JP2000031790A - 効率的な量子化回路を備えるディジタルフィルタ - Google Patents

効率的な量子化回路を備えるディジタルフィルタ

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 精度の低い加算回路を用いることにより量子
化誤差が大きくなることを防ぐ、無限インパルス応答
(IIR)ディジタルフィルタ回路を提供する。 【解決手段】 ディジタルフィルタは、ディジタル信号
プロセッサ(75)などのプログラム可能な論理デバイ
スにより、または加算器(44、48、50、54、5
8、62、66、70、72)とシフタ(46、52、
56、60、64)を含む専用の論理により実現してよ
い。どちらの場合も加算(34)は第1および第2の出
力サンプル値(yn-1,yn-2)について交互に行い、信
号入力(x n)および信号出力(yn)と同じ精度の加算
回路(30;72;215;320)で加算を行ってよ
い。キャリー制御回路(76、78、80、82、8
4、88;217;317)を設けて、振幅切捨て量子
化を効果的に挿入する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はディジタルフィルタ
の分野に関するもので、より特定すると、量子化技術、
特に無限インパルス応答(IIR)ディジタルフィルタ
に関する。
【0002】
【従来の技術】この分野でよく知られているように、デ
ィジタル信号処理は多くの電子装置で広範囲の応用に用
いられている。ディジタル信号処理技術は、無線電話、
モデムなどを用いたデータ通信などの電気通信応用、そ
の他のこの分野で普通に使われている。またディジタル
信号処理はビデオおよびオーディオ信号処理、例えば像
の認識、像の処理、データ圧縮、ディジタルオーディオ
録音と再生、ディジタルビデオ録画と再生などにも用い
られている。
【0003】ディジタル信号処理における基本的な構成
要素はディジタルフィルタである。初歩的な説明である
が、ディジタルフィルタはサンプル値すなわち離散時間
信号(一般にアナログ信号のディジタル表現であって、
アナログ/ディジタル変換により生成される)の濾波を
行う。基本的にディジタルフィルタは計算処理であっ
て、専用のハードウエアによりまたはプログラム可能な
ロジックが一連の命令を実行することにより行い、入力
する数のシーケンスを伝達関数で修正して、出力する数
のシーケンスに変換する。一般的な伝達関数をフィルタ
の周波数特性と呼ぶ。アナログフィルタと同様に、ディ
ジタルフィルタ伝達関数は例えば低域通過、高域通過、
帯域通過などである。一般にディジタルフィルタの計算
は、ディジタル加算と、信号値と定数のディジタル乗算
と、遅延段の挿入を含む。
【0004】この技術でよく知られているように、ディ
ジタルフィルタはそのインパルス応答で分類されること
が多い。有限インパルス応答(FIR)ディジタルフィ
ルタは、有限数の入力サンプルだけが所定の出力サンプ
ルの生成に影響するものを言う。一般にFIRフィルタ
は、有限数の入力サンプル(すなわち、現在のサンプル
と、選択された数の前の入力サンプル)に対して非巡回
形で計算を行う。無限インパルス応答(IIR)ディジ
タルフィルタは、現在の出力サンプルを生成するのに前
の出力サンプルも用いるフィルタであって、出力サンプ
ル値のフィードバックを行うなど、一般に巡回形で実現
される。前の出力値をフィードバックするので、IIR
の現在の各出力値は無限に続く入力サンプル値に依存す
る。そのため「無限インパルス応答」という語が用いら
れる。
【0005】上に述べたように、実際のディジタルフィ
ルタは一般に乗算、特にサンプル値に定数値(すなわ
ち、係数)を乗算する演算を含む。従来のフィルタで
は、pビットのディジタル語にqビットのディジタル語
を2進乗算するとp+qビットの積が得られる。一般に
ディジタルフィルタは同じ分解能の入力および出力サン
プル値に演算を行う(サンプル値を表すディジタル語は
同じビット数で表す)。したがって、乗算の結果得られ
る精度の高いデータ語に一般に切り捨てすなわち量子化
を行って、出力サンプル値の精度を低くする。低位ビッ
トの単純な切捨て、丸め、振幅切り捨て(後で説明す
る)など、種々の量子化方法が知られている。上の例で
入力および出力サンプル値をpビットで表し、係数にq
ビットを用いる場合は、p+qビットの乗算結果を量子
化してpビットのデータ語にする。
【0006】量子化を行うと量子化された値は量子化の
前の積より精度が低いので、ディジタルフィルタ処理を
行うと必ず誤差が生じる。量子化誤差はIIRフィルタ
のフィードバック路において特に問題になる。これにつ
いて、次に図1aと図1bを用いて説明する。図1a
は、加算器3と遅延段4と乗算器5を含む簡単な1次の
IIRフィルタ2の巡回(フィードバック)部を示す。
加算器3はその入力に現在の入力値xnと乗算器5の出
力を受けて、その出力に出力値ynを生成する。また出
力値ynは遅延段4にも与えられ、次のサンプルと共に
用いられる。遅延段4は1サンプル周期の遅延を挿入す
るので、遅延段4の出力は出力値yn-1に相当する。乗
算器5で遅延段4の出力に係数値aを乗算して、その積
が上に述べた加算器3に与えられる。したがってフィル
タ2のこの演算は次式で表される。yn=xn+a・y
n-1すなわち、第n出力サンプルynは、現在の入力サン
プルxnと、前の出力サンプルyn-1に係数aの値を乗算
した値との和に相当する。この簡単な1次フィルタのz
領域伝達関数H(z)は
【数1】 である。ただし、z-1はz領域の遅延演算子である。し
たがって図1aのフィルタ2は z=a に1つの極を
持ち、安定のためには係数aの絶対値は1以下でなけれ
ばならない。
【0007】しかし上に述べたように入力値x(および
出力値y)がpビットで係数aがqビットの場合は、乗
算器5の出力値はp+qビットである。したがって、出
力サンプル値yをpビットにするには何らかの(具体的
にはqビットの)量子化を行う必要がある。図1bはデ
ィジタルフィルタ2’を示す。これは図1aのフィルタ
2と同様の構成であるが、乗算器5の出力と加算器3の
間に量子化器6が設けられている。図1bに示すよう
に、乗算器5はp+qビットの積出力を生成するが、こ
れを量子化器6で量子化してpビットのディジタル語を
加算器3に与える。このようにフィルタ2’は、入力サ
ンプル値xn毎にpビットの出力値ynを生成する。図1
bのフィルタ2’の演算は次式で表される。 yn=xn+Q[a・yn-1] ただし、Qは量子化器6の量子化演算を表す。
【0008】IIRディジタルフィルタにおいてよく知
られた問題は「リミットサイクル」である。リミットサ
イクルは入力が一定またはゼロレベルのときに振動出力
信号を生成する現象で、ディジタルフィルタでは大きな
問題である。図1aと図1bのフィルタ2および2’は
巡回部を含むが、この技術で知られているようにリミッ
トサイクルが生じる原因は巡回フィードバックループだ
けである。理解されるように、フィルタの非巡回(フィ
ードフォアワード)部は図1aと図1bに示す巡回部と
カスケードにして実現される。図1bを参照して、ゼロ
レベル入力の場合にリミットサイクルが生成される例を
説明する。ここで、xn=0(全てのnにおいて)、a
=−1/2、y-1=7とする。上に述べたように、図1
bのフィルタ2’は式 yn=xn+Q[a・yn-1
で表される。この例では、量子化関数Qは簡単な丸め関
数QRと仮定する。全てのnにおいて xn=0 なの
で、フィルタ2’は次式で表される。
【数2】
【0009】サンプル n=−1 から開始して、yn
の値は次のようになる。
【数3】 入力がゼロレベルの間は、y5から先の出力サンプル値
yは−1と+1のシーケンスが繰り返される。
【0010】上記から明らかなように、出力ynが振動
するのは巡回状態信号yn-1が最初は非ゼロの値であ
り、時間と共に丸め量子化器6により丸められるためで
ある。或る場合には丸め量子化器6により巡回状態変数
nの振幅を増加させて、入力サンプル値xnがゼロでも
フィルタ2’へのこの入力が減衰してゼロにならないよ
うにする。出力ynがこのようにリミットサイクル振動
を生じるとディジタルフィルタの雑音レベルが上昇し、
システムの信号対雑音比が下がる。更に、ディジタルフ
ィルタの出力を下流のディジタルフィルタ段に与えた場
合に、振動誤差が自然に増幅されて誤差が大きくなる可
能性がある。
【0011】この技術では、このリミットサイクルの問
題に対処する他の量子化方法が知られている。例えば、
振幅切捨て量子化方法は次式で定義される。
【数4】 これについては、Mitra と Kaiser の「ディジタル信号
処理ハンドブック (Handbook for Digital Signal Proc
essing)」、(Wiley, 1993, chapter 7)を参照のこと。
振幅切捨て方法はゼロの方向に丸める。例えばこの方法
では QMT(+3.5)=+3、QMT(−3.5)=−
3 である。したがって、入力値xnがゼロレベルの場
合はフィルタ2’のyn-1などの巡回状態変数は減衰し
てゼロになる。
【0012】更に拡張すると、2次のIIRディジタル
フィルタも一般に巡回フィードバックループ内に量子化
処理を含む。フィルタの巡回部だけについて例示の簡単
な伝達関数を示すとz領域で次のように表される。
【数5】 このフィルタでは、安定のためには(すなわち、フィル
タの極をなくすためには)係数a1およびa2の絶対値は
それぞれ2および1より小さくなければならない。もち
ろん、フィルタの非巡回部をこの伝達関数H(z)の分
子に挿入してもよい。
【0013】いずれにしても、図2aと図2bに示すよ
うに量子化はディジタル方式で一般に用いられる。この
2つの図は2次のIIRディジタルフィルタで量子化を
実現する2つの方法の例を示す。これらの図に関して次
に説明する。
【0014】図2aのフィルタ8は加算器10および2
0を含む。加算器10はその入力に現在の入力サンプル
値xnと加算器20の出力とを受け、その出力に現在の
出力サンプル値ynを生成する。出力サンプル値ynは、
遅延段11および13を経てフィルタ8にフィードバッ
クされる。各遅延段はフィルタ8のサンプル周期で定義
される遅延を含む。図に示すように、遅延段11の出力
を遅延段13の入力に与える。遅延段11の出力のサン
プルyn-1を乗算器12に与えて、これに係数a1を乗算
する。同様に、遅延段13の出力のサンプルyn-2(2
サンプル周期遅れている)を乗算器14に与えて、これ
に係数a2を乗算する。
【0015】上に述べたように、入力サンプルxと出力
サンプルyがpビット語で係数a1およびa2がqビット
語である場合は、乗算器12および14の出力はp+q
ビットのディジタル語である。図2aのフィルタ8で
は、乗算器12および14の出力に2個の量子化器16
および18をそれぞれ用いて、その出力(pビット幅)
を加算器20で加算し、その出力を加算器10に与え
る。2次のIIRディジタルフィルタ8で実現される演
算は次式で表される。 yn=xn+Q[a1n-1]+Q[a2n-2] この式は2個の量子化器16および18を用いることを
表す。
【0016】図2bに示すフィルタ8’は、加算器22
および10の間に1個の量子化器24を備える。フィル
タ8’の式は次の通りである。 yn=xn+Q[a1n-1+a2n-2] Bauer と Leclerc の「固定小数点ディジタルフィルタ
にリミットサイクルがないことを調べるコンピュータ支
援試験 (Computer-Aided Test for the Absenceof Limi
t Cycles in Fixed-Point Digital Filters)」、Transa
ctions on Signal Processing (IEEE,Nov. 1991), pp.
