JP2000001611A - 合成樹脂製の釘 - Google Patents

合成樹脂製の釘

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JP2000001611A
JP2000001611A JP16576698A JP16576698A JP2000001611A JP 2000001611 A JP2000001611 A JP 2000001611A JP 16576698 A JP16576698 A JP 16576698A JP 16576698 A JP16576698 A JP 16576698A JP 2000001611 A JP2000001611 A JP 2000001611A
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resin
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nylon
glass fiber
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Takashi Saito
尚示 齊藤
Kazuyuki Wakamura
和幸 若村
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Unitika Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 剛性が高く、また吸水しても曲げ剛性の低下
が少なく、しかも安価に作製できる合成樹脂製の釘を提
供する。 【解決手段】 合成樹脂からなる釘であって、前記合成
樹脂は、結晶性ポリアミド樹脂と非晶性ポリアミド樹脂
とを重量比で(結晶性ポリアミド樹脂)/(非晶性ポリ
アミド樹脂)=90/10〜10/90となるように配
合したポリアミド樹脂30〜50重量%と、ガラス繊維
70〜50重量%との合わせて100重量%とからな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、合成樹脂製の釘に
関し、特に、釘打ちに際してかかる大きな曲げ力に耐え
るために必要な高い曲げ剛性を有し、吸水しても曲げ剛
性の低下が小さく、しかも釘打ちや釘抜きなどの作業性
の良い合成樹脂製の釘に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、木材どうしを結合する場合な
どに使用される釘としては、強度に優れた金属製のもの
が広く用いられている。しかしながら、金属製の釘には
錆びやすいという問題があり、また、木工用に使用した
場合には、釘を打った面にカンナ掛けができないという
問題もあった。また、金属製の釘を打った面に塗装を施
そうとすると、釘の頭部に塗料を塗りにくく外観性に劣
るものとなりやすい。また、金属製であると断熱性にも
劣ることから実使用に適さない分野が多々あった。
【0003】近年では、作業性の向上を図るために、自
動釘打ち機を用いた釘打ちが提案されている。この自動
釘打ち機は、例えば、釘の頭部どうしを連結部を介して
連ねた連綴式の釘を充填して高速で釘打ち作業を行うも
のである。このような連綴式の釘は、釘打ち時に前記連
結部を切り離して個々の釘として打ち出す必要がある
が、金属製の釘では、連結部が硬いため容易に切り離す
ことができず、作業性に劣るという問題があった。
【0004】このような問題を解決するものとして、合
成樹脂からなる樹脂製の釘が提案されている。樹脂製の
釘に使用される合成樹脂としては、例えば、ポリアミド
樹脂やポリカーボネート樹脂やポリブチレンテレフタレ
ート樹脂などの、引張り強度、曲げ強度、衝撃強度など
の機械的強度に優れたものが用いられる。しかし、この
ような合成樹脂だけで釘を作製すると、釘打ちに際して
