JP2000050399A - 音響信号処理回路および方法 - Google Patents

音響信号処理回路および方法

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JP2000050399A JP10218218A JP21821898A JP2000050399A JP 2000050399 A JP2000050399 A JP 2000050399A JP 10218218 A JP10218218 A JP 10218218A JP 21821898 A JP21821898 A JP 21821898A JP 2000050399 A JP2000050399 A JP 2000050399A
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譲治 笠井
Kazunari Takemura
和斉 竹村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡易な構成でありながら、精度の高いシャフ
ラー型フィルタを得る。 【解決手段】 シャフラー型クロストーク・キャンセル
・フィルタ30は、第1のフィルタ20aと第2のフィ
ルタ20bを備えている。第1のフィルタ20a、第2
のフィルタ20bの伝達関数HSUM,HDIFは、下記のとお
りである。 HSUM = ha / (2(ha + hb)) HDIF = ha / (2(ha - hb)) 第1のフィルタ20aおよび第2のフィルタ20bを、
FIR型フィルタによって構成し、第2のフィルタ20
bのタップ数を、第1のフィルタ20aのタップ数より
も多くしている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は音響信号処理回路およ
び方法に関するものであり、特にその構成の簡素化と高
精度化に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図18に、特開平8−265899号公
報に開示された音響信号処理回路を示す。この回路は、
受聴者2の前方に配置した左右のスピーカ4L、4Rに
より、仮想スピーカXL、XRから音が発せられている
ようにするためのものである。この回路を用いれば、2
つのスピーカ4L、4Rしかなくとも、あたかも後ろに
スピーカXL、XRがあるかのごとく受聴者2の聴覚に
訴えることができる。
【0003】図18の装置においては、4つのフィルタ
6a、6b、6c、6dを用いて、これを実現してい
る。4つのフィルタの伝達関数H11,H12,H21,H22は、そ
れぞれ、下式のとおりである。
【0004】 H11 = (hRRhL'L - hRLhL'R) / (hLLhRR - hLRhRL) H12 = (hLLhL'R - hLRhL'L) / (hLLhRR - hLRhRL) H21 = (hRRhR'L - hRLhR'R) / (hLLhRR - hLRhRL) H22 = (hLLhR'R - hLRhR'L) / (hLLhRR - hLRhRL) なお、ここで、hRRはスピーカ4Rから受聴者2の右耳
2Rまでの伝達関数、hRLはスピーカ4Rから受聴者2
の左耳2Lまでの伝達関数、hLLはスピーカ4Lから受
聴者2の左耳2Lまでの伝達関数、hLRはスピーカ4L
から受聴者2の右耳2Rまでの伝達関数である。
【0005】ところで、スピーカ4L、4Rおよび仮想
スピーカXL、XRの双方ともが、受聴者2の正面軸8
に対して左右対称であれば、上式において、hLL=hRR,h
LR=hR L,hL'L=hR'R,hL'R=hR'Lが成立する。したがって、
H11=H22,H12=H21となり、図19に示すように、2個の
フィルタによって回路を構成することができる(シャフ
ラー型フィルタという)。ここで、フィルタ10a、1
0bの伝達関数HSUM,HDI Fは、下式によって表される。
【0006】 HSUM = (ha' + hb') / 2(ha + hb) HDIF = (ha' - hb') / 2(ha - hb) なお、ha = hLL = hRR, hb = hLR = hRL, ha' = hL'L =
hR'R, hb' = hL'R = hR 'Lである。
【0007】このように、左右対称の配置の場合には、
