JP2000033358A - 貝のメタン発酵処理装置 - Google Patents

貝のメタン発酵処理装置

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JP2000033358A JP10203413A JP20341398A JP2000033358A JP 2000033358 A JP2000033358 A JP 2000033358A JP 10203413 A JP10203413 A JP 10203413A JP 20341398 A JP20341398 A JP 20341398A JP 2000033358 A JP2000033358 A JP 2000033358A
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E50/00Technologies for the production of fuel of non-fossil origin
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  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
  • Treatment Of Sludge (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】貝肉を分解処理すると共に貝殻を炭酸カルシウ
ム材料として回収する貝のメタン発酵処理装置を提供す
る。 【解決手段】高圧分別機2の加圧室で貝に加圧し貝殻を
砕いて粉砕貝殻Lにすると同時に、貝肉のみを加圧室に
連なる狭い間隙へ圧入し貝肉ペーストPとして貝殻から
分別する。高圧分別機2から洗浄ユニット3へ取り出し
た粉砕貝殻L上の残存貝肉を、洗浄水中へ洗出して残存
貝肉溶液Rとする。洗浄後の貝殻を土壌改良用などの炭
酸カルシウム材料として回収する。残存貝肉溶液Rと高
圧分別機2からの貝肉ペーストPとの混合スラリーS
を、生物反応槽4内のメタン発酵処理でバイオガスと処
理水に分解することにより、下水へ放流できる程度に処
理する。副生物として生じるバイオガスを反応槽4の熱
源等に利用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は貝のメタン発酵処理
装置に関し、とくに大量の貝を環境に調和した方法で処
理することができる生物処理装置に関する。本発明の貝
のメタン発酵処理装置は、火力発電所、原子力発電所、
化学工場等で機器やプロセスの冷却に使う海水から廃棄
物として除去される貝や、水産関連の食品工場等から廃
棄される貝の処理に効果的に利用できる。
【0002】
【従来の技術】例えば火力発電所では、水路内での貝藻
類の繁殖や脱落に起因する冷却水の不足によって発電支
障が数多く発生している。取水路で成長・死滅した貝が
取水ポンプ室に堆積したり、成長した貝が多量に落下
し、スクリーンに付着してこれを閉塞し、ポンプ動力の
異常な増大やポンプ能力の低下による水量減少が経験さ
れている。
【0003】付着する貝は、ムラサキイガイ、カキ、フ
ジツボ類などが多く、対策として人力で掻き落した後廃
棄することが行われている。廃棄には、焼却や埋立て処
理が使われ、貝殻と貝肉との分離が困難であるので、そ
のまま処理されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】貝藻類の処理は、実質
的に貝の処理であり、従来の貝の処理方法には次のよう
な問題があった。
【0005】A.貝の焼却処理の場合 (ア)貝には80%以上の水分が含まれているため、焼却
時に大量の燃料が必要であり、ランニングコストが高
い。 (イ)大量の燃料を燃やすため、地球温暖化の原因であ
る二酸化炭素を多く排出する。また、貝殻を分別せずに
燃焼させると貝殻成分の炭酸カルシウムが分解し、その
中に固定化していた二酸化炭素を多く排出する。 (ウ)ダイオキシン等の汚染物質の発生するおそれがあ
る。
