JP2000008814A - 内燃機関のバルブタイミング調整装置 - Google Patents

内燃機関のバルブタイミング調整装置

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JP2000008814A
JP2000008814A JP10174893A JP17489398A JP2000008814A JP 2000008814 A JP2000008814 A JP 2000008814A JP 10174893 A JP10174893 A JP 10174893A JP 17489398 A JP17489398 A JP 17489398A JP 2000008814 A JP2000008814 A JP 2000008814A
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vane rotor
pressure chamber
rotating
internal combustion
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JP10174893A
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Takashi Deo
隆志 出尾
Takeshi Asakura
健 朝倉
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Toyota Motor Corp
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Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ベーンロータとタイミングギアとの回動を所定
の拘束位置で拘束するためだけの油圧室や油路を別に設
けることなく、ベーンロータとタイミングギアを拘束す
る。 【解決手段】進角側油圧室69と遅角側油圧室70とに
油圧が作用していないときには、閉塞板45はスプリン
グ46aの付勢力によっての付勢力によって付勢され、
ベーンロータ41と閉塞板45との間に生じる摩擦力に
より、タイミングギア24aとベーンロータ41との相
対回動を拘束する。進角側油圧室69と遅角側油圧室7
0とに油圧が作用すると、この油圧によって閉塞板45
がスプリング46aの付勢力に抗して移動し、相対回動
の拘束を解除する。このため、簡単な構造でタイミング
ギア24aとベーンロータ41の相対回動の拘束ならび
に拘束解除の切換を行うことができ、コストを低くする
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は内燃機関のバルブタ
イミング調整装置に係わり、詳しくは、内燃機関におけ
るバルブの開閉タイミングを運転状態に応じて変更する
内燃機関のバルブタイミング調整装置に関する。
【0002】
【従来技術】クランクシャフトと同期回転するタイミン
グプーリやチェーンスプロケットを介してカムシャフト
を駆動し、タイミングプーリやチェーンスプロケットと
カムシャフトを相対回転させることにより、内燃機関に
おけるバルブの開閉タイミングを変化させるベーン式の
可変バルブタイミング装置として、特開平9−6050
8号公報に開示されているものが知られている。
【0003】特開平9−60508号公報に開示されて
いる可変バルブタイミング装置では、チェーンスプロケ
ットとカムシャフトをベーンロータで連結し、ベーンロ
ータをカムシャフトに固定している。ベーンロータはチ
ェーンスプロケットに相対回転可能に設けることによ
り、クランクシャフトからの駆動力をカムシャフトに伝
達し、カムシャフトをチェーンスプロケットに対して進
角方向または遅角方向に回転可能にしている。
【0004】ベーンロータには、ストッパピストンが収
容され、また、チェーンスプロケットとともにベーンロ
ータを収容する空間を形成しているハウジング部材に
は、チェーンスプロケットに対してベーンロータが最遅
角位置にあるときに、ストッパピンが嵌合可能な穴が設
けられている。そして、ストッパピストンは、スプリン
グによってハウジング部材の方向に付勢されている。こ
のように構成することにより、ベーンロータに作用する
圧力がチェーンスプロケットとベーンロータとの相対回
転させることができる所定の圧力に達していない状態に
おいて、ストッパピストンがスプリングによって付勢さ
れ、穴に嵌合されるため、ハウジング部材とベーンロー
タとが固定され、もって、ハウジング部材とベーンロー
タとの衝突を防止することができ、打音の発生を防止で
きる。
【0005】
【課題を解決するための手段】しかしながら、特開平9
−60508号公報に記載の可変バルブタイミング装置
においては、ベーンロータに設けられたストッパピスト
ンのまわりには、ストッパピストンを作動させるため油
圧室や油路が形成されている。このため、構造上複雑に
なり、また、加工工程が増え、コストが高くなるといっ
た問題点があった。
【0006】そこで、このような従来の問題に鑑みて、
本発明は、第1回転体と第2回転体との回動を所定の拘
束位置で拘束するためだけの油圧室や油路を別に設ける
ことなく、第1回転体と第2回転体を拘束することで、
簡単な構造で拘束手段を構成することができる内燃機関
のバルブタイミング調整装置を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで、上記目的を達成
するために、請求項1に記載の発明によれば、内周面に
少なくとも1つの凹部を有する第1回転体と、前記凹部
を第1圧力室と第2圧力室とに区画する少なくとも1つ
のベーンを有するとともに前記第1回転体と相対回転可
能に組み合わされる第2回転体と、前記第1回転体の側
面を覆うカバーと、前記第1回転体または前記第2回転
