウム６水和物である。こ
のような塩化カルシウム水和物は、塩化カルシウム無水
物または塩化カルシウム２水和物に水を添加して調製す
ることができる。
用いられる塩化カルシウム水和物は、化学式ＣａＣｌ２
・６Ｈ２Ｏで表される、いわゆる塩化カルシウム６水和
物及びそれよりも結晶水の量が若干増減したものを含
み、ＣａＣｌ２・ｎＨ２Ｏ（ここでｎは４．５〜６．
５、好ましくは５．０〜５．８）の組成を有する塩化カ
ルシウム水和物である。ｎは水和物の結晶水モル数であ
り、ｎ＝６の場合は塩化カルシウム６水和物である。こ
のような塩化カルシウム水和物は、塩化カルシウム無水
物または塩化カルシウム２水和物に水を添加して調製す
ることができる。
【００１２】多価アルコールとしては、モノエチレング
リコール、プロピレングリコール、１，３プロパンジオ
ール、グリセリン、ジエチレングリコール、ジプロピレ
ングリコール等を挙げることができるが、特にモノエチ
レングリコールが凝固点を下げる効果が大きいので好ま
しい。
リコール、プロピレングリコール、１，３プロパンジオ
ール、グリセリン、ジエチレングリコール、ジプロピレ
ングリコール等を挙げることができるが、特にモノエチ
レングリコールが凝固点を下げる効果が大きいので好ま
しい。
【００１３】アルカリ金属またはアルカリ土類金属のハ
ロゲン化物としては、リチウム、ナトリウム、カリウ
ム、マグネシウムまたはカルシウムの塩化物または臭化
物を挙げることができるが、特に塩化リチウムが凝固点
と融解点との温度差を小さくする効果が大きく、また塩
化ナトリウム、塩化カリウム、臭化カリウム、塩化マグ
ネシウム等との混合使用が好ましい。
ロゲン化物としては、リチウム、ナトリウム、カリウ
ム、マグネシウムまたはカルシウムの塩化物または臭化
物を挙げることができるが、特に塩化リチウムが凝固点
と融解点との温度差を小さくする効果が大きく、また塩
化ナトリウム、塩化カリウム、臭化カリウム、塩化マグ
ネシウム等との混合使用が好ましい。
【００１４】また塩化ストロンチウムと塩化バリウムは
いずれも単独または混合して使用することができるが、
特に塩化ストロンチウムと塩化バリウムとを塩化ストロ
ンチウム／塩化バリウム混合比（重量比）９／１〜１／
９、特に３／１〜１／１の混合物として用いると、より
少量の添加量で効果を挙げることができるので好まし
い。
いずれも単独または混合して使用することができるが、
特に塩化ストロンチウムと塩化バリウムとを塩化ストロ
ンチウム／塩化バリウム混合比（重量比）９／１〜１／
９、特に３／１〜１／１の混合物として用いると、より
少量の添加量で効果を挙げることができるので好まし
い。
【００１５】本発明において、主剤である塩化カルシウ
ム水和物に対する多価アルコールの添加量は塩化カルシ
ウム水和物１００重量部に対し、多価アルコール１０〜
３５重量部である。添加量がこれよりも多いと凝固点が
低過ぎ、低温の溶媒が必要となるので実用的でない。一
方添加量がこの範囲より少ないと本発明の目的とするよ
うな低凝固点の潜熱蓄熱材が得られない。上記範囲内に
おいて、その添加量は潜熱蓄熱材を使用する温度領域に
より任意に選択することができる。
ム水和物に対する多価アルコールの添加量は塩化カルシ
ウム水和物１００重量部に対し、多価アルコール１０〜
３５重量部である。添加量がこれよりも多いと凝固点が
低過ぎ、低温の溶媒が必要となるので実用的でない。一
方添加量がこの範囲より少ないと本発明の目的とするよ
うな低凝固点の潜熱蓄熱材が得られない。上記範囲内に
おいて、その添加量は潜熱蓄熱材を使用する温度領域に
より任意に選択することができる。
【００１６】上記多価アルコールの添加による凝固点の
降下は、使用する塩化カルシウム水和物中の結晶水の量
により影響を受ける。塩化カルシウム６水和物よりも結
晶水の少ない水和物を用いる方が、凝固点をより下げる
ことができ、また同じ凝固点を得るための多価アルコー
ルの添加量を少なくすることができる。したがって本発
明で用いられる塩化カルシウム水和物は６水和物に限定
されず、一般式ＣａＣｌ２・ｎＨ２Ｏ（ここでｎは４．
５〜６．５、好ましくは５．０〜５．８）の組成を有す
る塩化カルシウム水和物が用いられる。このような塩化
カルシウム水和物は、塩化カルシウム無水物または塩化
カルシウム２水和物に水を添加して調製することができ
る。
降下は、使用する塩化カルシウム水和物中の結晶水の量
により影響を受ける。塩化カルシウム６水和物よりも結
晶水の少ない水和物を用いる方が、凝固点をより下げる
ことができ、また同じ凝固点を得るための多価アルコー
