JP2000044568A - 生理作用を有するジベンゾオキセピンおよびジベンゾチエピン誘導体の中間体 - Google Patents

生理作用を有するジベンゾオキセピンおよびジベンゾチエピン誘導体の中間体

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JP2000044568A
JP2000044568A JP10249015A JP24901598A JP2000044568A JP 2000044568 A JP2000044568 A JP 2000044568A JP 10249015 A JP10249015 A JP 10249015A JP 24901598 A JP24901598 A JP 24901598A JP 2000044568 A JP2000044568 A JP 2000044568A
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Japan
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dibenzo
group
oxepin
compound
action
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English (en)
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Shuji Jinno
修次 神野
Takaaki Okita
高明 沖田
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Nissui Corp
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Nippon Suisan Kaisha Ltd
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    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/55Design of synthesis routes, e.g. reducing the use of auxiliary or protecting groups

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  • Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Oxygen Or Sulfur (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、生理作用を有するジベンゾ[b,
f]オキセピンまたはジベンゾ[b,f]チエピンの合
成に有効な中間体を提供すること、および該中間体の効
率的な製造法を提供することを課題とする。 【解決手段】 本発明は、一般式(1) (ここでXは酸素原子またはイオウ原子、R1〜R5は
水素、アルキル基、アリール基、ハロゲン、低級アルコ
キシル基、アミノ基、N−低級アシルアミノ基、ヒドロ
キシル基、チオール基、低級アルキルチオ基、R6は水
素、有機合成化学で常用される保護基から選択される任
意の置換基)で表されるジベンゾ[b,f]オキセピン
およびジベンゾ[b,f]チエピン誘導体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業の属する技術分野】本発明は、生理作用を有する
ジベンゾ[b,f]オキセピン誘導体またはジベンゾ
[b,f]チエピン誘導体製造のための中間体に関す
る。本発明はさらに、当該中間体の合成法に関する。
【0002】
【従来の技術】ジベンゾ[b,f]オキセピン骨格また
はジベンゾ[b,f]チエピン骨格を有する化合物には
鎮静作用(特開昭47−35439、特開昭47−11
753)、鎮痛作用(Journal of Hete
rocyclic Chemistry 23,265
(1985))、抗炎症作用(Chemistry a
nd Pharmaceutical Bulleti
n 36,3462(1988))、抗痙攣作用(特開
昭50−160288)、抗エストロゲン作用(Jou
rnal of Medicinal Chemist
ry 26,1131(1983))、抗酸化作用(特
開平5−153990、国際特許出願番号96/100
21)、脳機能改善作用(国際特許出願番号96/25
927)、気管支拡張作用(特願平8−7904)など
の広範な薬理活性を有することが知られており、これら
の化合物の効率的な大量供給法が望まれている。
【0003】一般に、ジベンゾ[b,f]オキセピンま
たはジベンゾ[b,f]チエピンの合成にはフェノキシ
フェニル酢酸誘導体あるいはフェニルチオフェニル酢酸
誘導体の分子内環化反応が用いられている。従来この反
応はポリリン酸中あるいはメタンスルホン酸中でのごと
き強酸性条件下で達成されていた。特に、ポリリン酸を
用いた場合温度を120℃程度で行う必要があり、熱に
