WO2021060506A1 - パーフルオロアルキル基含有核酸及びその製造方法 - Google Patents

パーフルオロアルキル基含有核酸及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

細胞膜透過性に優れた核酸及びその製造方法の提供。 炭素原子間に1~5個のエーテル結合性の酸素原子を有している、炭素数2~10個のパーフルオロアルキル基を含有する核酸、前記パーフルオロアルキル基が、直接又は間接的に核酸の5'末端又は3'末端に結合している、又は前記パーフルオロアルキル基が、間接的に、2個のヌクレオチドの間に導入されている、前記記載の核酸、又は、炭素原子間に1~5個のエーテル結合性の酸素原子を有していてもよい、炭素数2~10個のパーフルオロアルキル基を含有する核酸を有効成分とする、核酸医薬。

Description

パーフルオロアルキル基含有核酸及びその製造方法
 本発明は、パーフルオロアルキル基が導入された核酸及びその製造方法に関する。
 抗体医薬は、低分子医薬では標的にできないタンパク質に対しても、免疫システムを利用して抗体を作成できれば医薬に出来るので、がんや難病に対する治療薬として優れている。また、抗体医薬は標的分子に対する特異性が高く、副作用が少ないという優れた点がある。しかし、抗体医薬は、細胞膜を通過して細胞内に入ることが困難であり、このため、細胞表面の分子以外を標的分子とすることが難しい。
 抗体医薬の次の世代の創薬として、オリゴヌクレオチドを用いる核酸医薬の研究が進められている。核酸医薬は、標的分子に対する特異性が高く、副作用が少ないという優れた点がある。しかし、核酸医薬も、抗体医薬と同様に、細胞膜透過性が低く、細胞内に存在する標的分子に到達させることが困難である。特に、siRNAは二本鎖であるため、アンチセンスRNAよりも、分子量と負電荷が共に大きくなり、細胞膜透過性はアンチセンスRNAよりも低く、キャリアによるドラッグデリバリーが必要となる。ドラッグデリバリー剤として、脂質ナノ粒子を用いるもの(特許文献1)や、カチオン性ポリマーナノ粒子を用いるもの(特許文献2)が知られている。しかし、細胞膜透過性の効率や毒性懸念の点で改善すべきことが多い。
 一方、ポリフルオロ構造を有する化合物は、生体内で安定かつ毒性が低く、細胞内への取り込みとエンドソームからの脱出に優れていることが知られている(非特許文献1)。この性質を利用して、構成アミノ酸として側鎖のアミノ基をペルフルオロアシル化したリシンを用いたペプチドデンドリマーを遺伝子のデリバリーに用いることができることが報告されている(非特許文献2)。また、オリゴヌクレオチドやペプチド核酸に、細胞膜透過能を有する部分としてポリフルオロ構造を導入する検討も行われている(特許文献3、及び非特許文献3~6)。
国際公開第2011/036557号 国際公開第2017/212006号 国際公開第2012/130941号 特開2006-321797号公報 国際公開第2000/056694号
Zhang et al., MRS Communications, 2018, vol.8, p.303-313. Cai et al., ACS Applied Materials and Interfaces, 2016, vol. 8, p.5821-5832. Godeau et al., Medicinal Chemistry Communications, 2010, vol.1. p.76-78. Ellipilli et al., Chemical Communications, 2016, vol.52, p.521-524. Rochambeaua et al., Polymer Chemistry, 2016, vol.7, p. 4998-5003. Metelev et al., Theranostics, 2017, vol.7, p.3354-3368.
 本発明は、細胞膜透過性に優れた核酸及びその製造方法を提供することを目的とする。
 本発明者らは、パーフルオロアルキル基、特にエーテル結合性の酸素原子を有しているパーフルオロアルキル基を導入することにより、核酸の細胞膜透過性が向上することを見出し、本発明を完成させた。
 すなわち、本発明は以下の通りである。
[1] 炭素原子間に1~5個のエーテル結合性の酸素原子を有している、炭素数2~10個のパーフルオロアルキル基を含有する、核酸。
[2] 前記パーフルオロアルキル基が、直接又は間接的に、核酸の5’末端又は3’末端に結合している、前記[1]の核酸。
[3] 前記パーフルオロアルキル基が、間接的に、2個のヌクレオチドの間に導入されている、前記[1]の核酸。
[4] 下記一般式(A1))で表される構造を有する、前記[1]~[3]のいずれかの核酸。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000003
ただし、式中の基は下記を意味する。
FEは、炭素原子間に1~5個のエーテル結合性の酸素原子を有している、炭素数2~10個のパーフルオロアルキル基であり、naは、1~10の整数であり、黒丸は結合手を示す。
[5] 細胞膜透過性核酸である、前記[1]~[4]のいずれかの核酸。
[6] 下記一般式(A2)で表される化合物を原料とし、ホスホロアミダイト法により、前記[1]~[5]のいずれかのパーフルオロアルキル基を含有する核酸を合成する、パーフルオロアルキル基を含有する核酸の製造方法。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000004
 ただし、式中の基は下記を意味する。
FEは、炭素原子間に1~5個のエーテル結合性の酸素原子を有している、炭素数2~10個のパーフルオロアルキル基であり、naは、1~10の整数であり、DMTrは4,4’-ジメトキシトリフェニルメチル基であり、i-Prはイソプロピル基である。
[7] 炭素原子間に1~5個のエーテル結合性の酸素原子を有していてもよい、炭素数2~10個のパーフルオロアルキル基を含有する核酸を有効成分とする、核酸医薬。
[8] 核酸に、炭素原子間に1~5個のエーテル結合性の酸素原子を有していてもよい、炭素数2~10個のパーフルオロアルキル基を導入し、細胞膜透過性を向上させる、核酸の細胞膜透過性向上方法。
[9] 前記パーフルオロアルキル基が、炭素原子間に1~5個のエーテル結合性の酸素原子を有する基である、前記[8]の核酸の細胞膜透過性向上方法。
[10] 前記パーフルオロアルキル基が、炭素原子間にエーテル結合性の酸素原子を有していない基である、前記[8]の核酸の細胞膜透過性向上方法。
[11] 前記パーフルオロアルキル基を、直接又は間接的に、前記核酸の5’末端又は3’末端に結合させる、前記[8]~[10]のいずれかの核酸の細胞膜透過性向上方法。
 また、本発明に係る核酸は、パーフルオロアルキル基が導入されているため、細胞膜透過性に優れている。このため、当該核酸は、生理活性物質として、医薬分野での利用が期待される。
 本発明に係る製造方法によれば、パーフルオロアルキル基が導入された核酸を製造できる。
試験例1において、5’末端にN[C-PFC]修飾をしたフルオレセイン修飾核酸を取り込ませた細胞のフローサイトメトリーの結果を示した図である。 試験例1において、3’末端にN[C-PFC]修飾をしたフルオレセイン修飾核酸を取り込ませた細胞のフローサイトメトリーの結果を示した図である。 試験例1において、各組合せでアニールさせたフルオレセイン修飾2本鎖核酸を、4時間インキュベートして取り込ませた細胞のフローサイトメトリーの結果を示した図である。 試験例1において、各組合せでアニールさせたフルオレセイン修飾2本鎖核酸を、24時間インキュベートして取り込ませた細胞のフローサイトメトリーの結果を示した図である。 試験例2において、5’末端にN[C-PFPE]修飾をしたフルオレセイン修飾核酸を取り込ませた細胞のフローサイトメトリーの結果を示した図である。 試験例2において、cont-DNA、FE5、及びFE10のフルオレセイン修飾核酸を取り込ませた細胞のフローサイトメトリーの結果を示した図である。 実験例3において、cont-DNA、FE(2)1、FE(2)2及びFE(2)5のフルオレセイン修飾核酸を取り込ませた細胞のフローサイトメトリーの結果を示した図である。
