JP2000022130A - 半導体量子ドット素子の作製方法 - Google Patents

半導体量子ドット素子の作製方法

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JP2000022130A
JP2000022130A JP10187085A JP18708598A JP2000022130A JP 2000022130 A JP2000022130 A JP 2000022130A JP 10187085 A JP10187085 A JP 10187085A JP 18708598 A JP18708598 A JP 18708598A JP 2000022130 A JP2000022130 A JP 2000022130A
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Taketeru Mukai
剛輝 向井
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Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 半導体量子ドット素子の作製方法に関し、均
一性が高い半導体量子ドットを高個数密度で作製する。 【解決手段】 化合物半導体量子ドット9を気相成長す
る際に、化合物半導体を構成する一方の族の原料2と他
方の族の原料3を同時に成長下地半導体1の表面に供給
したのち、化合物半導体を構成する一方の族の原料2,
6と他方の族の原料3とを別々に交互に供給する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体量子ドット素
子の作製方法に関するものであり、特に、均一性の高い
半導体量子ドット構造を高密度に作製するための原料供
給方法に特徴のある半導体量子ドット素子の作製方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年の半導体プロセスの進歩に伴い、ナ
ノスケールの成長技術・微細加工技術が半導体装置の作
製に利用されるようになり、このナノスケールの成長技
術・微細加工技術によって半導体装置の集積度の向上は
もとより、量子力学的効果を利用した半導体装置、例え
ば、HBT(ヘテロ接合バイポーラトランジスタ)や歪
量子井戸半導体レーザ等が実用化されている。
【0003】この様な量子力学的効果を利用した半導体
装置、例えば、一次元量子井戸構造半導体レーザにおい
ても、多くの電子が移動するために生ずる発熱に起因す
る発振しきい値やしきい値の温度特性の改善の限界が指
摘されており、この問題を解決するための方法の一つと
して量子力学的効果を利用した究極の構造として3次元
量子井戸構造である量子箱(QWB:Quantum
Well Box)、即ち、量子ドットの採用が提案さ
れている。
【0004】この他にも、ホールバーニング効果を応用
した量子ドットメモリが提案されるなど、近年、新しい
構造を用いた新しい次世代の半導体素子を作る研究が精
力的に行われている。
【0005】この量子ドットは、キャリアに3次元的な
量子閉じ込めを与えるほど極微細なポテンシャルの箱で
あり、この量子ドットにおいてはキャリアの状態関数密
度はデルタ関数的に離散化し、その基底準位には2個の
キャリア、例えば、伝導帯においては2個の電子しか存
在することができず、また、励起準位にはその準位の次
数に応じて複数個の電子が存在することができる。
【0006】この量子ドットの持つ原子レベルの小さな
サイズは、電子デバイスの微細化を極限まで推し進める
ものであり、そこで実現される量子ドット固有の量子力
学的効果は、新しい機能素子の開発を促し得るものであ
り、例えば、量子ドットを半導体レーザの活性領域とし
て用いることで、電子・正孔と光との相互作用を極限ま
で効率化できるメリットがあり、次世代素子技術として
の期待が大きいものである。
【0007】この様な半導体量子ドット構造を作製する
ために、各種の技術が提案されており、まず、微細加工
技術開発の延長線上にある人為的に加工精度を向上させ
たものとしては、電子線を用いたリソグラフィーによる
方法、マスクパターンを利用して選択成長させたピラミ
ッド型の結晶の頂部を量子ドット構造とする方法、マス