簡素な構成によって、仮想的なスピーカ位置に音像を定
位させることができる。
【0008】また、図20に示すように、クロスフィー
ド・フィルタ12とクロストーク・キャンセル・フィル
タ14を用いて音像定位処理を行う場合もある。クロス
トーク・キャンセル・フィルタ14は、右のスピーカ4
Rから出て左の耳2Lに到達するクロストーク、並び
に、左のスピーカ4Lから出て右の耳2Rに到達するク
ロストークをなくするように作用する。これにより、右
チャネル信号Rは右耳2Rにのみ聞こえ、左チャネル信
号は左耳2Lにのみ聞こえるようにできる。したがっ
て、クロスフィードフィルタ12によって、クロストー
クの量を調整することにより、所望の位置に音源を定位
させることができる。
【0009】上記のようなクロストーク・キャンセル・
フィルタ14も、図19に示すようなシャフラー型フィ
ルタによって実現することができる。この場合のフィル
タ10a、フィルタ10bの伝達関数HSUM、HDIFは次の
とおりである。
【0010】 HSUM = ha / (2(ha + hb)) HDIF = ha / (2(ha − hb))
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記のシャフラー型フ
ィルタにおいて、フィルタ10a、10bが高精度であ
れば、音像定位能力の高いあるいはクロストークキャン
セル能力の高い回路を実現することができる。しかしな
がら、フィルタ10a、10bを高精度にしようとする
と、その構成が複雑となり、DSPによって実現する場
合には大きな処理時間を要するという問題があった。ま
た、簡素な構成とすると、シャフラー型フィルタとして
の能力が低下するというという問題があった。
【0012】この発明は、上記のような問題点を解決し
て、簡易な構成でありながら、精度の高いシャフラー型
フィルタを得ることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段および発明の効果】請求項
1のシャフラー型音響信号処理回路は、右チャネル信号
と左チャネル信号との和信号を処理する第1のフィルタ
と、右チャネル信号と左チャネル信号との差信号を処理
する第2のフィルタとを備え、第2のフィルタにおける
低周波領域の精度を第1のフィルタよりも高くしたこと
を特徴としている。シャフラー型音響信号処理回路にお
いては、低周波領域にて、和信号を処理する第1のフィ
ルタのゲインが、差信号を処理する第2のフィルタのゲ
インよりも低くなっている。したがって、低周波領域に
おいて、第2のフィルタの精度を第1のフィルタよりも
高くすることにより、精度の低下を極力防ぎつつ、回路
構成の簡素化を図ることができる。
【0014】請求項2のシャフラー型音響信号処理回路
は、第1のフィルタおよび第2のフィルタをFIR型フ
ィルタによって構成するとともに、第2のフィルタのタ
ップ数を、第1のフィルタのタップ数よりも多くしたこ
とを特徴としている。したがって、低周波領域におい
て、第2のフィルタの精度を第1のフィルタよりも高く
し、精度の低下を極力防ぎつつ、回路構成の簡素化を図
ることができる。
【0015】請求項3のシャフラー型音響信号処理回路
は、第2のフィルタを、サブバンドフィルタバンクを用
いて構成したことを特徴としている。したがって、ダウ
ンサンプルにより処理能力に余裕を持たすことができ
る。
【0016】請求項4のシャフラー型音響信号処理回路
は、第2のフィルタのサブバンドフィルタバンクにおい
て、低い周波数成分ほど、大きなダウンサンプルを行う
ようにしたことを特徴としている。したがって、低周波
領域において、第2のフィルタの精度を第1のフィルタ
よりも高くして、精度の低下を極力防ぎつつ、回路構成
の簡素化を図ることができる。
【0017】請求項5のシャフラー型音響信号処理回路
は、第1のフィルタをFIR型フィルタによって構成す
るとともに、第2のフィルタをFIR型フィルタと2次
IIR型フィルタの並列接続によって構成したことを特
徴としている。したがって、低周波領域において、第2
のフィルタの精度を第1のフィルタよりも高くし、精度
の低下を極力防ぎつつ、回路構成の簡素化を図ることが
できる。また、2次IIRフィルタによって低周波領域
を処理することができ、いたずらにFIR型フィルタの
段数を増やすことを防ぐことができる。
