JP2000029021A - 反射型液晶表示装置 - Google Patents

反射型液晶表示装置

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JP2000029021A
JP2000029021A JP10198461A JP19846198A JP2000029021A JP 2000029021 A JP2000029021 A JP 2000029021A JP 10198461 A JP10198461 A JP 10198461A JP 19846198 A JP19846198 A JP 19846198A JP 2000029021 A JP2000029021 A JP 2000029021A
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display device
crystal display
reflection
light
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JP10198461A
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English (en)
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Takashi Ueki
俊 植木
Seiichi Mitsui
精一 三ツ井
Hajime Hiraki
肇 平木
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Original Assignee
Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電圧の印加により吸収状態と散乱状態を制御
できる新しい液晶表示モードと異方性凹凸反射板を組み
合わせて、視差がなく、視野角特性に優れ、明るい反射
型液晶表示装置を提供する。 【解決手段】 液晶素子の光の入射側に偏光子と、透明
電極を形成した絶縁性基板と、光反射面が形成された光
反射部材と、液晶分子と液晶性高分子とが共にツイスト
配向された液晶層とを具備し、暗表示には反射面では円
偏光となり、反射後出射面では直線偏光となり、明表示
には反射後出射面では散乱光となる反射型液晶表示装置
において、光反射部材が凹凸形状を有し、凹凸形状が基
板平面内の方位によって平均凹凸周期が異なり、凹凸反
射膜の凹凸周期が無いもしくは長い方位と、前記上下基
板の間でツイストした液晶層の厚さ方向のほぼ1/2の
位置にある液晶分子の長軸方位とがほぼ直角であること
を特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、バックライトを用
いない直視式の反射型液晶表示装置に関し、さらに詳し
くはワードプロセッサやいわゆるノート型パーソナルコ
ンピュータなどのオフィスオートメーション機器や、各
種映像機器およびゲーム機器などに好適に利用される反
射型液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、反射型液晶表示装置には、T
N(ツイステッドネマティック)方式およびSTN(ス
ーパーツイステッドネマティック)方式が用いられてい
る。これらのTN方式あるいはSTN方式の液晶表示素
子を反射型液晶表示装置として適用しようとすると、表
示方式の原理の点で、液晶表示素子を一対の偏光板で挟
む構成にし、その外側に反射板を設置する必要がある。
すると、液晶表示素子に用いられるガラス基板の厚さの
ために、使用者が反射型液晶表示装置を見る角度、即
ち、ガラス基板の法線方向と前記使用者が液晶表示素子
を見る方向とのなす角度によって視差が生じ、表示が二
重に認識されるという問題点がある。
【0003】また、カラー化に関しては、従来より液晶
セル内部の表示1画素毎に例えば、3ドット(赤、緑、
青)のマイクロカラーフィルタを設け、加法混合により
マルチカラー表示やフルカラー表示が行われる。しか
し、上記液晶表示モードは偏光板を2枚用いるので、非
常に暗く、さらに上記視差の発生により加法混色が良好
に行われないため、反射型カラー表示では良好な表示が
得られなかった。
【0004】これらの背景をもとに近年、偏光板1枚と
反射板1枚を組み合わせた液晶表示素子が開発されてい
る。その一例としては、ツイスト配列させた液晶層を微
細な凹凸を形成した反射板(セル内面に配置)と偏光板
の間に配置した直視型の反射型液晶表示素子が特開平3
−223715号公報に開示されている。
【0005】また、一方、光の入射側から1枚の偏光
板、1/4波長板、高分子分散型液晶、鏡面反射板の順
に構成される反射型液晶表示装置が、特開平7−280
54号公報に開示されている。この反射型液晶表示装置
は、透光性基板の一方の面に形成された透光性電極と、
基板の一方の面に形成された反射電極とで、高分子分散
液晶層を挟持すると共に、透光性基板の他方の面側に、
1/4波長板及び偏光子を順に積層状態に配してなるも
のである。高分子分散液晶層の液晶は、電圧無印加時に
はランダム配向され、この中を透過した光は偏光解消す
ることとなり表示状態は、明状態となる。
【0006】一方、電圧印加時において液晶は透光性電
極と反射電極に対して垂直に配向されるために、垂直入
射光に対して複屈折効果は生ずることがなく、そのた
め、外部から入射して再び外部へ出射される光は、1/
4波長板を2回通過するので、実質1/2波長分の位相
変化を生ずることとなり、偏光面が90度回転する結
果、出射時、偏光子において吸収されて表示状態は暗表
示となるものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記特開平3−223
715号公報に記載の反射型液晶表示装置は、透過状態
と吸収状態とを電圧で制御するので、白色表示するため
には、液晶層の背面に散乱反射膜を欠くことはできな
い。つまり、散乱反射板の性能が表示品位を決定する。
例えば、上記表示原理に用いる反射板が入射光の偏光性
を保持しない場合には、右回りの円偏光から左回りの円
偏光への変換、またはこの逆の変換が効率的に行われな
くなり、暗表示の時に光が漏れ、コントラストが低下す
る原因となる。
【0008】偏光性を保持する反射部材としては平坦な
鏡面反射部材があるが、これでは明状態の時に周囲の情
報が表示に映り込む。従って、視認性が著しく低下する
という問題が生じるため、反射板には光拡散性を有する
ことが望ましい。しかし、このような拡散反射板は、偏
光性保持度を高くするとコントラストは高くなるが視野
角が狭くなる。
【0009】一方、偏光性保持度を低くして、散乱性を
大きくし、視野角を広くするとコントラストが極端に低
下する欠点があった。このように、完全な偏光性の保持
と拡散性を両立した特性を兼ね備える反射板を得ること
はできず、コントラストの高い、見易い表示は実現出来
なかった。
【0010】また、特開平7−28054号公報の反射
型液晶表示装置では、散乱の無い暗状態が実現される。
しかしながら、明状態の時には、偏光板で入射光の1/
2が吸収され、高分子分散層でランダムな偏光解消状態
