JP2000001465A - ジフェニルメタンジイソシアネート及び/又はポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートの製造方法 - Google Patents

ジフェニルメタンジイソシアネート及び/又はポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートの製造方法

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JP2000001465A
JP2000001465A JP10167310A JP16731098A JP2000001465A JP 2000001465 A JP2000001465 A JP 2000001465A JP 10167310 A JP10167310 A JP 10167310A JP 16731098 A JP16731098 A JP 16731098A JP 2000001465 A JP2000001465 A JP 2000001465A
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diphenylmethane diisocyanate
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Toshiyuki Taniguchi
敏幸 谷口
Akira Iiboshi
朗 飯干
Masaaki Iijima
正章 飯島
Naoki Sato
直樹 佐藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 イソシアネート混合物中の亜鉛含有量
を、できる限り微量に減少させる方法を提供する。 【解決手段】 被処理原料として亜鉛分を含有するジ
フェニルメタンジイソシアネート及び/又はポリメチレ
ンポリフェニレンポリイソシアネートを、イオン交換樹
脂で処理し、処理されたジフェニルメタンジイソシアネ
ート及び/又はポリメチレンポリフェニレンポリイソシ
アネートをイオン交換樹脂から分離することにより、亜
鉛分を減少させたジフェニルメタンジイソシアネート及
び/又はポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネー
トの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はジフェニルメタンジ
イソシアネート及び/又はポリメチレンポリフェニレン
ポリイソシアネートの製造方法に関する。更に詳しく
は、亜鉛含有量が少ないジフェニルメタンジイソシアネ
ート及び/又はポリメチレンポリフェニレンポリイソシ
アネートの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】有機イ
ソシアネート類は極めて反応性に富む物質で、ポリウレ
タンフォーム、エラストマー、接着剤及び塗料をはじめ
とする広範囲の用途に用いられている。有機イソシアネ
ート類は、工業的にはそのほとんどが、対応する原料ア
ミン化合物とホスゲンとの反応により製造されている。
例えばジフェニルメタンジイソシアネート(以下、MD
Iと記す)は、酸触媒の存在下にアニリンとホルムアル
デヒドとの縮合反応により合成したポリアミン混合物
を、不活性溶媒の存在下にホスゲンと反応させ、適宜脱
ガス、脱溶媒等の後処理を行ってポリメチレンポリフェ
ニレンポリイソシアネート(以下、ポリMDIと記す)
を得、ここから蒸留等の方法により4,4’−ジフェニ
ルメタンジイソシアネートを主成分とする粗製MDIを
取り出し、これを更に精製することにより製造されるの
が一般的である。
【0003】一般にイソシアネート類には、量の多少は
あるものの酸分及び加水分解性塩素(以下、HCと記
す)或いは金属化合物等の不純物が含まれている。この
ような不純物は活性水素化合物との反応に際して反応性
に著しい悪影響を及ぼし、また反応生成物の物性を低下
させるため、酸分及びHC成分或いは、金属化合物等を
減少させることは非常に重要である。
【0004】従来、有機イソシアネート中に含まれるH