 本発明及び本願明細書において、「核酸」とは、ヌクレオチドがリン酸ジエステル結合した分子を意味する。該ヌクレオチドには、DNAやRNAのような天然型ヌクレオチド(天然に存在するヌクレオチド)のみならず、天然型ヌクレオチドを改変し、天然型ヌクレオチドとリン酸ジエステル結合可能な人工ヌクレオチドも含む。人工ヌクレオチドには、天然型ヌクレオチドの側鎖等がアミノ基等の官能基により修飾されたもの、リボース骨格の2’位のヒドロキシル基がメトキシ基、フルオロ基、メトキシエチル基等により置換されたもの、ホスホロチオエート型ヌクレオチド(リン酸基の酸素原子が硫黄原子に置換されたもの)、モルフォリノ(Morpholino)型ヌクレオチド(リボース、デオキシリボースがモルフォリン環に置換されたもの)、BNA(Bridged nucleic acid)、HNA(Hexitol NucleicAcid)、LNA(Locked Nucleic Acid)、PNA(Peptide Nucleic Acid)、TNA(Threose nucleic acid)、GNA(Glycerol nucleic acid)、CeNA(Cyclohexenyl nucleic acid)等が挙げられる。また、「核酸」には、DNAやRNAのように1種以上の天然型ヌクレオチドのみがリン酸ジエステル結合した分子と、1種以上の天然型ヌクレオチドと1種以上の人工ヌクレオチドがリン酸ジエステル結合した分子と、1種以上の人工ヌクレオチドのみがリン酸ジエステル結合した分子のいずれも含まれる。
 本発明及び本願明細書において、「Cp1-p2」(p1及びp2は、p1<p2を満たす正の整数である)は、炭素数がp1~p2の基であることを意味する。
 本発明及び本願明細書において、「C1-10アルキル基」は、炭素数1~10のアルキル基であり、直鎖であっても分岐鎖であってもよい。「C2-10アルキル基」は、炭素数2~10のアルキル基であり、直鎖であっても分岐鎖であってもよい。C1-10アルキル基の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert-ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等が挙げられる。
 本発明及び本願明細書において、「C1-6アルキル基」は、炭素数1~6のアルキル基であり、直鎖であっても分岐鎖であってもよい。C1-6アルキル基の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert-ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられる。
 本発明及び本願明細書において、「アルキレン基」は、飽和炭化水素から2個の水素原子を除いた2価の基であり、直鎖であっても分岐鎖であってもよい。アルキレン基の例としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、メチルメチレン基、エチルメチレン基、メチルエチレン基、メチルプロピレン基、エチルエチレン基、ジメチルメチレン基、1,2-ジメチルエチレン基、1,1-ジメチルエチレン基、1-エチルプロピレン基、2-エチルプロピレン基、1,2-ジメチルプロピレン基、2,2-ジメチルプロピレン基、1-プロピルプロピレン基、2-プロピルプロピレン基、1-メチル-1-エチルプロピレン基、1-メチル-2-エチル-プロピレン基、1-エチル-2-メチル-プロピレン基、2-メチル-2-エチル-プロピレン基、1-メチルブチレン基、2-メチルブチレン基、3-メチルブチレン基、2-エチルブチレン基、1-メチルペンチレン基、2-エチルペンチレン基、1-メチルヘキシレン基等が挙げられる。
 本発明及び本願明細書において、「C1-10パーフルオロアルキル基」は、炭素数1~10のアルキル基の全ての水素原子がフッ素原子に置換された基である。C1-10パーフルオロアルキル基の例としては、パーフルオロメチル基、パーフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロイソプロピル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロイソブチル基、パーフルオロsec-ブチル基、パーフルオロtert-ブチル基、パーフルオロペンチル基、パーフルオロイソペンチル基、パーフルオロネオペンチル基、パーフルオロtert-ペンチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロヘプチル基、パーフルオロオクチル基、パーフルオロノニル基、パーフルオロデシル基等が挙げられる。
 本発明及び本願明細書において、「パーフルオロアルキレン基」は、アルキレン基の全ての水素原子がフッ素原子に置換された基である。パーフルオロアルキレン基の例としては、前記で挙げられたアルキレン基の全ての水素原子がフッ素原子に置換された基が挙げられる。
 本発明及び本願明細書において、「エーテル結合性の酸素原子」とは、炭素原子間を連結する酸素原子であり、酸素原子同士が直列に連結された酸素原子は含まれない。炭素数Nc(Ncは2以上の整数)のアルキル基が有し得るエーテル結合性の酸素原子は、最大Nc-1個である。また、「炭素原子間にエーテル結合性の酸素原子を有している、C2-10アルキル基」とは、C2-10アルキル基の炭素原子間に、少なくとも1個のエーテル結合性の酸素原子を有する基である。以下、「エーテル結合含有アルキル基」ということがある。
 本発明及び本願明細書において、「炭素原子間にエーテル結合性の酸素原子を有している、C2-10パーフルオロアルキル基」は、C2-10アルキル基の炭素原子間に少なくとも1個のエーテル結合性の酸素原子を有するエーテル結合含有C2-10アルキル基の全ての水素原子がフッ素原子に置換されている基である。以下、「炭素原子間にエーテル結合性の酸素原子を有しているパーフルオロアルキル基」は、「エーテル結合含有パーフルオロアルキル基」ということがある。
 また、以降において、「化合物n」は式(n)で表される化合物を意味する。
<エーテル結合含有パーフルオロアルキル基を含有する核酸>
 本発明に係る核酸は、炭素原子間に1~5個のエーテル結合性の酸素原子を有している、炭素数2~10個のパーフルオロアルキル基を含有する、核酸である。該核酸は、パーフルオロアルキル基を含有するため、他の含フッ素化合物と同様に、生理活性物質として、医薬分野での利用が期待される。
 該パーフルオロアルキル基としては、炭素数2~10個であり、炭素原子間に1~5個のエーテル結合性の酸素原子を有しているパーフルオロアルキル基であれば特に限定されるものではない。本発明に係る核酸が有するパーフルオロアルキル基としては、例えば、下記一般式(F1)~(F3)のいずれかで表される基が好ましい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000005
 一般式(F1)中、RF1は、炭素数q1のパーフルオロアルキレン基であり、RF2は、炭素数q2のパーフルオロアルキル基である。q1及びq2は、両者の和が2以上10以下となる自然数である。
 一般式(F2)中、RF3は、炭素数q3のパーフルオロアルキレン基であり、RF4は、炭素数q4のパーフルオロアルキル基である。n1、q3及びq4は、2×n1+q3+q4が4以上10以下となる自然数である。
 一般式(F3)中、RF5は、炭素数q5のパーフルオロアルキレン基であり、RF6は、炭素数q6のパーフルオロアルキル基である。n2、q5及びq6は、3×n2+q5+q6が5以上10以下となる自然数である。
 一般式(F1)中のRF1、一般式(F2)中のRF3、及び一般式(F3)中のRF5としては、直鎖状のパーフルオロアルキレン基であってもよく、分岐鎖状のパーフルオロアルキレン基であってもよい。RF1、RF3、及びRF5としては、C1-3パーフルオロアルキレン基が好ましく、メチレン基、エチレン基、メチルメチレン基、エチルメチレン基、ジメチルメチレン基、及びメチルエチレン基の全ての水素原子がフッ素原子に置換された基がより好ましく、メチレン基、メチルメチレン基、エチルメチレン基、及びジメチルメチレン基の全ての水素原子がフッ素原子に置換された基がさらに好ましく、メチレン基及びメチルメチレン基の全ての水素原子がフッ素原子に置換された基がよりさらに好ましい。
 一般式(F1)中のRF2、一般式(F2)中のRF4、及び一般式(F3)中のRF6としては、直鎖状のパーフルオロアルキル基であってもよく、分岐鎖状のパーフルオロアルキル基であってもよい。RF2、RF4、及びRF6としては、直鎖状又は分岐鎖状のC1-5パーフルオロアルキル基が好ましく、直鎖状のC1-5パーフルオロアルキル基がより好ましく、直鎖状のC2-4パーフルオロアルキル基がさらに好ましい。