体の一方を内燃機関の基準回転位相にて同期回転させる
駆動軸と、前記第1回転体または前記第2回転体の他方
と連動する被駆動軸と、前記第1圧力室および前記第2
圧力室に印加される圧力によって前記第1回転体と前記
第2回転体を相対回動させる相対回動手段とを備えた内
燃機関のバルブタイミング調整装置において、前記カバ
ーは弾性体によって前記第2回転体に付勢され、前記カ
バーと前記第2回転体との間に生じる摩擦力により前記
第1回転体と前記第2回転体とを拘束し、前記カバーは
前記第1圧力室および前記第2圧力室に印加される圧力
により前記弾性体の付勢力に抗して移動し第1回転体と
第2回転体の拘束を解除することを要旨としている。
【0008】請求項2の発明によれば、内周面に少なく
とも1つの凹部を有する第1回転体と、前記凹部を第1
圧力室と第2圧力室とに区画する少なくとも1つのベー
ンを有するとともに前記第1回転体と相対回転可能に組
み合わされる第2回転体と、前記第1回転体の側面を覆
うカバーと、前記第1回転体または前記第2回転体の一
方を内燃機関の基準回転位相にて同期回転させる駆動軸
と、前記第1回転体または前記第2回転体の他方と連動
する被駆動軸と、前記第1圧力室および前記第2圧力室
に印加される圧力によって前記第1回転体と前記第2回
転体を相対回動させる相対回動手段と、前記第1回転体
と前記第2回転体との相対回動を拘束する磁石を備えた
ことを要旨としている。
【0009】請求項3の発明によれば、請求項2に記載
の内燃機関のバルブタイミング調整装置において、前記
磁石は第1回転体と第2回転体の一方に設けられ、前記
磁石は弾性体により他方に付勢されていることを要旨と
している。
【0010】上記請求項1に記載の発明によれば、第1
圧力室と第2圧力室とに油圧が作用していないときは、
カバーは弾性体によって第2回転体に付勢され、カバー
と第2回転体との間に生じる摩擦力により、第1回転体
と第2回転体との相対回動を拘束する。第1圧力室と第
2圧力室とに油圧が作用すると、この油圧によってカバ
ーが弾性体の付勢力に抗して移動し、相対回動の拘束を
解除する。このように、請求項1に記載の発明では、弾
性体の付勢力によって第1回転体と第2回転体の相対回
動を拘束し、第1回転体と第2回転体とを相対回動させ
るための第1圧力室および第2圧力室の圧力を利用し
て、第1回転体と第2回転体の相対回動の拘束を解除し
ているため、第1回転体と第2回転体との回動を所定の
拘束位置で拘束するためだけの油圧室や油路を別に設け
る必要がない。これによって、簡単な構造で第1回転体
と第2回転体の相対回動の拘束ならびに拘束解除の切換
を行うことができ、コストを低くすることができる。
【0011】上記請求項2に記載の発明によれば、第1
圧力室と第2圧力室とに油圧が作用していないときは、
磁石の磁力によって第1回転体と第2回転体との相対回
動を拘束する。第1圧力室と第2圧力室とに油圧が作用
すると、この油圧によって磁石と第1回転体または第2
回転体の間に油膜が形成され、相対回動の拘束を解除す
る。このように、請求項2に記載の発明では、磁石の磁
力によって、第1回転体と第2回転体の相対回動を拘束
し、第1回転体と第2回転体とを相対回動させるための
第1圧力室および第2圧力室の流体を利用して、第1回
転体と第2回転体の相対回動の拘束を解除しているた
め、第1回転体と第2回転体との回動を所定の拘束位置
で拘束するためだけの油圧室や油路を別に設ける必要が
ない。これによって、簡単な構造で第1回転体と第2回
転体の相対回動の拘束ならびに拘束解除の切換を行うこ
とができ、コストを低くすることができる。
【0012】上記請求項3に記載の発明によれば、第1
圧力室と第2圧力室とに油圧が作用していないときは、
弾性体により付勢された磁石によって第1回転体と第2
回転体の相対回動を拘束する。第1圧力室と第2圧力室
とに油圧が作用すると、この油圧によって、磁石に圧力
が作用し、磁石は弾性体の付勢力に抗して移動し、相対
回動の拘束を解除する。このように、請求項3の発明で
は、磁石に圧力が作用すると、磁石は弾性体の付勢力に
抗して、第1回転体または第2回転体から離れるため、
拘束を解除するときの第2回転体の接触状態の影響を受
け難くなり、応答性が向上し、バルブタイミングの制御
を的確に行うことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下図1乃至図11の図面を用い
て本発明における内燃機関のバルブタイミング調整装置
の実施の形態について説明する。
【0014】図1は、本実施の形態における内燃機関の
バルブタイミング調整装置が適用された内燃機関(以
下、エンジンと称す)を示す斜視図である。この図にお
いて、エンジン11は、ピストン12が往復運動可能に
設けられたシリンダブロック13とシリンダブロック1
3の下側に設けられたオイルパン13aと、シリンダブ
ロック13の上側に設けられたシリンダヘッド14から
構成されている。そして、上記ピストン12は、エンジ
ン11における4つの気筒(図1には1つの気筒のみ図
示)にそれぞれ対応して設けられている。
【0015】このエンジン11の下部には出力軸である
クランクシャフト15が回転可能に支持され、クランク
シャフト15にはコンロッド16を介してピストン12
が連結されている。そして、ピストン12の往復運動
は、コンロッド16によって、クランクシャフト15の
回転へと変換されるようになっている。また、ピストン
12の上側には、燃焼室17が設けられている。この燃
焼室17には、吸気ポート18と排気ポート19とが接
続されている。そして、吸気ポート18と燃焼室17と
は吸気バルブ20の開閉動作により連通、遮断され、排
気ポート19と燃焼室17とは排気バルブ21の開閉動
作により連通、遮断される。
【0016】一方、シリンダヘッド14には、吸気カム
シャフト22及び排気カムシャフト23が平行に且つ回
転可能に設けられている。吸気カムシャフト22の一端