2400-2410、に述べられているように、係数a1およびa
2の安定領域はフィルタ8よりフィルタ8’の方が大き
い。具体的に述べると、フィルタ8では係数a2の全て
の値において係数a1の絶対値は1より大きくてはなら
ないが、フィルタ8’では係数a2の或る負の値におい
ては(特に係数a2が限界値の−1に向かって負になる
に従って)係数a1の絶対値は1より大きくてよい。広
範囲のフィルタ特性が利用できるので、フィルタ8’の
方が好ましいことが多い。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の方式の
加算器22は、乗算器12および14の最大精度の結果
を受けるのでp+qビットで実現される。図3はこの例
の乗算器12および14と加算器22の演算を示す。図
3に示すように、乗算器12は、遅延段11からの出力
サンプル値yn-1に、非ゼロのビットの係数a1により定
義される一連のシフトと加算を行い、最終の積a1n-1
はp+qビットで表される。乗算器14も同様であっ
て、出力サンプル値yn-2に係数a2を乗算する。加算
器22は乗算器12および14からの2つの計算結果を
加算して、p+qビット値であるa1n-1+a2n-2
得る。
【0018】フィルタ8’は、1個の量子化器24と、
範囲が広くて安定が保持される係数a1およびa2を用い
ることにより量子化を改善することができるが、高精度
の加算器22を用いるので、特に1次および2次フィル
タをカスケード接続することにより高次フィルタを実現
する場合のように集積回路内に多数のフィルタ8’を反
復すると、非常に大きなチップ面積が占有される。更
に、フィルタ8’内の高精度の加算器22により量子化
誤差は改善されるが、加算器22自体が精度のビット数
に依存する或る量の雑音を生成する。
【0019】
【課題を解決するための手段】したがって本発明の目的
は、精度の低い加算回路を用いることにより量子化誤差
が大きくなることを防ぐ、巡回経路を有するディジタル
フィルタを与えることである。本発明の別の目的は、チ
ップ面積に関して、集積回路内に効率的に実現すること
ができるディジタルフィルタを与えることである。
【0020】本発明の更に別の目的は、メモリ資源の必
要量に関して、効率的に実現することができるディジタ
ルフィルタを与えることである。本発明の更に別の目的
は、専用の、固定係数のディジタルフィルタとして実現
することができるディジタルフィルタを与えることであ
る。
【0021】本発明の別の目的は、マイクロコード化さ
れたディジタル信号プロセッサ(DSP)が行うよう
な、プログラム可能な係数のディジタルフィルタとして
実現することができるディジタルフィルタを与えること
である。本発明の他の目的と利点は、以下の明細書と図
面を参照すれば当業者に明らかである。
【0022】本発明は、2次のディジタルIIRフィル
タにおいて、加数にフィルタ係数を乗算した後で交互に
加算するという加算機能を与えることにより、ディジタ
ルフィルタを実現する。具体的に述べると、遅延出力サ
ンプル毎に、係数内の非ゼロビット位置毎に非ゼロビッ
ト位置の昇順に加算とシフトを行うことにより、加算と
乗算を行う。加算回路は出力信号と同じ精度でよい。和
の最下位ビットは論理和により保持し、加算の終わりに
キャリー信号を生成して振幅切捨て量子化を行う。
【0023】
【発明の実施の形態】
【実施例】以下に詳細に説明するように、本発明の好ま
しい実施の形態は任意の種類と応用のディジタルフィル
タとして実現することができる。しかし以下の説明から
明らかになるように、本発明は無限インパルス応答(I
IR)ディジタルフィルタ内の巡回ループに適用すれ
ば、特にリミットサイクルを防ぐ効果的な量子化方法と
して用いれば、特に有用である。また本発明は非巡回
(すなわち、フィードフォアワード)ループと共に、I
IRフィルタ(特に同じ機能性を巡回ループに用いる場
合)や有限インパルス応答(FIR)フィルタに用いて
もよい。しかし、この場合はIIRフィルタ内のフィー
ドバックループに用いたほどの利点はない。
【0024】更に以下の説明から明らかになるように、
本発明に関連して種々の量子化方式を用いてよい。しか
し、本発明の好ましい実施の形態に用いる量子化方式と
しては振幅切捨て量子化が好ましい。詳しく述べると、
本発明の好ましい実施の形態の実現には、2の補数量子
化方式を用いた振幅切捨て量子化が特に効果的である。
これについて以下に説明する。
【0025】上に述べたように、振幅切捨て量子化は全
ての場合にディジタル値をゼロの方向に丸めるので、リ
ミットサイクル動作の原因になり得る値の「切上げ」は
行わない。2の補数の切捨てとは、2の補数の各2進値
の端数部を単に捨てることである。振幅切捨て方式では
全ての数をゼロの方向に丸める。ただし端数部を有する
負数は負の無限大の方向に丸める。例を示すと、次の表
は整数部Iと端数部Fで表される数xの2の補数量子化
関数QTCと振幅切捨て量子化関数QMTを示す。
【表1】
【0026】したがって、2の補数量子化関数QTCと振
幅切捨て量子化関数QMTの関係は次のようになる。
【数6】 したがって本発明の好ましい実施の形態では、振幅切捨
て量子化関数QMTを図4に示すように1個の加算/シフ
ト機能と2個の論理機能により実現することができる。
これについて以下に詳細に説明する。
【0027】図4は、2の補数量子化演算によるp+q
ビット値xの振幅切捨て量子化機能QMTを示す。図4に
示すp+qビット値xは2の補数方式で表される。値x
をqビットの右シフト機能26に与える。その中の最下
位nビットを、バスLSBを経てn入力のORゲート2
8に与える。残りのpビット(すなわち、値xの最上位
mビット)を加算器30の一方の入力に与える。加算器
30の他方の入力は固定のゼロ値を受ける。値xの最上
位ビット(2の補数形式で、1のときは負数を、0のと
きは非負数を示す)を線SGNを経てANDゲート29
の一方の入力に与える。ANDゲート29は他方の入力
にORゲート28の出力を受け、その出力を加算器30
のキャリーイン入力に与える。加算器30はpビットの
出力を生成する。これは入力値xに対する振幅切捨て関
数QMTの結果に相当する。
【0028】動作を説明すると、入力値xの最下位nビ
ットの論理和は入力値xの端数部(すなわち、F部)が
ゼロに等しいかどうかの判定に相当する。これらのn個
のLSBビットのどれかが非ゼロの場合は、ORゲート
28の出力はハイになる。ANDゲート29は、入力値
xの端数部が非ゼロでかつ入力値xが負(線SGNの値
が1)のときにけた上げ信号を生成して加算器30に与
える。シフト機能26は入力値xを2nで割り算して2
の補数の書式を保持する。次に加算器30は、ANDゲ
ート29からのキャリーイン値とシフト機能26からの
pビットの表現x/2nを単に加算して、図4に示す出
力振幅切捨て量子化値QMT(x)を作成する。
【0029】図4に示すように、1個の加算/シフト
と、加算機能に与えるキャリーインを生成する簡単な論
理とを用いて振幅切捨て量子化を行うことにより、本発
明の利点が得られる。
【0030】次に図5を参照して、本発明の好ましい実
施の形態に用いる交互の加算と量子化方法を一般な機能
で説明する。図5の機能を実現する特定のハードウエア
の例は後で詳細に説明する。図5は次の乗算と加算を示
す。 sn=QMT[a1n-1+a2n-2] ただし、この例の係数a1およびa2は5ビットのディジ
タル値である。これらの係数のビット位置をa1,0(係
数a1のLSB)乃至a2,4(係数a2のMSB)で示
す。図5の演算の結果snは、巡回形ディジタルフィル
タの現在の入力値に加算する値である。例えば図2bの
フィルタ8’では、結果snは量子化器24の出力に相
当する。
【0031】図5に示すように、乗算器機能32は複数
個の加算段34を含む。加算段34 1,0は、AND機能
33による決定に従って係数ディジットa1,0の状態に
依存する出力サンプル値yn-1を受ける。例えば、ディ
ジットa1,0がゼロの場合は加算段341,0にゼロがロー
ドされ、ディジットa1,0が非ゼロの場合は加算段34
1, 0にサンプル出力値yn-1の或る倍数がロードされる。
係数a1を2進項で表す場合は、係数ディジットa1,0
1ビットでよい。または、ディジットa1,0は−1,
0,+1のどれかの値を有する正準和ディジット(canon
ic sum digit)(CSD)ビットでよい。更に別の例で
は、ディジットa1,0はブース符号化から得られる多ビ
ットのディジットでよい。いずれにしても、乗算器機能
内の加算段34 1,0には出力サンプル値yn-1とその対応
する係数ディジットa1,0に従う値がロードされる。
【0032】乗算器機能32内の次の加算段34
2,0は、係数ディジットa2,0の状態に依存する出力サン
プル値yn-2を受ける。更に、加算段342,0は加算段3
1,0の内容も従来の乗算器形式で受けて、これと部分
加算を行う。加算段342,0および全ての他の加算段3
4は、特定の応用での必要に応じて、ルックアヘッドキ
ャリーや他の種類のキャリー伝播を含むキャリー演算を
含んでよい。加算段342,0の内容は加算段341,1に送
られる。
【0033】加算段342,0の内容から最下位ビット
(場合により複数のビット)を除いた部分は加算段34
1,1に送られ、前記最下位ビットは結果レジスタ35に
送られる。更に加算段341,1は係数ディジットa1,1
状態に依存する出力サンプル値yn-1を受ける。係数a1
の配列に従って、加算段341,1は加算段341,0および
342,0に対して1ビット以上左にシフトされる。加算
段341,1は加算段342, 0からの部分和と出力サンプル
値yn-1を加算して(ディジットa1,1の指示に従って)
その結果を加算段342,1に送り、ここで係数a2の決定
に従う出力サンプル値yn-2と更に加算する。
【0034】乗算器機能32は同様にして残りの加算段
34を続け、1つの値を結果レジスタ35に記憶する。
結果レジスタ35はp+qビットのレジスタであって、
その最下位nビット(この場合のnは5)は加算段34
の前の数段から得られる。この説明から明らかなよう
に、乗算器機能32は図3に関して示した従来の方法の
ように乗算を別に行うのではなく、出力サンプル値y
n-1とyn-2を交互に用いる。このようにシフトされた加
算を乗算器機能32で交互に行うことにより、IIRデ
ィジタルフィルタ内の巡回ループを精度の低い加算器で
実現することができる。なぜなら、従来の方法とは異な
り、a1n-1とa2n-2の積を加算するのにp+qビッ
トの加算器を必要としないからである。
【0035】以下の説明から明らかになるが、固定値の
係数a1およびa2を用いる場合は乗算器機能32の加算
段34の数を減らすことができる。その理由は、結果に
影響を与えるのは非ゼロのディジット値に対応する加算
段34だけだからである。この場合は、加算段34の交
互配置は「完全」(すなわち、図5のように出力サンプ
ル値yn-1とyn-2が交互)でなくてよい。なぜなら、係
