明 細 書
画像表示装置及び方法
技術分野
[0001] 本発明は、フレームレートあるいはフィールドレートを変換する機能を備えた画像表 示装置及び方法に関し、より詳細には、動き補償型のレート変換処理に起因する、 複数枚の同一画像が連続する可能性のある動画像の画質劣化を防止する画像表示 装置及び該装置による画像表示方法に関するものである。
背景技術
[0002] 動画像を具現する用途に従来力も主として用いられてきた陰極線管(CRT: Catho de Ray Tube)に対して、 LCD (Liquid Crystal Display)は、動きのある画像 を表示した場合に、観る者には動き部分の輪郭がぼけて知覚されてしまうという、所 謂、動きぼけの欠点がある。この動きぼけは、 LCDの表示方式そのものに起因するこ とが指摘されている(例えば、特許第 3295437号明細書; "石黒秀一、栗田泰巿郎 、「8倍速 CRTによるホールド発光型ディスプレイの動画質に関する検討」、信学技 報、社団法人電子情報通信学会、 EID96— 4 (1996— 06)、 p. 19— 26"参照)。
[0003] 電子ビームを走査して蛍光体を発光させて表示を行う CRTでは、各画素の発光は 蛍光体の若干の残光はあるものの概ねインパルス状になる。これをインパルス型表示 方式という。一方、 LCDでは、液晶に電界を印加することにより蓄えられた電荷が、 次に電界が印加されるまで比較的高い割合で保持される。特に、 TFT方式の場合、 画素を構成するドット毎に TFTスィッチが設けられており、さらに通常は各画素に補 助容量が設けられており、蓄えられた電荷の保持能力が極めて高い。このため、画 素が次のフレームあるいはフィールド(以下、フレームで代表する)の画像情報に基 づく電界印加により書き換えられるまで発光し続ける。これをホールド型表示方式と いう。
[0004] 上記のようなホールド型表示方式においては、画像表示光のインパルス応答が時 間的な広がりを持っため、時間周波数特性が劣化して、それに伴い空間周波数特 性も低下し、動きぼけが生じる。すなわち、人の視線は動くものに対して滑らかに追
従するため、ホールド型のように発光時間が長いと、時間積分効果により画像の動き がぎくしゃくして不自然に見えてしまう。
[0005] 上記のホールド型表示方式における動きぼけを改善するために、フレーム間に画 像を内挿することにより、フレームレート(フレーム数)を変換する技術が知られている 。この技術は、 FRC (Frame Rate Converter)と呼ばれ、液晶表示装置等におい て実用化されている。
[0006] 従来、フレームレートを変換する方法には、単に同一フレームの複数回繰り返し読 み出しや、フレーム間の直線内挿 (線形補間)によるフレーム内挿などの各種の手法 がある(例えば、山内達郎、「テレビジョン方式変換」、テレビジョン学会誌、 Vol. 45、 No. 12、 pp. 1534— 1543 (1991)参照)。しかしながら、線形補間によるフレーム 内挿処理の場合、フレームレート変換に伴う動きの不自然さ(ジャーキネス、ジャダ一 )が発生するとともに、上述したホールド型表示方式に起因する動きぼけ妨害を十分 に改善することはできず、画質的には不十分なものであった。
[0007] そこで、上記ジャーキネスの影響等をなくして動画質を改善するために、動きべタト ルを用いた動き補償型のフレーム内挿処理が提案されている。これによれば、動画 像そのものをとらえて画像の動きを補償するため、解像度の劣化がなぐまた、ジャー キネスの発生もなく、極めて自然な動画を得ることができる。さらに、内挿画像信号は 動き補償して形成されるので、上述したホールド型表示方式に起因する動きぼけ妨 害を十分に改善することが可能となる。
[0008] 前述の特許第 3295437号明細書には、動き適応的に内挿フレームを生成すること により、表示画像のフレーム周波数を上げて、動きぼけの原因となる空間周波数特性 の低下を改善するための技術が開示されている。これは、表示画像のフレーム間に 内挿する少なくとも 1つの内挿画像信号を、前後のフレーム力 動き適応的に形成し 、形成した内挿画像信号をフレーム間に内挿して順次表示するようにしている。
[0009] 図 1は、従来の液晶表示装置における FRC駆動表示回路の概略構成を示すプロ ック図で、図中、 FRC駆動表示回路は、入力画像信号のフレーム間に動き補償処理 を施した画像信号を内挿することにより入力画像信号のフレーム数を変換する FRC 部 100と、液晶層と該液晶層に走査信号及びデータ信号を印加するための電極とを
有するアクティブマトリクス型の液晶表示パネル 104と、 FRC部 100によりフレームレ ート変換された画像信号に基づいて液晶表示パネル 104の走査電極及びデータ電 極を駆動するための電極駆動部 103と、を備えて構成される。
[0010] FRC部 100は、入力画像信号力も動きベクトル情報を検出する動きベクトル検出部 101と、動きベクトル検出部 101により得られた動きベクトル情報に基づ!/、て内挿フレ ームを生成する内挿フレーム生成部 102とを備える。
[0011] 上記構成において、動きベクトル検出部 101は、例えば、後述するブロックマツチン グ法ゃ勾配法などを用いて動きベクトル情報を求めてもょ 、し、入力画像信号に何ら かの形で動きベクトル情報が含まれている場合、これを利用してもよい。例えば、 MP EG方式を用いて圧縮符号化された画像データには、符号ィ匕時に算出された動画像 の動きベクトル情報が含まれており、この動きベクトル情報を取得する構成としてもよ い。
[0012] 図 2は、図 1に示した従来の FRC駆動表示回路によるフレームレート変換処理を説 明するための図である。 FRC部 100は、動きベクトル検出部 101より出力された動き ベクトル情報を用いた動きネ甫償により、フレーム間の内挿フレーム(図中グレーに色 付けされた画像)を生成し、この生成された内挿フレーム信号を入力フレーム信号と ともに、順次出力することで、入力画像信号のフレームレートを例えば毎秒 60フレー ム(60Hz)から毎秒 120フレーム(120Hz)に変換する処理を行う。