部には、タイミングギア24aを備えた、吸気カムシャ
フト22と相対回動する相対回動手段としてのバルブタ
イミング可変機構24が設けられ、排気カムシャフト2
3の一端部にはタイミングギア25が取り付けられてい
る。このタイミングギア25及び上記バルブタイミング
可変機構24のタイミングギア24aは、タイミングチ
ェーン26を介して、上記クランクシャフトに取り付け
られたタイミングギアに連結されている。そして、クラ
ンクシャフト15の回転がタイミングチェーンを介して
吸気カムシャフト22及び排気カムシャフト23に伝達
されることによって、それら吸気カムシャフト22排気
カムシャフト23が回転する。
【0017】吸気カムシャフト22及び排気カムシャフ
ト23には、吸気バルブ20の上端に当接する吸気カム
27と、排気バルブ21の上端に当接する排気カム28
とがそれぞれ設けられている。また、吸気カムシャフト
22及び排気カムシャフト23が回転すると、吸気カム
27及び排気カム28により、吸気バルブ20及び排気
バルブ21が開閉駆動される。そして、エンジン11の
吸気工程中のピストン12下降時には吸気バルブ20が
開き、吸気ポート18から燃焼室17内に空気が吸入さ
れるようになる。また、排気工程中のピストン12上昇
時には排気バルブ21が開き、燃焼室17から排気ポー
ト19へ排気ガスが排出されるようになる。
【0018】次に、第1の実施の形態におけるバルブタ
イミング可変機構24について説明する。図2は、第1
の実施の形態における内燃機関のバルブタイミング調整
装置の具体的構成を示す拡大図である。この図におい
て、バルブタイミング調整機構24が設けられた吸気カ
ムシャフト22は、そのジャーナル22aがシリンダヘ
ッド14の軸受部14aにより回転可能に支持されてい
る。また、吸気カムシャフト22の先端は、タイミング
ギア24aの中心部を貫通している。このタイミングギ
ア24aは吸気カムシャフト22に対して回転可能とな
っている。また、吸気カムシャフト22の先端面には、
第2回転体としてのベーンロータ41がボルト42によ
って固定され、ベーンロータ41は、吸気カムシャフト
22の軸線Lを中心に吸気カムシャフト22と一体回転
するようになっている。
【0019】一方、タイミングギア24aの先端面に
は、ベーンロータ41を覆うように設けられた第1回転
体としてのシューハウジング43が当接している。この
シューハウジング43は、ベーンロータ41の外周を囲
うように設けられたリングカバー44と、リングカバー
44の先端開口部を塞ぎ、リングカバー44の外周の一
部を覆うように設けられた閉塞版45とから構成されて
いる。リングカバー44と閉塞版45の間には、オイル
シール45aが設けられている。リングカバー44の軸
方向の長さは、ベーンロータ41の軸方向の長さよりも
短く形成され、ベーンロータ41においてリングカバー
44よりはみ出した部分は延出部41aを形成してい
る。そして、タイミングギア24a、リングカバー4
4、閉塞版45は、弾性体としてのスプリング46aを
介して、ボルト46によって吸気カムシャフト22の軸
線Lを中心にして一体回転できるように連結されてい
る。なお、摩擦抵抗部としての閉塞版45と延出部41
aと、ボルト46と、スプリング46aにより、ベーン
ロータ41とタイミングギア24aとの相対回転を拘束
可能としている。
【0020】シリンダヘッド14の軸受部14aや吸気
カムシャフト22等には、バルブタイミング可変機構2
4に対してオイルを供給するための進角制御油路47及
び遅角制御油路48が設けられている。この進角制御油
路47及び遅角制御油路48は、バルブタイミング可変
機構24の内部まで延びるとともに、シリンダヘッド1
4の軸受部14aの内部を通りオイルコントロールバル
ブ(OCV)49に接続されている。また、OCV49
には、供給通路50及び排出通路51が接続されてい
る。そして、供給通路50は、クランクシャフト15の
回転に伴って駆動されるオイルポンプ52を介してエン
ジン11の下部に設けられたオイルパン13aにつなが
っており、排出通路51は、直接オイルパン13aにつ
ながっている。
【0021】OCV49はケーシング56を備え、ケー
シング56には第1給排ポート57及び第2給排ポート
58と、第1排出ポート59及び第2排出ポート60
と、供給ポート61とが設けられている。第1給排ポー
ト57には遅角制御油路48が連通し、第2給排ポート
58には進角制御油路47が連通している。更に、供給
ポート61には供給通路50が連通し、排出ポート5
9、排出ポート60には排出通路51が連通している。
また、ケーシング56内には、4つの弁部を有してコイ
ルスプリング62及び電磁ソレノイド65によりそれぞ
れ逆方向に付勢されるスプール63が設けられている。
【0022】そして、電磁ソレノイド65の消磁状態に
おいては、スプール63がコイルスプリング62の付勢
力によりケーシング56の一端側に配置されて、第1給
排ポート57と排出ポート59とが連通し、第2給排ポ
ート58が供給ポート60と連通する。この状態では、
オイルパン13a内のオイルがオイルポンプ52より供
給通路50及びOCV49を介して進角制御油路47へ
送り出され、且つ遅角制御油路48内にあったオイルが
OCV49及び排出通路51を介してオイルパン13a
内へ戻される。
【0023】更に、電磁ソレノイド65への電圧印加を
デューティ制御し、スプール63をケーシング56の中
間に位置させると、第1給排ポート57、第2給排ポー
ト58が閉塞され、第1給排ポート57、第2給排ポー
ト58を通じてのオイルの移動が禁止されるようにな
る。
【0024】次に、バルブタイミング可変機構24にお
けるベーンロータ41及びシューハウジング43の詳細
構造を説明する。図3は、図2におけるA−A断面図で
ある。この図において、シューハウジング43における
