JP2000062007A - ポリエステル樹脂容器 - Google Patents

ポリエステル樹脂容器

Info

Publication number
JP2000062007A
JP2000062007A JP10234035A JP23403598A JP2000062007A JP 2000062007 A JP2000062007 A JP 2000062007A JP 10234035 A JP10234035 A JP 10234035A JP 23403598 A JP23403598 A JP 23403598A JP 2000062007 A JP2000062007 A JP 2000062007A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyester resin
inorganic compound
dispersant
container
ultraviolet absorbing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP10234035A
Other languages
English (en)
Inventor
Keiko Nakamura
圭子 中村
Masayoshi Suzuta
昌由 鈴田
Mamoru Sekiguchi
守 関口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toppan Printing Co Ltd filed Critical Toppan Printing Co Ltd
Priority to JP10234035A priority Critical patent/JP2000062007A/ja
Publication of JP2000062007A publication Critical patent/JP2000062007A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Containers Having Bodies Formed In One Piece (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Blow-Moulding Or Thermoforming Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】熱可塑性ポリエステル樹脂に紫外線吸収能を有
する無機化合物および分散剤を配合してなる樹脂組成物
からなるポリエステル樹脂容器、あるいは該樹脂組成物
からなる層を少なくとも一層設けた多層のポリエステル
樹脂容器であって、紫外線吸収能および透明性に優れた
ポリエステル樹脂容器とすることを課題とする。 【解決手段】熱可塑性ポリエステル樹脂中に、紫外線吸
収能を有する無機化合物を熱可塑性ポリエステル樹脂1
00重量部に対し0.01〜3.00重量部、および分
散剤を配合してなる樹脂組成物からなる層を少なくとも
一層設けたことを特徴とする単層又は多層の透明性を有
するポリエステル樹脂容器。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性ポリエス
テル樹脂に紫外線吸収能を有する無機化合物および分散
剤を配合してなる樹脂組成物からなるポリエステル樹脂
容器、あるいは該樹脂組成物からなる層を少なくとも一
層設けた多層ポリエステル樹脂容器に関する。さらに詳
細には、熱可塑性ポリエステル樹脂に、紫外線吸収能を
有する無機化合物および分散剤を配合、添加した樹脂組
成物からなるポリエステル樹脂容器、あるいは該樹脂組
成物からなる層を少なくとも一層設けた多層のポリエス
テル樹脂容器で、紫外線吸収能および透明性に優れたポ
リエステル樹脂容器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、プラスチック成形品は、食品
・飲料・トイレタリー用品・化粧品などの容器に代表さ
れる包装材料を初めとして、機械材料、電気・電子材
料、光学材料、建装材料など、広い分野で使用されてい
る。このようなプラスチック成形品には、使用目的に応
じて機能性を付与するために様々な添加物を加えられ、
その一例として紫外線吸収剤が挙げられる。
【0003】紫外線は波長100〜400nmの電磁波
のことを指し、この領域の光のエネルギーは、C,H,
Oの結合エネルギー(70〜110kcal/mol)
と同等のエネルギーを有する。そのため、主としてC,