となり、さらに、出射時に偏光板で1/2が吸収される
ため、結局明るさが1/4以下となってしまい、暗くな
るという欠点があった。
【0011】本発明の目的は、上述の技術的課題を解消
し、電圧の印加により吸収状態と散乱状態を制御できる
新しい液晶表示モードと異方性凹凸反射板を組み合わせ
て、視差がなく、視野角特性に優れ、明るい反射型液晶
表示装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本願請求項1記載の反射型液晶表示装置は、液晶素
子の光の入射側に少なくとも1枚の偏光子と、少なくと
も透明電極を形成した絶縁性基板と、光反射面が形成さ
れた光反射部材と、当該絶縁性基板と当該反射部材との
間に封入され、液晶分子と液晶性高分子とが共にツイス
ト配向された液晶層とを具備し、暗表示には直線偏光し
た入射光が入り、反射面では円偏光となり、反射後出射
面では入射光と90度偏波面が回転した直線偏光とな
り、明表示には直線偏光した入射光が入り、反射後出射
面では入射光と同方位の偏光成分のみ通過した散乱光と
なる反射型液晶表示装置において、前記光反射部材が凹
凸形状を有し、該凹凸形状が基板平面内の方位によって
平均凹凸周期が異なり、凹凸反射膜の凹凸周期が無いも
しくは長い方位と、前記上下基板の間でツイストした液
晶層の厚さ方向のほぼ1/2の位置にある液晶分子の長
軸方位とがほぼ直角であることを特徴とする。
【0013】さらに、本願請求項2記載の反射型液晶表
示装置は、前記液晶分子と液晶性高分子が共にツイスト
配向された液晶層のねじれ角が100度以内であること
を特徴とする。
【0014】また、本願請求項3記載の反射型液晶表示
装置は、前記液晶表示装置において、前記偏光板の透過
軸と入射側の液晶分子の配向方向とのなす角度をほぼ平
行に配置することを特徴とする。
【0015】本願請求項4記載の反射型液晶表示装置
は、前記偏光板の透過軸の方位と前記上下基板の間で、
前記液晶分子がツイストした液晶層の厚さ方向のほぼ1
/2の位置にある液晶分子の長軸方位とがほぼ同じであ
ることを特徴とする。
【0016】本願請求項5記載の反射型液晶表示装置
は、前記凹凸反射膜の凹凸周期が無いもしくは長い方位
が液晶表示装置のほぼ縦方向を向き、かつ、前記上下基
板の間でツイストした液晶層の厚さ方向のほぼ1/2の
位置にある液晶分子の長軸方位が液晶表示装置のほぼ横
方向を向いていることを特徴とする。
【0017】本願請求項6記載の反射型液晶表示装置
は、前記偏光子と液晶素子との間に、少なくとも1枚の
光学位相補償部材が配設されることを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施形態を図面
を用いて、具体的に説明する。 《実施形態1》第1の実施形態として、鏡面部分を含む
凹凸反射板を用いた液晶表示装置について、以下に説明
する。図2は、本発明の実施形態にかかる反射型液晶表
示装置51の断面図である。液晶表示装置51は、一対
の透明なガラス基板11、52を備え、ガラス基板11
上には所定の凹凸が形成され、その上にアルミニウム、
ニッケル、クロムあるいは銀などの金属材料からなる反
射金属膜16を蒸着し、反射板17を構成する。反射金
属膜16の上には、液晶層を配向させる配向膜53が形
成される。
【0019】前記ガラス基板11に対向するガラス基板
52の表面には、ITO(インジウムスズ酸化物)など
からなる透明電極54が形成される。反射金属膜16と
透明電極54とで液晶層55に電界が印加される。透明
電極54が形成されたガラス基板52を被覆して配向膜
56が形成され、相互に対向するガラス基板11、52
の周縁部は後述するシール材57で封止される。
【0020】配向膜53、56間は、液晶層55が40
度ツイスト配向となるようにラビング処理されている。
液晶層55は液晶58と液晶性高分子59から構成され
る。前記ガラス基板の液晶層52と反対側には、例え
ば、単体透過率48%の偏光板60を配置する。
【0021】図1は、本発明による液晶表示装置51に
おける反射板の凹凸(斜線部が凸部を示す)構造と液晶
層の液晶分子の向きの一例を示す模式図である。液晶分
子は液晶層の中で上基板と下基板の間でツイスト配向さ
れており、液晶層の厚さ方向の1/2の位置にある液晶
分子の長軸の向きは、液晶表示装置のほぼ横方向(90
度−270度の方位)を向いている。
【0022】他方、凹凸反射板は液晶表示装置のほぼ縦
方向(0度−180度の方位)に凹凸の周期が長く(も
しくは無く)なるように凹凸が形成されている。それゆ
え、基板間でツイスト配向した液晶層の厚さ方向の1/
2の位置にある液晶分子の長軸の向きと凹凸反射板の凹
凸周囲の長い(もしくは無い)方位とはほぼ直角となっ
ている。
【0023】ここで、図1を図2の液晶層が40度ツイ
スト配向となる場合に対比させて説明する。反射板17
の上には、液晶層55が挟持されているが、液晶分子は
上下基板が図1に示す軸に沿って配向処理されており、
液晶層の液晶分子はこの配向処理によりツイスト配向し
ている。そして、θ1=θ2=20度となるように、4
0度ツイスト配向しており、セルの厚さ方向に1/2の
位置にある液晶分子はφ=90度の方向を向いている。
このような液晶層に対して、その下の凹凸反射板は凹凸
周期の長い方位を、セルの厚さ方向に1/2の位置にあ
る液晶分子の長軸方向とほぼ直角となるように配置され
ている。その他の例として、液晶層が90度ツイスト配
向している場合は、θ1=θ2=45度となるように配
置されることとなる。本発明において、θ1とθ2はほ
ぼ等しければ良く、厳密に一致させる必要はない。
【0024】ここで、上記実施形態1での1度塗り反射
板の製造工程について、図3を用いて、詳しく説明す
る。図3(a)に示すように厚さ1.1mmのガラス
(商品名7059 コーニング社)基板11の一方の面
に、レジスト材料として例えばOFPR−800(東京
応化社製)を好ましくは500rpm〜3000rpm
でスピンコートする。本実施形態では1000rpmで
30秒塗布し、レジスト層12を4μm成膜した。次
に、図3(b)に示すように、90℃で30分プリベー
クした後、所定のパターンが形成されたフォトマスク1
3を配置し、露光、現像(NMD−3、2.38% 東
京応化社製 )を行い、図3(c)に示すように、表面
に微細な凹凸14を形成した。
【0025】ガラス基板11上の凹凸14を、好ましく
は120〜250℃で熱処理すると、図3(d)に示す
ように、角がとれてなめらかな凹凸面15が形成され
る。本実施形態では200℃30分熱処理を行った。更
に、図2(d)に示すように、凹凸部15を形成した基
板11上に金属薄膜16を形成した。金属薄膜としては
Al、Ni、Cr、Ag等を挙げることができる。金属
薄膜の厚さは、0.05〜0.5μm程度が適してい
る。本実施形態ではAgを真空蒸着することにより、金
属薄膜16を形成した。以上により反射板17を得た。
【0026】反射板の反射特性の測定方法を図4に示
す。反射板17を実際の液晶表示装置に用いた場合、反
射板17の表面と液晶層とが接するセル構成を想定し、
液晶層とガラス基板の屈折率はいずれも約1.5で等し
いので、反射板17の上にガラス基板11を屈折率1.