ルの添加量を少なくすることができる。したがって本発
明で用いられる塩化カルシウム水和物は６水和物に限定
されず、一般式ＣａＣｌ２・ｎＨ２Ｏ（ここでｎは４．
５〜６．５、好ましくは５．０〜５．８）の組成を有す
る塩化カルシウム水和物が用いられる。このような塩化
カルシウム水和物は、塩化カルシウム無水物または塩化
カルシウム２水和物に水を添加して調製することができ
る。
【００１７】アルカリ金属またはアルカリ土類金属のハ
ロゲン化物の添加量は塩化カルシウム水和物１００重量
部に対し、１〜３０重量部好ましくは１０〜２０重量部
である。これらのハロゲン化物は凝固点と融解点との温
度差を小さくするもので、特に塩化リチウムの効果が大
きく、また塩化ナトリウム、塩化カリウム、臭化カリウ
ム、塩化マグネシウム等との混合使用が好ましくい。
ロゲン化物の添加量は塩化カルシウム水和物１００重量
部に対し、１〜３０重量部好ましくは１０〜２０重量部
である。これらのハロゲン化物は凝固点と融解点との温
度差を小さくするもので、特に塩化リチウムの効果が大
きく、また塩化ナトリウム、塩化カリウム、臭化カリウ
ム、塩化マグネシウム等との混合使用が好ましくい。
【００１８】塩化ストロンチウム及び／または塩化バリ
ウムの添加量は塩化カルシウム水和物１００重量部に対
し、０．１〜２０重量部好ましくは１〜１０重量部であ
る。この範囲より少量の添加量では、凝固が起こりにく
くなるのので低凝固点の潜熱蓄熱材が得られない。また
添加量がこれよりも多いと、蓄熱密度が低下し、潜熱蓄
熱材としての効果が低くなり、また経済的にも不利であ
る。
ウムの添加量は塩化カルシウム水和物１００重量部に対
し、０．１〜２０重量部好ましくは１〜１０重量部であ
る。この範囲より少量の添加量では、凝固が起こりにく
くなるのので低凝固点の潜熱蓄熱材が得られない。また
添加量がこれよりも多いと、蓄熱密度が低下し、潜熱蓄
熱材としての効果が低くなり、また経済的にも不利であ
る。
【００１９】また本発明の上記潜熱蓄熱材組成物は無機
系水和塩であるため融解する際に相分離現象が起こりや
すく、融解と凝固を繰り返すことにより、蓄熱効果が低
下する傾向がある。そのため本発明においては、更に相
分離防止剤としてアタパルジャイト、ワラストナイト、
セピオライトなどの繊維状鉱物の一種又は複数の０．１
〜２０重量部添加するのが好ましい。すなわち本発明の
より好ましい実施態様は、主剤である塩化カルシウム水
和物１００重量部に対し、多価アルコール１０〜３５重
量部と、アルカリ金属またはアルカリ土類金属（但し、
塩化ストロンチウムと塩化バリウムを含まない）のハロ
ゲン化物の一種又は複数の１〜３０重量部と、塩化スト
ロンチウム及び／または塩化バリウム０．１〜２０重量
部及びアタパルジャイト、ワラストナイト、セピオライ
トなどの繊維状鉱物の一種又は複数の０．１〜２０重量
部を混合してなる潜熱蓄熱材組成物である。
系水和塩であるため融解する際に相分離現象が起こりや
すく、融解と凝固を繰り返すことにより、蓄熱効果が低
下する傾向がある。そのため本発明においては、更に相
分離防止剤としてアタパルジャイト、ワラストナイト、
セピオライトなどの繊維状鉱物の一種又は複数の０．１
〜２０重量部添加するのが好ましい。すなわち本発明の
より好ましい実施態様は、主剤である塩化カルシウム水
和物１００重量部に対し、多価アルコール１０〜３５重
量部と、アルカリ金属またはアルカリ土類金属（但し、
塩化ストロンチウムと塩化バリウムを含まない）のハロ
ゲン化物の一種又は複数の１〜３０重量部と、塩化スト
ロンチウム及び／または塩化バリウム０．１〜２０重量
部及びアタパルジャイト、ワラストナイト、セピオライ
トなどの繊維状鉱物の一種又は複数の０．１〜２０重量
部を混合してなる潜熱蓄熱材組成物である。
【００２０】ここにアタパルジャイトとは、アメリカ・
ジョージャー州に発達する粘土に与えられた名称で水和
マグネシウム・アルミニウム珪酸塩鉱物である。その結
晶構造は針状で細かい中空の細長いチャンネルからなっ
ている。ワラストナイトは、珪灰石とも言われＣａＯ・
ＳｉＯで表される白色の繊維状鉱物である。またセピオ
ライトは、水和マグネシウム・珪酸塩鉱物である。その
結晶構造は極めて細い繊維状結晶物であり、微小孔径の
トンネル状細孔が繊維の間に無数に存在する。これらの
特殊の繊維状鉱物の特異な吸着効果が相分離防止剤とし
て作用する。
ジョージャー州に発達する粘土に与えられた名称で水和
マグネシウム・アルミニウム珪酸塩鉱物である。その結
