JP2000036372A - 面状ヒータ、面状ヒータ用長尺体及び面状ヒータ製造方法 - Google Patents

面状ヒータ、面状ヒータ用長尺体及び面状ヒータ製造方法

Info

Publication number
JP2000036372A
JP2000036372A JP20235598A JP20235598A JP2000036372A JP 2000036372 A JP2000036372 A JP 2000036372A JP 20235598 A JP20235598 A JP 20235598A JP 20235598 A JP20235598 A JP 20235598A JP 2000036372 A JP2000036372 A JP 2000036372A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode
film
heater
planar heater
pair
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP20235598A
Other languages
English (en)
Inventor
Akira Tabuchi
明 田淵
Akiyoshi Inubushi
昭嘉 犬伏
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Otsuka Chemical Co Ltd
Original Assignee
Otsuka Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Otsuka Chemical Co Ltd filed Critical Otsuka Chemical Co Ltd
Priority to JP20235598A priority Critical patent/JP2000036372A/ja
Publication of JP2000036372A publication Critical patent/JP2000036372A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Surface Heating Bodies (AREA)
  • Resistance Heating (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】自動車ミラにー生じる曇り、雪付着、氷付着等
の障害を加熱除去でき、種々の目的に利用できる面状ヒ
ータを所定の形状及びサイズで生産性良く、安価に得る
ことができる面状ヒータ用長尺体を利用した面状ヒータ
及びその製造方法を提供する。 【解決手段】フィルム間に、対向する電極対と、該電極
対間に配置された電気絶縁性膜と、自己温度制御性を有
する正温度特性抵抗発熱体とを挟着してなる面状ヒー
タ。この面状ヒータを得るための長尺体1であって、対
向する長尺フィルムベルト間に、対向する電極対13、
14と、該電極対間に配置された電気絶縁性膜16と、
自己温度制御性を有する正温度特性抵抗発熱体15とを
挟着してなる面状ヒータ用長尺体1。長尺体1を裁断し
てヒータを得るヒータ製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば自動車のミ
ラー、特にドアミラー(サイドミラー)、フエンダーミ
ラー、自動車後部に取り付けられたミラー等の後方確認
用の外部ミラーの加熱などに採用できる面状ヒータ及び
該面状ヒータ製作に供される面状ヒータ用長尺体並びに
面状ヒータの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車のミラーを例にとると、特にドア
ミラー(サイドミラー)、フエンダーミラー、自動車後
部に取り付けられたミラー等の後方確認用の外部ミラー
は、車外の雰囲気に曝されることから、雨天時等に結露
による曇りが発生したり、降雪時には雪が付着したり、
場合によってはミラーに結氷することもある。
【0003】このような事態が発生すると後方確認が困
難又は不可能になるので、かかる曇り、雪、氷等をヒー
タによるミラー加熱により除去しょうとする試みがなさ
れてきた。かかるヒータは種々提案されているが、なか
でも面状ヒータ、すなわち通電により発熱する抵抗発熱
体を電極対に重ねて積層した構成を有するヒータがミラ
ーの背面に貼着してコンパトな構成で使用できる点で注
目されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、自動車
ミラー用に提案されている従来のかかるタイプの面状の
ヒータには次のような問題がある。先ず、発熱量がその
全体にわたり均一になるように形成されているので、こ
れを自動車ミラーに取り付けて使用したとき、ミラーか
らの放熱は中央部よりも周縁部からの方が多くなるた
め、結果としてミラー中央部は所定温度に加熱されるも
ののミラー周縁部の加熱が不十分となり、ミラー周縁部
の曇り等を除去できない。この問題を解決しようとして
ヒータ発熱量を増加させると、ミラー中央部の温度が上
昇しすぎる恐れがある。
【0005】また、自動車ミラーには車種に応じて様々
の形状、サイズのものがあり、同じ自動車でも例えば左
右のサイドミラーでは形状、サイズが異なっている。そ
のため、個々のミラーに合わせてヒータが作製され、そ
のため、ヒータの生産管理、在庫管理がそれだけ困難に
なる。またヒータ価格を低く抑えることも困難になる。
【0006】そこで本発明は、例えば自動車ミラーに生
じる曇り、雪付着、氷付着等の障害を加熱除去すること
に採用できるほか、種々の目的に利用できる面状ヒータ
であって、例えば自動車ミラーの加熱に採用した場合、
ミラー中央部は勿論のこと、ミラー周縁部についてもか
かる曇り等の障害を円滑、安全に加熱除去できる面状ヒ
ータを提供することを課題とする。
【0007】また本発明は、形状、サイズが同一である
自動車ミラーの加熱に適用できるだけでなく、他の幾種
類かの形状、サイズの自動車ミラーにも付設、使用でき
る汎用性のある自動車ミラー用面状ヒータを提供するこ
とを課題とする。また本発明は、自動車ミラーに生じる
曇り、雪付着、氷付着等の障害を加熱除去するための自
動車ミラー用面状ヒータその他の面状ヒータを、所定の
形状及びサイズで生産性良く、安価に得ることができる
面状ヒータ用長尺体を提供することを課題とする。
【0008】また本発明は、自動車ミラーに生じる曇
り、雪付着、氷付着等の障害を加熱除去するための自動
車ミラー用面状ヒータその他の面状ヒータを、所定の形
状及びサイズで簡単に生産性良く、安価に得る面状ヒー
タの製造方法を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