H,Oの結合からなるプラスチック成形品は、紫外線照
射によりその結合が崩壊し、樹脂の劣化、変色、機械強
度の低下を伴う恐れがある。一方、プラスチック成形品
だけでなく、包装材料に充填する内容物、特にトイレタ
リーや化粧品などは、紫外線を照射することにより内容
物の変色、変質、薬剤の分解を伴う恐れがある。
【0004】このような問題点を解決するため、プラス
チック成形品には上述した紫外線吸収剤を配合する。一
般に紫外線吸収剤としてよく使用されるのが有機系紫外
線吸収剤であり、その代表的なものとして、フェニルサ
リチレート、2−ヒドロキシー4メトキシベンゾフェノ
ン、2(2’−ヒドロキシー5メチルフェニル)ベンゾ
トリアゾールが挙げられる。有機系紫外線吸収剤はプラ
スチック成形品に練り込むことで、紫外線吸収能を付与
することが可能である。
【0005】しかしながら、有機系紫外線吸収剤は、そ
の紫外線吸収機構が原因で成形品を着色してしまうとい
う問題点がある。プラスチック成形品においては、この
着色の問題は外観不良を伴うこともあり、できるだけ避
けたいところである。そこで、これらの有機紫外線吸収
剤に変わって無機系の紫外線吸収剤を使用するケースが
増えてきた。これらの代表的なものとしては酸化亜鉛、
酸化チタン、酸化セリウム、酸化鉄などが挙げられる。
【0006】しかしながら、これらの無機化合物の表面
張力はプラスチックのものより小さく、本来は無機化合
物とプラスチックの相互作用は低いため、プラスチック
を可塑化・混練時に無機化合物微粒子を添加すると、以
下の問題が生じてくる。
【0007】一般に、超微粒子と呼ばれる無機化合物の
一次粒子の粒径は数nmオーダーであり、そのサイズは
可視光の波長以下である。この無機化合物を一次粒子の
状態でプラスチック中に分散させれば、そのプラスチッ
ク成形品の透明性を低下させる問題は生じない。しかし
ながら、このような無機化合物は、通常一次粒子が凝集
した二次粒子の状態でプラスチックに添加され、溶融混
練されている。また、プラスチックを可塑化・混練時に
無機化合物微粒子を添加すると、混練中に粒子間の相互
作用でプラスチック中での無機化合物粒子の分散性が低
下し、一次粒子もしくは二次粒子の凝集が起き、分散粒
子径が数μmから数十μmオーダーの二次粒子が生成す
る。プラスチック中に分散している無機化合物の粒径が
μmオーダーになると、可視光が無機化合物により散乱
し、その結果、プラスチック成形品の透明性を著しく低
下させる問題が生じる。また、二次凝集した粒子が分散
されていることは、無機化合物添加の効果が出る添加量
よりも多くの無機化合物を添加していることを意味し、
結果としてコストがかかってしまう。
【0008】無機系の紫外線吸収剤は、その優れた紫外
線吸収能から、紫外線吸収剤として様々なプラスチック
に練り込まれているが、プラスチックと溶融混練を行う
ことで二次凝集が起こり、その結果、プラスチック成形
品の透明性を低下させる。特に、熱可塑性ポリエステル
樹脂のような透明性に優れた樹脂からなる成形品では、
できるだけ無機系の紫外線吸収剤が細かい状態で分散
し、高透明性を維持したいのが現状である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は上記の
実状を考慮したものであり、熱可塑性ポリエステル樹脂
に紫外線吸収能を有する無機化合物および分散剤を配合
してなる樹脂組成物からなるポリエステル樹脂容器、あ
るいは該樹脂組成物からなる層を少なくとも一層設けた
多層のポリエステル樹脂容器であって、紫外線吸収能お
よび透明性に優れたポリエステル樹脂容器とすることを
課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の課題を解
決するために考えられたものであり、請求項1記載の発
明は、熱可塑性ポリエステル樹脂中に、紫外線吸収能を
有する無機化合物を熱可塑性ポリエステル樹脂100重
量部に対し0.01〜3.00重量部、および分散剤を
配合してなる樹脂組成物からなる層を少なくとも一層設
けたことを特徴とする単層又は多層の透明性を有するポ
リエステル樹脂容器、としたものである。
【0011】請求項2記載の発明は、請求項1におい
て、無機化合物添加量と分散剤添加量の比R(R=分散
剤添加量/無機化合物添加量)が0.1≦R≦5である
ことを特徴とするポリエステル樹脂容器、としたもので
ある。
【0012】請求項3記載の発明は、請求項1又は2に
おいて、紫外線吸収能を有する無機化合物として酸化亜
鉛、酸化チタン、酸化セリウム、酸化鉄を少なくとも1
