JP2000017374A - 時効硬化型高強度ベイナイト鋼およびその製造方法 - Google Patents

時効硬化型高強度ベイナイト鋼およびその製造方法

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JP2000017374A JP18049198A JP18049198A JP2000017374A JP 2000017374 A JP2000017374 A JP 2000017374A JP 18049198 A JP18049198 A JP 18049198A JP 18049198 A JP18049198 A JP 18049198A JP 2000017374 A JP2000017374 A JP 2000017374A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 自動車エンジンのクランクシャフト、コネク
ティングロッドのように、高い強度と優れた被削性を必
要とする部品に最適な、熱間鍛造用時効硬化型ベイナイ
ト鋼およびその製造方法を提供する。 【解決手段】 重量比にしてC:0.06〜0.20%,Si:0.03〜
1.00%,Mn:1.50〜3.00%,Cr:0.50〜2.00%,Mo:0.05〜1.00
%,Al:0.002〜0.100%,V:0.51〜1.00%,N:0.0080〜0.0200%
を含有し、残部はFeと不可避的不純物から成る鋼を11
50〜1300℃の加熱温度にて熱間圧延もしくは熱間鍛造
後、800〜500℃の温度範囲の平均冷却速度を所定の範囲
内に制御して、200℃以下の温度まで冷却することで硬
さをHv400以下、組織をヘ゛イナイト率70%以上でかつ旧オーステナイ
ト結晶粒径80μm以下とし、更にその後550〜700℃の温度
にて時効処理を施すことにより、降伏点もしくは0.2%耐
力を900MPa以上とすることを特徴とする時効硬化型高強
度ベイナイト鋼およびその製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は自動車エンジンのク
ランクシャフト、コネクティングロッドのように、高い
強度と優れた被削性を必要とする部品に最適な、熱間鍛
造用時効硬化型ベイナイト鋼およびその鍛造品の製造方
法を提供するものであり、自動車エンジン部品の軽量化
を可能とする。
【0002】
【従来の技術】自動車エンジンのクランクシャフトやコ
ネクティングロッド等のエンジン部品は、高い強度と優
れた被削性が要求されるために、炭素鋼や低合金鋼にS
やPb等の快削元素を添加した鋼を熱間鍛造し、焼入焼
もどしの熱処理を施した後、機械加工して使用されてい
る。近年では低コスト化ニーズより、前記部品におい
て、焼入焼もどしの熱処理を省略する、いわゆる非調質
鋼の採用が活発となっており、部品に要求される強度特
性に応じてフェライト・パーライト型、ベイナイト型、
あるいはマルテンサイト型等、各種の非調質鋼が開発、
実用化されている。
【0003】一方、最近では自動車の燃費規制やエンジ
ンの高出力化の動向を受けて、自動車エンジン部品の軽
量化ニーズが強く、高強度の鋼材を用いて部品を薄肉軽
量化する動きが活発となっている。そこで上記の低コス
ト化ニーズと軽量化ニーズを両立させる手法として、高
強度非調質鋼の適用が考えられ、例えば特開平4-193931
では、フェライト・パーライト型非調質鋼において化学
成分のコントロールと鍛造加熱条件のコントロールにより、表面が黒
皮鍛造肌のまま使用される部品の疲労強度を改善した発
明が、特開平5-302116では、ベイナイトあるいはベイナ
イト+マルテンサイト型非調質鋼において鍛造放冷後に
焼もどし処理を施すことにより、降伏比、耐久比を改善
した発明が、特開平10-140285では、非調質鋼の硬さの
冷却速度依存性と鍛造部品の形状,寸法とをうまく組み
合わせて、被削性と高強度化を両立させた発明がそれぞ
れ開示されている。
【0004】しかしながらチタン合金やアルミ合金に匹
敵する軽量化効果を得るまでに鋼を高強度化しようとし
た場合には、硬さの大幅な上昇が避けられず被削性の低
下を招くという問題が生ずる。この問題に対して、前記
の特開平4-193931では目標の軽量化効果の達成は不可能
であり、特開平5-302116では被削性確保のために多量の
快削元素の含有が必要不可欠となるため、材料のコスト