本発明は、次の面状ヒータ、面状ヒータ用長尺体及び面
状ヒータ製造方法を提供する。 (1)面状ヒータ 対向するフィルム間に、対向する電極対と、該電極対間
に配置された電気絶縁性膜と、自己温度制御性を有する
正温度特性抵抗発熱体とを挟着してなる面状ヒータであ
り、前記フィルムは所定の形状及びサイズに形成されて
おり、前記各電極は直線的に延びる電極幹部及び該電極
幹部からそれを横切る方向に両外側へ向け突設された複
数の電極枝部を含んでおり、前記電極対はフィルム厚さ
方向から見て電極幹部が重なるとともに一方の電極の各
電極枝部と他方の電極の各電極枝部とが互いに隣り合っ
て交互に並ぶように配置されており、前記電気絶縁性膜
は該電極対の電極幹部の間に配置され、前記抵抗発熱体
は該電極対の少なくとも電極枝部の間に、又は該電極対
の少なくとも電極枝部に重ねて配置されていることを特
徴とする面状ヒータ。
【0010】自己温度制御性を有する正温度特性抵抗発
熱体は電極対の少なくとも電極枝部に対して設けられて
いればよく、その場合、上述のように、電極対の電極枝
部の間、すなわち一方の電極の電極枝部と他方の電極の
電極枝部の間に配置されても、電極対の電極枝部に重ね
て、すなわち一方の電極の電極枝部と他方の電極の電極
枝部の双方の上からそれらに重ねて配置されてもよい。
また、該抵抗発熱体は、電極対の電極枝部に対して配置
されるとともに、電極対の電極幹部の間や、電極対の電
極幹部に重ねて配置されていてもよい。 (2)面状ヒータ用長尺体 対向する長尺フィルムベルト間に、対向する電極対と、
該電極対間に配置された電気絶縁性膜と、自己温度制御
性を有する正温度特性抵抗発熱体とを挟着してなる面状
ヒータ用長尺体であり、前記各電極はフィルムベルト長
手方向に沿って直線的に連続する電極幹部及び該電極幹
部からフィルムベルト幅方向に両外側へ向け突設された
複数の電極枝部を含んでおり、前記電極対はフィルムベ
ルト厚さ方向から見て電極幹部が重なるとともに一方の
電極の各電極枝部と他方の電極の各電極枝部とが互いに
隣り合って交互に並ぶように配置されており、前記電気
絶縁性膜はフィルムベルト長手方向に連続して該電極対
の電極幹部の間に配置され、前記抵抗発熱体はフィルム
ベルト長手方向に連続して該電極対の少なくとも電極枝
部の間に、又は該電極対の少なくとも電極枝部に重ねて
配置されていることを特徴とする面状ヒータ用長尺体。
【0011】この長尺体の場合も、自己温度制御性を有
する正温度特性抵抗発熱体は電極対の少なくとも電極枝
部に対して設けられていればよく、その場合、電極対の
電極枝部の間、すなわち一方の電極の電極枝部と他方の
電極の電極枝部の間に配置されても、電極対の電極枝部
に重ねて、すなわち一方の電極の電極枝部と他方の電極
の電極枝部の双方の上からそれらに重ねて配置されても
よい。また、該抵抗発熱体は、電極対の電極枝部に対し
て配置されるとともに、電極対の電極幹部の間や、電極
対の電極幹部に重ねて配置されていてもよい。 (3)面状ヒータの製造方法 前記(2)記載の面状ヒータ用長尺体を、その電極対の
電極幹部の一部及び電気絶縁性膜の一部が得ようとする
ヒータの中央部にくるように、所定の形状及びサイズに
裁断して前記(1)記載の面状ヒータを得る面状ヒータ
の製造方法。以下、前記した本発明に係る面状ヒータ等
についてさらに説明する。 (1)面状ヒータについて 本発明に係る面状ヒータは、例えば曇り等を除去しよう
とする自動車ミラーの形状及びサイズに合わせて形成し
ておき、該ミラーの背面に接着剤等により接合し、前記
電極対の電極幹部に電源を接続して該電極幹部からさら
に電極枝部を介して抵抗発熱体に通電することで、該ミ
ラーを所定温度に加熱することができ、それによりミラ
ー上に発生する曇り、雪付着、氷付着等の障害を加熱除
去できる。
【0012】また本発明に係る面状ヒータにおいては、
電極対はそれらの電極幹部が重なるとともに一方の電極
の各電極枝部と他方の電極の各電極枝部とが互いに隣り
合って交互に並ぶように配置されており、従ってヒータ
の中央部に電極幹部があり、且つ、電極幹部の間には電
気絶縁性膜が配置されているので、該電極幹部及び電気
絶縁性膜を含むヒータ中央部は発熱しない。一方、電極
幹部両側へ突設された電極枝部に対しては抵抗発熱体が
配置されており、これに通電されるから、前記ヒータ中
央部の両側におけるヒータ周縁部において発熱する。
【0013】従って、該ヒータを例えば自動車ミラーに
取り付けることで、中央部よりも放熱が多いミラー周縁
部を、発熱量がヒータ中央部より多いヒータ周縁部で集
中的に加熱することができる。これにより、もし発熱量
が全体に均一であるヒータでミラーを加熱するとすれ
ば、ミラー中央部の異常昇温を抑制する上でヒータ発熱
量を抑制しなければならない結果十分昇温し得ないミラ
ー周縁部についても曇り等を十分加熱除去できる。
【0014】ミラー中央部については、ミラー中央部か
らの放熱はミラー周縁部からの放熱より少ないので、ミ
ラー周縁部が加熱されてこの熱が中央部へ伝わること
で、ミラー中央部についても、曇り等を加熱除去でき
る。また放熱が少ないミラー中央部についてはより少な
い熱量で、放熱の多い周縁部分についてはより多い熱量
で加熱するので、ミラーの異常昇温を防止でき、安全で
ある。
【0015】前記電極対の電極枝部は、ヒータ厚さ方向
から見たとき、電極幹部から平行に直線状に突出し、且
つ、隣り合う電極枝部間隔が等しく又は略等しくなるよ
うに形成されていてもよいが、面状ヒータの周縁部で一
層集中的に発熱させるために、電極対の電極枝部は、電
極幹部からヒータ周縁へ向け遠ざかるにつれ、隣り合う
電極枝部間隔が狭まっていてもよい。いわば、面状ヒー
タの厚さ方向から見て、電極対の電極枝部が玉葱断面様
のパターンを描くように電極枝部が形成されていてもよ
い。また、ヒータ中央部より電極幹部に沿ってヒータ両
端へ向かうにつれ、電極枝部間隔が狭まっていてもよ
い。さらにはこれらの組み合わせパターンを描くように
形成されていてもよい。
【0016】また本発明に係る面状ヒータは、それを構
成しているフィルムを形状及び(又は)サイズが異なる
複数種類の自動車ミラーに適合可能に所定の形状に所定
のサイズで形成することで、ヒータ全体が形状及び(又
は)サイズの異なる複数種類の自動車ミラーに適合可能
な形状及びサイズに形成することができる。そのように
形成することで、形状、サイズが同一であるミラーにの
み適用できるだけでなく、複数種類の形状、サイズのミ
ラー(例えば同じ自動車における左右のサイドミラー、
車種の異なる自動車におけるミラー等)にも付設、使用
できる汎用性を持たせることができ、それにより自動車
ミラー用ヒータの生産管理、在庫管理がそれだけ容易に