種含んでいることを特徴とするポリエステル樹脂容器、
としたものである。
【0013】請求項4記載の発明は、請求項1、2又は
3において、分散剤として、高級脂肪酸あるいはその金
属塩、エステル、アミド、または低分子量ポリオレフィ
ン系ワックスあるいはその酸変性物、共重合物を少なく
とも1種含んでいることを特徴とするポリエステル樹脂
容器、としたものである。
【0014】請求項5記載の発明は、請求項1、2、3
又は4において、熱可塑性ポリエステル樹脂に配合した
紫外線吸収能を有する無機化合物の平均一次粒子径が1
0〜100nmの微粒子であることを特徴とするポリエ
ステル樹脂容器、としたものである。
【0015】請求項6記載の発明は、請求項1、2、
3、4又は5記載の熱可塑性ポリエステル樹脂に紫外線
吸収能を有する無機化合物および分散剤を配合してなる
樹脂組成物からなる容器の厚さが2mmである場合に、
波長700nmにおける光線透過率が75%以上、波長
360nmにおける光線透過率が20%以下であること
を特徴とするポリエステル樹脂容器、としたものであ
る。
【0016】請求項7記載の発明は、請求項1、2、
3、4、5又は6記載の熱可塑性ポリエステル樹脂に紫
外線吸収能を有する無機化合物および分散剤を配合して
なる樹脂組成物からなる容器の厚さが2mmである場合
に、ヘーズ値が50%以下であることを特徴とするポリ
エステル樹脂容器、としたものである。
【0017】請求項8記載の発明は、請求項1、2、
3、4、5、6又は7記載のポリエステル樹脂容器が、
射出成形、ブロー成形、あるいは射出成形と延伸ブロー
成形することによって得られたことを特徴するポリエス
テル樹脂容器、としたものである。
【発明の実施の形態】
【0018】以下に、本発明について詳細に説明する。
【0019】本発明における熱可塑性ポリエステル樹脂
としては、その酸成分が、テレフタル酸、イソフタル
酸、ナフタレン2,6ジカルボン酸、コハク酸、アジピ
ン酸、サクシン酸、セバシン酸の少なくとも1種以上、
ジオール成分が、エチレングリコール、プロピレングリ
コール、ブチレングリコール、1,4−シクロヘキサン
ジメタノールなどのグリコール類、あるいはポリエチレ
ングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラ
メチレングリコールなどのポリオキシアルキレングリコ
ール類の少なくとも1種以上が重合されることにより構
成される。また、この他の酸成分としてジフェニルスル
ホンジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサ
ヒドロイソフタル酸、アゼライン酸などが選択が可能で
あり、ジオール成分もネオペンチルグリコール、ジエチ
レングリコール、1,4−シクロヘキサンジメチロー
ル、2,2−ビス(4−βーヒドロキシエトキシフェニ
ル)プロパン、1,4−ビス(βーヒドロキシエトキ
シ)ベンゼンなどが挙げられる。
【0020】さらに、本発明の熱可塑性ポリエステル樹
脂は、オキシ酸の重合体、あるいはオキシ酸の共重合体
からなるポリエステル樹脂組成物でも構わなく、そのオ
キシ酸として乳酸、εカプロラクトン、p−オキシ安息
香酸、p−βーヒドロキシエトキシ安息香酸など様々に
選択することができる。
【0021】前述した熱可塑性ポリエステル樹脂の代表
的な例として、ポリエチレンテレフタレート樹脂(以下
PET)、ポリエチレンナフタレート樹脂(以下PE
N)などの芳香族ポリエステル樹脂や、ポリエチレンサ
クシネート樹脂、ポリブチレンサクシネート樹脂などの
脂肪族ポリエステル樹脂や、ポリ乳酸樹脂、ポリカプロ
ラクトン樹脂のようなオキシ酸の重合体、あるいは 芳
香族ポリエステルにポリオキシアルキレングリコールを
共重合させたポリエステルエラストマーでも使用が可能
であり、これらの2種以上のブレンドを用いることも行
われるが、機械的性質、耐薬品性、耐熱性等に優れ、延
伸や熱固定により剛性や寸法安定性等も向上させうるこ
となどから、特にPETが好ましく用いられる。
【0022】本発明における紫外線吸収能を有する無機
化合物としては、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セリウ
ム、酸化鉄などが挙げられ、いずれか1種あるいは2種
以上の混合物が用いられる。しかしながら、酸化鉄は可
視光領域の光を吸収するため僅かに赤色に変化するこ
と、また、酸化チタン、酸化セリウムは酸化亜鉛よりも
紫外線吸収効果に劣ることから、特に好ましくは酸化亜