増加を招くとともに、快削元素含有量増加による介在物
量増加によって、圧延や鍛造等,塑性加工性の劣化や疲
労強度低下の問題が生ずる。また特開平10-140285で
は、非切削加工部位を薄肉化し切削加工部位は厚肉とす
ることで、快削元素の添加量を増加させなくても、高強
度化と被削性確保の両立がある程度確保はされるもの
の、その効果には限界があるとともに、前記のような部
品形状に制約されてしまうことが課題となる。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記のように、チタン合
金やアルミ合金に匹敵する軽量化効果を得るまでに鋼を
高強度化するとともに、快削元素含有量を大幅に増加さ
せることなく、かつ部品の設計形状を制約しなくても被
削性を確保するための方策について、発明者らは種々の
検討を試みた結果、以下の着想に至った。すなわち、V
量が高くかつベイナイト組織が主体の鋼において、時効
処理前後での硬さが大きく変化し、時効前の硬さを低
く、時効後の硬さを高くすることができることが知見さ
れた。よって時効前に切削粗加工を行った後に時効処理
することで、高強度化と被削性確保の両立が可能とな
る。
【0006】また、前記のような鋼の高強度化による軽
量化に際しては、特に降伏強度(0.2%耐力)の向上が重
要となるが、V量の高いベイナイト鋼を時効処理する
と、一般の調質鋼および非調質鋼に比べて同一硬さでの
0.2%耐力が高くなる、すなわち高い降伏比が得られるこ
とが知見された。よって前記のような時効前の切削加工
は勿論、時効処理後に切削加工する場合においても、
V量の高いベイナイト鋼では一般の調質鋼および非調質
鋼に比べて、同一の0.2%耐力の値における硬さが低くで
きるので、被削性を向上させることが可能となる。
【0007】そして前記効果を得るためには、V含有量
を0.51%以上とすることが必要であり、更には1150〜13
00℃の加熱温度にて熱間圧延もしくは熱間鍛造後、800
〜500℃の温度範囲の平均冷却速度:CV(℃/min)
を、40/(Mn%+0.8Cr%+1.2Mo%) ≦ CV ≦ 500/
(Mn%+0.8Cr%+1.2Mo%)として200℃以下の温度まで冷
却することで硬さをHv400以下、組織をヘ゛イナイト率70%以上
とさせることが必要となることを知見した。また、上記
の鋼材もしくは鍛造品においては、加工熱処理中にV炭
窒化物が析出して結晶粒を微細化させるために、80μm
以下の旧オーステナイト結晶粒径が得られ、これを550〜700℃
の温度にて時効処理することで、結果として降伏点もし
くは0.2%耐力を900MPa以上とすることが可能となること
を知見し、本発明に至ったものである。
【0008】第1の発明は、化学組成が重量%で、C:0.
06〜0.20%、Si:0.03〜1.00%、Mn:1.50〜3.00%、Cr:
0.50〜2.00%、Mo:0.05〜1.00%、Al:0.002〜0.100%、
V:0.51〜1.00%、N:0.0080〜0.0200%を含有し、残部Fe
および不可避不純物からなる鋼を1150〜1300℃の加熱温
度にて熱間圧延もしくは熱間鍛造後、800〜500℃の温度
範囲の平均冷却速度:CV(℃/min)を、40/(Mn%+
0.8Cr%+1.2Mo%) ≦ CV ≦ 500/(Mn%+0.8Cr%+1.
2Mo%)として200℃以下の温度まで冷却することで硬さ
をHv400以下、組織をヘ゛イナイト率70%以上でかつ旧オーステナイト
結晶粒径80μm以下とし、その後必要に応じて切削加工
ないし塑性加工を加え、更にその後550〜700℃の温度に
て時効処理を施すことにより、降伏点もしくは0.2%耐力
を900MPa以上とすることを特徴とする時効硬化型高強度
ベイナイト鋼である。
【0009】第2の発明は、化学組成が重量%で、C:0.
06〜0.20%、Si:0.03〜1.00%、Mn:1.50〜3.00%、Cr:
0.50〜2.00%、Mo:0.05〜1.00%、Al:0.002〜0.100%、
V:0.51〜1.00%、N:0.0080〜0.0200%を含有し、残部Fe
および不可避不純物からなる鋼を1150〜1300℃の加熱温
度にて熱間圧延もしくは熱間鍛造後、800〜500℃の温度
範囲の平均冷却速度:CV(℃/min)を、40/(Mn%+
0.8Cr%+1.2Mo%) ≦ CV ≦ 500/(Mn%+0.8Cr%+1.
