JP2000045030A - 低炭素鋼冷延板の製造方法 - Google Patents
低炭素鋼冷延板の製造方法Info
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Abstract
る低炭素鋼冷延板を製造する方法の提供を課題とする。 【解決手段】 重量%で、0.1%以下のCを含有する
低炭素鋼をドラムキャスタ鋳造し、得られた鋳塊に圧下
率50%以下の熱間圧延、圧下率40〜80%の冷間圧
延を行い、その後800〜1000℃で焼鈍処理を行
う。
Description
製造方法に関し、特にドラムキャスタ鋳造を含むプロセ
スにより深絞り特性に優れた低炭素鋼冷延板を製造する
方法に関する。
以上の鋳塊を製造し、これを熱間圧延、冷間圧延設備に
て圧延加工することにより、厚さ1mm前後の低炭素鋼冷
延板を得ていた。スラブ連続鋳造により得た鋳塊を圧延
するためには大掛かりな圧延設備が必要であり、またこ
れらの設備の使用には多くのエネルギーを要するという
問題がある。
として、ドラムキャスタ鋳造がある。ドラムキャスタ鋳
造は、回転している一対の水冷ドラムの間に溶鋼を注湯
することによって厚さ1〜10mmの薄鋳片を鋳造するこ
とができる。このため僅かな圧延によって最終製品であ
る低炭素鋼冷延板を得ることができ、スラブ連続鋳造に
比べて圧延プロセスの簡略化と、製造エネルギーの低減
が可能である。
キャスタ鋳造により得た薄鋳片から圧延した低炭素鋼冷
延板は、スラブ連続鋳造を含むプロセスにより製造した
低炭素鋼冷延板に比べ、深絞り特性が劣るという問題が
ある。
造により深絞り特性に優れる低炭素鋼冷延板を製造する
方法の提供を課題とする。
を解決するため鋭意検討の結果、ドラムキャスタ鋳造後
圧延して得られた低炭素鋼冷延板の深絞り特性が、スラ
ブ連続鋳造後圧延して製造した低炭素鋼冷延板に比べて
劣るのは、低炭素鋼冷延板の結晶集合組織がに板材中の
結晶粒の{111}面が板材の面法線方向を指向する割
合が低いためであることを知見した。すなわち、スラブ
連続鋳造後圧延して得られた低炭素鋼冷延は、結晶粒の
{111}面が板材の面法線方向を指向する割合が高く
優れた深絞り特性が得られるが、ドラムキャスタ鋳造後
圧延して得られた低炭素鋼冷延板では結晶粒の{11
1}面が板材の面法線方向を指向する割合が低いため深
絞り特性が劣っていた。
件や圧延時の圧下率、圧延温度、焼鈍条件等を検討した
結果、これらの条件を制御することにより、結晶粒の
{111}面が板材の面法線方向を指向する割合高くす
ることができることを見い出した。
以下のCを含有する低炭素鋼をドラムキャスタ鋳造し、
得られた鋳塊に圧下率50%以下の熱間圧延、圧下率4
0〜80%の冷間圧延を行い、その後800〜1000
℃で焼鈍処理を行うことを特徴とする低炭素鋼冷延板の
製造方法である。また、本発明において、熱間圧延前に
1000〜1200℃の熱処理、熱間圧延後に600〜
800℃の熱処理を行うことが深絞り特性向上の観点か
ら望ましい。さらに、本発明において、熱間圧延は、鋳
造後温度を保持したまま行うインライン圧延としてもよ
いが、ドラムキャスタ鋳造後、γ→α変態点以下まで冷
却してもよい。
によれば、ドラムキャスタ鋳造によるプロセスの簡略化
とエネルギー消費量の低減が図れると共に、ドラムキャ
スタ鋳造後のプロセスにおいて集合組織を制御し、低炭
素鋼冷延板の結晶粒の{111}面が板材の面法線方向
を指向する割合が高くなり、優れた深絞り特性が得られ
る。
織中に歪みを導入し、その後再結晶によって新たな集合
組織とする役割を有する。熱間圧延では圧延中及び圧延
後の高温状態において再結晶する。また冷間圧延ではそ
の後の焼鈍処理時に再結晶する。