クパターンを利用したエッチングによって形成された正
4面体状の凹部の底に量子ドット構造を作製する方法
(必要ならば、特願平7−65492号参照)、微傾斜
基板上における成長初期の横方向成長を利用する方法、
或いは、STM(Scanning Tunnel M
icroscope)技術を応用した原子マニュピレー
ションの方法等がある。
【0008】これらの方法は、人為的に加工するという
共通の特徴の故に、量子ドットの大きさ(サイズ)やそ
の形成位置を任意に制御できるという利点を有している
が、量子ドットの個数密度は微細加工技術の限界を越え
ることができず、また、均一性は加工精度の限界から極
めて低いものであった。
【0009】この様な限界を解決するブレークスルーと
なる新しい技術として、量子ドットを自己形成させる方
法が見いだされ、具体的には、格子不整合の半導体をあ
る条件で気相エピタキシャル成長させることにより3次
元の微細構造、即ち、量子ドット構造を自己形成する方
法が提案(例えば、特願平7−217466号参照)さ
れている。
【0010】この自己形成方法は、実施するのが容易で
あり、しかも人為的に加工する場合に比べて、極めて均
一性が高く、且つ、高個数密度で、高品質の半導体量子
ドットが得られるものであり、例えば、この自己形成量
子ドットを用いた半導体レーザが実際に報告されるよう
になり、半導体量子ドット素子の可能性が現実のものと
なりつつある。
【0011】以上の様に、新しい技術によるブレークス
ルーは得られたが、逆に実用化に向けての課題も明らか
になってきており、例えば、量子ドット半導体レーザの
実用化のための重要な開発課題は、量子ドットの個数密
度と均一性のより一層の改善である。
【0012】上述の様な自己形成法による量子ドットの
個数密度と均一性は、量子ドットの形成モードによって
異なり、そのため実用化に向けての課題もそれぞれ微妙
に異なるので、ここで、図5及び図6を参照して各種の
自己形成モードについて説明する。
【0013】まず、はじめに、図5を参照して、Str
anski−Krastanov(ストランスキー−ク
ラスタノフ)モードの量子ドットの形成過程を説明す
る。 図5(a)参照 まず、GaAs基板(図示せず)上に、MOVPE法
(有機金属気相成長法)を用いて、TEG(トリエチル
ガリウム)及びAsH3 を供給することによって厚さ5
00nm(=0.5μm)のGaAsバッファ層41を
形成したのち、基板温度を500℃とした状態で、As
3 等のAs原料42、TMI(トリメチルインジウ
ム)等のIn原料43、及び、TMG(トリメチルガリ
ウム)等のGa原料44を同時供給すると、成長開始当
初はInGaAs成長層が格子不整合に基づく弾性限界
を越えないので2次元的に成長が行われ、InGaAs
濡れ層(wetting layer)45が成長す
る。
【0014】図5(b)参照 成長を続けると、InGaAs濡れ層45の厚さが弾性
限界を越えた時点で、InGaAs濡れ層45の表面に
量子ドットを形成するための成長核となるオングストロ
ームオーダーの3次元核46が離散的に形成される。
【0015】図5(c)参照 さらに、成長を続けると、3次元核46を成長核として
In組成比が相対的に大きなナノメートルオーダーのI
nGaAs量子ドット47が形成され、InGaAs量
子ドット47の周辺部はIn組成比が相対的に小さなI
nGaAs濡れ層45となる。
【0016】これは、InGaAs濡れ層45の厚さが
弾性限界を越える場合、In組成比が相対的に大きなI
nGaAs量子ドット47を局所的に発生させることに
よってInGaAs成長層全体としてはInGaAs成
長層の全面に歪が発生する場合よりも低歪エネルギーと
なり、結晶学的に安定した成長になるためと考えられ
る。
【0017】このStranski−Krastano
vモードによる自己形成方法は、作製が容易であるため
現在最も一般的に行われている方法であり、この方法の
場合には高い個数密度、例えば、面積比で最大40%程
度の個数密度を実現することができる。
【0018】第2は、Volmer−Webber(ボ
ルマー−ウェッバー)モードと呼ばれるもので、成長開
始当初において2次元的成長が行われずに、直接3次元
的成長が始まって量子ドットが形成されるものであり、