【0018】請求項6のシャフラー型音響信号処理回路
は、第2のフィルタが、FIR型フィルタと、当該FI
R型フィルタの中間タップと、当該FIRフィルタの出
力との間において並列に接続された2次IIRフィルタ
とを備たことを特徴としている。したがって、低周波領
域において、第2のフィルタの精度を第1のフィルタよ
りも高くし、精度の低下を極力防ぎつつ、回路構成の簡
素化を図ることができる。また、並列接続する中間タッ
プの位置を変えることにより、最適な特性を得ることが
できる。
【0019】請求項9のフィルタは、複数のタップを有
するFIR型フィルタと、当該FIR型フィルタの中間
タップにその入力が接続されたIIR型フィルタと、F
IR型フィルタとIIR型フィルタの出力を加算する加
算手段とを備えている。したがって、容易に所望の特性
を有するフィルタを得ることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】図1に、この発明の一実施形態に
よるシャフラー型クロストーク・キャンセル・フィルタ
30の構成を示す。左チャネル入力端子LINには左チ
ャネル信号が、右チャネル入力端子RINには右チャネル
信号が与えられる。左チャネル信号と右チャネル信号
は、加算器22において加算され、第1のフィルタ20
aに与えられる。左チャネル信号と右チャネル信号は、
また、減算器24において減算され、第2のフィルタ2
0bに与えられる。第1のフィルタ20a、第2のフィ
ルタ20bの伝達関数HSUM,HDIFは、下記のとおりであ
る。
【0021】 HSUM = ha / (2(ha + hb)) HDIF = ha / (2(ha - hb)) 加算器26は、第1のフィルタ20aと第2のフィルタ
20bの出力を加算して、スピーカ4Lのための信号と
して出力する。減算器28は、第1のフィルタ20aと
第2のフィルタ20bの出力を減算して、スピーカ4R
のための信号として出力する。
【0022】この実施形態においては、第1のフィルタ
20aおよび第2のフィルタ20bを、FIR型フィル
タによって構成し、フィルタ30全体をDSPによって
実現した。図2に、DSP40を用いて実現した場合の
ハードウエア構成を示す。各チャネルの信号L、Rは、
デジタルデータとしてDSP40に与えられる。DSP
22は、メモリ46に記憶されたプログラムにしたがっ
て、デジタルデータに対する加算、減算、フィルタリン
グ等の処理を行い、左スピーカ用信号LOUT、右スピー
カ用信号ROUTを生成する。これら信号は、D/Aコン
バータ42によってアナログ信号に変換され、スピーカ
4L、4Rのための信号として出力される。なお、メモ
リ26へのプログラムの格納等の処理は、マイクロプロ
セッサ20によって行う。
【0023】図3に、メモリ46のプログラムに基づい
て、DSP40が行う処理を、シグナルフローの形式に
て示す。この実施形態では、第1のフィルタ20a、第
2のフィルタ20bを、FIR型フィルタによって構成
している。図において、DS1〜DS32、DD1〜D
D96は遅延処理であり、1サンプル分の遅延処理を行
う。ここでは、サンプル周波数を、48kHzとした。
また、KS0〜KS32、KD0〜KD96は、係数処
理である。第1のフィルタ10aのタップ数(つまり遅
延処理の数)を32とし、第2のフィルタ10bのタッ
プ数を96としている。FIR型フィルタにおいては、
タップ数が多くなるほど、低周波領域の精度が高くな
る。したがって、図3の例においては、第2のフィルタ
10bの方が、第1のフィルタ10aよりも低周波領域
における精度が高くなっている。
【0024】第1のフィルタ10aのタップ数を32、
第2のフィルタ10bのタップ数を32とした場合の各
フィルタの周波数特性、およびクロストークキャンセル
の応答特性zt1とエラーzt2を図4に示す。ここで、エラ
ーとは、十分なキャンセルができずに残った応答であ
り、クロストークキャンセル場合には、エラーが少ない
ほど良好なフィルタであるといえる。なお、ここでは、
スピーカ4L(または4R)と受聴者2との角度α(図
1参照)を10度に設定した。タップ数32では、精度
が低く、クロストークキャンセルエラーが大きいことが
示されている。
【0025】同様に、両フィルタ10a、10bのタッ
プ数を64とした場合を、図5に示す。32タップの場