なり、コストもそれだけ下げることができる。
【0017】かかる汎用性を達成する前記フィルムの所
定形状としては、該フィルム面上の一つの方向の線に関
して線対称又は略線対称の形状を例示できる。さらに具
体例として楕円形状、円形状、長方形状、菱形形状等を
例示できる。以上、本発明に係る面状ヒータを自動車ミ
ラー加熱に適用する場合について説明したが、本発明に
係るヒータはこれに限らず様々の目的で採用でき、特に
中央部より周縁部をより多い熱量で加熱することが要請
される物品の加熱に適している。
【0018】本発明に係るいずれの面状ヒータにおいて
も、前記抵抗発熱体は、一般にPTC(Positiv
e Temparature Coefficien
t)抵抗発熱体として知られているものであり、この抵
抗発熱体は通電により昇温するが、温度上昇とともに次
第に電気抵抗が増し、一定の温度までしか昇温せず、そ
の温度を維持するもので、温度制御のための給電制御手
段乃至サーモスタット等を含む温度制御手段無くして自
己温度制御性を有するものである。従って、ミラー等の
物品を所定温度に加熱し、その温度を安定に維持するこ
とができる。
【0019】またかかる抵抗発熱体は、温度制御のため
の給電制御手段乃至サーモスタット等を含む温度制御手
段が必要ではなく、そのような給電制御手段や温度制御
手段無しで一定の温度を維持できる簡易なものであるか
ら、本発明に係る面状ヒータは構造が簡単であり、それ
だけ安価に提供できる。さらに自己温度制御性により電
力消費が少なく済み、、ランニングコストが安価であ
る。
【0020】かくして本発明に係る面状ヒータは、例え
ば自動車ミラーに取り付けて、該ミラーに生じる曇り、
雪付着、氷付着等の障害をミラー中央部及びミラー周縁
部を含めミラー全体について円滑、安全に加熱除去でき
るほか、他の種々の目的に利用できる。さらに、構造簡
単で安価に製造でき、ランニングコストも安価に済む。 (2)面状ヒータ用長尺体及び該長尺体の裁断による面
状ヒータの製造 本発明に係る面状ヒータは、前記汎用性のある自動車ミ
ラー用面状ヒータを含め、例えば、次の方法で簡単、容
易に製造できる。すなわち、直線的に延びる電極幹部及
び該電極幹部からそれを横切る方向に両外側へ向け突設
された複数の電極枝部を含む電極を片面に予め形成した
所定の形状及びサイズのフィルムを一対準備する工程
と、前記一対のフィルムのうち一方のフィルムの前記片
面に、そこに形成されている前記電極の電極幹部を覆う
電気絶縁性膜及び該電極の少なくとも電極枝部に重なる
自己温度制御性を有する正温度特性抵抗発熱体を形成す
る工程と(電気絶縁性膜、抵抗発熱体のいずれを先に形
成してもよい。)、前記一対のフィルムのうち他方のフ
ィルムをそれに形成されている前記電極が前記一方のフ
ィルム上の電極に対向するように前記電気絶縁性膜及び
抵抗発熱体の上から該一方のフィルム上に重ね被着する
工程とを含み、前記他方のフィルムの被着工程では、フ
ィルム厚さ方向から見て前記一方のフィルム上の電極の
電極幹部が他方のフィルム上の電極の電極幹部に重なる
とともに該一方のフィルム上の電極の各電極枝部と該他
方のフィルム上の電極の各電極枝部とが互いに隣り合っ
て交互に並ぶように該他方のフィルムを被着する面状ヒ
ータの製造方法である。
【0021】また、次の方法によっても本発明に係る面
状ヒータを簡単、容易に製造できる。すなわち、直線的
に延びる電極幹部及び該電極幹部からそれを横切る方向
に両外側へ向け突設された複数の電極枝部を含む第1電
極を片面に予め形成した所定の形状及びサイズの第1フ
ィルムを準備する工程と、前記第1フィルムの片面に、
そこに形成されている前記第1電極の電極幹部を覆う電
気絶縁性膜を形成する工程と、前記第1フィルムの片面
に、前記第1電極の電極幹部を覆って形成された前記電
気絶縁性膜の上から、もう一つの電極であって直線的に
延びる電極幹部及び該電極幹部からそれを横切る方向に
両外側へ向け突設された複数の電極枝部を含む第2電極
を、該第2電極の電極幹部を前記電気絶縁性膜に重ね
て、且つ、フィルム厚さ方向から見て前記第1電極の各
電極枝部と前記第2電極の各電極枝部とが互いに隣り合
って交互に並ぶように形成する工程と、前記第1フィル
ムの片面に、そこに形成された前記第1及び第2の電極
の少なくとも電極枝部に重なる自己温度制御性を有する
正温度特性抵抗発熱体を形成する工程と(なお、この抵
抗発熱体は電極幹部にも重なるように形成してもよ
い。)、前記第1フィルムの片面に、そこに形成された
前記第1電極、前記電気絶縁性膜、前記第2電極及び前
記抵抗発熱体の上から、所定の形状及びサイズの第2フ
ィルムを重ね被着する工程とを含む面状ヒータの製造方
法である。
【0022】しかし、本発明に係る面状ヒータは、前記
汎用性のある自動車ミラー用面状ヒータを含め、本発明
に係る面状ヒータ用長尺体を、その電極対の電極幹部の
一部及び電気絶縁性膜の一部が得ようとするヒータの中
央部にくるように、所定の形状及びサイズに裁断して得
ることもできる。本発明に係る面状ヒータ用長尺体は面
状ヒータの構成要素を連続的に長尺に形成したものであ
る。従って、該長尺体を、用途に適った所定の形状、サ
イズのヒータを得ることができる型による打ち抜き、切
断処理等の裁断により目的とする面状ヒータを生産性良
く、安価に大量生産することができる。また、同じ長尺
体から異なる形状、サイズのヒータを得ることもでき
る。かくして面状ヒータの生産管理、在庫管理がそれだ
け容易になる。
【0023】本発明に係る長尺体から得られるヒータ
は、その電極対の電極幹部にリード線等を介して電源を
接続することで使用できるのであり、その場合電極幹部
への電源の接続方法等に制限はないが、その接続を容易
にするため、電極対の電極幹部に、長尺体長手方向に所
定の間隔でリード線接続部を形成しておいてもよい。こ
のような長尺体については、長尺体を裁断するとき、該
リード線接続部を含めて所定の形状及びサイズに裁断す
ればよい。
【0024】本発明に係る面状ヒータ用長尺体において
も、対向する長尺フィルムベルト間の電極対の電極枝部
は、長尺体厚さ方向から見たとき、電極幹部から平行に
直線状に突出し、且つ、隣り合う電極枝部間隔が等しく
又は略等しくなるように形成されていてもよいが、この
長尺体を裁断して得る面状ヒータの周縁部で一層集中的
に発熱させるために、電極対の電極枝部が、電極幹部か
ら長尺体耳縁へ向け遠ざかるにつれ、隣り合う電極枝部
間隔が狭まっている所定パターンを繰り返すように(い
わば、長尺体の厚さ方向から見て、電極枝部が玉葱断面
様のパターンを繰り返すように)形成されていてもよ
い。また、長尺体を裁断して得る面状ヒータにおいてそ
の中央部より電極幹部に沿ってヒータ両端へ向かうにつ
れ、電極枝部間隔が狭まるように、所定パターンを繰り