[0013] 図 3は、動きベクトル検出部 101及び内挿フレーム生成部 102による内挿フレーム 生成処理について説明するための図である。動きベクトル検出部 101は、図 3に示し た例えばフレーム # 1とフレーム # 2から勾配法等により動きベクトル 105を検出する 。すなわち、動きベクトル検出部 101は、フレーム # 1とフレーム # 2の 1/60秒間に 、どの方向にどれだけ動いたかを測定することにより動きベクトル 105を求める。次に 、内挿フレーム生成部 102は、求めた動きベクトル 105を用いて、フレーム # 1とフレ ーム # 2間に内挿ベクトル 106を割り付ける。この内挿ベクトル 106に基づいてフレー ム # 1の位置から 1Z120秒後の位置まで対象 (ここでは自動車)を動かすことにより 、内挿フレーム 107を生成する。
[0014] このように、動きベクトル情報を用いて動き補償フレーム内挿処理を行い、表示フレ
ーム周波数を上げることで、 LCD (ホールド型表示方式)の表示状態を、 CRT (イン パルス型表示方式)の表示状態に近づけることができ、動画表示の際に生じる動きぼ けによる画質劣化を改善することが可能となる。
[0015] ここで、上記動き補償フレーム内挿処理においては、動き補償のために動きべタト ルの検出が不可欠となる。この動きベクトル検出の代表的な手法として、例えば、プロ ックマッチング法、勾配法などが提案されている。これらの手法においては、連続した 2つのフレーム間で各画素または小さなブロック毎に動きベクトルを検出し、この動き ベクトルを用いて 2つのフレーム間の内挿フレームの各画素または各小ブロックを内 揷する。すなわち、 2つのフレーム間の任意の位置の画像を正しく位置補償して内挿 することにより、フレーム数の変換を行う。
[0016] 動画像はフレーム間の相関が高ぐまた時間軸方向の連続性を持っため、あるフレ ームにおいて移動している画素あるいはブロックは、それに続くフレーム、あるいはそ れより前のフレームにおいても、同様の動き量で移動している場合が多い。例えば、 ボールが画面の右力 左へと転がって 、く様子を撮影した動画像の場合、ボールの 領域は、どのフレームでも同様の動き量を持ちながら移動していく。すなわち、連続 するフレーム間では、動きベクトルに連続性がある場合が多 、。
[0017] このことから、前フレームでの動きベクトル検出結果を参照することで、その次のフレ ームにおける動きベクトルの検出をより容易に、あるいはより正確に行うことが可能で ある。例えば、勾配法を改良した反復勾配法においては、被検出ブロックに対して、 前フレームあるいは現フレームで既に検出された近傍のブロックの動きベクトルを初 期偏位ベクトルとし、これを起点として勾配法の演算を繰り返す方法が用いられる。こ の方法によれば、勾配法の繰り返しは 2回程度でほぼ正確な動き量を得ることができ る。
[0018] また、ブロックマッチング法においても、前フレームでの動きベクトル検出結果を参 照して探索順序を変えるなどして、効率的な動きべ外ル検出を行うことが考えられる 。このように、動きベクトルを検出する際に、既検出の動きベクトルを利用することによ つて、例えばフレームレート変換のリアルタイム処理が可能になる。
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0019] ところで、映像信号のソースとしては、通常のテレビジョンビデオカメラで撮影した映 像の他、映画フィルムの映像、コンピュータグラフィックス(CG)による映像などが存在 する。このため、 NTSC方式や PAL方式のテレビジョン放送信号やビデオディスク再 生信号には、映画フィルムや CGによる映像信号が含まれていることが多々ある。また 、近年では記録メディア(例えば DVD (デジタルバーサタイルディスク)、 HD (ノヽード ディスク)など)の記録容量の進歩、さらには伝送方式のデジタルィ匕により、多様なソ ースの映像信号が混在して 、る場合がある。
[0020] 例えば、通常の映画フィルムは毎秒 24コマ(フレーム)であり、これをフレームレート 力 S60Hzのディスプレイに出力する場合、フレームレートが 24Hzの映像を 2— 3プル ダウン処理し、 2コマないし 3コマずつ同じ画像を出力することで、フレームレートが 6 OHzの映像信号に変換して出力することが行われている。
[0021] また、毎秒 30コマ(フレーム)のフィルム映画や CGによるアニメやゲーム映像を、フ レームレートが 60Hzのディスプレイに出力する場合は、フレームレートが 30Hzの映 像を 2— 2プルダウン処理し、 2コマずつ同じ画像を出力することで、フレームレートが 60Hzの映像信号に変換して出力する。さらに、毎秒 24コマ(フレーム)のフィルム映 画をフレームレートが 50Hzのディスプレイに出力する場合は、フレームレートが 24H zの映像を 2— 2プルダウン処理し、 2コマずつ同じ画像を出力することが行われてい る。
[0022] このように、フィルム映画や CGによるアニメやゲーム映像などは、原画像が 60Hz 以下のフレームレートのものが多ぐ同じ画像を複数枚続けて出力することにより、 60 Hzの映像信号として表示出力して 、る。
[0023] 前述した毎秒 24コマ(フレーム)のフィルム映画の場合につ!、て、図 4を用いて説明 する。図 4におけるフレーム # 1力 フレーム # 10は、 24Hzの映画映像を 2— 3プル ダウン処理により 60Hzに変換した画像シーケンスを表している。フレーム # 1とフレ ーム # 2、フレーム # 3からフレーム # 5、フレーム # 6とフレーム # 7、フレーム # 8か らフレーム # 10が、それぞれ同じ画像である。
[0024] 以上のように、複数枚の同じ画像が出力される場合のある映像においては、各フレ
ーム間の動きベクトルの連続性が損なわれてしまう。例えば図 4において、何らかの 動くオブジェクトが撮影されている映像である場合を考える。フレーム # 5とフレーム # 6とは異なる画像であるため、この間では動きベクトルが検出される力 次のフレー ム # 6とフレーム # 7とは同じ画像であるため、検出される動きベクトルは全て 0である べきである。さらに次のフレーム # 7とフレーム # 8とは異なる画像であるため、この間 では動きベクトルが検出される。