5のUV硬化接着剤4を用いて密着させて測定した。
【0027】図4に示すように、反射率特性の測定は、
反射板に入射する光のうち、反射散乱光をフォトマルチ
メーターで検出することにより行われる。反射板には、
その法線に対し角θ、反射板面内の回転角φをもって入
射光が入射する。フォトマルチメーターは、金属薄膜1
6上の入射光が照射される点を通る反射板17の法線の
方向に固定されている。入射光の入射角θと面内角度φ
を変えて入射光の金属薄膜16による散乱光の強度を測
定することにより、反射特性を得た。
【0028】本実施形態で用いた凹凸の形状は微細な楕
円、長方形、ストライプ状であり、それを反射板面内の
座標軸とともに図5(a)〜(c)に示す。尚、図中に
示す数値の単位はμmである。更に、この反射板の記号
に対応する反射特性を、図6(a)〜(c)に示す。
【0029】図6は法線に対して入射角θ=30°をも
って入射する光の反射強度を反射板面内の回転角φの関
数として示した。図6より、反射強度は表面に形成され
た微小な凹凸形状の直線の辺を持つ方向で、著しく大き
くすることができる、一方、凹凸形状が曲線的な面を持
てば面内回転角度φの反射強度依存性は少なくなること
がわかる。
【0030】さらに、感光性樹脂の種類や膜厚、熱処理
温度を適当に選択すると凹凸の傾斜角度を自由に制御す
ることができ、これにより反射強度の入射角θ依存性も
制御できることを確認している。また、抜きの部分(反
射板の凹部)の占める割合を変えることにより、正反射
成分の大きさをも制御することができる。
【0031】図7は、反射型液晶表示装置51を作成す
る手順を示す工程図である。工程a1では基板11の表
面上に反射膜が形成される。反射電極16は、例えば、
Al、Ag等の高反射率で低抵抗な金属部材をスパッタ
リング法や蒸着法により成膜されてなるものであるが、
偏光解消性を有しないようにするために、成膜温度、成
膜速度等を制御して、その表面が鏡面に形成されたもの
であることが必要である。また、その膜厚は十分な反射
率で且つ低抵抗となる範囲に設定される必要があり、
0.05〜0.5μm程度が好適である。この場合、反
射膜が液晶に電界を印加する電極と入射光を反射する反
射膜としての両方の機能を持っている。
【0032】工程a2では、前記反射膜17上にポリイ
ミド樹脂から成る配向膜53を形成しラビング処理され
る。基板11上に、ポリイミド樹脂膜を印刷法にて形成
し、200℃で1時間焼成する。例えば、液晶を基板に
平行に配向させるSE150(日産化学社製)を用い
た。これにより配向膜53が形成される。この後、液晶
層を配向させるためのラビング処理を行う。
【0033】工程a3では基板52の表面に透明電極5
4が形成される。本実施形態ではITO(インジウムス
ズ酸化物)などからなる透明電極54をスパッタリング
法により形成される。
【0034】工程a4では、前記透明電極54上に配向
膜56が形成される。配向膜56は、前記工程a2と同
様にして形成される。上下基板11と52の間で一例と
して40度ツイスト配向させるようにラビング処理方向
が定められる。
【0035】工程a5では、基板11と基板52とが貼
合わせられる。基板11と基板52とを組み合わせるに
際して、基板11、52間に直径3μmのスペーサを散
布し、液晶層の層厚を固定する。前記液晶層55は、ガ
ラス基板11と52とを対向して、前記シール材57で
貼り合わせる。
【0036】工程a6では、液晶58とUVキュアラブ
ル液晶を重量比90:10で混合し、工程a5にて作製
されたセル厚3μmのセルに真空注入した。液晶・高分
子複合層55には、誘電異方性Δεが正であるネマティ
ック液晶58、例としてメルクジャパン社製、商品名Z
LI−1557Δn=0.12を用いた。これに混合す
る液晶性高分子材料として重合する前のUVキュアラブ
ル液晶を用いた。このUVキュアラブル液晶は常温で液
晶層を示し、通常の液晶材料と同じく配向し、紫外線を
照射することで液晶分子の配列を保持したまま重合硬化
し、液晶性高分子59となる。以降、UV照射前がUV
キュアラブル液晶、UV照射後を液晶性高分子と呼ぶ。
【0037】工程a7では、強度10mW/cm2の紫
外線を300秒照射し、UVキュアラブル液晶のみ硬化
させ液晶・高分子複合層55を作製した。ネマティック
液晶のツイスト角は40度、液晶の複屈折と液晶層厚の
積(以下、△ndと略する)は0.360μmである。
液晶とUVキュアラブル液晶の異常光屈折率と 常光屈
折率は同程度のものを選択している。ただし、作製条件
によっては、異なる屈折率を用いてもほぼ同様な効果が
発揮されることを確認している。工程a8では、基板5
2に偏光板60を貼りつけ、反射型液晶表示装置51を
作製した。
【0038】ここで、このように作製された反射型液晶
表示装置における偏光板、液晶層の光学的配置を図8に
示すように規定する。なお、図8は反射型液晶表示装置
を図1の上方向から観察した図である。すなわち、液晶
・高分子複合層55における上部基板3側の液晶分子の
配向方向をR1とし、偏光板の透過軸の軸方向P0が前
記配向方向R1から反時計回りに成る角度をβとする。
また、配向方向R1(矢印の方向がラビング方向)と反
射面16の液晶分子R2(矢印の方向がラビング方向)
とのねじれ角を反時計回りを正としてψとする。本実施
形態ではβを20度、ψを40度に設定してある。
【0039】次に動作させる回路について図9を基に説
明する。前記反射金属膜16および透明電極54には、
走査回路16およびデータ回路17の一方が、それぞれ
接続される。走査回路91およびデータ回路92は、マ
イクロプロセッサなどの制御回路93の制御により、表
示内容に対応する表示データに基づいて反射金属膜16
および透明電極54に信号を送り表示を実現する。
【0040】図10は、本実施形態の液晶表示装置51
の電圧/反射率特性である。図11(a)、(b)乃至
図13(a)、(b)は、本実施形態の液晶表示装置5
1の反射特性を示すグラフである。図11は図5(a)
に示す反射板、図12は図5(b)に示す反射板、図1