合より改善されているものの、依然としてクロストーク
キャンセルエラーが大きいことが示されている。
【0026】さらに、両フィルタ10a、10bのタッ
プ数を96とした場合を、図6に示す。エラーがかなり
少ないことが示されている。しかしながら、両フィルタ
10a、10bのタップ数を96とすると、DSP40
の演算負荷が大きいという問題を生じる。
【0027】この実施形態では、第1のフィルタ10a
に要求される周波数特性が、特に低周波において、レベ
ルが低く平坦であることに着目して、第1のフィルタ1
0aのタップ数を、第2のフィルタ10bのタップ数よ
りも少なくした。つまり、低周波領域において、第1の
フィルタ10aの精度を低くし、その分、第2のフィル
タ10bの精度向上に当てている。具体的には、第1の
フィルタ10aのタップ数を32、第2のフィルタ10
bのタップ数を96とした。この場合の特性を、図7に
示す。
【0028】図7からも明らかなように、双方のフィル
タ10a、10bのタップ数を96とした場合とほぼ同
等のエラーに抑えることができている。つまり、全体の
タップ数を抑えつつ、精度の高いシャフラー型クロスト
ーク・キャンセル・フィルタを得ることができる。
【0029】図8に、他の実施形態によるシグナルフロ
ーを示す。この実施形態においても、FIRフィルタを
用い、第1のフィルタ20aのタップ数(32)より
も、第2のフィルタ20bのタップ数(実質的に12
8)を多くしている。ただし、この実施形態では、第2
のフィルタ20bにおいて、フィルタバンクを採用しダ
ウンサンプルした後にFIRフィルタを通している。図
中、Hは高域通過フィルタ、Gは低域通過フィルタであ
る。また、↓は1/2ダウンサンプルを、↑は2倍アッ
プサンプルを示している。遅延205、206、208
は、各フィルタバンク処理のための時間を補償するため
の遅延処理である。遅延205は3サンプル、206は
1サンプル、208は7サンプルの遅延処理を行ってい
る。
【0030】このようにフィルタバンクを採用すること
により、実質的に原サンプリングにおいて128タップ
の能力を得つつ、FIRフィルタ201、202、20
3、204の合計タップ数を68タップに抑えることが
でき、ダウンサンプリングにより処理能力に余裕をつく
ることができる。これにより、周波数の低い成分につい
ての精度を高くすることができる。また、この実施形態
では、フィルタバンクを周波数の低い成分の側で分割を
繰り返すオクターブ分割としているが、高い周波数も分
割する等分割フィルタバンクでもよい。
【0031】図9に、フィルタバンクを採用せずに、第
1のフィルタ10aのタップ数を32、第2のフィルタ
10bのタップ数を128とした時のクロストークキャ
ンセルエラーZT2を示す。また、図10に、図8の構
成によるクロストークキャンセルエラーZT2を示す。
両図から明らかなように、フィルタバンクを採用した図
8の回路が、128タップとした場合と同等の性能を有
していることが分かる。
【0032】図11に、他の実施形態によるシグナルフ
ローを示す。この実施形態においては、第1のフィルタ
20aを32タップのFIR型フィルタによって構成
し、第2のフィルタ20bを32タップのFIR型フィ
ルタ210と2次IIR型フィルタ212によって構成
している。FIR型フィルタ210と2次IIR型フィ
ルタ212の出力は、加算器214によって加算され
る。
【0033】この実施形態では、第2のフィルタのFI
R型フィルタ210のタップ数を32に抑えるととも
に、低い周波数成分に対する精度を2次IIR型フィル
タ210によって向上させている。2次IIR型フィル
タは、低い周波数成分において高い精度を得ることがで
きるので、図1のように全てをFIR型フィルタによっ
て構成する場合よりも少ないタップ数によって同等の精
度を実現することができる。なお、この実施形態では2
次IIR型フィルタを用いたが、n次のIIR型フィル
タを用いることができる。また、n次IIRフィルタの
直列または並列接続でもよい。
【0034】図12に、図11の回路における第1のフ
ィルタ20aの特性HSUMと、第2のフィルタ20bの
特性HDIFを示す。また、クロストークキャンセルエラ
ーZT2を示す。図7の場合に近い精度が得られている
ことが分かる。
【0035】図11の実施形態においては、第2のフィ
ルタ10bをFIRフィルタと2次IIRフィルタの完