かかる瞬間的な衝撃や、大きな曲げ力などに耐えるだけ
の強度が十分ではないため、前記合成樹脂にガラス繊維
などの強化材を配合して、曲げ剛性や衝撃強度を向上さ
せることが一般的である。
【0005】しかしながら、このような樹脂組成物から
なる釘は、水分を吸収すると曲げ剛性が低下するという
問題があり、したがってその使用分野が限られ、さらに
長期的に使用するには信頼性が低いという問題があっ
た。
【0006】このような問題を解決するものとして、特
許第2705817号には、平衡水分吸収率が5%以下
のポリアミド樹脂と、ガラス繊維と、熱液晶樹脂とから
なる樹脂組成物にて形成された合成樹脂製の釘が開示さ
れている。
【0007】この合成樹脂製の釘は、吸水しても曲げ弾
性率やアイゾット衝撃強度の低下の小さいものである
が、その曲げ弾性率自体は12GPa程度であり、やは
り十分な曲げ剛性を有するものではなかった。さらに、
この釘を構成する樹脂組成物には、高価な熱液晶樹脂を
配合する必要があることから、コスト高になるという問
題があり、安価に作製できる合成樹脂製の釘が望まれて
いた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記問題点を
解決し、曲げ剛性が高く、また吸水しても曲げ剛性の低
下が少なく、しかも安価に作製できる合成樹脂製の釘を
提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討をした結果、本発明に至った
ものである。すなわち本発明は、合成樹脂からなる釘で
あって、前記合成樹脂は、結晶性ポリアミド樹脂と非晶
性ポリアミド樹脂とを重量比で(結晶性ポリアミド樹
脂)/(非晶性ポリアミド樹脂)=90/10〜10/
90となるように配合したポリアミド樹脂30〜50重
量%と、ガラス繊維70〜50重量%との合わせて10
0重量%とからなることを特徴とする合成樹脂製の釘を
要旨とするものである。
【0010】本発明によれば、ポリアミド樹脂を結晶性
ポリアミド樹脂と非晶性ポリアミド樹脂とから構成し、
ガラス繊維を70〜50重量%と高充填することによ
り、ガラス繊維の配向を釘の長さ方向にすることがで
き、かつ均等に分布させることができるため、剛性の高
い合成樹脂製の釘とすることができる。また、ポリアミ
ド樹脂中に特定の割合で非晶性ポリアミド樹脂が配合さ
れていることから、吸水してもその後の曲げ剛性の低下
が少ないものとなる。また、連綴式の釘として成形した
際には、釘の柱部は曲げ剛性が高く、釘の頭部どうしを
連結した連結部は樹脂製であるため切り離しやすいこと
から、自動釘打ち機に使用される連綴り式の釘としても
好適に使用できる。さらに、この合成樹脂製の釘は、ポ
リアミド樹脂とガラス繊維のみにて構成されるため、安
価なものとすることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の合成樹脂製の釘を構成す
る合成樹脂は、結晶性ポリアミド樹脂と非晶性ポリアミ
ド樹脂とを重量比で(結晶性ポリアミド樹脂)/(非晶
性ポリアミド樹脂)=90/10〜10/90となるよ
うに配合したポリアミド樹脂と、強化材としての働きを
するガラス繊維とからなる必要がある。
【0012】結晶性のポリアミド樹脂は、機械的特性に
優れた樹脂であり、ガラス繊維を高充填することで、ガ
ラス繊維を釘の長さ方向に配向させることができるた
め、高い曲げ剛性を有する樹脂製釘とすることができ
る。さらに、ポリアミド樹脂中に非晶性ポリアミド樹脂
が特定の割合で配合されることで、吸水した後の曲げ剛
性の低下が抑えられる。
【0013】結晶性のポリアミド樹脂と非晶性ポリアミ
ド樹脂との配合割合は、重量比で(結晶性ポリアミド樹
脂)/(非晶性ポリアミド樹脂)=90/10〜10/
90とする必要がある。非晶性ポリアミド樹脂は、吸水