3は図5(c)に示す反射板での測定結果である。図1
1乃至図13の(a)は液晶表示装置51の法線方向に
対して、角度30度だけ傾斜した光を入射させて前記法
線方向の反射率を測定した。他方、図11乃至図13の
(b)における測定は、同様にφ=0の方位から液晶表
示装置51の法線方向に対して角度30度だけ傾斜した
光を入射させ、受光角を0〜60度まで変動させながら
測定した。なお、このときの反射率とコントラスト比を
決定するための基準となる部材としてアルミナの標準白
色板を用いた。
【0041】図10乃至図13に示した実験結果によれ
ば、本実施形態ではあらゆる方位から入射する光を効率
的に利用できるため、照明の環境を選ばずに明るい表示
が得られるようになり、表示の視野角も十分であった。
例えば、ストライプ状の凹凸を有する図5(a)の反射
板と前述の高分子分散液晶層を組み合わせた液晶表示装
置では、図10、図11に示すように反射率は最大50
%であり、最大コントラスト比は90であった(液晶表
示装置51の法線方向に関して角度30度だけ傾斜した
方向から入射した光に対する値)。
【0042】即ち、本発明による反射型液晶表示装置の
反射板の設定を用い、さらに、表面凹凸の形や縦と横の
ピッチの比率及びその形状を変えることにより、反射板
の反射強度を再現性よく自由に制御することができ、さ
らに、所望の角度で反射光を取り出すために有効である
ことがわかる。
【0043】図14は本実施形態の液晶表示装置51の
動作を説明する図であり、説明の便宜のため、液晶表示
装置51を分解して示す。偏光板60を透過した直線偏
光が上下の基板間で40度ツイストした液晶・高分子複
合層55に入射する。この直線偏光は液晶・高分子複合
層を通過することによって、反射面では円偏光に変換さ
れ、さらに反射板17で反射されることによって、逆回
りの円偏光となる。続いて、再び液晶・高分子複合層5
5を通過することによって、偏波面が90度変換した直
線偏光となり、偏光板60によって吸収される。このた
め、反射型液晶表示装置51の表示は散乱のない黒色表
示となる。本実施形態で用いている反射板は偏光状態を
保存するので、良好な黒状態が得られる。このような偏
光の変化を生じるのは限られた条件の下であり、これに
ついてはJAPAN DISPAY'89 P.192に詳しく報告されてい
る。
【0044】この液晶層55に求められる光学的な性質
は、電圧無印加時は直線偏光の入射に対し、通過後円偏
光となること、反射面で位相が180度シフトし、液晶
層を再び通過した時に90度偏波面が回転していること
の2つである。本発明者らは、鋭意検討した結果、液晶
とUVキュアラブル液晶マトリックスの混合系でも上記
条件を満たすことを確認した。
【0045】一方、電圧印加時、液晶のみは電極に対し
て垂直に配向されるために、液晶の屈折率は常光屈折率
に近い値となってUVキュアラブル液晶との屈折率差が
大きくなり、散乱状態となるがその散乱光は偏光保持す
る。そのため、散乱光のほとんどは偏光子60を通過で
き、本装置の表示状態はいわゆる明状態となる。一方硬
化した液晶性高分子59は電圧に応答しない。この明状
態においては、液晶層55は白色散乱状態であるので、
周囲からのいわゆる映り込みが生じる可能性は小さく、
いわゆる視認性を低下させることが殆どないようになっ
ている。
【0046】本実施形態の場合は40度ツイストさせた
高分子分散液晶層を用いているので、0度と180度の
方位から入射する光はこの高分子分散液晶層によって効
率よく散乱され、−90度と90度の方位から入射する
光はその下の凹凸反射板によって効率よく散乱される。
この模式図を図15に示す。従って、この反射型液晶表
示装置によればあらゆる方位から入射する光を効率的に
利用できるため、照明の環境を選ばずに明るい表示が得
られるようになる。
【0047】高分子分散液晶層の非散乱光と散乱光の割
合は、液晶とUVキュアラブル液晶の混合比あるいは両
者の屈折率差により制御が可能であるし、反射板の散乱
特性は表面凹凸の形や縦と横のピッチの比率及びその形
状を変えることにより、自由に制御することができる。
【0048】尚、上記実施形態では凹凸の形状は図5
(a)〜(c)に示したものを用い、ピッチが38〜5
3μm、高さが2μmの場合について述べたが、該ピッ
チが100μm以内、高さが3μm以内であれば本実施
形態と同様に反射特性を制御できることを確認してい
る。さらに、本実施形態のように反射板上の金属薄膜が
液晶層側、即ち液晶層にほぼ隣接する位置に配置されて
いる構成とした場合には、凹凸部の凸部の高さはセル厚
よりも小さく、凹凸の傾斜角度は液晶の配向を乱さない
程度に緩やかにするのが望ましい。
【0049】また、上記実施形態ではレジスト材料とし
てOFPR−800(東京応化社製)を用いたが、これ
に限られるものでなく、ネガ型、ポジ型にとらわれず露
光プロセスを用いてパターニングできる感光性の樹脂で
あれば使用可能である。
【0050】例を挙げると、OMR−83、OMR−8
5、ONNR−20、OFPR−2,OFPR−83
0、OFPR−5000(以上 東京応化社製)、TF
−20、1300−27、1400−27(以上 sh
ipley社製)、フォトニース(東レ社製)、RW1
01(積水ファインケミカル社製)、R101、R63
3(以上 日本化薬社製)等のものである。
【0051】さらに基板としては、本実施形態ではガラ
ス基板を用いたがSi基板のような不透明基板でも同様
な効果が発揮され、この場合には回路を基板上に集積で
きるメリットがある。
【0052】また、本実施形態の反射型液晶表示装置で
は、反射板17の金属薄膜16を形成した面が、液晶層
側に配されているので視差がなくなり、良好な表示画面
が得られる。また、本実施形態では反射板17の金属薄
膜16が対向電極としても機能しているので、表示装置
の作製方法が簡略化される。
【0053】《実施形態2》次に、ピッチが異なり、滑
らかな凹凸を有する反射板(2度塗り)を用いた第2の
実施形態について示す。本実施形態の反射型液晶表示装
