JP2000009996A - 投影光学系 - Google Patents
投影光学系Info
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Abstract
得られる、コンパクトな投影光学系を提供する。 【解決手段】 表示パネル(P1〜P3)に表示される画像を
色合成する色合成ミラー(M1,M2)と、ミラー(M1,M2)で色
合成された画像をスクリーン上に投影する投影レンズ(G
r1〜Gr3)と、を設ける。第1群(Gr1)と第2群(Gr2)との
間に、ミラー(M1,M2)に対してねじれの関係の方向に傾
き偏心したガラス平板(GP1)を、非点隔差を補正する補
正部材として配置した。
Description
るものであり、更に詳しくは、多板方式の投影装置(例
えば液晶プロジェクター)に用いられる投影光学系に関
するものである。
透過型,反射型を問わず多板方式が採用されている。そ
して色合成には、色合成用の薄膜を有するプリズム(つ
まりダイクロイックプリズム)が用いられることが多
い。透過型表示パネルを有する投影装置において色合成
をプリズムで行う例としては、特開昭63-116123号公報
で提案されている表示装置が挙げられる。この装置で
は、光源から出た光が2枚のダイクロイックミラーで3
つの色成分に分解され、各色成分に対応する液晶ライト
バルブをそれぞれ通過する。そして、色合成用のクロス
ダイクロイックプリズムを通過した後、投影光学系に入
射する。
において色合成をプリズムで行う例としては、特開平3-
249639号公報で提案されている液晶プロジェクターが挙
げられる。この装置では、光源から出た光が偏光ビーム
スプリッタで反射されて、クロスダイクロイックプリズ
ムで3つの色成分に分解される。そして、各色成分に対
応する表示パネルでそれぞれ変調・反射された後、再び
クロスダイクロイックプリズム,偏光ビームスプリッタ
を通過して投影光学系に入射する。
置も知られている。例えば特開平3-78738号公報では、
透過型表示パネルを有し、かつ、色合成をミラーで行う
投影装置が提案されている。この装置では、光源から出
た光が2枚のダイクロイックミラーで3つの色成分に分
解され、各色成分に対応する透過型表示パネルをそれぞ
れ通過する。そして、透過型表示パネルで変調された各
色光は、2枚の色合成用のダイクロイックミラーで順次
反射又は透過を行った後、投影光学系に入射する。
ネルを有し、かつ、色合成をミラーで行う投影装置が提
案されている。この装置も特開平3-78738号公報で提案
されているものと同様、2枚の色合成用のダイクロイッ
クミラーで順次反射又は透過を行う構成となっている。
ただし、ダイクロイックミラーへの入射角度が45度以
下になっており、更に各ダイクロイックミラーに向かう
光軸が互いに略直角をなすように構成されている(つま
り表示パネルに対する入射光路と反射光路を含む平面が
互いに直交する位置関係にある。)。米国特許第5,231,4
31号明細書においても、特開平3-78738号公報で提案さ
れているものと同様、透過型表示パネルを有し、かつ、
色合成をミラーで行う投影装置が提案されている。ただ
し、表示パネルと投影レンズとの間に、非点隔差を補正
するシリンダー型ミラーが配置されている。
ズムは体積が大きいため、その製造には大きなガラスブ
ロックが必要とされる。また、貼り合わせに非常に高い
精度が要求される。したがって、特開昭63-116123号公
報や特開平3-249639号公報で提案されているように色合
成のためにクロスダイクロイックプリズムを用いると、
コストが高くなってしまう。
いるようにプリズムを用いずにミラーで色合成を行う
と、光軸に対して傾いたガラス平板を光線が通過する場
合と同様、ダイクロイックミラーを透過する光線に非点