リングカバー44の内周面には、吸気カムシャフト22
の軸線Lへ向かって突出する同一形状の4つのシュー6
6がシューハウジング43の周方向に等間隔に形成され
ている。各シュー66間には、それぞれ扇状空間部67
がハウジング43の周方向に等間隔に形成されている。
また、ベーンロータ41の外周面には、扇状空間部67
に挿入されるように外側方へ突出する同一形状の4つの
ベーン68が、ベーンロータ41の周方向に等間隔に設
けられている。各ベーン68が挿入された扇状空間部6
7内は、ベーン68により第1圧力室としての進角側油
圧室69及び第2圧力室としての遅角側油圧室70に区
画されている。進角側油圧室69及び遅角側油圧室70
は、ベーン68をベーンロータ41の周方向両側から挟
むように位置している。そして、進角側油圧室69及び
遅角側油圧室70には、それぞれ、進角制御油路47及
び遅角制御油路48が連通している。
【0025】また、ベーン68の外周壁にはシール部材
71が設けられている。ベーンロータ41の外周壁とシ
ューハウジング43の内周壁との間には、組付け上、微
小なクリアランスを設けざるを得ず、このクリアランス
を介して油圧室間にオイルが漏れることをシール部材7
1によって防止している。シール部材71は、板ばね7
2の付勢力によってシューハウジング43の内周壁に向
けて押されている。
【0026】次に、進角制御油路47及び遅角制御油路
の詳細な構成について説明する。図2に示すように、進
角制御油路47は、ヘッド油路47a、油溝47b、油
孔47c、シャフト油路47d、油孔47e、環状空間
47f及び油孔47gによって構成されている。
【0027】ヘッド油路47aは、シリンダヘッド14
における軸受部14aの内部を通過し、吸気カムシャフ
ト22のジャーナル22aの外周面に形成された油溝4
7bと連通している。この油溝47bは、吸気カムシャ
フト22に形成された油孔47cを介して、吸気カムシ
ャフト22内部をその軸線方向に通過するシャフト油路
47dに連通している。このシャフト油路47dは、ベ
ーンロータ41に形成された油孔47eを介して、ベー
ンロータ41内のボルト42周りに設けられた環状空間
47fに連通している。そして、この環状空間47fと
進角側油圧室69とは油孔47gを介して連通してい
る。
【0028】一方、遅角制御油路48は、ヘッド油路4
8a、油溝48b、油孔48c、シャフト油路48d、
油孔48e、環状空間48f及び油孔48gによって構
成されている。
【0029】ヘッド油路48aは、シリンダヘッド14
における軸受部14aの内部を通過し、吸気カムシャフ
ト22のジャーナル22aの外周面に形成された油溝4
8bと連通している。この油溝48bは、吸気カムシャ
フト22に形成された油孔48cを介して、吸気カムシ
ャフト22内部をその軸線方向に通過するシャフト油路
48dに連通している。このシャフト油路48dは、吸
気カムシャフト22に形成された油孔48eを介して、
タイミングギア24aの内周面に形成された油溝48f
に連通している。そして、この油溝48fと遅角側油圧
室70とは油孔48gを介して連通している。
【0030】こうしたバルブタイミング可変機構にあっ
て、OCV49の電磁ソレノイド65が消磁されると、
進角制御油路47から進角側油圧室69へオイルが供給
されるとともに、遅角側油圧室70から遅角制御油路4
8を介してオイルが排出される。その結果、各ベーン6
8が矢印A方向へ相対移動することによりベーンロータ
が矢印A方向へ相対回動し、タイミングギア24aに対
する吸気カムシャフト22の相対回転位相が変更され
る。タイミングギア24a及び吸気カムシャフト22は
矢印A方向へ回転する。したがって、この場合、吸気カ
ムシャフト22はタイミングギア24aに対して進角
し、吸気バルブ20のバルブタイミングも進角するよう
になる。
【0031】また、OCV49の電磁ソレノイド65が
励磁されると、遅角制御油路48から遅角側油圧室70
へオイルが供給されるとともに、進角側油圧室69から
進角制御油路47を介してオイルが排出される。この結
果、各ベーン68が矢印B方向へ相対移動することによ
りベーンロータ41が矢印B方向へ相対回動し、タイミ
ングギア24aに対する吸気カムシャフト22の相対回
転位相が変更される。したがって、この場合、吸気カム
シャフト22はタイミングギア24aに対して遅角し、
吸気バルブ20のバルブタイミングも進角するようにな
る。
【0032】次に、第1の実施の形態におけるバルブタ
イミング可変機構24の作動を図3乃至図5を用いて説
明する。図4は、図2におけるC部の拘束時の拡大図で
ある。また、図5は、図2におけるC部の拘束解除時の
拡大図である。エンジン始動時、オイルポンプ52から
オイルが進角側油圧室69及び遅角側油圧室70にまだ
導入されていないとき、クランクシャフト15の回転に
伴いベーンロータ41はシューハウジング43に対して
図3に示す最遅角位置にある。このとき延出部41a
は、図4に示すように、閉塞板45と当接しており、閉
塞板45はスプリング46aによりベーンロータ41側
に付勢され、スプリング46aの付勢力を抗力として、
ベーンロータ41と閉塞板45との当接する面において
周方向に摩擦力が発生する。この摩擦力に反発する摩擦
抵抗力によって、ベーンロータ41はシューハウジング
43に拘束されている。
【0033】エンジン始動後、オイルポンプ52から各
遅角側油圧室70にオイルが供給され、閉塞板45に油
圧が作用する。そして、各遅角側油圧室70内の油圧が
所定圧以上になる、すなわち、閉塞板45に作用する油
圧が所定圧以上になるとスプリング46aの付勢力に抗
して、閉塞板45は、図5に示すように、ベーンロータ
41と反対の方向に動き、ベーンロータ41と閉塞板4
5の間にクリアランスaができ、ベーンロータ41とシ
ューハウジング43の拘束、すなわち、延出部41aと
閉塞板45との当接は解除される。これにより、ベーン