鉛である。また、この酸化亜鉛に代表される無機化合物
の平均一次粒子径は、熱可塑性ポリエステル樹脂へブレ
ンドした際の紫外線吸収能を考慮すると、10〜100
nmの微粒子であることが好ましい。また、無機化合物
の表面は、光触媒活性の抑制や、プラスチック中への分
散性を向上させるなどの目的で、必要に応じて、シリカ
などの無機化合物や、ステアリン酸などの有機物などで
表面処理をしても構わない。
【0023】熱可塑性ポリエステル樹脂への紫外線吸収
能を有する無機化合物の添加量は、熱可塑性樹脂ポリエ
ステル100重量部に対し0.01〜3.00重量部が
好ましい。0.01重量部よりも少ないと、ブランクと
比較した時の透明性は同等程度であるが紫外線吸収能に
劣る。また、3.00重量部より多いと、紫外線吸収能
には優れるが、ブランクと比較した時の透明性が著しく
低下する。そのような意味で、熱可塑性ポリエステル樹
脂100重量部に対する無機化合物の添加量は0.01
〜3.00重量部が好ましいが、必要な紫外線吸収能と
サンプルの厚みに応じて無機化合物の添加量を調整する
ことが好ましく行われる。
【0024】紫外線吸収能を有する無機化合物の熱可塑
性ポリエステル樹脂への分散性を向上させるために、分
散剤を配合する。本発明における分散剤は、無機化合物
の分散性を向上させるものであり、無機化合物である酸
化チタンが顔料として用いられているように、顔料用分
散剤が好ましく用いられる。このような顔料分散剤の種
類としては、ステアリン酸のような高級脂肪酸やその金
属塩、エステル、アミドなどが挙げられる。また、この
ような分散剤だけでなく、粘度法による分子量が500
〜10000程度の低分子量ポリオレフィン系ワックス
あるいはその酸変性物、各種モノマーとの共重合物から
いずれか1種あるいは2種以上の混合物を使用してもよ
い。また、比較的高分子量の分散剤でも、無機化合物を
溶融状態の樹脂に練り込む際に分解し、その分解生成物
が分散剤としての効果を発現するような分散剤ならば使
用が可能である。
【0025】分散剤の添加量は、分散剤添加量と無機化
合物の添加量比R(R=分散剤添加量/無機化合物添加
量)が0.1≦R≦5である方が好ましい。5よりも大
きいと(分散剤が多いと)、樹脂組成物自体の平均分子
量が低下し、機械的強度が低下したり、加工性が低下す
る恐れがある。また、0.1よりも少ないと(分散剤が
少ないと)、紫外線吸収能を有する無機化合物の分散状
態が低下し、樹脂組成物からなる容器の透明性を低下さ
せる恐れがある。
【0026】本発明における紫外線吸収能を有する無機
化合物の分散状態は、μmオーダーで分散する無機化合
物の量が少なければ少ないほど、つまり、nmオーダー
であることが好ましい。さらに、無機化合物を添加して
いない樹脂の透明性を維持しようとするならば、最大粒
径が400nm以下である方が好ましい。しかしなが
ら、無機化合物を添加することによる透明性の低下は、
無機化合物による光の散乱が原因であるため、実際の容
器の厚み、要求される物性に応じて、無機化合物の添加
量を抑制し、透明性を向上させることが可能である。
【0027】本発明のポリエステル樹脂容器の光線透過
特性は、紫外線吸収能と高透明性を有するため、成形条
件にもよるが、本発明の樹脂組成物からなる容器の厚み
が2mmである場合、波長700nmの光線透過率が7
5%以上、波長360nmにおける光線透過度が40%
以下であることが好ましい。波長700nmの光線透過
率が74%以下であると透明性に劣り、波長360nm
の光線透過度が41%以上であると紫外線吸収能に劣
る。さらに好ましくは、波長200〜300nmの光線
透過率が10%以下、波長400〜699nmにおける
光線透過度が50〜100%である。波長200〜30
0nmの光線透過率が11%以上では紫外線吸収能に劣
り、波長400〜700nmの光線透過度が49%以下
であると透明性に劣る。しかしながら、この厚さ2mm
の場合の評価方法は限られた方法でなく、厚さに依存な
く紫外線吸収能、高透明性を維持していた方が好まし
い。
【0028】透明性の指標としては、前述の光線透過率
以外に、全光線透過率と拡散透過率の比で表されるヘー
ズ値も代表的である。ただし、ヘーズ値は、無機化合物
の分散粒子径だけでなく、サンプル厚み、サンプル表面
状態や、ベースとなる樹脂の結晶性(結晶化度、球晶サ
イズ、配向等)によっても大きく変化するが、透明性を
要求されるのであれば、本発明のポリエステル樹脂容器
の厚みが2mmである場合には、ヘーズは値50%以下