C成分を減少させる方法としては、精留を繰り返す方法
や金属化合物等を添加して加熱処理する方法などが提案
されていて、これらの方法を適用して、通常HC成分量
が許容されている範囲、例えばMDIの場合には10〜
100ppm程度になるように精製操作が行なわれてい
る。
【0005】しかしながら、精留を繰り返す方法(特公
昭53−9750号、特公昭58−90540号)で
は、HC含有量を比較的容易に低下させることができる
ものの、数十ppm以下にまでHC含有量を下げようと
した場合には、非常に高い蒸留段数を有する蒸留設備が
必要であり、且つ精留操作を何回にもわたって繰り返す
必要がある。したがって、コストが高くなって工業的に
はあまり好ましくない。また、有機イソシアネートは、
過熱により、ある温度域を越えると急激に樹脂化、及び
ガスの発生を起こすため、工業的には非常に慎重な温度
管理が必要である。
【0006】一方、金属化合物類の添加処理によるHC
低減方法としては、亜鉛化合物による処理方法が公知で
あり、酸化亜鉛を用いて加熱処理する方法(特公昭41
−21611号)、酢酸亜鉛を用いて加熱処理する方法
(特公昭42−17887号)、或いは飽和脂肪酸亜鉛
を用いて加熱処理する方法(特開昭54−44613
号)などが知られている。これら亜鉛化合物で加熱処理
した後、薄膜蒸留にて、亜鉛分を含む反応残分を高沸分
として除去している。例えば特公昭42−17887号
の記載では、酢酸亜鉛を用いた場合、酸分を10pp
m、HC成分を10〜30ppmまで低下させている。
【0007】亜鉛化合物の添加によるHC処理方法は、
精留を繰り返す方法と比較して非常に低い温度で処理で
きるため、イソシアネートの劣化が少なく、且つ操作上
も安全であるという利点を有している。しかし同時にこ
の方法は、亜鉛化合物の添加量にもよるが、数百から数
千ppmの亜鉛分が含まれる反応残分が発生するという
問題も有している。
【0008】この亜鉛化合物で処理した反応残分には、
数%〜数十%のMDIが含まれるが、従来廃棄される
か、またはポリMDI中に混合されていた。反応残分を
廃棄した場合、コスト上好ましくないことは明らかであ
る。
【0009】一方、ポリMDI中に亜鉛化合物で処理し
た残液が混合された場合、当然ポリMDI中の亜鉛含有
量が多くなる。ヒドロキシ化合物との反応時に於けるイ
ソシアネートの活性は、亜鉛の含有量によって影響を受
けるため、亜鉛含有量の多いポリMDIをポリウレタン
重付加物の出発物質として使用する時はその影響を考慮
しなければならない。ポリウレタンの生成に必要な要件
は、イソシアネート混合物中の亜鉛含有量が、できる限
り微量であることである。
【0010】以上述べた様に、イソシアネート中のHC
成分を亜鉛化合物の添加により処理する方法は、有用な
方法であるにも拘わらず、亜鉛分を含む反応残分の処理
に問題があり、これを解決する方法の開発が求められて
いた。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題の
解決に向け鋭意検討を重ねた結果、イオン交換樹脂、特
にカチオン交換樹脂にて処理することにより、ジフェニ
ルメタンジイソシアネート及び/又はポリメチレンポリ
フェニレンポリイソシアネート中の亜鉛含有量を減少で
きることを見い出し、発明を完成するに至った。
【0012】即ち、本発明は、(1)被処理原料として
亜鉛分を含有するジフェニルメタンジイソシアネート及
び/又はポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネー
トを、イオン交換樹脂で処理し、処理されたジフェニル
メタンジイソシアネート及び/又はポリメチレンポリフ
ェニレンポリイソシアネートをイオン交換樹脂から分離
することにより、亜鉛分を減少させたジフェニルメタン
ジイソシアネート及び/又はポリメチレンポリフェニレ
ンポリイソシアネートの製造方法であり、(2)被処理
原料として亜鉛分を含有するジフェニルメタンジイソシ
アネート及び/又はポリメチレンポリフェニレンポリイ
ソシアネートを、イオン交換樹脂で処理し、処理された
ジフェニルメタンジイソシアネート及び/又はポリメチ