後の曲げ剛性の低下を防ぐものであり、前記配合割合の
下限よりも少なくなると吸水後の曲げ剛性の低下を防ぐ
効果が得られず、前記配合割合の上限を超えると、非晶
性ポリアミド樹脂は結晶性が低いため射出成形などでの
成形サイクルが延び生産性が悪くなる。
【0014】上記のように構成されたポリアミド樹脂と
ガラス繊維との配合割合は、ポリアミド樹脂30〜50
重量%と、ガラス繊維70〜50重量%とを合わせて1
00重量%とする必要がある。ポリアミド樹脂の配合割
合が30重量%より少なくなると、成形性が低下してし
まい、ポリアミド樹脂の配合割合が50重量%を超える
と、曲げ剛性が低下することとなる。
【0015】また、上述のように、本発明の合成樹脂製
の釘は、ポリアミド樹脂とガラス繊維のみにて構成され
るため、安価なものとすることができる。ポリアミド樹
脂を構成する結晶性ポリアミド樹脂は、アミノカルボン
酸、ラクタムあるいはジアミンとジカルボン酸(それら
の一対の塩も含まれる)を重合もしくは重縮合すること
により得られるものであり、ポリカプロアミド(ナイロ
ン6)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン4
6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン6
6)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン61
0)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン61
2)、ポリウンデカメチレンアジパミド(ナイロン11
6)、ポリウンデカミド(ナイロン11)、ポリドデカ
ミド(ナイロン12)、ポリトリメチルヘキサメチレン
テレフタルアミド(ナイロンTMHT)、ポリヘキサメ
チレンイソフタルアミド(ナイロン6I)、ポリヘキサ
メチレンテレフタル/イソフタルアミド(ナイロン6T
/6I)、ポリビス(4−アミノシクロヘキシル)メタ
ンドデカミド(ナイロンPACM12)、ポリビス(3
−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタンドデカミ
ド(ナイロンジメチルPACM12)、ポリメタキシリ
レンアジパミド(ナイロンMXD6)、ポリウンデカメ
チレンテレフタルアミド(ナイロン11T)、ポリウン
デカメチレンヘキサヒドロテレフタルアミド(ナイロン
11T(H))、ポリヘキサメチレンアジパミド/テレ
フタルアミド(ナイロン66/6T)、ポリヘキサメチ
レンアジパミド/テレフタルアミド/イソフタルアミド
(ナイロン66/6T/6I)、ポリヘキサメチレン/
3−メチルヘキサメチレンテレフタルアミド(ナイロン
6DT)、ポリカプロアミドヘキサメチレンテレフタル
アミド(ナイロン66T)、ポリノナメチレンテレフタ
ルアミド(ナイロン9T)及びこれらの共重合ポリアミ
ド、混合ポリアミド等が挙げられる。なかでもナイロン
6、ナイロン46、ナイロン66、ナイロン11、ナイ
ロン12及びこれらの共重合ポリアミド、混合ポリアミ
ドが好適に使用でき、ナイロン6、ナイロン66及びこ
れらの混合ポリアミドが特に好適に使用できる。
【0016】また、ポリアミド樹脂は単独で使用するだ
けでなく、層状珪酸塩を分子レベルで均一に分散させた
強化ポリアミド樹脂としても好適に使用できる。強化ポ
リアミド樹脂中には、層状珪酸塩0.1〜10重量%が
分子レベルで均一に分散されることが好ましく、層状珪
酸塩の配合割合が0.1重量%より少なくなると、曲げ
強度や曲げ弾性率といった機械的強度や耐熱性に劣るも
のとなる。また、層状珪酸塩が10重量%より多くなる
と、釘への射出成形が困難となる。
【0017】ポリアミド樹脂に層状珪酸塩が分子レベル
で均一に分散するとは、層状珪酸塩がポリアミド樹脂マ
トリックス中に分散する際に、それぞれが平均20Å以