【0006】B.貝の埋立処理の場合 (エ)有機質が変質するため、臭気や衛生面で問題があ
った。 (オ)埋立て地の確保が難しい。 (カ)埋立て地は支持力が不足して、その後の跡地利用
が難しい。
【0007】従って、本発明の目的は、貝肉を分解処理
すると共に貝殻を炭酸カルシウム材料として回収する貝
のメタン発酵処理装置を提供するにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明者は次の諸点に着目し、実験によりそれらの
着目点が貝処理のために有効な処理要素であるとの知見
を得た。 (1)貝を自動的に貝殻と貝肉とに分別することができ
れば、貝殻のみを有用な目的のために回収することがで
きる。 (2)分別した貝肉を実質上固形分がないペースト状の
ものにすれば、メタン発酵菌によって、下水へ放流でき
る程度に分解することが可能になり、従来の焼却や埋立
てに伴う問題点を解決することができる。 (3)メタン発酵による分解処理の過程で副生物として
生じるメタン等のバイオガスを燃料などとして回収すれ
ば、貝の処理過程のコスト低減を図ることができる。 上記諸点を確認するため、以下の実験を行なった。
【0009】[実験1] 貝殻と貝肉との分別の自動化 図2に示すような加圧室2aと間隙2bとをシリンダー2c内
に有する高圧分別機2を用意した。即ち、上部ピストン
2dと下部ピストン2eを内径150mmシリンダー2c内に設
け、両ピストン2d、2e間のシリンダー2c内空間を貝殻粉
砕用の加圧室2aとした。両ピストン2d、2eを油圧ユニッ
ト2gに接続し、上部及び下部ピストン2d、2eの移動及び
加圧室2aへの加圧を図った。ピストンとシリンダー2cの
内周面との間に、貝肉をペースト化するために0.7mmの
間隙2bを設けた。
【0010】50kgのムラサキイガイを加圧室2aに投入
し、油圧ユニット2gにより250kg/cm2の圧力を加えた。
その結果、貝肉ペースト34kgを得ると共に、細かく粉砕
した貝殻16kgを得た。貝肉ペースト中に貝殻状のものは
ほとんど見られなかった。粉砕貝殻の方には、わずかな
有機物(貝柱や海草類)が混在していた。
【0011】[実験2] 貝殻の洗浄 実験1で得た貝殻の3kgと15リットルの水を、容積50リ
ットルの攪拌機付き洗浄タンク3aに入れ、0.01N(規定
濃度)となるようにこの場合苛性ソーダ(NaOH)である
アルカリ水溶液Zを加えた後、1時間攪拌して洗浄し
た。洗浄後の貝殻の重量は、表1のとおりであった。な
お、アルカリ水溶液Zを添加したのは、蛋白を溶解し
て、貝殻からの貝柱等の有機物の剥離を促進し、さらに
以下に説明するバイオリアクター4内のアルカリ度を高
めて異物に対する干渉作用を大きくし、ひいてはメタン
発酵を安定化するためである。ただし、本発明におい
て、アルカリ水溶液Zの添加は必須要件ではない。
【0012】洗浄実験は3回行なった。実験1の分別直
後の貝殻には、平均8重量%程度の有機物が付着してい
た。しかし、実験2の洗浄後の貝殻には、何れの回にも
有機物の付着は観察されなかった。
【0013】
【表1】 第1回の洗浄実験 洗浄前重量 15.2kg 洗浄後重量 14.3kg 第2回の洗浄実験 洗浄前重量 15.0kg 洗浄後重量 13.5kg 第3回の洗浄実験 洗浄前重量 15.0kg 洗浄後重量 14.0kg
【0014】[実験3] 貝殻と付着有機物の分離 実験1の方法で得た粉砕貝殻の30kg及び水60kgを、図1
に示すような攪拌機付き洗浄タンク3aに入れ、0.05N
(規定濃度)となるように苛性ソーダ(NaOH)を添加
し、1時間攪拌して得たスラリー(固液混合物)を同図
に示すような液体サイクロンからなる固液分離装置3bに
送り、固(貝殻)と液(付着有機物を含む洗浄水)の分
離を行なった。この実験に使用した液体サイクロンは、
円筒部直径15cmの標準型液体サイクロンであった。スラ
リー流量は6リットル/分、サイクロンの上流流量(Q
o)と下流流量(Qf)との比(Qo/Qf)は5とした。
実験結果は表2のとおりであった。洗浄された貝殻の真
比重は1.4であった。