対して不安定な基質に対しても用いることができなかっ
た。また、メタンスルホン酸を用いた場合、室温で反応
は進行するものの、反応完結に3日以上要していた。ジ
ベンゾ[b,f]オキセピンまたはジベンゾ[b,f]
チエピンのフェノール性水酸基を保護する場合、一般の
保護基導入条件では、フェノール性水酸基の保護だけで
なくカルボニル基のエノール化も生じてしまう。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、生理作用を
有するジベンゾ[b,f]オキセピンまたはジベンゾ
[b,f]チエピンの合成に有効な中間体を提供するこ
と、および該中間体の効率的な製造法を提供することを
課題とする。以下に本発明について詳細に説明する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、一般式(1)
【化2】 (ここでXは酸素原子またはイオウ原子、R1〜R5は
水素、アルキル基、アリール基、ハロゲン、低級アルコ
キシル基、アミノ基、N−低級アシルアミノ基、ヒドロ
キシル基、チオール基、低級アルキルチオ基、R6は水
素、有機合成化学で常用される保護基から選択される任
意の置換基)で表されるジベンゾ[b,f]オキセピン
およびジベンゾ[b,f]チエピン誘導体を要旨として
いる。
【0006】上記のジベンゾ[b,f]オキセピンおよ
びジベンゾ[b,f]チエピン誘導体は、好ましくはフ
ェニル酢酸誘導体を酸無水物およびルイス酸の混合物の
存在下低温で環化反応させて得られた環化体である。酸
に対して不安定な官能基が存在する基質に対しては、上
述した酸を用いた分子内環化反応が適用できないという
問題点があった。そこで、発明者らはこの問題を解決す
べく鋭意検討を行った結果、フェニル酢酸誘導体を基質
として用い、これに対してトリフルオロ酢酸無水物およ
び触媒量以上の三フッ化ホウ素・エーテル錯体存在下低
温で反応を行うという温和な条件で、短時間かつ高収率
で目的とするジベンゾ[b,f]オキセピン骨格、ジベ
ンゾ[b,f]チエピン骨格を有する化合物が得られる
ことを見出した。
【0007】上記のジベンゾ[b,f]オキセピンおよ
びジベンゾ[b,f]チエピン誘導体は、一般式(1)
中、R6が水素の場合、選択的に保護基を導入したもの
であることができる。すなわち、上記のジベンゾ[b,
f]オキセピンおよびジベンゾ[b,f]チエピン誘導
体は、7員環上カルボニル基と分子内水素結合を有する
フェノール性水酸基に選択的に保護基を導入して得られ
るものを包含する。フェノール性水酸基の選択的保護に
ついては、先に得られた化合物にカリウムブトキシド存
在下極低温で塩化アセチルを反応させることにより、フ
ェノール性水酸基のみが保護された中間体が得られた。
この中間体について、常法によるエノールエーテル化及
び脱保護を経て生理作用を有するジベンゾ[b,f]オ
キセピンに誘導できることを見出した。
【0008】また、上記のジベンゾ[b,f]オキセピ
ンおよびジベンゾ[b,f]チエピン誘導体は、生理作
用を有するジベンゾ[b,f]オキセピンおよびジベン
ゾ[b,f]チエピン誘導体製造のための中間体であ
る。生理作用を有するジベンゾ[b,f]オキセピンお
よびジベンゾ[b,f]チエピン誘導体は、従来技術の
欄に記載されているものを指す。
【0009】
【発明の実施の形態】前記一般式(1)で表されるジベ
ンゾ[b,f]オキセピンおよびジベンゾ[b,f]チ
エピン誘導体(以下、「化合物1」と略称することもあ
る)の原料は、市販品であるか、例えば実施例に記載の
方法あるいはそれに準じて容易に得ることができ、1当
量以上の酸無水物、ルイス酸からなる混合物を低温で反
応することにより高収率で環化体が得られる。上記製造
法における酸無水物は当該反応を進行させるものであれ
ば特に限定されるものではないが、好ましくはトリフル
オロ酢酸無水物を例示することができる。上記製造法に
おけるルイス酸は当該反応を進行させるものであれば特
に限定されるものではないが、好ましくは三フッ化ホウ
素・エーテル錯体を例示することができる。上記製造法
における反応温度は当該反応を進行させるものであれば
特に限定されるものではないが、好ましくは0℃以下で
反応を行うことを例示できる。
【0010】化合物1のフェノール性水酸基の選択的保
護には、塩基、保護試薬からなる混合物を極低温で反応
することにより選択的にフェノール性水酸基が保護され
た化合物が高収率で得られる。上記製造法における塩基
は当該反応を進行させるものであれば特に限定されるも
のではないが、好ましくはカリウムブトキシドを例示す
ることができる。上記製造法における保護基は当該反応
を進行させるものであれば特に限定されるものではな
く、例えば、低級アルキル基、低級アルキルカルボニル
基、置換シリル基を例示することができる。上記製造法
における反応温度は当該反応を進行させるものであれば
特に限定されるものではないが、好ましくは−78〜−
20℃で反応を行うことを例示できる。上記製造法にお
ける化合物1は有機合成化学で常用される精製法、例え
ば中和、ろ過、抽出、洗浄、乾燥、濃縮、再結晶、各種