が好ましい。特にPETのように、透明性が良好な樹脂
の場合は、好ましくはヘーズ値が30%以下、さらに好
ましくは20%以下、さらに好ましくは10%以下であ
る。この厚さ2mmの場合の評価方法も限られた方法で
ないので、厚さに依存なく紫外線吸収能、高透明性を維
持していた方が好ましい。
【0029】本発明のポリエステル樹脂容器の製造方法
としては、第一に熱可塑性ポリエステル樹脂と、所定量
の無機化合物と分散剤とをドライブレンドにより溶融混
練してポリエステル樹脂組成物を得ることによって行わ
れる。この溶融混練を行う際には、単軸押出機、2軸押
出機、あるいはブラベンダータイプの混練機など、様々
な混練機を使用することが可能である。第二に、該樹脂
組成物からなる容器を、射出成形、ブロー成形、あるい
は射出成形と延伸ブロー成形によって得るが、シート成
形、真空成形等の成形法を用いることも可能である。ま
た、あらかじめ高含有量の無機化合物および分散剤が配
合されたマスターバッチを上記混練機を用いて作成し、
無機化合物、分散剤が、上述した範囲の濃度になるよう
にドライブレンドしたものを、これらの成形法で作成す
ることが好ましく行われる。
【0030】本発明のポリエステル樹脂容器は、熱可塑
性ポリエステル樹脂に、紫外線吸収能を有する無機化合
物と分散剤とを配合してなる樹脂組成物からなる単層容
器であってもよいが、該樹脂組成物層を少なくとも1層
設けた多層ポリエステル樹脂容器とすることも好ましく
行われる。該樹脂組成物層は、目的に応じ、多層ポリエ
ステル樹脂容器のどの位置に存在してもよく、2層以上
であっても構わない。例えば、最外層であってもよい
し、最内層であってもよく、中間層であってもよい。多
層化する樹脂としては、無機化合物、分散剤を含まない
ナチュラルな熱可塑性ポリエステル樹脂をはじめとし
て、ポリアミド、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化
物、ポリ塩化ビニリデン、ポリオレフィン等が挙げら
れ、該樹脂組成物層との接着性が劣る場合には、間に接
着層を設けることが好しまい。前述したように、紫外線
吸収樹脂組成物層の厚みについては、紫外線吸収能と高
透明性を満たすように設定し、他の樹脂層の厚みについ
ては、透明性、バリヤ性等の要求品質に応じて決定する
ことが好ましい。本発明の多層ポリエステル樹脂容器の
紫外線吸収能については、紫外線吸収樹脂組成物層の紫
外線吸収能を反映したものであり、透明性については、
多層化するため、樹脂層界面の影響で、透明性が多少低
下するものの、透明性の高い樹脂と多層化することによ
り、高透明性を維持することが可能となる。
【0031】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが、本発明の技
術的範囲はこれらの実施例に限られるものではない。
【0032】<実施例1>熱可塑性ポリエステル樹脂と
してPETを、紫外線吸収能を有する無機化合物として
平均一次粒子径が20nmの酸化亜鉛を、分散剤として
低分子量ポリオレフィン系ワックスを使用した。この
時、酸化亜鉛の添加量は、PET100重量部に対し
0.2重量部、分散剤を0.2重量部(R=分散剤添加
量/無機化合物添加量=1)に設定した。二軸押出機を
用い、この無機化合物と分散剤の混合物を、溶融状態の
PETに添加、混練した後、押出された溶融樹脂を水冷
後ペレタイズし、PETと酸化亜鉛と低分子量ポリオレ
フィンワックスからなる樹脂組成物の乾燥ペレットを得
た。次に、このペレットを用いて、射出成形により胴部
平均肉厚0.8mm、容量150mlの実施例1の容器
を得た。
【0033】<実施例2>熱可塑性ポリエステル樹脂と
してPETを、紫外線吸収能を有する無機化合物として
平均一次粒子径が20nmの酸化亜鉛を、分散剤として
低分子量ポリオレフィン系ワックスを使用した。この
時、酸化亜鉛の添加量は、PET100重量部に対し
0.5重量部、分散剤を0.5重量部(R=分散剤添加
量/無機化合物添加量=1)に設定した。二軸押出機を
用い、この無機化合物と分散剤の混合物を、溶融状態の
PETに添加、混練した後、押出された溶融樹脂を水冷
後ペレタイズし、PETと酸化亜鉛と低分子量ポリオレ
フィンワックスからなる樹脂組成物の乾燥ペレットを得
た。次に、このペレットを用いて、射出成形により胴部
平均肉厚0.8mm、容量150mlの実施例2の容器
を得た。
【0034】<実施例3>熱可塑性ポリエステル樹脂と
してダイレクトブロー用PETを、紫外線吸収能を有す
る無機化合物として平均一次粒子径が20nmの酸化亜