全な並列接続としたが、図13に示すように、FIR型
フィルタの中間タップから2次IIR型フィルタへの入
力を取り出すようにしても良い。このようにすることに
より、より所望の特性に近い第2のフィルタ10bを容
易に得ることができる。
【0036】図14、図15、図16、図17を用い
て、図13に示すフィルタの設計方法を説明する。図1
4は、必要とする第2のフィルタ10bのインパルス応
答である。これに基づいて、2次IIRフィルタの特性
を決定する。この際、図15に示すように、インパルス
応答の前の方は無視して、インパルス応答の後ろの方
(つまり低周波領域)に良く近似するように特性を決定
する。図15では、kサンプル以後のインパルス応答に
近似する2次IIRフィルタの特性を得ている。ただ
し、k〜mサンプルまでの間は、大きく異なるインパル
ス応答となっている。
【0037】次に、0〜mサンプルまでのインパルス応
答を実現するFIRフィルタを得る。ただし、k〜mサ
ンプルにおいては、図16に示すように2次IIRフィ
ルタの特性と必要とするフィルタの特性とが大きくずれ
ている。そこで、かかる誤差も加味した上で、図17に
示すような0〜mサンプルまでのインパルス応答を実現
するFIRフィルタを得る。
【0038】上記のようにして、図13に示すような第
2のフィルタ10bを得ることができる。なお、2次I
IRフィルタを取り出すタップの位置は、2次IIRフ
ィルタの特性を近似した際の先頭サンプル(上記の場合
kサンプル)に対応するタップ(上記の場合kタップ)
となる。このようにして、容易に、所望の特性を持った
フィルタを得ることができる。なお、上記各実施形態に
おいて示したタップ数は一例である。また、上記各実施
形態においては、クロストークキャンセルフィルタにつ
いて説明したが、音像定位処理フィルタについても同じ
ように適用することができる。
【0039】上記実施形態では、第1のフィルタ10a
はFIR型フィルタとしているが、これを、第2のフィ
ルタ10bと同じようにFIR型フィルタとIIR型フ
ィルタの並列接続(図11、図13)や、フィルタバン
ク構成としても良い。この場合であっても、第2のフィ
ルタ10bよりも第1のフィルタ10aの方の精度を落
とすことにより、全体としての構成を簡易にしつつ精度
を維持することができる。
【0040】上記各実施形態においては、DSPを用い
てフィルタを実現しているが、その一部または全部をア
ナログフィルタによって実現しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態によるシャフラー型フィ
ルタの構成を示す図である。
【図2】図1のフィルタをDSPを用いて実現した場合
のハードウエア構成を示す図である。
【図3】メモリ46に記録されたプログラムをシグナル
フローとして示す図である。
【図4】第1のフィルタ10aと第2のフィルタ10b
を共に32タップとした場合の特性を示す図である。
【図5】第1のフィルタ10aと第2のフィルタ10b
を共に64タップとした場合の特性を示す図である。
【図6】第1のフィルタ10aと第2のフィルタ10b
を共に96タップとした場合の特性を示す図である。
【図7】第1のフィルタ10aを32タップ、第2のフ
ィルタ10bを96タップとした場合の特性を示す図で
ある。
【図8】フィルタバンクを用いた実施形態におけるシグ
ナルフローを示す図である。
【図9】図3の回路において、第1のフィルタ10aを
32タップ、第2のフィルタ10bを128タップとし
た場合の特性を示す図である。
【図10】図8の回路において、第1のフィルタ10a
を32タップ、第2のフィルタ10bをフィルタバンク
によって128タップ相当とした場合の特性を示す図で
ある。
【図11】第2のフィルタ10bを、FIRフィルタと
IIRフィルタの並列構成にした実施形態におけるシグ
ナルフローを示す図である。
【図12】図11の回路における特性を示す図である。
【図13】FIRフィルタの中間タップからIIRフィ
ルタの入力取り出した実施形態を示す図である。
【図14】所望のフィルタのインパルス応答を示す図で
ある。
【図15】図14の特性に近似するIIRフィルタのイ
ンパルス応答である。
【図16】所望の特性とIIRフィルタの特性とのずれ
を示す図である。
【図17】図16のずれを考慮して得たFIRフィルタ
