JP2000059129A - モノポ―ル・アンテナ - Google Patents

モノポ―ル・アンテナ

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JP2000059129A
JP2000059129A JP11144695A JP14469599A JP2000059129A JP 2000059129 A JP2000059129 A JP 2000059129A JP 11144695 A JP11144695 A JP 11144695A JP 14469599 A JP14469599 A JP 14469599A JP 2000059129 A JP2000059129 A JP 2000059129A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構造で複数周波数動作が可能な小型の
モノポール・アンテナを提供する。 【解決手段】 円盤導体22、輪状導体24及び輪状導
体26を、同一平面上に配置すると共に、内側から順に
同心円状に配置する。円盤導体22の中心に直線導体2
1の端部を垂直に接続し、円盤導体22の外縁部を***
振回路23を介して輪状導体24の内縁部に接続する。
さらに、輪状導体24の外縁部を***振回路25を介し
て輪状導体26の内縁部に接続する。***振回路23、
25によって回路を電気的に遮断し、第1の周波数f1
の電波を直線導体21と円盤導体22とからなる系で励
振し、第2の周波数f2 の電波を直線導体21から輪状
導体24までの系で励振し、第3の周波数f3 の電波を
直線導体21から輪状導体26までの系で励振する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として移動体通
信で使用されるモノポール・アンテナに関し、特に、基
地局用アンテナに適したモノポール・アンテナに関す
る。
【0002】
【従来の技術】図20に、1つのアンテナ素子からな
り、2つの周波数の電波を励振する従来のモノポール・
アンテナを示す。図20において、91は円盤状の接地
導体、92は接地導体91の中央に位置する給電部、9
3は線状導体からなるアンテナ素子をそれぞれ示してい
る。アンテナ素子93は、その中央にコイル93aを有
しており、このアンテナ素子93の一端は接地導体91
の中央に位置する給電部92に接地導体91に垂直とな
るように電気的に接続されている。
【0003】この場合、アンテナ素子93においては、
アンテナ素子全体で低い方の周波数の電波が励振され、
中央のコイル93aによって高い方の周波数の電波がコ
イル93aの上下において同相で励振される。これによ
り、異なる周波数で共振する2周波数動作モノポール・
アンテナが実現されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来のモ
ノポール・アンテナでは、アンテナ素子93の高さとし
て低い方の励振周波数の1/4波長、もしくは高い方の
励振周波数の3/4波長以上必要であることから、アン
テナ素子93の高さが高くなるため、小型化は困難であ
る。また、近い周波数同士の電波の励振は構造上不可能
であるため、励振する周波数が制限されてしまう。実用
的には、2周波数動作までである。
【0005】また、上記従来のモノポール・アンテナを
室内の天井等に設置する場合、アンテナの電波放射の効
率を良好なものとするためには、アンテナ素子93が電
波を放射する空間に面するように、アンテナを逆さに吊
り下げて床に向けて設置するのが望ましい。また、この
場合には、アンテナ素子93と全ての放射空間との間に
電波の伝搬を阻害するものが無いのが望ましく、アンテ
ナ素子93から全ての放射対象となる空間が見渡せるの
が望ましい。さらには、モノポール・アンテナには、景
観上、なるべく目立たなく設置したいという要望がある
が、アンテナ素子93が天井からの突起物となり、上記
したように、従来のモノポール・アンテナではアンテナ
素子93の高さが高くなるため、景観上好ましいもので
はなかった。
【0006】本発明は、従来技術における前記課題を解
決するためになされたものであり、簡単な構造で複数周
波数動作が可能な小型のモノポール・アンテナを提供す
ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明に係るモノポール・アンテナの第1の構成
は、接地導体と、一端が前記接地導体の表面に位置する
給電部に接続された直線導体と、前記直線導体の他端に
接続された平板状導体と、その内縁部が前記平板状導体
の外縁部に***振回路を介して接続された輪状導体とを
備えたことを特徴とする。このモノポール・アンテナの
第1の構成によれば、***振回路の共振周波数をf1 に
設定することにより、周波数f1 で***振回路は高イン
ピーダンスとなり、円盤導体と輪状導体とが電気的に遮
断されるので、直線導体と平板状導体とからなる系で第
1の周波数f1 を励振させ、直線導体から輪状導体まで
の系で第2の周波数f2 を励振させることができる。こ
こで、平板状導体を直線導体に垂直に接続し、輪状導体
を平板状導体と同一平面上に配置するようにすれば、直
線導体と平板状導体と輪状導体とからなるアンテナ部の
高さを低くすることができる。従って、本発明のモノポ
ール・アンテナの第1の構成によれば、コンパクトでか
つ簡単な構造で複数周波数動作が可能なモノポール・ア
ンテナを実現することが可能となる。
【0008】また、前記本発明のモノポール・アンテナ
の第1の構成においては、平板状導体と輪状導体の少な
くともいずれか一方が接地導体線によって接地導体に接
続されているのが好ましい。この好ましい例によれば、
各動作周波数でのアンテナの入力インピーダンスを高く
することができる。その結果、本アンテナの各動作周波
数でのアンテナ入力インピーダンスと給電部とのインピ
ーダンスの整合状態が良好となるので、アンテナの特性
を改善することができる。
【0009】また、前記本発明のモノポール・アンテナ
の第1の構成においては、平板状導体と輪状導体とが同
一平面上に配置されていても、平板状導体と輪状導体と
が異なる平面上に配置されていても構わない。
【0010】また、前記本発明のモノポール・アンテナ
の第1の構成においては、輪状導体が複数の輪状導体か
らなり、隣接する輪状導体の対向する内縁部と外縁部と
が***振回路を介して接続されているのが好ましい。こ
の好ましい例によれば、3周波数以上の複数周波数動作
が可能なモノポール・アンテナを実現することができ
る。また、この場合には、平板状導体及び複数の輪状導
体の少なくとも1つが接地導体線によって接地導体に接
続されているのが好ましい。尚、インピーダンスの整合
が十分とれている輪状導体が存在する場合があり、この
場合には、接地導体線によって整合する必要はない。特
に、最も内側の平板状導体、輪状導体等についてインピ
ーダンスの整合が十分とれている可能性がある。また、
この場合、平板状導体と複数の輪状導体とが同一平面上
に配置されていても、複数の輪状導体の少なくとも1つ
が平板状導体と異なる平面上に配置されていても構わな
い。
【0011】また、前記本発明のモノポール・アンテナ
の第1の構成においては、平板状導体が円盤導体である
のが好ましい。また、この場合には、給電部が接地導体
の表面の中央に位置し、直線導体の一端が前記給電部に
前記接地導体と垂直に接続され、前記直線導体の他端が
平板状導体と垂直に前記平板状導体の中心で接続され、
輪状導体が前記平板状導体と同心円状に配置されている
のが好ましい。
【0012】また、前記本発明のモノポール・アンテナ
の第1の構成においては、***振回路がコイルとコンデ
ンサの並列回路であるのが好ましい。
【0013】また、前記本発明のモノポール・アンテナ
の第1の構成においては、***振回路がコイルのみから
なる回路であるのが好ましい。この好ましい例によれ
ば、部品点数を削減することができる。
【0014】また、前記本発明のモノポール・アンテナ
の第1の構成においては、平板状導体と***振回路と輪
状導体とが誘電体基板上にパターン形成されているのが
好ましい。この好ましい例によれば、***振回路パター
ンを調整することにより、希望する周波数において電気
的遮断が可能となる。
【0015】また、前記本発明のモノポール・アンテナ
の第1の構成においては、接地導体の平板状導体が配置
された側と反対側に、前記接地導体との間で空間を介し
た電気的結合を生じさせる反射導体が設けられているの
が好ましい。この好ましい例によれば、次のような作用
効果を奏することができる。すなわち、反射導体にも空
間を介した電気的結合によって電流が流れるため、反射