 本発明に係る核酸が有するパーフルオロアルキル基としては、一般式(F1)中のRF1が、メチレン基又はメチルメチレン基の全ての水素原子がフッ素原子に置換された基であり、RF2が、直鎖状のC1-5パーフルオロアルキル基である化合物;一般式(F2)中のRF3が、メチレン基又はメチルメチレン基の全ての水素原子がフッ素原子に置換された基であり、n1が1、2、又は3であり、RF4が、直鎖状のC1-7パーフルオロアルキル基である化合物;一般式(F3)中のRF5が、メチレン基又はメチルメチレン基の全ての水素原子がフッ素原子に置換された基であり、n2が1又は2であり、RF6が、直鎖状のC1-6パーフルオロアルキル基である化合物;が好ましく、一般式(F1)中のRF1が、メチレン基又はメチルメチレン基の全ての水素原子がフッ素原子に置換された基であり、RF2が、直鎖状のC1-5パーフルオロアルキル基である化合物;一般式(F2)中のRF3が、メチレン基又はメチルメチレン基の全ての水素原子がフッ素原子に置換された基であり、n1が1であり、RF4が、直鎖状のC1-6パーフルオロアルキル基である化合物;一般式(F2)中のRF3が、メチレン基又はメチルメチレン基の全ての水素原子がフッ素原子に置換された基であり、n1が2であり、RF4が、直鎖状のC1-4パーフルオロアルキル基である化合物;一般式(F2)中のRF3が、メチレン基又はメチルメチレン基の全ての水素原子がフッ素原子に置換された基であり、n1が3であり、RF4が、直鎖状のC1-3パーフルオロアルキル基である化合物;一般式(F3)中のRF5が、メチレン基又はメチルメチレン基の全ての水素原子がフッ素原子に置換された基であり、n2が1であり、RF6が、直鎖状のC1-6パーフルオロアルキル基である化合物;がより好ましい。
 本発明において、核酸に導入されるエーテル結合含有パーフルオロアルキル基は、例えば、特許文献4又は5にその合成方法と共に記載されているフッ素化合物が備えるエーテル結合含有パーフルオロアルキル基を用いることができる。
 本発明に係る核酸において、エーテル結合含有パーフルオロアルキル基が導入される位置は特に限定されるものではなく、該核酸の機能を損なわない範囲でいずれの部位に導入してもよい。例えば、エーテル結合含有パーフルオロアルキル基は、直接又は間接的に、核酸の5’末端又は3’末端に結合していてもよく、2個のヌクレオチドの間に導入されていてもよい。エーテル結合含有パーフルオロアルキル基が連結基を介して間接的に核酸に導入される場合、該連結基としては、本発明の効果を損なわないものであれば特に限定されるものではなく、任意の2価又は3価の有機基を用いることができる。該連結基としては、例えば、アルキレン基、アルケニレン基、カルボニル基、アミノ基、エーテル結合、チオエーテル結合、エステル結合、アミド結合、ポリエチレングリコール基(PEG:-(CO)n-)、シロキサン結合、シリルエーテル結合、糖、ペプチド、が挙げられる。また、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環、オキサゾール環、チアゾール環、フラン環、チオフェン環、ベンゼン環等の環から2又は3個の水素原子を除いた基も、連結基として使用できる。さらに、これらを適宜組み合わせて用いることもできる。
 本発明に係る核酸において、エーテル結合含有パーフルオロアルキル基が導入される核酸は、特に限定されるものではなく、含有しているヌクレオチドが全て天然型ヌクレオチドである核酸であってもよく、一部又は全部が人工ヌクレオチドである核酸であってもよい。また、1本鎖核酸であってもよく、2本鎖核酸であってもよい。該核酸としては、例えば、ゲノムDNA、cDNA、mRNA、microRNA、siRNA、アンチセンスオリゴヌクレオチド、核酸アプタマー、デコイ核酸、CpG(シトシン-リン酸-グアニン)オリゴヌクレオチド等が挙げられる。また、細胞内で標的の遺伝子やsiRNAを発現させる発現ベクターであってもよい。
 本発明に係る核酸において、エーテル結合含有パーフルオロアルキル基は、該基を導入する対象の核酸に対し、各種のカップリング反応により導入できる。例えば、エーテル結合含有パーフルオロアルキル基を含むホスホロアミダイトを原料としてホスホロアミダイト法を行うことにより、エーテル結合含有パーフルオロアルキル基を容易に核酸に導入することができる。汎用されている核酸自動合成装置はホスホロアミダイト法を利用している。このため、エーテル結合含有パーフルオロアルキル基を含むホスホロアミダイトを原料とすることで、様々な塩基配列の核酸に対し、所望の位置にエーテル結合含有パーフルオロアルキル基が導入された核酸を、自動合成装置で容易に合成することができる。
 エーテル結合含有パーフルオロアルキル基を含むホスホロアミダイトとしては、例えば、一般的に核酸合成に使用されるホスホロアミダイトのうち、ヌクレオシド部分を、エーテル結合含有パーフルオロアルキル基を含む有機基に置換した化合物が挙げられる。該化合物としては、例えば、下記一般式(A2)で表される化合物が挙げられる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000006
 一般式(A2)中、RFEは、前記のエーテル結合含有パーフルオロアルキル基である。また、naは、1~10の整数である。i-Prはイソプロピル基を表し、DMTrは4,4’-ジメトキシトリフェニルメチル基を表す。
 化合物(A2)を用いてホスホロアミダイト法により合成された核酸は、下記一般式(A1)の構造を備える。一般式(A1)中、RFEは、前記のエーテル結合含有パーフルオロアルキル基である。また、naは、1~10の整数である。黒丸は結合手を示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000007
 合成された目的の核酸は、例えば、イオンクロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー、順相クロマトグラフィー等、種々の方法により単離、精製を行うことができる。
 本発明に係る核酸は、エーテル結合含有パーフルオロアルキル基が導入される核酸の機能を損なわず、かつ本発明の効果を損なわない限りにおいて、各種の修飾がなされていてもよい。該修飾としては、糖鎖修飾、脂質修飾、ペプチド修飾等が挙げられる。
 パーフルオロ構造は、細胞膜への親和性が高い。このため、エーテル結合含有パーフルオロアルキル基が導入されている本発明に係る核酸は、該基が導入されていない核酸よりも、細胞膜透過性に優れている。この性質を利用して、本発明に係る核酸は、特に、核酸医薬の有効成分として好ましい。例えば、生体内の標的細胞内に取り込まれることにより何等かの生理活性を示す機能性核酸に、その機能を損なわないようにエーテル結合含有パーフルオロアルキル基を導入することにより、該機能性核酸の標的細胞への取り込み効率を改善できる。
<核酸の細胞膜透過性向上方法>
 核酸に、炭素原子間に1~5個のエーテル結合性の酸素原子を有していてもよい、C2-10パーフルオロアルキル基を導入することにより、該核酸の細胞膜透過性を向上させることができる。「炭素原子間に1~5個のエーテル結合性の酸素原子を有していてもよい、C2-10パーフルオロアルキル基」は、「炭素原子間に1~5個のエーテル結合性の酸素原子を有している、C2-10パーフルオロアルキル基」と、「エーテル結合性の酸素原子を有していない、C2-10パーフルオロアルキル基」と、からなる。
 「炭素原子間に1~5個のエーテル結合性の酸素原子を有している、C2-10パーフルオロアルキル基」は、前記のエーテル結合含有パーフルオロアルキル基である。前記のエーテル結合含有パーフルオロアルキル基の核酸への導入は、前記の通り、エーテル結合含有パーフルオロアルキル基を含むホスホロアミダイトを用いて、ホスホロアミダイト法により行うことができる。
 エーテル結合性の酸素原子を有していない、C2-10パーフルオロアルキル基の核酸への導入も、同様にして、エーテル結合性の酸素原子を有していない、C2-10パーフルオロアルキル基を含むホスホロアミダイトを用いて、ホスホロアミダイト法により行うことができる。その他、非特許文献3~6に記載の方法によっても、核酸にエーテル結合性の酸素原子を有していない、C2-10パーフルオロアルキル基を導入できる。
 核酸にパーフルオロ構造が導入されていればよく、炭素原子間に1~5個のエーテル結合性の酸素原子を有していてもよい、C2-10パーフルオロアルキル基は、核酸のいずれの位置に導入されていてもよい。C2-10パーフルオロアルキル基を導入する核酸の位置は、該核酸の機能を損なわない限度において任意に決定できる。
 エーテル結合性の酸素原子を有していない、C2-10パーフルオロアルキル基が導入されることによって細胞膜透過性が向上した核酸も、エーテル結合含有パーフルオロアルキル基が導入された核酸と同様に、核酸医薬の有効成分として好ましい。
 薬理活性はあるものの細胞内に到達できない核酸に対して、本発明に係る核酸の細胞膜透過性向上方法を行うことにより、該核酸の標的細胞への取り込み効率を改善できる。すなわち、本発明に係る核酸の細胞膜透過性向上方法により、核酸医薬を細胞内に届けるドラッグデリバリーシステムを簡便に構築できる。
 以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
 実施例、比較例の分析に使用したNMR装置は日本電子製JNM-ECZ400S(400MHz)であり、H NMRではテトラメチルシランを0PPM、19F NMRではCを-162PPMの基準値とした。
<Tm測定>