クロマトグラフィー等に付して単離、精製することがで
きる。このようにして得られる化合物1から、例えばエ
ノールエーテル化、脱保護を経て、抗酸化作用を有する
ジベンゾ[b,f]オキセピン誘導体及びジベンゾ
[b,f]チエピン誘導体を合成することができる。以
下に本発明の実施例を示す。
【0011】
【実施例】本発明を実施例によって説明する。実施例は
実施の一態様であり、本発明を限定するものではない。
【0012】(実施例1)9−メトキシ−6,7−メチ
レンジオキシ−10,11−ジヒドロジベンゾ[b,
f]オキセピン−10−オンの合成 工程1 メチル3−ベンジロキシ−4,5−メチレンジ
オキシ安息香酸エステルの合成
【0013】メチル3−ヒドロキシ−4,5−メチレン
ジオキシ安息香酸エステル(20.17g)を含む無水
ジメチルホルムアミド(7.5mL)溶液を、水素化ナ
トリウム(4.94g、60%鉱油分散、123.36
mmol)、ジメチルホルムアミド(20mL)の混合
物に0℃で加えて撹拌した。この混合物にベンジルブロ
ミド(14.67mL)を0℃で加え、さらに室温で
1.5時間反応させた。反応液を氷水で希釈後、酢酸エ
チルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄
し、無水硫酸マグネシウムで乾燥、濃縮した。残渣をベ
ンゼン−シクロヘキサンで再結晶し、標記化合物を得た
(20.23g、68%)。この化合物の融点は78.
2−80.4℃であった。
【0014】工程2 3−ベンジロキシ−4,5−メチ
レンジオキシベンジルアルコールの合成 メチル3−ベ
ンジロキシ−4,5−メチレンジオキシ安息香酸エステ
ル(24.03g)を無水テトラヒドロフラン(50m
L)に溶解し、水素化リチウムアルミニウム(3.15
g)、無水エーテル(30mL)の混合物に0℃で加え
1時間撹拌した。反応混合物に90%含水メタノールを
加え続いて飽和塩化アンモニウム水を加えた。生じた沈
殿をろ別し酢酸エチルでよく洗浄した。有機層を分離
後、水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥、濃縮した。残
渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:
酢酸エチル=2:1)にて精製し、酢酸エチル−ヘキサ
ンで再結晶することにより標記化合物を得た(23.1
4g、90%)。この化合物の融点は61.8−63.
2℃であった。
【0015】工程3 3−ベンジロキシ−4,5−メチ
レンジオキシベンゾアルデヒドの合成 3−ベンジロキシ−4,5−メチレンジオキシベンジル
アルコール(23.10g)をジクロロエタン(15m
L)に溶かし酸化マンガン(23.0g)を加え、12
時間、超音波を照射した。反応混合物をろ過後、沈殿物
をよく洗浄し、ろ液を濃縮した。残渣をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:
1)にて精製し、ベンゼン−ヘキサンで再結晶すること
により標記化合物を得た(21.67g、95%)。こ
の化合物の融点は64.0−65.5℃であった。
【0016】工程4 3−ベンジロキシ−4,5−メチ
レンジオキシフェノールの合成 3−ベンジロキシ−4,5−メチレンジオキシベンゾア
ルデヒド(21.66g)、リン酸水素ニナトリウム
(21.7g)をジクロロメタン(90mL)に加え0
℃で撹拌した。そこにm−クロロ過安息香酸(19.2
7g)を数回に分けて加え、室温で1時間撹拌した。さ
らに一晩加熱還流した。反応混合物を氷水に加え酢酸エ
チルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄
し、無水硫酸マグネシウムで乾燥、濃縮した。残渣をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エ
チル=4:1)にて精製し、酢酸エチル−ヘキサンで再
結晶することにより標記化合物を得た(18.58g、
90%)。この化合物の融点は70.4−71.1℃
【0017】工程5 1−ベンジロキシ−5−メトキシ
−2,3−メチレンジオキシベンゼンの合成 3−ベンジロキシ−4,5−メチレンジオキシフェノー
ル(12.4g)、炭酸カリウム(12.4g)、無水
アセトン(80mL)、ヨウ化メチル(6.2mL)の
混合物をアルゴン雰囲気下、2日間還流させた。反応混
合物をろ過後、氷水にあけ酢酸エチルで抽出した。有機
層を水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウ
ムで乾燥、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマト
グラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=4:1)にて精製
し、標記化合物を油状物として得た(12.14g、9
3%)。この化合物の1H−NMR(400MHz,C
DC13)によるピークは以下のようになった。 δ3.70(s,3H),5.17(s,2H),5.