導体の端部からも電波が放射されることになる。従っ
て、モノポール・アンテナからの電波の放射は、接地導
体からの放射と、直線導体と平板状導体と輪状導体とか
らなるアンテナ本体からの放射と、反射導体からの放射
との和となり、接地導体や反射導体の大きさ、あるいは
接地導体と反射導体との間の距離を変えることにより、
モノポール・アンテナの指向性を変化させることが可能
となる。また、この場合には、反射導体が接地導体に電
気的に接続されているのが好ましい。この好ましい例に
よれば、次のような作用効果を奏することができる。す
なわち、接地導体に電気的に接続された反射導体は、反
射導体としての働きに加えて電気的に接地導体としての
働きをもするので、給電部からの電流の漏れを抑制し
て、アンテナの入力インピーダンスを安定させることが
できる。また、この場合には、反射導体が複数の反射導
体からなり、前記複数の反射導体の少なくとも1つが接
地導体に電気的に接続されているのが好ましい。また、
この場合には、接地導体及び反射導体が面形状を有する
と共に、互いの面を対向させて配置されており、かつ、
前記反射導体の面積が前記接地導体の面積よりも大きい
のが好ましい。この好ましい例によれば、接地導体と反
射導体との間の空間的結合が強まるので、反射導体から
効率良く電波を放射させることが可能となる。
【0016】また、本発明に係るモノポール・アンテナ
の第2の構成は、接地導体と、一端が前記接地導体の表
面に位置する給電部に接続された直線導体と、その内縁
部が前記直線導体の他端に***振回路を介して接続され
た輪状導体とを備えていることを特徴とする。
【0017】また、前記本発明のモノポール・アンテナ
の第2の構成においては、輪状導体が接地導体線によっ
て接地導体に接続されているのが好ましい。
【0018】また、前記本発明のモノポール・アンテナ
の第2の構成においては、輪状導体が複数の輪状導体か
らなり、隣接する輪状導体の対向する内縁部と外縁部と
が***振回路を介して接続されているのが好ましい。ま
た、この場合には、複数の輪状導体の少なくとも1つが
接地導体線によって接地導体に接続されているのが好ま
しい。また、この場合、複数の輪状導体が同一平面上に
配置されていても、複数の輪状導体の少なくとも1つが
異なる平面上に配置されていても構わない。また、この
場合には、給電部が接地導体の表面の中央に位置し、複
数の輪状導体が同心円状に配置されているのが好まし
い。
【0019】また、前記本発明のモノポール・アンテナ
の第2の構成においては、***振回路がコイルとコンデ
ンサの並列回路であるのが好ましい。
【0020】また、前記本発明のモノポール・アンテナ
の第2の構成においては、***振回路がコイルのみから
なる回路であるのが好ましい。
【0021】また、前記本発明のモノポール・アンテナ
の第2の構成においては、***振回路と輪状導体とが誘
電体基板上にパターン形成されているのが好ましい。
【0022】また、前記本発明のモノポール・アンテナ
の第2の構成においては、接地導体の平板状導体が配置
された側と反対側に、前記接地導体との間で空間を介し
た電気的結合を生じさせる反射導体が設けられているの
が好ましい。また、この場合には、反射導体が接地導体
に電気的に接続されているのが好ましい。また、この場
合には、反射導体が複数の反射導体からなり、前記複数
の反射導体の少なくとも1つが接地導体に電気的に接続
されているのが好ましい。また、この場合には、接地導
体及び反射導体が面形状を有すると共に、互いの面を対
向させて配置されており、かつ、前記反射導体の面積が
前記接地導体の面積よりも大きいのが好ましい。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、実施の形態を用いて本発明
をさらに具体的に説明する。
【0024】〈第1の実施の形態〉まず、本発明の第1
の実施の形態について、図1、図2、図3を参照しなが
ら説明する。
【0025】図1は本発明の第1の実施の形態における
モノポール・アンテナを示す概略斜視図である。図1に
おいて、11は円盤状の接地導体、12は接地導体11
の中心に位置する同軸給電部(以下単に『給電部』とい
う。)、13はアンテナ素子をそれぞれ示している。給
電部12は接地導体11の表面上に位置しており、アン
テナ素子13は接地導体11と垂直に給電部12に電気
的に接続されている。
【0026】図2は図1におけるアンテナ素子を示す概
略斜視図である。ここでは、一例として、3周波数動作
モノポール・アンテナの場合を示している。図2におい
て、21は直線導体、22は円盤導体、23は***振回
路、24は輪状導体、25は***振回路、26は輪状導
体をそれぞれ示している。ここで、円盤導体22、輪状
導体24及び輪状導体26は、同一平面上に配置されて
いると共に、内側から順に同心円状に配置されている。
円盤導体22の中心には、直線導体21の上端部が円盤
導体22に垂直に電気的に接続されており、円盤導体2
2の外縁部は***振回路23を介して輪状導体24の内
縁部に接続されている。さらに、輪状導体24の外縁部
は***振回路25を介して輪状導体26の内縁部に接続
されている。
【0027】***振回路23、25は、例えば図3に示
すように、コイル31とコンデンサ32の並列回路によ
って構成されている。
【0028】以下に、上記のような構成を有するモノポ
ール・アンテナの動作について説明する。
【0029】まず、モノポール・アンテナの動作(アン
テナ素子の複数周波数動作)について説明する前に、本
モノポール・アンテナの基本構成をなすトップローディ
ング型モノポール・アンテナについて説明する。
【0030】図5(a)はトップローディング型モノポー
ル・アンテナを示す概略斜視図、図5(b)は図5(a)にお
けるアンテナ素子を示す概略斜視図である。図5(a)に
おいて、11は接地導体、12は給電部、13はアンテ
ナ素子をそれぞれ示している。また、図5(b)におい
て、21は直線導体、22は円盤導体をそれぞれ示して
いる。
【0031】図5(b)に示すように、トップローディン
グ型モノポール・アンテナのアンテナ素子13は、直線
導体21と円盤導体22とにより構成されている。この
場合、円盤導体22の中心に、直線導体21の上端部が
円盤導体22に垂直に電気的に接続されている。円盤導
体22は接地導体11との間でコンデンサを形成してい
ると考えられ、この場合のアンテナ素子13は、直線導
体21の上端部に容量性の負荷が接続されているものと
等価になる。この様子を図6に示す。図6中、51は等
価コンデンサ、52、53は伝送線路をそれぞれ示して
いる。また、図6において、λは自由空間波長、fは周
波数、伝送線路53の長さh’はアンテナ素子13がト
ップローディングによって低くなった部分の長さをそれ
ぞれ示している。図6に示すように、トップローディン
グ型モノポール・アンテナのアンテナ素子13は容量C
のコンデンサ51が接続された伝送線路52として表す
ことができ、通常の1/4波長モノポール・アンテナ素
子は終端が開放の線路長h’の伝送線路53が接続され
た伝送線路52として表すことができる。つまり、伝送
線路52からコンデンサ51を見たインピーダンスと、
伝送線路52から伝送線路53を見たインピーダンスと
が等しくなるように、アンテナ素子13がトップローデ
ィングによって低くなる部分の長さh’が決められる。
トップローディング型モノポール・アンテナのアンテナ
素子13の容量Cは円盤導体22の直径に比例するの
で、この考え方に基づいて、共振周波数を一定にしたと
きの円盤導体22の直径とアンテナ素子13の高さとの
関係を示せば、図7のようになる。図7に示すように、
円盤導体22の大きさを大きくすることにより、アンテ
ナ素子13の高さを低くすることができる。
【0032】本実施の形態のモノポール・アンテナは、
上記のような設計法によって設計された所定の周波数で
共振する複数のトップローディング型モノポール・アン
テナを1つにまとめたものである。
【0033】電波の励振は、第1の周波数f1 が直線導
体21と円盤導体22とからなる系で、第2の周波数f
2 が直線導体21から輪状導体24までの系で、第3の
周波数f3 が直線導体21から輪状導体26までの系で
それぞれ行われる。この場合、第1の周波数f1 が最も
高く、次に第2の周波数f2 が高く、第3の周波数f3
が最も低い。
【0034】上記のように電波を励振させるためには、
第1の周波数f1 で輪状導体24、26を直線導体21
と円盤導体22とからなる系から電気的に遮断し、第2
の周波数f2 で輪状導体26を直線導体21から輪状導
体24までの系から電気的に遮断する必要がある。この