 以降の実験において、核酸の溶融温度(Tm)は、UV-Vis分光光度計(UV-2550、SHIMADZU社製)を使用して、温度の関数として260nmの吸光度の変化を測定することにより決定した。融解したサンプルは100℃で変性し、ゆっくりと室温まで下げてアニールした。 260nmの吸光度を測定し、20℃から90℃まで0.5℃刻みで検出した。2本鎖DNAの濃度は、バッファー(10mM リン酸ナトリウム、pH7.0、100mM NaCl)で4μMであった。Tmは、正中法で算出した。
<細胞培養>
 以降の実験において、細胞培養は以下の通りにして行った。
 HeLa細胞は、10%FBSと0.5%ペニシリン/ストレプトマイシンを添加したダルベッコ改良イーグル培地(DMEM、Thermo Fischer Scientific社製)で、37℃の加湿雰囲気(5容量% CO)で培養した。画像解析のための細胞は、35mmのガラス底ディッシュ(IWAKI社製)で培養した。
<共焦点顕微鏡観察>
 以降の実験において、細胞の共焦点顕微鏡観察は以下の通りにして行った。
 フルオレセインを結合させたN[PFC]又はN[PFPE](500μM、5μL)を、HeLa細胞に添加し、37℃で3時間インキュベートした。次いで、当該細胞に、核染色剤であるhoechst33342(2μg/mL、0.5mL)を加え、さらに1時間インキュベートした。インキュベート後の各ディッシュから、溶液を除去し、PBS(-)で洗浄した後、DMEM(1mL)を添加した。次いで、各ディッシュを共焦点レーザー走査顕微鏡に設置し、488nmの励起波長と505nm超の発光フィルターにより蛍光画像を取得した。
<フローサイトメトリー>
 以降の実験において、フローサイトメトリーは以下の通りにして行った。
 HeLa細胞を12ウェルプレートに10個/ウェルとなるように播種し、培養した。播種の翌日に、各ウェルの培地を、フルオレセインを結合させたN[PFC]又はN[PFPE]で修飾したDNA(2.5μM)を含有するDMEM培地(1mL)に交換し、4時間又は24時間インキュベートした。 その後、ウェル中の細胞層をPBSで2回洗浄した後、0.05%(w/v)トリプシン(200μL)で37℃、5分間処理して細胞を剥離した。回収した細胞は、DMEM(600μL)に懸濁した。この細胞懸濁液を遠心分離処理(400G、3分間)で分離し、PBS/1%BSA(500μL)を加えた。 この細胞懸濁液の蛍光細胞の割合と平均蛍光強度を、フローサイトメーター(「guava easyCyte8」、Luminex社製)で分析した。
 2本鎖DNAの場合、サンプルを100℃で変性させ、ゆっくりと室温まで低下させてアニールした。
[実施例1]
 2個のエーテル結合性の酸素原子を有している、炭素数5個のパーフルオロアルキル基(CFCFO(CFO(CF)-:以下、C-PFPE基)を含むホスホロアミダイトを合成し、これを用いてアミダイト法によりC-PFPE基を含有する核酸を製造した。
(1)C-PFPEカルボン酸の合成
 C-PFPE基を含むカルボン酸塩は、特許文献4に記載の方法にて合成した。
 ハステロイC製の2L容のオートクレーブにCHCHO(CHO(CHOH(300g)を入れ、反応器を冷却し、密閉撹拌下、内温が30℃以下に保たれるようにゆっくりとCFCFCFOCF(CF)CFOCF(CF)COF(1339g)を導入した。全量を導入後、さらに30℃で3時間の撹拌を行った後、反応で生じたHFを窒素ガスのバブリングによって系外に追い出して生成物を得た。生成物をGC(ガスクロマトグラフ)分析した結果、CHCHO(CHO(CHOCOCF(CF)OCFCF(CF)OCFCFCFが99.6%生成しており、未反応のCHCHO(CHO(CHOHは検出されなかった。この生成物は精製することなく、次の工程に使用した。
 500mL容のニッケル製オートクレーブに、R-113(312g)を加えた後に撹拌して25℃に保った。オートクレーブガス出口には、20℃に保持した冷却器、NaFペレット充填層、及び-10℃に保持した冷却器を直列に設置した。また、-10℃に保持した冷却器からは、凝集した液をオートクレーブに戻すための液体返送ラインを設置した。オートクレーブに窒素ガスを室温で1時間吹き込んだ後、窒素ガスで20%に希釈したフッ素ガス(以下、20%希釈フッ素ガスと記す。)を室温で流速17.04L/hで1時間吹き込んだ。次に、20%希釈フッ素ガスを同じ流速で吹き込みながら、前記で得た生成物(10g)をR-113(150g)に溶解した溶液を、4.1時間かけて注入した。
 続いて、20%希釈フッ素ガスを同じ流速で吹き込みながらオートクレーブ内圧力を0.15MPaGまで昇圧した。ベンゼン濃度が0.01g/mLであるR-113溶液を25℃から40℃にまで昇温しながら9mL注入し、オートクレーブのベンゼン溶液注入口を閉め、0.3時間撹拌を続けた。次に、反応器内圧力を0.15MPaGに、反応器内温度を40℃に保ちながら、前記ベンゼン溶液を6mL注入し、オートクレーブのベンゼン溶液注入口を閉め、0.3時間撹拌を続けた。さらに同様の操作を1回繰り返した。ベンゼンの注入総量は0.22g、R-113の注入総量は21mLであった。その後、さらに20%希釈フッ素ガスを同じ流速で吹き込みながら、1時間撹拌を続けた。次に、反応器内圧力を常圧にして、窒素ガスを1時間吹き込んだ。生成物を19F NMRで分析した結果、目的の化合物(CFCFO(CFO(CFOCOCF(CF)OCFCF(CF)OCFCFCF)が収率99%で含まれていた。また、H NMR及びGC-MSで分析した結果、C-H結合を有する化合物は、確認されなかった。
 10℃の還流器を備えた蒸留塔の釜(2L容)に、前記で得たCFCFO(CFO(CFOCOCF(CF)OCFCF(CF)OCFCFCF(4273g)を仕込み、フッ化カリウム(12.6g)を加えて加熱撹拌を行い(熱媒温度: 100~130℃)、反応蒸留形式で留分を回収した。主留として純度99%以上の留分1273gを回収した。沸点66.5℃、収率84.5%であった。留分をHNMR及びGC-MSで分析した結果、C-H結合を有する化合物は、確認されなかった。
 200mL容ハステロイ製オートクレーブに得られたCFCFO(CFOCFCOF(107g)を仕込み、氷冷下、激しく撹拌しながら水(6g)をゆっくり滴下し加水分解を行った。滴下後、徐々に室温まで昇温しさらに5時間撹拌を続けた。その後、反応で生じたHFを窒素ガスのバブリングによって系外に追い出し、引き続き単蒸留を行い、沸点74℃/(30×133.322Pa)の留分84gを得た。純度99.4%、収率79%であった。
(2)C-PFPEアルコールの合成
 前記(1)で得られたC-PFPEカルボン酸を還元して、C-PFPE基を含むアルコールを得た。
 C-PFPE基を含むカルボン酸塩(17.3g、50mmol)及び無水テトラヒドロフラン(50mL)を、マグネチックスターラー、温度計、及び冷却器を備えた三つ口フラスコに添加した。次いで、当該フラスコに、水素化ホウ素ナトリウム(2.84g、75mmol)を15℃未満の氷浴中で添加し、その後さらに三フッ化ホウ素エーテル錯体(9.42mL、75mmol)を滴下した。該反応混合物を、24時間還流した後、5℃にまで冷却し、ガスが発生しなくなるまで蒸留水を加えた。次いで、該反応混合物をジクロロメタンで3回抽出した。全ての有機相を合わせ、無水NaSOで乾燥し、濾過した後、溶媒を留去して、目的化合物であるアルコールを得た(収率67%)。
(3)トリフルオロメタンスルホナートの合成
 C-PFPE基を含むトリフルオロメタンスルホナートを合成した。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000008
 フッ素化アルコール(4.98g、15.0mmol)を乾燥ジクロロメタン(75mL)に溶解し、続いて乾燥トリエチルアミン(15mL)を添加し、-78℃に冷却した。この反応液に、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(6.34g、22.5mmol)を30分間かけて滴下したところ、反応混合物は暗色になった。該反応混合物を、0℃で1時間撹拌した後、室温まで加温し、さらに3時間撹拌した。その後、飽和NaHCOを添加して反応を停止させた。該反応生成物にNaHCO(50mL)を添加した後、ジクロロメタン(50mL)で3回抽出した。全ての有機相を合わせ、ブラインで洗浄した後、MgSOで乾燥し、溶媒を真空下で除去して、目的の化合物を濃い黒色の油状物質として得た(収率27.3%)。得られた粗生成物を、H NMRで分析し、さらに精製することなく次のステップで使用した。
H NMR(400MHz,CDCl) δ4.70(t,J=7.8Hz,2H).19F NMR(376MHz,CDCl) δ-74.1(s,3F),δ-77.6(s,2F),δ-86.6(s,3F),δ-88.2--88.7(m,6F).