[0025] このように、図 4におけるフレーム # 5からフレーム # 7までの連続するフレームでの 動きベクトルを考えると、 "動きベクトルあり"、 "動きベクトル 0"、 "動きベクトルあり"の 順に混在することとなり、隣り合う各フレーム間の動きベクトルの連続性が存在しない
[0026] このような同じ画像が複数枚出力される場合のある映像に対して、前述したような、 前フレームでの動きベクトル検出結果を参照することでその次のフレームでの動きべ タトル検出を行う処理を行った場合、各フレーム間の動きベクトルの連続性が存在し な 、ために、動きベクトルの検出に誤りが生じると!、う問題がある。
[0027] 前述の例で説明すると、図 4のフレーム # 6とフレーム # 7とは同じ画像であるため、 検出される動きベクトルは全て 0であるべきだ力 その前のフレーム # 5とフレーム # 6 との間の動きベクトルは 0ではな!/、ために、これを参照することにより 0ではな!/、ベタト ルを誤って検出してしまう可能性がある。
[0028] また、フレーム # 7とフレーム # 8とは異なる画像であるため、この間でも動きべタト ルが検出されるべきである力 その前のフレーム # 6とフレーム # 7との間の動きべク トルは 0であるため、これを参照することにより 0ベクトルを誤って検出してしまう可能性 がある。そして、このような動きベクトルの誤検出が原因となり、表示映像の画質劣化 を招来するという問題がある。
[0029] ところで、この種の画像表示装置においては、通常、視聴環境や映像ソフトに応じ て表示画像の画質を設定調整するために、ユーザが選択可能な複数の画調モード が備えられている。例えば、くっきりとした標準的な画像に設定する"標準 (スタンダー ド)モード"、鮮明でコントラストのある画像に調整する"ダイナミックモード"、映画など の映像に対し、コントラスト感を抑えて暗!ヽ映像を見やす!/ヽ画像に調整する"映画 (シ
ネマ、シアター)モード"、テレビゲームなどの映像に対し、明るさを抑えて目にやさし い画像に調整する"ゲームモード"などが一般的に設定されている。
[0030] これら各画調モード毎に対応して、画面の明るさ、濃淡、黒レベル、色の濃さ、色あ い、輪郭強調 (シャープネス)などに関する調整値が予め記憶されており、ユーザは 所望の画調モードを選択することによって、簡単且つ迅速に視聴環境や映像ソフトに 応じた適切な画質調整を行うことが可能となって 、る。例えば映画番組や映画ソフト を視聴する際には、ユーザは"映画 (シネマ、シアター)モード"を選択することにより、 映画の視聴に適した画質調整を行うことができる。
[0031] 従って、 "映画(シネマ、シアター)モード"や"ゲームモード"などの画調モードがュ 一ザによって選択されている状態においては、映画映像や CG映像などのような複数 枚の同一画像が連続する場合のある動画像が入力されて、上述の理由により表示映 像の画質劣化を招来する可能性が高 、。
[0032] 本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、動き補償型のフレームレート変 換 (FRC)処理に起因する、映画映像やゲーム (CG)映像などのような複数枚の同一 画像が連続する可能性がある動画像の画質劣化を防止することができる画像表示装 置及び方法を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段
[0033] 本願の第 1の発明は、入力画像信号のフレーム間あるいはフィールド間に、動き補 償処理を施した画像信号を内挿することにより、前記入力画像信号のフレーム数ある いはフィールド数を変換して、表示パネルへ出力するレート変換手段を備えた画像 表示装置であって、当該画像表示装置に設定されて 、る複数の画調モードのうち、 予め決められた所定の画調モードがユーザにより選択された場合、前記レート変換 手段における動き補償処理を無効化することを特徴とする。
[0034] 本願の第 2の発明は、前記レート変換手段が、前記入力画像信号に含まれる連続 したフレーム間あるいはフィールド間で動きベクトル情報を検出する動きベクトル検出 部と、該検出した動きベクトル情報に基づいて、前記フレーム間あるいは前記フィー ルド間に内挿ベクトルを割り付ける内挿ベクトル割付部と、該割り付けた内挿ベクトル から内挿画像信号を生成する内挿画像生成部と、該生成した内挿画像信号を前記
フレーム間あるいは前記フィールド間に内挿する画像内挿部とを有することを特徴と する。
[0035] 本願の第 3の発明は、当該画像表示装置に設定されている複数の画調モードのう ち、予め決められた所定の画調モードがユーザにより選択された場合、前記動きべク トル検出部で検出された動きベクトルを 0ベクトルにすることにより、前記動き補償処 理を無効化することを特徴とする。
[0036] 本願の第 4の発明は、当該画像表示装置に設定されている複数の画調モードのう ち、予め決められた所定の画調モードがユーザにより選択された場合、前記内挿べ タトル割付部で割り付けた内挿ベクトルを 0ベクトルにすることにより、前記動き補償処 理を無効化することを特徴とする。
[0037] 本願の第 5の発明は、入力画像信号のフレーム間あるいはフィールド間に、動き補 償処理を施した画像信号を内挿することにより、前記入力画像信号のフレーム数ある いはフィールド数を変換して、表示パネルへ出力するレート変換手段を備えた画像 表示装置であって、当該画像表示装置に設定されて 、る複数の画調モードのうち、 予め決められた所定の画調モードがユーザにより選択された場合、前記入力画像信 号のフレーム数ある 、はフィールド数を変換せずに、該入力画像信号を前記表示パ ネルへ出力することを特徴とする。
[0038] 本願の第 6の発明は、画像信号を表示する表示パネルの駆動周波数を変更可能と し、当該画像表示装置に設定されている複数の画調モードのうち、予め決められた 所定の画調モードがユーザにより選択された場合、前記入力画像信号のフレーム周 波数あるいはフィールド周波数に合わせて前記表示パネルの駆動周波数を変更す ることを特徴とする。
[0039] 本願の第 7の発明は、入力画像信号のフレーム間あるいはフィールド間に、動き補 償処理を施した画像信号を内挿することにより、前記入力画像信号のフレーム数ある いはフィールド数を変換して、表示パネルへ出力するレート変換手段を備えた画像 表示装置であって、前記入力画像信号のフレーム間あるいはフィールド間に、動き補 償処理を施して!/ヽな ヽ画像信号を挿入することにより、前記入力画像信号のフレー ム数あるいはフィールド数を変換する他のレート変換手段を更に備え、当該画像表