ロータ41はシューハウジング43に対し相対回転可能
になる。なお、クリアランスaは、進角側油圧室69と
遅角側油圧室70とのシール性が確保できるクリアラン
スである。
【0034】更に、図3に示す最遅角位置から進角側に
ベーンロータ41を回転させるために、OCV49を切
り換えて各遅角側油圧室70を開放し、各進角側油圧室
69にオイルを供給する。このときも、油圧が各進角側
油圧室69を介して閉塞板45に作用するため、ベーン
ロータ41とシューハウジング43の拘束解除は保持さ
れる。そして、各進角側油圧室69の油圧が所定圧以上
になるとベーンロータ41が最遅角位置から進角側に回
転する。
【0035】これ以後、エンジン運転状態に応じたEC
Uからの指示によりOCV49を切り換えて各進角側油
圧室69及び各遅角側油圧室70の油圧を制御し、シュ
ーハウジング43に対するベーンロータ41の回転位相
差つまり、クランクシャフト15に対する吸気カムシャ
フト22の回転位相差を制御する。これにより、吸気バ
ルブ20のバルブタイミングを高精度に制御できる。
【0036】このように、第1の実施の形態における内
燃機関のバルブタイミング調整装置では、進角側油圧室
69と遅角側油圧室70とに油圧が作用していないとき
には、閉塞板45はスプリング46aの付勢力によって
ベーンロータ41に付勢され、ベーンロータ41と閉塞
板45との間に生じる摩擦力により、タイミングギア2
4aとベーンロータ41との相対回動を拘束する。進角
側油圧室69と遅角側油圧室70とに油圧が作用する
と、この油圧によって閉塞板45がスプリング46aの
付勢力に抗して移動し、相対回動の拘束を解除する。し
たがって、スプリング46aの付勢力によって、タイミ
ングギア24aとベーンロータ41の相対回動を拘束
し、タイミングギア24aとベーンロータ41とを相対
回動させるための進角側油圧室69と遅角側油圧室70
の圧力を利用して、タイミングギア24aとベーンロー
タ41の相対回動の拘束を解除しているため、タイミン
グギア24aとベーンロータ41との回動を所定の拘束
位置で拘束するためだけの油圧室や油路を別に設ける必
要がない。これによって、簡単な構造でタイミングギア
24aとベーンロータ41の相対回動の拘束ならびに拘
束解除の切換を行うことができ、コストを低くすること
ができる。
【0037】更に、閉塞板45とベーンロータ41との
当接する面においてベーンロータ41を拘束し、従来技
術のようにベーンロータ41の内部には拘束する手段が
設けられていないため、ベーンロータ41の各ベーン6
8の質量を均等にでき、ベーンロータの回転バランスを
安定化することができる。また、従来技術のように拘束
する手段を稼動させるための油路がベーンロータ41に
は設けられていないため、進角側油圧室69と遅角側油
圧室70とのシール性を向上させることができる。
【0038】次に、第2の実施の形態について説明す
る。図6は、第2の実施の形態における内燃機関のバル
ブタイミング調整装置の具体的構成を示す拡大図であ
る。なお、第1の実施の形態と同一な構成については同
一の符号を付してある。この図において、バルブタイミ
ング調整機構224が設けられた吸気カムシャフト22
は、そのジャーナル22aがシリンダヘッド14の軸受
部14aにより回転可能に支持されている。また、吸気
カムシャフト22の先端は、タイミングギア224aの
中心部を貫通している。このタイミングギア224aは
吸気カムシャフト22に対して回転可能となっている。
また、吸気カムシャフト22の先端面には、ベーンロー
タ241がボルト242によって固定され、ベーンロー
タ241は、吸気カムシャフト22の軸線Lを中心に吸
気カムシャフト22と一体回転するようになっている。
なお、ベーンロータ241は鉄等の磁性体材料より構成
されている。
【0039】一方、タイミングギア224aの先端面に
は、ベーンロータ241を覆うように設けられたシュー
ハウジング243が当接している。このシューハウジン
グ243は、ベーンロータ241の外周を囲うように設
けられたリングカバー244と、リングカバー244の
先端開口部を塞ぐように設けられた閉塞版245とから
構成されている。また、タイミングギア224aのベー
ンロータ241側には、ベーンロータ241に面して、
凹部24bが形成されており、凹部24bには、永久磁
石である磁石31が嵌挿されている。そして、タイミン
グギア224a、リングカバー244、閉塞版245
は、ボルト246によって吸気カムシャフト22の軸線
Lを中心にして一体回転できるように連結されている。
なお、磁石31により、ベーンロータ241とタイミン
グギア224aとの相対回転を拘束可能としている。
【0040】次に、第2の実施の形態におけるバルブタ
イミング可変機構224の作動を図3、図7、図8を用
いて説明する。図7は、図6におけるD部の拘束時の拡
大図である。また、図8は、図6におけるD部の拘束解
除時の拡大図である。なお、図6におけるA−A断面図
は、図3と同一な構成であるため、図3を代用としてい
る。エンジン始動時、オイルポンプ52からオイルが進
角側油圧室69及び遅角側油圧室70にまだ導入されて
いないとき、クランクシャフト15の回転に伴いベーン
ロータ241はシューハウジング243に対して図3に
示す最遅角位置にある。このとき、磁石31は、図7に
示すように、磁石31の磁力によって、ベーンロータ2
41と引き付け合い、ベーンロータ241を保持する。
このため、ベーンロータ241はタイミングギア224
aに拘束されている。
【0041】エンジン始動後、オイルポンプ52から各
遅角側油圧室70にオイルが供給され、ベーンロータ2
41とタイミングギア224aとの接触部にわずかなオ
イルが流れ込む。そして、ベーンロータ241と磁石3
1の表面粗さにより形成されるベーンロータ241と磁
石31との間の微小隙間に、オイルが流れ込み、図8に