返して形成されていてもよい。さらにはこれらの組み合
わせパターンを描くように形成されていてもよい。
【0025】なお、本発明に係る面状ヒータ用長尺体
は、例えば、次の方法により簡単、容易に得ることがで
きる。すなわち、直線的に長尺な電極幹部及び該電極幹
部からそれを横切る方向に両外側へ向け突設された複数
の電極枝部を含む電極を片面に予め形成した長尺フィル
ムベルトを一対準備する工程と、前記一対のフィルムベ
ルトのうち一方のフィルムベルトの前記片面に、そこに
形成されている前記電極の電極幹部を覆うフィルムベル
ト長手方向に連続する電気絶縁性膜及び該電極の少なく
とも電極枝部に重なるフィルムベルト長手方向に連続す
る自己温度制御性を有する正温度特性抵抗発熱体を形成
する工程と(電気絶縁性膜、抵抗発熱体のいずれを先に
形成してもよい。)、前記一対のフィルムベルトのうち
他方のフィルムベルトをそれに形成されている前記電極
が前記一方のフィルムベルト上の電極に対向するように
前記電気絶縁性膜及び抵抗発熱体の上から該一方のフィ
ルムベルト上に重ね被着する工程とを含み、前記他方の
フィルムベルトの被着工程では、フィルムベルト厚さ方
向から見て、前記一方のフィルムベルト上の電極の電極
幹部と該他方のフィルムベルト上の電極の電極幹部が重
なるとともに、前記一方のフィルムベルト上の電極の各
電極枝部と該他方のフィルムベルト上の電極の各電極枝
部とが互いに隣り合って交互に並ぶように該他方のフィ
ルムベルトを被着する面状ヒータ用長尺体の製造方法で
ある。
【0026】また、次の方法によっても本発明に係る面
状ヒータ用長尺体を簡単、容易に製造できる。すなわ
ち、直線的に長尺な電極幹部及び該電極幹部からそれを
横切る方向に両外側へ向け突設された複数の電極枝部を
含む第1電極を片面に予め形成した所定の形状及びサイ
ズの第1の長尺フィルムベルトを準備する工程と、前記
第1の長尺フィルムベルトの片面に、そこに形成されて
いる前記第1電極の電極幹部を覆うフィルムベルト長手
方向に連続する電気絶縁性膜を形成する工程と、前記第
1の長尺フィルムベルトの片面に、前記第1電極の電極
幹部を覆って形成された前記電気絶縁性膜の上から、も
う一つの電極であってフィルムベルト長手方向に直線的
に延びる電極幹部及び該電極幹部からそれを横切る方向
に両外側へ向け突設された複数の電極枝部を含む第2電
極を、該第2電極の電極幹部を前記電気絶縁性膜に重ね
て、且つ、フィルム厚さ方向から見て前記第1電極の各
電極枝部と前記第2電極の各電極枝部とが互いに隣り合
って交互に並ぶように形成する工程と、前記第1の長尺
フィルムベルトの片面に、そこに形成された前記第1及
び第2の電極の少なくとも電極枝部に重なる、フィルベ
ルト長手方向に連続する自己温度制御性を有する正温度
特性抵抗発熱体を形成する工程と(なお、この抵抗発熱
体は電極幹部にも重なるように形成してもよい。)、前
記第1の長尺フィルムベルトの片面に、そこに形成され
た前記第1電極、前記電気絶縁性膜、前記第2電極及び
前記抵抗発熱体の上から、所定の形状及びサイズの第2
の長尺フィルムベルトを重ね被着する工程とを含む面状
ヒータ用長尺体の製造方法である。
【0027】いずれにしても、使用する抵抗発熱体は、
面状ヒータに関連して既に説明した抵抗発熱体と同様の
ものでよい。本発明に係る面状ヒータ、面状ヒータ用長
尺体のいずれにおいても、前記抵抗発熱体は膜状に薄く
形成して、可撓性を与えることができ、前記フィルムや
フィルムベルトも薄くして可撓性を与えることができ
る。本発明に係る面状ヒータは、これを取り付けるべき
ミラー等の物品面が曲面である場合に備えて全体が可撓
性を有していることが好ましく、また、面状ヒータ用長
尺体については巻き取り保管できるように全体が可撓性
を有していることが望ましい。このような可撓性を与え
るヒータ全体の厚みとして、或いは長尺体全体の厚みと
して、例えば概ね150μm〜500μmを挙げること
ができる。この場合抵抗発熱体の厚さとしては、それに
は限定されないが、概ね100μm以下を挙げることが
できる。
【0028】前記抵抗発熱体は、それには限定されない
が、例えば前記PTC特性を有するPTC樹脂組成物か
らなるペーストを前記フィルム面やフィルムベルト面上
にそこに形成された電極等の上から印刷等にて面状に塗
布する、PTC樹脂組成物からなるフィルムを前記フィ
ルム面やフィルムベルト面上にそこに形成された電極等
の上から接着等にて積層するなどして簡単、安価に形成
することができる。
【0029】いずれにしてもPTC樹脂組成物として
は、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン
系樹脂若しくはシリコン樹脂等の熱硬化性樹脂に、金属
粉末(銀、銅、ニッケル等)、金属酸化物粉末(酸化錫
等)、カーボンブラック(ケッチェンブラック、アセチ
レンブラック、サーマルブラック等)、カーボンファイ
バー、黒鉛粉末等の導電性粒子若しくはこれらの混合物
を分散させたものを例示できる。なお、本明細書におい
て「粒子」は、球状、鱗片状、繊維状等の各種形態の粒
子を包含する概念である。導電性粒子としては、中でも
カーボンブラックや黒鉛粉末、又はこれらの混合物、或
いはこれらを主体とするものが好ましく、さらにその粒
子径として0.3μm〜50μm(さらに好ましくは3
μm〜25μm)の範囲のものが望ましい。
【0030】本発明に係るヒータにおけるPTC特性の
抵抗発熱体は、それには限定されないが、好ましいもの
の一つとして5〜30ボルト程度の通電で概ね40℃〜
80℃、さらに好ましくは45℃〜65℃程度の範囲で
温度が安定するものを挙げることができる。前記電極
は、それには限定されないが、例えば前記フィルム面や
フィルムベルト面上に導電性ペーストを印刷等にて塗布
したり、電極パターンの導電性フィルムを接着等にて積
層したり、前記フィルム面やフィルムベルト面上に金属
メッキする等して簡単、安価に所定パターンに形成でき
る。また可撓性を有するように形成することもできる。
【0031】電極として用いることのできる導電性ペー
ストとしては、金属粉末(銀、銅、ニッケル等)、金属
酸化物粉末(酸化錫等)、カーボンブラック(ケッチェ
ンブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック
等)、カーボンファイバー、黒鉛粉末等の導電性粒子
(ここで粒子とは球状物、燐片状物、繊維状物等を包含
する)若しくはこれらの混合物をポリウレタン、アクリ
ル樹脂、シリコン樹脂、ポリエチレン等の樹脂に分散さ
せたものを例示できる。また、導電性フィルムとして
は、前記ペーストをフィルム状に成形したもの、金属
箔、導電性樹脂フィルム、ITO膜等を例示できる。ま