示装置に設定されている複数の画調モードのうち、予め決められた所定の画調モー ドがユーザにより選択された場合、前記他のレート変換手段によりフレーム数あるい はフィールド数が変換された画像信号を、前記表示パネルへ出力することを特徴とす る。
[0040] 本願の第 8の発明は、前記他のレート変換手段が、前記入力画像信号のフレーム 間あるいはフィールド間に、該フレームあるいはフィールドの画像信号を挿入すること により、前記入力画像信号のフレーム数あるいはフィールド数を変換するものである ことを特徴とする。
[0041] 本願の第 9の発明は、前記他のレート変換手段が、前記入力画像信号のフレーム 間あるいはフィールド間に、線形補間処理を施した画像信号を内挿することにより、 前記入力画像信号のフレーム数あるいはフィールド数を変換するものであることを特 徴とする。
[0042] 本願の第 10の発明は、前記他のレート変換手段が、前記入力画像信号のフレーム 間あるいはフィールド間に、予め決められた単色画像信号を挿入することにより、前 記入力画像信号のフレーム数あるいはフィールド数を変換するものであることを特徴 とする。
[0043] 本願の第 11の発明は、入力画像信号のフレーム間あるいはフィールド間に、動き 補償処理を施した画像信号を内挿することにより、前記入力画像信号のフレーム数 あるいはフィールド数を変換して、表示パネルへ出力するレート変換手段を備えた画 像表示装置であって、当該画像表示装置に設定されている複数の画調モードのうち 、予め決められた所定の画調モードがユーザにより選択された場合、前記レート変換 手段における動き補償処理の補償強度を可変することを特徴とする。
[0044] 本願の第 12の発明は、前記レート変換手段が、動き補償処理を施した画像信号と 、線形補間処理を施した画像信号とを所定の比率で加重加算することにより、内挿画 像信号を生成する内挿画像生成部を有し、当該画像表示装置に設定されている複 数の画調モードのうち、予め決められた所定の画調モードがユーザにより選択された 場合、前記加重加算比率を可変することを特徴とする。
[0045] 本願の第 13の発明は、前記内挿画像生成部が、当該画像表示装置に設定されて
いる複数の画調モードのうち、予め決められた所定の画調モードがユーザにより選択 された場合、前記線形補間処理を施した画像信号を内挿画像信号とし、当該画像表 示装置に設定されている複数の画調モードのうち、予め決められた所定の画調モー ド以外がユーザにより選択された場合、前記動き補償処理を施した画像信号を内挿 画像信号とすることを特徴とする。
[0046] 本願の第 14の発明は、前記予め決められた所定の画調モード力 映画モードであ ることを特徴とする。
[0047] 本願の第 15の発明は、前記予め決められた所定の画調モードが、ゲームモードで あることを特徴とする。
[0048] 本願の第 16の発明は、前記レート変換手段が、前記入力画像信号のフレーム周波 数あるいはフィールド周波数を整数倍に変換するものであることを特徴とする。
[0049] 本願の第 17の発明は、入力画像信号のフレーム間あるいはフィールド間に、動き 補償処理を施した画像信号を内挿することにより、前記入力画像信号のフレーム数 あるいはフィールド数を変換するステップを有する画像表示方法にぉ 、て、当該画像 表示装置に設定されている複数の画調モードのうち、ユーザにより選択された画調モ ードが予め決められた所定の画調モードかどうかを判定するステップと、前記選択さ れた画調モードが予め決められた所定の画調モードであると判定された場合、前記 動き補償処理を無効化するステップとを備えたことを特徴とする。
[0050] 本願の第 18の発明は、入力画像信号のフレーム間あるいはフィールド間に、動き 補償処理を施した画像信号を内挿することにより、前記入力画像信号のフレーム数 あるいはフィールド数を変換するステップを有する画像表示方法にぉ 、て、当該画像 表示装置に設定されている複数の画調モードのうち、ユーザにより選択された画調モ ードが予め決められた所定の画調モードかどうかを判定するステップと、前記選択さ れた画調モードが予め決められた所定の画調モードであると判定された場合、前記 入力画像信号のフレーム周波数あるいはフィールド周波数に合わせて表示パネルの 駆動周波数を変更するステップとを備えたことを特徴とする。
[0051] 本願の第 19の発明は、入力画像信号のフレーム間あるいはフィールド間に、動き 補償処理を施した画像信号を内挿することにより、前記入力画像信号のフレーム数
あるいはフィールド数を変換するステップを有する画像表示方法にぉ 、て、当該画像 表示装置に設定されている複数の画調モードのうち、ユーザにより選択された画調モ ードが予め決められた所定の画調モードかどうかを判定するステップと、前記選択さ れた画調モードが予め決められた所定の画調モードであると判定された場合、前記 入力画像信号のフレーム間あるいはフィールド間に、該フレームあるいはフィールド の画像信号を挿入することにより、前記入力画像信号のフレーム数あるいはフィール ド数を変換するステップとを備えたことを特徴とする。
[0052] 本願の第 20の発明は、入力画像信号のフレーム間あるいはフィールド間に、動き 補償処理を施した画像信号を内挿することにより、前記入力画像信号のフレーム数 あるいはフィールド数を変換するステップを有する画像表示方法にぉ 、て、当該画像 表示装置に設定されている複数の画調モードのうち、ユーザにより選択された画調モ ードが予め決められた所定の画調モードかどうかを判定するステップと、前記選択さ れた画調モードが予め決められた所定の画調モードであると判定された場合、前記 入力画像信号のフレーム間ある 、はフィールド間に、線形補間処理を施した画像信 号を内挿することにより、前記入力画像信号のフレーム数あるいはフィールド数を変 換するステップとを備えたことを特徴とする。