数の1つが多くのゼロディジットを含む場合は、一方の
出力サンプル値に関する連続した加算段が必要だからで
ある。また後で説明するように、係数a1およびa2がプ
ログラム可能なとき、例えばディジタル信号プロセッサ
(DSP)やその他のプログラム可能な論理デバイス内
で実現されるときは、図5に示す乗算器機能32の「完
全」な交互配置を用いる。
【0036】また本発明の図5の方法は、上に述べた2
の補数量子化を用いることにより、振幅切捨て量子化を
容易に実現することができる。図5に示すように、加算
段34からの最下位ビットは結果レジスタ35に送られ
る。これらの最下位ビットは、最終和の端数部が残って
いるかどうかを示す。これにより、最終和が負の場合
は、量子化機能を2の補数量子化から振幅切捨て量子化
に変換するのにキャリービットを生成しなければならな
いかどうかが決まる。したがって、OR機能28により
これらの最下位ビットの論理和をとり、結果レジスタ3
5の符号ビットの状態に従って、AND機能29の制御
の下に加算器30のキャリーイン入力に与える。加算器
30の出力は和Snを与える。これと入力サンプル値xn
を加算して、上に述べたようにIIRディジタルフィル
タを実現する。この振幅切捨て量子化によりリミットサ
イクルがなくなる。リミットサイクルは上に述べたよう
に、ゼロレベルの入力が与えられたときにIIRフィル
タが生成する周期的な出力雑音である。この技術で知ら
れているように、IIRフィルタに一定の非ゼロ入力が
入ったときもリミットサイクルは発生する。本発明は、
ここに述べるIIRディジタルフィルタを適用する前に
入力信号のDC成分を除く高域フィルタを用いることに
よって、この種のリミットサイクル問題も解決すること
ができる。
【0037】更に、図4と図5に関して上に述べたよう
にまた後で説明するように本発明は2次のフィルタを実
現するが、本発明は高次のフィルタに用いることもでき
る。この技術で知られているように、高次のフィルタは
1次と2次のフィルタをカスケード接続にすることによ
り実現することができる。この場合は、以下に述べる本
発明の好ましい実施の形態を直接用いてよい。または、
この明細書を参照すれば当業者は本発明を用いて高次フ
ィルタを容易に実現することができる。
【0038】本発明の第1の好ましい実施の形態におけ
る、固定係数a1およびa2を有する2次のIIRディジ
タルフィルタ内の巡回ループについて以下に詳細に説明
する。上に述べたように、必要なのは非ゼロ係数ディジ
ットを処理する加算段だけなので、係数a1およびa2
固定にするとフィルタを実現する効率は更に高くなる。
従って、IIRディジタルフィルタの巡回ループを容易
に効率的に実現することができる。特に、フィルタ設計
のときに比較的少ない非ゼロディジットを含む係数a1
およびa2の値を選択する場合はそうである。
【0039】本発明のこの第1の好ましい実施の形態で
は、各ディジット位置が−1か0か+1を表す正準加算
ディジット(CSD)を用いて係数a1およびa2を実現
する。この表現は、後で説明するように係数a1および
2の値が固定値の場合に特に有用である。
【0040】一般に、CSD形式で表される固定係数を
用いてリミットサイクルのないIIRディジタルフィル
タの巡回経路を実現することは、アルゴリズム的には一
連の部分和Sとして表すことができる。絶対値が2以下
の係数aは次式で表される。
【数7】 ただし、ci∈{−1,0,+1}、Nは係数aの中のC
SDの数である。したがって、積ayn-1は次式のよう
に表される。
【数8】
【0041】この意味は、積ayn-1は非ゼロディジッ
トciについて項ci(yn-1)2-iを加算することによ
り得られ、必要なのはシフトおよび加算だけである、と
いうことである。アルゴリズム的には、Sjをci(y
n-1)2-iのj番目の部分和とすると、
【数9】 ただし、cj0は係数aの最低次の非ゼロCSDディジッ
トである。したがって次の部分和S1
【数10】 である。ただし、j1−j0は係数aの第2の非ゼロC
SDディジットcj1と第1の非ゼロCSDディジットc
j0の2進指数の差、括弧
【外1】 は−∞の方向に丸めることを表す。
【0042】従来の加算回路では、部分和S1は2
-(j1-j0)で定義されるビット数だけ左に(すなわち高次
に)シフトされ、その限界は信号語の長さである。部分
和Sにこの語長の限界があるので、次式で表わされる端
数部F1が残る。
【数11】 ただし、括弧
【外2】 は+∞の方向に丸めることを表す。差が非ゼロの場合は
この端数部F1は1である。
【0043】次の部分和S2は、次の非ゼロディジット
j2に基づいて同様に生成される。
【数12】 そして端数の残りF2は、
【数13】 ただし、∨はビット毎の論理和を表す。この論理和によ
り、任意の低次の端数部Fが1の場合は全てのその後の
端数部は1になる。最終部分和SJが完了すると最後の
加算を行い、最終部分和SJが負の場合は端数部FJに基
づくキャリーを用いて最終和SJ+1を生成する。この最
後の加算は、上に述べた方法で次のように振幅切捨て量
子化を実現する。
【数14】
【0044】次に図6を参照して、本発明の第1の好ま
しい実施の形態において、2次のIIRディジタルフィ
ルタ40内の係数と出力サンプル値の積を振幅切捨て量
子化による和として生成するこのアルゴリズムの実現の
例を説明する。本発明のこの第1の好ましい実施の形態
では、係数a1およびa2は固定値であり、かつCSD形
式である。したがって、係数a1およびa2の値を選択す
る例を用いて本発明のこの実施の形態を説明する。
【0045】図6は非巡回部42を有するディジタルフ
ィルタ40を示す。このフィルタはこの技術で知られて
いるように、一般に現在の入力サンプル値xnと前の入
力サンプル値xn-kを組み合わせて処理する。非巡回部
42の出力を加算器72の一方の入力に与えると、加算
器72は非巡回部42の出力とディジタルフィルタ40
の巡回部の出力を加算して現在の出力サンプル値yn
生成する。これについては後で説明する。図6の例で
は、入力サンプル値xnをまず高域フィルタ41に与え
て、ゼロレベルの入力の場合だけでなく任意のDCレベ
ルにおける一定レベル入力の場合にも、ディジタルフィ
ルタ40にリミットサイクルが起こることを防ぐ。もち
ろん高域フィルタ41は本発明の実現ではオプションで
ある。現在の出力サンプルynを遅延段74に与えると
前の出力サンプル値yn-1およびyn- 2を生成し、これを
2次のIIRディジタルフィルタ40のその後のサンプ
ルとして用いる。図6に示すように、前の出力サンプル
値yn-1およびyn-2は一連の加算段とシフト段に与えら
れる。これについて以下に説明する。
【0046】この例では、係数a1およびa2を次のよう
に設定する。
【数15】 係数a1およびa2はどちらも2の同じ累乗の最下位非ゼ
ロディジットを有するので、出力サンプル値yn-1およ
びyn-2はそれぞれ加算器44の入力に与えられる。た
だし出力サンプル値yn-2はその最下位ディジットの符
号が負なので(図にマイナス符号で示す)反転される。
この演算のアルゴリズムの説明に戻ると、第1の部分和
0は出力サンプル値yn-1に相当し、次の部分和S1
和yn-1+(−yn-2)に相当する。次に部分和S1は3
ビットのシフタ46に与えられる。
【0047】3ビットのシフタ46は部分和S1を右に
3ビットシフトし、最下位3ビットを端数部F1として
ORゲート76に与え、残りの最上位ビットを加算器4
8に与える。シフタ46は、部分和S1から端数部F1
除いて2の補数量子化の一部を実行する。係数a1また
はa2の次の最下位非ゼロディジットは前の非ゼロディ
ジットと23(2-7/2-10)だけ異なるので、シフタ4
6は3ビットのシフトを行う。また加算器48は出力サ
ンプル値yn-1を受けて、その出力(部分和S2)を加算
器50の一方の入力に与える。加算器50の他方の入力
は出力サンプル値yn-2を受ける。加算器48と50の
間にはシフタはない。その理由は、各係数a1およびa2
はこの同じビット位置(2-7)に非ゼロディジットを持
つからである。加算器50の出力は部分和S3に相当
し、係数a1またはa2の次の最下位非ゼロディジット
(係数a1の2-4が前(2-7)と23だけ異なるので、3
ビットのシフタ52に与えられる。端数部F3はシフタ
52からORゲート78に送られる。ORゲート78は
他方の入力にORゲート76の出力を受ける。このよう
にして、最下位ビット位置の全ての非ゼロ端数部(例え
ばF1)はORゲート78を通る。
【0048】シフタ52からのシフトされた出力は加算
器54に与えられる。加算器54は他方の入力に出力サ
ンプル値yn-1を受けて、その出力に部分和S4を生成す
る。部分和S4は、次の最下位非ゼロディジット(係数
2の2-3)が前と2だけ異なるので、1ビットのシフ
タ56に与えられる。シフタ56は1ビットの端数部F
4を生成し、端数部F4はORゲート78の出力と共にO
Rゲート80に与えられる。シフタ56からのシフトさ
れた出力は加算器58の入力に与えられ、加算器58は
その他方の入力に出力サンプル値yn-2を受ける。加算
器58の出力は部分和S5に相当し、次の最下位非ゼロ
ディジット(係数a1の−2-2)が前(係数a2の2-3
と2だけ異なるので、部分和S5は1ビットのシフタ6
0に与えられる。シフタ60は1ビットの端数部F5
生成してORゲート82の一方の入力に与え、ORゲー
ト82の他方の入力はORゲート80の出力を受ける。
【0049】またシフタ60はシフトされた部分和S5
を加算器62の一方の入力に与える。非ゼロ係数ディジ
ット(係数a1の2-2)が負なので、加算器62は出力
サンプル値yn-1の反転値を受け、これに基づいて部分
和S6を生成して2ビットのシフタ64に与える(次の
非ゼロの係数ディジットが係数a2の−20なので)。シ
フタ64は、2ビットの端数部F6を生成してORゲー
ト84に与える。ORゲート84はORゲート82の出
力も受ける。シフタ64のシフトされた出力は加算器6
6の一方の入力に与えられ、加算器66は他方の入力に
出力サンプル値y n-2を受ける(係数a2の20の位置が
負なので反転して)。加算器66は部分和S7をその出
力に生成する。この部分和は20の係数ディジットに基
づくので、端数部は生成されない。部分和S7は加算器
70の一方の入力に与えられる。出力サンプル値yn-1
は1ビットのシフタ68に与えられ、2で割り算を行い
(係数a1の最高位ディジットが21なので)、その結果
を加算器70の他方の入力に与える。加算器70は最終
部分和S8を生成して最終加算器72に与える。
【0050】ORゲート84の出力は、ディジタルフィ
ルタ40内の種々のシフタにより生成された端数部F1
乃至F6の状態に依存する。ORゲート84の出力は、
全ての端数部F1乃至F6がゼロのときだけロー(0)で
ある。ORゲート84はその出力をANDゲート88の
一方の入力に与え、ANDゲート88の他方の入力は最
終部分和S8から最上位(すなわち符号)ビットを受け
る。上に述べたように2の補数量子化を行っているの