鉛を、分散剤として低分子量ポリオレフィン系ワックス
を使用した。この時、酸化亜鉛の添加量は、PET10
0重量部に対し0.3重量部、分散剤を0.15重量部
(R=分散剤添加量/無機化合物添加量=0.5)に設
定した。二軸押出機を用い、この無機化合物と分散剤の
混合物を、溶融状態のPETに添加、混練した後、押出
された溶融樹脂を水冷後ペレタイズし、PETと酸化亜
鉛と低分子量ポリオレフィンワックスからなる樹脂組成
物の乾燥ペレットを得た。次に、このペレットを用い
て、ブロー成形により胴部平均肉厚0.8mm、容量8
00mlの実施例3のボトルを得た。
【0035】<実施例4>熱可塑性ポリエステル樹脂と
してPETを、紫外線吸収能を有する無機化合物として
平均一次粒子径が20nmの酸化亜鉛を、分散剤として
低分子量ポリオレフィン系ワックスを使用した。この
時、酸化亜鉛の添加量は、PET100重量部に対し
1.0重量部、分散剤を1.0重量部(R=分散剤添加
量/無機化合物添加量=1)に設定した。二軸押出機を
用い、この無機化合物と分散剤の混合物を、溶融状態の
PETに添加、混練した後、押出された溶融樹脂を水冷
後ペレタイズし、PETと酸化亜鉛と低分子量ポリオレ
フィンワックスからなる樹脂組成物の乾燥ペレットを得
た。次に、このペレットを用いて、射出成形によりプリ
フォームを得た後、延伸ブロー成形により胴部平均肉厚
0.45mm、容量500mlの実施例4のボトルを得
た。
【0036】<実施例5>熱可塑性ポリエステル樹脂と
してPETを、紫外線吸収能を有する無機化合物として
平均一次粒子径が20nmの酸化亜鉛を、分散剤として
低分子量ポリオレフィン系ワックスを使用した。この
時、酸化亜鉛の添加量は、PET100重量部に対し
2.0重量部、分散剤を2.0重量部(R=分散剤添加
量/無機化合物添加量=1)に設定した。二軸押出機を
用い、この無機化合物と分散剤の混合物を、溶融状態の
PETに添加、混練した後、押出された溶融樹脂を水冷
後ペレタイズし、PETと酸化亜鉛と低分子量ポリオレ
フィンワックスからなる樹脂組成物の乾燥ペレットを得
た。次に、この樹脂組成物の乾燥ペレットを中間層に用
い、射出成形によりナチュラルPET/樹脂組成物/ナ
チュラルPETの多層プリフォームを得た後、延伸ブロ
ー成形により、ナチュラルPET(肉厚200μm)/
樹脂組成物(肉厚350μm)/ナチュラルPET(肉
厚200μm)の胴部平均肉厚0.65mm、容量50
0mlの実施例5の多層ボトルを得た。ここで、ナチュ
ラルPETとは、無機化合物、分散剤等の添加物を含ま
ないPETである。
【0037】<比較例1>実施例1において、分散剤を
添加しなかった以外は同様にして、比較例1の容器を得
た。
【0038】<比較例2>熱可塑性ポリエステル樹脂と
してPETを、紫外線吸収能を有する無機化合物として
平均一次粒子径が20nmの酸化亜鉛を、分散剤として
低分子量ポリオレフィン系ワックスを使用した。この
時、酸化亜鉛の添加量は、PET100重量部に対し
5.0重量部、分散剤を5.0重量部(R=分散剤添加
量/無機化合物添加量=1)に設定した。二軸押出機を
用い、この無機化合物と分散剤の混合物を、溶融状態の
PETに添加、混練した後、押出された溶融樹脂を水冷
後ペレタイズし、PETと酸化亜鉛と低分子量ポリオレ
フィンワックスからなる樹脂組成物の乾燥ペレットを得
た。次に、この樹脂組成物の乾燥ペレットを用い、射出
成形により胴部平均肉厚0.8mm、容量150mlの
比較例2の容器を得た。
【0039】<比較例3>実施例5において、分散剤を
添加しなかった以外は同様にして、比較例3の多層ボト
ルを得た。
【0040】実施例1〜5、比較例1〜3で得られた容
器およびボトルの胴部分について、光線透過率を分光光
度計により、透明性をヘーズメーターにより評価した。
これらの結果を表1に示す。
【0041】
【表1】
【0042】これらの結果より以下のことが言える。本
発明のポリエステル樹脂容器は、熱可塑性ポリエステル
樹脂に紫外線吸収能を有する無機化合物および分散剤と
を配合してなる樹脂組成物からなるポリエステル樹脂容
器、あるいは該樹脂組成物からなる層を少なくとも1層
設けた多層ポリエステル樹脂容器である。このとき、熱
可塑性ポリエステル樹脂に含まれる無機化合物の量を、
熱可塑性ポリエステル樹脂100重量部に対し0.01
〜3.00重量部とし、さらに必要に応じて無機化合物
添加量と分散剤添加量の比R(R=分散剤添加量/無機
化合物添加量)を0.1≦R≦5にすることにより、紫