Stranski−Krastanovモードにおける
InGaAs濡れ層45が存在しない様な外観となる。
【0019】このVolmer−Webberモード
は、一般にはStranski−Krastanovモ
ードより低温で起こると考えられているが、品質の良好
な量子ドットを得るのが難しく、実際にはほとんど研究
が行われていない。
【0020】次に、図6を参照して、原料の交互供給に
よる量子ドットの形成過程を説明する。 図6(a)参照 まず、GaAs基板(図示せず)上に、MOVPE法を
用いて厚さ500nmのGaAsバッファ層51を形成
したのち、TMI等のIn原料52を単独で供給するこ
とによってGaAsバッファ層51の表面にIn金属島
53が離散的に形成される。
【0021】図6(b)参照 次いで、TMG等のGa原料54を単独で供給すると、
GaAsバッファ層51の表面にGa金属島55が離散
的に形成されると共に、In金属島53においてはIn
とGaとが混合してIn+Ga金属島56が形成され
る。
【0022】図6(c)参照 次いで、AsH3 等のAs原料57を単独で供給する
と、表面において再構成(Reconstructio
n)が起こりIn+Ga金属島56においてはIn組成
比が相対的に大きなInGaAs量子ドット59が形成
され、Ga金属島55及びその近傍においてはIn組成
比が相対的に小さなInGaAs層58が形成され、こ
の様なサイクルを数サイクル繰り返すことによって最終
的な量子ドットを形成する。
【0023】また、この原料の交互供給による自己形成
モードは、2次元構造、即ち、InGaAs層58中に
組成不均一な部分が3次元的にInGaAs量子ドット
59として形成されるモードであり、極めて均一性の高
い量子ドットが得られるという特徴がある。なお、この
InGaAs量子ドット59の形状は、縦横比が1/2
と球形に近い偏平球状となる。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の半導体
量子ドットの自己形成方法のうち、Stranski−
Krastanovモードの場合には、得られる量子ド
ットの個数密度は高いものの、量子エネルギーの均一性
が低いという問題がある。
【0025】即ち、Stranski−Krastan
ovモードによる量子ドットの形状は、縦横比が1/5
以下のかなり偏平な形状であり、したがって、厚さ方向
の揺らぎに対して量子エネルギーが敏感になるため量子
エネルギーの均一性が低くなると考えられ、例えば、フ
ォトルミネッセンス測定による発光半値幅は、通常80
meV程度であり、かなり量子エネルギーが拡がってい
る。
【0026】一方、原料の交互供給による自己形成モー
ドの場合には、得られる量子ドットの均一性は高いもの
の、個数密度が低いという問題があり、例えば、面積比
で最大10%程度であり、この様な個数密度の低い自己
形成方法で量子ドット半導体レーザを作製した場合、光
出力を大きくすることができない等の問題がある。
【0027】したがって、本発明は、均一性が高い半導
体量子ドットを高個数密度で作製することを目的とす
る。
【課題を解決するための手段】図1は本発明の原理的構
成の説明図であり、この図1を参照して本発明における
課題を解決するための手段を説明する。なお、図1は、
半導体量子ドットの形成過程を模式的に示した図であ
る。 図1参照 (1)本発明は、半導体量子ドット9素子の作製方法に
おいて、化合物半導体量子ドット9を気相成長する際
に、化合物半導体を構成する一方の族の原料2と他方の
族の原料3を同時に成長下地半導体1の表面に供給した
のち、化合物半導体を構成する一方の族の原料2,6と
他方の族の原料3とを別々に交互に供給することを特徴
とする。
【0028】この様に、成長開始当初において、Str
anski−Krastanovモード或いはVolm
er−Webberモードで局所的な3次元成長を開始
したのち、原料の交互供給法を用いることによって、S
transki−Krastanovモード或いはVo
lmer−Webberモードの利点である半導体量子
ドット9の高個数密度性を利用する共に、原料の交互供
給法の利点である半導体量子ドット9の高均一性を利用
することにより、均一性の高い半導体量子ドット9を高