上の層間距離を保っている状態をいう。ここで層間距離
とは、層状珪酸塩の重心間の距離を指し、均一に分散さ
れるとは、前記の珪酸塩層の一層一層、もしくは平均的
な重なりが5層以下の多層物が、平行あるいはランダ
ム、もしくは平行とランダムが混在した状態で、その5
0%以上、好ましくは70%以上が塊を形成することな
く分散している状態をいう。例えば層状珪酸塩としての
膨潤性フッ素雲母系鉱物が分子レベルで均一に分散され
ると、樹脂ペレットについて広角X線回折測定を行った
際に、膨潤性フッ素雲母系鉱物の厚み方向に起因する1
2〜13Åのピークが消失される。したがって、この測
定により膨潤性フッ素雲母系鉱物の分散状態が確認でき
る。
【0018】このようにポリアミド樹脂に層状珪酸塩が
分子レベルで均一に分散されることで、曲げ強度や曲げ
弾性率などの剛性や耐熱性や耐衝撃性が良好で、しかも
軽量な釘とすることのできる強化ポリアミド樹脂とな
る。
【0019】強化ポリアミド樹脂中に配合する層状珪酸
塩としては、モンモリロナイト、バイデライト、サポナ
イト、ヘクトライト、ソーコナイト等のスメクタイト系
鉱物、バーミキュライト等のバーミキュライト系鉱物、
白雲母、黒雲母、パラゴナイト、レビトライト、膨潤性
フッ素雲母等の雲母系鉱物、マーガライト、クリントナ
イト、アナンダイト等の脆雲母系鉱物、ドンバサイト、
スドーアイト、クッケアイト、クリノクロア、シャモサ
イト、ニマイト等の緑泥石系鉱物、セピオライト等の含
水イノケイ酸塩系鉱物等が挙げられるが、中でも層間を
広げるためにアミノカルボン酸のアンモニウム塩やオニ
ウム塩などの有機塩での前処理を特に必要としない膨潤
性フッ素雲母系鉱物が好適に使用できる。
【0020】結晶性ポリアミド樹脂の相対粘度は、特に
限定されるものではないが、溶媒として96重量%濃硫
酸を用い、温度25℃、濃度1g/dlの条件で測定さ
れた相対粘度で1.5〜5.0の範囲にあるものが好ま
しい。この相対粘度が1.5未満のものでは、釘とした
ときの曲げ強度や曲げ弾性率といった機械的強度が低下
する。一方、この相対粘度が5.0を超えるものでは、
成形性が急速に低下するので好ましくない。
【0021】非晶性ポリアミド樹脂としては、示差走査
熱量計を用いて、窒素雰囲気下16℃の昇温速度で測定
したときの融解熱が1cal/g以下のポリアミド樹脂
が挙げられ、例えば、イソフタル酸/テレフタル酸/ヘ
キサメチレンジアミンの重縮合体、イソフタル酸/テレ
フタル酸/ヘキサメチレンジアミン/ビス(3−メチル
−4−アミノシクロヘキシル)メタンの重縮合体、イソ
フタル酸/2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジア
ミン/2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン
の重縮合体、テレフタル酸/2,2,4−トリメチルヘ
キサメチレンジアミン/2,4,4−トリメチルヘキサ
メチレンジアミンの重縮合体、イソフタル酸/テレフタ
ル酸/2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン
/2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミンの重
縮合体、イソフタル酸/ビス(3−メチル−4−アミノ
シクロヘキシル)メタン/ω−ラウロラクタムの重縮合
体、テレフタル酸/ビス(3−メチル−4−アミノシク
ロヘキシル)メタン/ω−ラウロラクタムの重縮合体等
が挙げられる。また、これらの重縮合体を構成するテレ
フタル酸成分及び/又はイソフタル酸成分のベンゼン環
が、アルキル基やハロゲン原子で置換されたものも含ま
れる。さらに、これらの非晶性ポリアミドは2種以上併
用することもできる。
【0022】本発明に使用するガラス繊維は、上記ポリ