外線吸収能を有し、高透明性を維持したポリエステル樹
脂容器を得ることができる。実施例1〜5においては、
熱可塑性ポリエステル樹脂であるPETに、無機化合物
として酸化亜鉛、分散剤として低分子量ポリオレフィン
系ワックスを配合し、熱可塑性ポリエステル樹脂100
重量部に対し、無機化合物を0.01〜3重量部、分散
剤を分散剤添加量/無機化合物添加量比Rで0.1≦R
≦5の範囲で設定することで、紫外線吸収能および透明
性に優れる容器が得られることがわかる。また、比較例
1および3から、分散剤を添加しないと、無機化合物で
ある酸化亜鉛の分散性が低下するため、透明性が低下す
ることが分かる。比較例2から、酸化亜鉛の添加量が多
くなると、紫外線吸収能は有するものの、透明性が大幅
に低下することがわかる。
【0043】
【発明の効果】本発明は以上の如き構成であり、下記に
示す如き優れた実用上の効果を有する。すなわち、本発
明のポリエステル樹脂容器は、紫外線吸収能つまり紫外
線遮断性を有する容器であり、かつ樹脂本来の透明性が
維持された容器である。さらに、紫外線吸収能の持続
性、安全性、衛生性、耐熱性等に優れ、着色等の問題が
ない点でも非常に優れた容器である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3E033 BA17 BA18 BB04 BB08 CA20 FA02 FA03 4F100 AA17A AA17H AA21A AA21H AA23A AA23H AA25A AA25H AH02A AH02H AK42A CA07A DE01A GB16 JB16A JN02 JN08 YY00A 4F208 AA24 AB06 AB14 AB16 AR12 LA01 LA04 LB01 LB22

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱可塑性ポリエステル樹脂中に、紫外線吸
    収能を有する無機化合物を熱可塑性ポリエステル樹脂1
    00重量部に対し0.01〜3.00重量部、および分
    散剤を配合してなる樹脂組成物からなる層を少なくとも
    一層設けたことを特徴とする単層又は多層の透明性を有
    するポリエステル樹脂容器。
  2. 【請求項2】請求項1において、無機化合物添加量と分
    散剤添加量の比R(R=分散剤添加量/無機化合物添加
    量)が0.1≦R≦5であることを特徴とするポリエス
    テル樹脂容器。
  3. 【請求項3】請求項1又は2において、紫外線吸収能を
    有する無機化合物として酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セ
    リウム、酸化鉄を少なくとも1種含んでいることを特徴
    とするポリエステル樹脂容器。
  4. 【請求項4】請求項1、2又は3において、分散剤とし
    て、高級脂肪酸あるいはその金属塩、エステル、アミ
    ド、または低分子量ポリオレフィン系ワックスあるいは
    その酸変性物、共重合物を少なくとも1種含んでいるこ
    とを特徴とするポリエステル樹脂容器。
  5. 【請求項5】請求項1、2、3又は4において、熱可塑
    性ポリエステル樹脂に配合した紫外線吸収能を有する無
    機化合物の平均一次粒子径が10〜100nmの微粒子
    であることを特徴とするポリエステル樹脂容器。
  6. 【請求項6】請求項1、2、3、4又は5記載の熱可塑
    性ポリエステル樹脂に紫外線吸収能を有する無機化合物
    および分散剤を配合してなる樹脂組成物からなる容器の
    厚さが2mmである場合に、波長700nmにおける光
    線透過率が75%以上、波長360nmにおける光線透
    過率が20%以下であることを特徴とするポリエステル
    樹脂容器。
  7. 【請求項7】請求項1、2、3、4、5又は6記載の熱
    可塑性ポリエステル樹脂に紫外線吸収能を有する無機化
    合物および分散剤を配合してなる樹脂組成物からなる容
    器の厚さが2mmである場合に、ヘーズ値が50%以下
    であることを特徴とするポリエステル樹脂容器。
  8. 【請求項8】請求項1、2、3、4、5、6又は7記載
    のポリエステル樹脂容器が、射出成形、ブロー成形、あ
    るいは射出成形と延伸ブロー成形することによって得ら
    れたことを特徴するポリエステル樹脂容器。