ため、円盤導体22の外縁部と輪状導体24の内縁部と
の接続に***振回路23が用いられており、輪状導体2
4の外縁部と輪状導体26の内縁部との接続に***振回
路25が用いられている。そして、***振回路23の共
振周波数は第1の周波数f1 に合わされている。その結
果、第1の周波数f1 で***振回路23は高インピーダ
ンスとなり、円盤導体22と輪状導体24とが電気的に
遮断される。従って、直線導体21と円盤導体22とに
より、第1の周波数f1 で共振するアンテナが実現され
る。尚、第1の周波数f1 よりも低い周波数では***振
回路23は低インピーダンスとなり、円盤導体22と輪
状導体24とはほぼ導通状態となる。
【0035】同様に、***振回路25の共振周波数を第
2の周波数f2 に合わせ、第2の周波数f2 で輪状導体
24と輪状導体26とを電気的に遮断すれば、直線導体
21から輪状導体24までの系により、第2の周波数f
2 で共振するアンテナが実現される。尚、第2の周波数
f2 よりも低い周波数では***振回路25は低インピー
ダンスとなり、輪状導体24と輪状導体26とはほぼ導
通状態となる。
【0036】以上により、異なる周波数f1 、f2 、f
3 で動作する複数周波数動作モノポール・アンテナが実
現される。
【0037】また、本実施の形態のモノポール・アンテ
ナにおいては、給電部12が円盤状の接地導体11の表
面の中央に位置し、直線導体21が円盤導体22と垂直
に円盤導体22の中心で接続され、輪状導体24、26
が円盤導体22と同心円状に配置されることによって、
軸対称な構造となっているので、アンテナ横方向に無指
向の放射とすることが可能になる。
【0038】図8に、本実施の形態におけるモノポール
・アンテナのアンテナ特性を示す。図8(a)は、試作
アンテナの入力インピーダンスのVSWR特性を示した
ものであり、図8(b)は試作アンテナの放射特性を示
したものである。
【0039】図8(a)に示すように、本モノポール・
アンテナは、周波数f1 、f2 、f3 で共振している。
【0040】図8(b)では、一例として、周波数f1
、f2 での通常のモノポール・アンテナ単体の放射特
性と本モノポール・アンテナの放射特性を、比較して示
している。図8(b)に示すように、本モノポール・ア
ンテナは、複数の周波数で動作可能であり、さらに各動
作周波数においてモノポール・アンテナ単体での特性と
等しい特性を有するアンテナとなっている。
【0041】以上のように、本実施の形態によれば、コ
ンパクトでかつ簡単な構造で複数周波数動作が可能であ
ると共に、各動作周波数でモノポール・アンテナ単体で
の特性と等しい特性を示す優れたモノポール・アンテナ
を実現することができる。
【0042】また、本実施の形態においては、***振回
路23、25をコイル31とコンデンサ32の並列回路
によって構成したが、***振回路23、25は必ずしも
この構成に限定されるものではない。
【0043】また、本実施の形態においては、すべての
***振回路23、25をコイル31とコンデンサ32の
並列回路によって構成したが、必ずしもこの構成に限定
されるものではなく、いずれかの***振回路23又は2
5をコイル31とコンデンサ32の並列回路によって構
成し、残りの***振回路25又は23をコイル31のみ
によって構成してもよい。
【0044】〈第2の実施の形態〉次に、本発明の第2
の実施の形態について、図1、図2、図4を参照しなが
ら説明する。
【0045】本実施の形態のモノポール・アンテナの構
成は、上記第1の実施の形態の構成と同様である(図1
参照)。また、本実施の形態のアンテナ部の構成も、上
記第1の実施の形態の構成と同様である(図2参照)。
但し、本実施の形態においては、***振回路23、25
は、例えば図4に示すように、コイル41のみによって
構成されている。
【0046】本実施の形態のモノポール・アンテナの動
作は、上記第1の実施の形態のモノポール・アンテナの
動作と同様であるが、本実施の形態のモノポール・アン
テナにおいては、コイル41の高域遮断特性が利用され
ている。すなわち、適当な大きさのコイル41を選ぶこ
とにより、コイル41が希望の周波数で高インピーダン
スとなり、図2における円盤導体22と輪状導体24、
輪状導体24と輪状導体26をほぼ電気的に遮断するこ
とができる。また、それよりも低い周波数ではコイル4
1は低インピーダンスとなり、ほぼ導通状態となる。こ
れにより、複数の周波数で動作可能なモノポール・アン
テナを実現することができる。
【0047】また、本実施の形態によれば、***振回路
23、25をコイル41のみによって構成するようにし
たので、部品点数を削減することができる。
【0048】以上のように、本実施の形態によれば、非
常に簡単な構造で複数周波数動作が可能であると共に、
各動作周波数でモノポール・アンテナ単体での特性と等
しい特性を示す優れたモノポール・アンテナを実現する
ことができる。
【0049】尚、本実施の形態においては、すべての反
共振回路23、25をコイル41のみによって構成した
が、必ずしもこの構成に限定されるものではなく、いず
れかの***振回路23又は25をコイル41のみによっ
て構成し、残りの***振回路25又は23をコイル41
とコンデンサの並列回路によって構成してもよい。
【0050】〈第3の実施の形態〉次に、本発明の第3
の実施の形態について、図1、図3、図9を参照しなが
ら説明する。
【0051】本実施の形態のモノポール・アンテナの構
成は、上記第1の実施の形態の構成と同様である(図1
参照)。
【0052】図9は図1におけるアンテナ素子を示す概
略斜視図である。ここでは、一例として、3周波数動作
モノポール・アンテナの場合を示す。図9において、2
1は直線導体、22は円盤導体、23は***振回路、2
4は輪状導体、25は***振回路、26は輪状導体、6
1、62、63は接地導体線をそれぞれ示している。こ
こで、円盤導体22、輪状導体24及び輪状導体26
は、同一平面上に配置されていると共に、内側から順に
同心円状に配置されている。円盤導体22の中心には、
直線導体21の端部が垂直に接続されており、円盤導体
22の外縁部は***振回路23を介して輪状導体24の
内縁部に接続されている。さらに、輪状導体24の外縁
部は***振回路25を介して輪状導体26の内縁部に接
続されている。さらに、円盤導体22、輪状導体24及
び輪状導体26は、それぞれ接地導体線61、接地導体
線62及び接地導体線63によって接地導体11(図1
参照)に接続されている。
【0053】***振回路23、25は、例えば図3に示
すように、コイル31とコンデンサ32の並列回路によ
って構成されている。
【0054】本実施の形態のモノポール・アンテナの動
作は、上記第1の実施の形態のモノポール・アンテナの
動作と同様である。
【0055】上記第1の実施の形態のモノポール・アン
テナにおいては、アンテナ素子13に円盤導体22や輪
状導体24、26を用いることによってアンテナ高が低
く抑えられている。しかし、このような構成を採用した
場合、アンテナの各動作周波数においてアンテナの入力
インピーダンスが低下し、給電部12とのインピーダン
スの整合状態が悪くなる場合が起こり得る。そして、こ
のように給電部12とのインピーダンスの整合状態が悪
くなると、アンテナ素子に供給される電力が少なくな
り、アンテナの放射効率が低下してしまう。
【0056】この場合には、各動作周波数でアンテナの
入力インピーダンスを高くすることにより、給電部12
とのインピーダンスの整合状態を良好にし、アンテナの
特性を改善する必要がある。
【0057】このため、円盤導体22と輪状導体24、
26は、それぞれ接地導体線61、62、63によって
接地導体11に接続されている。これにより、各動作周
波数で本アンテナの入力インピーダンスが高くなり、そ
の結果、本アンテナの各動作周波数でのアンテナ入力イ
ンピーダンスと給電部12とのインピーダンスの整合状
態が良好となって、アンテナの特性が改善される。
【0058】以上のように、本実施の形態によれば、ア
ンテナの入力インピーダンスと給電部とのインピーダン
スの整合状態を良好にすることができ、アンテナの放射
効率の優れた複数の周波数でモノポール・アンテナ動作
が可能なモノポール・アンテナを実現することができ
る。
【0059】また、本実施の形態のモノポール・アンテ
ナにおいては、給電部12が円盤状の接地導体11の表
面の中心に位置し、直線導体21が円盤導体22と垂直
に円盤導体22の中心で接続され、輪状導体24、26
が円盤導体22と同心円状に配置されることによって、
軸対称な構造となっているので、アンテナ横方向に無指