た電極材料の体積抵抗率は10-2Ω・cm未満が好まし
い。
【0032】また前記電気絶縁性膜は、例えば印刷、ロ
ールコート、刷毛塗り等の方法で、電気絶縁製塗料、絶
縁レジスト等を、形成された電極の電極幹部を覆うよう
に塗布することで形成できる。この電気絶縁性膜も、面
状ヒータや面状ヒータ用長尺体に前記のような可撓性を
付与するために、薄く形成することができ、この場合の
電気絶縁性膜の厚さとしては20μm程度を例示でき
る。
【0033】そしてもう1枚の前記フィルム或いはフィ
ルムベルトを前記フィルム或いはフィルムベルトに重
ね、両フィルム或いは両フィルムベルトを接着剤等で接
合することで、該対向するフィルム、フィルムベルト間
に所定パターンの電極対と、該電極対間に配置された電
気絶縁性膜と、自己温度制御性を有する正温度特性抵抗
発熱体とを挟着することができる。このようにして面状
ヒータ或いは面状ヒータ用長尺体を簡単、安価に得るこ
とができる。
【0034】抵抗発熱体等を挟着する前記のフィルムや
フィルムベルトは、該抵抗発熱体が到達できる最高温度
に耐えられる耐熱性を有する材料からなるシート(例え
ばそのような耐熱性を有する合成樹脂シート)を採用で
きる。このようなフィルムとしてポリエチレンテレフタ
レート(PET)フィルム、ポリイミドフィルム、ポリ
アミドフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリウレタン
フィルム等を例示できる。
【0035】また、使用する接着剤についても抵抗発熱
体が到達できる最高温度に耐えられるものであればよ
い。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。図1は本発明に係る面状ヒータ用
長尺体の1例の正面図であり、図2は同長尺体の背面図
である。図1及び図2に示す面状ヒータ用長尺体1は、
対向する長尺のフィルムベルト11、12間に、一対の
電極13、14と該電極間に配置された自己温度制御性
を有する二列の正温度特性抵抗発熱体15、15及び電
気絶縁性膜16を挟着して構成してある。
【0037】フィルムベルト11、12はいずれも、そ
れには限定されないが、ここでは略透明のもので、ポリ
エチレンテレフタレートから形成されており、一方のフ
ィルムベルト11は厚さ75μmで可撓性を有してお
り、他方のフィルムベルト12は厚さ50μmで可撓性
を有している。フィルムベルト11、12はいずれも、
幅及び長さが同じものである。
【0038】電極13はフィルムベルト11の内面に、
電極14はフィルムベルト12の内面にそれぞれ形成さ
れている。各電極13、14は、銀フレーク75重量部
とポリウレタン樹脂25重量部からなる導電性ペースト
を用いてフィルムベルト11、12のそれぞれの内面に
予め印刷することで膜厚約10μmに形成されている。
【0039】ヒータ正面側から見た各電極のパターンは
図3の(A)及び(B)に示す通りである。電極13
は、フィルムベルト11の幅方向中央部においてベルト
長手方向に沿って直線的に連続する電極幹部131及び
電極幹部131からフィルムベルト幅方向に両外側へ向
け対称的に、並行に突設された複数の電極枝部132を
含んでいる。電極14についても、フィルムベルト12
の幅方向中央部においてベルト長手方向に沿って直線的
に連続する電極幹部141及び電極幹部141からフィ
ルムベルト幅方向に両外側へ向け対称的に、並行に突設
された複数の電極枝部142を含んでいる。
【0040】電極対13、14はヒータ正面から見て
(フィルム厚さ方向から見て)それらの電極幹部13
1、141が重なるとともに電極13の各電極枝部13
2と電極14の各電極枝部142とが互いに隣り合って
交互に並ぶように対向している。電極幹部131はその
長手方向に沿って一定のピッチPでリード線接続部13
3を有しており、電極幹部141もその長手方向に沿っ
て同じピッチPでリード線接続部143を有している。
一つのリード線接続部133と一つのリード線接続部1
43とが対をなし、リード線接続部対が前記のピッチP
で配置されている。リッド線接続部対133、143に
おいて、両者は互いに重ならないように形成さている。
【0041】電気絶縁性膜16はフィルムベルト長手方
向に連続して電極対13、14の電極幹部131、14
1の間に配置され、抵抗発熱体15、15はフィルムベ
ルト長手方向に連続して電極枝部132群と142群の
間に配置されている。膜16はここでは、絶縁レジスト
をフィルムベルト11上の電極幹部131の上から該フ
ィルムベルト内面に印刷して、厚さ約20μmに形成さ
れている。
【0042】各抵抗発熱体15は、熱硬化性シリコン樹
脂40重量部と黒鉛粒子60重量部からなる正温度特性
(PTC)樹脂組成物のペーストを、フィルムベルト1
1上の電極幹部131の両側における各電極枝部132
群の上から該フィルムベルト内面に塗布して、厚さ約4
0μmに形成されている。フィルムベルト12は、この
ようにしてフィルムベルト11内面に形成された電極1
3、電気絶縁性膜16及び抵抗発熱体15の上から、自
身に予め形成されている電極14を電極13に対向させ
てフィルムベルト11に重ねられ、図示を省略した耐熱
性接着剤を用いて被着されている。かくして面状ヒータ
用長尺体1が形成されている。
【0043】なお、抵抗発熱体15は、支障ないのであ
れば、前記のように二列に設けるだけでなく、3列以上
に設けてもよいし、或いは、電極対13、14間に連続
する1面に形成してもよい。次に図4は本発明に係る面
状ヒータの1例の正面図であり、図5は同ヒータの背面
図である。図4及び図5に示す面状ヒータ2はここで
は、対向するフィルム11a、12a間に、対向する電
極対13a、14aと、該電極対間に配置された電気絶
縁性膜16a及び自己温度制御性を有する二列の正温度
特性抵抗発熱体15a、15aとを挟着してなる面状ヒ
ータである。
【0044】各フィルム11a、12aは、形状及び
(又は)サイズが異なる複数種類の自動車ミラーに適合
可能に所定の楕円形状に所定のサイズで形成されてい
る。電極対13a、14aもそれら全体としてフィルム
11a、12aの形状及びサイズに略倣った楕円形状領
域を占めている。すなわち、このヒータは自動車ミラー
用の面状ヒータである。
【0045】各電極13a、14aは直線的に延びる電
極幹部131a、141a及び該電極幹部からそれを横
切る方向に両外側へ向け対称的に並行に突設された複数
の電極枝部132a、142aを含んでおり、電極対1
3a、14aは、ヒータ正面から見て電極幹部131
a、141aが重なるとともに一方の電極13aの各電
極枝部132aと他方の電極14aの各電極枝部142
aとが互いに隣り合って交互に並ぶように対向してい
る。