90(s,2H),6.12(d,1H,J=2H
z),6.18(d,1H,J=2Hz),7.31−
7.44(m,5H).
【0018】工程6 5−メトキシ−2,3−メチレン
ジオキシフェノールの合成 1−ベンジロキシ−5−メトキシ−2,3−メチレンジ
オキシベンゼン(14.30g)を酢酸エチル(70m
L)に溶解し、10%Pd−C(715mg)を加え室
温で一晩撹拌し水素添加した。反応混合物をろ過し濃縮
し、標記化合物を得た(9.03g、97%)。この化
合物の融点は46.7−48.7℃であった。
【0019】工程7 2−(5−メトキシ−2,3−メ
チレンジオキシフェノキシ)安息香酸の合成 5−メトキシ−2,3−メチレンジオキシフェノール
(5.0g)、2−ブロモ安息香酸(6.57g)、炭
酸カリウム(7.40g)に1−メチル−2−ピロリド
ン(35mL)、ベンゼン(25mL)を加え、ディー
ンスターク水分離器を備え付け1時間加熱還流した。ベ
ンゼンを留去した後、粉末銅(472mg)、ヨウ化銅
(1.42g)を加え、120℃で1時間撹拌した。反
応混合物を酢酸エチル、希塩酸で希釈し、有機層を水、
飽和食塩水で順次洗浄した。有機層を分離し、硫酸マグ
ネシウムで乾燥、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマト
グラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)にて精製
し、酢酸エチル−ヘキサンで再結晶することにより標記
化合物を得た(6.42g、77%)。この化合物の融
点は159.7−160.8℃であった。
【0020】工程8 2−(5−メトキシ−2,3−メ
チレンジオキシフェノキシ)ベンジルアルコールの合成 2−(5−メトキシ−2,3−メチレンジオキシフェノ
キシ)安息香酸(6.42g)のテトラヒドロフラン
(50mL)溶液に0℃で水素化ホウ素ナトリウム
(0.93g)を加え、15分間撹拌した。これに、三
フッ化ホウ素・エーテル錯体(3.4mL)を加え室温
で1時間撹拌した。反応液を希塩酸で希釈し、酢酸エチ
ルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、硫酸
マグネシウムで乾燥、濃縮した。残渣をシリカゲルクロ
マトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)にて
精製し、標記化合物を油状物として得た(5.79g、
95%)。この化合物の1H−NMR(400MHz,
CDCl3)によるピークは以下のようになった。 δ3.70(s,3H),4.80(s,2H),5.
91(s,2H),6.09(d,1H,J=2H
z),6.34(d,1H,J=2Hz),6.88
(m,1H),7.11(m,1H),7.24(m,
1H),7.43(m,1H).
【0021】工程9 2−(5−メトキシ−2,3−メ
チレンジオキシフェノキシ)ベンジルブロミドの合成 2−(5−メトキシ−2,3−メチレンジオキシフェノ
キシ)ベンジルアルコール(5.64g)のジクロロメ
タン(25mL)溶液に0℃で三臭化リン(0.72m
L)を加え、30分間撹拌した。反応液を氷水で希釈
し、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で
洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥、濃縮した。残渣をシ
リカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=
5:1)にて精製し、酢酸エチル−ヘキサンで再結晶す
ることにより標記化合物を得た(5.24g、76
%)。この化合物の融点は108.3−109.8℃で
あった。
【0022】工程10 2−(5−メトキシ−2,3−
メチレンジオキシフェノキシ)ベンジルニトリルの合成 2−(5−メトキシ−2,3−メチレンジオキシフェノ
キシ)ベンジルブロミド(5.10g)のジメチルスル
ホキシド(14mL)溶液にシアン化ナトリウム(1.