置161の断面図を図16に示す。反射型液晶表示装置
161は、第1の実施形態である反射型液晶表示装置5
1とほぼ同じように構成されるが、基板11になめらか
な凹凸を形成することを特徴とする。液晶表示装置16
1は、一対の透明なガラス基板11、52を備え、ガラ
ス基板11上には後述する合成樹脂材料からなるストラ
イプ状の大突起162および小突起163がそれぞれ形
成される。突起162、163のストライプ幅D1、D
2は、例として30μmおよび15μmに定められ、こ
れらの間隔D3は例として少なくとも2μm以上に定め
られる。
【0054】これらの突起162、163を被覆し、突
起162、163の間の凹所を埋めて平滑化膜164が
形成される。平滑化膜164の表面は、突起162、1
63の影響を受け、滑らかな曲面状に形成される。平滑
化膜164上にはアルミニウム、ニッケル、クロムある
いは銀などの金属材料からなる反射金属膜16が形成さ
れる。これらガラス基板11に突起162、163と平
滑化膜164および反射金属膜16が、光反射部材であ
る反射板165を構成する。前記反射金属膜16上に
は、配向膜53が形成される。
【0055】前記ガラス基板11に対向するガラス基板
52の表面には、ITO(インジウムスズ酸化物)など
からなる透明電極54が形成される。反射金属膜16と
透明電極54とで電 極構造が形成されている。透明電
極54が形成されたガ ラス基板52を被覆して配向膜
56が形成され、相互に対向するガラス基板11、52
の周縁部は後述するシール材57で封止される。配向膜
53、56間には、実施形態1と同じ構成の液晶・高分
子複合層55を封入する。前記ガラス基板52の液晶・
高分子複合層55と反対側には、単体透過率48%の偏
光板60を配置する。
【0056】図17は図16に示す反射板165の製造
工程を説明する断面図である。ガラス基板は11(コー
ニング社製、商品名7059)を用いた。図17(a)
に示すように、ガラス基板11上に、例として東京応化
社製、商品名OFPR−800などの感光性樹脂材料
を、500rpm〜3000rpmでスピンコートし、
レジスト層12を形成する。本実施形態では、好適には
2500rpmで30秒間スピンコートし、厚さ1.5
μmのレジスト層12を成膜する。
【0057】次に、レジスト膜12が成膜されたガラス
基板11を90℃で30分間焼成し、次に図17(b)
に示すように、ストライプ状のパターンが形成されたフ
ォトマスク13を配置して露光し、例として東京応化社
製、商品名NMD−3の2.38%溶液からなる現像液
で現像を行い、図17(c)に示すように、ガラス基板
11の表面に、高さの異なる大突起162−1および小
突起163−1を形成した。高さの異なる2種類以上の
突起を形成する理由は、突起の頂上と谷とで反射した光
の干渉による反射光の色付きを防ぐためである。
【0058】前記フォトマスク13は、例えば、ストラ
イプ幅5μmと、ストライプ幅3μmのストライプが交
互に配置された構成であり、各ストライプの間隔は少な
くとも2μm以上であるように選ばれる。図17(c)
の製造段階のガラス基板11を、200℃で1時間加熱
し、図17(d)に示されるように突起162、163
の頂部を若干程度溶融して円弧状に形成した。
【0059】さらに、図17(e)に示すように、図1
7(d)の製造段階のガラス基板11上に、前記感光性
樹脂材料と同一の材料を1000rpm〜3000rp
mでスピンコートする。本実施形態では好適には200
0rpmでスピンコートする。これにより、各突起16
2、163の間の凹所が埋められ、形成された平滑化膜
164の表面を比較的緩やかでかつ滑らかな曲面状に形
成することができる。
【0060】さらに、図17(f)に示すように、平滑
化膜164の表面にアルミニウム、ニッケル、クロムあ
るいは銀などの金属薄膜の膜厚を例として0.01〜
1.0μm程度に形成する。本実施形態ではアルミニウ
ムをスパッタリングして、反射金属膜16を形成する。
以上のようにして反射部材165を形成する。本実施形
態で用いたマスクのパターンを図18に、その反射特性
を図19に示した。
【0061】次に、各ガラス基板11、52上に、ポリ
イミド樹脂膜を形成し、200℃で1時間焼成する。こ
の後、液晶高分子複合層55を配向させるためのラビン
グ処理を行う。これにより配向膜53、56が形成され
る。これらのガラス基板11、52間を封止するシール
材57は、例えば、直径3.5μmのスペーサを混入し
た接着性シール材をスクリーン印刷することによって形
成される。
【0062】このようにして形成される反射板165
と、前記透明電極54および配向膜56が形成されたガ
ラス基板3とを組み合わせるに際して、ガラス基板1
1、52間に直径3μmのスペーサを散布し、液晶層の
層厚を固定する。前記液晶高分子複合層55は実施形態
1と同じ構成の材料を適用した。この後、紫外線照射を
行い、液晶と液晶性高分子の相分離を行う。その際、液
晶表示装置161において、液晶分子は液晶層の中で上
基板と下基板の間でツイスト配向されており、液晶層の
厚さ方向の1/2の位置にある液晶分子の長軸の向き
は、液晶表示装置のほぼ横方向(90度−270度の方
位)を向いている。他方、凹凸反射板は液晶表示装置の
ほぼ縦方向(0度−180度の方位)に凹凸の周期が長
く(もしくは無く)なるように凹凸が形成されている。
それゆえ、基板間でツイスト配向した液晶層の厚さ方向
の1/2の位置にある液晶分子の長軸の向きと凹凸反射
板の凹凸周囲の長い(もしくは無い)方位とはほぼ直角
となっている。この液晶表示装置の反射特性を図20
(a)、(b)に示した。測定の光学系は実施形態1と
同一である。
【0063】本実施形態による実験結果によれば、電圧
印加時の法線方向の反射率は最大50%であり、最大コ
ントラスト比は60であった。このときの反射率とコン
トラスト比を決定するための基準となる部材としてアル
ミナの標準白色板を用いた。ここで、実施形態1と液晶
層55の動作原理は同じである。本実施形態の場合、反