隔差が発生してしまう。その非点隔差の影響で投影像が
劣化することになる。特開平8-334727号公報で提案され
ているように、入射光路と反射光路を含む平面が互いに
直交するように2つの表示パネルを配置して、各ダイク
ロイックミラーで発生する非点隔差が互いに打ち消し合
うようにすれば、非点隔差の補正は可能である。しか
し、表示パネルの配置が複雑になるため、その保持・調
整が困難になる。さらに、投影装置が上下方向に大型化
するという問題も生じてしまう。また、米国特許第5,23
1,431号明細書に開示されているように表示パネルと投
影レンズとの間に非点隔差補正用の部材を配置した場合
には、その分だけレンズバックが必要となるので、良好
な光学性能を維持するのが困難になる。
たものであって、色合成をミラーで行っても良好な結像
性能が得られる、コンパクトな投影光学系を提供するこ
とを目的とする。
に、第1の発明の投影光学系は、複数の表示パネルのそ
れぞれに対して傾いて配置され、各表示パネルからの特
定の波長域の光を反射させるとともに別の波長域の光を
透過させることにより前記表示パネルの表示画像を色合
成する色合成ミラーと、その色合成ミラーで色合成され
た画像をスクリーン上に投影する投影レンズと、を備え
た投影光学系であって、前記投影レンズが、非点隔差を
補正する補正部材と、その補正部材の色合成ミラー側に
配置された少なくとも1枚のレンズ部材と、を有するこ
とを特徴とする。
明の構成において、前記色合成ミラーが、2枚の透明基
板の間にダイクロイック面を有する少なくとも1枚のダ
イクロイックミラーから成ることを特徴とする。
明の構成において、前記補正部材がガラス平板から成
り、前記補正部材の法線と前記投影レンズの光軸とを含
む平面と、前記色合成ミラーの法線と前記投影レンズの
光軸とを含む平面と、が直交するように、前記補正部材
が傾き偏心していることを特徴とする。
明の構成において、さらに、前記表示パネルの色合成ミ
ラー側直前に、偏心したコンデンサーレンズを有するこ
とを特徴とする。
明の構成において、前記コンデンサーレンズが前記色合
成ミラーの傾き方向に対してほぼ垂直方向に偏心してお
り、その光軸が前記表示パネルの表示領域外に位置する
ことを特徴とする。
明の構成において、前記補正部材がシリンダーレンズで
あることを特徴とする。
系を、図面を参照しつつ説明する。なお、図中のX,
Y,Zは互いに直交する方向を示しており、第1群(Gr
1)の光軸(AX)に沿った方向をZ方向としている。また、
実施の形態相互で同一の部分や相当する部分には同一の
符号を付して重複説明を適宜省略する。
第1の実施の形態のY−Z断面を示し、図2に斜視図を
示す。図1に示すように、第1の実施の形態の投影光学
系は、投影レンズ(U1)と色合成ミラー(U2)とで構成され
ている。そして、この投影光学系の拡大側(図1の左側)
には不図示の投影用スクリーンが位置しており、投影光
学系の縮小側には3つの表示パネル(P1〜P3,図2)が位
置している。表示パネル(P1〜P3)は透過型又は反射型の
液晶表示パネルであり、表示パネル(P1〜P3)の画像が投
影レンズ(U1)で拡大されて結像する位置に上記スクリー
ンが配置されている。
1〜P3,図2)に表示される画像を色合成する2枚の色合
成ミラー(M1,M2)から成っている。色合成ミラー(M1,M2)
は、厚み・材質共等しい2枚の透明なガラス平板(平行
平面ガラス板)を張り合わせて成るダイクロイックミラ
ーであって、その2枚の透明基板間の接合面に、ダイク
ロイックコートにより形成されたダイクロイック面を有
している。そのダイクロイック面は特定の波長域の光を
反射させるとともに別の波長域の光を透過させるため、
各表示パネル(P1〜P3)からの光線は、ダイクロイック面
を順次反射・透過することにより色合成される。色合成