11g)を加え、80℃で1時間撹拌した。反応液を氷
水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和
食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥、濃縮した。
残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸
エチル=3:1)にて精製し、酢酸エチル−ヘキサンで
再結晶することにより標記化合物を得た(3.91g、
91%)。この化合物の融点は89.0−90.3℃で
あった。
【0023】工程11 2−(5−メトキシ−2,3−
メチレンジオキシフェノキシ)フェノキシ酢酸の合成 2−(5−メトキシ−2,3−メチレンジオキシフェノ
キシ)ベンジルニトリル(3.80g)のエタノール
(11mL)、テトラヒドロフラン(5mL)溶液に1
0規定水酸化ナトリウム水溶液(6.7mL)を加え、
110℃で1晩撹拌した。反応液を希塩酸で希釈し、酢
酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄
し、硫酸マグネシウムで乾燥、濃縮した。残渣をシリカ
ゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:
1)にて精製し、酢酸エチル−ヘキサンで再結晶するこ
とにより標記化合物を得た(3.80g)94%)。こ
の化合物の融点は125.0−126.9℃であった。
【0024】工程12 9−メトキシ−6,7−メチレ
ンジオキシ−10,11−ジヒドロジベンゾ[b,f]
オキセピン−10−オン(化合物2)の合成
【0025】
【化3】
【0026】2−(5−メトキシ−2,3−メチレンジ
オキシフェノキシ)フェノキシ酢酸(2.50g)のジ
クロロメタン(25mL)溶液に無水トリフルオロ酢酸
(1.75mL)を加え室温で1時間撹拌した。これに
三フッ化ホウ素・エーテル錯体(0.51mL)を0℃
で加え、15分間撹拌した。反応液を水で希釈し炭酸水
素ナトリウム溶液で中和後、酢酸エチルで抽出した。有
機層を水、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾
燥、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー
(ヘキサン:酢酸エチル=3:2)にて精製し、酢酸エ
チル−ヘキサンで再結晶することにより標記化合物を得
た(1.82g、77%)。この化合物の1H−NMR
(400MHz,CDCl3)によるピークは以下のよ
うになった。 δ3.82(s,3H),4.02(s,2H),6.
09(s,2H),6.39(s,1H),7.19
(m,1H),7.27−7.30(m,3H).
【0027】(比較例1)2−(5−メトキシ−2,3
−メチレンジオキシフェノキシ)フェノキシ酢酸(10
0mg)にメタンスルホン酸(1mL)あるいはポリリ
ン酸(1mL)を加え、1時間撹拌したところ、全て分
解した。
【0028】(比較例2)2−(5−メトキシ−2,3
−メチレンジオキシフェノキシ)フェノキシ酢酸(10
0mg)のジクロロメタン(2.0mL)溶液に無水ト
リフルオロ酢酸(0.07mL)を加え室温で1時間撹
拌した。これに触媒量の三フッ化ホウ素・エーテル錯体
(2.6μL)を加え、室温で5時間撹拌したところ、
原料及びキノン様黄色物質が認められ、目的とする9−
メトキシ−6,7−メチレンジオキシ−10,11−ジ
ヒドロジベンゾ[b,f]オキセピン−10−オンは痕
跡量であった。
【0029】(実施例2)9−ヒドロキシ−6,7−メ
チレンジオキシ−10,11−ジヒドロジベンゾ[b,
f]オキセピン−10−オン(化合物3)の合成
【0030】
【化4】
【0031】前記実施例1で得られた化合物2(2.0
g)のジクロロメタン(20mL)溶液に三臭化ホウ素
・メチルスルフィド錯体(3.3g)のジクロロメタン
(10mL)溶液を0℃で加え、10分間撹拌した。反
応液を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機層を
水、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥、濃
縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサ
ン:酢酸エチル=4:1)にて精製し、酢酸エチル−ヘ
キサンで再結晶することにより標記化合物を薄黄色結晶
として得た(1.64g、86%)。この化合物の1H
−NMR(400MHz,CDCl3)によるピークは
以下のようになった。δ4.09(s,2H),6.0
6(s,2H),6.27(s,1H),7.20
(m,1H),7.26−7.31(m,3H),1
3.19(s,1H).