晶構造は針状で細かい中空の細長いチャンネルからなっ
ている。ワラストナイトは、珪灰石とも言われＣａＯ・
ＳｉＯで表される白色の繊維状鉱物である。またセピオ
ライトは、水和マグネシウム・珪酸塩鉱物である。その
結晶構造は極めて細い繊維状結晶物であり、微小孔径の
トンネル状細孔が繊維の間に無数に存在する。これらの
特殊の繊維状鉱物の特異な吸着効果が相分離防止剤とし
て作用する。
【００２１】このような繊維状鉱物は繊維状のままで、
又はこれを粉砕した粉末状のもの、あるいはこれらの混
合物として使用することができる。またこれら繊維状鉱
物の他に更に炭素繊維、ガラス繊維、ロックウール等の
チップフィラーを添加することができる。
又はこれを粉砕した粉末状のもの、あるいはこれらの混
合物として使用することができる。またこれら繊維状鉱
物の他に更に炭素繊維、ガラス繊維、ロックウール等の
チップフィラーを添加することができる。
【００２２】
【実施例】以下実施例を挙げて本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
【実施例１】まず、ミキサー内で塩化カルシウム２水和
物に水を添加し、式ＣａＣｌ２・ｎＨ２Ｏ（ｎは水和モ
ル数）に相当する塩化カルシウム水和物を調製した。次
いでモノエチレングリコール（ＥＧ）、アルカリ金属の
ハロゲン化物とアルカリ土類金属塩化物を表記載の各配
合比で添加し混合して潜熱蓄熱材組成物を調製した。こ
れをプログラム設定できる恒温槽内で８時間、２０℃に
保った後、５℃まで降温し、８時間保持して行う融解⇔
凝固の相変化試験でその凝固点と融解点を測定した。各
組成物の配合比と試験値を表１に示した。以下の表で示
す配合処方の単位はすべて重量部である。
物に水を添加し、式ＣａＣｌ２・ｎＨ２Ｏ（ｎは水和モ
ル数）に相当する塩化カルシウム水和物を調製した。次
いでモノエチレングリコール（ＥＧ）、アルカリ金属の
ハロゲン化物とアルカリ土類金属塩化物を表記載の各配
合比で添加し混合して潜熱蓄熱材組成物を調製した。こ
れをプログラム設定できる恒温槽内で８時間、２０℃に
保った後、５℃まで降温し、８時間保持して行う融解⇔
凝固の相変化試験でその凝固点と融解点を測定した。各
組成物の配合比と試験値を表１に示した。以下の表で示
す配合処方の単位はすべて重量部である。
【００２３】
【表１】
【００２４】
【比較例】実施例１の試料番号１の潜熱蓄熱材組成物に
おいて、アルカリ金属のハロゲン化物もアルカリ土類金
属のハロゲン化物も添加せずして調製した潜熱蓄熱材組
成物について実施例１と同様にして融解⇔凝固の相変化
試験を行なったところ、凝固温度は１０℃であり、１９
℃以下では融解が行われなかった。
おいて、アルカリ金属のハロゲン化物もアルカリ土類金
属のハロゲン化物も添加せずして調製した潜熱蓄熱材組
成物について実施例１と同様にして融解⇔凝固の相変化
試験を行なったところ、凝固温度は１０℃であり、１９
℃以下では融解が行われなかった。
【００２５】
【実施例２】実施例１の試料番号１の潜熱蓄熱材組成物
について更にセピオライト８重量部を添加混合し、これ
をプログラム設定できる恒温槽内で加熱昇温し、次いで
４℃に冷却し凝固させた。このようにして融解⇔凝固の
相変化試験のサイクルを２００回繰り返し実施したが、
蓄熱・放熱のサイクル機能には変化はなかった。
について更にセピオライト８重量部を添加混合し、これ
をプログラム設定できる恒温槽内で加熱昇温し、次いで
４℃に冷却し凝固させた。このようにして融解⇔凝固の
相変化試験のサイクルを２００回繰り返し実施したが、
蓄熱・放熱のサイクル機能には変化はなかった。
【００２６】
【発明の効果】本発明の潜熱蓄熱材は、塩化カルシウム
水和物に多価アルコールとアルカリ金属またはアルカリ
土類金属のハロゲン化物（但し、塩化ストロンチウムと
塩化バリウムを除く）と塩化ストロンチウム及び／また
は塩化バリウムとを混合してなるので、その凝固点が冷
暖房システムに適した温度領域まで低下しており、しか
も凝固点と融解点との温度差が小さい。したがって、冷
暖房システム用の蓄熱材として有用である。
水和物に多価アルコールとアルカリ金属またはアルカリ
土類金属のハロゲン化物（但し、塩化ストロンチウムと
塩化バリウムを除く）と塩化ストロンチウム及び／また
は塩化バリウムとを混合してなるので、その凝固点が冷
暖房システムに適した温度領域まで低下しており、しか
も凝固点と融解点との温度差が小さい。したがって、冷
暖房システム用の蓄熱材として有用である。
Claims (4)
- 【請求項１】一般式ＣａＣｌ２・ｎＨ２Ｏ（ここでｎは