2Mo%)として200℃以下の温度まで冷却することで硬さ
をHv400以下、組織をヘ゛イナイト率70%以上でかつ旧オーステナイト
結晶粒径80μm以下とし、その後必要に応じて切削加工
ないし塑性加工を加え、更にその後550〜700℃の温度に
て時効処理を施すことにより、降伏点もしくは0.2%耐力
を900MPa以上とすることを特徴とする時効硬化型高強度
ベイナイト鋼の製造方法である。
【0010】第3の発明は、化学組成が重量%で、Ti:
0.01〜0.10%、Nb:0.01〜0.10%から選択した1種または2
種を含有することを特徴とする請求項1に記載の時効硬
化型高強度ベイナイト鋼である。
【0011】第4の発明は、化学組成が重量%で、Ti:
0.01〜0.10%、Nb:0.01〜0.10%から選択した1種または2
種を含有することを特徴とする請求項2に記載の時効硬
化型高強度ベイナイト鋼の製造方法である。
【0012】第5の発明は、化学組成が重量%で、S:
0.04〜0.12%、 Pb:0.01〜0.30%、Bi:0.01〜0.30%、C
a:0.0005〜0.01%、 REM:0.001〜0.10%から選択した1
種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1
に記載の時効硬化型高強度ベイナイト鋼である。
【0013】第6の発明は、化学組成が重量%で、S:
0.04〜0.12%、 Pb:0.01〜0.30%、Bi:0.01〜0.30%、C
a:0.0005〜0.01%、 REM:0.001〜0.10%から選択した1
種または2種以上を含有することを特徴とする請求項2
に記載の時効硬化型高強度ベイナイト鋼の製造方法であ
る。
【0014】第7の発明は、化学組成が重量%で、Ti:
0.01〜0.10%、Nb:0.01〜0.10%から選択した1種または2
種を含有し、かつ、S:0.04〜0.12%、 Pb:0.01〜0.30
%、Bi:0.01〜0.30%、Ca:0.0005〜0.01%、 REM:0.001
〜0.10%から選択した1種または2種以上を含有すること
を特徴とする請求項1に記載の時効硬化型高強度ベイナ
イト鋼である。
【0015】第8の発明は、化学組成が重量%で、Ti:
0.01〜0.10%、Nb:0.01〜0.10%から選択した1種または2
種を含有し、かつ、S:0.04〜0.12%、 Pb:0.01〜0.30
%、Bi:0.01〜0.30%、Ca:0.0005〜0.01%、 REM:0.001
〜0.10%から選択した1種または2種以上を含有すること
を特徴とする請求項2に記載の時効硬化型高強度ベイナ
イト鋼の製造方法である。
【0016】次に、本発明における構成成分の限定理由
について述べる。 C:0.06〜0.20% Cは、機械構造用鋼としての強度を確保するための必須
元素であり、0.06%以上、望ましくは0.08%以上必要であ
る。しかし、多すぎると硬さ増加から被削性の劣化を招
くため上限を0.20%、望ましくは0.18%以下とする。 Si:0.03〜1.00% Siは、製鋼時の脱酸材として不可欠であるため下限を0.
03%、望ましくは0.10%以上とする。しかし、過剰に添加
すると鋼中に高硬度の介在物であるSiO2を生成させて被
削性を劣化させるため上限を1.00%、望ましくは0.80%以
下とする。
【0017】Mn:1.50〜3.00% Mnは、熱間圧延もしくは熱間鍛造後の冷却過程でヘ゛イナイト
組織が得られるための焼入性を確保する上で重要な元素
であり、ヘ゛イナイト組織を得るためには少なくとも1.50%以
上、望ましくは1.80%以上必要である。しかし、多すぎ
るとマルテンサイト主体の組織となり、時効処理前の硬さが増
加して被削性が劣化するため上限を3.00%、望ましくは
2.70%以下とする。 Cr:0.50〜2.00% CrはMnと同様、熱間圧延もしくは熱間鍛造後の冷却過程
でヘ゛イナイト組織が得られるための焼入性を確保する上で重
要な元素であり、ヘ゛イナイト組織を得るためには少なくとも
0.50%以上、望ましくは0.70%以上必要である。しかし、
多すぎるとマルテンサイト主体の組織となり、時効処理前の硬
さが増加して被削性が劣化するため上限を2.00%、望ま
しくは1.60%以下とする。
【0018】Mo:0.05〜1.00% MoはMn,Crと同様、熱間圧延もしくは熱間鍛造後の冷却