【0032】(実施例3)9−アセトキシ−6,7−メ
チレンジオキシ−10,11−ジヒドロジベンゾ[b,
f]オキセピン−10−オン(化合物4)の合成
【0033】
【化5】
【0034】前記実施例2で得られた化合物3(500
mg)のテトラヒドロフラン(10mL)溶液にカリウ
ムブトキシド(218mg)のテトラヒドロフラン(1
0mL)溶液を0℃で加え、10分間撹拌した。この溶
液を−78℃まで冷却し、塩化アセチル(138μL)
を加え−20℃で15分間撹拌した。反応液を水で希釈
し、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で
洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥、濃縮した。残渣をシ
リカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=
2:1)にて精製し、酢酸エチル−ヘキサンで再結晶す
ることにより標記化合物を得た(470mg、81
%)。この化合物の1H−NMR(400MHz,CD
Cl3)によるピークは以下のようになった。 δ3.11(s,3H),4.00(s,2H),6.
16(s,2H),6.43(s,1H),7.18−
7.28(m,4H).
【0035】(比較例3)前記実施例2で得られた化合
物3(65mg)のジクロロメタン(2mL)溶液にト
リエチルアミン(100μL)、無水酢酸(100μ
L)および4−ジメチルアミノピリジン(3mg)を加
え、10分間撹拌した。反応液を留去した後、残渣をシ
リカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=
2:1)にて精製したところ、反応生成物は1,11−
ジアセトキシ−3,4−メチレンジオキシジベンゾ
[b,f]オキセピンであった(84mg、99%)。
この化合物の融点は158.3−160.1℃であっ
た。
【0036】(実施例4)1−ヒドロキシ−3,4−メ
チレンジオキシ−11−メトキシジベンゾ[b,f]オ
キセピン(化合物5)の合成
【0037】
【化6】
【0038】前記実施例3で得られた化合物4(300
mg)のメタノール(30mL)溶液にオルトギ酸トリ
メチル(2.1mL)および(10カンファー
スルホン酸(23mg)を加え、80℃で2時間撹拌し
た。反応液を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機
層を水、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥
し、溶媒を留去した。得られた残渣にメタノール(30
mL)および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(2.0m
L)を加え、室温で30分間撹拌した。反応液を希塩酸
で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食
塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥、濃縮した。残
渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エ
チル=4:1)にて精製し、酢酸エチル−ヘキサンで再
結晶することにより標記化合物(特開平5−15399
0に示される化合物)を得た(208mg、76%)。
この化合物の融点は149.8−151.1℃であっ
た。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、鎮静作用、鎮痛作用、
抗炎症作用、抗痙攣作用、抗エストロゲン作用、抗酸化
作用、脳機能改善作用、気管支拡張作用などの広範な薬
理活性を有する化合物として有用なジベンゾ[b,f]
オキセピン及びジベンゾ[b,f]チエピン化合物の中
間体を提供できる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1) 【化1】 (ここで、Xは酸素原子またはイオウ原子、R1〜R5
    は水素、アルキル基、アリール基、ハロゲン、低級アル
    コキシル基、アミノ基、N−低級アシルアミノ基、ヒド
    ロキシル基、チオール基、低級アルキルチオ基、R6は
    水素、有機合成化学で常用される保護基から選択される
    任意の置換基)で表されるジベンゾ[b,f]オキセピ
    ンおよびジベンゾ[b,f]チエピン誘導体。
  2. 【請求項2】 フェニル酢酸誘導体を酸無水物およびル
    イス酸の混合物の存在下低温で反応させて得られた環化
    体である請求項1のジベンゾ[b,f]オキセピンおよ
    びジベンゾ[b,f]チエピン誘導体。
  3. 【請求項3】 一般式(1)中、R6が水素の場合、選
    択的に保護基を導入した請求項1または2のジベンゾ
    [b,f]オキセピンおよびジベンゾ[b,f]チエピ
    ン誘導体。
  4. 【請求項4】 生理作用を有するジベンゾ[b,f]オ
    キセピンおよびジベンゾ[b,f]チエピン誘導体製造
    のためのの中間体である請求項1、2または3のジベン
    ゾ[b,f]オキセピンおよびジベンゾ[b,f]チエ
    ピン誘導体。
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