アミド樹脂の強化用に使用されるものであり、その使用
量はポリアミド樹脂30〜50重量%に対して70〜5
0重量%である。また、ガラス繊維の直径および長さに
ついては特に制限されるものではないが、繊維長が長す
ぎるとポリアミド樹脂と均一に混合、分散させることが
難しく、逆に繊維長が短すぎると強化材としての効果が
不十分となるため、通常は0.1〜10mmの繊維長の
ものが好ましく、特に0.1〜7mmのものが好まし
く、さらには0.3〜4mmのものが好ましい。また、
ガラス繊維の径は、9〜13μmの範囲にあるものが好
ましい。このようなガラス繊維には、ポリアミド樹脂と
の界面接着力を向上させて補強効果を上げる目的で必要
に応じて表面処理剤で処理したものを用いてもよい。
【0023】なお、上記合成樹脂には、その特性を大き
く損なわない限りにおいて、光安定剤、可塑剤、滑剤、
染料、離型剤、顔料、難燃剤などを添加してもよく、こ
れらは樹脂組成物の溶融混練もしくは溶融成形する際に
加えられる。
【0024】上記のように構成された合成樹脂からなる
釘は、射出成形法にて成形され、その金型はコールドラ
ンナーシステム、ホットランナーシステムのいずれでも
良い。また、釘の形状は特に限定されるものではない
が、柱部が円筒状、楕円状、角柱状など公知の形状のも
のが挙げられる。また、この釘は、1つ1つを個々に形
成してもよく、あるいは、自動釘打ち機などに使用され
る連綴り式の釘として、数個ないし数十個が釘の柱部や
頭部の一部で連結部を介してつながった形状としてもよ
い。連綴式の釘として成形した際には、釘の柱部は曲げ
剛性が高く、連結部は樹脂製であるため切り離しやすい
ことから、自動釘打ち機に使用される連綴り式の釘とし
ても好適に使用でき、作業性を向上させることができ
る。
【0025】
【実施例】次に実施例に基づき本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるもので
はない。なお、以下の実施例、比較例における各種物性
値の測定は以下の方法により実施した。
【0026】(1)曲げ弾性率(GPa):厚さ3.2
mm、幅12.7mm、長さ127mmの試験片を作成
し、ASTM−D790に記載の方法に準じて曲げ弾性
率を測定した。また、23℃の水中に浸漬し、7日間経
過した後の試験片についても同様に曲げ弾性率を測定し
た。
【0027】(2)アイゾット衝撃強度(J/m):A
STM−D256に記載の方法に準じて、ノッチ付き、
1/2インチ厚さの試験片で荷重1.86MPaの応力
下でアイゾット衝撃強度を測定した。また、23℃の水
中に浸漬し、7日間経過した後の試験片についても同様
にアイゾット衝撃強度を測定した。
【0028】(3)吸水率(%):厚さ3.2mm、幅
12.7mm、長さ127mmの試験片を作成し、23
℃の水中に浸漬し、7日間経過した後の重量変化率から
吸水率を測定した。
【0029】(4)釘打ち試験:全長38mm、頭部の
長さ1mm、柱部の長さ35mm、先端部の長さ2m
m、柱部の断面形状が6角形の釘を10本作成し、23
℃の水中に7日間浸漬した。そして、7日間経過後にこ
の釘を取り出し、厚さ10mm、幅40mm、長さ40
mmの杉の角材の上にハンマーで打ち込んだ。そして、
10本中に何本折れや欠けがあるかを調べた。
【0030】実施例1 上記物性を測定するために、まず合成樹脂のペレットを
作成した。樹脂成分として、結晶性ポリアミドである相
対粘度2.7のナイロン66(デュポン社製、ザイテル
101)32重量%と、非晶性ポリアミドであるイソフ
タル酸/テレフタル酸/ヘキサメチレンジアミン/ビス
(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタンの重
縮合体(ユニチカ社製、CX3000)8重量%とを用
いた。この樹脂成分40重量%にガラス繊維(日本電気