４．５〜６．５）の組成を有する塩化カルシウム水和物
１００重量部に対し、多価アルコール１０〜３５重量部
と、アルカリ金属またはアルカリ土類金属のハロゲン化
物（但し、塩化ストロンチウムと塩化バリウムを除く）
の一種又は複数の１〜３０重量部と、塩化ストロンチウ
ム及び／または塩化バリウム０．１〜２０重量部とを混
合してなる潜熱蓄熱材組成物。 - 【請求項２】多価アルコールがモノエチレングリコール
であることを特徴とする請求項１記載の潜熱蓄熱材組成
物。 - 【請求項３】アルカリ金属またはアルカリ土類金属のハ
ロゲン化物がリチウム、ナトリウム、カリウム、マグネ
シウムまたはカルシウムの塩化物または臭化物であるこ
とを特徴とする請求項１または２記載の潜熱蓄熱材組成
物。 - 【請求項４】一般式ＣａＣｌ２・ｎＨ２Ｏ（ここでｎは
４．５〜６．５）の組成を有する塩化カルシウム水和物
１００重量部に対し、多価アルコール１０〜３５重量部
と、アルカリ金属またはアルカリ土類金属のハロゲン化
物（但し、塩化ストロンチウムと塩化バリウムを除く）
の一種又は複数の１〜３０重量部と、塩化ストロンチウ
ム及び／または塩化バリウム０．１〜２０重量部及びア
タパルジャイト、ワラストナイト、セピオライトなどの
繊維状鉱物の一種又は複数の０．１〜２０重量部を混合
してなる潜熱蓄熱材組成物。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10263879A JP2000063810A (ja) | 1998-08-12 | 1998-08-12 | 潜熱蓄熱材組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10263879A JP2000063810A (ja) | 1998-08-12 | 1998-08-12 | 潜熱蓄熱材組成物 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2000063810A true JP2000063810A (ja) | 2000-02-29 |
Family
ID=17395519
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP10263879A Pending JP2000063810A (ja) | 1998-08-12 | 1998-08-12 | 潜熱蓄熱材組成物 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2000063810A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2017128622A (ja) * | 2016-01-18 | 2017-07-27 | 株式会社Ｉｈｉエアロスペース | 保冷剤、保冷部材及び保冷容器 |
| WO2021106862A1 (ja) * | 2019-11-25 | 2021-06-03 | 矢崎総業株式会社 | 蓄熱材組成物及び建築物の冷暖房用の蓄熱システム |
-
1998
- 1998-08-12 JP JP10263879A patent/JP2000063810A/ja active Pending
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2017128622A (ja) * | 2016-01-18 | 2017-07-27 | 株式会社Ｉｈｉエアロスペース | 保冷剤、保冷部材及び保冷容器 |
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| JP2021084919A (ja) * | 2019-11-25 | 2021-06-03 | 矢崎総業株式会社 | 蓄熱材組成物及び建築物の冷暖房用の蓄熱システム |
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| CN114746528A (zh) * | 2019-11-25 | 2022-07-12 | 矢崎总业株式会社 | 蓄热材料组合物以及用于建筑物制热制冷的蓄热*** |
| CN114746528B (zh) * | 2019-11-25 | 2023-11-03 | 矢崎总业株式会社 | 蓄热材料组合物以及用于建筑物制热制冷的蓄热*** |
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