ミラー(M1,M2)を透過する光線も、色合成ミラー(M1,M2)
で反射される光線も、共にガラス平板2枚分を通過する
ことになるので、色合成ミラー(M1,M2)での反射光線と
透過光線とは光学的には全く等価となる。
M2)は各表示パネル(P1〜P3)に対して傾いて配置されて
いると同時に、共にY方向にほぼ平行な軸を中心として
互いに逆方向に傾いている。つまり、色合成ミラー(M1)
と色合成ミラー(M2)とは、光軸(AX)に対する傾き偏心の
中心となる軸が同方向であるとともに、傾き偏心の回転
方向が逆方向になっている。傾き偏心の中心となる軸が
同方向であれば、3つの表示パネル(P1〜P3)に向かう光
軸(AX)はすべて同一平面上(X−Z平面上)に位置するこ
とになるので、3つの表示パネル(P1〜P3)はすべて同一
平面上(X−Z平面上)又はその近辺に位置することにな
る。表示パネル(P1〜P3)がこのように配置されているた
め、照明光学系を配置するのは容易である。
(M1)を透過し、表示パネル(P2)から出た光が色合成ミラ
ー(M1)で反射されることにより、表示パネル(P1)の画像
と表示パネル(P2)の画像とが色合成される。その色合成
後の光は、色合成ミラー(M2)を透過する際に、表示パネ
ル(P3)から出て色合成ミラー(M2)で反射された光と、更
に色合成される。ただし、表示パネル(P3)から出た光
は、色合成ミラー(M2)に入射する前にダミーガラス(GP
2)を通過する。このダミーガラス(GP2)は、色合成ミラ
ー(M1)と同様、Y方向にほぼ平行な軸を中心として傾い
ている(図2)。そして、各色合成ミラー(M1,M2)を構成
しているガラス平板と同じ材質で、その2枚分の厚み
{つまり各色合成ミラー(M1,M2)の厚み}を有している。
したがって、3つの表示パネル(P1〜P3)から出た3つの
光は、光学的には全く同じ光路を通過して色合成される
ことになる。
過した光線は投影レンズ(U1)に入射する。投影レンズ(U
1)は、色合成ミラー(U2)で色合成された画像をスクリー
ン上に投影する光学系であって、拡大側(スクリーン側)
から順に、負の第1群(Gr1)と、ガラス平板(GP1)と、正
の第2群(Gr2)と、絞り(ST)と、正の第3群(Gr3)と、か
ら成っている。ガラス平板(GP1)は、非点隔差を補正す
る補正部材であって、色合成ミラー(U2)に対してねじれ
の関係の方向に傾き偏心している。つまり、ガラス平板
(GP1)は、X方向にほぼ平行な軸を中心として傾くこと
により、ガラス平板(GP1)の法線と投影レンズ(U1)の光
軸(AX)とを含むY−Z平面と、色合成ミラー(M1,M2)の
法線と投影レンズ(U1)の光軸(AX)とを含むX−Z平面
と、が直交するように傾き偏心している。
すると、S(sagittal)像とM(meridional)像の焦点位置
が、ガラス平板の厚みと傾きに応じてずれてしまう。第
1の実施の形態では、表示パネル(P1〜P3)を出た光が投
影レンズ(U1)に入射するまでに、2枚の傾いたガラス平
板{つまり色合成ミラー(M1,M2)}を通過するので、S像
とM像の焦点位置は大きくずれてしまう。このようにし
て発生する非点隔差を補正するのが、投影レンズ(U1)内
に傾けて配置されたガラス平板(GP1)である。具体的に
は、色合成ミラー(M1,M2)がY方向にほぼ平行な軸を中
心に傾けて配置されているのに対し、ガラス平板(GP1)
はX方向にほぼ平行な軸を中心に傾けて配置されてい
る。このように傾き偏心の中心となる軸の方向が異なっ
ているため、ガラス平板(GP1)の厚みを最適化すれば、
S像の焦点位置とM像の焦点位置とを同じにすることが
できるのである。なお、ガラス平板(GP1)はレンズ群間
に配置される構成となっているため、レンズバックを新
たに確保する必要はない。したがって、良好な光学性能