硝子社製、T−259)60重量%を合わせて二軸押出
機(東芝機械社製、TEH37BS)を用いて溶融混練
し、樹脂ペレットを作成した。なお、シリンダー温度
は、290℃とした。
【0031】そして射出成形機(東芝機械社製、IS−
100E)により、シリンダー温度280℃で樹脂ペレ
ットを溶融混練して、金型温度を120℃として試験片
および釘を射出成形した。
【0032】そして上記の測定法に従い、吸水前後の曲
げ弾性率、アイゾット衝撃強度、吸水率を測定し、合わ
せて吸水後の釘打ち試験を行った。得られた測定結果を
表1に示す。
【0033】
【表1】
【0034】実施例2 非晶性ポリアミドとして、イソフタル酸/テレフタル酸
/ヘキサメチレンジアミンの重縮合体(エムス社製、G
−21)を用いた。そして、結晶性ポリアミド樹脂と非
晶性ポリアミド樹脂との配合割合を表1に示すようにし
た。また、シリンダー温度は280℃とした。
【0035】そしてそれ以外は実施例1と同様にして、
試験片および樹脂製釘を作製した。得られた試験片の吸
水前後の曲げ弾性率、アイゾット衝撃強度、吸水率の測
定結果、および釘打ち試験の結果を表1に示す。
【0036】実施例3 結晶性ポリアミド樹脂として相対粘度2.5のナイロン
6(ユニチカ社製、A1030BRL)を用いた。ま
た、結晶性ポリアミド樹脂と非晶性ポリアミド樹脂との
配合割合を表1に示すようにし、ガラス繊維の配合割合
を実施例1よりも多く70重量%とした。また、シリン
ダー温度は280℃とした。
【0037】そしてそれ以外は実施例1と同様にして、
試験片および樹脂製釘を作製した。得られた試験片の吸
水前後の曲げ弾性率、アイゾット衝撃強度、吸水率の測
定結果、および釘打ち試験の結果を表1に示す。
【0038】実施例4 結晶性ポリアミドとして実施例1のナイロン66(デュ
ポン社製、ザイテル101)と、実施例3のナイロン6
(ユニチカ社製、A1030BRL)とを用いた。ま
た、結晶性ポリアミド樹脂と非晶性ポリアミド樹脂との
配合割合を表1に示すようにし、シリンダー温度を28
0℃とした。
【0039】そしてそれ以外は実施例1と同様にして、
試験片および樹脂製釘を作製した。得られた試験片の吸
水前後の曲げ弾性率、アイゾット衝撃強度、吸水率の測
定結果、および釘打ち試験の結果を表1に示す。
【0040】実施例5 結晶性ポリアミド樹脂として、相対粘度2.3のナノコ
ンポジットナイロン6(ユニチカ社製、M1030D)
を用いた。このナノコンポジットナイロン6は、膨潤性
フッ素雲母鉱物を樹脂中に4重量%含有するものであっ
た。また、結晶性ポリアミド樹脂と非晶性ポリアミド樹
脂との配合割合を表1に示すようにし、ガラス繊維の配
合割合を実施例1よりも少なく50重量%とした。ま
た、シリンダー温度を280℃とした。
【0041】そしてそれ以外は実施例1と同様にして、
試験片および樹脂製釘を作製した。得られた試験片の吸
水前後の曲げ弾性率、アイゾット衝撃強度、吸水率の測
定結果、および釘打ち試験の結果を表1に示す。
【0042】実施例6 結晶性ポリアミド樹脂と非晶性ポリアミド樹脂との配合
割合を表1に示すようにした。
【0043】そしてそれ以外は実施例1と同様にして、
試験片および樹脂製釘を作製した。得られた試験片の吸
水前後の曲げ弾性率、アイゾット衝撃強度、吸水率の測
定結果、および釘打ち試験の結果を表1に示す。
【0044】実施例7 ポリアミド樹脂として、実施例3の結晶性ポリアミド樹
脂である相対粘度2.5のナイロン6(ユニチカ社製、
A1030BRL)12重量%と、実施例2の非晶性ポ
リアミド(エムス社製、G−21)28重量%とを用い
た。また、シリンダー温度を280℃とした。
【0045】そしてそれ以外は実施例1と同様にして、
試験片および樹脂製釘を作製した。得られた試験片の吸
水前後の曲げ弾性率、アイゾット衝撃強度、吸水率の測