[0053] 本願の第 21の発明は、入力画像信号のフレーム間あるいはフィールド間に、動き 補償処理を施した画像信号を内挿することにより、前記入力画像信号のフレーム数 あるいはフィールド数を変換するステップを有する画像表示方法にぉ 、て、当該画像 表示装置に設定されている複数の画調モードのうち、ユーザにより選択された画調モ ードが予め決められた所定の画調モードかどうかを判定するステップと、前記選択さ れた画調モードが予め決められた所定の画調モードであると判定された場合、前記 入力画像信号のフレーム間あるいはフィールド間に、予め決められた単色画像信号 を挿入することにより、前記入力画像信号のフレーム数あるいはフィールド数を変換 するステップとを備えたことを特徴とする。
[0054] 本願の第 22の発明は、入力画像信号のフレーム間あるいはフィールド間に、動き 補償処理を施した画像信号を内挿することにより、前記入力画像信号のフレーム数 あるいはフィールド数を変換するステップを有する画像表示方法にぉ 、て、当該画像
表示装置に設定されている複数の画調モードのうち、ユーザにより選択された画調モ ードが予め決められた所定の画調モードかどうかを判定するステップと、前記選択さ れた画調モードが予め決められた所定の画調モードであると判定された場合、前記 動き補償処理の補償強度を可変するステップとを備えたことを特徴とする。
発明の効果
[0055] 本発明によれば、当該画像表示装置に設定されている複数の画調モードのうち、 予め決められた所定の画調モード(映画モードやゲームモードなど)がユーザにより 選択された場合は、動き補償による内挿処理を行わないようにすることにより、表示画 像の画質劣化を効果的に防止することができる。
図面の簡単な説明
[0056] [図 1]従来の液晶表示装置における FRC駆動表示回路の概略構成を示すブロック図 である。
[図 2]図 1に示した従来の FRC駆動表示回路によるフレームレート変換処理を説明す るための図である。
[図 3]動きベクトル検出部及び内挿フレーム生成部による内挿フレーム生成処理につ いて説明するための図である。
[図 4] 24Hzのフィルム映画を 2— 3プルダウン処理により 60Hzに変換した場合の画 像シーケンスを説明するための図である。
[図 5]本発明の画像表示装置が備えるフレームレート変換部の構成例を示すブロック 図である。
[図 6]フレーム生成部による内挿フレーム生成処理の一例を説明するための図である
[図 7]本発明の第 1の実施形態に係る液晶表示装置の要部構成例を示すブロック図 である。
[図 8]本発明の第 1の実施形態に係る液晶表示装置の各画調モードの選択切替順を 説明するための図である。
[図 9]本発明の第 2の実施形態に係る液晶表示装置の要部構成例を示すブロック図 である。
[図 10]本発明の第 3の実施形態に係る液晶表示装置の要部構成例を示すブロック図 である。
[図 11]本発明の第 3の実施形態に係る入力データと出力データの関係を示す図であ る。
[図 12]本発明の第 4の実施形態に係る液晶表示装置の要部構成例を示すブロック図 である。
[図 13]本発明の第 4の実施形態に係る入力データと出力データの関係を示す図であ る。
[図 14]本発明の第 5の実施形態に係る液晶表示装置の要部構成例を示すブロック図 である。
[図 15]本発明の第 5の実施形態に係る入力データと出力データの関係を示す図であ る。
[図 16]本発明の第 6の実施形態に係る液晶表示装置の要部構成例を示すブロック図 である。
[図 17]本発明の第 6の実施形態に係る入力データと出力データの関係を示す図であ る。
[図 18]本発明の第 7の実施形態に係る FRC部の要部構成例を示すブロック図である
[図 19]本発明の画像表示装置による画像表示方法の一例を説明するためのフロー 図である。
[図 20]本発明の画像表示装置による画像表示方法の他の例を説明するためのフロ 一図である。
[図 21]本発明の画像表示装置による画像表示方法の他の例を説明するためのフロ 一図である。
符号の説明
10, 100…フレームレート変換 (FRC)部、 11…ベクトル検出部、 11a…輝度信号抽 出部、 l ib…前処理フィルタ、 11c…動き検出用フレームメモリ、 l id…初期ベクトル メモリ、 l ie, 101· ··動きベクトル検出部、 1 If…内挿ベクトル評価部、 12· ··フレーム
生成部、 12a…内挿用フレームメモリ、 12b, 102…内挿フレーム生成部、 12c…タイ ムベース変換用フレームメモリ、 12d…タイムベース変換部、 12e…補償強度可変部 、 13· ··リモコン受光部、 14…制御部、 15…画質調整部、 16…切替部、 17…。ベタト ル、 18, 103· ··電極駆動部、 19, 104· ··液晶表示ノ《ネル、 20· ··経路、 21· ··メモリ、 22· ··線形補間内挿処理部、 23…黒レベル信号挿入処理部、 105…動きベクトル、 1 06…内挿ベクトル、 107…内挿フレーム。
発明を実施するための最良の形態
[0058] 以下、添付図面を参照しながら本発明の好適な画像表示装置の実施の形態につ いて詳細に説明する。なお、本発明は、フィールド信号及び内挿フィールド信号、フ レーム信号及び内挿フレーム信号のいずれに対しても適用できるものである力 両 者 (フィールドとフレーム)は互いに類似の関係にあるため、フレーム信号及び内揷フ レーム信号を代表例として説明するものとする。
[0059] 図 5は、本発明の画像表示装置が備える動き補償型フレームレート変換部の構成 例を示すブロック図で、図中、 10はフレームレート変換部(以下、 FRC部)で、該 FR C部 10は、本発明のレート変換手段に相当し、入力画像信号に含まれる 2つの連続 したフレーム間で動きベクトルを検出するベクトル検出部 11と、検出した動きベクトル に基づ!/ヽて内挿フレーム(内挿画像)を生成するフレーム生成部 12とから構成される 。なお、ベクトル検出部 11は、動きベクトル検出に反復勾配法を用いた場合の例に ついて示すが、この反復勾配法に限定されず、ブロックマッチング法などを用いても よい。
[0060] ここで、反復勾配法の特徴は、動きベクトルの検出がブロック単位で可能であるた め、数種類の動き量が検出でき、また、小領域の動物体でも動きベクトルを検出する ことができる。また、回路構成も他の方式 (ブロックマッチング法など)と比較して小規 模で実現することができる。この反復勾配法では、被検出ブロックに対して、すでに 検出された近傍のブロックの動きベクトルを初期偏位ベクトルとして、これを起点とし て勾配法の演算を繰り返す方法が用いられる。この方法によれば、勾配法の繰り返し は 2回程度でほぼ正確な動き量を得ることができる。