圧延後の加工組織と共に再結晶時における結晶粒内の析
出物の分布及び炭素の固溶度の影響を受ける。したがっ
て、熱間圧延時の圧下率を50%以下、冷間圧延時の圧
下率を40〜80%とすることで再結晶前の加工組織が
制御され、優れた深絞り特性が得られる。
は、薄鋳片から1mm程度の冷延鋼板とする際、冷間圧延
時に十分な圧下率を得るためには熱間圧延の圧下率を小
さくせざるを得ないためである。また、熱間圧延は、1
000〜1200℃の範囲で行うことが望ましい。10
00℃未満では熱間圧延後の再結晶が生じず、加工組織
が残ってしまうことによる板材の伸びの低下が予測され
るからであり、また、1200℃を超えると再結晶粒の
粗大化による板材の強度低下が予想されるからである。
冷間圧延の圧下率を40〜80%とするのは以下の理由
による。すなわち、焼鈍によって発生する再結晶粒の面
方位は冷間圧延時の圧下率に依存し、圧下率70%程度
の冷間圧延組織から深絞り特性にとって好ましい板面に
平行な{111}面が発生するため、70%から大きく
ずれた圧下率では{111}面が板面と平行でなくな
り、γが低下するからである。
0℃で焼鈍を行うことにより、再結晶集合組織が改善さ
れ、深絞り特性が向上する。焼鈍温度が800℃未満で
はこの効果が不十分であり、また、1000℃を超える
と焼鈍中に結晶粒が粗大化し板材の強度が低下するため
である。望ましい焼鈍温度は850〜950℃である。
焼鈍時間は、1min〜30minの範囲とすることが望まし
い。1min未満では効果が不十分であり、また、30min
を超えると結晶粒が粗大化して強度が低下するからであ
る。
理によって{111}面の成長を促進させるMnS、A
lNを析出させ、{111}面の成長を阻害する粒内炭
化物を粗大化させ、炭素固溶度を低下させることが良好
な深絞り特性を得るために有効である。MnSは熱間圧
延前の1000〜1200℃の熱処理で、AlNは熱間
圧延後の600〜800℃の熱処理によって析出する。
熱間圧延前の望ましい熱処理温度は1050〜1150
℃、熱間圧延後の望ましい熱処理温度は650〜750
℃である。
化による強度の低下が予想されるため、熱間圧延前の熱
処理は10分以下とし、また、熱間圧延後の熱処理は6
0分以下とすることが望ましい。より望ましい熱処時間
は、熱間圧延前の熱処理については5分以下、熱間圧延
後の熱処理については30分である。
うインライン圧延でも、ドラムキャスタ鋳造後、γ→α
変態点以下まで冷却後再加熱して行ってもよいが、冷却
後再加熱することにより、冷却時と再加熱時に生じるα
とγの相変態によって結晶粒の径、方位が均一となるた
め深絞り特性がより向上する。
有する低炭素鋼冷延板の製造に用いる。ここで、Cを
0.1%以下とするのは、C濃度が低いほど深絞り特性
が高くなるためである。なお、他の元素、つまり、M
n、Si、P、S、Al、N等の元素については特に限
定されるものではない。
き説明する。表1に示す組成の低炭素鋼をドラムキャス
タ鋳造し、板厚2.0mmのドラムキャスタ鋳片を得た。
ドラムキャスタ鋳造は、鋳造速度40m/min、鋳造温
度1585℃で行った。その後、図1および表2に示す
条件でNo.1〜10の低炭素鋼冷延板を得た。図1
に、本発明にかかる製造方法を図示する。図1におい
て、熱延とは熱間圧延であり、冷延とは冷間圧延であ
る。表2には、図1における各工程の有無、条件および
得られた低炭素鋼冷延板の厚さ、深絞り特性の評価結果
であるγ値を示す。
鋳造後に再加熱を行ったNo.3については、室温(2
0℃)以下に冷却後、1100℃に再加熱した。また、
熱間圧延前の熱処理である熱処理は1100℃×5mi
nで行い、1100℃で熱間圧延後、熱間圧延後の熱処