(4)ジエタノールアミン化
 前記(3)で得られたトリフルオロメタンスルホナートをジエタノールアミン化した。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000009
 前記(3)で得られたトリフルオロメタンスルホナート(1.6g、3.5mmol)とジエタノールアミン(0.74g、7.0ミリモル)の溶液を、乾燥DMF(N,N-ジメチルホルムアミド)(5mL)に加えた。得られた反応混合物を、100℃の油浴に入れ、21時間撹拌した。次いで、当該反応物を冷却し、水(20mL)に溶解し、生成物をジクロロメタン(20mL)で3回抽出した。全ての有機相を合わせ、ブラインで洗浄した後、MgSOで乾燥し、溶媒を真空下で除去して、目的の化合物を得た。得られた粗生成物を、H NMRで分析し、さらに精製することなく次のステップで使用した。
H NMR(400MHz,CDCl) δ3.58(t,J=5.0Hz,4H),δ3.24(t,J=11.0Hz,2H),δ2.86(t,J=5.5Hz,4H).
(5)DMTr保護
 前記(4)で得られたジエタノールアミンの2個の水酸基のうちの1個を、DMTr(4,4’-ジメトキシトリフェニルメチル基)で保護した。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000010
 前記(4)で得られたジエタノールアミン(0.92g、2.2mmol)を、乾燥ジクロロメタン(7.5mL)及びトリエチルアミン(1mL)に溶解させた。この反応混合物に、DMTrCl(0.75g、2.2mmol)を少しずつ加えた後、室温で2時間撹拌した。次いで、当該反応物から溶媒を真空下で除去して、暗褐色の油状物質を得た。この油状物質を、トリエチルアミンで前処理したシリカカラムとEtOAc/ヘキサン(容量比1:4)混合物を用いたカラムクロマトグラフィーにより精製し、目的の化合物を黄色の油状物質として得た(収量238mg、収率15.2%)。
 H NMR(400MHz,CDCl) δ7.40(t,J=8.2Hz,2H), δ7.33-7.20(m,7H),δ 6.82(d,J=8.7Hz,4H),δ3.78(s,6H),δ3.50(dd,J=5.5Hz,5.0Hz,2H),δ3.26-3.20(m,4H),δ2.93(t,J=5.5Hz,2H),δ 2.81(t,J=5.0Hz,2H),δ2.44(t,J=6.0Hz,1H). 19F NMR(376MHz,CDCl) δ-73.6(s,2F),δ-86.5(s,3F),δ-88.3--88.4(m,4F),δ-88.6--88.7(m,2F).
(6)アミダイト化
 前記(5)で得られたジエタノールアミンのうち、DMTr基で保護されていない水酸基をアミダイト化した。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000011
 3-((ビス(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル)オキシ)プロパンニトリルを乾燥アセトニトリルに溶解した。この反応液に、5-(エチルチオテトラゾール)(ETT)(65mg、0.5mmol)をアルゴン下で添加し、次いで、前記(5)で得られたDMTr保護ジエタノールアミン(0.24mg、0.33mmol)をTHF(1mL)及びアセトニトリル(1mL)に溶解させた溶液を少しずつ加えた。次いで、この反応混合物を、アルゴン下で室温で4時間撹拌した後、溶媒を減圧下で蒸発させた。得られた粗生成物を、アルゴン下で、脱気したヘキサン/酢酸エチル(容量比1:4))を移動相としたカラムクロマトグラフィーにより精製し、目的の化合物(N[C-PFPE]アミダイト)を無色の油状物質として単離した(収量130mg、収率43%)。
H NMR(400MHz,Acetone-d) δ7.45(t,J=7.3Hz,2H),δ7.33-7.17(m,7H),δ6.85(td,J=2.7Hz,9.1Hz,4H),δ3.84-3.56(m,6H),δ3.76(s,6H),δ3.50(t,J=11.4Hz,2H),δ3.20(t,6.0Hz,2H),δ3.00(t,J=5.5Hz,2H),δ2.95(t,J=5.0Hz,2H),δ2.67(t,J=6.0Hz,2H),δ1.16(d,J=6.9Hz,6H),δ1.12(d,J=6.9Hz,6H).19F NMR(376MHz,Acetone-d)  δ-75.5(m,2F),δ-87.4(s,3F),δ-88.9(m,2F),δ-89.1(m,2F),δ-89.3(m,2F).31P NMR(162MHz,Acetone-d) δ-148.0(m).