個数密度で作製することができる。
【0029】即ち、成長開始当初においては、濡れ層4
の成長後に高個数密度の3次元構造4が形成され、原料
の交互供給工程の当初においては、3次元構造4を核と
した金属島7が形成され、また、原料の交互供給工程の
当初においては、金属島7の部分が半導体量子ドット9
となり、その周囲及び表面を覆うように化合物半導体層
8が形成されるので、原料の交互供給法の場合と同様
に、縦横比の大きな高品質の球形に近い偏平球状の半導
体量子ドット9が得られる。
【0030】(2)また、本発明は、上記(1)におい
て、化合物半導体を構成する一方の族の原料2と他方の
族の原料3を同時に成長下地半導体1の表面に供給する
工程が、成長下地半導体1の表面にストランスキー−ク
ラスタノフモードでオングストロームオーダーの3次元
構造5を形成する工程であることを特徴とする。
【0031】この様に、成長開始当初の自己形成モード
をストランスキー−クラスタノフ(Stranski−
Krastanov)モードにすることによって、半導
体量子ドット9の成長核となるオングストロームオーダ
ーの3次元構造5を簡単な工程で再現性良く高個数密度
で形成することができる。
【0032】(3)また、本発明は、上記(1)または
(2)において、化合物半導体を構成する一方の族の原
料2,6と他方の族の原料3とを別々に交互に供給する
工程において、一方の族の原料2,6及び他方の族の原
料3の内の少なくとも一方が複数の異なった同族の原料
からなると共に、この複数の異なった同族の原料も個別
に供給することを特徴とする。
【0033】この様に、複数の異なった同族の原料も個
別に供給することによって、均一性の高い半導体量子ド
ット9を再現性良く形成することができる。
【0034】(4)また、本発明は、上記(1)乃至
(3)のいずれかにおいて、化合物半導体がIII-V族化
合物半導体であり、化合物半導体を構成する一方の族が
III 族元素であり、他方の族がV族元素であることを特
徴とする。
【0035】この様な、半導体量子ドット9の作製方法
においては、化合物半導体の種類は特定されないもの
の、特に、化合物半導体がIII-V族化合物半導体である
場合に、高品質の半導体量子ドット9を形成することが
可能になる。
【0036】(5)また、本発明は、上記(4)におい
て、化合物半導体を構成する一方の族の原料2,6が少
なくともIn原料であり、他方の族の原料3がAs原料
であることを特徴とする。
【0037】(6)また、本発明は、上記(5)におい
て、化合物半導体を構成する一方の族の原料2,6がI
n原料とGa原料であり、化合物半導体を構成する一方
の族の原料2,6と他方の族の原料3とを別々に交互に
供給する工程において、In原料、Ga原料、及び、A
s原料の順で交互に供給することを特徴とする。
【0038】(7)また、本発明は、上記(5)におい
て、化合物半導体を構成する一方の族の原料2,6がI
n原料とGa原料であり、化合物半導体を構成する一方
の族の原料2,6と他方の族の原料3とを別々に交互に
供給する工程において、In原料、As原料、Ga原
料、及び、As原料の順で交互に供給することを特徴と
する。
【0039】(8)また、本発明は、上記(5)乃至
(7)のいずれかにおいて、量子ドット9の組成が、I
x Ga1-x As(0<x≦1)であることを特徴とす
る。
【0040】上記(5)乃至(8)の様に、上述の半導
体量子ドット9の作製方法の場合には、特に、Inx
1-x As(0<x≦1)からなる半導体量子ドット9
を再現性良く得ることができ、原料の交互供給工程にお
いては、In原料、Ga原料、及び、As原料の順また
はIn原料、As原料、Ga原料、及び、As原料の順
で交互に供給することが望ましい。
【0041】
【発明の実施の形態】ここで、本発明の実施の形態の基
本的製造工程を図2を参照して説明する。 図2(a)参照 まず、GaAs基板(図示せず)上に、MOVPE法を
用いて、TEG及びAsH3 を供給して、厚さが、例え
ば、0.5μmのGaAsバッファ層11を形成したの
ち、成長温度を500℃とした状態でTMI13及びA
sH3 12をInAs換算で1ML(モノレーヤー)分
だけ同時供給する。この成長開始当初においては、2次
元的成長が起こりInGaAs濡れ層14が形成され