理である熱処理は700℃×30minの条件で行っ
た。その後、冷間圧延を行い、1min焼鈍を施した。
炭素鋼をスラブ連続鋳造後、1100℃で圧下率90%
の熱間圧延、圧下率70%の冷間圧延を行い、720℃
×1minの焼鈍処理を施し、厚さ0.8mmの低炭素鋼冷延
板を得た(No.11)。
について深絞り特性の指標であるγ値を求めた。結果を
表2に示す。なお、γは圧延方向に対して0°、45
°、90°の角度の引張試験片を15%引張り、引張り
前後の板幅と評点距離を測定することにより求めた。
o.5は、ともにドラムキャスタ鋳造後、圧下率40%
の熱間圧延、圧下率70%の冷間圧延を行っているが、
その後の焼鈍温度が異なり、900℃で焼鈍処理を施し
たNo.5はγ値が1.19と高いのに対し、720℃
の焼鈍処理を施したNo.1はγ値が0.91と低い。
No.2は、No.5の熱間圧延前後に熱処理、を
施したものであるが、熱処理を行うことによりγ値が
1.28とさらに向上している。No.3は、No.2
のドラムキャスタ鋳造後、冷却、再加熱を行ったもので
あり、γ値1.32とさらに良好なγ値が得られる。N
o.4は、No.2の熱間圧延時の圧下率を変化させた
ものであり、圧下率が高い方がγ値が高くなることがわ
かる。
2,6,7を比較すると、圧下率70%でγ値が最も高
く、80%を越えるとγ値が低くなることがわかる。焼
鈍温度を変化させたNo.2,8,9,10を比較する
と、焼鈍温度900℃で最もγ値が高くなり、800℃
未満では十分なγ値が得られないことがわかる。また、
スラブ連続鋳造によるNo.11は、γ値は1.22で
あり、本発明によりドラムキャスト鋳造によっても、ス
ラブ連続鋳造と同等の深絞り特性が得られることが確認
された。
ルギー消費量の低減が図れるドラムキャスタ鋳造によっ
ても、スラブ鋳造と同等の深絞り特性を有する低炭素鋼
冷延板が得られる。
図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 重量%で、0.1%以下のCを含有する
低炭素鋼をドラムキャスタ鋳造し、得られた鋳塊に圧下
率50%以下の熱間圧延、圧下率40〜80%の冷間圧
延を行い、その後800〜1000℃で焼鈍処理を行う
ことを特徴とする低炭素鋼冷延板の製造方法。 - 【請求項2】 熱間圧延前に1000〜1200℃の熱
処理を行う請求項1に記載の低炭素鋼冷延板の製造方
法。 - 【請求項3】 熱間圧延後に600〜800℃の熱処理
を行う請求項1に記載の低炭素鋼冷延板の製造方法。 - 【請求項4】 ドラムキャスタ鋳造後、α変態点以下ま
で冷却する請求項1〜3のいずれかに記載の低炭素鋼冷
延板の製造方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP21161398A JP4240590B2 (ja) | 1998-07-27 | 1998-07-27 | 低炭素鋼冷延板の製造方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101940916B1 (ko) * | 2017-08-02 | 2019-01-22 | 주식회사 포스코 | 쌍롤식 박판 주조기의 주조롤 및 쌍롤식 박판 주조방법 |
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-
1998
- 1998-07-27 JP JP21161398A patent/JP4240590B2/ja not_active Expired - Fee Related
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