【0046】また、ヒータ2の片側端部において、電極
幹部131aの端部にリード線接続部133が形成され
ているとともに、電極幹部141aの端部にリード線接
続部143が形成されている。電気絶縁性膜16aは電
極幹部131a、141aの間に配置され、抵抗発熱体
15a、15a、は電極枝部132a、142aの間に
配置されている。
【0047】この面状ヒータ2は長尺体1を型により打
ち抜いて大量生産したもののうちの1枚である。従っ
て、このヒータ2におけるフィルム11a、12a、電
極幹部131a、141a、電極枝部132a、142
a、電気絶縁性膜16a及び抵抗発熱体15a、15a
は、それぞれ長尺体1におけるフィルムベルト11、1
2、電極幹部131、141、複数の電極枝部132、
142、電気絶縁性膜16及び抵抗発熱体15、15の
一部である。リード線接続部133、143は長尺体1
におけるリード線接続部対である。
【0048】かかる構成のヒータ2は、リード線接続部
133、143にそれぞれリード線26を接続し、この
リード線を介して図示を省略した電源を電極幹部131
a、141aに接続して電極枝部132a、142aか
ら抵抗発熱体15a、15aに通電すると、約2分後
に、ヒータ中央部両側の領域が表面温度が略60℃迄上
昇し、さらに通電を続けても、その後は略60℃±2℃
の範囲で安定な温度を保つことができる。
【0049】この面状ヒータ2は、曇り等を除去しよう
とする自動車ミラーの背面に接着剤等により接合し、電
極対13a、14aの電極幹部131a、141aにリ
ード線接続部133、143を介して電源を接続し、電
極幹部131a、141aから電極枝部132a、14
2a間の抵抗発熱体15a、15aに通電することで、
該ミラーを所定温度に加熱することができ、それにより
ミラー上に発生する曇り、雪付着、氷付着等の障害を加
熱除去できる。
【0050】また面状ヒータ2においては、電極幹部1
31a、141aが重なるとともに一方の電極13aの
各電極枝部132aと他方の電極14aの各電極枝部1
42aとが互いに隣り合って交互に並ぶように対向して
おり、従ってヒータ2の中央部に電極幹部131a、1
41aがあり、且つ、該電極幹部の間には電気絶縁性膜
16aが配置されているので、該電極幹部及び電気絶縁
性膜を含むヒータ中央部は発熱しない。一方、電極幹部
両側へ突設された電極枝部132a、142aの間には
抵抗発熱体15a、15aが配置されており、これに通
電されるから、ヒータ中央部の両側におけるヒータ周縁
部において発熱する。
【0051】従って、該ヒータ2をミラーに取り付ける
ことで、中央部よりも放熱が多いミラー周縁部を発熱量
がヒータ中央部より多いヒータ周縁部で加熱することが
でき、ミラー周縁部についても曇り等を十分加熱除去で
きる。ミラー中央部については、ミラー中央部からの放
熱はミラー周縁部からの放熱より少ないので、ミラー周
縁部が加熱されてこの熱が中央部へ伝わることで、ミラ
ー中央部についても、曇り等を加熱除去できる。
【0052】また放熱が少ないミラー中央部については
より少ない熱量で、放熱の多い周縁部分についてはより
多い熱量で加熱するので、ミラーの異常昇温を防止で
き、安全である。また、面状ヒータ2は、形状及び(又
は)サイズが異なる複数種類の自動車ミラーに適合可能
に形成されているので、形状、サイズが同一であるミラ
ーにのみ適用できるだけでなく、複数種類の形状、サイ
ズのミラーにも付設、使用できる汎用性があり、それに
より生産管理、在庫管理がそれだけ容易になり、コスト
もそれだけ下げることができる。
【0053】また抵抗発熱体15aは、温度制御のため
の給電制御手段乃至サーモスタット等を含む温度制御手
段が必要ではなく、そのような給電制御手段や温度制御
手段無しで一定の温度を維持できる簡易なものであるか
ら、面状ヒータ2は構造が簡単であり、それだけ安価に
提供できる。さらに自己温度制御性により電力消費が少
なく済み、、ランニングコストが安価である。
【0054】なお、前記長尺体1はヒータ2だけでな
く、他の様々の形状、サイズに裁断して、各種目的に適
った面状ヒータをそれから得ることができる。以上説明
した面状ヒータ用長尺体1及び面状ヒータ2において
は、電極対の電極枝部は、長尺体厚さ方向或いはヒータ
厚さ方向から見たとき、電極幹部から平行に直線状に突
出し、且つ、隣り合う電極枝部間隔が略等しくなるよう
に形成されている。しかし、面状ヒータの周縁部で一層
集中的に発熱させるために、面状ヒータ用長尺体や面状
ヒータは玉葱断面に類似模様の電極枝部パターンを採用
したものとしてもよい。
【0055】図6は面状ヒータ用長尺体の他の例1’の
正面図である。この長尺体1’は、電極対における電極
枝部のパターンの点を除けば、長尺体1と実質上同構成
のものである。長尺体1と同じ部分については同じ参照
符号を付してある。長尺体1’は長尺体1における電極
13、14に対応する電極13’、14’を備えてお
り、電極13’はフィルムベルト11の内面に、電極1
4’はフィルムベルト12の内面に形成されている。
【0056】長尺体1’の正面側から見た各電極のパタ
ーンは図7の(A)及び(B)に示すとおりである。電
極13’は、フィルムベルト11の幅方向中央部におい
てベルト長手方向に沿って直線的に連続する電極幹部1
31’及び電極幹部131’からフィルムベルト幅方向
に両外側へ向け対称的に突設された複数の電極枝部13
2’を含んでいる。電極枝部132’は、電極幹部13
1’から長尺体耳縁1e’へ向け遠ざかるにつれ隣り合
う電極枝部間隔が狭まるとともに、長尺体1’を裁断し
て得る面状ヒータにおいてその中央部より電極幹部に沿
ってヒータ両端へ向かうにつれ電極枝部間隔が狭まるよ
うに、玉葱断面模様に類似のパターンを繰り返して形成
されている。
【0057】電極14’についても、フィルムベルト1
2の幅方向中央部においてベルト長手方向に沿って直線
的に連続する電極幹部141’及び電極幹部141’か
らフィルムベルト幅方向に両外側へ向け対称的に突設さ
れた複数の電極枝部142’を含んでいる。電極枝部1
42’も、電極幹部141’から長尺体耳縁1e’へ向
け遠ざかるにつれ隣り合う電極枝部間隔が狭まるととも
に、長尺体1’を裁断して得る面状ヒータにおいてその
中央部より電極幹部に沿ってヒータ両端へ向かうにつれ
電極枝部間隔が狭まるように、玉葱断面模様に類似のパ
ターンを繰り返して形成されている。
【0058】そして電極対13’、14’は長尺体正面
から見て(フィルムベルト厚さ方向から見て)それらの
電極幹部131’、141’が重なるとともに電極1
3’の各電極枝部132’と電極14’の各電極枝部1
42’とが互いに隣り合って交互に並ぶように対向して
いる。電極幹部131’と141’の間には電気絶縁性