示すように、油膜32を形成する。そして、油膜32に
より、磁石31のベーンロータ241に対する磁力が弱
くなり、ベーンロータ241とタイミングギア224a
の拘束は解除される。これにより、ベーンロータ241
はタイミングギア224aに対し相対回転可能になる。
【0042】更に、図3に示す最遅角位置から進角側に
ベーンロータ241を回転させるために、OCV49を
切り換えて各遅角側油圧室70を開放し、各進角側油圧
室69にオイルを供給する。このときも、ベーンロータ
241と磁石31の間には油膜32が形成されているた
めにベーンロータ241とタイミングギア224aの拘
束解除は保持される。そして、各進角側油圧室69の油
圧が所定圧以上になるとベーンロータ241が最遅角位
置から進角側に回転する。
【0043】これ以後、エンジン運転状態に応じたEC
Uからの指示によりOCV49を切り換えて各進角側油
圧室69及び各遅角側油圧室70の油圧を制御し、タイ
ミングギア224aに対するベーンロータ241の回転
位相差つまり、クランクシャフト15に対する吸気カム
シャフト22の回転位相差を制御する。これにより、吸
気バルブ20のバルブタイミングを高精度に制御でき
る。
【0044】このように、第2の実施の形態における内
燃機関のバルブタイミング調整装置では、進角側油圧室
69と遅角側油圧室70とに油圧が作用していないとき
は、タイミングギア224aに設けられた磁石31の磁
力により、タイミングギア224aとベーンロータ24
1との相対回動を拘束する。進角側油圧室69と遅角側
油圧室70とに油圧が作用すると、この油圧によって磁
石31とタイミングギア224aとベーンロータ241
の間に油膜32が形成され、相対回動の拘束を解除す
る。したがって、磁石31の磁力によって、タイミング
ギア224aとベーンロータ241の相対回動を拘束
し、タイミングギア224aとベーンロータ241とを
相対回動させるための進角側油圧室69と遅角側油圧室
70の圧力を利用して、タイミングギア224aとベー
ンロータ241の相対回動の拘束を解除しているため、
タイミングギア224aとベーンロータ241との回動
を所定の拘束位置で拘束するためだけの油圧室や油路を
別に設ける必要がない。これによって、簡単な構造でタ
イミングギア224aとベーンロータ241の相対回動
の拘束ならびに拘束解除の切換を行うことができ、コス
トを低くすることができる。
【0045】更に、タイミングギア224aに設けられ
た磁石31の磁力によりベーンロータ241を拘束し、
従来技術のようにベーンロータ241には拘束する手段
が設けられていないため、ベーンロータ241の各ベー
ン68の質量を均等にでき、ベーンロータ241の回転
バランスを安定化することができる。また、従来技術の
ように拘束する手段を稼動させるための油路がベーンロ
ータ241には設けられていないため、進角側油圧室6
9と遅角側油圧室70とのシール性を向上させることが
できる。
【0046】次に、第3の実施の形態について説明す
る。図9は、第3の実施の形態における内燃機関のバル
ブタイミング調整装置の具体的な構成を示す拡大図であ
る。なお、第1の実施の形態及び第2の実施の形態と同
一な構成については同一の符号を付してある。この図に
おいて、バルブタイミング調整機構324が設けられた
吸気カムシャフト22は、そのジャーナル22aがシリ
ンダヘッド14の軸受部14aにより回転可能に支持さ
れている。また、吸気カムシャフト22の先端は、タイ
ミングギア324aの中心部を貫通している。このタイ
ミングギア324aは吸気カムシャフト22に対して回
転可能となっている。また、吸気カムシャフト22の先
端面には、ベーンロータ341がボルト342によって
固定され、ベーンロータ341は、吸気カムシャフト2
2の軸線Lを中心に吸気カムシャフト22と一体回転す
るようになっている。なお、ベーンロータ341は、鉄
等の磁性体材料から構成されている。
【0047】一方、タイミングギア324aの先端面に
は、ベーンロータ341を覆うように設けられたシュー
ハウジング343が当接している。このシューハウジン
グ343は、ベーンロータ341の外周を囲うように設
けられたリングカバー344と、リングカバー344の
先端開口部を塞ぐように設けられた閉塞版345とから
構成されている。また、タイミングギア324aのベー
ンロータ341側には、ベーンロータ341に面して、
断面凸状に形成された空間の凹部24cが形成されてお
り、凹部24cには、断面凸状に形成された永久磁石で
ある磁石33がスプリング34を介して嵌挿されてい
る。スプリング34によって、磁石33は、ベーンロー
タ341の方向に付勢されている。そして、タイミング
ギア324a、リングカバー344、閉塞版345は、
ボルト346によって吸気カムシャフト22の軸線Lを
中心にして一体回転できるように連結されている。な
お、磁石33と、スプリング34により、ベーンロータ
341とタイミングギア324aとの相対回転を拘束可
能にしている。
【0048】次に、第3の実施の形態におけるバルブタ
イミング可変機構324の作動を図3、図10、図11
を用いて説明する。図10は、図9におけるE部の拘束
時の拡大図である。また、図11は、図9におけるE部
の拘束解除時の拡大図である。なお、図9におけるA−
A断面図は、図3と同一な構成であるため、図3を代用
としている。エンジン始動時、オイルポンプ52からオ
イルが進角側油圧室69及び遅角側油圧室70にまだ導
入されていないとき、クランクシャフト15の回転に伴
いベーンロータ341はシューハウジング343に対し
て図3に示す最遅角位置にある。このとき、磁石33
は、図10に示すように、スプリング34によってベー
ンロータ341側に付勢され、また、磁石33の磁力に
よって、ベーンロータ341と引き付け合い、ベーンロ
ータ341を保持する。このため、ベーンロータ341