が維持される。
なる軸の方向と、ガラス平板(GP1)の傾き偏心の中心と
なる軸の方向と、は直交していること(言い換えれば、
傾きの中心となる軸が90°ずれていること)が望まし
い。互いに直交した方向の軸を中心に傾いた2枚のガラ
ス平板を光が通過するように構成すれば、軸上光線と軸
外光線の両方でS像とM像の焦点位置を揃えることがで
きるからである。逆に傾きの中心となる軸の方向が直交
していないと、その効果を得ることは困難であるが、軸
方向が直交するような前記ねじれの関係に近ければ、同
様の補正効果を得ることは可能である。
第2の実施の形態のY−Z断面を示し、図4に斜視図を
示す。第2の実施の形態の特徴は、表示パネル(P1〜P3)
の色合成ミラー(U2)側直前に、偏心したコンデンサーレ
ンズ(CL1〜CL3)を設けた点にある。表示パネル(P1〜P3)
の直前にコンデンサーレンズ(CL1〜CL3)を用いると、表
示パネル(P1〜P3)に対する照明が軸上と軸外とでほぼ同
じ角度になる。したがって、入射角度により透過率やコ
ントラストが異なる液晶ライトバルブ等を表示パネルに
用いた場合でも、表示パネル(P1〜P3)の中心と周辺とで
照明光の入射角度の変化が小さくなるので、照明ムラや
コントラストの面で有利になる。
方向{色合成ミラー(M1,M2)の傾き方向に対してほぼ垂直
方向}に対してほぼ平行に大きく偏心している。一般に
像面付近のレンズを平行偏心させると、レンズのパワー
と偏心量に応じてS像とM像の焦点位置がずれてしま
う。第2の実施の形態ではこれを利用している。つまり
第2の実施の形態によれば、色合成ミラー(M1,M2)で発
生する非点隔差を、偏心したコンデンサーレンズ(CL1〜
CL3)とガラス平板(GP1)とによって、より効果的に補正
することができるのである。偏心したコンデンサーレン
ズ(CL1〜CL3)の偏心量は、そのレンズ半径の半分以上で
あること、つまりコンデンサーレンズ(CL1〜CL3)の光軸
が表示パネル(P1〜P3)の表示領域外に出るように配置す
ることが望ましい。このようにすれば、1枚のレンズを
2等分して用いることができるので、コスト的に有利と
なる。
実施の形態のY−Z断面を示す。第3の実施の形態の特
徴は、第1群(Gr1)と第2群(Gr2)との間に、補正部材と
してシリンダーレンズ(CY)を設けた点にある。このシリ
ンダーレンズ(CY)は、一方の面が平面になっており、他
方の面にシリンダー曲率を有している。一般に光がシリ
ンダーレンズを透過すると、シリンダー曲率をもつ方向
の像点だけが移動する(第3の実施の形態ではY−Z断
面において像点が移動する。)。したがって、曲率のあ
る方向をM方向又はS方向に合わせると、S像とM像の
焦点位置をずらすことができる。第3の実施の形態では
これを利用している。つまり第3の実施の形態によれ
ば、色合成ミラー(M1,M2)で発生する非点隔差を、シリ
ンダーレンズ(CY)によって補正することができるのであ
る。
ダーレンズ(CY)の曲率の方向とは、平行又は直交してい
ることが望ましい。例えば、第3の実施の形態において
はY−Z断面で曲率のある凸レンズが用いられている
が、これの代わりにX−Z断面で曲率のある凹レンズを
用いてもよい。また第3の実施の形態のように、シリン
ダーレンズ(CY)を投影レンズ(U1)中(つまりレンズ群間)
に配置することが望ましい。投影レンズ(U1)と表示パネ
ル(P1〜P3)との間にシリンダーレンズ(CY)を配置する
と、その分だけ余分にレンズバックが必要となり、良好
な光学性能を維持するのが困難になるからである。ま
た、投影レンズ(U1)と表示パネル(P1〜P3)との間に配置
したときのシリンダー曲率半径は非常に大きく作製が難
しいが、レンズ群間に配置すると作製しやすいシリンダ