膜16があり、電極枝部132’群と142’群との間
には抵抗発熱体15がある。
【0059】電極幹部131’はその長手方向に沿って
一定のピッチでリード線接続部133’を有しており、
電極幹部141’もその長手方向に沿って同じピッチで
リード線接続部143’を有している。一つのリード線
接続部133’と一つのリード線接続部143’とが対
をなし、リード線接続部対が前記のピッチで配置されて
いる。リッド線接続部対133’、143’において、
両者は互いに重ならないように形成さている。
【0060】かくして長尺体1’全体として電極枝部1
32’、142’は、電極幹部131’、141’から
長尺体耳縁1e’へ向け遠ざかるにつれ、隣り合う電極
枝部間隔が狭まるとともに、長尺体1’を裁断して得る
面状ヒータにおいてその中央部より電極幹部に沿ってヒ
ータ両端へ向かうにつれ、電極枝部間隔が狭まる、玉葱
断面模様に類似のパターンを繰り返している。
【0061】かかる長尺体1’を、電極枝部の繰り返し
パターンの一つ一つについて、且つ、リード線接続部対
を含めて、所定の形状及びサイズ(例えば図6に鎖線で
示す楕円形状α)に裁断することで、電極幹部から遠い
ヒータ周縁部やヒータ両端部で集中的に発熱する面状ヒ
ータを得ることができる。なお、このような面状ヒータ
を長尺体からではなく、一つ一つ作ることもできること
は勿論である。
【0062】以上説明した面状ヒータ2や面状ヒータ用
長尺体1、1’では、抵抗発熱体15、15aを一方の
電極の電極枝部群と他方の電極の電極枝部群との間に配
置しているが、図8に示すように、双方の電極の電極枝
部(132a、142a)、(132、142)、(1
32’、142’)に片側から重ねて形成してもよい。
【0063】
【発明の効果】以上説明したように本発明によると、例
えば自動車ミラーに生じる曇り、雪付着、氷付着等の障
害を加熱除去することに採用できるほか、種々の目的に
利用できる面状ヒータであって、例えば自動車ミラーの
加熱に採用した場合、ミラー中央部は勿論のこと、ミラ
ー周縁部についてもかかる曇り等の障害を円滑、安全に
加熱除去できる面状ヒータを提供することができる。
【0064】また本発明によると、形状、サイズが同一
である自動車ミラーの加熱に適用できるだけでなく、他
の幾種類かの形状、サイズの自動車ミラーにも付設、使
用できる汎用性のある自動車ミラー用面状ヒータを提供
することができる。また本発明によると、自動車ミラー
に生じる曇り、雪付着、氷付着等の障害を加熱除去する
ための自動車ミラー用面状ヒータその他の面状ヒータ
を、所定の形状及びサイズで生産性良く、安価に得るこ
とができる面状ヒータ用長尺体を提供することができ
る。
【0065】また本発明によと、自動車ミラーに生じる
曇り、雪付着、氷付着等の障害を加熱除去するための自
動車ミラー用面状ヒータその他の面状ヒータを、所定の
形状及びサイズで簡単に生産性良く、安価に得る面状ヒ
ータの製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る面状ヒータ用長尺体の1例の正面
図である。
【図2】図1に示す長尺体の背面図である。
【図3】図1に示す長尺体における電極パターンを示す
図である。
【図4】本発明に係る面状ヒータの1例の正面図であ
る。
【図5】図4に示すヒータの背面図である。
【図6】本発明に係る面状ヒータ用長尺体の他の例の正
面図である。
【図7】図6に示す長尺体における電極パターンを示す
図である。
【図8】抵抗発熱体の設け方の他の例を示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
1、1’ 面状ヒータ用長尺体 11、12 フィルムベルト 13、14、13’、14’ 電極 131、141、131’、141’ 電極幹部 132、142、132’、142’ 電極枝部 133、143、133’、143’ リード線接続部 15 抵抗発熱体 16 電気絶縁性膜 P リード線接続部配置ピッチ 2 面状ヒータ 11a、12a フィルム 13a、14a 電極 131a、141a 電極幹部 132a、142a 電極枝部 26 リード線 15a 抵抗発熱体 16a 電気絶縁性膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3K034 AA05 AA06 AA07 AA08 AA10 AA16 BC16 CA33 CA34 DA08 EA07 HA01 JA01 3K092 PP15 QA05 QB14 QB17 QB19 QB21 QB31 QC26 QC42 RF02 RF26 UA06 UA19 VV01 VV03 VV25 VV33

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】対向するフィルム間に、対向する電極対
    と、該電極対間に配置された電気絶縁性膜と、自己温度
    制御性を有する正温度特性抵抗発熱体とを挟着してなる
    面状ヒータであり、前記フィルムは所定の形状及びサイ
    ズに形成されており、前記各電極は直線的に延びる電極
    幹部及び該電極幹部からそれを横切る方向に両外側へ向
    け突設された複数の電極枝部を含んでおり、前記電極対
    はフィルム厚さ方向から見て電極幹部が重なるとともに
    一方の電極の各電極枝部と他方の電極の各電極枝部とが
    互いに隣り合って交互に並ぶように配置されており、前
    記電気絶縁性膜は該電極対の電極幹部の間に配置され、
    前記抵抗発熱体は該電極対の少なくとも電極枝部の間
    に、又は該電極対の少なくとも電極枝部に重ねて配置さ
    れていることを特徴とする面状ヒータ。
  2. 【請求項2】前記フィルムは形状及び(又は)サイズが
    異なる複数種類の自動車ミラーに適合可能に所定の形状
    に所定のサイズで形成されているとともに前記電極対も
    それら全体として前記フィルムの形状及びサイズに略倣
    った領域を占めている自動車ミラー用の請求項1記載の
    面状ヒータ。
  3. 【請求項3】前記フィルムの所定の形状は、フィルム面
    上の一つの方向の線に関して線対称又は略線対称の形状
    である請求項2記載の面状ヒータ。
  4. 【請求項4】前記フィルムの所定の形状は楕円形状であ
    る請求項2記載の面状ヒータ。
  5. 【請求項5】対向する長尺フィルムベルト間に、対向す
    る電極対と、該電極対間に配置された電気絶縁性膜と、
    自己温度制御性を有する正温度特性抵抗発熱体とを挟着
    してなる面状ヒータ用長尺体であり、前記各電極はフィ
    ルムベルト長手方向に沿って直線的に連続する電極幹部