はタイミングギア324aに拘束されている。
【0049】エンジン始動後、オイルポンプ52から各
遅角側油圧室70にオイルが供給され、ベーンロータ3
41とタイミングギア324aとの接触部にわずかなオ
イルが流れ込む。そして、ベーンロータ341と磁石3
1の表面粗さにより形成されるベーンロータ341と磁
石33の間の微小隙間に、にオイルが流れ込み、図11
に示すように、油膜35を形成する。更に、ベーンロー
タ341と磁石33の間には油圧が作用する。そして、
油膜35により、磁石33のベーンロータ341に対す
る磁力が弱くなる。更に、ベーンロータ341と磁石3
3の間の油圧が所定圧以上になると、磁石33はスプリ
ング34の付勢力に抗して、ベーンロータ341から離
れる方向に動き、ベーンロータ341とタイミングギア
324aの拘束は解除される。これにより、ベーンロー
タ341はタイミングギア324aに対し相対回転可能
になる。
【0050】更に、図3に示す最遅角位置から進角側に
ベーンロータ341を回転させるために、OCV49を
切り換えて各遅角側油圧室70を開放し、各進角側油圧
室69にオイルを供給する。このときも、ベーンロータ
341と磁石33の間には油圧が作用するため、ベーン
ロータ341とタイミングギア324aの拘束解除は保
持される。そして、各進角側油圧室69の油圧が所定圧
以上になるとベーンロータ341が最遅角位置から進角
側に回転する。
【0051】これ以後、エンジン運転状態に応じたEC
Uからの指示によりOCV49を切り換えて各進角側油
圧室69及び各遅角側油圧室70の油圧を制御し、タイ
ミングギア324aに対するベーンロータ341の回転
位相差つまり、クランクシャフト15に対する吸気カム
シャフト22の回転位相差を制御する。これにより、吸
気バルブ20のバルブタイミングを高精度に制御でき
る。
【0052】このように、第3の実施の形態における内
燃機関のバルブタイミング調整装置では、磁石33はス
プリング34によって付勢されており、油圧が磁石33
に作用するとベーンロータ341と磁石33の間にクリ
アランスcができ、磁石の磁力がベーンロータ341の
回動を妨げないため、バルブタイミングの応答性が良好
となる。
【0053】更に、タイミングギア324aに設けられ
た磁石31の磁力によりベーンロータ341を拘束し、
従来技術のようにベーンロータ341には拘束する手段
が設けられていないため、ベーンロータ341の各ベー
ン68の質量を均等にでき、ベーンロータ341の回転
バランスを安定化することができる。また、従来技術の
ように拘束する手段を稼動させるための油路がベーンロ
ータ341には設けられていないため、進角側油圧室6
9と遅角側油圧室70とのシール性を向上させることが
できる。
【0054】なお、本発明は上記実施の形態に限定され
るものではなく、上記実施の形態において、タイミング
ギア24aによりクランクシャフト15の回転をタイミ
ングチェーンを介して吸気カムシャフト22及び排気カ
ムシャフト23に伝達する構成を採用したが、タイミン
グプーリを用いてもよい。
【0055】また、上記実施の形態において、吸気バル
ブ20を開閉駆動する内燃機関のバルブタイミング調整
装置について説明したが、排気バルブ21のみ、あるい
は、吸気バルブ20と排気バルブ21の両方を開閉駆動
する内燃機関のバルブタイミング調整装置に用いてもよ
い。
【0056】また、上記実施の形態において、4つのベ
ーン68を備えたバルブタイミング可変機構24につい
て説明したが、ベーン68の数が4つ以外のバルブタイ
ミング可変機構24を用いてもよい。
【0057】また、第2の実施の形態および第3の実施
の形態において、磁石31および磁石33はタイミング
ギア224aおよびタイミングギア324aに設けられ
ていたが、閉塞板245および閉塞板345、ベーンロ
ータ241およびベーンロータ341に設けられても良
い。
【0058】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載の
発明によれば、第1圧力室と第2圧力室とに油圧が作用
していないときは、カバーは弾性体によって第2回転体
に付勢され、カバーと第2回転体との間に生じる摩擦力
により、第1回転体と第2回転体との相対回動を拘束す
る。第1圧力室と第2圧力室とに油圧が作用すると、こ
の油圧によってカバーが弾性体の付勢力に抗して移動
し、相対回動の拘束を解除する。このように、請求項1
に記載の発明では、弾性体の付勢力によって第1回転体
と第2回転体の相対回動を拘束し、第1回転体と第2回
転体とを相対回動させるための第1圧力室および第2圧
力室の圧力を利用して、第1回転体と第2回転体の相対
回動の拘束を解除しているため、第1回転体と第2回転
体との回動を所定の拘束位置で拘束するためだけの油圧
室や油路を別に設ける必要がない。これによって、簡単
な構造で第1回転体と第2回転体の相対回動の拘束なら
びに拘束解除の切換を行うことができ、また、加工工程
が増えず、コストを低くすることができる。
【0059】請求項2に記載の発明によれば、第1圧力
室と第2圧力室とに油圧が作用していないときは、磁石
の磁力によって第1回転体と第2回転体との相対回動を
拘束する。第1圧力室と第2圧力室とに油圧が作用する
と、この油圧によって磁石と第1回転体または第2回転
体の間に油膜が形成され、相対回動の拘束を解除する。
このように、請求項2に記載の発明では、磁石の磁力に
よって、第1回転体と第2回転体の相対回動を拘束し、
第1回転体と第2回転体とを相対回動させるための第1
圧力室および第2圧力室の流体を利用して、第1回転体
と第2回転体の相対回動の拘束を解除しているため、第
1回転体と第2回転体との回動を所定の拘束位置で拘束
するためだけの油圧室や油路を別に設ける必要がない。
これによって、簡単な構造で第1回転体と第2回転体の
相対回動の拘束ならびに拘束解除の切換を行うことがで