で、振幅切捨て量子化に変換するため、最終部分和が負
で非整数の場合は最終部分和に「1」を加算する。線S
GNがハイ(2の補数の最終部分和S8が負であること
を示す)で、かつORゲート84の出力がハイ(端数部
1乃至F6の少なくとも1つが非ゼロ)の場合は、AN
Dゲート88はその出力線に信号Cinを生成して最終加
算器72に与える。最終加算器72は最終部分和S8
キャリーインビットCinと非巡回部42の出力を加算し
て、現在の出力サンプル値ynを生成する。
【0051】図6の例示の実施の形態で示したように、
IIRディジタルフィルタ40は、信号値に対して精度
の高い加算器を必要とせずに巡回ループを効率的に組み
込む。各加算器44、48、50、54、58、62、
66、70、72は、出力サンプル値ynがpビット値
であるこの場合は、pビットの加算器である。更に、こ
の例で実現される振幅切捨て量子化により、入力がゼロ
レベルのときに(または、高域フィルタ41があるので
入力が任意の一定レベルのときに)ディジタルフィルタ
40にリミットサイクルが発生しない。
【0052】本発明の第1の好ましい実施の形態におけ
るディジタルフィルタ40は、係数a1およびa2が固定
値なので、専用のディジタル信号処理機能を用いる応用
に特に有用であると考えられる。図7はこのような応用
の例であって、ディジタルフィルタ40は電気通信シス
テム内のディジタル加入者線(DSL)モデムのアナロ
グ「フロントエンド」機能内に含まれる。
【0053】図7は、多数の遠隔加入者と電話システム
の中央局をインターフェースする、DSLサービスの一
般的なシステム構成を示す。この例では、家庭またはオ
フィス環境内のユーザは、パーソナルコンピュータやワ
ークステーションなどの遠隔コンピュータ装置R、また
はビデオオンデマンド(VOD)で用いる娯楽ユニット
を操作する。各遠隔コンピュータ装置Rは、テキスト、
グラフィックス、動画、オーディオなどの通信データの
遠隔発信源および宛先として動作する。各遠隔装置Rは
遠隔DSLモデム115に接続し、遠隔装置Rは従来の
ツイストペア電話設備TWPを通して中央局DSMモデ
ム108と通信する。1個または複数個の電話(図示せ
ず)も各ツイストペア線設備TWPに接続して、代わり
にまたは追加して、「普通の電話サービス」(POS
T)音声通信をツイストペア線設備TWPを通して行う
ことができる。図7の特定の例におけるDSL方式は非
対称型(すなわちADSL)でもよい。すなわち、中央
局モデム108から遠隔モデム115への通信は遠隔モ
デム115から中央局モデム108への通信(すなわち
アップストリーム)より高い周波数の信号帯域幅で進
む。
【0054】図7に示すように、各ツイストペア線設備
TWPは中央局DSLモデム108に接続する。モデム
108は、ローカルの中央局または長距離電話サービス
のプロバイダにあると考えてよい。この例の中央局モデ
ム108は、多数のツイストペア線設備TWPを受ける
ことができる(この例にはその中の2つだけを示す)。
中央局モデム108を通して、ツイストペア線設備TW
P(したがって遠隔装置R)とホストコンピュータ(図
7には示さず)はデータ通信を行う。ホストコンピュー
タはデータの発信元または宛先として、またはインター
ネットなどの網の中間ゲートウエイとして、または専用
の「ダイアルアップ」コンテントプロバイダまたは網と
して機能する。もちろん中央局は一般に、例えばツイス
トペア線設備TWPを通して遠隔装置R(または関連す
る電話)からの呼の経路を選択するスイッチギアを含
む。上に述べたように、中央局モデム108は基幹網に
接続しているであろうし、基幹網はルータまたはディジ
タル加入者線接続マルチプレクサ(DSLAM)などの
装置により他の通信路と通信を行う。POTSサービス
がADSLデータ通信にオーバーレイするような応用で
はこの設備はある種の「スプリッタ」を備えていて、P
OTSをデータトラヒックから分離し、POTSトラヒ
ックを従来の電話網(PSTN)に接続し、データを広
域網(WAN)に接続してよい。
【0055】図7の例では、遠隔DSLモデム115は
それぞれ複数の機能に分けられており、各機能は本発明
の例として示す実施の形態における個別の集積回路にほ
ぼ対応する。これらの種々の機能に用いる特定の集積回
路すなわち「チップ」の境界は用途に従って異なり、図
7に示す例示の実施の形態は単なる例である。この例で
は、各遠隔DSLモデム115は、ディジタルトランシ
ーバ機能113とその関連する遠隔装置Rとをインター
フェースするホストインターフェース107を含む。ホ
ストインターフェース107はこのインターフェース機
能用の従来の構造であって、テキサス・インスツルメン
ツ社製のTNETD2100ディジタル直列バスインタ
ーフェース回路はその一例である。
【0056】本発明のこの実施の形態では、遠隔DSL
モデム115内のディジタルトランシーバ機能113
は、データペイロードの送信および受信に必要なディジ
タル処理操作を行うプログラム可能なデバイスである。
この必要な操作は、ホストコンピュータ装置からのディ
ジタルデータを書式化し(例えば、パケットやフレーム
に)、該当するサブチャンネルで送信するデータを符号
化し、符号化されたデータを時間領域信号に変換するた
めの高速フーリエ逆変換を行う、などの機能を含む。受
信側では、ディジタルトランシーバ機能113はこれら
の操作の逆と、エコー消去処理を行う。特に上に述べた
データ速度では、ディジタルトランシーバ機能113の
ディジタルデータ処理容量と電力は高レベルであること
が好ましい。ディジタルトランシーバ機能113に適し
た構造の一例として、テキサス・インスツルメント社製
のTMS320C6x型などのディジタル信号プロセッ
サがある。
【0057】各ディジタルトランシーバ機能113は、
AFE111と双方向に接続する。AFE111は、高
電圧関係以外のDSL通信に必要な全てのループインタ
ーフェース素子を提供する混合信号(すなわち、ディジ
タルおよびアナログ動作に関する)集積回路である。各
遠隔DSLモデム115内のAFE111は送信および
受信インターフェース機能を行う。各遠隔モデム115
内のAFE111は線路駆動器117と双方向にインタ
ーフェースする。線路駆動器117は、ツイストペア設
備TWPによりADSL信号を駆動し受信する高速線路
駆動器および受信器で、テキサス・インスツルメント社
製のTHS6002線路駆動器などがある。遠隔モデム
115内の線路駆動器117は4線から2線への「ハイ
ブリッド」集積回路119に接続する。ハイブリッド集
積回路119は、線路駆動器117からの専用の送信お
よび受信線をツイストペア設備TWPの2線配線に完全
二重方式で変換する。
【0058】 中央局のDSLモデム108は、モデム
108とホストコンピュータ(図示せず)を接続するホ
ストインターフェース109を含む。上に述べたよう
に、ホストインターフェース109はテキサス・インス
ツルメント社製のTNETD2100ディジタル直列バ
スインターフェース回路などの従来の回路で実現してよ
い。上に述べたようにホストコンピュータは、中央局モ
デム108と、データトラヒックからPOTSを分離す
るスプリッタを、また提供するサービスに従って従来の
電話網(PSTN)や広域網(WAN)を、インターフ
ェースする。中央局モデム108はディジタルDSLト
ランシーバ機能110を含み、トランシーバー機能11
0は図7に示すように多数のアナログフロントエンド機
能(AFE)112に接続する。
【0059】ディジタルトランシーバ機能110は遠隔
DSLモデム115内のディジタルトランシーバ機能1
13と同様の構造であって、同様な処理を行う。ただ
し、両者の受信および送信トラヒックの周波数が異なる
ために機能はいくらか異なる。これについては後で詳細
に説明する。前と同様に、ディジタルトランシーバ機能
110はテキサス・インスツルメント社製のTMS32
0C6xなどの高性能ディジタル信号プロセッサで実現
するのが好ましい。
【0060】図6に関して上に説明したディジタルフィ
ルタ140を、AFE111とAFE112内に、特に
IIRディジタル濾波を行う位置で、その専用の固定係
数形式で実現してよい。次に図8を参照して、ディジタ
ルフィルタ140を内蔵する遠隔モデム115内のAF
E111の配置の例を説明する。
【0061】図8を参照して、遠隔モデム115内のA
FE111の構造と動作について詳細に説明する。中央
局モデム108内のAFE112の構造はほぼ同様でよ
いが、異なる帯域幅信号を処理するのに必要であればも
ちろん修正する。上に述べたように、AFE111は1
個の集積回路内に、その機能に限定して、またはディジ
タルトランシーバ機能113や線路駆動器117などの
他のいくつかの機能と共に、容易に組み込むことができ
る。本発明のこの実施の形態のAFE111は、高電圧
がかからない全てのループインターフェース素子を提供
するものである。これらの素子は、例えば広域フィル
タ、送信器電力駆動器、4線から2線へのハイブリッ
ド、受信器の粗プログラム可能利得増幅器などであっ
て、AFE111の外部の(例えば、線路駆動器117
やハイブリッド119内に実現される)素子である。
【0062】AFE111は送信側と受信側と第2の送
信側153を含む。第2の送信側153は図8に示す信
号送信側と同じであって、時間領域のエコー消去を行
う。エコー消去送信側153は、AFE111が線TX
PおよびTXM上に生成するアナログ信号に対応する信
号を、線ECPおよびECMに与える。線ECPおよび
ECMはAFE111の外部で共通ノードRXPおよび
RXM(例えば線路駆動器117の)に接続し、低周波
のアップストリーム送信信号の写しを与える。ディジタ
ルトランシーバ機能113はこれを用いて、AFE11
1の送信側が生成する全てのエコー信号を消去する。
【0063】本発明のこの実施の形態では、送信側(主
送信側およびエコー消去送信側153)と受信側は、A
FE111がディジタルトランシーバ113と通信する
のに用いるインターフェースおよび制御機能142Rを
共用する。インターフェースおよび制御機能142Rは
並列のディジタルインターフェースを含む。AFE11
1はこれにより遠隔装置Rが送信するディジタル語を受
信し、またツイストペア設備TWPから受信してAFE
111が処理したデータは、これによりディジタル語と
してディジタルトランシーバ113に送られる。またイ
ンターフェースおよび制御機能142Rは、制御情報を
ディジタルトランシーバ113と授受する適当な信号イ
ンターフェースを含む。クロック回路166RはAFE
111の送信側と受信側に共用され、同期的動作のため
の対応するクロック制御を与える。電圧基準168Rは
好ましくはバンドギャップ基準などの安定な電圧基準回
路であって、これもAFE111の送信側と受信側に共
用される。AFE111の動作に用いられる他の回路
(例えば電源分配および調整や汎用ポート通信など)も
これに含めてよいが、説明を簡単にするためにこの図に
は示さない。また図8に示すように、AFE111はオ