射膜の散乱性に加えて、液晶層の散乱も表示の明るさに
寄与するため、凹凸の高さを0.5ミクロン以下と従来
の反射板よりも高さを小さくできる。実施形態1と比較
すると最大コントラストは低くなるものの、どの方位か
ら光を入射させても15%を超えており、視野角が広く
なるメリットがあることが分かる。
【0064】本実施形態の反射型液晶表示装置161で
は、反射板165の反射金属膜16を形成した面が液晶
層55側に配置されているので、液晶表示装置161を
観測する場合の視差が解消され、良好な表示画面が得ら
れる。さらに液晶表示装置161がアクティブマトリク
ス駆動される構成の場合に、スイッチング素子として用
いられる薄膜トランジスタやMIM(金属−絶縁膜−金
属)構造の非線形素子などに接続される絵素電極として
用いられる場合も、前述したように良好な表示品位が実
現できることが確認されている。
【0065】《実施形態3》次に、単純マトリクス駆動
の反射型液晶表示装置について、第3の実施形態とし
て、以下に説明する。ガラス基板11、52の間で19
3度ツイストしたネマティック液晶(例としてチッソ株
式会社製、商品名SD−4107)を液晶層として用い
た。他の構成は図1と同様とした。
【0066】基板11、52の表面にSE−150(日
産化学社製)からなる配向膜53、56をそれぞれ形成
し、ラビング配向処理を行う。両基板11、52間に左
ねじれカイラル剤S−811(メルクジャパン社製)を
適量添加した誘電異方性が正のネマティック液晶58
(商品名SD−4107チッソ株式会社製)とUVキュ
アラブル液晶からなる液晶層を充填し、層厚3.0μm
の液晶・高分子複合層55として挟持し、本発明の駆動
用液晶装置を作製した。液晶層55は電圧無印加時には
左ねじれ193度ツイスト配向になる。
【0067】このようにして得た液晶表示素子を1/4
80デューティでマルチプレックス駆動したところ、ノ
ーマリーブラックモードとなり、正面でコントラスト比
が30対1が得られ、また、上下方向、左右方向ともに
入射角20°以下にてコントラスト比が5対1以上と極
めて広い視角依存性が得られた。
【0068】このような構成によれば、電気光学特性の
急峻性が増加し、単純マトリックス駆動が可能となっ
た。実施形態1と同様な原理により、散乱無しの暗状態
と散乱状態の明状態が実現される。また、印加電圧が選
択画素に該当する電圧にて反射率を測定したところ、1
32%と極めて高い反射率であることがわかった。
【0069】《実施形態4》第4の実施形態として、ガ
ラス基板11、52の間で45度ツイストしたネマティ
ック液晶(例えばチッソ株式会社製、商品名SP−49
66)を液晶層として用い、セル厚を3.0μmにした
場合を示す。他の構成要素は、図1に示す構成と同様な
構成を用いた。
【0070】基板11、52の表面にSE−150(日
産化学社製)からなる配向膜53、56をそれぞれ形成
し、ラビング配向処理を行う。両基板11、52間に左
ねじれカイラル剤S−811(メルクジャパン社製)を
適量添加した誘電異方性が正のネマティック液晶58
(商品名SP−4966チッソ石油化学株式会社製)と
UVキュアラブル液晶からなる液晶層を充填し、液晶層
厚3μmの液晶層55として挟持し、本発明の駆動用液
晶表示装置51を作製した。
【0071】液晶・高分子複合層55は電圧無印加時に
は左ねじれ45度ツイスト配向になる。本実施形態では
図8示す光学配置図においてβを22.5度、ψを45
度に設定してある。
【0072】このようにして得た液晶表示素子を図4に
示す光学系を用いて、面内方向の明状態の反射率を測定
した。すると、上基板のラビング方向R1+90度+液
晶層のツイスト角/2の方位で明るさが最大になること
がわかった。本実施形態においては、液晶層のツイスト
角は45度であるので、R1+112.5度の方位で最
も明るい表示が得られた。
【0073】この方向で駆動したところ、ノーマリーブ
ラック表示となり、正面でコントラスト比が30対1が
得られた。実施形態1と同様の原理により、散乱無しの
暗状態と散乱状態の明状態が実現された。
【0074】《実施形態5》次に、上記実施形態1に光
学位相差補償板を挿入した反射型液晶表示装置を実施形
態5として、以下に説明する。図21に示すように、ガ
ラス基板11、52の間で80度から95度ツイストし
たネマティック液晶(例としてチッソ株式会社製、商品
名SP−4966)とUVキュアラブル液晶を液晶層と
して用い、偏光板と液晶層の間に光学補償板212を挿
入し、反射型液晶表示装置211を作製した。その他の
構成は実施形態1と同じである。
【0075】両基板11、52間に左ねじれカイラル剤
S−811(メルクジャパン社製)を適量添加した誘電
異方性が正のネマティック液晶(メルクジャパン社製、
ZLI−3103、Δn=0.07)とUVキュアラブ
ル液晶を90:10の重量比で混合し、液晶組成物を充
填し、層厚3μmとして挟持した。その後、紫外線を照
射し、液晶と液晶性ポリマーを相分離して本発明の液晶
層55を作製した。本実施形態では、例えば、液晶層5
5は左ねじれ80度ツイストまたは95度ツイスト構成
である。液晶層の作製方法は実施形態1と同じである。
【0076】こうして得た駆動セルの上基板52上にポ
リカーボネイトを一定方向に延伸して延伸軸(遅相軸)
とした位相差板212(R=160nm及び150n
m)を組み合わせて、本発明の液晶表示素子211を作
製した。
【0077】80度ツイストまたは95度ツイストの構
成の場合の液晶層の条件を、以下の条件A、Bに示す。
ここで、このように構成された液晶表示装置における偏
光板、光学位相補償フィルム、液晶層の光学的構成を図
22に示すように調整する。ただし、γは液晶表示装置
を上から見て、光学位相補償フィルムの遅相軸方向Sが
偏光板の透過軸P0に対して反時計回り方向になす角度
とする。
【0078】 図23は、上記反射型液晶表示装置の80度ツイストの
場合(条件A)の電圧無印加時および電圧印加時の正面
方向の分光特性を示すグラフである。光学補償フィルム