【0015】
【表2】サイクロンの下流物:貝殻及び少量の水 合計4
6kg(固形有機物は観察されず) サイクロンの上流物:固形有機物を含む水 合計44kg
(貝殻は観察されず)
【0016】[実験4] 貝肉ペーストなどのメタン発
酵による分解 実験1で分別されたムラサキイガイの貝肉ペーストを同
量の水で希釈したものを原廃液とし、図3のバイオリア
クター4によりメタン発酵の実験を行なった。図3及び
4を参照するに、バイオリアクター4として、直径30m
m、長さ600mmのガラス繊維製担体4bの4本からなるろ床
4aを、有効容積3リットルの反応槽内に充填した固定床
式のものを使用した。担体4b上の微生物として、55℃で
活性を示す高温メタン生成菌が含まれる汚泥を使用し
た。VSS(有機性固形分濃度、概ね微生物濃度を示す)
が8,000mg/リットルである汚泥の3リットルをバイオ
リアクター4に投入した後、55℃に加熱した上で、前記
原廃液を徐々にバイオリアクター4へ投入した。
【0017】原廃液のC0Dcr(化学的酸素要求量)は30,
000〜40,000mg/リットルであり、そのB0D(生物学的酸
素要求量)は25,000〜35,000mg/リットルであった。ス
タート後30日で、C0D容積負荷が16kgC0D/m3日となり発
酵状態が安定したので、そのまま60日間運転をした。処
理水質はC0Dcrが4,000〜6,000mg/リットル、B0Dが3,00
0〜4,000mg/リットルであり、60日間の平均除去率はC0
Dcrが85%、B0Dが88%であった。
【0018】また、バイオガスは原廃液1リットル当た
り、平均20リットル発生し、バイオガス中のメタンの平
均組成は71%であった。
【0019】本発明は、以上の実験で得た知見に基づい
て完成したものである。
【0020】図1及び2に示す実施例を参照するに、本
発明による貝のメタン発酵処理装置1は、貝殻粉砕用の
加圧室2aと該加圧室2aに連なる貝肉ペースト化用の間隙
2bと加圧手段(図2の油圧ユニット2g)を有する高圧分
別機2、高圧分別機2からの粉砕貝殻L上の残存貝肉を
残存貝肉溶液Rに洗出す粉砕貝殻洗浄ユニット3、及び
該残存貝肉溶液Rと高圧分別機2からの貝肉ペーストP
とをメタン発酵処理する生物反応槽4を備えてなるもの
である。
【0021】好ましくは前記高圧分別機2に、一対のピ
ストン2d、2eを内部に有し且つ所定加圧位置にある両ピ
ストン2d、2eの間に前記加圧室2aを画成するシリンダー
2c、シリンダー2cの内周面との間に前記ペースト化用間
隙2bを形成する如きピストン2e周縁の凹部2f、ピストン
2d、2eを駆動する加圧手段2g、所定加圧位置にある前記
ピストン2eの凹部2fに対向するシリンダー2c上の部位に
開口する流出口2h、及びシリンダー2c上における両ピス
トン2d、2eの所定払出し位置の中間部位に開口する粉砕
貝殻の払出し口2iを設ける。
【0022】更に好ましくは、粉砕貝殻洗浄ユニット3
に、残存貝肉溶液Rの中で粉砕貝殻Lを攪拌し粉砕貝殻
L上の残存貝肉を残存貝肉溶液Rへ洗落とす貝殻洗浄タ
ンク3aと、残存貝肉溶液Rから粉砕貝殻Lを回収する固
液分離装置3bとを設ける。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明による貝のメタン発酵処理
装置の作用を、図1及び2の実施例によって説明する。
処理すべき貝を洗浄ホッパ−15に投入し、清浄水Cを上
から散布して貝を洗い、洗浄排水Yを排水路へ流す。洗
浄後の貝をスクリュウコンベアで高圧分別機2へ送る。
【0024】図2に示す高圧分別機2の実施例において
は、貝の粉砕処理をする時のシリンダー2c内における加
圧室2aの加圧位置を、実線位置のように予め定め、粉砕
貝殻Lを送出するための払出し位置を点線位置のように
予め定める。洗浄ホッパ−15からの貝は、加圧位置にあ
る加圧室2aに向けて開口する貝投入口2kを介し高圧分別
機2に充填される。
【0025】油圧ユニット2gから上部ピストン2dと下部
ピストン2eとを介して、加圧室2aに充分大きな圧力を加