き、加工工程が増えず、コストを低くすることができ
る。
【0060】請求項3に記載の発明によれば、第1圧力
室と第2圧力室とに油圧が作用していないときは、弾性
体により付勢された磁石によって第1回転体と第2回転
体の相対回動を拘束する。第1圧力室と第2圧力室とに
油圧が作用すると、この油圧によって、磁石に圧力が作
用し、磁石は弾性体の付勢力に抗して移動し、相対回動
の拘束を解除する。このように、請求項3の発明では、
磁石に圧力が作用すると、磁石は弾性体の付勢力に抗し
て、第1回転体または第2回転体から離れるため、拘束
を解除するときの第2回転体の接触状態の影響を受け難
くなり、応答性が向上し、バルブタイミングの制御を的
確に行うことができる。
【0061】
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態における内燃機関のバルブタイミ
ング装置が適用された内燃機関を示す斜視図。
【図2】第1の実施の形態における内燃機関のバルブタ
イミング調整装置の具体的構成を示す拡大図。
【図3】図2におけるA−A断面図。
【図4】図2におけるC部の拘束時の拡大図。
【図5】図2におけるC部の拘束解除時の拡大図。
【図6】第2の実施の形態における内燃機関のバルブタ
イミング調整装置の具体的構成を示す拡大図。
【図7】図6におけるD部の拘束時の拡大図。
【図8】図6におけるD部の拘束解除時の拡大図。
【図9】第3の実施の形態における内燃機関のバルブタ
イミング調整装置の具体的構成を示す拡大図。
【図10】図9におけるE部の拘束時の拡大図。
【図11】図9におけるE部の拘束解除時の拡大図。
【符号の説明】
11…エンジン、12…ピストン、13…シリンダブロ
ック、13a…オイルパン、14…シリンダヘッド、1
4a…軸受部、15…クランクシャフト、16…コンロ
ッド、17…燃焼室、18…吸気ポート、19…排気ポ
ート、20…吸気バルブ、21…排気バルブ、22…吸
気カムシャフト、22a…ジャーナル、23…排気カム
シャフト、24、224、324…バルブタイミング可
変機構、24a、224a、324a…タイミングギ
ア、24b…凹部、24c…凹部、25…タイミングギ
ア、26…タイミングチェーン、27…吸気カム、28
…排気カム、31…磁石、32…油膜、33…磁石、3
4…スプリング、35…油膜、41、241、341…
ベーンロータ、41a…延出部、42、242、342
…ボルト、43、243、343…シューハウジング、
44、244、344…リングカバー、45、245、
345…閉塞板、45a…シール、46、246、34
6…ボルト、46a…スプリング、47…進角制御油
路、47a…ヘッド油路、47b…油溝、47c…油
孔、47d…シャフト油路、47e…油孔、47f…環
状空間、47g…油孔、48…遅角制御油路、48a…
ヘッド油路、48b…油溝、48c…油孔、48d…シ
ャフト油路、48e…油孔、48f…環状空間、48g
…油孔、49…OCV、50…供給通路、51…排出通
路、52…オイルポンプ、56…ケーシング、57…第
1給排ポート、58…第2給排ポート、59…排出ポー
ト、60…排出ポート、62…コイルスプリング、63
…スプール、65…電磁ソレノイド、66…シュー、6
7…扇状空間部、68…ベーン、69…進角側油圧室、
70…遅角側油圧室、71…シール部材、72…板ばね

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内周面に少なくとも1つの凹部を有する
    第1回転体と、前記凹部を第1圧力室と第2圧力室とに
    区画する少なくとも1つのベーンを有するとともに前記
    第1回転体と相対回転可能に組み合わされる第2回転体
    と、前記第1回転体の側面を覆うカバーと、前記第1回
    転体または前記第2回転体の一方を内燃機関の基準回転
    位相にて同期回転させる駆動軸と、前記第1回転体また
    は前記第2回転体の他方と連動する被駆動軸と、前記第
    1圧力室および前記第2圧力室に印加される圧力によっ
    て前記第1回転体と前記第2回転体を相対回動させる相
    対回動手段とを備えた内燃機関のバルブタイミング調整
    装置において、 前記カバーは弾性体によって前記第2回転体に付勢さ
    れ、前記カバーと前記第2回転体との間に生じる摩擦力
    により前記第1回転体と前記第2回転体とを拘束し、前
    記カバーは前記第1圧力室および前記第2圧力室に印加
    される圧力により前記弾性体の付勢力に抗して移動し第
    1回転体と第2回転体の拘束を解除することを特徴とす
    る内燃機関のバルブタイミング調整装置。
  2. 【請求項2】 内周面に少なくとも1つの凹部を有する
    第1回転体と、前記凹部を第1圧力室と第2圧力室とに
    区画する少なくとも1つのベーンを有するとともに前記
    第1回転体と相対回転可能に組み合わされる第2回転体
    と、前記第1回転体または前記第2回転体の一方を内燃
    機関の基準回転位相にて同期回転させる駆動軸と、前記
    第1回転体または前記第2回転体の他方と連動する被駆
    動軸と、前記第1圧力室および前記第2圧力室に印加さ
    れる圧力によって前記第1回転体と前記第2回転体を相
    対回動させる相対回動手段と、前記第1回転体と前記第
    2回転体との相対回動を拘束する磁石を備えた内燃機関
    のバルブタイミング調整装置。
  3. 【請求項3】 前記磁石は第1回転体と第2回転体の一
    方に設けられ、前記磁石は弾性体により他方に付勢され
    ていることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関のバ
    ルブタイミング調整装置。
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