過程でヘ゛イナイト組織を安定して得るために必要な元素であ
るとともに、ヘ゛イナイト組織を微細化させて強靭性を高め、
また時効処理時にMo2Cを析出させて時効硬化させる働き
があり、前記効果を得るためには少なくとも0.05%以
上、望ましくは0.10%以上必要である。しかし必要以上
に多く添加しても、その効果が飽和するとともにコスト
高となるため、上限を1.00%、望ましくは0.60%以下とす
る。 Al:0.002〜0.100% Alは脱酸のために不可欠の元素であり0.002%以上、望ま
しくは0.005%以上必要であるが、必要以上に添加させる
とAl2O3の形成によって被削性を劣化させるため、上限
を0.100%、望ましくは0.060%以下とする。
【0019】V:0.51〜1.00% Vは本発明において、時効処理後にV(CN)を析出させて硬
さおよび降伏強度を高める点で最も重要な働きをする元
素であり、前記効果を必要十分に得るためには、少なく
とも0.51%以上、望ましくは0.53%以上必要である。しか
しながら必要以上に多く添加してもその効果が飽和する
とともに、著しい靭性の劣化やコスト増加を招くため、
上限を1.00%、望ましくは0.70%以下とする。 N:0.0080〜0.0200% NはVとの親和力が高い元素であり、本発明においては、
熱間圧延もしくは熱間鍛造中にVNとして析出し、そのピ
ン止め効果によってオーステナイト結晶粒径を80μm以下にする
働きがあるとともに、時効処理後のV(CN)析出による強
度増加に対して必要不可欠な元素であり、前記効果を必
要十分に得るためには、少なくとも0.0080%以上、望ま
しくは0.0100%以上必要である。しかしながら必要以上
に多く添加してもその効果が飽和するとともに、著しい
靭性の劣化やコスト増加を招くため、上限を0.0200%、
望ましくは0.0180%以下とする。
【0020】Ti:0.01〜0.10%、Nb:0.01〜0.10% Ti、Nbは、Vと同様にTi(CN)、Nb(CN)として鋼中に析出
し、そのピン止め効果によってオーステナイト結晶粒径を微細
化させる働きがあり、必要に応じて添加されるものであ
る。前記効果を得るためには、それぞれ最低でも0.01%
以上の含有が必要である。しかしながら必要以上に多く
添加してもその効果が飽和するとともにコスト増加を招
くため、上限を0.10%とする。 S:0.04〜0.12%、 Pb:0.01〜0.30%、Bi:0.01〜0.30
%、Ca:0.0005〜0.01%、REM:0.001〜0.10% S、Pb、Bi、Ca、REMは被削性の改善に有効な元素であ
り、必要に応じて添加されるものである。前記効果を得
るためには、それぞれ0.04%、0.01%、0.01%、0.0005%、
0.001%の含有が必要である。しかし多量に含有させる
と、コスト増加を招くとともに、介在物量増加によっ
て、圧延や鍛造等,塑性加工性の劣化や疲労強度低下の
問題が生ずるため、上限をそれぞれ0.12%、0.30%、0.30
%、0.01%、0.10%とした。
【0021】次に本発明の製造条件限定理由について説
明する。熱間圧延もしくは熱間鍛造時の加熱温度を1150
〜1300℃に限定したのは、加熱温度が1150℃未満になる
と時効処理前の段階で鋼中にVが十分に固溶せず、その
後の時効硬化が十分に得られないためであり、また1300
℃を超える加熱温度になると加熱段階でのオーステナイト粒が
粗大化したり混粒を生じたりして、最終的に旧オーステナイト
粒径80μm以下が達成不可能となるためである。ここ
で、熱間圧延もしくは熱間鍛造時の加熱温度としている
のは、部品の製造工程によって加熱温度制御する工程が
異なることを意味しており、熱間鍛造を実施する場合に
は、熱間鍛造時の加熱温度を上記温度範囲に限定し、熱
間鍛造を行わない場合、例えば圧延鋼材より直接部品を
切削加工して製造する場合には、熱間圧延時の加熱温度
を上記温度範囲に限定する必要がある。
【0022】熱間圧延もしくは熱間鍛造後の平均冷却速
度:CV(℃/min)を800〜500℃の温度範囲で限定した
のは、平均冷却速度:CV(℃/min)が40/(Mn%+0.8
Cr%+1.2Mo%)未満になると、初析フェライトやハ゜ーライトが生成
してヘ゛イナイト率70%以上を確保することが困難になるため
であり、またCV(℃/min)が500/(Mn%+0.8Cr%+1.