ー曲率半径にすることができる。なお、投影光学系中の
もともと空間的に余裕がある場所にシリンダーレンズ(C
Y)を配置しても、光学性能を劣化させることなく非点隔
差を良好に補正することができる。
8)》図6に、第2の実施の形態の照明構成を示す。こ
こでは簡単のために、色合成ミラー(U2)を色分解にも兼
用するものとする。そして、2枚の色合成ミラー(M1,M
2)を透過して表示パネル(P1)に入射する色成分の光に関
して説明する。
リフレクタ(RE)で反射される。光源(LS)を出てリフレク
タ(RE)で反射された光が第2焦点位置で収差なく結像す
るようにするため、光源(LS)を回転楕円面の第1焦点位
置に配置することが望ましい。また、リフレクタ(RE)の
開口は第2レンズアレイ(AR2)の開口よりも大きいの
で、図6に示すように集光作用をもつ回転楕円面のリフ
レクタ(RE)を用いるのが望ましい。その集光作用により
リフレクタ(RE)を出た光は絞られるため、遠くに離れて
位置する素子ほど小さくすることができる。したがっ
て、材料費を削減してコストを下げることが可能であ
る。
離ブロック(PB)に入射する。偏光分離ブロック(PB)は、
偏光分離ミラー面(RS)とミラー面(RP)とを有しており、
この2つの面(RS,RP)が異なる角度で光を反射させるよ
うに配置されている。無偏光状態の光が偏光分離ブロッ
ク(PB)に入射すると、まず偏光分離ミラー面(RS)でS偏
光のみが反射されP偏光は透過する。透過したP偏光は
ミラー面(RP)で反射され、再び偏光分離ミラー面(RS)を
透過して偏光分離ブロック(PB)外へ射出する。したがっ
て、偏光分離ブロック(PB)に入射した無偏光光線は、S
偏光とP偏光とが角度差をもって射出することになる。
第1レンズアレイ(AR1)を透過した後、第2レンズアレ
イ(AR2)を透過する。第1レンズアレイ(AR1)は、表示パ
ネル(P1)と相似形状をした四角形のレンズがアレイ状に
配置された構成を有している。そしてこの第1レンズア
レイ(AR1)には、光源(LS)を複数の面光源として分割
し、後に重ね合わせることで表示パネル(P1)の照明ムラ
を小さくする働きがある。このため、第1レンズアレイ
(AR1)の焦点距離は、リフレクタ(RE)から出た光が第2
レンズアレイ(AR2)位置で結像するように設定されてお
り、一方、第2レンズアレイ(AR2)の焦点距離は、第1
レンズアレイ(AR1)で分割された光源像が表示パネル(P
1)上で重ね合わされるように設定されている。
光が異なる角度で入射するので、第2レンズアレイ(AR
2)上には、P偏光の像とS偏光の像が形成される。第2
レンズアレイ(AR2)の前側(又は後ろ)には、P偏光,S
偏光のいずれか一方の光路中に二分の一波長板(不図示)
が配置されている。この二分の一波長板によって、光源
(LS)から出た光線の偏光方向が揃えられる。
系の絞り(ST)と共役な位置に配置されている。このよう
な配置にすることにより、光源(LS)からの光を無駄なく
表示パネル(P1)の照明に用いることができる。また、照
明のためにリレーレンズ等の光学系を設ける必要がない
ので、少ない部品点数で照明光学系を構成することがで
きる。したがって、コスト的にも好ましい配置といえ
る。
成ミラー(U2)で各色成分に分解される。そして、色分割
された光のうちの一つ{色合成ミラー(U2)を透過した光}
が、コンデンサーレンズ(CL1)を通って表示パネル(P1)
に到達する。表示パネル(P1)は反射型液晶素子であり、
ここで変調された光のみが表示パネル(P1)から射出され
る。表示パネル(P1)から射出された光は、コンデンサー
レンズ(CL1)を通過し、色合成ミラー(U2)で色合成され
た後、投影レンズ(U1)でスクリーン上に画像投影され
る。
(AR2)はY方向に沿って絞り(ST)のすぐ上に位置してい