レンポリフェニレンポリイソシアネートをイオン交換樹
脂から分離することにより、亜鉛分をイソシアネート1
kg当たり0.1〜100mgの重量範囲まで減少させ
てなる亜鉛分を減少させたジフェニルメタンジイソシア
ネート及び/又はポリメチレンポリフェニレンポリイソ
シアネートの製造方法であり、(3)イオン交換樹脂で
の処理を20〜150℃の温度、0.05〜10MPa
の圧力にて行うことを特徴とする前記(1)、(2)記
載の亜鉛分を減少させたジフェニルメタンジイソシアネ
ート及び/又はポリメチレンポリフェニレンポリイソシ
アネートの製造方法であり、(4)ポリメチレンポリフ
ェニレンポリイソシアネートから分離精製等の操作で製
造され且つ加水分解性塩素分及び酸分を含有するジフェ
ニルメタンジイソシアネートに、亜鉛化合物を添加して
処理し、得られた処理液を蒸発または蒸留によって、精
製ジフェニルメタンジイソシアネート留分と亜鉛分を含
む残査とに分離し、分離された亜鉛分を含む残査を被処
理原料とする前記(1)、(2)又は(3)記載の製造
方法である。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
本発明に於ける「ジフェニルメタンジイソシアネート
(以下、MDIと記す)」とは、式(1)〔化1〕
【化1】 (式中nは0以上の整数を表す)に於いてn=0の化合
物を示し、通常混入する副生物、不純物をも含まれる。
【0014】本発明に於ける「ポリメチレンポリフェニ
レンポリイソシアネート(以下、ポリMDIと記す)」
とは、式(1)中に於いてn=0を含むn=0以上の混
合物を示し、通常混入する副生物、不純物をも含まれ
る。
【0015】本発明に於ける「被処理原料」とは、上述
のMDI及び/又はポリMDIに亜鉛分を含むものであ
る。
【0016】本発明に於ける「酸分」とは、イソシアネ
ート中に含まれる酸性起因物質の総称であり、その量
は、日本工業規格JIS−K1603(ポリメチレンポ
リフェニルポリイソシアネート試験方法)に定義された
「酸度」の測定方法により求められるもので、塩化水素
量に換算した値である。
【0017】本発明に於ける「加水分解性塩素(H
C)」とは、イソシアネート中に含まれ加水分解により
塩酸を生成する物質の総称であり、その量は、日本工業
規格JIS−K1556(トリレンジイソシアネート試
験方法)に定義された「加水分解性塩素」測定方法によ
り求められるもので塩素量に換算した値である。
【0018】本発明に於ける「亜鉛含有量」は、原子吸
光法により求められた値である。
【0019】本発明の亜鉛化合物の添加によるHC処理
方法は、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート
(以下4,4’−MDIと記す)を主成分とし加水分解
性塩素(HC)分及び酸分を含有する粗MDIに、亜鉛
化合物を添加し、加熱処理する方法で行う。
【0020】上記粗MDIは一般的に公知な方法、例え
ば、酸触媒の存在下にアニリンとホルムアルデヒドとの
縮合反応により合成したポリアミン混合物を、不活性溶
媒の存在下にホスゲンと反応させ、適宜脱ガス、脱溶媒
等の後処理を行ってポリMDIを得、ここから蒸留等の
方法により4,4’−MDIを主成分として取り出した
後、必要に応じて精製を行う方法により得ることができ
る。
【0021】亜鉛化合物としては、酸化亜鉛、酢酸亜
鉛、及び飽和脂肪酸亜鉛からなる群から選ばれる1種以
上の化合物が使用できるが、特に飽和脂肪酸亜鉛を用い
ることが好ましい。飽和脂肪酸亜鉛としては、例えば、
ラウリル酸亜鉛、オクチル酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、
パルミチン酸亜鉛等を挙げることができるが、工業用と
して安価なステアリン酸亜鉛を使用すれば経済的にも優
位となり更に好ましい。
【0022】飽和脂肪酸亜鉛の添加量は、含有するHC
化合物の塩素量に基づき1倍モル以上10倍モル以下の
量であり、好ましくは1倍モル以上5倍モル以下の量で
ある。飽和脂肪酸亜鉛としてステアリン酸亜鉛を使用す
る場合の添加量の範囲を示すと、例えば、HC含有量5