2Mo%)を超えると、マルテンサイトが生成してしまい、ヘ゛イナイト
率70%以上を確保することが困難になるためである。こ
こで平均冷却速度:CV(℃/min)は、冷却中に800℃
に達してから500℃に達するまでに要した時間(min)で
もって300℃(=800℃−500℃)を除した数値を示す。
【0023】冷却を200℃以下の温度までと限定した理
由は、冷却中のヘ゛イナイト変態を十分に生じさせてヘ゛イナイト率
70%以上を確保するためである。硬さをHv400以下と限定
した理由は、その後に施される切削加工ないし塑性加工
の加工性を確保させるためであり、硬さがHv400を超え
ると急激に切削加工性、塑性加工性が劣化する。なお、
前記請求範囲内の組成の鋼を加熱温度1150〜1300℃にて
熱間圧延もしくは熱間鍛造後、前記限定条件にて冷却し
た場合に、硬さはHv400以下となる。
【0024】組織をヘ゛イナイト率70%以上と限定した理由
は、V(CN)による必要十分な時効硬化特性を得るためで
あり、ヘ゛イナイト率が70%未満となってフェライト・ハ゜ーライトやマルテンサ
イトの組織分率が増えると、必要十分な時効硬化特性が得
られなくなる、即ち時効処理前の硬さが高くなってしま
ったり、時効処理後の硬さが低くなってしまったりす
る。なお、前記請求範囲内の組成の鋼を加熱温度1150〜
1300℃にて熱間圧延もしくは熱間鍛造後、前記限定条件
にて冷却した場合に、ヘ゛イナイト率は70%以上となる。旧オース
テナイト結晶粒径を80μm以下と限定した理由は、高い降伏
強度や疲労強度を達成する上で必要なためであり、旧オー
ステナイト結晶粒径が80μmを超えると強度特性が劣化する。
なお、前記請求範囲内の組成の鋼を加熱温度1150〜1300
℃にて熱間圧延もしくは熱間鍛造後、前記限定条件にて
冷却した場合に、旧オーステナイト結晶粒径は80μmとなる。
【0025】時効処理温度を550〜700℃に限定した理由
は、ヘ゛イナイト主体の組織の鋼中にV(CN)を必要十分に微細
析出させて時効硬化させるためである。時効処理温度が
550℃未満であると、 V(CN)の析出量が少なく十分な時
効硬化が得られず、また時効処理温度が700℃を超える
と、析出したV(CN)が粗大化するとともにかえって軟化
を生じてしまうので、時効処理温度は550〜700℃に限定
する必要がある。降伏点もしくは0.2%耐力:900MPa以上
は、チタン合金やアルミ合金に匹敵する軽量化効果を鋼
で得るために必要な強度レベルであり、前記請求範囲内
の組成の鋼を加熱温度1150〜1300℃にて熱間圧延もしく
は熱間鍛造後、前記限定条件にて冷却し、その後550〜7
00℃にて時効処理することにより達成される。
【0026】
【発明の実施の形態】第1、2の発明を実施するには、
重量%で、 C:0.06〜0.20%、Si:0.03〜1.00%、Mn:1.5
0〜3.00%、Cr:0.50〜2.00%、Mo:0.05〜1.00%、Al:0.
002〜0.100%、V:0.51〜1.00%、N:0.0080〜0.0200%を含
有し、残部Feおよび不可避不純物からなる鋼を1150〜13
00℃の加熱温度にて熱間圧延もしくは熱間鍛造後、800
〜500℃の温度範囲の平均冷却速度:CV(℃/min)
を、40/(Mn%+0.8Cr%+1.2Mo%) ≦ CV ≦ 500/
(Mn%+0.8Cr%+1.2Mo%)として200℃以下の温度まで冷
却することで硬さをHv400以下、組織をヘ゛イナイト率70%以上
でかつ旧オーステナイト結晶粒径80μm以下とし、その後必要に
応じて切削加工ないし塑性加工を加え、更にその後550
〜700℃の温度にて時効処理を施すことにより、降伏点
もしくは0.2%耐力を900MPa以上とする。このようにして
得られた鋼材およびその鍛造品は、チタン合金やアルミ
合金に匹敵する軽量化効果を得るまでに高強度化するこ
とが可能であるとともに、快削元素含有量を大幅に増加
させることなく、かつ部品の設計形状を制約しなくても
被削性を確保できる。
【0027】第3、4の発明を実施するには、第1、2
の発明に記載の元素に加えて、重量%で、Ti:0.01〜0.1
0%、Nb:0.01〜0.10%から選択した1種または2種を含有
し、残部Feおよび不可避不純物からなる鋼を1150〜1300
℃の加熱温度にて熱間圧延もしくは熱間鍛造後、800〜5
00℃の温度範囲の平均冷却速度:CV(℃/min)を、40
/(Mn%+0.8Cr%+1.2Mo%) ≦ CV ≦ 500/(Mn%+
0.8Cr%+1.2Mo%)として200℃以下の温度まで冷却する
ことで硬さをHv400以下、組織をヘ゛イナイト率70%以上でかつ
旧オーステナイト結晶粒径80μm以下とし、その後必要に応じて
切削加工ないし塑性加工を加え、更にその後550〜700℃
の温度にて時効処理を施すことにより、降伏点もしくは
0.2%耐力を900MPa以上とする。このようにして得られた
鋼材およびその鍛造品は、チタン合金やアルミ合金に匹
敵する軽量化効果を得るまでに高強度化することが可能
であるとともに、快削元素含有量を大幅に増加させるこ
となく、かつ部品の設計形状を制約しなくても被削性を
確保できる。
【0028】第5、6の発明を実施するには、第1、2
の発明に記載の元素に加えて、重量%で、S:0.04〜0.12
%、 Pb:0.01〜0.30%、Bi:0.01〜0.30%、Ca:0.0005〜
0.01%、 REM:0.001〜0.10%から選択した1種または2種
以上を含有し、残部Feおよび不可避不純物からなる鋼を
1150〜1300℃の加熱温度にて熱間圧延もしくは熱間鍛造
後、800〜500℃の温度範囲の平均冷却速度:CV(℃/m
in)を、40/(Mn%+0.8Cr%+1.2Mo%) ≦ CV ≦ 500
/(Mn%+0.8Cr%+1.2Mo%)として200℃以下の温度まで
冷却することで硬さをHv400以下、組織をヘ゛イナイト率70%以
上でかつ旧オーステナイト結晶粒径80μm以下とし、その後必要
に応じて切削加工ないし塑性加工を加え、更にその後55
0〜700℃の温度にて時効処理を施すことにより、降伏点
もしくは0.2%耐力を900MPa以上とする。このようにして
得られた鋼材およびその鍛造品は、チタン合金やアルミ
合金に匹敵する軽量化効果を得るまでに高強度化するこ
とが可能であるとともに、快削元素含有量を大幅に増加
させることなく、かつ部品の設計形状を制約しなくても
被削性を確保できる。
【0029】第7、8の発明を実施するには、第1、2
の発明に記載の元素に加えて、重量%で、Ti:0.01〜0.1
0%、Nb:0.01〜0.10%から選択した1種または2種を含有
し、かつ、S:0.04〜0.12%、 Pb:0.01〜0.30%、Bi:0.