えると、流動性のない貝殻は、両ピストン2d、2eからの
圧力により圧力室2a内で粉砕され粉砕貝殻Lとなる。流
動性のある貝肉だけが貝肉ペーストPになって微小間隙
2bへ流込み、流出口2hから排出される。
【0026】その後、上部ピストン2dと下部ピストン2e
との移動により加圧室2aを払出し位置へ移し、この位置
の加圧室2aに開口する払出し口2iを介して粉砕貝殻Lを
排出する。図示例では、払出し口2iに対向するシリンダ
ー2c上の部位に、払出しピストン2jが設けられており、
払出しピストン2jが粉砕貝殻Lをシリンダー2cから払出
し口2iへ払出す。こうして、貝殻と貝肉が分別され、そ
れぞれ払出し口2iと流出口2hとに分けて送出される。
【0027】加圧室2aでの圧縮は、例えば油圧ユニット
2gにより200〜250kg/cm2の圧力で行なう。図示例の場合
にシリンダー2cと下部ピストン2eとの間のクリアランス
である微小間隙2bは、1mm以下を基準とし、分別状態の
仕様に応じて可変なものとする。シリンダー2cの径は、
分別処理すべき貝の量によって定まり、径が大きくなる
ほど分別処理量は増大する。
【0028】分別した粉砕貝殻Lには、わずかな貝肉や
海草等の残存有機物が附着しているので、払出し口2iか
らの粉砕貝殻Lを洗浄ユニット3によって水洗いする。
図1に示すように洗浄ユニット3には、粉砕貝殻L上の
残存貝肉を残存貝肉溶液Rへ洗落とす貝殻洗浄タンク3a
と、残存貝肉溶液Rから固形分を回収する固液分離装置
3bとを設ける。洗浄タンク3に、分別機払出し口2iから
の粉砕貝殻Lと洗浄水Wとを入れ、攪拌機等により攪拌
して粉砕貝殻L上の残存貝肉等の有機物をまず新しい洗
浄水Wへ洗落とすことによりその水を残存貝肉溶液Rに
する。好ましくは、0.01〜0.05Nの濃度となるように苛
性ソーダ(NaOH)等のアルカリ水溶液Zを残存貝肉溶液
Rに加え、洗浄の効率化及びその後のメタン発酵の安定
化を図る。洗浄時間は長い程よいが、1時間もあれば十
分である。
【0029】洗浄後の粉砕貝殻Lが含まれる残存貝肉溶
液Rを、固液分離装置3bに加え固形分の粉砕貝殻Lを分
離して回収する。固液分離装置3bの一例は液体サイクロ
ンである。こうして回収した粉砕貝殻Lは、炭酸カルシ
ウムからできているので、土壌中和剤等として利用でき
る。
【0030】高圧分別機2の流出口2hから排出される貝
肉ペーストPと洗浄ユニット3の固液分離装置3bで粉砕
貝殻Lが分離された残存貝肉溶液Rとの両者を、スラリ
ーSとしてメタン発酵槽4へ注入する。バイオリアクタ
ーとも呼ばれる生物発酵槽4は数多くの種類があるが、
例えば図3及び4に例示する円筒状担体4bを縦に規則的
に充填して固定ろ床4aとしたものを使用する。担体4bに
は、メタン発酵菌を担持させ、貝肉ペーストP及び残存
貝肉溶液R中の有機物を効率的に分解処理する。スラリ
ーSは、固形分の分散や発酵温度の均一化のために、例
えば循環ポンプ4dによりメタン発酵槽4内を上向き又は
下向きに循環させるのがよい。ただし、本発明で用いる
生物反応槽4は、固定床4a及び円筒状担体4bを使用した
ものに限定されない。
【0031】本発明者は、上記メタン発酵後の処理水の
有機物濃度が、従来の二次処理、例えば活性汚泥の二次
処理により下水に対する規制値以下に低減できる程度の
ものであることを実験的に見出した。図1の実施例では
上記二次処理として浸漬膜10を使用している。
【0032】従って、本発明による貝のメタン発酵処理
装置の処理水は、従来の活性汚泥等による二次処理の
後、下水や河川に放流することができる。
【0033】要するに、本発明によれば貝肉及び付着し
た海草類は、メタン生成菌を代表とする嫌気性微生物に
より80%以上の有機物はバイオガスに分解される。ま
た、残りの有機物も活性汚泥の好気性微生物により分解
される。生物処理する前に貝殻と貝肉を分別するので、
貝殻によるバイオリアクターの閉塞もなく、安定した発
酵となる。貝殻も洗浄するため有効利用できる。即ち本
発明は、貝肉を分解処理し、しかも貝殻の炭酸カルシウ