0ppmの粗MDIにステアリン酸亜鉛を添加して処理
する場合、塩素の原子量を35.45、ステアリン酸亜
鉛の分子量を632.34とすると、その添加量は約8
92〜8919ppmの範囲、好ましくは約892〜4
459ppmの範囲となる(いずれも重量基準)。
【0023】飽和脂肪酸亜鉛を添加した後の加熱処理の
温度は、50℃以上220℃以下の範囲であり、好まし
くは60℃以上150℃以下である。加熱処理の時間に
ついては、粗MDI中に含まれるHC成分の量や添加し
た飽和脂肪酸亜鉛の量、及び加熱処理の温度によって変
化するため一概には言えないが、概ね10分から8時間
の範囲である。
【0024】飽和脂肪酸亜鉛の添加と加熱処理の方法に
ついては、この種の化学操作に一般的な方法を適宜用い
ることができ特に制限はなく、回分式、連続式のいずれ
でも行うことができる。
【0025】本発明においては、被処理原料として亜鉛
分を含有するMDI及び/又はポリMDIを、イオン交
換樹脂で処理し、処理されたMDI及び/又はポリMD
Iをイオン交換樹脂から分離することにより、亜鉛分を
減少させる。
【0026】本発明の方法は、被処理原料として、上述
の方法により粗MDIに亜鉛化合物を添加し加熱処理を
行った亜鉛を含む処理液(A)、処理液(A)から蒸発
等により4,4’−MDIを取り出した後の亜鉛を含む
残査(B)、処理液(A)と任意のポリMDIの混合物
(C)、又は残査(B)と任意のポリMDIの混合物
(D)、のいずれに対しても行うことができる。
【0027】本発明の方法に使用されるイオン交換樹脂
は、一般的に使用されるイオン交換樹脂であるが、好ま
しくはカチオン交換樹脂である。通常カチオン交換樹脂
はアルカリ金属やアルカリ土類金属等の塩型が多いが、
塩酸などの鉱酸で再生したH型でも使用できる。例え
ば、弱酸性マクロポーラス型で交換基としてキレート生
成能のあるイミノジアセテート基を有したカチオン交換
樹脂(商品名レバチットTP207:Bayer社製)
を塩酸などの鉱酸で再生したH型でも良い。
【0028】本発明で使用するイオン交換樹脂は乾燥状
態で使用しなければならない。これはイオン交換樹脂中
に含まれる水と被処理原料中のイソシアネートとの反応
を防ぐために必要である。
【0029】本発明のイオン交換樹脂での処理方法とし
ては、被処理原料をそのまま処理する方法や、必要に応
じて不活性な有機溶媒に溶解し、溶液にして処理するこ
ともできる。不活性な有機溶媒としては、被処理原料と
反応せず処理温度領域で安定で処理反応を阻害しないも
のであれば良く、例えば、ヘキサン、オクタン、シクロ
ヘキサン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ジク
ロロベンゼン等を挙げることができる、好ましくは、芳
香族化合物、更に好ましくはo−ジクロロベンゼン等の
塩素化芳香族化合物が挙げられる。
【0030】不活性な有機溶媒に溶解し、溶液にして処
理する場合の被処理原料の濃度は、特に限定するもので
はなく、予備試験により容易に求めることができる。
【0031】本発明のイオン交換樹脂での処理方式は、
連続式又は回分式のいずれでも行うことができる。連続
式の場合は、被処理原料とイオン交換樹脂とが十分に接
触し、亜鉛が吸着されるような速度にて通液することに
より連続的に処理を行う。回分式の場合には、イオン交
換樹脂を被処理原料へ添加して、イオン交換樹脂と良く
接触するように混合物を激しく撹拌した後、加圧、又は
減圧ろ過によりイオン交換樹脂をろ別する方法で処理を
行う。
【0032】連続式及び回分式の処理条件は、使用する
イオン交換樹脂の量、処理時間、圧力及び温度、被処理
原料の種類及びその中に含まれる亜鉛の含有量、使用す
るイオン交換樹脂の性質及び活性、並びに被処理原料が
未希釈であるか又は有機溶媒により希釈されているかど
うかに依存する。具体的な処理条件としては、処理温度
が20〜150℃、好ましくは20〜80℃であり、処
理圧力が0.05〜10MPa、好ましくは0.1〜1
MPaであり、接触時間が通常0.5分〜200分、好
ましくは0.5〜100分である。使用するイオン交換
樹脂の量は、未希釈の被処理原料1kgに対して、0.