(7)DNA合成
 DNA合成は、市販の試薬、各種ホスホロアミダイト(アセトニトリル溶液、0.1M)及びアクティベーターとして5-エチルチオ-1H-テトラゾール(アセトニトリル溶液、0.25M)を用いて、NTS H-8DNA/RNAシンセサイザー(日本テクノサービス社製)により行った。
 配列番号1(5’-TTTTTCAGTTGACCATATA-3’)からなるオリゴヌクレオチドの5’末端にN[C-PFPE]基を結合させた5’-N[C-PFPE]修飾DNAの合成は、以下の通りにして行った。まず、1000ÅのCPG固体支持カラム(1μmoleスケール)でのDNA合成(トリチルオフ)を行った。次いで、窒素雰囲気下で、シリンジを使用して、前記(6)で合成したN[C-PFPE]アミダイト(0.1Mのアセトニトリル溶液、300μL)とアクティベーター溶液(300μL)を、CPGの存在下で混合した。混合して5分後に、溶液をカラムから除去し、DNAシンセサイザーで鎖のキャッピング、酸化、及びブロック解除を行った(収率11.0%)。
5’-N[C-PFPE]修飾DNA
配列:5’-(N[C-PFPE])TTTTTCAGTTGACCATATA-3’LRMS(MALDI)[M-H]:6245.0(calcd)、6244.2(found)
 配列番号1の相補的な塩基配列である配列番号2(5’-TATATGGTCAACTGAAAAA-3’)からなるオリゴヌクレオチドの3’末端にN[C-PFPE]基を結合させた3’-N[C-PFPE]修飾DNAの合成は、以下の通りにして行った。まず、窒素雰囲気下で、シリンジを使用して、前記(4)で合成したN[C-PFPE]アミダイト(0.1Mのアセトニトリル溶液、300μL)とアクティベーター溶液(300μL)を、1000ÅのGlen UnySupport(登録商標)(1μmoleスケール)の存在下で混合した。混合して5分後に、溶液をカラムから除去し、DNAシンセサイザーによって、鎖のキャッピング、酸化、及びブロック解除を行った。次に、DNAシンセサイザーを用いた通常のホスホロアミダイト法により、DNAオリゴマーを合成した(収率7.9%)。
3’-N[C-PFPE]修飾DNA
配列:5’-TATATGGTCAACTGAAAAA(N[C-PFPE])-3’LRMS(MALDI)[M-H]:6321.1(calcd)、6321.3(found)
 DNAシンセサイザーにより合成した核酸の脱保護は、以下の通りにして行った。まず、CPG固体に支持されたDNA(トリチルオフ)を、水酸化アンモニウム水溶液(28%)で、50℃で12時間処理した。次いで、この粗生成物溶液を、固体支持体から分離し、減圧下、30℃で濃縮した。次に、得られた濃縮物を、0.45μm遠心フィルターによる濾過を行った後、HPLC精製した。得られた溶液を、260nmの吸光度で定量した。
 HPLC精製は、以下の条件で行った。
溶媒(0.45μm遠心フィルター濾過済):100mM 酢酸トリエチルアンモニウム(TEAA)バッファー(pH7.0)及びHPLCグレードのアセトニトリル、溶出勾配:3-95%アセトニトリル(40分間)、カラム:COSMOSIL充填カラム「5C18-MS-II」(4.6ID×150nm、ナカライテスク社製)、供試粗DNA:20~50μLの超純水に溶解させた溶液を、インジェクトした、検出:ダイオードアレイ検出器で260nmの吸光度を測定した。
 合成した核酸のTm値を測定した。Tm値の測定には、N[C-PFPE]修飾前のDNAと対応する塩基配列のRNAを用いた。測定に使用した核酸を表1に示し、Tm値の測定結果を表2に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000012
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000013
 N[C-PFPE]修飾DNAは、修飾前のDNAとTm値はほぼ同程度であった。RNAとアニールさせた場合には、若干Tm値は上昇した。
[実施例2]
 エーテル結合性の酸素原子を有していない炭素数8個のパーフルオロアルキル基(-C17:以下、C-PFC基)を含むホスホロアミダイトを合成し、これを用いてアミダイト法によりC-PFC基を含有する核酸を製造した。
 下記式で表される、C-PFC基を含むホスホロアミダイトは、非特許文献5に記載の方法により合成した。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000014
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000015
 得られたC-PFC基を含むホスホロアミダイトを用いた以外は、実施例1と同様にして、配列番号1からなるオリゴヌクレオチドの5’末端にN[C-PFC]基を結合させた5’-N[C-PFC]修飾DNAと、配列番号2からなるオリゴヌクレオチドの3’末端にN[C-PFC]基を結合させた3’-N[C-PFC]修飾DNAと、を合成した。
 合成した核酸のTm値を測定した。Tm値の測定には、実施例1と同様に、N[C-PFC]修飾前のDNAと対応する塩基配列のRNAを用いた。測定に使用した核酸を表3に示し、Tm値の測定結果を表4に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000016
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000017
 N[C-PFC]修飾DNA同士でアニールさせた場合には、導入するN[C-PFC]の数が多くなるほど、Tm値は高くなる傾向が観察された。N[C-PFC]修飾DNAをDNA又はRNAとアニールさせた場合には、導入するN[C-PFC]の数が1個よりも2個のほうが、Tm値は高くなる傾向が観察されたが、N[C-PFC]を5個導入した場合には、修飾前DNAや修飾前RNAよりもTm値は低下した。
[試験例1]
 実施例2で合成したN[C-PFC]修飾DNAの3’端にフルオレセインを結合させた核酸を1本鎖のまま又は2本鎖として、HeLa細胞の培養培地に添加してインキュベートし、フローサイトメトリーにより細胞内への取り込み効率を調べた。
 図1Aに、cont-DNA、F1、F2、及びF5のフルオレセイン修飾核酸を取り込ませた細胞のフローサイトメトリーの結果を示し、図1Bに、cont-rDNA、rF1、rF2、及びrF5のフルオレセイン修飾核酸を取り込ませた細胞のフローサイトメトリーの結果を示す。3’末端にN[C-PFC]修飾をした1本鎖核酸では、N[C-PFC]修飾した核酸はいずれも未修飾の核酸(cont-rDNA)よりも細胞内への取り込み量が多かった(図1B)。5’末端にN[C-PFC]修飾をした1本鎖核酸では、N[C-PFC]を1個導入したF1は、cont-DNAのフルオレセイン修飾核酸と差がなかったものの、N[C-PFC]を2個又は5個導入したF2及びF5のフルオレセイン修飾核酸は、cont-DNAのフルオレセイン修飾核酸よりも細胞内への取り込み量が多かった(図1A)。
 図2に、各組合せでアニールさせたフルオレセイン修飾2本鎖核酸を取り込ませた細胞のフローサイトメトリーの結果を示す。図2Aは、4時間インキュベートした細胞の結果であり、図2Bは、24時間インキュベートした細胞の結果である。F2とrF2からなる2本鎖核酸が最も細胞内への取り込み量が多く、cont-DNAとrF2からなる2本鎖核酸は、cont-DNAとcont-rDNAからなる2本鎖核酸よりも細胞内への取り込み量が多かった。
 これらの結果から、核酸をN[C-PFC]で修飾することにより、細胞内への取り込み量が多くなり、取り込み効率が向上することがわかった。この細胞内への取り込み効率の向上は、N[C-PFC]修飾により核酸の細胞膜透過性が向上したためである。
[試験例2]
 実施例1で合成したN[C-PFPE]修飾DNAの3’端にフルオレセインを結合させた核酸を1本鎖のまま、HeLa細胞の培養培地に添加してインキュベートし、フローサイトメトリーにより細胞内への取り込み効率を調べた。
 図3に、cont-DNA、FE1、及びFE2のフルオレセイン修飾核酸を取り込ませた細胞のフローサイトメトリーの結果を示す。5’末端にN[C-PFPE]修飾をした1本鎖核酸では、いずれも未修飾の核酸(cont-rDNA)よりも細胞内への取り込み量が多かった。
 前記と同様に、配列番号1からなるオリゴヌクレオチドの5’末端にN[C-PFPE]基を結合させた5’-N[C-PFPE]修飾DNAを合成した。合成した核酸を表5に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000018
 図4に、cont-DNA、FE5、及びFE10のフルオレセイン修飾核酸を取り込ませた細胞のフローサイトメトリーの結果を示す。5’末端にN[C-PFPE]修飾をした1本鎖核酸では、いずれも未修飾の核酸(cont-rDNA)よりも細胞内への取り込み量が多かった。
[実施例3]
 3個のエーテル結合性の酸素原子を有している、炭素数7個のパーフルオロアルキル基(CFCFO(CFO(CFO(CF)-:以下、C-PFPE基)を含むホスホロアミダイトを合成し、これを用いてアミダイト法によりC-PFPE基を含有する核酸を製造した。
(1)C-PFPEカルボン酸の合成
 CHCH(OCHCHOHとF(CFOCF(CF)CFOCF(CF)COFとを出発物質として用い、国際公開公報WO2000/056694に記載の液相フッ素化法とKF熱分解法とによって、CFCF(OCFCFOCFCOFを得た。