ーバーサンプリングレジスタ144Rを含む。これは1
個または複数個のレジスタ段を含み、AFE111はこ
れを用いて所定のディジタルフィルタ動作を実現する。
【0064】次にAFE111の信号送信側を参照する
と、ディジタルフィルタ140はオーバーサンプリング
レジスタ144Rからディジタルデータ語を受けて、デ
ィジタル/アナログ変換の前にこれらのディジタルデー
タ語にディジタル濾波を行う。AFE111が行うディ
ジタル濾波は、ディジタルトランシーバ機能113から
与えられるディジタルデータの周波数と特性に従って選
択可能な多数のオプションと機能、例えばサンプル速度
を高めるための内挿フィルタや、ディジタル高域フィル
タを含んでよい。
【0065】しかしAFE111内のディジタルフィル
タ140はディジタルデータの帯域を制限するディジタ
ル低域フィルタを一般に含み、ダウンストリームのアナ
ログ濾波が複雑になるのを緩和する。本発明では、アッ
プストリームDSL通信のアナログ濾波は、ディジタル
低域フィルタを用いることにより4次のアナログフィル
タから2次のアナログフィルタに減らせることが分かっ
た。ダウンストリームアナログ濾波による雑音も減少す
る。本発明の好ましい実施の形態では、ディジタルフィ
ルタ140でのこのようなディジタル低域濾波は、低周
波帯域幅の周波数上限のコーナー周波数で無限インパル
ス応答(IIR)を実現することにより行われる。特に
優れたディジタル低域フィルタは、最小の通過帯域リプ
ル(±0.5dB)を持つ楕円応答(elliptic respons
e)を近似する3次IIRフィルタである。
【0066】好ましい例示のフィルタは、次の時間領域
フィルタ方程式を用いる。
【数16】 ただし、タップ重み係数を次のように定義する。
【数17】 この特定のフィルタは理想のディジタル楕円フィルタと
は少し違うが、これを用いる理由は2の累乗の係数(乗
算器を使わずに実現できる)を保持することにより回路
の複雑さを減らすためである。この違いのためにコーナ
ー周波数で0.25dBだけ下がることが分かったが、
これはこの応用では許容できるものであり、グループ遅
延は最小である。
【0067】本発明の好ましい実施の形態では、特にT
1E1.413標準などの既知の標準を実現するため、
ディジタルフィルタ140として上に説明した2次のI
IRフィルタと1次のフィルタをカスケードにしてAF
E111に3次のIIRディジタルフィルタを実現し、
正しい特性を得る。更にAFE111を1つの集積回路
内に組み込むことが好ましいので、図6に関して上に述
べたようにディジタルフィルタ140内にシフトおよび
加算段を作成して、上に述べたタップ重み係数をAFE
111内で配線でつなぐことが好ましい。AFE111
により効率的な組込みとリミットサイクルの除去が可能
になる。これはDSL通信にとって大きな利点である。
【0068】図8に戻り、ディジタルフィルタ140の
出力をディジタル/アナログ変換器(DAC)148R
に与えてアナログ信号に変換する。DAC148Rのア
ナログ出力をアナログ低域フィルタ150Rで濾波す
る。フィルタ150Rは従来の技術で実現した例えば2
次のチェビシェフ(Chebyshev)連続時間フィルタで、公
称166kHzの通過帯域を有する。この比較的簡単な
アナログフィルタは、上に説明したフィルタ140で与
えられたディジタル濾波を拡張することにより可能にな
る。アナログ低域フィルタ150Rの出力はプログラム
可能な減衰器152Rに与えられる。減衰器152Rは
従来の技術によるもので、0dB乃至24dBの減衰を
1dB間隔で選択することができる。プログラム可能な
減衰器152Rの出力は線TXPおよびTXMにより線
路駆動器117に送られる。この出力信号は、ディジタ
ルトランシーバ113により実現される方法で符号化さ
れかつT1E1.413などの適用可能なDSL標準に
より指定された周波数特性を有する送信データに対応す
る、アナログ信号に対応する。
【0069】次にAFE111の受信側を参照すると、
線RXPおよびRXMは中央局モデム108からツイス
トペア設備TWPを通して受信した通信信号に従って線
路駆動器117により駆動され、等化器157に接続す
る。等化器157はツイストペア設備TWPにおける線
路減衰、特にADSL技術でダウンストリームデータ通
信に用いる高周波での減衰を補償する。等化器157の
出力はアナログ低域フィルタ158Rに与えられる。こ
の例では、フィルタ158Rは公称1.325MHzの
通過帯域を有する4次の楕円連続時間フィルタである。
アナログ低域フィルタ158Rの出力はプログラム可能
な利得増幅器160Rに与えられる。この例では、増幅
器160Rは30kHz乃至1104kHzの信号帯域
幅にわたって、約2.5dB乃至約11.5dBの範囲
の、周波数に独立な利得を0.25dB間隔で与える。
第2のプログラム可能な利得増幅器160Rの出力はA
DC162Rに与えられる。ADC162Rは、受けた
アナログ信号を固定のサンプル速度でディジタル語に変
換する。
【0070】ADC162Rの出力はディジタルフィル
タ164Rに与えられる。この例では、フィルタ164
Rは2極、2ゼロのディジタル低域フィルタ機能を行
い、等化器157とアナログ低域フィルタ158Rで生
成された雑音を減衰させる。追加のディジタル濾波は、
サンプル速度を下げる10進化フィルタを含む。ディジ
タルフィルタ164Rは本発明(例えば上に述べた第1
の好ましい実施の形態)を用いてよいが、FIRフィル
タで実現してもよい。その場合はリミットサイクルを除
去するという本発明の特定の利点は得られない。ディジ
タルフィルタ164Rの出力はインターフェースおよび
制御回路142Rに与えられ、上に述べたようにディジ
タルトランシーバ113に送られる。
【0071】AFE112の構造はAFE111と同じ
でてよいが、ADSL技術ではアップストリーム通信と
ダウンストリーム通信に用いる周波数帯域が異なるの
で、これによる違いがある。IIRディジタルフィルタ
をAFE112内で実現すれば、本発明は、特に図6に
関して上に述べた固定係数の巡回ループ設計の場合に、
大きな利点がある。
【0072】本発明の第2の好ましい実施の形態では、
ディジタルフィルタ係数はプログラム可能であって、ソ
フトウエア制御の下で選択することができる。したがっ
て本発明のこの第2の好ましい実施の形態では、図5に
関して上に説明したように加算器段の「完全な」交互配
置が必要である。なぜなら、係数値はこのプログラム可
能な実施の形態における或る範囲内で多数の値の中のど
の値でも取ることができるからである。したがって、本
発明のIIRディジタルフィルタの巡回ループでの係数
値のプログラム可能性は、ディジタル信号プロセッサ
(DSP)などのプログラム可能な論理デバイスで達成
するのが最も良いと考えられる。これについては、後で
2次のIIRディジタルフィルタに関連して説明する。
【0073】本発明のこの第2の好ましい実施の形態で
は、積ajn-jを計算するのに係数a1およびa2をブー
ス符号化するのが好ましい。ブース符号化はディジタル
乗数に用いられるよく知られた方法であって、乗数(す
なわち係数)をビットのグループで考えて、各グループ
に乗数因子を割り付ける。例えば、3ビットのブース符
号化は3ビットのグループの乗数(1ビットはグループ
間に重なる)を考えて、{−2,−1,0,+1,+2}
の集合からそのグループに乗数因子を割り付ける。各係
数a1およびa2が出力サンプル値yn-1およびyn-2のビ
ット数より少ない偶数ビットを有する2次のディジタル
フィルタの場合は、3ビットのブース符号化を用いる
と、積QMT[a1n-1+a2n-2]を計算するのに必要
なステップ数は純粋な2進乗算に必要なステップ数の1
/2に減少する。
【0074】この結果を計算するのに必要な演算をアル
ゴリズムにより以下に説明する。この説明では、ブース
符号化は、係数aのビットc1およびc0と低次「0」を
用いる第1ブース項Booth0を生成することから始
まる。第1の部分和S0は次式で与えられる。
【数18】 次の部分和S1では、係数aのビットc3、c2、c1のブ
ース符号化を用いてブース項Booth1を生成する。
【数19】 この積をシフトすることにより、次の第1の端数部F1
が得られる。
【数20】
【0075】このようにして部分和を順次に生成する。
順次の各部分和Sは前の部分和を4で割る演算を含む
(3ビットのブース符号化を用いるので)。一般に、
【数21】 および
【数22】 である。最終和SJはSJ-1とキャリーインの単なる和で
ある。ただし、キャリーインは上に述べたようにして計
算する(すなわち、最終部分和SJ-1が負で非整数の場
合は「1」、そうでない場合は「0」)。
【0076】このアルゴリズムは、ディジタル信号プロ
セッサ(DSP)の構成の中で容易に実現することがで
きる。これについて図9に関して詳細に説明する。図9
はDSP75をブロック形式で示す。本発明のこの実施
の形態では、DSP75はランダムアクセスメモリ(R
AM)76と、リードオンリーメモリ(ROM)78
と、データ経路(算術論理演算装置ALUとも言う)8
0と、コントローラ82を含む。本発明のこの実施の形
態において、データ経路80が外部レジスタ(ERE
G)77をポーリングすると入力サンプル値がDSP7
5に入る。この入力値はRAM75に送られる。データ
経路80は、本発明のこの実施の形態ではDSPコント
ローラ82により制御される。コントローラ82はプロ
グラムカウンタ79内に記憶されているアドレスに従っ
てROM78から命令コードを検索して動作する。この
命令コードは、命令レジスタ81で緩衝した後DSPコ
ントローラ82に入る。制御レジスタ83はDSPコン
トローラ82およびデータ経路80と通信して、制御お
よび状態情報を記憶する。データ経路80内のデータレ
ジスタ(DREG)85はデータ線Dに与える出力結果
を記憶する。例えば、DSP75が後で詳細に説明する
ディジタルフィルタ動作を行うとき、DREG85は出
力サンプル値ynを緩衝する。
【0077】次に図10を参照して、本発明のこの第2
の好ましい実施の形態の第1の例に従ってデータ経路8
0の構造を詳細に説明する。このデータ経路80の例で
は、入力サンプル値はEREG77から受けて、マルチ
プレクサ204を経てRAM76に与えられる。RAM
76から読取られたデータは、データ経路80内の加算
器215からのデータと共にマルチプレクサ200A、
200C、200Bの入力に与えられる。RAM76か
らのデータはRレジスタ205とSレジスタ207にも
入る。本発明のこの実施の形態では、これらのレジスタ
は係数値a1およびa2を記憶する。レジスタ205およ
び207の内容はDSPコントローラ82に送られる。
コントローラ82はこれらの係数a1およびa2に基づい
て、データ経路80を制御して該当するシフトおよび乗
算を行う。マルチプレクサ200A、200C、200
Bはその出力をレジスタ202A、202C、202B
にそれぞれ与える。DSPコントローラ82からの制御