1〜300g、好ましくは0.5〜200gである。上
述のパラメーターの最適値は、記載の範囲内であればよ
く、適切な予備試験により容易に求めることができる。
【0033】本発明によって製造された亜鉛分を減少さ
せたMDI及び/又はポリMDIは、被処理液と比較し
て含まれる亜鉛分及び不純物が少ないため、ポリMDI
の一般的な製造プロセスにおいて、酸触媒の存在下にア
ニリンとホルムアルデヒドとの縮合反応により合成した
ポリアミン混合物を不活性溶媒の存在下にホスゲンと反
応させた反応マス、脱ガス液、脱溶媒後のポリMDIの
いかなる製造プロセス系内にも回収することができる。
【0034】本発明によって製造された亜鉛分を減少さ
せたMDI及び/又はポリMDIは、イオン交換樹脂に
よる処理を有機溶媒の不存在下に行った場合にはそのま
ま、イオン交換樹脂による処理を有機溶媒の存在下に行
った場合には適宜脱溶媒処理を施した後、任意のポリM
DIに混合して工業用途として直接好適に使用すること
ができる。
【0035】本発明の方法で処理したMDI及び/又は
ポリMDIは、例えばポリウレタン重付加物の製造の際
に、出発物質として使用できる。
【0036】
【実施例】以下に実施例を示して本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるも
のではない。なお特にことわらない限り、実施例中の
「部」、「%」、及び「ppm」は、それぞれ「重量
部」、「重量%」、及び「重量ppm」を示すものとす
る。
【0037】合成例1 塩酸存在下にアニリンとホルマリンを縮合し、中和、脱
水等の精製を行って得たポリアミン混合物を、o−ジク
ロロベンゼン中でホスゲンと反応させ、脱ガス、脱溶媒
等の精製を行って、MDIを64重量%含むポリMDI
を得た。このポリMDIを、300〜400Paの減圧
下に195〜215℃の温度で薄膜蒸発機を用いて蒸発
し、ポリMDIに対して48%の重量で粗MDIを得
た。この粗MDIの酸分は15ppm、HCは34pp
mであった。この粗MDI600部とステアリン酸亜鉛
0.72部(HC量に対して2.0倍モルに相当)を撹
拌機及び窒素ガス導入管を備えた1リッター四つ口フラ
スコに装入し、撹拌しながら90℃で4時間加熱処理し
た。この反応液(原料X)の亜鉛含有量は124mgZ
n/kgであった。原料Xを、100〜200Paの減
圧下に179〜190℃の温度で薄膜蒸発機を用いて蒸
発し、431部の低沸点留分(MDI)と、亜鉛化合物
を含む残査(原料Y)169部を得た。得られた残査の
亜鉛含有量は440mgZn/kgであった。原料Y5
0部と亜鉛を含まないポリMDI50部を混合して、亜
鉛含有量220mgZn/kgの原料Zを得た。
【0038】実施例1 合成例1で得られた原料X190部と弱酸牲マクロポー
ラス型カチオン交換樹脂であるレバチットTP207
(Bayer社製、塩酸にてH型とし減圧下70℃で乾
燥させたもの)10部を撹拌機及び窒素ガス導入管を備
えた四つ口フラスコに装入し、撹拌しながら50℃で2
時間処理した。次いで減圧ろ過によりカチオン交換樹脂
をろ残としてろ別した。ろ液中の亜鉛含有量は、70m
gZn/kgであった。
【0039】実施例2 合成例1で得られた原料Z190部と弱酸牲マクロポー
ラス型カチオン交換樹脂であるレバチットTP207
(Bayer社製、塩酸にてH型とし減圧下70℃で乾
燥させたもの)20部を撹拌機及び窒素ガス導入管を備
えた四つ口フラスコに装入し、撹拌しながら65℃で2
時間処理した。次いで減圧ろ過によりカチオン交換樹脂
をろ残としてろ別した。ろ液中の亜鉛含有量は、80m
gZn/kgであった。
【0040】実施例3 合成例1で得られた原料Z20部をo−ジクロロベンゼ
ン80部に溶解して、溶液を調整した。このo−ジクロ
ロベンゼン溶液100部をレバチットTP207(Ba
yer社製、塩酸にてH型とし減圧下70℃で乾燥させ
たもの)5部と配合し、撹拌しながら25℃で2時間処
理した。次いで減圧ろ過によりカチオン交換樹脂をろ別
した。7mg/kgの亜鉛含有量(ポリMDI1kg当
たり35mgZn/kg)を有する溶液を得た。
【0041】実施例4 合成例1で得られた原料Y20部をo−ジクロロベンゼ
ン80部に溶解して、溶液を調整した。このo−ジクロ
ロベンゼン溶液100部をレバチットTP207(Ba
yer社製、塩酸にてH型とし減圧下70℃で乾燥させ