 得られたCFCF(OCFCFOCFCOFを、前記C-PFPEカルボン酸の合成と同様にして、CFCF(OCFCFOCFCOOH(C-PFPEカルボン酸)を得た。
(2)C-PFPEアルコールの合成
 前記C-PFPEアルコールの合成と同様にして、C-PFPEカルボン酸からCFCF(OCFCFOCFCHOH(C-PFPEアルコール)を得た。
(3)トリフルオロメタンスルホナートの合成
 C-PFPE基を含むトリフルオロメタンスルホナートを合成した。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000019
 前記C-PFPEアルコール(11.2g、25.0mmol)を水(5mL)に溶解し、続いてトリエチルアミン(5mL)を添加し、0℃に冷却した。この反応液に、トリフルオロメタンスルホン酸塩化物(4.42g、26.3mmol)を30分間かけて滴下した。該反応混合物を、室温で1.5時間撹拌した。生成物をジクロロメタン(10mL)で3回抽出した。全ての有機相を合わせ、ブラインで洗浄した後、MgSOで乾燥し、溶媒を真空下で除去して、目的の化合物を油状物質として得た。得られた粗生成物を、H NMRで分析し、さらに精製することなく次のステップで使用した。(収率64%)
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 4.67 (t, J = 8.2 Hz, 2H), 19F NMR (376 MHz, CDCl3) δ -74.1 (s, 3F), δ -77.7 (s, 2F), δ -86.6 (s, 3F), δ -88.4 - -88.7 (m, 10F)
(4)ジエタノールアミン化
 前記(3)で得られたC-PFPE基を含むトリフルオロメタンスルホナートをジエタノールアミン化した。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000020
 前記(3)で得られたC-PFPE基を含むトリフルオロメタンスルホナート(9.3g、16mmol)とジエタノールアミン(3.36g、32mmol)の溶液を、乾燥DMF(N,N-ジメチルホルムアミド)(12mL)に加えた。得られた反応混合物を、100℃の油浴に入れ、15時間撹拌した。次いで、当該反応物を冷却し、水(20mL)に溶解し、生成物をジクロロメタン(20mL)で3回抽出した。全ての有機相を合わせ、ブラインで洗浄した後、MgSOで乾燥し、溶媒を真空下で除去して、目的の化合物を得た。得られた粗生成物を、H NMRで分析し、さらに精製することなく次のステップで使用した。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 3.34 (m, 4H), δ 3.09 (dt, J = 2.3, 11.0 Hz, 2H), δ 2.68 (m, 4H),  19F NMR (376 MHz, CDCl3) δ -74.0 (s, 2F), δ -87.4 (s, 3F), δ -89.0 - -89.6 (m, 10F)
(5)DMTr保護
 前記(4)で得られたC-PFPE基を含むジエタノールアミンの2個の水酸基のうちの1個を、DMTr(4,4’-ジメトキシトリフェニルメチル基)で保護した。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000021
 前記(4)で得られたC-PFPE基を含むジエタノールアミン(6.58g、12.3mmol)を、乾燥ジクロロメタン(20mL)及びトリエチルアミン(6mL)に溶解させた。この反応混合物に、DMTrCl(4.58g、13.5mmol)を少しずつ加えた後、室温で2時間撹拌した。次いで、当該反応物から溶媒を真空下で除去して、暗褐色の油状物質を得た。この油状物質を、トリエチルアミンで前処理したシリカカラムとEtOAc/ヘキサン(容量比1:4)混合物を用いたカラムクロマトグラフィーにより精製し、目的の化合物を黄色の油状物質として得た(収率37%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.41 (d, J = 7.3 Hz, 2H), δ 7.33-7.15 (m, 7H), δ 6.81 (dt, J = 9.1, 3.7 Hz, 4H), δ 3.78 (s, 6H), δ 3.50 (dd, J = 6.0 Hz, 10.8 Hz, 2H), δ 3.24-3.19 (m, 4H), δ 2.91 (t, J = 5.5 Hz, 2H), δ 2.79 (t, J = 5.0 Hz, 2H), δ 2.43 (t, J = 6.0 Hz, 1H) 19F NMR (376 MHz, CDCl3) δ -74.4 (m, 2F), δ -86.7 (s, 3F), δ -88.1 - -88.6 (m, 10F)
(6)アミダイト化
 前記(5)で得られたC-PFPE基を含むジエタノールアミンのうち、DMTr基で保護されていない水酸基をアミダイト化した。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000022
 3-((ビス(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル)オキシ)プロパンニトリル(1.76g、5.9mmol)を乾燥アセトニトリルに溶解した。この反応液に、5-(エチルチオテトラゾール)(ETT)(7.61g、5.9mmol)をアルゴン下で添加し、次いで、前記(5)で得られたC-PFPE基を含むDMTr保護ジエタノールアミン(3.26g、3.9mmol)をTHF(5mL)及びアセトニトリル(5mL)に溶解させた溶液を少しずつ加えた。次いで、この反応混合物を、アルゴン下で室温で4時間撹拌した。溶媒を減圧下で蒸発させた。得られた粗生成物を、アルゴン下で、脱気したヘキサン/酢酸エチル(容量比1:4))を移動相としたカラムクロマトグラフィーにより精製し、目的の化合物( N[C-PFPE]アミダイト)を無色の油状物質として単離した(収率78%)。
1H NMR (400 MHz, Acetone-d6) δ 8 7.41 (d, J = 8.7 Hz, 2H), δ 7.32-7.14(m, 7H), δ 6.83-6.79 (m, 4H), δ 3.80-3.51 (m, 6H) δ 3.77 (s, 6H) δ 3.50 (t, J = 11.4 Hz, 2H), δ 3.25 (t, 11.4 Hz, 2H), δ 3.15 (t, J = 6.0 Hz, 2H), δ 2.94-2.89 (m, 4H), 2.54 (t, J = 6.4 Hz, 2H), δ 1.16 (d, J = 6.9 Hz, 6H), δ 1.12 (d, J = 6.9 Hz, 6H), 19F NMR (376 MHz, Acetone-d6) δ -75.0 (m, 2F), δ -86.6 (s, 3F), δ -88.3 - -88.8 (m, 10F), 31P NMR (162 MHz, Acetone-d6), δ -148.4 (s)
 配列番号1からなるオリゴヌクレオチドの5’末端にN[C-PFPE]基を結合させた5’-N[C-PFPE]修飾DNAを合成した。
 配列番号1からなるオリゴヌクレオチドの5’末端にN[C-PFPE]基を結合させた5’-N[C-PFPE]修飾DNAの合成は、以下の通りにして行った。まず、1000ÅのCPG固体支持カラム(1μmoleスケール)でのDNA合成(トリチルオフ)を行った。次いで、窒素雰囲気下で、シリンジを使用して、前記(6)で合成したN[C-PFPE]アミダイト(0.1Mのアセトニトリル溶液、300μL)とアクティベーター溶液(300μL)を、CPGの存在下で混合した。混合して5分後に、溶液をカラムから除去し、DNAシンセサイザーで鎖のキャッピング、酸化、及びブロック解除を行った。
 核酸の脱保護、HPLC精製は前記と同様にして行った。合成した核酸を表6に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000023
 図5に、cont-DNA、FE(2)1、FE(2)2及びFE(2)5のフルオレセイン修飾核酸を取り込ませた細胞のフローサイトメトリーの結果を示す。5’末端にN[C-PFPE]修飾をした1本鎖核酸では、いずれも未修飾の核酸(cont-rDNA)よりも細胞内への取り込み量が多かった。
[実施例4]
 エーテル結合性の酸素原子を有していない炭素数4個のパーフルオロアルキル基(-C:以下、C-PFC基)を含むホスホロアミダイトを合成し、これを用いてアミダイト法によりC-PFC基を含有する核酸を製造した。
(1)トリフルオロメタンスルホナートの合成
 C-PFC基を含むトリフルオロメタンスルホナートを合成した。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000024
 フッ素化アルコール(CCHOH)(500mg、2.0mmol)を乾燥ジクロロメタン(1mL)に溶解し、続いて乾燥トリエチルアミン(1mL)を添加し、-78℃に冷却した。この反応液に、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(8.46g、3mmol)を30分間かけて滴下したところ、反応混合物は暗色になった。該反応混合物を、0℃で1時間撹拌した後、室温まで加温し、さらに18時間撹拌した。その後、飽和NaHCO(10mL)を添加して反応を停止させ、ジクロロメタン(50mL)で3回抽出した。全ての有機相を合わせ、ブラインで洗浄した後、MgSOで乾燥し、溶媒を真空下で除去して、目的の化合物を濃い黒色の油状物質として得た。得られた粗生成物を、H NMRで分析し、さらに精製することなく次のステップで使用した。(収率61%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 4.91 (t, J = 12.3 Hz, 2H), 19F NMR (376 MHz, CDCl3) δ -74.3 (s, 3F), δ -81.2 (s, 3F), δ -120.1 (s, 2F), δ -124.0 (s, 2F), δ -126.4 (s, 2F)