[0061] 図 5において、ベクトル検出部 11は、入力画像信号 (RGB信号)から輝度信号 (Y
信号)を抽出する輝度信号抽出部 11aと、抽出した Y信号に LPFを掛けて高域部の 帯域を制限するための前処理フィルタ l ibと、動き検出用フレームメモリ 11cと、初期 ベクトル候補を蓄積するための初期ベクトルメモリ l idと、反復勾配法を用いてフレー ム間の動きベクトルを検出する動きベクトル検出部 l ieと、検出した動きベクトルに基 づいてフレーム間に内挿ベクトルを割り付ける内挿ベクトル評価部 1 Ifと、を備えて構 成される。
[0062] なお、 FRC部 10は、本発明のレート変換手段に相当し、動きベクトル検出部 l ieは 、本発明の動きベクトル検出部に相当し、内挿ベクトル評価部 1 Ifは、本発明の内挿 ベクトル割付部に相当する。
[0063] 上記反復勾配法の演算は画素の微分成分を用いて!/、るため、ノイズの影響を受け 易ぐまた、検出ブロック内の勾配の変化量が多いと演算誤差が大きくなるため、前 処理フィルタ 1 lbにお!/、て LPFをかけて高域部の帯域を制限しておく。初期ベクトル メモリ l idには、初期ベクトル候補として、前々フレームで既に検出されている動きべ タトル (初期ベクトル候補)を蓄積しておく。
[0064] 動きベクトル検出部 l ieは、初期ベクトルメモリ l idに蓄積されている初期ベクトル 候補の中力 被検出ブロックの動きベクトルに最も近い動きベクトルを初期ベクトルと して選択する。すなわち、被検出ブロック近傍のブロックにおける既検出動きベクトル (初期ベクトル候補)の中力もブロックマッチング法により初期ベクトルを選択する。そ して、動きベクトル検出部 l ieは、選択した初期ベクトルを起点として、勾配法演算に よって前フレームと現フレーム間の動きベクトルを検出する。
[0065] 内挿ベクトル評価部 1 Ifは、動きベクトル検出部 l ieにより検出された動きベクトル を評価し、その評価結果に基づいて最適な内挿ベクトルをフレーム間の内挿ブロック に割り付けて、フレーム生成部 12に出力する。
[0066] フレーム生成部 12は、 2つの入力フレーム(前フレーム、現フレーム)を蓄積するた めの内挿用フレームメモリ 12aと、内挿用フレームメモリ 12aからの 2つの入力フレー ムと内挿ベクトル評価部 1 Ifからの内挿ベクトルとに基づいて内挿フレームを生成す る内挿フレーム生成部 12bと、入力フレーム(前フレーム、現フレーム)を蓄積するた めのタイムベース変換用フレームメモリ 12cと、タイムベース変換用フレームメモリ 12c
力もの入力フレームに内挿フレーム生成部 12bからの内挿フレームを挿入して出力 画像信号 (RGB信号)を生成するタイムベース変換部 12dと、を備えて構成される。
[0067] なお、内挿フレーム生成部 12bは、本発明の内挿画像生成部に相当し、タイムべ ース変換部 12dは、本発明の画像内挿部に相当する。
[0068] 図 6は、フレーム生成部 12による内挿フレーム生成処理の一例を説明するための 図である。内挿フレーム生成部 12bは、内挿ブロックに割り付けられた内挿ベクトル V を前フレーム、現フレームに伸ばして、各フレームとの交点近傍の画素を用いて内挿 ブロック内の各画素を補間する。例えば、前フレーム Fでは近傍 3点より A点の輝度 を算出する。現フレーム Fでは近傍 3点より B点の輝度を算出する。内挿フレーム F
2 12 では P点の輝度を A点と B点の輝度カゝら補間する。 P点の輝度は、例えば A点の輝度 と B点の輝度の平均としてもよ 、。
[0069] 上記のようにして生成された内挿フレーム F は、タイムベース変換部 12dに送られ
12
る。タイムベース変換部 12dは、前フレーム F、現フレーム Fの間に、内挿フレーム F
1 2
12を挟み込んで、フレームレートを変換する処理を行う。このように、 FRC部 10により
、入力画像信号 (60フレーム Z秒)を、動き補償された出力画像信号 (120フレーム Z秒)へ変換することができ、これを表示パネルに出力することにより、動きぼけを低 減して動画質を改善することが可能となる。尚、ここでは、 60フレーム Z秒の入力画 像信号を、 120フレーム Z秒 (2倍)の出力画像信号にフレームレート変換する場合 について説明する力 例えば 90フレーム Z秒(1. 5倍)、 180フレーム Z秒(3倍)の 出力画像信号を得る場合に適用しても良いことは言うまでもない。
[0070] 本発明の画像表示装置は、図 5に示した FRC部 10を備え、入力画像信号が映画 映像や CG映像のように 2— 3プルダウン処理や 2— 2プルダウン処理などにより複数 枚の同一画像が連続する可能性がある画像信号である場合、画面全体 (全画面)に 対して FRC部 10における動き補償処理を無効化して、 FRC処理に起因する画質劣 化を防止することを主たる目的とする。なお、本発明は、液晶ディスプレイ、有機 EL ディスプレイ、電気泳動ディスプレイなどのホールド型の表示特性を有する画像表示 装置全般に適用可能であるが、以下の各実施形態においては、表示パネルとして液 晶表示パネルを用いた液晶表示装置に本発明を適用した場合を代表例として説明
する。
[0071] 本発明の第 1の実施形態は、当該液晶表示装置に設定されている複数の画調モ ードのうち、例えば映画モードやゲームモードなどの所定の画調モードがユーザによ り選択されたときに、 FRC部 10の動き補償処理を無効化するために、動きベクトル検 出部 l ieの出力を強制的に 0ベクトルにするものである。
[0072] 図 7は、本発明の第 1の実施形態に係る液晶表示装置の要部構成例を示すブロッ ク図で、液晶表示装置は、 FRC部 10、リモコン受光部 13、制御部 14、画質調整部 1 5、切替部 16、 0ベクトル部 17、電極駆動部 18、及び液晶表示パネル 19を備えて構 成されている。切替部 16は、 FRC部 10内の動きベクトル検出部 l ieと内挿ベクトル 評価部 l lfの間に設けられ、制御部 14からの指示に従って、動きベクトル検出部 11 eからの動きベクトルを 0ベクトル 17へ切り替える。