ムとしての回収を可能にする。
【0034】よって、本発明の目的である「貝肉を分解
処理すると共に貝殻を炭酸カルシウム材料として回収す
る貝のメタン発酵処理装置の提供」を達成することがで
きる。
【0035】
【実施例】図1に示す本発明の実施例では、貝殻洗浄ユ
ニット3において、固液分離装置3bで固形分を分離した
後の洗浄液の一部分を粉砕器5へ送ると共にその残部を
洗浄タンク3aへ戻し、粉砕貝殻循環ポンプ3cで洗浄タン
ク3aと固液分離装置3bとの間に循環させることにより、
粉砕貝殻Lの洗浄の徹底を図っている。固液分離装置3b
から固形分として排出される粉砕貝殻Lは、少量の有機
物含有洗浄水を伴っているので、さらに新しい洗浄水W
を注水しながら振動ふるい3dにかけ、粉砕貝殻Lから有
機物を完全に除去する。
【0036】ふるい3dから落ちた水、即ち固液分離装置
3bから粉砕貝殻Lに伴ってきた水及びふるい3dで新しく
注水した洗浄水を、洗浄水ポンプ3eによって洗浄タンク
3aへ戻して貝殻の洗浄に使う。
【0037】固液分離装置3bで固形分としての粉砕貝殻
Lを分離した後の残存貝肉溶液Rも、生物反応槽4での
分解に適しない粒子を含むので、好ましくは、発酵促進
のためそれらの粒子を粉砕器5により微粉砕する。微粉
砕は細かくする程よいが、100ミクロン以下が好まし
い。このための粉砕器5の一例は石臼式のものである。
粉砕器5からのスラリーSを、スラリータンク6へ送
り、高圧分別機2からの貝肉ペーストPと充分良く混合
する。
【0038】スラリータンク6に一旦貯蔵したスラリー
Sを、スラリー供給ポンプ7で生物反応槽4へ投入し、
メタン発酵による有機物分解処理に供する。本発明に用
いる生物反応槽4は、スラリーS中の有機物たる貝肉ペ
ーストP及び残存貝肉溶液R中の有機物をメタン発酵に
より分解するものであれば足りる。好ましくは、図4に
示す円筒状担体4bを縦方向に規則的に充填した固定床式
のものを使う。同図の担体4bは、中空筒体4eを枠体4gに
支持させたものであり、好ましくはその中空筒体4eをガ
ラス繊維製又は炭素繊維製の多孔質周壁4fによって形成
する。その担体4bに、50〜60℃で発酵する高温メタン生
成菌を担持させて用い、スラリーSを効率的に処理す
る。発酵液、即ちスラリーSは、固形分の分散や発酵温
度の均一化のために、スラリー循環ポンプ8により生物
反応槽4内を上向き又は下向きに循環させるのがよい。
【0039】メタン発酵による分解処理後の廃液は、従
来の二次処理、例えば活性汚泥による好気処理又は浸漬
膜処理等で下水に対する規制値以下にまで処理し、処理
水Eとして下水や河川に放流する。
【0040】生物反応槽4でメタン発酵の際に発生する
バイオガスを、温水ボイラーの熱源として使用し、得ら
れた温水を生物反応槽4の加熱や一般的給湯に利用する
ことができる。バイオガスには、少量の硫化水素が含ま
れるので、腐食防止や安全確保のため、酸化鉄等による
脱硫器13で脱硫する。ボイラーなどの燃料に使用する場
合は、小型の水封式ガスホルダー14にバイオガスを一旦
貯えるのが燃料制御等のためには便利である。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように本発明の貝のメタン
発酵処理装置は、貝を貝殻と貝肉とに分別した上で貝肉
をメタン発酵で分解するので、次の顕著な効果を奏す
る。
【0042】(イ)貝肉を省エネ・省資源型のメタン発
酵利用の生物処理で処理するため、低いランニングコス
トで貝の処理を行なえる。 (ロ)非燃焼式であるので、二酸化炭素が増えず、ダイ
オキシン等の汚染物質の発生もない。 (ハ)貝肉を貝殻から完全に分別するので、分別後の貝
殻を土壌改良材やセメント増量材として使用できる。 (ニ)高温メタン発酵の利用が可能であるので、高効率
で小型の貝の処理装置を提供できる。 (ホ)副生物として生じるメタンガスを燃料として回収
し、資源の活用及び貝処理装置のコスト低減を図ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、本発明装置の一実施例の説明図である。