01〜0.30%、Ca:0.0005〜0.01%、 REM:0.001〜0.10%か
ら選択した1種または2種以上を含有し、残部Feおよび不
可避不純物からなる鋼を1150〜1300℃の加熱温度にて熱
間圧延もしくは熱間鍛造後、800〜500℃の温度範囲の平
均冷却速度:CV(℃/min)を、40/(Mn%+0.8Cr%+
1.2Mo%) ≦ CV ≦ 500/(Mn%+0.8Cr%+1.2Mo%)と
して200℃以下の温度まで冷却することで硬さをHv400以
下、組織をヘ゛イナイト率70%以上でかつ旧オーステナイト結晶粒径80
μm以下とし、その後必要に応じて切削加工ないし塑性
加工を加え、更にその後550〜700℃の温度にて時効処理
を施すことにより、降伏点もしくは0.2%耐力を900MPa以
上とする。このようにして得られた鋼材およびその鍛造
品は、チタン合金やアルミ合金に匹敵する軽量化効果を
得るまでに高強度化することが可能であるとともに、快
削元素含有量を大幅に増加させることなく、かつ部品の
設計形状を制約しなくても被削性を確保できる。
【0030】
【実施例】下に本発明の実施例について、比較鋼および
従来鋼との比較によって説明する。表1、2は、実施例
に用いた供試材の化学成分を示すものである。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】成分組成が表1からなる本発明鋼と表2か
らなる比較鋼(従来鋼を含む)を30kg真空溶解炉にて溶
製し、1200℃でφ30mmへ鍛伸した。その後φ30mm材を、
1200℃加熱、1050℃鍛造の条件にて15mm厚の板材に鍛造
した後、室温まで空冷処理を行い、その後A〜W鋼につい
ては600℃にて時効処理を行い、X、Y、Z鋼について
は880℃にて焼入れ後580℃にて焼戻し処理を行い、引張
試験、小野式回転曲げ疲労試験、ドリル穿孔試験、ミク
ロ組織観察に用いた。なお、この場合の鍛造後の空冷時
における800〜500℃の温度範囲の平均冷却速度は、72℃
/minであった。またA〜W鋼については、上記以外に鍛造
後空冷ままで時効処理しない状態でもドリル穿孔試験を
行うとともに、硬さ試験を実施した。
【0034】引張試験はJIS14A号試験片を作製して引張
速度1mm/secの条件で行い、0.2%耐力および引張強さを
測定した。小野式回転曲げ疲労試験は平行部φ8の平滑
試験片を作製して試験し、107回での疲労強度を求め、
これと引張強さとの比率をとった耐久比(=107回疲労
強度/引張強さ)でもって評価した。ドリル穿孔試験
は、時効処理前、時効処理後のいずれの場合も、ドリル
がφ6mmのストレートシャンク、ドリルの材質はSKH51、
ドリル回転数は966rpm、潤滑油なし、荷重75kgの条件で
行い、測定した結果は従来鋼であるZ鋼の穿孔距離を10
0とし、それぞれの穿孔距離を整数比で評価した。
【0035】硬さ試験については、時効処理前に行った
ドリル穿孔試験用の試料を用い、ビッカース硬度計にて
測定荷重10kgfで行った。ミクロ組織観察については、
前記引張試験片の試験後のつかみ部を切断、研磨したも
のを試料として用い、光学顕微鏡にて倍率400倍で観察
し、ヘ゛イナイト率ならびに旧オーステナイト結晶粒径を測定した。
【0036】各種試験評価結果を本発明鋼についてを表
3、比較鋼(従来鋼を含む)についてを表4に示す。
【0037】
【表3】
【0038】
【表4】
【0039】ここに示すように、本発明鋼であるA〜N
鋼はいずれも時効処理前の硬さがHv331以下であり、請
求範囲に該当するHv400以下を十分に満足しており、ヘ゛イ
ナイト率は82%以上、旧オーステナイト粒径は54μm以下であって、
請求範囲に該当するヘ゛イナイト率70%以上、旧オーステナイト粒径80
μm以下を十分に満足しており、また時効処理後の0.2%
耐力はいずれも958MPa以上あって、請求範囲に該当する
900MPa以上を十分に満足している。また耐久比について
も0.54以上と優れた値を示し、ト゛リル穿孔性については時
効処理前にて特に優れた値を示すとともに、時効処理前
後のいずれも従来鋼であるZ鋼よりも優れていることが
確認された。
【0040】これに対して比較鋼のO鋼は、C量が本特
許請求範囲よりも低いために0.2%耐力に劣り、またP鋼
は逆にC量が本特許請求範囲よりも高いために、時効前