[0073] リモコン受光部 13は、図示しないリモコン(リモートコントロール装置)から伝送され たリモコン信号を受光して制御部 14へ出力する。制御部 14は、リモコン受光部 13で 受光したリモコン信号を解析することにより、ユーザの操作指示に応じて各部の制御 を行う。ここで、本実施形態の液晶表示装置においては、画調モードとして"標準モ 一ド"、 "ダイナミックモード"、 "映画モード"、 "ゲームモード"が設定されており、ユー ザはリモコン(図示せず)を操作することにより、いずれかの画調モードを選択指示す ることが可能となっている。
[0074] 制御部 14は、リモコン受光部 13で受光したリモコン信号を解析して、ユーザより画 調モードの選択が指示された場合、当該画調モードに対応して記憶されて!、る画面 の明るさ、濃淡、黒レベル、色の濃さ、色あい、輪郭強調 (シャープネス)などの調整 値を画質調整部 15に出力する。画質調整部 15は、制御部 14からの出力に基づき、 入力画像信号に対して所定の画質調整を施す。
[0075] 例えば映画番組や映画ソフトを視聴する際には、ユーザはリモコン(図示せず)を操 作して、 "映画モード"を選択することにより、映画の視聴に適した画質調整を行うこと 力 Sできる。同様に、テレビゲームを視聴する際には、 "ゲームモード"を選択することに より、テレビゲームの視聴に適した画質調整を行うことができる。すなわち、ユーザが" 映画モード"を選択した場合は映画映像が、 "ゲームモード"を選択した場合はゲー
ム(CG)映像が入力されて!、る可能性が高 、と!/、える。
[0076] 尚、本実施形態においては、図 8に示すように、リモコン(図示せず)に設けられた 画調モード選択ボタンを押圧する毎に、 "標準モード"→ "ダイナミックモード"→ "映 画モード"→ "ゲームモード"→ "標準モード"→· · ·の順で画調モードを切り換えること が可能であるが、画調モードの選択操作方法はこれに限らな ヽ。
[0077] 液晶表示パネル 19は、液晶層と該液晶層に走査信号及びデータ信号を印加する ための電極とを有するアクティブマトリクス型の液晶ディスプレイである。電極駆動部 1 8は、 FRC部 10によりフレームレート変換された画像信号に基づいて液晶表示パネ ル 19の走査電極及びデータ電極を駆動するための表示ドライバである。制御部 14 は、上記各部を制御するための CPUを備え、ユーザにより選択された画調モードが 予め決められた所定の画調モードであると判定された場合、 FRC部 10における動き 補償処理を無効化するように制御する。
[0078] 液晶表示パネル 19の駆動周波数は、 FRC部 10により変換されたフレーム周波数 となる。従って、 60Hzのフレーム周波数で入力された画像信号力 FRC部 10で 12 OHzのフレーム周波数に変換された場合、液晶表示パネル 19の駆動周波数は、 12 OHzとなる。但し、 FRC処理によるフレーム周波数変換を行わない場合で、入力画 像信号をそのまま表示出力する場合は、液晶表示パネル 19の駆動周波数は、入力 画像信号のフレーム周波数となる。
[0079] 制御部 14は、ユーザにより選択された画調モードが"映画モード"または"ゲームモ ード"である場合、映画映像または CG映像が入力されている可能性が高いため、切 替部 16を 0ベクトル 17側に切り替えて、動きベクトル検出部 l ieで検出された動きべ タトルを強制的に 0ベクトルに置き換える。また、ユーザにより選択された画調モード 力 S"映画モード"または"ゲームモード"以外 (ここでは、 "標準モード"または"ダイナミ ックモード")である場合、切替部 16を動きベクトル検出部 l ie側に切り替えて、動き ベクトル検出部 l ieで検出された動きベクトルを内挿ベクトル評価部 1 Ifに入力する
[0080] このように、通常の動画像表示時においては動き補償型の FRC処理により動画質 を改善することができるとともに、映画やゲーム (CG)などのように、複数枚の同一画
像が連続する可能性がある動画像が入力される場合には、動きベクトルを 0ベクトル にして動き補償処理を無効化することにより、画像の動きの不連続性による動きべタト ルの検出エラー、動き補償のエラー等をなくし、動き補償型の FRC処理に起因する 画質劣化を効果的に防止することができる。
[0081] 本発明の第 2の実施形態は、当該液晶表示装置に設定されている複数の画調モ ードのうち、例えば映画モードやゲームモードなどの所定の画調モードがユーザによ り選択されたときに、 FRC部 10の動き補償処理を無効化するために、内挿ベクトル 評価部 1 Ifからの内挿ベクトルを 0ベクトルにして、異なる位置の画素間での内挿が 生じな 、ようにするものである。
[0082] 図 9は、本発明の第 2の実施形態に係る液晶表示装置の要部構成例を示すブロッ ク図で、液晶表示装置は、 FRC部 10、リモコン受光部 13、制御部 14、画質調整部 1 5、切替部 16、 0ベクトル部 17、電極駆動部 18、及び液晶表示パネル 19を備えて構 成されている。切替部 16は、 FRC部 10内の内挿ベクトル評価部 1 Ifと内挿フレーム 生成部 12bの間に設けられ、制御部 14力もの指示に従って、内挿ベクトル評価部 11 fからの内挿ベクトルを 0ベクトル 17へ切り替える。
[0083] 制御部 14は、ユーザにより選択された画調モードが"映画モード"または"ゲームモ ード"である場合、映画映像または CG映像が入力されている可能性が高いため、切 替部 16を 0ベクトル 17側に切り替えて、内挿ベクトル評価部 1 Ifで割り付けられた内 挿ベクトルを 0ベクトルにする。また、ユーザにより選択された画調モードが"標準モー ド"または"ダイナミックモード"である場合、切替部 16を内挿ベクトル評価部 1 If側に 切り替えて、内挿ベクトル評価部 1 Ifで割り付けられた内挿ベクトルを内挿フレーム生 成部 12bに入力する。
[0084] このように、映画やゲーム (CG)などのように、複数枚の同一画像が連続する可能 性がある動画像が入力される場合には、強制的に内挿ベクトルを 0ベクトルにして動 き補償処理を無効化することにより、上記第 1の実施形態と同様、画像の動きの不連 続性による動きベクトルの検出エラー、動き補償のエラー等をなくし、動き補償型の F RC処理に起因する画質劣化を効果的に防止することができる。