【図2】は、本発明で使う高圧分別機の一実施例の説明
図である。
【図3】は、本発明で使う生物反応槽の構成を示す図で
ある。
【図4】は、図3の反応槽における微生物担体の説明図
である。
【符号の説明】
1…貝のメタン発酵処理装置 2…高圧分別機 2a…加圧室 2b…間隙 2c…シリンダー 2d…上部ピストン 2e…下部ピストン 2f…凹部 2g…油圧ユニット 2h…流出口 2i…払出し口 2j…払出しピストン 2k…貝投入口 3…貝殻洗浄ユニット 3a…洗浄タンク 3b…固液分離装置 3c…粉砕貝殻循環ポンプ 3d…振動ふるい 3e…洗浄水ポンプ 4…生物反応槽 4a…ろ床 4b…担体 4e…中空筒体 4f…多孔質周壁 4g…枠体 5…粉砕器 6…スラリータンク 7…スラリー供給ポンプ 8…スラリー循環ポンプ 9…二次処理槽 10…浸漬膜 11…曝気用ブロワー 12…処理水ポンプ 13…脱硫器 14…ガスホルダー 15…洗浄ホッパー C…洗浄水 E…処理水 G…バイオガス L…粉砕貝殻 P…貝肉ペースト R…残留貝肉溶液 W…洗浄水 Y…洗浄排水 Z…アルカリ水溶液
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 雨森 司瑞利 東京都港区元赤坂一丁目2番7号 鹿島建 設株式会社内 (72)発明者 多田羅 昌浩 東京都調布市飛田給二丁目19番1号 鹿島 建設株式会社技術研究所内 Fターム(参考) 4D059 AA08 AA30 BA12 BA22 BA25 BA27 BA60 BE39 BE42 BJ01 BJ11 BK05 BK11 BK30 CA07 CA14 CA22 CB30 CC03 CC10 DA01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】貝殻粉砕用の加圧室と該加圧室に連なる貝
    肉ペースト化用の間隙と加圧手段とを有する高圧分別
    機、高圧分別機からの粉砕貝殻上の残存貝肉を残存貝肉
    溶液に洗出す粉砕貝殻洗浄ユニット、及び該残存貝肉溶
    液と高圧分別機からの貝肉ペーストとをメタン発酵処理
    する生物反応槽を備えてなる貝のメタン発酵処理装置。
  2. 【請求項2】請求項1の処理装置において、前記高圧分
    別機に、一対のピストンを内部に有し両ピストンの所定
    加圧位置の間に前記加圧室を画成するシリンダー、前記
    シリンダー内周面との間に前記ペースト化用間隙を形成
    する前記ピストン周縁の凹部、前記ピストンを駆動する
    加圧手段、前記所定加圧位置にあるピストン周縁の凹部
    に対向する前記シリンダー上の部位に開口する貝肉の流
    出口、及び前記シリンダー上における両ピストンの所定
    払出し位置の中間部位に開口する粉砕貝殻の払出し口を
    設けてなる貝のメタン発酵処理装置。
  3. 【請求項3】請求項1又は2の処理装置において、粉砕
    貝殻洗浄ユニットに、粉砕貝殻を残存貝肉溶液内で攪拌
    し粉砕貝殻上の残存貝肉を残存貝肉溶液へ洗落とす貝殻
    洗浄タンクと、該残存貝肉溶液から粉砕貝殻を分離する
    固液分離装置とを設け、前記高圧分別機からの貝肉ペー
    ストと前記固液分離装置からの残存貝肉溶液とを前記生
    物反応槽でメタン発酵処理してなる貝のメタン発酵処理
    装置。
  4. 【請求項4】請求項3の処理装置において、前記粉砕貝
    殻分離後の前記残存貝肉溶液中の固形分を微粉砕する粉
    砕器を設け、前記高圧分別機からの貝肉ペーストと前記
    微粉砕後の残存貝肉溶液とを前記生物反応槽でメタン発
    酵処理してなる貝のメタン発酵処理装置。
  5. 【請求項5】請求項1〜4の何れかの処理装置におい
    て、前記反応槽で副生物として生じるバイオガス用のガ
    スホルダーを設けてなる貝のメタン発酵処理装置。
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