入力(図示せず)はマルチプレクサ200が行う選択
を、実行中の特定の命令に従って制御する。
【0078】レジスタ202A、202Cの出力はメモ
リマルチプレクサ204に入り、データはデータ経路8
0からRAM76に書き込まれる。レジスタ202A、
202Cの出力はマルチプレクサ206の入力にも入
り、その出力は一連の算術論理演算装置(ALU)に送
られる。これらのALUはブース符号化乗算器210と
排他的OR(XOR)機能212を含む。DSPコント
ローラ82から与えられる制御線(図示せず)の状態に
従って、乗算器210とXOR212はオペランドに集
合{−2,−1,0,+1,+2}内の選択された値を乗
算する。本発明のこの実施の形態では、レジスタ205
および207と、その中の選択されたビットグループ
と、実行中の特定のサイクルに基づいて、DSPコント
ローラ82は適当なブース符号化値を出す。ブース符号
化乗算器210の次に排他的ORブロック212があ
り、その後にクリップ回路214があって最終結果がオ
ーバーフローすることを防ぐ。クリップ回路214の出
力は加算器215の一方の入力に与えられる。
【0079】または、必要な加算とシフトを行って本発
明の好ましい実施の形態の交互乗算を行うのに、データ
経路80は別の係数書式を用いてよい。例えば、係数a
1およびa2は正準和ディジット(CSD)形式で与えて
よい。この方法を用いると上に述べたようにゼロ値の係
数ディジットの加算がなくなるので、演算のマシンサイ
クルが節約になる。この方法は、ディジタルフィルタが
固定値の係数を用いる場合に特に有用である。その理由
は、濾波を行うマイクロコード化ルーチンにこれらの固
定値を組み込んでよいからである。また他の方法を用い
てもよい。
【0080】図10に戻って、レジスタ202Bの出力
はシフタ208に与えられ、シフタ208はDSPコン
トローラ82の制御の下に「B」オペランドを選択可能
なビット数だけシフトする。シフタ208からのシフト
された出力はマルチプレクサ216に与えられ(別にゼ
ロ値が与えられる)、その出力は排他的OR218に、
それから更に加算器215の第2の入力に与えられる。
シフタ208からシフト出力される最下位ビットと、レ
ジスタ202BからのBオペランドの最上位ビットは、
キャリー制御217に与えられる。これらの信号に基づ
いて、キャリー制御217は加算器215のキャリーイ
ン入力に信号を与える。これについては後で詳細に説明
する。
【0081】加算器215の出力はマルチプレクサ20
0A、200C、200Bの入力に戻され、またデータ
レジスタ85に与えられる。上に述べたように、データ
レジスタ85はDSP75の外部に送る出力サンプル値
を緩衝する。
【0082】データ経路80が本発明のこの第2の好ま
しい実施の形態の命令を実行して、積QMT[a1n-1
2n-2]を生成する動作を以下に詳細に説明する。こ
こで、乗算はブース符号化を用いて行い、またその結果
は2次のIIRディジタルフィルタの巡回ループを実行
するのに有用な振幅切捨て方式により量子化する。
【0083】まず、データ経路80は係数a1およびa2
をRMA76から検索して、DSPコントローラ82か
らのアクセスのためにこれをレジスタ205および20
7に記憶する。これらの係数値は、少なくともこの特定
の巡回ループ操作の実行中は一定である。この例では、
係数a1およびa2は次の値を有する。a1= 1.82
153=01.1101001022=−0.8681
3=11.001000102係数a1およびa2の、1
0ビットを用いた2の補数表現は、符号ビットとしての
MSBと、1整数ビットと、8端数ビットを用いる。参
考のために、3ビットのブース符号化用のブース符号化
表を次に示す。
【表2】
【0084】次に入力サンプル値xnを外部のレジスタ
77から受けて、マルチプレクサ204を経てメモリに
記憶する。ここで出力サンプル値yn-1およびyn-2をR
AM76から検索して、レジスタ202Aおよび202
Cにそれぞれ記憶する。
【0085】次に、データ経路80はマルチプレクサ2
06を制御してレジスタ202A(出力サンプル値y
n-1)を選択し、ブース符号化乗算器210に与えて第
1の部分和S0を生成する。DSPコントローラ82は
最低次のブース項Booth0に対応する制御線を選
ぶ。この場合上の表から、係数a1の2つのLSBであ
るc1およびc0に暗黙のゼロ(100)を加えると、−
2というブース項Booth0が得られる。データ経路
80内の全ての値が2の補数形式なので、この場合は排
他的OR機能212により反転させる。このように、ブ
ース符号化乗算器210と排他的OR機能212の出力
(したがって、加算器215に与えられるクリップ回路
214の出力)は部分和S0、すなわち、 S0=−2yn-1 である。マルチプレクサ216は0入力を選択するよう
に制御されるので加算器215の出力は単に部分和S0
になり、レジスタの1つ(例えばレジスタ202B)に
記憶される。
【0086】次に部分和S1を生成するために、マルチ
プレクサ206はレジスタ202C(出力サンプル値y
n-2を記憶する)の出力を選択してブース符号化乗算器
210に与える。ブース符号化乗算器210はDSPコ
ントローラ82の制御により(係数a2の)最低次のブ
ース項Booth1を用いて、この例では値−2yn-2
生成する(係数a1の場合と同様に係数a2のLSBであ
るc1、c0が10なのでBooth1=−2)。これを
排他的OR機能212により反転させる。他方で、レジ
スタ202Bの内容(部分和S0)をシフトせずにシフ
タ208を通し、マルチプレクサ216はこれを選択し
て加算器215に与える。加算器215は次のように部
分和S1を生成する。 S1=−2yn-2+S0 この部分和S1をレジスタ202Bに記憶する。
【0087】部分和のシーケンスを生成する処理を続け
て、出力サンプル値yn-1を再びRAM76(または他
のローカルレジスタ)から検索してレジスタ202Aに
記憶する。この値を(マルチプレクサ206を経て)ブ
ース符号化乗算器210に与え、これに次のブース項B
ooth2を乗算する。この場合は、ブース符号化は係
数a1のビットc3、c2、c1を分析してブース項Boo
th2を+1として生成する。加算器215の一方の入
力に与えられるクリップ回路214の出力は(オーバー
フローがないと仮定して)+yn-1である。他方、部分
和S1をレジスタ202Bからシフタ208に与えて右
に2ビット位置シフトして、ブース符号化乗算器210
が行う高次の乗算に対応させる。部分和S1の最下位2
ビットをキャリー制御217に与え(そして論理和を行
い)、シフタ208のシフトされた出力(部分和S1
4で割り算したものに相当する)を加算器215の第2
の入力に与える。ここではキャリーインは発生しない。
加算器215は次の部分和S 2を次式のように生成す
る。
【数23】 前と同様に、部分和S2をフィードバックしてレジスタ
202Bに記憶する。
【0088】次に同様にしてS3を生成する。異なると
ころは、係数yn-2をブース符号化乗算器210に与え
ることと、レジスタ202Bに記憶している部分和S2
をシフタ208でシフトしないことである(ブース項B
ooth3を生成する係数a2内のビット位置はブース項
Booth2を生成した係数a1内のビット位置と同じ、
すなわち同じ累乗の乗算なので)。次に前と同様に部分
和S3をレジスタ202Bに記憶する。
【0089】この例では部分和S4乃至S9を生成する処
理を同様にして続けるが、処理の度に係数yn-1とyn-2
を交互に用い、また1つおきの処理において4だけシフ
トする。この例では、上の値の係数a1およびa2を用い
ると、部分和S4乃至S9は次のようになる。
【数24】
【0090】最終部分和S9を生成した後、好ましくは
データ経路80はレジスタ202Bを経て加算器215
に最終部分和S9を与えて最終和S10を生成し(最終和
10と任意の非巡回項を加えて現在の出力サンプル値y
nを生成する)、最終部分和S9のMSBをキャリー制御
217に与える(好ましくは加算器215の他方の入力
を0に設定する)。加算器215へのキャリーインビッ
トはキャリー制御217で生成され、最終部分和S9
負(そのMSBが「1」)かどうか、また1の場合は処
理中にシフタ208からシフトアウトされた任意のビッ
トが非ゼロだったかどうか、を判定する。両条件が満た
される場合は、加算器215のキャリーイン入力に
「1」が与えられ、最終部分和S9を1だけ増やして最
終和S10を生成する。いずれにしても最終和S10は、選
択されたレジスタ202を経てRAM76に送られる。
【0091】この説明から明らかなように、プログラム
可能な論理は、特にDSPデバイス内のデータ経路は、
本発明における2次のIIRディジタルフィルタの巡回
部を容易にかつ効率的に生成することができる。好まし
くは、データ経路80の動作に関する上に説明した動作
を命令集合内の特殊の命令で実現してROM78内にマ
イクロコード化する。この方法をとると、積の量子化さ
れた和の命令を用いてIIRディジタルフィルタ内に、
また必要であればFIRディジタルフィルタ内に、非巡
回項を生成することができる。いずれにしても、IIR
ディジタルフィルタ内の巡回ループに適用したこの特殊
なケースでは、上に述べたように振幅切捨て量子化によ
りリミットサイクルを防ぐことができる。
【0092】データ経路80の上記の実現では単一のパ
イプラインALU構成を用いた。別の実施の形態である
図11のデータ経路80’は二重パイプラインALUを
用いる。これについて以下に説明する。
【0093】データ経路80’の構造は上に述べたデー
タ経路80とほぼ同じである。具体的に述べると、入力
サンプル値はEREG77に入り、マルチプレクサ30
4を経てRAM76に与えられる。RAM76から読取
られたデータは、加算器315からのデータと共にマル
チプレクサ300A、300C、300Bの入力に与え
られる。前と同様に、Rレジスタ305とSレジスタ3
07は係数値a1およびa2を記憶する。マルチプレクサ
300A、300C、300Bの出力は、DSPコント
ローラ82の制御の下に、レジスタ302A、302
C、302Bにそれぞれ与えられる。レジスタ302
A、302Cの出力はメモリマルチプレクサ304とマ
ルチプレクサ306の入力に与えられる。マルチプレク
サ306の出力はデータ経路80’内の二重パイプライ
ンの一方の算術論理演算装置に送られる。この例では、
このパイプラインはその入力オペランドを選択的に2倍
する1ビットの左シフタ310を含む。XOR/ゼロ機
能312はシフタ310のシフトされた出力を反転しま
たはゼロにする。機能310および312は3ビットの
ブース符号化乗算を行い、その結果をPレジスタ313
に記憶する。この実施の形態ではクリップ回路314は
機能310および312のバイパス路内にあり、データ
マルチプレクサ320の一方の入力に接続する。
【0094】他方、レジスタ302Bの出力は右シフタ
308に与えられ、「B」オペランドはDSPコントロ
ーラ82の制御の下に選択可能なビット数だけシフトさ