向の放射とすることが可能となる。
【0060】また、本実施の形態においては、***振回
路23、25をコイル31とコンデンサ32の並列回路
によって構成したが、***振回路23、25は必ずしも
この構成に限定されるものではない。
【0061】また、本実施の形態においては、すべての
***振回路23、25をコイル31とコンデンサ32の
並列回路によって構成したが、必ずしもこの構成に限定
されるものではなく、いずれかの***振回路23又は2
5をコイル31とコンデンサ32の並列回路によって構
成し、残りの***振回路25又は23をコイル31のみ
によって構成してもよい。
【0062】また、本実施の形態においては、円盤導体
22と輪状導体24、26をすべて接地導体11に接地
しているが、円盤導体22、輪状導体24、26の少な
くとも1つが接地導体11に接地されていればよい。
【0063】〈第4の実施の形態〉次に、本発明の第4
の実施の形態について、図1、図4、図9を参照しなが
ら説明する。
【0064】本実施の形態のモノポール・アンテナの構
成は、上記第1の実施の形態の構成と同様である(図1
参照)。また、本実施の形態のアンテナ素子の構成は、
上記第3の実施の形態の構成と同様である(図9参
照)。
【0065】***振回路23、25は、例えば図4に示
すように、コイル41のみによって構成されている。
【0066】本実施の形態のモノポール・アンテナの動
作は、上記第3の実施の形態のモノポール・アンテナの
動作と同様であるが、本実施の形態のモノポール・アン
テナにおいては、コイル41の高域遮断特性が利用され
ている。すなわち、適当な大きさのコイル41を選ぶこ
とにより、コイル41が希望の周波数で高インピーダン
スとなり、図9における円盤導体22と輪状導体24、
輪状導体24と輪状導体26をほぼ電気的に遮断するこ
とができる。また、それよりも低い周波数ではコイル4
1は低インピーダンスとなり、ほぼ導通状態となる。こ
れにより、複数の周波数で動作可能なモノポール・アン
テナを実現することができる。
【0067】また、本実施の形態によれば、***振回路
23、25をコイル41のみによって構成するようにし
たので、部品点数を削減することができる。
【0068】以上のように、本実施の形態によれば、非
常に簡単な構造で複数周波数動作が可能であると共に、
各動作周波数でモノポール・アンテナ単体での特性と等
しい特性を示し放射効率の良好な優れたモノポール・ア
ンテナを実現することができる。
【0069】尚、本実施の形態においては、円盤導体2
2と輪状導体24、26をすべて接地導体11に接地し
ているが、円盤導体22、輪状導体24、26の少なく
とも1つが接地導体11に接地されていればよい。
【0070】〈第5の実施の形態〉次に、本発明の第5
の実施の形態について、図1、図10、図11を参照し
ながら説明する。
【0071】本実施の形態のモノポール・アンテナの構
成は、上記第1の実施の形態の構成と同様である(図1
参照)。
【0072】図10は図1におけるアンテナ素子を示す
概略斜視図である。ここでは、一例として、3周波数動
作モノポール・アンテナの場合を示す。図10におい
て、21は直線導体、22は円盤導体、23は***振回
路、24は輪状導体、25は***振回路、26は輪状導
体、71は誘電体基板をそれぞれ示している。ここで、
円盤導体22、輪状導体24及び輪状導体26は、同一
平面上に配置されていると共に、内側から順に同心円状
に配置されている。円盤導体22の中心には、直線導体
21の端部が垂直に接続されており、円盤導体22の外
縁部は***振回路23を介して輪状導体24の内縁部に
接続されている。さらに、輪状導体24の外縁部は***
振回路25を介して輪状導体26の内縁部に接続されて
いる。尚、円盤導体22、輪状導体24、26、***振
回路23、25は、誘電体基板71上にパターン形成さ
れている。
【0073】図11は図10における***振回路23、
25の誘電体基板71上の金属導体パターンを示したも
のであり、81が誘電体基板71上の金属パターンであ
る。***振回路23、25のパターンは、例えば図11
に示すように、コイル・パターン82とコンデンサ・パ
ターン83の並列回路によって構成されている。そし
て、コイル・パターン82及びコンデンサ・パターン8
3を調整することにより、希望する周波数において電気
的遮断が可能となり、本モノポール・アンテナを複数周
波数動作が可能なモノポール・アンテナとして動作させ
ることが可能となる。
【0074】以上のように、本実施の形態によれば、ア
ンテナ素子の作製精度及び安定性が向上し、複数周波数
動作可能な優れたモノポール・アンテナを実現すること
ができる。
【0075】尚、本実施の形態においては、すべての反
共振回路23、25のパターンをコイル・パターン82
とコンデンサ・パターン83の並列回路によって構成し
ているが、必ずしもこの構成に限定されるものではな
く、いずれかの***振回路23又は25のパターンをコ
イル・パターン82とコンデンサ・パターン83の並列
回路によって構成し、残りの***振回路25又は23の
パターンをコイル・パターン82のみによって構成して
もよい。
【0076】また、本実施の形態においては、すべての
***振回路23、25が誘電体基板71上にパターン形
成されているが、いずれかの***振回路23又は25を
誘電体基板71上にパターン形成し、残りの***振回路
25又は23を誘電体基板71上にパターン形成しない
構成を採ることもできる。
【0077】また、上記第1〜第5の各実施の形態にお
いては、3周波数動作モノポール・アンテナを例に挙げ
て説明したが、本発明は必ずしもこの構成のモノポール
・アンテナに限定されるものではない。例えば、輪状導
体を1個とすることによって2周波数動作モノポール・
アンテナを実現することもでき、輪状導体を3個以上と
することによって4周波数以上の複数周波数動作モノポ
ール・アンテナを実現することもできる。
【0078】また、上記第1〜第5の各実施の形態にお
いては、円盤状の接地導体11を備えたモノポール・ア
ンテナを例に挙げて説明したが、本発明は必ずしもこの
構成のモノポール・アンテナに限定されるものではな
い。接地導体としては、例えば、楕円形、あるいは三角
形のような多角形等、いかなる輪郭形状のものを用いて
もよい。
【0079】また、上記第1〜第5の各実施の形態にお
いては、平板状導体として円盤導体22を用い、輪状導
体として円盤導体22と同心円状に配置され輪状導体2
4、26を用いたモノポール・アンテナを例に挙げて説
明したが、本発明は必ずしもこの構成のモノポール・ア
ンテナに限定されるものではない。平板状導体あるいは
輪状導体としては、例えば、楕円形、あるいは三角形の
ような多角形等、いかなる輪郭形状のものを用いてもよ
い。
【0080】また、上記第1〜第5の各実施の形態にお
いては、軸対称構造を有するモノポール・アンテナを例
に挙げて説明したが、本発明は必ずしもこの構成のモノ
ポール・アンテナに限定されるものではない。例えば、
給電部12が接地導体11の中心以外の点に位置する構
成であってもよい。この構成を採用することにより、ア
ンテナの放射電波に偏りを生じさせることができ、水平
面の一方向に強い指向性を有するモノポール・アンテナ
を実現することが可能となる。
【0081】また、上記第1〜第5の各実施の形態にお
いては、円盤導体22が線状導体21に垂直に接続され
たモノポール・アンテナを例に挙げて説明したが、本発
明は必ずしもこの構成のモノポール・アンテナに限定さ
れるものではない。例えば、円盤導体22が線状導体2
1に対して斜めに接続された構成であってもよい。この
構成を採用することにより、入力インピーダンスの大き
さを変えて給電部12との整合状態を良好なものとする
ことが可能となる。
【0082】また、上記第1〜第5の各実施の形態にお
いては、円盤導体22と輪状導体24、26とが同一平
面上に配置されたモノポール・アンテナを例に挙げて説
明したが、本発明は必ずしもこの構成のモノポール・ア
ンテナに限定されるものではない。例えば、円盤導体2
2と輪状導体24、26とが異なる平面上に配置された
構成、あるいは複数の輪状導体24、26の少なくとも
1つが円盤導体22と異なる平面上に配置された構成を
採用することも可能である。具体例として、図12
(a)、(b)に、円盤導体22と輪状導体24と輪状導体2
6とがすべて異なる平面上に配置されている場合を示し
ている。図12(a)は輪状導体24、26が円盤導体2
2よりも低い平面上に配置されている場合を示してお
り、図12(b)は輪状導体24、26が円盤導体22よ
りも高い平面上に配置されている場合を示している。輪