る。
【0042】図2(b)参照 このInGaAs濡れ層14の膜厚が弾性限界を越えた
時点で、InGaAs濡れ層14の表面にオングストロ
ームオーダーの3次元核15が比較的高密度で形成され
る。なお、ここまでは、Stranski−Krast
anovモードで成長が行われる。
【0043】図2(c)参照 次いで、同じく基板温度を500℃とした状態で、ま
ず、TMIDMEA〔トリメチルインジウムジメチルエ
チルアミンアダクト:Trimethylindium
−dimethylamine adduct、分子
式:In(CH3 3 N(CH3 2 (C2 5 )〕1
6を供給したのち、TMG17を供給する。この時点に
おいて、3次元核15を核としてInとGaが付着して
In+Gaからなる金属島18が形成される。
【0044】図2(d)参照 次いで、同じく基板温度を500℃とした状態で、As
3 12を供給することによって、表面において再構成
が起こり、金属島18の部分にIn組成比が相対的に大
きなInGaAs量子ドット19が形成され、InGa
As量子ドット19の周囲及び表面を覆うようにIn組
成比が相対的に小さなInGaAs層20が形成され、
InGaAs量子ドット19がInGaAs層20の中
に埋め込まれた状態となり、形状的には原料の交互供給
モードの場合と同様の状態となる。
【0045】この様な、交互供給サイクルを10サイク
ル繰り返したのち、再び、MOVPE法を用いて、TE
G及びAsH3 を供給して、厚さが、例えば、30nm
のGaAs層(図示せず)を形成する。
【0046】なお、この場合、比較のためにStran
ski−KrastanovモードによるInGaAs
量子ドットも形成した。即ち、上述の本発明の実施の形
態の場合と同様に、GaAs基板(図示せず)上に、M
OVPE法を用いて、TEG及びAsH3 を供給して、
0.5μmの厚さのGaAsバッファ層を形成したの
ち、成長温度を500℃とした状態でTMI及びAsH
3 をInAs換算で2ML分だけ同時供給してInGa
As量子ドットを形成したのち、再び、MOVPE法を
用いてTEG及びAsH3 を供給して、30nmの厚さ
のGaAs層を形成する。
【0047】上記の実施の形態のInGaAs量子ドッ
ト及び比較のためのStranski−Krastan
ovモードによるInGaAs量子ドットの平面TEM
観察を行った結果、両者の間で個数密度の差は見られ
ず、大凡、15%程度の個数密度であった。この個数密
度は、交互供給法のみ場合によりも増加している。
【0048】なお、個数密度自体は、両者に差が見られ
なかったので、同時供給の条件、即ち、Stransk
i−Krastanovモード工程における条件を選択
することによって、例えば、成長温度を下げたり、As
3 の代わりにターシャリィブチルアルシン(TBA)
を用いること等によって個数密度を高めることは可能で
ある。
【0049】次に、図3を参照して、本発明の実施の形
態によるInGaAs量子ドットの均一性を説明する。 図3参照 図3は、本発明のInGaAs量子ドットのフォトルミ
ネッセンス測定による発光強度の波長依存性を示す図で
あり、図から明らかなように発光半値幅は約0.961
eV(12900Å)を中心に、約35meVとなって
おり、これは、通常の交互供給モードの場合と同程度で
ある。一方、Stranski−Krastanovモ
ードの場合の発光半値幅は約80meVであるので、量
子ドットの均一性がStranski−Krastan
ovモードの場合より高くなっていることが明らかであ
る。
【0050】また、発光強度自体からは、InGaAs
量子ドットの結晶性が良好であることが明らかであり、
したがって、本発明の実施の形態によって、結晶性の悪
化を引き起こすことなく、半導体量子ドットのサイズ、
及び、面内の個数密度を制御することができる。
【0051】次に、図4を参照して、本発明の実施の形
態の具体的応用例である量子ドット半導体レーザを説明
する。 図4(a)参照 図4(a)は量子ドット半導体レーザの概略的断面図で
あり、まず、MOVPE法を用いてn型GaAs基板2
1上に、厚さ500nmのn型GaAsバッファ層2
2、厚さ1000nmのn型In0.5 Ga0.5 Pクラッ