の硬さがHv400を超えてしまうとともに、ト゛リル穿孔性が
従来鋼のZ鋼よりも劣る結果となっている。比較鋼のQ
鋼については、Si量が本特許請求範囲よりも高いために
ト゛リル穿孔性が従来鋼のZ鋼よりも劣り、R鋼はMn量が本
特許請求範囲よりも低いために、フェライト・ハ゜ーライトが生成し
てヘ゛イナイト率が70%未満であるとともに0.2%耐力が900MPa
未満と低くなっている。S鋼はMn量およびCr量が共に本
特許請求範囲よりも高いために、マルテンサイト主体の組織と
なってヘ゛イナイト率が低く、かつ時効前の硬さがHv400を超
えてしまって、ト゛リル穿孔性が従来鋼のZ鋼よりも劣る結
果となっている。T鋼はMo量が本特許請求範囲よりも低
いために、フェライト・ハ゜ーライトが生成してヘ゛イナイト率が70%未満
であるとともに0.2%耐力が900MPa未満と低くなってい
る。U鋼はV量およびN量が共に本特許請求範囲よりも低
いために、時効硬化が十分にされず、0.2%耐力が900MPa
未満と低くなっている。
【0041】また従来鋼であるV鋼およびW鋼はヘ゛イナイト
+マルテンサイト型の従来の焼入省略鋼であり、いずれも900MP
a以上の0.2%耐力が達成されてはいるものの、V鋼はト゛リ
ル穿孔性に劣り、W鋼は快削元素を含有させることによ
りト゛リル穿孔性はZ鋼並みとなっているが、快削元素を多
量に含有させたために耐久比が低くなっている。X、
Y、Z鋼はそれぞれJISに規定されているS48C、
SCr440、SCM440に相当する鋼であり、焼入
焼もどし処理を付与しても、0.2%耐力は900MPaに達して
いない。
【0042】次に製造条件の影響、すなわち鍛造加熱温
度,鍛造後の冷却条件,時効処理温度の変化による影響
を調査した実施例を示す。表1に示す本発明鋼のうち
B、D、G、M鋼について、φ30mmの丸棒を1050、117
0、1200、1270、1350℃の各温度に加熱した後15mm厚の
板材に鍛造し、その後の冷却条件を炉冷、空冷、弱ファ
ン冷却、強ファン冷却と変化させ、さらにその後の時効
処理温度を、500、570、600、650、750℃の5条件で行
い、引張試験、ドリル穿孔試験(時効処理前のみ)、硬
さ試験(時効処理前のみ)、ミクロ組織観察に用いた。
なお、この場合の鍛造後の800〜500℃の温度範囲の平均
冷却速度は、炉冷が5℃/min 、空冷が72℃/min、弱ファ
ン冷却が103℃/min、強ファン冷却が131℃/min であっ
た。また試験条件については、前記の試験条件と同様で
ある。
【0043】各種試験評価結果を本発明鋼についてを表
5、比較例についてを表6に示す。
【0044】
【表5】
【0045】
【表6】
【0046】No.1〜15の本発明範囲においては、鋼種や
製造条件が変化しても、時効処理前の硬さHv400以下,ヘ
゛イナイト率70%以上,旧オーステナイト結晶粒径80μm以下,0.2%耐
力900MPa以上の全てを満足するとともに、ト゛リル穿孔性に
ついても従来鋼SCM440の調質(前記実施例のZ鋼)より
優れていることが確認された。これに対してNo.16〜27
の比較例の結果より、化学成分が本特許請求範囲内であ
っても、鍛造加熱温度,鍛造後の冷却条件,時効処理温
度の製造条件の内、いずれか1項目でも満足しない場合
には、前記特性が得られなくなることが明らかとなっ
た。
【0047】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明は
自動車エンジンのクランクシャフト、コネクティングロ
ッドのように、高い強度と優れた被削性を必要とする部
品に最適な、熱間鍛造用時効硬化型ベイナイト鋼および
その鍛造品の製造方法を提供するものであり、自動車エ
ンジン部品の軽量化を可能とする。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化学組成が重量%で、C:0.06〜0.20%、S
    i:0.03〜1.00%、Mn:1.50〜3.00%、Cr:0.50〜2.00%、
    Mo:0.05〜1.00%、Al:0.002〜0.100%、V:0.51〜1.00
    %、N:0.0080〜0.0200%を含有し、残部Feおよび不可避
    不純物からなる鋼を1150〜1300℃の加熱温度にて熱間圧
    延もしくは熱間鍛造後、800〜500℃の温度範囲の平均冷