定結果、および釘打ち試験の結果を表1に示す。
【0046】実施例1〜7はいずれも、結晶性ポリアミ
ド樹脂と、非晶性ポリアミド樹脂と、ガラス繊維とが本
発明の範囲内で配合されていたため、曲げ弾性率やアイ
ゾット衝撃強度が高く、また、吸水した後も曲げ弾性率
の低下が少なかったため、良好な釘打ち試験の結果が得
られた。
【0047】比較例1 ポリアミド樹脂として、非晶性ポリアミド樹脂を用いず
に、結晶性ポリアミド樹脂として実施例1のナイロン6
6(デュポン社製、ザイテル101)のみを用いた。ま
た、ポリアミド樹脂とガラス繊維との配合割合を表1に
示すようにした。
【0048】そしてそれ以外は実施例1と同様にして、
試験片および樹脂製釘を作製した。得られた試験片の吸
水前後の曲げ弾性率、アイゾット衝撃強度、吸水率の測
定結果、および釘打ち試験の結果を表1に示す。
【0049】比較例2 ポリアミド樹脂として、非晶性ポリアミド樹脂を用いず
に、結晶性ポリアミド樹脂として実施例5のナイロン6
(ユニチカ社製、A1030BRL)のみを用いた。
【0050】そしてそれ以外は実施例1と同様にして、
試験片および樹脂製釘を作製した。得られた試験片の吸
水前後の曲げ弾性率、アイゾット衝撃強度、吸水率の測
定結果、および釘打ち試験の結果を表1に示す。
【0051】比較例3 ポリアミド樹脂として、非晶性ポリアミド樹脂を用いず
に、結晶性ポリアミド樹脂として実施例5のナイロン6
(ユニチカ社製、M1030D)のみを用いた。また、
ポリアミド樹脂とガラス繊維との配合割合を表1に示す
ようにした。
【0052】そしてそれ以外は実施例1と同様にして、
試験片および樹脂製釘を作製した。得られた試験片の吸
水前後の曲げ弾性率、アイゾット衝撃強度、吸水率の測
定結果、および釘打ち試験の結果を表1に示す。
【0053】比較例1〜3は、いずれも非晶性のポリア
ミド樹脂が配合されていなかったため、吸水率が高くな
り、吸水後の曲げ弾性率の低下が大きくなった。そのた
め、吸水後の釘打ち試験においても半数ちかくに折れや
欠けが発生し、良好な結果が得られなかった。
【0054】
【発明の効果】本発明によれば、ポリアミド樹脂30〜
50重量%にガラス繊維70〜50重量%を配合するこ
とで、釘として使用するに十分な曲げ剛性が得られる。
また、ポリアミド樹脂として、結晶性ポリアミド樹脂だ
けでなく非晶性ポリアミド樹脂を配合し、その配合割合
を重量比で(結晶性ポリアミド樹脂)/(非晶性ポリア
ミド樹脂)=90/10〜10/90とすることで、吸
水した後も曲げ剛性の低下が少なくなり、釘打ち性や釘
抜き性などの作業性が良く、長期間の使用後にも釘抜き
性の良い釘が得られる。また、連綴式の釘として成形し
た際には、釘の柱部は曲げ剛性が高く、釘の頭部どうし
を連結した連結部は樹脂製であるため切り離しやすいこ
とから、自動釘打ち機に使用される連綴り式の釘として
も好適に使用できる。さらに、この釘は、ポリアミド樹
脂とガラス繊維のみにて構成されるため、安価な合成樹
脂製の釘を提供することができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成樹脂からなる釘であって、前記合成
    樹脂は、結晶性ポリアミド樹脂と非晶性ポリアミド樹脂
    とを重量比で(結晶性ポリアミド樹脂)/(非晶性ポリ
    アミド樹脂)=90/10〜10/90となるように配
    合したポリアミド樹脂30〜50重量%と、ガラス繊維
    70〜50重量%との合わせて100重量%とからなる
    ことを特徴とする合成樹脂製の釘。
JP16576698A 1998-06-15 1998-06-15 合成樹脂製の釘 Pending JP2000001611A (ja)

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