れる。シフタ308からシフトアウトされた最下位ビッ
トとレジスタ302BからのBオペランドの最上位ビッ
トは、キャリー制御317に与えられる。上に述べたよ
うにキャリー制御317はこれらの信号に基づいて加算
器315のキャリーイン入力に信号を与える。シフタ3
08からのシフトされた出力は、排他的OR/ゼロ機能
309に、そしてマルチプレクサ316を経てQレジス
タ317に与えられる。マルチプレクサ316の第2の
入力はデータマルチプレクサ320からのフィードバッ
ク結果を受ける。
【0095】Pレジスタ313とQレジスタ317はそ
れぞれ加算器315の入力に接続する。加算器315の
出力は2ビットの左または右シフタ319に、そしてデ
ータマルチプレクサ320に入り、その出力はマルチプ
レクサ300A、300C、300Bの入力にフィード
バックされ、またデータレジスタ85に与えられる。2
ビットの左または右シフタ319の出力はキャリー制御
317にも与えられる。これにより、右シフトが行われ
た場合は最下位2ビットがキャリー制御317に送られ
る。上に述べたように、データレジスタ85は、DSP
75から外部に送られる出力サンプル値を緩衝する。
【0096】データ経路80’が部分和S0乃至S9と最
終和S10を作成する一般的な動作は、図10のデータ経
路80に関して上に説明した動作と同じである。しか
し、加算器315の出力にシフタ319を設け、またP
レジスタ313とQレジスタ317を設けることによ
り、データ経路80’内の2つの経路をデータ経路8
0’内で並列に用いることができる。具体的に述べる
と、データマルチプレクサ320の出力からマルチプレ
クサ316に直接フィードバックすることにより、部分
和を直接フィードバックして、シフタ310とXOR/
ゼロ機能312が生成する次の積の項と加算することが
できる。シフタ319は、どの部分和を作成中かに従っ
て、前に生成した部分和を選択的にシフトしまたはシフ
トしない。したがって、データ経路80’はディジタル
フィルタの巡回(必要であれば非巡回)経路に用いられ
る積の量子化された和を実行するのに特に有効である。
【0097】更に、データ経路80および80’はそれ
ぞれ信号の精度と同じ精度の加算器を用いる。本発明に
より、係数の乗算に必要な高い精度は要求されない。上
の各実施の形態はIIRディジタルフィルタからリミッ
トサイクルをなくすという重要な利点を持ち、他方では
精度を下げた加算器を用いてこれらのフィルタを実現す
ることができる。したがって、本発明はIIRディジタ
ルフィルタを用いる多くの種類の応用に有用であると考
えられる。
【0098】本発明について好ましい実施の形態に関し
て説明したが、この明細書と図面を参照すれば、本発明
の利点を有するこの実施の形態の修正や変形は当業者に
は明らかである。このような修正や変形は本発明の特許
請求の範囲に含まれるものである。
【0099】以上の説明に関して更に以下の項を開示す
る。 (1) ディジタルフィルタ内のフィードバック値を決
定する方法であって、前記フィードバック値は第1の積
と第2の積の和に相当し、前記第1の積は第1の係数値
に第1の出力サンプル値を乗算した値に相当し、前記第
2の積は第2の係数値に第2の出力サンプル値を乗算し
た値に相当し、前記方法は、前記第1の係数値の最下位
ディジットを前記第1の出力サンプル値に作用させて一
連の部分和内の第1の部分和を作成し、前記第1の部分
和と、前記第2の係数値の最下位ディジットを前記第2
の出力サンプル値に作用させることにより決まる値とを
加算して、前記一連の部分和内の次の部分和を作成し、
前記第2の係数値の最下位ディジットと前記第1の係数
値の次のディジットの順次の差に従って次の部分和をシ
フトして、シフトされた次の部分和と、前記次の部分和
の1個または複数個の最下位ビットから成る端数部を作
成し、前記シフトするステップの後、前記シフトされた
次の部分和と、前記第1の係数値の次のディジットを前
記第1の出力サンプル値に作用させることにより決まる
値とを加算して、前記一連の部分和内の別の次の部分和
を作成し、前記第1および第2の係数値に従って加算、
シフト、加算のステップを順次実行して前記一連の部分
和内の最終部分和を作成し、前記最終部分和に基づいて
前記フィードバック値を生成する、ステップを含む、フ
ィードバック値を決定する方法。
【0100】(2) 前記フィードバック値を生成する
ステップは、前記最終部分和の符号と前記シフトするス
テップからの端数部との論理和に従ってキャリー信号を
生成し、前記最終和と前記キャリー信号を加算して前記
フィードバック値を作成する、ことを含む、第1項記載
のフィードバック値を決定する方法。
【0101】(3) 前記第1の係数値の最下位ディジ
ットを前記第1の出力サンプル値に作用させるステップ
の後、前記第1の係数値の次の有効ディジットが前記第
2の係数値の最下位ディジットより低次かどうかを判定
し、前記第1の係数値の次の有効ディジットが前記第2
の係数値の最下位ディジットより低次であるときは、前
記第1の部分和と、前記第1の係数値の次の有効ディジ
ットを前記第1の出力サンプル値に作用させることによ
り決まる値とを加算して次の部分和を作成し、前記第1
の係数値の最下位ディジットと前記第1の係数値の次の
有効ディジットの順次の差に従って前記次の部分和をシ
フトして、シフトされた次の部分和と、次の部分和の1
個または複数個の最下位ビットから成る端数部を作成す
る、ことを更に含む、第1項記載のフィードバック値を
決定する方法。
【0102】(4) 前記第1および第2の係数値は正
準和ディジット形式である、第1項記載のフィードバッ
ク値を決定する方法。 (5) 前記各作用させるステップは対応する係数値の
ビットのグループにブース符号化を実行し、前記実行す
るステップの結果に従って、対応する出力サンプル値を
乗算する乗算回路を制御する、ことをそれぞれ含む、第
1項記載のフィードバック値を決定する方法。 (6) 一連の入力サンプル値にフィードフォアワード
濾波を行ってフィードフォアワード結果を生成し、前記
最終部分和とキャリー信号とフィードフォアワード結果
を加算して出力サンプル値を作成する、ことを更に含
む、第1項記載のフィードバック値を決定する方法。
【0103】(7) フィードフォアワード濾波を行う
ステップの前に、一連の入力サンプル値に高域ディジタ
ル濾波を行う、ことを更に含む、第6項記載のフィード
バック値を決定する方法。 (8) 前記第1の係数値の最下位ディジットを前記第
1の出力サンプル値に作用させるステップの前に、前記
第1および第2の係数値をメモリに記憶する、ことを更
に含む、第1項記載のフィードバック値を決定する方
法。
【0104】(9) ディジタルフィルタ回路であっ
て、複数個の加算器であって、それぞれが第1の出力サ
ンプル値と第2の出力サンプル値の一方を受ける入力を
有し、また部分和を与える出力を有する、複数個の加算
器と、複数個のシフタであって、それぞれが前記加算器
の1つの出力に結合して対応する部分和を受ける入力を
有し、シフトされた部分和を前記複数個の加算器の1つ
の入力に与えるシフト出力を有し、また前記シフトされ
た部分和の端数部を与える端数出力を有し、前記複数個
の各シフタは第1および第2の係数値の逐次の有効ディ
ジットの順次の差に対応するビット位置数だけその入力
の部分和をシフトする、複数個のシフタ、を備え、前記
複数個の加算器と複数個のシフタは前記第1および第2
の係数値の最下位から最上位までの有効ディジットに対
応するシーケンスに配置され、前記第2の出力サンプル
値を受ける少なくとも1つの前記複数個の加算器は前記
第1の出力サンプル値を受ける前記複数個の加算器内の
第1および第2の加算器の間に配置される、ディジタル
フィルタ回路。
【0105】(10) 接続論理であって、前記複数個
の各シフタからシフトされた部分和の端数部を受けるよ
う結合された入力を有し、前記複数個の加算器の最後の
加算器の出力から符号ビットを受ける入力を有し、また
キャリー信号を生成する出力を有する、接続論理と、最
終加算器であって、前記接続論理に結合して前記キャリ
ー信号を受けるよう結合された入力を有し、また前記複
数個の加算器の最後の加算器から最終部分和を受けるよ
う結合された入力を有する、最終加算器、を更に含む、
第9項記載のディジタルフィルタ。 (11) 一連の入力サンプル値を受けるよう結合され
た入力を有し、また前記最終加算器に結合された出力を
有する、フィードフォアワード部、を更に含む、第10
項記載のディジタルフィルタ。
【0106】(12) 前記フィードフォアワード部の
入力に結合して前記一連の入力サンプル値を濾波する高
域フィルタ、を更に含む、第11項記載のディジタルフ
ィルタ。 (13) 前記最終加算器の出力に結合して前記第1お
よび第2の出力サンプル値を生成する遅延段、を更に含
む、第10項記載のディジタルフィルタ。
【0107】(14) 電子装置であって、ディジタル
信号を生成する信号源と、ディジタルフィルタであっ
て、前記信号源に結合して前記信号源が生成するディジ
タル信号を濾波するため、第1の係数値の最下位ディジ
ットを第1の出力サンプル値に作用させて一連の部分和
内の第1の部分和を作成し、前記第1の部分和と、第2
の係数値の最下位ディジットを第2の出力サンプル値に
作用させることにより決まる値とを加算して、前記一連
の部分和内の次の部分和を作成し、前記第2の係数値の
最下位ディジットと前記第1の係数値の次のディジット
の順次の差に従って次の部分和をシフトして、シフトさ
れた次の部分和と、前記次の部分和の1個または複数個
の最下位ビットから成る端数部を生成し、前記シフトす
るステップの後、前記シフトされた次の部分和と、前記
第1の係数値の次のディジットを前記第1の出力サンプ
ル値に作用させることにより決まる値とを加算して、前
記一連の部分和内の別の次の部分和を作成し、前記第1
および第2の係数値に従って加算、シフト、加算のステ
ップを順次実行して前記一連の部分和内の最終部分和を
作成し、前記最終部分和に基づいてフィードバック値を
生成する、ことを含む一連の操作を実行するディジタル
フィルタ、を備える電子装置。
【0108】(15) 前記ディジタルフィルタは、プ
ログラム可能な論理デバイス、を含む、第14項記載の
電子装置。 (16) 前記プログラム可能な論理デバイスは集積回
路内に組み込まれており、また更に、前記プログラム可
能な論理デバイスの動作を制御する一連の命令を記憶す
るメモリと、前記ディジタル信号に対応する入力サンプ
ル値を記憶し、また前記ディジタルフィルタが生成する
出力サンプル値を記憶する、メモリと、前記信号源に結
合して前記ディジタル信号を受信するインターフェー
ス、を更に含む、第15項記載の電子装置。
【0109】(17) 複数個の加算器であって、それ
ぞれが第1の出力サンプル値と第2の出力サンプル値の
一方を受ける入力を有し、また部分和を表す出力を有す
る、複数個の加算器と、複数個のシフタであって、それ
ぞれが前記加算器の1つの出力に結合して対応する部分
和を受ける入力を有し、シフトされた部分和を前記複数