状導体24、26を支持するための支えを必要とする場
合には、例えば絶縁体、テフロン、ガラエポ等の誘電体
からなる支持棒を用いることができる。
【0083】また、上記第1〜第5の各実施の形態にお
いては、一端が接地導体11の表面に位置する給電部1
2に接続された直線導体21と、直線導体21の他端に
接続された円盤導体22と、その内縁部が円盤導体22
の外縁部に***振回路23を介して接続された輪状導体
24と、その内縁部が輪状導体24の外縁部に***振回
路25を介して接続された輪状導体26とからなるアン
テナ素子を備えたモノポール・アンテナを例に挙げて説
明したが、本発明は必ずしもこの構成のモノポール・ア
ンテナに限定されるものではない。例えば図13に示す
ように、一端が接地導体の表面に位置する給電部に接続
された直線導体21と、その内縁部が直線導体21の他
端に***振回路23を介して接続された輪状導体24
と、その内縁部が輪状導体24の外縁部に***振回路2
5を介して接続された輪状導体26とからなるアンテナ
部を備えた構成とすることも可能である。この場合、反
共振回路23の共振周波数をf1 に、***振回路25の
共振周波数をf2 (f1 >f2 )にそれぞれ設定するこ
とにより、直線導体21のみによって周波数f1 を励振
させ、直線導体21から輪状導体24までの系で周波数
f2 を励振させ、直線導体21から輪状導体26までの
系で周波数f3 を励振させることができる。
【0084】〈第6の実施の形態〉次に、本発明の第6
の実施の形態について、図14を参照しながら説明す
る。
【0085】図14は本発明の第6の実施の形態におけ
るモノポール・アンテナを示す概略斜視図である。図1
4において、11は有限の大きさを有する円盤状の接地
導体、12は接地導体11の中心に位置する給電部、1
6は直線導体からなるアンテナ素子、14は円盤状の反
射導体をそれぞれ示している。給電部12は接地導体1
1の表面上に位置しており、アンテナ素子16は接地導
体11と垂直に給電部12に電気的に接続されている。
反射導体14は、接地導体11との間で空間を介した電
気的結合を生じさせるように、接地導体11のアンテナ
素子16が配置された側と反対側に接地導体11と対向
して平行にかつ同心円状に配置されている。尚、接地導
体11と反射導体14は、例えば絶縁体、あるいはテフ
ロン、ガラエポ等の誘電体からなる支持棒15によって
連結されている。
【0086】以上のように、本モノポール・アンテナ1
は、軸対称構造となっている。このため、アンテナ横方
向に無指向の放射とすることが可能となる。
【0087】以下に、上記のような構成を有するモノポ
ール・アンテナの動作について説明する。
【0088】電波の励振は、アンテナ素子16で行われ
る。すなわち、アンテナ素子16に共振周波数f0 の電
流の定在波が立ち、これにより周波数f0 の電波の放射
が行われる。このとき、接地導体11に逆相の電流が流
れ、接地導体11の端部からも電波が放射される。この
モノポール・アンテナ1は有限の大きさを有する接地導
体11を備えているので、その電波放射は、それぞれ電
波の放射源となっているアンテナ素子16からの放射と
接地導体11の端部からの放射との和になる。さらに、
このモノポール・アンテナ1は、接地導体11との間で
空間を介した電気的結合を生じさせるように、接地導体
11のアンテナ素子16が配置された側と反対側に接地
導体11と対向して配置された反射導体14を備えてい
るので、反射導体14にも空間を介した電気的結合によ
って電流が流れ、反射導体14の端部からも電波が放射
される。従って、このモノポール・アンテナ1による電
波の放射は、アンテナ素子16からの放射と、接地導体
11の端部からの放射と、反射導体14の端部からの放
射との和になる。このため、接地導体11や反射導体1
4の大きさ、あるいは接地導体11と反射導体14との
間の距離を変えることにより、モノポール・アンテナ1
の指向性を変化させることが可能となる。
【0089】図15に、実際に試作した本実施の形態に
おけるモノポール・アンテナ1のアンテナ特性を示す。
試作したモノポール・アンテナ11、12、1’は、それ
ぞれアンテナ素子13として1/4波長の直線導体を備
えた軸対称構造のものであって、図15(a)、(b)
は、反射導体14を備えた本実施の形態のモノポール・
アンテナ11,12の放射指向性を示したものであり、図
15(c)は、反射導体のない従来のモノポール・アン
テナ1’の放射指向性を示したものである。さらに具体
的には、図15(a)は、アンテナ素子16の共振周波
数の1波長の直径を有する円盤状の接地導体11と、ア
ンテナ素子16の共振周波数の2波長の直径を有する円
盤状の反射導体14とを備え、接地導体11と反射導体
14との間の距離をアンテナ素子16の共振周波数の1
/4波長とした本実施の形態のモノポール・アンテナ1
1の放射指向性を示している。また、図15(b)は、
アンテナ素子16の共振周波数の1.25波長の直径を
有する円盤状の接地導体11と、アンテナ素子13の共
振周波数の2波長の直径を有する円盤状の反射導体14
とを備え、接地導体11と反射導体14との間の距離を
アンテナ素子16の共振周波数の1/4波長とした本実
施の形態のモノポール・アンテナ12の放射指向性を示
している。また、図15(c)は、アンテナ素子16の
共振周波数の2波長の直径を有する円盤状の接地導体1
1を備えた従来のモノポール・アンテナ1’の放射指向
性を示している。尚、図15(d)に示すように、図の
x、y方向は、接地導体11や反射導体14の面と平行
な方向を示し、z方向は接地導体11や反射導体14の
垂線方向を示している。放射指向性の目盛りは1間隔が
10dBであり、単位はダイポール・アンテナの利得を
基準にしたdBdである。
【0090】図15(a)に示すように、モノポール・
アンテナ11は、アンテナ上側(アンテナ素子16が設
けられた側)、特にその真上方向で非常に強い放射指向
性を示しており、アンテナ下側(反射導体14が設けら
れた側)では、放射指向性が極端に弱くなっている。す
なわち、このモノポール・アンテナ11は、例えば、ホ
ールやビルの吹き抜け等の高さ方向に広がりを持った空
間、あるいは空中を浮遊する気球等と地上との間で電波
の送受波を行う場合に適したものとなる。特に、アンテ
ナ横方向に無指向の放射とすることが可能であるため、
空からの放射に優れたものとなる。
【0091】図15(b)に示すように、モノポール・
アンテナ12は、アンテナ上側(アンテナ素子16が設
けられた側)に非常に強い放射指向性を示しており、ア
ンテナ下側(反射導体14が設けられた側)では、放射
指向性が極端に弱くなっている。さらに、アンテナ上側
においても、斜め横方向に対する放射指向性が強くなっ
ている。すなわち、このモノポール・アンテナ12は、
通常の横方向に広がりを持った室内空間に適したものと
なる。特に、アンテナ横方向に無指向の放射とすること
が可能であるため、室内の天井の中央に設置することに
より、非常に広い空間への放射に優れたものとなる。
【0092】図15(c)に示すように、従来のモノポ
ール・アンテナ1’は、本実施の形態のモノポール・ア
ンテナ11、12に比べて、アンテナ下側(反射導体が設
けられていない側)の放射指向性も比較的高くなってい
る。すなわち、このモノポール・アンテナ1’は、アン
テナ下側に対する電波の漏れが比較的大きく、室内の天
井に設置するのに適さないものとなっている。
【0093】以上のことから明らかなように、反射導体
14を設けたモノポール・アンテナ11、12では、アン
テナ下側に放射されていた電波が反射導体14によって
反射されて、アンテナ上側の放射が強まっている。
【0094】また、本実施の形態のモノポール・アンテ
ナ1を室内の天井に取り付ける場合には、図16に示す
ように、反射導体14を天井80の内部(天井裏)81
に収納した状態で接地導体11を天井80の面に当接さ
せて設置すればよいので、設置した状態では、天井80
からアンテナ素子16のみが床に向かって突出し、しか
も、直線導体からなるアンテナ素子16を用いれば目立
ちにくいので、景観上邪魔になることはない。
【0095】さらに、直線導体からなるアンテナ素子1
6の代わりに、直線導体の上端に円盤導体の中心を垂直
に接続して構成したアンテナ素子を用い、直線導体の下
端を接地導体11の中心に位置する給電部12に接続す
ることも可能である。このような構成を採用すれば、軸
対称構造を保ちつつ、逆Lアンテナと同様にアンテナ素
子の高さを低くすることができるので、景観上、さらに
好ましいものとなる。
【0096】このように本実施の形態によれば、反射導
体14を備えることにより、モノポール・アンテナ1の