ド層23、及び、厚さ100nmの下地半導体層となる
n型GaAs層24を順次成長させる。
【0052】次いで、TMI及びAsH3 をInAs換
算で1ML分供給したのち、TMIDMEA、TMG、
及び、AsH3 を交互に10サイクル供給するALE法
によって量子ドット活性層25を形成し、次いで、再
び、MOVPE法によって厚さ100nmのp型GaA
s層26、厚さ1000nmのp型In0.5 Ga0.5
クラッド層27、及び、厚さ500nmのp型GaAs
コンタクト層28を形成する。
【0053】次いで、図示しないものの、n型GaAs
基板21の裏面にn側電極を設けると共に、p型GaA
sコンタクト層28上にp側電極を設けることによって
量子ドット半導体レーザが完成する。
【0054】図4(b)参照 図4(b)は図4(a)における破線で示す円内の部分
を拡大して模式的に示した図であり、量子ドット活性層
25の成長工程において、成長開始当初においてはSt
ranski−KrastanovモードでInGaA
s濡れ層29及び3次元核(図示せず)が形成され、最
終的にはIn組成比が相対的に小さなInGaAs層3
1及びInGaAs濡れ層29で囲まれたIn組成比が
相対的に大きなInGaAs量子ドット30が形成され
る。
【0055】なお、InGaAs量子ドット30の組成
比は、原料の供給比を制御することによって任意に変え
ることができるものであり、In組成比xは0<x≦
1、好適には、0.2<x≦0.7の範囲であれば良
く、その場合のInGaAs量子ドット30が内部に形
成されたInGaAs層31のIn組成比はInGaA
s量子ドット30のIn組成比より小さくなる。
【0056】以上、本発明の実施の形態及びその具体的
応用例を説明してきたが、本発明は実施の形態及びその
具体的応用例に記載した構成に限られるものではなく、
各種の変更が可能であり、例えば、成長開始当初の原料
の同時供給時において、In源となるTMIとAs源と
なるAsH3 のみを供給しているが、Ga源となるTM
Gも同時に供給しても良いものである。
【0057】また、原料の交互供給時においては、TM
IDMEA、TMG、及び、AsH 3 の順で交互供給し
ているが、TMIDMEA、AsH3 、TMG、及び、
AsH3 の順で交互供給しても良く、さらには、TMI
DMEAとTMGの供給順を逆にしても良いものであ
る。
【0058】また、原料の交互供給時において、再現性
良く量子ドットの個数密度を高めるために、TMIの様
に分子量の小さなメチル基と結合した有機金属化合物よ
りも、有機金属化合物のアダクトである分子量の大きな
TMIDMEAを用いているが、TMIでも良いもので
あり、さらに、他の材料も同じ元素の供給が可能な他の
材料に置き換えても良いものである。
【0059】また、本発明の実施の形態の説明において
は、量子ドットをInGaAs量子ドットとして説明し
ているが、他のIII-V族化合物半導体で構成しても良い
ことは原理的に自明であり、さらに、II−VI族化合
物半導体、或いはIV−VI族化合物半導体等の他の化
合物半導体にも適用し得ることは明らかである。
【0060】
【発明の効果】本発明によれば、半導体量子ドットを気
相成長させる際に、成長開始当初においては原料を同時
供給してStranski−Krastanovモード
で3次元核を高個数密度で形成し、次いで、原料の交互
供給法によって高個数密度の3次元核を成長核として均
一性の高い半導体量子ドットを形成しているので、均一
性の高い半導体量子ドットを高個数密度で作製すること
ができ、半導体素子の性能向上に寄与するところが大き
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理的構成の説明図である。
【図2】本発明の実施の形態の製造工程の説明図であ
る。
【図3】本発明の実施の形態の半導体量子ドットの発光
半値幅の説明図である。
【図4】本発明の実施の形態の具体的応用例の量子ドッ
ト半導体レーザの断面図である。
【図5】Stranski−Krastanovモード
による半導体量子ドットの形成過程の説明図である。
【図6】原料の交互供給による半導体量子ドットの形成
過程の説明図である。
【符号の説明】