個の加算器の1つの入力に与えるシフト出力を有し、ま
た前記シフトされた部分和の端数部を与える端数出力を
有し、前記複数個の各シフタは第1および第2の係数値
の逐次の有効ディジットの順次の差に対応するビット位
置数だけその入力の部分和をシフトする、複数個のシフ
タ、を備え、前記複数個の加算器と複数個のシフタは前
記第1および第2の係数値の最下位から最上位までの有
効ディジットに対応するシーケンスに配置され、第2の
出力サンプル値を受ける少なくとも1つの前記複数個の
加算器は前記第1の出力サンプル値を受ける前記複数個
の加算器内の第1および第2の加算器の間に配置され
る、第14項記載の電子装置。
【0110】(18) 前記ディジタルフィルタは、接
続論理であって、前記複数個の各シフタからシフトされ
た部分和の端数部を受けるよう結合された入力を有し、
前記複数個の加算器の中の最後の加算器の出力から符号
ビットを受ける入力を有し、またキャリー信号を生成す
る出力を有する、接続論理と、最終加算器であって、前
記接続論理に結合して前記キャリー信号を受けるよう結
合された入力を有し、また前記複数個の加算器の最後の
加算器から最終部分和を受けるよう結合された入力を有
する、最終加算器と、前記最終加算器の出力に結合して
前記第1および第2の出力サンプル値を生成する遅延
段、を更に備える、第17項記載の電子装置。 (19) 一連の入力サンプル値を受けるよう結合され
た入力を有し、また前記最終加算器に結合された出力を
有する、フィードフォアワード部、を更に備える、第1
8項記載の電子装置。
【0111】(20) 電子デバイスであって、命令コ
ードと、入力サンプル値と、出力サンプル値を記憶する
メモリと、前記メモリから命令コードを受け、これに基
づいて制御信号を生成するコントローラと、データ経路
であって、前記コントローラに結合され、前記コントロ
ーラからの制御信号に従って一連の命令を実行し、前記
一連の命令は、前記メモリから第1および第2の係数値
と第1および第2の出力サンプル値を検索し、前記第1
の係数値の最下位ディジットを前記第1の出力サンプル
値に作用させて一連の部分和内の第1の部分和を作成
し、前記第1の部分和と、前記第2の係数値の最下位デ
ィジットを前記第2の出力サンプル値に作用させること
により決まる値とを加算して、前記一連の部分和内の次
の部分和を作成し、前記第2の係数値の最下位ディジッ
トと前記第1の係数値の次のディジットの順次の差に従
って次の部分和をシフトして、シフトされた次の部分和
と、前記次の部分和の1個または複数個の最下位ビット
から成る端数部を作成し、前記シフトするステップの
後、前記シフトされた次の部分和と、前記第1の係数値
の次のディジットを前記第1の出力サンプル値に作用さ
せることにより決まる値とを加算して、前記一連の部分
和内の別の次の部分和を作成し、前記第1および第2の
係数値に従って加算、シフト、加算のステップを順次実
行して前記一連の部分和内の最終部分和を作成し、前記
最終部分和に基づいてフィードバック値を生成する、こ
とを含む、データ経路、を備える電子デバイス。
【0112】(21) 前記フィードバック値を生成す
る操作は、前記最終部分和の符号と前記シフトするステ
ップからの端数部との論理和に従ってキャリー信号を生
成し、前記最終和と前記キャリー信号を加算して前記フ
ィードバック値を作成する、ことを含む、第20項記載
の電子デバイス。 (22) 前記各作用させる操作は、対応する係数値の
ビットのグループにブース符号化を実行し、前記実行す
るステップの結果に従って、対応する出力サンプル値を
乗算する乗算回路を制御する、ことをそれぞれ含む、第
21項記載の電子デバイス。
【0113】(23) 前記データ経路は、前記コント
ローラからの制御信号に従ってオペランドを乗算するブ
ース符号化乗算器と、前記コントローラからの制御信号
に従って前記乗算されたオペランドを反転させる反転回
路と、前記コントローラからの制御信号に従ってビット
位置の選択可能な数だけオペランドをシフトするシフタ
と、前記シフタに結合された入力を有し、またオペラン
ドの符号ビットを受ける別の入力を有する、キャリー制
御回路と、前記反転回路に結合された第1の入力を有
し、前記シフタに結合された第2の入力を有し、また前
記キャリー制御回路に結合されたキャリー入力を有す
る、加算器と、前記加算器の出力から前記ブース符号化
乗算器およびシフタの入力へのフィードバック路、を備
える、第21項記載の電子デバイス。
【0114】(24) 前記データ経路は、第1パイプ
ラインであって、前記コントローラからの制御信号に従
ってオペランドを乗算する左シフタと、前記コントロー
ラからの制御信号に従って乗算されたオペランドを反転
させる反転回路と、前記反転回路に結合された第1の結
果レジスタ、を含む第1パイプラインと、第2パイプラ
インであって、前記コントローラからの制御信号に従っ
てビット位置の選択可能な数だけオペランドをシフトす
る右シフタと、前記右シフタに結合された第2の結果レ
ジスタ、を含む第2パイプラインと、前記シフタに結合
された入力を有し、またオペランドの符号ビットを受け
る別の入力を有する、キャリー制御回路と、前記第1の
結果レジスタに結合された第1の入力を有し、前記第2
の結果レジスタに結合された第2の入力を有し、また前
記キャリー制御回路に結合されたキャリー入力を有す
る、加算器と、前記加算器の出力に結合されたシフタ
と、前記シフタの出力から前記第2のパイプラインへの
フィードバック路、を備える、第21項記載の電子デバ
イス。
【0115】(25) 無限インパルス応答(IIR)
ディジタルフィルタとこれを実行する方法を開示する。
ディジタルフィルタは、ディジタル信号プロセッサ(7
5)などのプログラム可能な論理デバイスにより、また
は加算器(44、48、50、54、58、62、6
6、70、72)とシフタ(46、52、56、60、
64)を含む専用の論理により実現してよい。どちらの
場合も加算(34)は第1および第2の出力サンプル値
(yn-1,yn-2)について交互に行い、信号入力
(xn)および信号出力(yn)と同じ精度の加算回路
(30;72;215;320)で加算を行ってよい。
キャリー制御回路(76、78、80、82、84、8
8;217;317)を設けて、振幅切捨て量子化を効
果的に挿入する。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の1次のディジタルフィルタの電気ブロッ
ク図。
【図2】従来の2次のディジタルフィルタの電気ブロッ
ク図。
【図3】図2bのディジタルフィルタ内の乗算器と加算
器の動作と精度を示す電気ブロック図。
【図4】本発明の好ましい実施の形態における、2の補
数量子化による振幅切捨て量子化を行う回路の電気ブロ
ック図。
【図5】本発明の好ましい実施の形態における、交互の
乗算器機能の電気ブロック図。
【図6】本発明の第1の好ましい実施の形態に従って構
築された、固定フィードバック係数を有するIIRディ
ジタルフィルタの電気ブロックおよび略図。
【図7】本発明の第1の好ましい実施の形態における、
図6のディジタルフィルタを用いたディジタル加入者線
システムの電気ブロック図。
【図8】本発明の第1の好ましい実施の形態における、
図7のシステム内の遠隔モデム内の、図6のディジタル
フィルタを用いたアナログフロントエンド機能の電気ブ
ロック図。
【図9】本発明の第2の好ましい実施の形態に従って構
築されたディジタル信号プロセッサの電気ブロック図。
【図10】本発明の第2の好ましい実施の形態の第1の
態様に従って構築された、図9のディジタル信号プロセ
ッサのデータ経路の電気ブロック図。
【図11】本発明の第2の好ましい実施の形態の第2の
態様に従って構築された、図9のディジタル信号プロセ
ッサのデータ経路の電気ブロック図。
【符号の説明】
26 シフト機能 28 ORゲート 29 ANDゲート 30 加算器 32 乗算機能 34 加算段

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ディジタルフィルタ内のフィードバック
    値を決定する方法であって、前記フィードバック値は第
    1の積と第2の積の和に相当し、前記第1の積は第1の
    係数値に第1の出力サンプル値を乗算した値に相当し、
    前記第2の積は第2の係数値に第2の出力サンプル値を
    乗算した値に相当する、前記方法であって、 前記第1の係数値の最下位ディジットを前記第1の出力
    サンプル値に作用させて一連の部分和内の第1の部分和
    を作成するステップと、 前記第1の部分和と、前記第2の係数値の最下位ディジ
    ットを前記第2の出力サンプル値に作用させることによ
    り決まる値とを加算して、前記一連の部分和内の次の部
    分和を作成するステップと、 前記第2の係数値の最下位ディジットと前記第1の係数
    値の次のディジットの順次の差に従って次の部分和をシ
    フトして、シフトされた次の部分和と、前記次の部分和
    の1個または複数個の最下位ビットから成る端数部を作
    成するステップと、 前記シフトするステップの後、前記シフトされた次の部
    分和と、前記第1の係数値の次のディジットを前記第1
    の出力サンプル値に作用させることにより決まる値とを
    加算して、前記一連の部分和内の別の次の部分和を作成
    するステップと、 前記第1および第2の係数値に従って加算、シフト、加
    算のステップを順次実行して前記一連の部分和内の最終
    部分和を作成するステップと、 前記最終部分和に基づいて前記フィードバック値を生成
    するステップと、を含む方法。
  2. 【請求項2】 ディジタルフィルタ回路であって、 複数個の加算器であって、それぞれが第1の出力サンプ
    ル値と第2の出力サンプル値の一方を受ける入力を有
    し、また部分和を与える出力を有する、前記複数個の加
    算器と、 複数個のシフタであって、それぞれが前記加算器の1つ
    の出力に結合して対応する部分和を受ける入力を有し、
    シフトされた部分和を前記複数個の加算器の1つの入力
    に与えるシフト出力を有し、また前記シフトされた部分
    和の端数部を与える端数出力を有し、前記複数個の各シ
    フタは第1および第2の係数値の逐次の有効ディジット
    の順次の差に対応するビット位置数だけその入力の部分
    和をシフトする、前記複数個のシフタと、を備え、 前記複数個の加算器と複数個のシフタは前記第1および
    第2の係数値の最下位から最上位までの有効ディジット
    に対応するシーケンスに配置され、前記第2の出力サン
    プル値を受ける少なくとも1つの前記複数個の加算器は
    前記第1の出力サンプル値を受ける前記複数個の加算器
    内の第1および第2の加算器の間に配置される、ディジ
    タルフィルタ回路。
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