放射指向性を変えることができる。さらに、接地導体1
1や反射導体14の大きさ、あるいは接地導体11と反
射導体14との間の距離を任意に設定することにより、
所望の放射指向性を実現することができる。従って、本
実施の形態によれば、簡単な構造で、所望の放射指向性
を有するモノポール・アンテナ1を実現することがで
き、さらに、軸対称構造とすることにより、アンテナ横
方向に一様な放射指向性を有する優れたモノポール・ア
ンテナ1を実現することができる。
【0097】また、本実施の形態の構成を採用した場合
には、接地導体11の直径を、アンテナ素子16の共振
周波数の1/2波長以上とすることにより、入力インピ
ーダンスを安定化させることができる。以下、このこと
について説明する。
【0098】円盤状の接地導体11を備えたモノポール
・アンテナ1には、一般に、接地導体11の直径を、ア
ンテナ素子16の共振周波数の波長の1/2よりも小さ
くすると、アンテナ入力部の同軸外導体の外側に電流が
漏れ、入力インピーダンスが不安定になってしまうとい
う特徴がある。そこで、本実施の形態においては、接地
導体11の直径を、アンテナ素子16の共振周波数の1
/2波長以上にすることにより、アンテナ入力部の同軸
外導体の外側への電流の漏れを防止し、入力インピーダ
ンスを安定化させて、送信動作の安定化を図っている。
【0099】〈第7の実施の形態〉次に、本発明の第7
の実施の形態について、図17を参照しながら説明す
る。
【0100】図17は本発明の第7の実施の形態におけ
るモノポール・アンテナを示す概略斜視図である。図1
7において、11は接地導体、12は給電部、16はア
ンテナ素子、14は反射導体、27は接続導体をそれぞ
れ示している。接続導体27以外の構成は上記第6の実
施の形態と同様であるので、接続導体27以外の部材に
ついては上記第6の実施の形態と同一の符号を付し、そ
の詳細な説明は省略する。本実施の形態のモノポール・
アンテナ20は、接地導体11と反射導体14とが接続
導体27によって電気的に接続されている点に特徴があ
る。接地導体11と反射導体14との接続構造は種々考
えられるが、本実施の形態においては、共に円盤状の接
地導体11と反射導体14との中心位置にこれら接地導
体11、反射導体14の垂線方向に沿って柱状の接続導
体27を配設することにより、両導体11、14を電気
的に接続すると共に、機械的にも連結するようにされて
いる。さらに、反射導体14の直径は、アンテナ素子1
6の共振周波数の波長の1/2以上に設定されている。
【0101】以下に、上記のような構成を有するモノポ
ール・アンテナの動作について説明する。
【0102】モノポール・アンテナ20の動作は、上記
第6の実施の形態のモノポール・アンテナ1の動作と同
様であるが、このモノポール・アンテナ20は、そのよ
うな動作に加えて、次のような動作をも行う。すなわ
ち、このモノポール・アンテナ20を室内の天井に設置
する場合、図16を参照しながら説明したように、反射
導体14を天井80の内部(天井裏)81に収納するこ
とができるが、接地導体11が天井80から室内側に露
出することは避けられない。そのため、人目につく接地
導体11をできるたけ小さくしたいという要望があった
場合には、円盤状の接地導体11の直径がアンテナ素子
16の共振周波数の1/2波長以下になってしまうこと
も考えられる。しかし、そのような構成にすると、アン
テナ入力部の同軸外導体の外側に電流が漏れ、入力イン
ピーダンスが不安定になることは避けられない。
【0103】これに対して、本実施の形態においては、
次のような構成が採用されている。
【0104】第1に、反射導体14が接地導体11に電
気的に接続されている。このため、反射導体14は、反
射導体としての働き(電波放射方向を制御する働き)に
加えて、電気的に接地導体11と同様の働きをすること
になる。これにより、反射導体14は、反射導体本来の
働きをしつつ、電流の漏れを抑制して入力インピーダン
スを安定させる働きをすることになる。従って、接地導
体11の直径をアンテナ素子16の共振周波数の1/2
波長以下という小さなものにしても、漏れ電流が生じて
入力インピーダンスが不安定になるといった不都合が生
じることを防止することができる。
【0105】第2に、反射導体14の直径が、アンテナ
素子16の共振周波数の波長の1/2以上に設定されて
いる。これにより、電流の漏れをさらに確実に抑えて、
入力インピーダンスのさらなる安定化を図ることが可能
となっている。
【0106】以上のような理由により、接地導体11の
直径を、アンテナ素子13の共振周波数の1/2波長以
下という、漏れ電流の生じる可能性の高い値に設定して
も、予期される漏れ電流を確実に抑制することができ
る。従って、本実施の形態の構成を採用することによ
り、接地導体11の小型化と入力ピーダンスの安定化と
を両立させることが可能となる。
【0107】尚、本実施の形態の構成を採用した場合、
反射導体14は、アンテナ素子16の共振周波数の1/
2波長以上という、比較的大きなものになるが、通常、
本モノポール・アンテナ20を室内の天井に取り付ける
場合、反射導体14は天井の内部(天井裏)に収納され
ることになるので、反射導体14の大きさが多少大きく
なっても、室内に露出するアンテナ部分の大きさが大き
くなることはない。
【0108】このように、本実施の形態のモノポール・
アンテナ20は、入力インピーダンスの安定化と小型化
とを両立させることができるという特徴を有するが、さ
らには、接地導体11と反射導体14とを接続導体27
によって機械的に連結することにより、アンテナの構造
的な安定度を増すことができるという特徴も有してい
る。
【0109】以上のように、本実施の形態によれば、非
常に簡単な構造で、放射指向性を変化させることが可能
なモノポール・アンテナを実現することができると共
に、アンテナ動作上及び構造上、より安定な構造を有す
る優れたモノポール・アンテナを実現することができ
る。
【0110】尚、本実施の形態においては、単一の接地
導体11と単一の反射導体14とを備えたモノポール・
アンテナ20を例に挙げて説明したが、本発明は必ずし
もこの構成のモノポール・アンテナに限定されるもので
はない。複数の反射導体を備え、こられ複数の反射導体
をすべて接続導体によって接地導体11に電気的に接続
するようにしてもよい。また、複数の反射導体を備え、
これら複数の反射導体のうちの少なくとも1つを接続導
体によって選択的に接地導体11に電気的に接続するよ
うにしてもよい。
【0111】また、上記第6又は第7の実施の形態にお
いては、単一の反射導体14を備え、かつ、軸対称構造
を有するモノポール・アンテナを例に挙げて説明した
が、本発明は必ずしもこの構成のモノポール・アンテナ
に限定されるものではない。接地導体11の形状及び大
きさ、反射導体の個数と各々の形状及び大きさ、さらに
は、接地導体11と反射導体の位置を、任意に設定する
ことにより、所望の放射指向性を有するモノポール・ア
ンテナを実現することができる。
【0112】また、上記第6又は第7の実施の形態にお
いては、直線導体からなるアンテナ素子16を備えたモ
ノポール・アンテナを例に挙げて説明したが、本発明は
必ずしもこの構成のモノポール・アンテナに限定される
ものではない。例えば、直線導体の上端に円盤導体の中
心を接続してアンテナ素子を構成し、これら直線導体の
長さと円盤導体の半径との和を、アンテナ素子16の長
さと同等に設定することもできる。これにより、モノポ
ール・アンテナの高さをさらに低くすることが可能とな
る。また、アンテナ素子として上記第1〜第5の実施の
形態のアンテナ素子13(直線導体21、円盤導体2
2、輪状導体24、26、***振回路23、25からな
るアンテナ素子あるいは直線導体、輪状導体、***振回
路からなるアンテナ素子)を用いれば、上記第1〜第5
の実施の形態による効果と相俟ってさらに優れた特性を
有するモノポール・アンテナを実現することが可能とな
る。
【0113】〈第8の実施の形態〉次に、本発明の第8
の実施の形態について、図18を参照しながら説明す
る。
【0114】図18は本発明の第8の実施の形態におけ
るモノポール・アンテナを示す概略斜視図である。図1
8において、11は接地導体、12は給電部、31はア
ンテナ素子、14A、14Bは反射導体をそれぞれ示し
ている。反射導体14A、14B及びアンテナ素子31
以外の構成は上記第6の実施の形態と同様であるので、
反射導体14A、14B及びアンテナ素子31以外の部
材については上記第6の実施の形態と同一の符号を付
し、その詳細な説明は省略する。本実施の形態のモノポ
ール・アンテナ30は、複数の共振周波数で励振する