を挿入することにより、暗表示時の短波長及び長波長側
の反射が小さくなり、コントラストの高い良好な表示が
実現できた。
【0079】本実施形態では光学補償板212としてポ
リカーボネイト製の延伸フィルムを用いたが、本発明は
これに限定されるものではなく、例としてポリビニルア
ルコール(PVA)あるいはポリメチルメタアクリレー
ト(PMMA)などの延伸フィルムも使用することがで
きる。さらに、厚さ方向に屈折率を変化させた2軸性フ
ィルム、あるいは高分子液晶フィルムも本発明に適用可
能である。このようにして得た液晶表示素子をスタティ
ック駆動したところ、ノーマリーブラックモードとな
り、正面でコントラスト比が100対1が得られた。
【0080】本実施形態の反射型液晶表示装置211で
は、反射板の反射金属膜16を形成した面が液晶層55
側に配置されているので、液晶表示装置211を観測す
る場合の視差が解消され、良好な表示画面が得られる。
【0081】また、本実施形態では、液晶・高分子複合
層55に80度ツイストおよび95度ツイストした液晶
とそれぞれに適した光学位相差補償フィルムを用いた
が、本発明はこれに限定されるものではなく、どのよう
なツイスト角の液晶材料であっても、電界によりリター
デーションを制御できる特性を有する液晶層であればい
ずれも本発明に実施可能である。
【0082】また、本実施形態におけるポリカーボネー
ト位相差板72のかわりに、液晶分子をスプレイ状に配
列させたネマティック補償用液晶セルを位相差板として
用いて本発明の液晶表示素子を作製してもよい。ここで
用いた補償用液晶セルはガラスの上下基板にSiOを斜
方蒸着して配向膜としたもので、上下基板のプレチルト
角はともに45度であり、上下基板のチルト方向(基板
平面方向)は、上下で180度異ならせており、ここ
に、液晶層として誘電異方性が正のネマティック液晶で
あるZLI−2293(メルクジャパン製)を挟持した
ものである。液晶層厚は約3μmである。
【0083】また、この補償用液晶セルのセル法線方向
に対するリタデーション値を干渉法を用いて測定したと
ころ、160nmであった。また、この補償用液晶セ
ル、液晶分子のチルト方位(基板平面方位)が図22に
おける位相差板の遅延軸と等しい方向になるように配置
した。また、液晶性高分子をツイスト配向させたフィル
ムも本発明に適用可能である。
【0084】《実施形態6》反射型液晶表示装置にカラ
ーフィルター層を形成した第6の実施形態について、以
下に説明する。図24は本発明の反射型液晶表示装置2
41の断面図を示す。反射型液晶表示装置241は、第
1の実施形態である反射型液晶表示装置51とほぼ同じ
ように構成されるが、ガラス基板11の反射膜16の上
に赤、緑、青の光を透過する顔料分散方式のカラーフィ
ルター層242を形成することを特徴とする。
【0085】カラーフィルター層242は図に示すよう
に赤のカラーフィルター、緑のカラーフィルター及び青
のカラーフィルターがそれぞれ1絵素中の単一のドット
に対応し、その間にブラックマトリックス243が並置
されている。
【0086】本実施形態では赤、緑、青のカラーフィル
ターが一例としてストライプ状に配列している。カラー
フィルター層242の上に平坦化膜244を形成し、そ
の上に透明電極245を形成し、表示電極とした。液晶
・高分子複合層55には実施形態1と同じ構成を用い
た。本実施形態ではカラーフィルター層242の一例と
して顔料分散法を適用し、以下のようにして作製した。
まず、透明な感光性樹脂の中に赤色の顔料が均一に分散
された感光性着色レジストをガラス基板2上の反射面7
が形成された上に塗布した。本実施形態として、富士ハ
ントエレクトロニクステクノロジー(株)社製のCR2
000をスピンコート法により650rpmで2.0μ
m形成した。その後、80℃でプリベークし、所定のマ
スクを用いて露光、現像し、最後に220度で30分ベ
ークし赤のパターンを形成した。
【0087】さらに、富士ハントエレクトロニクステク
ノロジー(株)社製のCG2000,CB2000,C
K2000を同じプロセスにて、緑、青、黒のパターン
を形成し、カラーフィルター層232を形成した。
【0088】本実施形態によると、一方の基板にカラー
フィルタ層を形成することにより、色再現性範囲の広い
マルチカラーあるいはフルカラー表示が可能となる。図
25は本実施形態に従って作製した反射型液晶表示装置
のRGB各色の色度座標を示した図である。図25によ
れば、本実施形態にょる反射型液晶表示装置では、色再
現領域も十分に広く、かつ、コントラストも10以上の
良好なカラー表示が可能であることがわかる。
【0089】また、本実施形態では吸収型のカラーフィ
ルターの例を記載したが、反射面16の代わりに光反射
タイプのカラーフィルターとして有機の体積ホログラム
光学カラーフィルターあるいは無機ダイクロイックミラ
ーの本発明への適用は可能である。ただし、この場合に
は光反射タイプのカラーフィルターの背面に吸収層を設
けることが必要である。また、光吸収型のカラーフィル
ター242を上基板52に形成した構成にしても同様な
効果が発揮されることを確認している。
【0090】
【発明の効果】以上、述べたように、本発明によれば、
1枚の偏光板と反射膜の間に挟持された液晶層に液晶と
液晶性高分子の複合体を用い、異方性の反射板と組み合
わせて構成することにより、明状態における高分子分散
液晶の白濁状態により、周囲のいわゆる映り込みを生ず
ることがなく、視差がなく、その上、視野角が広く、着
色がない十分な明るさを有する反射型液晶表示装置を得
ることができる。
【0091】また、駆動電圧が比較的低く、バックライ
トが不要であるので、バックライトを備えた液晶表示装
置と比較して低消費電力で且つ視認性に優れるという効
果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】反射板の凹凸構造と液晶層の液晶分子の向きの
説明図である。
【図2】本発明における反射型液晶表示装置51の断面
図である。