    却速度:CV(℃/min)を、40/(Mn%+0.8Cr%+1.2Mo
    %) ≦CV ≦ 500/(Mn%+0.8Cr%+1.2Mo%)として20
    0℃以下の温度まで冷却することで硬さをHv400以下、組
    織をヘ゛イナイト率70%以上でかつ旧オーステナイト結晶粒径80μm以
    下とし、その後必要に応じて切削加工ないし塑性加工を
    加え、更にその後550〜700℃の温度にて時効処理を施す
    ことにより、降伏点もしくは0.2%耐力を900MPa以上とす
    ることを特徴とする時効硬化型高強度ベイナイト鋼。
  2. 【請求項2】 化学組成が重量%で、C:0.06〜0.20%、S
    i:0.03〜1.00%、Mn:1.50〜3.00%、Cr:0.50〜2.00%、
    Mo:0.05〜1.00%、Al:0.002〜0.100%、V:0.51〜1.00
    %、N:0.0080〜0.0200%を含有し、残部Feおよび不可避
    不純物からなる鋼を1150〜1300℃の加熱温度にて熱間圧
    延もしくは熱間鍛造後、800〜500℃の温度範囲の平均冷
    却速度:CV(℃/min)を、40/(Mn%+0.8Cr%+1.2Mo
    %) ≦CV ≦ 500/(Mn%+0.8Cr%+1.2Mo%)として20
    0℃以下の温度まで冷却することで硬さをHv400以下、組
    織をヘ゛イナイト率70%以上でかつ旧オーステナイト結晶粒径80μm以
    下とし、その後必要に応じて切削加工ないし塑性加工を
    加え、更にその後550〜700℃の温度にて時効処理を施す
    ことにより、降伏点もしくは0.2%耐力を900MPa以上とす
    ることを特徴とする時効硬化型高強度ベイナイト鋼の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 化学組成が重量%で、Ti:0.01〜0.10
    %、Nb:0.01〜0.10%から選択した1種または2種を含有す
    ることを特徴とする請求項1に記載の時効硬化型高強度
    ベイナイト鋼。
  4. 【請求項4】 化学組成が重量%で、Ti:0.01〜0.10
    %、Nb:0.01〜0.10%から選択した1種または2種を含有す
    ることを特徴とする請求項2に記載の時効硬化型高強度
    ベイナイト鋼の製造方法。
  5. 【請求項5】 化学組成が重量%で、S:0.04〜0.12%、
    Pb:0.01〜0.30%、Bi:0.01〜0.30%、Ca:0.0005〜0.0
    1%、 REM:0.001〜0.10%から選択した1種または2種以上
    を含有することを特徴とする請求項1に記載の時効硬化
    型高強度ベイナイト鋼。
  6. 【請求項6】 化学組成が重量%で、S:0.04〜0.12%、
    Pb:0.01〜0.30%、Bi:0.01〜0.30%、Ca:0.0005〜0.0
    1%、 REM:0.001〜0.10%から選択した1種または2種以上
    を含有することを特徴とする請求項2に記載の時効硬化
    型高強度ベイナイト鋼の製造方法。
  7. 【請求項7】 化学組成が重量%で、Ti:0.01〜0.10
    %、Nb:0.01〜0.10%から選択した1種または2種を含有
    し、かつ、S:0.04〜0.12%、 Pb:0.01〜0.30%、Bi:0.
    01〜0.30%、Ca:0.0005〜0.01%、 REM:0.001〜0.10%か
    ら選択した1種または2種以上を含有することを特徴とす
    る請求項1に記載の時効硬化型高強度ベイナイト鋼。
  8. 【請求項8】 化学組成が重量%で、Ti:0.01〜0.10
    %、Nb:0.01〜0.10%から選択した1種または2種を含有
    し、かつ、S:0.04〜0.12%、 Pb:0.01〜0.30%、Bi:0.
    01〜0.30%、Ca:0.0005〜0.01%、 REM:0.001〜0.10%か
    ら選択した1種または2種以上を含有することを特徴とす
    る請求項2に記載の時効硬化型高強度ベイナイト鋼の製
    造方法。
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