1 成長下地半導体 2 一方の族の原料 3 他方の族の原料 4 濡れ層 5 3次元構造 6 一方の族の原料 7 金属島 8 化合物半導体成長層 9 半導体量子ドット 11 GaAsバッファ層 12 AsH3 13 TMI 14 InGaAs濡れ層 15 3次元核 16 TMIDMEA 17 TMG 18 金属島 19 InGaAs量子ドット 20 InGaAs層 21 n型GaAs基板 22 n型GaAsバッファ層 23 n型In0.5 Ga0.5 Pクラッド層 24 n型GaAs層 25 量子ドット活性層 26 p型GaAs層 27 p型In0.5 Ga0.5 Pクラッド層 28 p型GaAsコンタクト層 29 InGaAs濡れ層 30 InGaAs量子ドット 31 InGaAs層 41 GaAsバッファ層 42 As原料 43 In原料 44 Ga原料 45 InGaAs濡れ層 46 3次元核 47 InGaAs量子ドット 51 GaAsバッファ層 52 In原料 53 In金属島 54 Ga原料 55 Ga金属島 56 In+Ga金属島 57 As原料 58 InGaAs層 59 InGaAs量子ドット

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化合物半導体量子ドットを気相成長する
    際に、前記化合物半導体を構成する一方の族の原料と他
    方の族の原料を同時に成長下地半導体の表面に供給した
    のち、前記化合物半導体を構成する一方の族の原料と他
    方の族の原料とを別々に交互に供給することを特徴とす
    る半導体量子ドット素子の作製方法。
  2. 【請求項2】 上記化合物半導体を構成する一方の族の
    原料と他方の族の原料を同時に成長下地半導体の表面に
    供給する工程が、前記成長下地半導体の表面にストラン
    スキー−クラスタノフモードでオングストロームオーダ
    ーの3次元構造を形成する工程であることを特徴とする
    請求項1記載の半導体量子ドット素子の作製方法。
  3. 【請求項3】 上記化合物半導体を構成する一方の族の
    原料と他方の族の原料とを別々に交互に供給する工程に
    おいて、前記化合物半導体を構成する一方の族の原料及
    び他方の族の原料の内の少なくとも一方が複数の異なっ
    た同族の原料からなると共に、前記複数の異なった同族
    の原料も個別に供給することを特徴とする請求項1また
    は2に記載の半導体量子ドット素子の作製方法。
  4. 【請求項4】 上記化合物半導体がIII-V族化合物半導
    体であり、上記化合物半導体を構成する一方の族がIII
    族元素であり、上記他方の族がV族元素であることを特
    徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の半導体
    量子ドット素子の作製方法。
  5. 【請求項5】 上記化合物半導体を構成する一方の族の
    原料が少なくともIn原料であり、上記他方の族の原料
    がAs原料であることを特徴とする請求項4記載の半導
    体量子ドット素子の作製方法。
  6. 【請求項6】 上記化合物半導体を構成する一方の族の
    原料がIn原料とGa原料であり、上記化合物半導体を
    構成する一方の族の原料と他方の族の原料とを別々に交
    互に供給する工程において、In原料、Ga原料、及
    び、As原料の順で交互に供給することを特徴とする請
    求項5記載の半導体量子ドット素子の作製方法。
  7. 【請求項7】 上記化合物半導体を構成する一方の族の
    原料がIn原料とGa原料であり、上記化合物半導体を
    構成する一方の族の原料と他方の族の原料とを別々に交
    互に供給する工程において、In原料、As原料、Ga
    原料、及び、As原料の順で交互に供給することを特徴
    とする請求項5記載の半導体量子ドット素子の作製方
    法。
  8. 【請求項8】 上記量子ドットの組成が、Inx Ga
    1-x As(0<x≦1)であることを特徴とする請求項
    5乃至7のいずれか1項に記載の半導体量子ドット素子
    の作製方法。
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