る。第2レンズアレイ(AR2)の位置が絞り(ST)に近けれ
ば近いほど、色合成ミラー(M1,M2)のサイズを小さくす
ることができるので、図6に示すように第2レンズアレ
イ(AR2)を絞り(ST)の近くに配置するのが望ましい。ま
た、表示パネル(P1)が長方形をなしている場合には、第
2レンズアレイ(AR2)の位置を絞り(ST)に近づけるため
に、表示パネル(P1)での光路の折り返し方向と表示パネ
ル(P1)の短辺方向とを同じ方向にすることが望ましい。
ら楕円に変えて、表示パネル(P1)での光路の折り返し方
向と楕円の短軸方向とを一致させることが望ましい。こ
のように楕円絞りを用いることにより、第2レンズアレ
イ(AR2)の位置を絞り(ST)に近づけることができる。図
7に、楕円絞りを用いて第2レンズアレイ(AR2)位置を
絞り(ST)に近づけた場合のY−Z断面構成を示す。また
図8に、楕円絞りの形状を示す。なお、この投影光学系
の光学構成では、Y方向のFナンバーは5.0である
が、X方向のFナンバーは2.5である。
ミラー(M1,M2)には光源(LS)から表示パネル(P1)に向か
う照明光と表示パネル(P1)から投影光学系に向かう投影
光との両方が透過する{なお、表示パネル(P2,P3)につい
ては反射する}。そしてこれら2つの光は、傾き偏心の
方向が異なる2枚の色合成ミラー(M1,M2)に対する入射
角度に関して、大きな角度差をもっている。照明光とし
て偏光を使用すると、色合成ミラー(M1,M2)における偏
光軸が入射角度の大きな光に関して大きく傾くため、透
過(又は反射)する光線の波長によって偏光方向が変化し
たり楕円偏光が発生したりする。表示パネル(P1)に液晶
表示素子を用いた場合、偏光方向が変化した分や楕円偏
光分の偏光成分が、液晶表示素子に用いられている偏光
板によって遮断されてしまうため、十分な照明効率が得
られないという問題や画像の色むらが発生するという問
題が生じる。照明光路中に偏光変換ブロック(PB)等を挿
入しないで、無偏光状態のままで照明を行えば、偏光面
が揃えられていない分の効率は低下するが、偏光軸を持
たないので上記問題を解決することは可能である。
9に、第3の実施の形態の照明構成を示す。ここでは透
過型の表示パネル(P1〜P3)を使用しているため、それに
関連する構成が前述した第2の実施の形態の照明構成と
は異なっている。光源(LS);リフレクタ(RE);偏光分離
ブロック(PB);第1,第2レンズアレイ(AR1,AR2)を通
過した光は、ダイクロイックミラー(m1,m2)で各色成分
に分解され、反射ミラー(R1〜R3)で光路を折り曲げられ
た後、コンデンサーレンズ(C1〜C3)で集光されて、各表
示パネル(P1〜P3)に到達する。各表示パネル(P1〜P3)の
直前に配置されているコンデンサーレンズ(C1〜C3)は、
照明光が無駄なく投影光学系に導かれるように作用す
る。また、表示パネル(P3)に向かう光だけ光路が異なる
ので、その光路中にリレーレンズ(RL)を配置することに
より、表示パネル(P3)が適正に照明されるようにしてい
る。
合、照明から投影まで同一平面上で行うことができる。
したがって、投影光学系の色合成ミラー(M1,M2)のサイ
ズを小さくし、かつ、レンズバックを短くするために
は、色合成ミラー(M1,M2)での光路の折り返し方向を、
表示パネル(P1〜P3)の短辺方向に合わせることが望まし
い。
を、コンストラクションデータを挙げて更に具体的に説
明する。ここで例として挙げる実施例1〜3は、前述し
た第1〜第3の実施の形態にそれぞれ対応しており、第
1〜第3の実施の形態を表す光学構成図(図1,図3,
図5)は、対応する実施例1〜3の光学構成をそれぞれ
示している。各実施例の投影光学系のコンストラクショ