JP10234035A 1998-08-20 1998-08-20 ポリエステル樹脂容器 Withdrawn JP2000062007A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10234035A JP2000062007A (ja) 1998-08-20 1998-08-20 ポリエステル樹脂容器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10234035A JP2000062007A (ja) 1998-08-20 1998-08-20 ポリエステル樹脂容器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000062007A true JP2000062007A (ja) 2000-02-29

Family

ID=16964551

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10234035A Withdrawn JP2000062007A (ja) 1998-08-20 1998-08-20 ポリエステル樹脂容器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000062007A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003025524A (ja) * 2001-07-18 2003-01-29 Gunze Ltd 積層延伸フィルム
JP2010217835A (ja) * 2009-03-19 2010-09-30 Fuji Xerox Co Ltd トナー収容容器、現像剤収容容器及びこれらを用いた画像形成装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003025524A (ja) * 2001-07-18 2003-01-29 Gunze Ltd 積層延伸フィルム
JP2010217835A (ja) * 2009-03-19 2010-09-30 Fuji Xerox Co Ltd トナー収容容器、現像剤収容容器及びこれらを用いた画像形成装置
KR101297765B1 (ko) * 2009-03-19 2013-08-20 후지제롯쿠스 가부시끼가이샤 토너 수용 용기, 현상제 수용 용기 및 이들을 사용한 화상 형성 장치

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP3592555B1 (en) Polyester packaging material
CA2651325C (en) Titanium dioxide based colour concentrate for polyester materials
BRPI0902606A2 (pt) composição de resina para recipientes alimentares
JP2011038109A (ja) 視覚的ヘイズをマスクする光吸収組成物を含有する製品および関連する方法
JP2001200107A (ja) ポリオレフィン系樹脂組成物およびその成形体
JP3948192B2 (ja) ポリエステル系樹脂組成物、ボトル、フィルムおよびトレー
JP2000062007A (ja) ポリエステル樹脂容器
JP3613990B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物および成形体
JP3608392B2 (ja) ポリエステル樹脂組成物およびその成形体
JP2000212415A (ja) ポリエステル樹脂組成物および成形体
JP3659044B2 (ja) ポリエステル樹脂組成物およびその成形体
JP2000302880A (ja) ポリエステル樹脂成形体
JP2000212416A (ja) ポリエステル樹脂成形体
JP2000212418A (ja) 無機系紫外線吸収剤高濃度分散体および成形体
US20230235168A1 (en) Packaging
US20220372277A1 (en) Packaging
CN114402033A (zh) 包装
NZ766147B2 (en) Polyester packaging material

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040608

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20040907