    及び該電極幹部からフィルムベルト幅方向に両外側へ向
    け突設された複数の電極枝部を含んでおり、前記電極対
    はフィルムベルト厚さ方向から見て電極幹部が重なると
    ともに一方の電極の各電極枝部と他方の電極の各電極枝
    部とが互いに隣り合って交互に並ぶように配置されてお
    り、前記電気絶縁性膜はフィルムベルト長手方向に連続
    して該電極対の電極幹部の間に配置され、前記抵抗発熱
    体はフィルムベルト長手方向に連続して該電極対の少な
    くとも電極枝部の間に、又は該電極対の少なくとも電極
    枝部に重ねて配置されていることを特徴とする面状ヒー
    タ用長尺体。
  6. 【請求項6】前記電極対の電極幹部に、長尺体長手方向
    に所定の間隔でリード線接続部を形成してある請求項5
    記載の面状ヒータ用長尺体。
  7. 【請求項7】請求項5記載の面状ヒータ用長尺体を、そ
    の電極対の電極幹部の一部及び電気絶縁性膜の一部が得
    ようとするヒータの中央部にくるように、所定の形状及
    びサイズに裁断して請求項1、2、3又は4記載の面状
    ヒータを得る面状ヒータの製造方法。
  8. 【請求項8】請求項6記載の面状ヒータ用長尺体を、そ
    の電極対の電極幹部の一部及び電気絶縁性膜の一部が得
    ようとするヒータの中央部にくるように、前記リード線
    接続部を含めて所定の形状及びサイズに裁断して請求項
    1、2、3又は4記載の面状ヒータを得る面状ヒータの
    製造方法。
JP20235598A 1998-07-16 1998-07-16 面状ヒータ、面状ヒータ用長尺体及び面状ヒータ製造方法 Withdrawn JP2000036372A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20235598A JP2000036372A (ja) 1998-07-16 1998-07-16 面状ヒータ、面状ヒータ用長尺体及び面状ヒータ製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20235598A JP2000036372A (ja) 1998-07-16 1998-07-16 面状ヒータ、面状ヒータ用長尺体及び面状ヒータ製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000036372A true JP2000036372A (ja) 2000-02-02

Family

ID=16456152

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20235598A Withdrawn JP2000036372A (ja) 1998-07-16 1998-07-16 面状ヒータ、面状ヒータ用長尺体及び面状ヒータ製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000036372A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010517205A (ja) * 2007-01-22 2010-05-20 パナソニック株式会社 面状発熱体
JP2011049162A (ja) * 2009-07-31 2011-03-10 Iwasaki Dannetsu Kk Ptc面状発熱体成形用組成物、ptc面状発熱体の製造方法及びptc面状発熱体
KR101120010B1 (ko) * 2010-04-01 2012-03-16 금오공과대학교 산학협력단 부분 과열 방지 기능을 갖는 면발열 히터

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010517205A (ja) * 2007-01-22 2010-05-20 パナソニック株式会社 面状発熱体
JP2011049162A (ja) * 2009-07-31 2011-03-10 Iwasaki Dannetsu Kk Ptc面状発熱体成形用組成物、ptc面状発熱体の製造方法及びptc面状発熱体
KR101120010B1 (ko) * 2010-04-01 2012-03-16 금오공과대학교 산학협력단 부분 과열 방지 기능을 갖는 면발열 히터

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5015824A (en) Apparatus for heating a mirror or the like
US9578690B2 (en) Heater for an automotive vehicle and method of forming same
EP0202896B1 (en) Electrical sheet heaters
JP2831622B2 (ja) 電熱式ステアリングホイール加熱用エレメント
WO2008009389A1 (en) Heating tape structure
US4942286A (en) Apparatus for heating a mirror or the like
WO2019083970A1 (en) HIGH-WELD SOLDER-FREE FLEXIBLE CONNECTOR FOR PRINTED CONDUCTORS
US3636311A (en) Heating devices for vehicle windows
JP2000036372A (ja) 面状ヒータ、面状ヒータ用長尺体及び面状ヒータ製造方法
GB2041859A (en) Mirror for Motor Vehicles
CN100508666C (zh) 用于机动车辆的加热器及其形成方法
JP2000012201A (ja) 自動車ミラー用ヒータ
JPH04102599U (ja) ミラー用面状発熱体
JP3196101B2 (ja) 立体面加熱用ヒータ
JP3075964B2 (ja) 防曇鏡
JP2878125B2 (ja) 水道管凍結防止用ヒータ
JPH04280089A (ja) Ptc発熱体及びそれを有する加熱体
JPH0526713Y2 (ja)
JPH09161960A (ja) 車両外部ミラー用発熱シート
JP2000299181A (ja) 面状発熱体
JPH0435159Y2 (ja)
JPH08330053A (ja) 面状発熱体
JPH08222355A (ja) 面状発熱体
JPH04102192U (ja) ミラー用面状発熱体
JPS6233648Y2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20051004