ンデータにおいて、ri(i=0,1,2,3,...)は拡大側(すなわ
ちスクリーン側)から数えてi番目の面Si{OB:物体面(ス
クリーン面),IM:像面}の曲率半径、di(i=0,1,2,
3,...)は拡大側から数えてi番目の軸上面間隔(ここでは
偏心前状態について示す。)を示しており、Ni(i=1,2,
3,...),νi(i=1,2,3,...)は拡大側から数えてi番目の光
学要素のd線に対する屈折率(Nd),アッベ数(νd)を示し
ている。なお、表示パネル(P1〜P3)の大きさとFナンバ
ー(FNO)を併せて示す。
た面であることを示し、非球面の面形状を表わす以下の
式(AS)で定義されるものとする。各非球面の非球面デー
タを他のデータと併せて示す。 X=(C・Y2)/{1+√(1-ε・C2・Y2)}+(A・Y4+B・Y6+C・Y8+D・Y10+E・Y12) …(AS) ただし、式(AS)中、 X :光軸(AX)方向の基準面からの変位量、 Y :光軸(AX)に対して垂直な方向の高さ、 C :近軸曲率、 ε:2次曲面パラメータ、 A,B,C,D,E:非球面係数、 である。
を基準とする偏心ブロックの先頭面である。表1〜表3
に、各実施例の偏心ブロックデータ{第1面(S1)基準}を
示す。各表中の(X,Y,Z)は各偏心ブロックの先頭面
の頂点座標を示しており、その原点となる座標(X,
Y,Z)=(0,0,0)は第1面(S1)の面頂点である。また、
X回転は各偏心ブロックの先頭面の頂点を通るX軸(X
方向に平行な軸)を回転の中心軸とした傾き偏心量(°)
を示しており、Y回転は各偏心ブロックの先頭面の頂点
を通るY軸(Y方向に平行な軸)を回転の中心軸とした傾
き偏心量(°)を示している。
によれば、色合成ミラーで発生する非点隔差が補正部材
で補正されるため、色合成をミラーで行っても良好な結
像性能を得ることができる。表示パネルの配置が複雑化
しないのでコンパクト化が可能であり、また、プリズム
が不要なので低コスト化が可能である。
断面図。
斜視図。
断面図。
斜視図。
断面図。
学構成を示す断面図。
成を示す断面図。
図。
学構成を示す断面図。
Claims (6)
- 【請求項1】 複数の表示パネルのそれぞれに対して傾
いて配置され、各表示パネルからの特定の波長域の光を
反射させるとともに別の波長域の光を透過させることに
より前記表示パネルの表示画像を色合成する色合成ミラ
ーと、その色合成ミラーで色合成された画像をスクリー
ン上に投影する投影レンズと、を備えた投影光学系であ
って、 前記投影レンズが、非点隔差を補正する補正部材と、そ
の補正部材の色合成ミラー側に配置された少なくとも1
枚のレンズ部材と、を有することを特徴とする投影光学
系。 - 【請求項2】 前記色合成ミラーが、2枚の透明基板の
間にダイクロイック面を有する少なくとも1枚のダイク
ロイックミラーから成ることを特徴とする請求項1記載
の投影光学系。 - 【請求項3】 前記補正部材がガラス平板から成り、前
記補正部材の法線と前記投影レンズの光軸とを含む平面
と、前記色合成ミラーの法線と前記投影レンズの光軸と
を含む平面と、が直交するように、前記補正部材が傾き
偏心していることを特徴とする請求項1記載の投影光学
系。 - 【請求項4】 さらに、前記表示パネルの色合成ミラー
側直前に、偏心したコンデンサーレンズを有することを
特徴とする請求項1記載の投影光学系。 - 【請求項5】 前記コンデンサーレンズが前記色合成ミ
ラーの傾き方向に対してほぼ垂直方向に偏心しており、
その光軸が前記表示パネルの表示領域外に位置すること
を特徴とする請求項4記載の投影光学系。 - 【請求項6】 前記補正部材がシリンダーレンズである
ことを特徴とする請求項1記載の投影光学系。
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