(複数周波数で動作する)アンテナ素子31を備えてい
る。アンテナ素子31は、接地導体11と垂直に接地導
体11の中心に位置する給電部12に電気的に接続され
ている。反射導体14A、14Bは円盤状に形成され、
互いに平行に、かつ、接地導体11にも平行に配置され
ている。さらに、反射導体14A、14Bは、接地導体
11に対して同軸に配置されている。尚、接地導体11
と反射導体14A、及び反射導体14Aと反射導体14
Bは、それぞれ、例えば絶縁体、あるいはテフロン、ガ
ラエポ等の誘電体からなる支持棒15によって連結され
ている。
【0115】また、本実施の形態のモノポール・アンテ
ナ30においては、アンテナ素子31が2つの共振周波
数で励振するようにされていると共に、それに応じて反
射導体が2つ(反射導体14A、14B)備わった軸対
称構造となっている。
【0116】以下に、上記のような構成を有するモノポ
ール・アンテナの動作について説明する。
【0117】このモノポール・アンテナ30の動作は、
基本的には、上記第6の実施の形態のモノポール・アン
テナ1の動作と同様であるが、このモノポール・アンテ
ナ30においては、アンテナ素子31が2つの共振周波
数f0 、f1 の電波を励振する。この場合、波長に対す
る接地導体11及び反射導体14A、14Bの大きさが
それぞれの共振周波数によって異なり、放射指向性もそ
れぞれ異なったものとなる。このため、それぞれの共振
周波数f0 、f1 に対応した接地導体11及び反射導体
14A、14Bの各々の形状及び大きさ、接地導体11
と反射導体14A、14Bとの間の距離を任意に設定す
ることにより、各共振周波数f0 、f1において所望の
放射指向性を実現することができる。
【0118】また、このモノポール・アンテナ30にお
いては、上記第6の実施の形態と同様に、接地導体11
の直径を、アンテナ素子31の低い方の共振周波数の1
/2波長以上に設定することにより、入力インピーダン
スを安定化させることができる。
【0119】〈第9の実施の形態〉次に、本発明の第9
の実施の形態について、図19を参照しながら説明す
る。
【0120】図19は本発明の第9の実施の形態におけ
るモノポール・アンテナを示す概略斜視図である。図1
9において、11は接地導体、12は給電部、31はア
ンテナ素子、14A、14Bは反射導体、41A、41
Bは接続導体をそれぞれ示している。接続導体41A、
41B以外の構成は上記第8の実施の形態と同様である
ので、接続導体41A、41B以外の部材については上
記第8の実施の形態と同一の符号を付し、その詳細な説
明は省略する。本実施の形態のモノポール・アンテナ4
0は、接地導体11と反射導体14Aとが接続導体41
Aによって電気的に接続されており、さらに、反射導体
14Aと反射導体14Bとが接続導体41Bによって電
気的に接続されている点に特徴がある。接地導体11と
反射導体14Aとの接続構造、及び反射導体14Aと反
射導体14Bとの接続構造は種々考えられるが、本実施
の形態においては、共に円盤状の接地導体11と反射導
体14Aとの中心位置にこれら接地導体11、反射導体
14Aの垂線方向に沿って柱状の接続導体41Aを配設
することにより、両導体11、14Aを電気的に接続す
ると共に、機械的にも連結するようにされている。同様
に、共に円盤状の反射導体14Aと反射導体14Bとの
中心位置にこれら反射導体14A、14Bの垂線方向に
沿って柱状の接続導体41Bを配設することにより、両
導体14A、14Bを電気的に接続すると共に、機械的
にも連結するようにされている。さらに、複数設けられ
た反射導体41A、41Bのうちの大きさが大きい方
(図19においては、接地導体11側の反射導体14
A)の直径は、アンテナ素子31の低い方の共振周波数
の1/2波長以上に設定されている。
【0121】以下に、上記のような構成を有するモノポ
ール・アンテナの動作について説明する。
【0122】このモノポール・アンテナ40の動作は、
基本的には、上記第6の実施の形態のモノポール・アン
テナ1の動作と同様であるが、このモノポール・アンテ
ナ40においては、アンテナ素子41が2つの共振周波
数f0 、f1 の電波を励振する。この場合、波長に対す
る接地導体11及び反射導体14A、14Bの大きさが
それぞれの共振周波数によって異なり、放射指向性もそ
れぞれ異なったものとなる。このため、それぞれの共振
周波数f0 、f1 に対応した接地導体11及び反射導体
14A、14Bの各々の形状及び大きさ、接地導体11
と反射導体14A、14Bとの間の距離を任意に設定す
ることにより、各共振周波数f0 、f1において所望の
放射指向性を実現することができる。
【0123】また、このモノポール・アンテナ40にお
いては、反射導体14A、14Bが接続導体41A、4
1Bを介して接地導体11に電気的に接続され、さら
に、複数設けられた反射導体41A、41Bのうちの大
きさが大きい方(図19においては、接地導体11側の
反射導体14A)の直径が、アンテナ素子31の低い方
の共振周波数の1/2波長以上に設定されている。この
ため、接地導体11の直径を、アンテナ素子31の低い
方の共振周波数の1/2波長以下という、漏れ電流の生
じる可能性の高い値に設定しても、予期される漏れ電流
を確実に抑制することができる。従って、本実施の形態
の構成を採用することにより、接地導体11の小型化と
入力ピーダンスの安定化とを両立させることが可能とな
る。尚、このような効果が得られる理由は上記第7の実
施の形態で説明したのと同様であるので、ここではその
詳細な説明は省略する。
【0124】また、本実施の形態においては、接地導体
11と反射導体14Aとを接続導体41Aによって機械
的に連結し、さらに、反射導体14Aと反射導体14B
とを接続導体41Bによって機械的に連結することによ
り、アンテナの構造的な安定度を増すこともできる。
【0125】以上のように、本実施の形態によれば、簡
単な構造で、放射指向性を変化させることが可能なモノ
ポール・アンテナを実現することができると共に、アン
テナ動作上及び構造上、より安定な構造を有する優れた
モノポール・アンテナを実現することができる。
【0126】尚、本実施の形態においては、2つの反射
導体14A、14Bと2つの接続導体41A、41Bと
を備えたモノポール・アンテナ40を例に挙げて説明し
たが、本発明は必ずしもこの構成のモノポール・アンテ
ナに限定されるものではない。3つ以上の反射導体を備
え、これらの反射導体をすべて接続導体によって接地導
体11に電気的に接続するようにしてもよい。また、3
つ以上の反射導体を備え、これらの反射導体のうちの少
なくとも1つを接続導体によって選択的に接地導体11
に電気的に接続するようにしてもよい。
【0127】また、上記第8又は第9の実施の形態にお
いては、アンテナ素子31が2つの共振周波数f0 、f
1 で励振するようにされていると共に、それに応じて反
射導体が2つ(反射導体14A、14B)備わった軸対
称構造のモノポール・アンテナを例に挙げて説明した
が、本発明は必ずしもこの構成のモノポール・アンテナ
に限定されるものではなく、単一の反射導体を用いて構
成してもよい。この場合であっても、接地導体11及び
反射導体の各々の形状及び大きさ、接地導体11と反射
導体との間の距離を任意に設定することにより、所望の
放射指向性を実現することができる。また、各共振周波
数ごとの放射指向性を複数の反射導体の組み合わせによ
って変化させる構成としてもよい。例えば、それぞれの
共振周波数において、反射導体の個数と各々の形状、大
きさ及び位置を適当に設定することにより、所望の放射
指向性を実現することが可能となる。
【0128】また、上記第8又は第9の実施の形態にお
いて、複数の共振周波数で励振する(複数周波数で動作
する)アンテナ素子31の代わりに、上記第1〜第5の
実施の形態のアンテナ素子13(直線導体21、円盤導
体22、輪状導体24、26、***振回路23、25か
らなるアンテナ素子あるいは直線導体、輪状導体、***
振回路からなるアンテナ素子)を用いれば、上記第1〜
第5の実施の形態による効果と相俟ってさらに優れた特
性を有するモノポール・アンテナを実現することが可能
となる。
【0129】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
簡単な構造で複数周波数動作が可能な小型のモノポール
・アンテナを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態におけるモノポール・アン
テナを示す概略斜視図
【図2】本発明の第1及び第2の実施の形態におけるア
ンテナ素子を示す概略斜視図