のインパルス応答である。
【図18】従来の音像定位処理回路を示す図である。
【図19】シャフラー型フィルタの回路図である。
【図20】クロスフィードフィルタとクロストーク・キ
ャンセル・フィルタによって音像定位回路を構成した場
合の例である。
【符号の説明】
20a・・・第1のフィルタ 20b・・・第2のフィルタ 40・・・DSP
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中武 哲郎 大阪府寝屋川市日新町2番1号 オンキョ ー株式会社内 Fターム(参考) 5D018 AF30 5D020 AD02 5D062 AA65 CC16

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】右チャネル信号と左チャネル信号との和信
    号を処理する第1のフィルタ、 右チャネル信号と左チャネル信号との差信号を処理する
    第2のフィルタ、 を備えたシャフラー型音響信号処理回路において、 第2のフィルタにおける低周波領域の精度を第1のフィ
    ルタよりも高くしたことを特徴とするシャフラー型音響
    信号処理回路。
  2. 【請求項2】右チャネル信号と左チャネル信号との和信
    号を処理する第1のフィルタ、 右チャネル信号と左チャネル信号との差信号を処理する
    第2のフィルタ、 を備えたシャフラー型音響信号処理回路において、 第1のフィルタおよび第2のフィルタをFIR型フィル
    タによって構成するとともに、 第2のフィルタのタップ数を、第1のフィルタのタップ
    数よりも多くしたことを特徴とするシャフラー型音響信
    号処理回路。
  3. 【請求項3】請求項1または2のシャフラー型音響信号
    処理回路において、 前記第2のフィルタを、サブバンドフィルタバンクを用
    いて構成したことを特徴とするシャフラー型音響信号処
    理回路。
  4. 【請求項4】請求項3のシャフラー型音響信号処理回路
    において、 前記第2のフィルタのサブバンドフィルタバンクは、低
    い周波数成分ほど、大きなダウンサンプルを行うように
    したことを特徴とするもの。
  5. 【請求項5】右チャネル信号と左チャネル信号との和信
    号を処理する第1のフィルタ、 右チャネル信号と左チャネル信号との差信号を処理する
    第2のフィルタ、 を備えたシャフラー型音響信号処理回路において、 第1のフィルタをFIR型フィルタによって構成すると
    ともに、 第2のフィルタをFIR型フィルタと2次IIR型フィ
    ルタの並列接続によって構成したことを特徴とするシャ
    フラー型音響信号処理回路。
  6. 【請求項6】請求項5のシャフラー型音響信号処理回路
    において、 第2のフィルタは、 FIR型フィルタと、 当該FIR型フィルタの中間タップと、当該FIRフィ
    ルタの出力との間において並列に接続された2次IIR
    フィルタと、を備えていることを特徴とするもの。
  7. 【請求項7】請求項1ないし6のいずれかの音響信号処
    理回路において、 当該音響信号処理回路は、クロストーク・キャンセル・
    フィルタとして用いられるものであることを特徴とする
    もの。
  8. 【請求項8】請求項1ないし6のいずれかの音響信号処
    理回路において、 当該音響信号処理回路は、音像定位処理フィルタとして
    用いられるものであることを特徴とするもの。
  9. 【請求項9】複数のタップを有するFIR型フィルタ
    と、 当該FIR型フィルタの中間タップにその入力が接続さ
    れたIIR型フィルタと、 FIR型フィルタとIIR型フィルタの出力を加算する
    加算手段と、 を備えたフィルタ。
  10. 【請求項10】右チャネル信号と左チャネル信号との和
    信号に対して第1のフィルタリング処理を行い、 右チャネル信号と左チャネル信号との差信号に対して第
    2のフィルタリング処理を行うシャフラー型の音響信号
    処理方法において、 第2のフィルタリング処理の精度を第1のフィルタリン
    グ処理よりも高くしたことを特徴とするシャフラー型音
    響信号処理方法。
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