(2)ジエタノールアミン化
 前記(1)で得られたC-PFC基を含むトリフルオロメタンスルホナートをジエタノールアミン化した。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000025
 前記(1)で得られたC-PFC基を含むトリフルオロメタンスルホナート(459mg、1.2mmol)とジエタノールアミン(254mg、2.4mmol)の溶液を、乾燥DMF(5mL)に加えた。得られた反応混合物を、100℃の油浴に入れ、18時間撹拌した。次いで、当該反応物を冷却し、水(10mL)に溶解し、生成物をジクロロメタン(20mL)で3回抽出した。全ての有機相を合わせ、ブラインで洗浄した後、MgSOで乾燥し、溶媒を真空下で除去して、目的の化合物を得た。得られた粗生成物を、H NMRで分析し、さらに精製することなく次のステップで使用した。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 3.61 (t, J = 5.0 Hz, 4H), δ 3.21 (t, J = 17.4 Hz, 2H), δ 2.89 (t, J = 5.5 Hz, 4H),  19F NMR (376 MHz, CDCl3) δ -81.2 (s, 3F), δ -117.0 (s, 2F), δ -124.7 (s, 2F), δ -126.2 (s, 2F)
(3)DMTr保護
 前記(2)で得られたC-PFC基を含むジエタノールアミンの2個の水酸基のうちの1個を、DMTr(4,4’-ジメトキシトリフェニルメチル基)で保護した。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000026
 前記(2)で得られたC-PFC基を含むジエタノールアミン(3.20g、9.5mmol)を、乾燥ジクロロメタン(20mL)及びトリエチルアミン(5mL)に溶解させた。この反応混合物に、DMTrCl(3.21g、9.5mmol)を少しずつ加えた後、室温で2.5時間撹拌した。次いで、当該反応物から溶媒を真空下で除去して、暗褐色の油状物質を得た。この油状物質を、トリエチルアミンで前処理したシリカカラムとEtOAc/ヘキサン(容量比1:4)混合物を用いたカラムクロマトグラフィーにより精製し、目的の化合物を黄色の油状物質として得た(収率54%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.41 (d, J = 7.3 Hz, 2H), δ 7.33-7.18 (m, 7H), δ 6.82 (d, J = 9.2 Hz, 4H), δ 3.78 (s, 6H), δ 3.52 (dd, J = 5.5 Hz, 10.5 Hz, 2H), δ 3.31 (t, J = 16.9 Hz, 2H), δ 3.23 (t, J = 5.5 Hz, 2H) δ 2.94 (t, J = 5.5 Hz, 2H), δ 2.81 (t, J = 5.0 Hz, 2H), δ 2.44 (t, J = 6.2 Hz, 1H) 19F NMR (376 MHz, CDCl3) δ -79.9 (s, 3F), δ -117.1 (s, 2F), δ -125.0 (s, 2F), δ -125.9 (s, 2F)
(4)アミダイト化
 前記(3)で得られたC-PFC基を含むジエタノールアミンのうち、DMTr基で保護されていない水酸基をアミダイト化した。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000027
 3-((ビス(ジイソプロピルアミノ)ホスファニル)オキシ)プロパンニトリル(1.84g、6.1mmol)を乾燥アセトニトリルに溶解した。この反応液に、5-(エチルチオテトラゾール)(ETT)(1.05g、7.7mmol)をアルゴン下で添加し、次いで、前記(3)で得られたC-PFC基を含むDMTr保護ジエタノールアミン(3.26g、5.1mmol)をTHF(5mL)及びアセトニトリル(5mL)に溶解させた溶液を少しずつ加えた。次いで、この反応混合物を、アルゴン下で室温で4時間撹拌した後、溶媒を減圧下で蒸発させた。得られた粗生成物を、アルゴン下で、脱気したヘキサン/酢酸エチル(容量比1:4))を移動相としたカラムクロマトグラフィーにより精製し、目的の化合物(N[C-PFC]アミダイト)を無色の油状物質として単離した(収率45%)。
1H NMR (400 MHz, Acetone-d6) δ 7.41 (t, J = 8.7 Hz, 2H), δ 7.33-7.17 (m, 7H), δ 6.85 (td, J = 2.3 Hz, 8.7 Hz, 4H), δ 3.84-3.56 (m, 6H) δ 3.76 (s, 6H) δ 3.37 (t, J = 16.5 Hz, 2H), δ 3.20 (t, 6.0 Hz, 2H), δ 2.94 (t, J = 5.5 Hz, 2H), δ 2.90 (t, J = 6.4 Hz, 2H), δ 2.56 (t, J = 6.4 Hz, 2H), δ 1.16 (dd, J = 6.9 Hz, 6H), δ 1.12 (d, J = 6.9 Hz, 6H), 19F NMR (376 MHz, Acetone-d6) δ -80.9 (m, 2F), δ -117.7 (s, 2F), δ -124.3 (s, 2F), δ -126.0 (s, 2F), 31P NMR (162 MHz, Acetone-d6), δ -148.4 (s)
 本発明は、パーフルオロアルキル基を含有する核酸及びその製造方法を提供する。本発明に係る核酸は、細胞膜透過性に優れているため、例えば、薬効成分を標的細胞へ導入するためのキャリア等、生理活性物質として、医薬分野での利用が期待される。
 なお、2019年9月27日に出願された日本特許出願2019-177622号の明細書、特許請求の範囲、図面および要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。

Claims (11)

  1.  炭素原子間に1~5個のエーテル結合性の酸素原子を有している、炭素数2~10個のパーフルオロアルキル基を含有する、核酸。
  2.  前記パーフルオロアルキル基が、直接又は間接的に、核酸の5’末端又は3’末端に結合している、請求項1に記載の核酸。
  3.  前記パーフルオロアルキル基が、間接的に、2個のヌクレオチドの間に導入されている、請求項1に記載の核酸。
  4.  下記一般式(A1)で表される構造を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の核酸。
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000001
    ただし、式中の基は下記を意味する。
    FEは、炭素原子間に1~5個のエーテル結合性の酸素原子を有している、炭素数2~10個のパーフルオロアルキル基であり、naは、1~10の整数であり、黒丸は結合手を示す。
  5.  細胞膜透過性核酸である、請求項1~4のいずれか一項に記載の核酸。
  6.  下記一般式(A2)で表される化合物を原料とし、ホスホロアミダイト法により、請求項1~5のいずれか一項に記載のパーフルオロアルキル基を含有する核酸を合成する、パーフルオロアルキル基を含有する核酸の製造方法。
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000002
    ただし、式中の基は下記を意味する。
    FEは、炭素原子間に1~5個のエーテル結合性の酸素原子を有している、炭素数2~10個のパーフルオロアルキル基であり、naは、1~10の整数であり、DMTrは4,4’-ジメトキシトリフェニルメチル基であり、i-Prはイソプロピル基である。
  7.  炭素原子間に1~5個のエーテル結合性の酸素原子を有していてもよい、炭素数2~10個のパーフルオロアルキル基を含有する核酸を有効成分とする、核酸医薬。
  8.  核酸に、炭素原子間に1~5個のエーテル結合性の酸素原子を有していてもよい、炭素数2~10個のパーフルオロアルキル基を導入し、細胞膜透過性を向上させる、核酸の細胞膜透過性向上方法。
  9.  前記パーフルオロアルキル基が、炭素原子間に1~5個のエーテル結合性の酸素原子を有する基である、請求項8に記載の核酸の細胞膜透過性向上方法。
  10.  前記パーフルオロアルキル基が、炭素原子間にエーテル結合性の酸素原子を有していない基である、請求項8に記載の核酸の細胞膜透過性向上方法。
  11.  前記パーフルオロアルキル基を、直接又は間接的に、前記核酸の5’末端又は3’末端に結合させる、請求項8~10のいずれか一項に記載の核酸の細胞膜透過性向上方法。
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