【図3】本発明の第1及び第3の実施の形態におけるア
ンテナ素子の***振回路の一例を示す図
【図4】本発明の第2及び第4の実施の形態におけるア
ンテナ素子の***振回路の一例を示す図
【図5】(a)は本発明の第1の実施の形態におけるト
ップローディング型モノポール・アンテナの一例を示す
概略斜視図、(b)はそのアンテナ素子を示す概略斜視
【図6】本発明の第1の実施の形態におけるトップロー
ディング型モノポール・アンテナの低背化を説明するた
めの図
【図7】本発明の第1の実施の形態におけるトップロー
ディング型モノポール・アンテナの共振周波数一定時の
円盤導体の直径とアンテナ素子の高さとの関係を示す図
【図8】本発明の第1の実施の形態におけるモノポール
・アンテナの特性の一例を示す図
【図9】本発明の第3及び第4の実施の形態におけるア
ンテナ素子を示す概略斜視図
【図10】本発明の第5の実施の形態におけるアンテナ
素子を示す概略斜視図
【図11】本発明の第5の実施の形態におけるアンテナ
素子の***振回路の一例を示す図
【図12】円盤導体と輪状導体が異なる平面上に配置さ
れたアンテナ素子を示す概略斜視図
【図13】直線導体と輪状導体とにより構成されたアン
テナ素子を示す概略斜視図
【図14】本発明の第6の実施の形態におけるモノポー
ル・アンテナを示す概略斜視図
【図15】本発明の第6の実施の形態におけるモノポー
ル・アンテナ及び従来のモノポール・アンテナの特性の
一例を示す図
【図16】本発明の第6の実施の形態におけるモノポー
ル・アンテナの配置例を示す図
【図17】本発明の第7の実施の形態におけるモノポー
ル・アンテナを示す概略斜視図
【図18】本発明の第8の実施の形態におけるモノポー
ル・アンテナを示す概略斜視図
【図19】本発明の第9の実施の形態におけるモノポー
ル・アンテナを示す概略斜視図
【図20】従来技術におけるモノポール・アンテナを示
す概略斜視図
【符号の説明】
1、20、30、40 モノポール・アンテナ 11 接地導体 12 同軸給電部 13、16 アンテナ素子 14、14A、14B 反射導体 15 支持棒 21 直線導体 22 円盤導体 23、25 ***振回路 24、26 輪状導体 27、41A、41B 接続導体 31、41 コイル 32 コンデンサ 51 等価コンデンサ 52、53 伝送線路 61、62、63 接地導体線 71 誘電体基板 81 金属パターン 82 コイル・パターン 83 コンデンサ・パターン

Claims (31)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 接地導体と、一端が前記接地導体の表面
    に位置する給電部に接続された直線導体と、前記直線導
    体の他端に接続された平板状導体と、その内縁部が前記
    平板状導体の外縁部に***振回路を介して接続された輪
    状導体とを備えたモノポール・アンテナ。
  2. 【請求項2】 平板状導体と輪状導体の少なくともいず
    れか一方が接地導体線によって接地導体に接続された請
    求項1に記載のモノポール・アンテナ。
  3. 【請求項3】 平板状導体と輪状導体とが同一平面上に
    配置された請求項1に記載のモノポール・アンテナ。
  4. 【請求項4】 平板状導体と輪状導体とが異なる平面上
    に配置された請求項1に記載のモノポール・アンテナ。
  5. 【請求項5】 輪状導体が複数の輪状導体からなり、隣
    接する輪状導体の対向する内縁部と外縁部とが***振回
    路を介して接続された請求項1に記載のモノポール・ア
    ンテナ。
  6. 【請求項6】 平板状導体及び複数の輪状導体の少なく
    とも1つが接地導体線によって接地導体に接続された請
    求項5に記載のモノポール・アンテナ。
  7. 【請求項7】 平板状導体と複数の輪状導体とが同一平
    面上に配置された請求項5に記載のモノポール・アンテ
    ナ。
  8. 【請求項8】 複数の輪状導体の少なくとも1つが平板
    状導体と異なる平面上に配置された請求項5に記載のモ
    ノポール・アンテナ。
  9. 【請求項9】 平板状導体が円盤導体である請求項1に
    記載のモノポール・アンテナ。
  10. 【請求項10】 給電部が接地導体の表面の中央に位置
    し、直線導体の一端が前記給電部に前記接地導体と垂直
    に接続され、前記直線導体の他端が平板状導体と垂直に
    前記平板状導体の中心で接続され、輪状導体が前記平板
    状導体と同心円状に配置された請求項9に記載のモノポ
    ール・アンテナ。
  11. 【請求項11】 ***振回路がコイルとコンデンサの並
    列回路である請求項1に記載のモノポール・アンテナ。
  12. 【請求項12】 ***振回路がコイルのみからなる回路
    である請求項1に記載のモノポール・アンテナ。
  13. 【請求項13】 平板状導体と***振回路と輪状導体と
    が誘電体基板上にパターン形成された請求項1に記載の
    モノポール・アンテナ。
  14. 【請求項14】 接地導体の平板状導体が配置された側
    と反対側に、前記接地導体との間で空間を介した電気的
    結合を生じさせる反射導体が設けられた請求項1に記載
    のモノポール・アンテナ。
  15. 【請求項15】 反射導体が接地導体に電気的に接続さ
    れた請求項14に記載のモノポール・アンテナ。
  16. 【請求項16】 反射導体が複数の反射導体からなり、
    前記複数の反射導体の少なくとも1つが接地導体に電気
    的に接続された請求項14に記載のモノポール・アンテ
    ナ。
  17. 【請求項17】 接地導体及び反射導体が面形状を有す
    ると共に、互いの面を対向させて配置されており、か
    つ、前記反射導体の面積が前記接地導体の面積よりも大
    きい請求項14に記載のモノポール・アンテナ。
  18. 【請求項18】 接地導体と、一端が前記接地導体の表
    面に位置する給電部に接続された直線導体と、その内縁
    部が前記直線導体の他端に***振回路を介して接続され
    た輪状導体とを備えたモノポール・アンテナ。
  19. 【請求項19】 輪状導体が接地導体線によって接地導
    体に接続された請求項18に記載のモノポール・アンテ
    ナ。
  20. 【請求項20】 輪状導体が複数の輪状導体からなり、
    隣接する輪状導体の対向する内縁部と外縁部とが***振
    回路を介して接続された請求項18に記載のモノポール
    ・アンテナ。
  21. 【請求項21】 複数の輪状導体の少なくとも1つが接
    地導体線によって接地導体に接続された請求項20に記
    載のモノポール・アンテナ。
  22. 【請求項22】 複数の輪状導体が同一平面上に配置さ
    れた請求項20に記載のモノポール・アンテナ。
  23. 【請求項23】 複数の輪状導体の少なくとも1つが異
    なる平面上に配置された請求項20に記載のモノポール
    ・アンテナ。
  24. 【請求項24】 給電部が接地導体の表面の中央に位置
    し、複数の輪状導体が同心円状に配置された請求項20
    に記載のモノポール・アンテナ。
  25. 【請求項25】 ***振回路がコイルとコンデンサの並
    列回路である請求項18に記載のモノポール・アンテ
    ナ。
  26. 【請求項26】 ***振回路がコイルのみからなる回路
    である請求項18に記載のモノポール・アンテナ。
  27. 【請求項27】 ***振回路と輪状導体とが誘電体基板
    上にパターン形成された請求項18に記載のモノポール
    ・アンテナ。
  28. 【請求項28】 接地導体の輪状導体が配置された側と
    反対側に、前記接地導体との間で空間を介した電気的結
    合を生じさせる反射導体が設けられた請求項18に記載
    のモノポール・アンテナ。
  29. 【請求項29】 反射導体が接地導体に電気的に接続さ
    れた請求項28に記載のモノポール・アンテナ。
  30. 【請求項30】 反射導体が複数の反射導体からなり、
    前記複数の反射導体の少なくとも1つが接地導体に電気
    的に接続された請求項28に記載のモノポール・アンテ
    ナ。
  31. 【請求項31】 接地導体及び反射導体が面形状を有す
    ると共に、互いの面を対向させて配置されており、か
    つ、前記反射導体の面積が前記接地導体の面積よりも大
    きい請求項28に記載のモノポール・アンテナ。
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