たもの)5部と配合し、撹拌しながら65℃で3時間処
理した。次いで減圧ろ過によりカチオン交換樹脂をろ別
した。11mg/kgの亜鉛含有量(ポリMDI1kg
当たり55mgZn/kg)を有する溶液を得た。
【0042】実施例5 合成例1で得られた原料Z20部をo−ジクロロベンゼ
ン80部に溶解して、溶液を調整した。このo−ジクロ
ロベンゼン溶液2000mlをレバチットTP207
(Bayer社製、塩酸にてH型とし減圧下70℃で乾
燥させたもの)を157ml充填したガラスカラムに、
1時間当たり157mlのポンプ速度で通液(温度25
℃)し、1時間毎157mlを1フラクションとしてサ
ンプルを採取した。10時間後、得られたフラクション
の亜鉛含有量は4mgZn/kg(ポリMDI1kg当
たり20mgZn/kg)であった。
【0043】比較例1 処理温度を230℃で行った以外は、実施例2と同様の
方法で行った。2時間後の処理液は、ガスを発生しなが
ら樹脂化した。
【0044】
【発明の効果】本発明の方法で処理したMDI及び/又
はポリMDIは、従来持っているMDI及び/又はポリ
MDIの性能を損なうことなく、ポリウレタン重付加物
の製造の際に、安定した出発物質として使用できる。上
述のイオン交換樹脂にて処理を行なうと、驚くべきこと
に、MDI及び/又はポリMDI中の亜鉛含有量を顕著
に低減することが可能となるのである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 直樹 福岡県大牟田市浅牟田町30番地 三井化学 株式会社内 Fターム(参考) 4H006 AA02 AD11 AD17 AD30 AD32 BA72 BC51 BC52 BE90

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被処理原料として亜鉛分を含有するジフ
    ェニルメタンジイソシアネート及び/又はポリメチレン
    ポリフェニレンポリイソシアネートを、イオン交換樹脂
    で処理し、処理されたジフェニルメタンジイソシアネー
    ト及び/又はポリメチレンポリフェニレンポリイソシア
    ネートをイオン交換樹脂から分離することにより、亜鉛
    分を減少させたジフェニルメタンジイソシアネート及び
    /又はポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 被処理原料として亜鉛分を含有するジフ
    ェニルメタンジイソシアネート及び/又はポリメチレン
    ポリフェニレンポリイソシアネートを、イオン交換樹脂
    で処理し、処理されたジフェニルメタンジイソシアネー
    ト及び/又はポリメチレンポリフェニレンポリイソシア
    ネートをイオン交換樹脂から分離することにより、亜鉛
    分をイソシアネート1kg当たり0.1〜100mgの
    重量範囲まで減少させてなる亜鉛分を減少させたジフェ
    ニルメタンジイソシアネート及び/又はポリメチレンポ
    リフェニレンポリイソシアネートの製造方法。
  3. 【請求項3】 イオン交換樹脂での処理を20〜150
    ℃の温度、0.05〜10MPaの圧力にて行うことを
    特徴とする請求項1又は請求項2記載の亜鉛分を減少さ
    せたジフェニルメタンジイソシアネート及び/又はポリ
    メチレンポリフェニレンポリイソシアネートの製造方
    法。
  4. 【請求項4】 ポリメチレンポリフェニレンポリイソシ
    アネートから分離精製等の操作で製造され且つ加水分解
    性塩素分及び酸分を含有するジフェニルメタンジイソシ
    アネートに、亜鉛化合物を添加して処理し、得られた処
    理液を蒸発又は蒸留によって、精製ジフェニルメタンジ
    イソシアネート留分と亜鉛分を含む残査とに分離し、分
    離された亜鉛分を含む残査を被処理原料とする請求項1
    又は請求項2記載又は請求項3記載の製造方法。
JP10167310A 1998-06-15 1998-06-15 ジフェニルメタンジイソシアネート及び/又はポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートの製造方法 Pending JP2000001465A (ja)

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