【図3】反射型液晶表示装置51で用いた凹凸反射膜の
作製工程図である。
【図4】反射型液晶表示装置51の光学特性測定方法の
説明図である。
【図5】反射型液晶表示装置51で用いた反射板に形成
される(a)、(b)、(c)3種類の凸部の形状図で
ある。
【図6】図5(a)、(b)、(c)に示す3種類の反
射板の反射特性図である。
【図7】反射型液晶表示装置51の作製工程図である。
【図8】反射型液晶表示装置51の光学的配置の説明図
である。
【図9】反射型液晶表示装置51の駆動システムの説明
図である。
【図10】反射型液晶表示装置51の印加電圧−反射率
特性図である。
【図11】図5(a)に示す反射板による反射型液晶表
示装置51の反射率の入射方位角依存性の説明図(a)
および反射率の受光角依存性の説明図(b)である。
【図12】図5(b)に示す反射板による反射型液晶表
示装置51の反射率の入射方位角依存性の説明図(a)
および反射率の受光角依存性の説明図(b)である。
【図13】図5(c)に示す反射板による反射型液晶表
示装置51の反射率の入射方位角依存性の説明図(a)
および受光角依存性の説明図(b)である。
【図14】反射型液晶表示装置51の表示動作の説明図
である。
【図15】本発明による反射型液晶表示装置51の表示
原理説明図である。
【図16】実施形態2の反射型液晶表示装置161の断
面図である。
【図17】反射型液晶表示装置161の凹凸反射膜の作
製行程図である。
【図18】反射型液晶表示装置161で用いた反射板に
形成される凸部形状説明図である。
【図19】反射型液晶表示装置161で用いた反射板の
反射特性図である。
【図20】反射型液晶表示装置161の反射特性の入射
方位角依存性の説明図(a)および受光角依存性の説明
図(b)である。
【図21】実施形態5の反射型液晶表示装置211の断
面図である。
【図22】反射型液晶表示装置211の光学的配置の説
明図である。
【図23】液晶表示装置211の反射スペクトルを示す
特性図である。
【図24】実施形態6の反射型液晶表示装置241の断
面図である。
【図25】反射型液晶表示装置241で得られたカラー
表示の色度座標特性図である。
【符号の説明】
11、52 ガラス基板 12 レジスト 13 フォトマスク 14 凹凸 15 なめらかな凹凸 16 金属薄膜電極 17、145 反射板 51、161、211、241 反射型液晶表示装置 53、56 配向膜 54 透明電極 55 液晶層 57 シール材 58 液晶 59 液晶性高分子 60 偏光板 91 走査回路 92 データ回路 93 制御回路 162、163 突起 164 平滑化膜 212 光学補償板 242 カラーフィルター層 243 ブラックマトリックス 244 平坦化膜 245 透明電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平木 肇 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 Fターム(参考) 2H042 BA03 BA15 BA20 2H089 HA02 HA04 JA04 KA04 KA08 QA16 SA04 SA07 TA04 2H091 FA08X FA08Z FA11X FA11Z FA14Y FA16Y FB08 FC02 FD09 GA02 GA06 GA09 JA01 JA02 KA02 KA03 LA03 LA16 LA19

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液晶素子の光の入射側に少なくとも1枚
    の偏光子と、少なくとも透明電極を形成した絶縁性基板
    と、光反射面が形成された光反射部材と、当該絶縁性基
    板と当該反射部材との間に封入され、液晶分子と液晶性
    高分子とが共にツイスト配向された液晶層とを具備した
    反射型液晶表示装置であって、暗表示には直線偏光した
    入射光が入り、反射面では円偏光となり、反射後出射面
    では入射光と90度偏波面が回転した直線偏光となり、
    明表示には直線偏光した入射光が入り、反射後出射面で
    は入射光と同方位の偏光成分のみ通過した散乱光となる
    反射型液晶表示装置において、前記光反射部材が凹凸形
    状を有し、該凹凸形状が基板平面内の方位によって平均
    凹凸周期が異なり、凹凸反射膜の凹凸周期が無いもしく
    は長い方位と、前記上下基板の間でツイストした液晶層
    の厚さ方向のほぼ1/2の位置にある液晶分子の長軸方
    位とがほぼ直角であることを特徴とする反射型液晶表示
    装置。
  2. 【請求項2】 前記液晶分子と液晶性高分子が共にツイ
    スト配向された液晶層のねじれ角が100度以内である
    ことを特徴とする請求項1記載の反射型液晶表示装置。
  3. 【請求項3】 前記偏光板の透過軸と入射側の液晶分子
    の配向方向とのなす角度をほぼ平行に配置することを特
    徴とする請求項1または2記載の反射型液晶表示装置。
  4. 【請求項4】 前記偏光板の透過軸の方位と前記上下基
    板の間で、前記液晶分子がツイストした液晶層の厚さ方
    向のほぼ1/2の位置にある液晶分子の長軸方位とがほ
    ぼ同じであることを特徴とする請求項1または2記載の
    反射型液晶表示装置。
  5. 【請求項5】 前記凹凸反射膜の凹凸周期が無いもしく
    は長い方位が液晶表示装置のほぼ縦方向を向き、かつ、
    前記上下基板の間でツイストした液晶層の厚さ方向のほ
    ぼ1/2の位置にある液晶分子の長軸方位が液晶表示装
    置のほぼ横方向を向いていることを特徴とする請求項1
    乃至4記載の反射型液晶表示装置。
  6. 【請求項6】 前記偏光子と液晶素子との間に、少なく
    とも1枚の光学位相補償部材が配設されることを特徴と
    する請求項1乃至5記載の反射型液晶表示装置。
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