[0085] 本発明の第 3の実施形態は、 FRC部 10を迂回させるための経路を設け、当該液晶
表示装置に設定されている複数の画調モードのうち、例えば映画モードやゲームモ ードなどの所定の画調モードがユーザにより選択されたときに、入力画像信号を迂回 経路側へ入力し、該入力画像信号のフレーム周波数に合わせて液晶表示パネル 19 の駆動周波数を変更するものである。すなわち、予め決められた所定の画調モード が選択された場合には、フレームレート変換を行わず、入力画像信号をそのまま液 晶表示パネル 19に表示出力するように切り替えるものである。
[0086] 図 10は、本発明の第 3の実施形態に係る液晶表示装置の要部構成例を示すプロ ック図で、液晶表示装置は、 FRC部 10、リモコン受光部 13、制御部 14、画質調整部 15、切替部 16、電極駆動部 18、液晶表示パネル 19、さらに、 FRC部 10を迂回させ るための経路 20を備えて構成されている。切替部 16は、 FRC部 10の前段に設けら れ、制御部 14からの指示に従って、入力画像信号を FRC部 10に入力する力 経路 20に入力するかを切り替える。
[0087] 制御部 14は、ユーザにより選択された画調モードが"映画モード"または"ゲームモ ード"である場合、切替部 16を経路 20側に切り替えて、 FRC部 10を迂回させる。ま た、ユーザにより選択された画調モードが"標準モード"または"ダイナミックモード"で ある場合、切替部 16を FRC部 10側に切り替えて、入力画像信号に対して FRC処理 (動き補償フレーム内挿処理)を行う。尚、切替部 16を FRC部 10の後段に設け、 FR C部 10の出力信号と経路 20の出力信号とを切り替えて、液晶表示パネル 19へ出力 する構成としても良い。
[0088] 本実施形態では、制御部 14は、液晶表示パネル 19の駆動周波数を変更可能とし 、 "映画モード"または"ゲームモード"が選択された場合、入力画像信号を経路 20側 へ入力し、該入力画像信号のフレーム周波数に合わせて液晶表示パネル 19の駆動 周波数を変更する。
[0089] 図 11は、本発明の第 3の実施形態に係る入力データと出力データの関係を示す図 である。図 11の(A)は、経路 20への入力データを示し、図 11の(B)は、経路 20から の出力データを示す。図 11の(A)に示すように、 60Hzのフレーム周波数で入力画 像信号 (入力データ)が経路 20に入力された場合、 1フレーム当りの表示時間は約 1 6. 7msとなる。制御部 15は、表示ドライバである電極駆動部 18を制御して、液晶表
示パネル 19の駆動周波数を 120Hzから 60Hzに変更し、上記入力データを、図 11 の(B)に示すように、 60Hzのままフレームレート変換せずに経路 20から出力させる。
[0090] 液晶表示パネル 19は、フレーム数変換されずに経路 20から出力されたフレームを 、駆動周波数 60Hzで表示するため、このときの 1フレーム当りの表示時間は約 16. 7 msのままとなる。
[0091] このように、通常の動画像表示時においては動き補償型の FRC処理により動画質 を改善することができるとともに、映画やゲーム (CG)などのように、複数枚の同一画 像が連続する可能性がある動画像が入力される場合には、 FRC処理を迂回させて、 フレームレート変換自体を禁止することにより、画像の動きの不連続性による動きべク トルの検出エラー、動き補償のエラー等をなくし、動き補償型の FRC処理に起因する 画質劣化を効果的に防止することができる。
[0092] 本発明の第 4の実施形態は、 FRC部 10を迂回させるための経路を設け、当該液晶 表示装置に設定されている複数の画調モードのうち、例えば映画モードやゲームモ ードなどの所定の画調モードがユーザにより選択されたときに、入力画像信号を迂回 経路側へ入力して、該入力画像信号を経路上のメモリに蓄積し、メモリから同一フレ ームの画像信号を複数回高速で繰り返し読み出して、フレームレート変換するもので ある。すなわち、予め決められた所定の画調モードが選択された場合には、動き補償 型のフレームレート変換を行わず、入力画像信号を高速連続出力することによりフレ ームレート変換して、液晶表示パネル 19へ表示出力するように切り替えるものである
[0093] 図 12は、本発明の第 4の実施形態に係る液晶表示装置の要部構成例を示すプロ ック図で、液晶表示装置は、 FRC部 10、リモコン受光部 13、制御部 14、画質調整部 15、切替部 16、電極駆動部 18、液晶表示パネル 19、さらに、 FRC部 10を迂回させ るための経路 20と、経路 20上にメモリ 21とを備えて構成されている。切替部 16は、 F RC部 10の前段に設けられ、制御部 14からの指示に従って、入力画像信号を FRC 部 10に入力するか、経路 20に入力するかを切り替える。
[0094] 制御部 14は、ユーザにより選択された画調モードが"映画モード"または"ゲームモ ード"である場合、切替部 16を経路 20側に切り替えて、 FRC部 10の処理を迂回させ
、入力画像信号をメモリ 21に蓄積する。その後、メモリ 21から同一フレームを複数回 繰り返し読み出してフレーム挿入処理を行う。また、ユーザにより選択された画調モ ードカ S"標準モード"または"ダイナミックモード"である場合、切替部 16を FRC部 10 側に切り替えて、入力画像信号に対して FRC処理 (動き補償フレーム内挿処理)を 行う。尚、切替部 16を FRC部 10の後段に設けて、 FRC部 10の出力信号とメモリ 21 の出力信号とを切り替えて、液晶表示パネル 19へ出力する構成としても良い。
[0095] 本実施形態では、液晶表示パネル 19の駆動周波数を変更させずに 120Hzのまま とする。制御部 14及びメモリ 21は、 "映画モード"または"ゲームモード"が選択された 場合、入力画像信号のフレーム間に、その前或いは後フレームの画像信号を挿入す ることにより、該入力画像信号のフレーム数を変換する手段を構成する。すなわち、 電極駆動部 18に入力される表示画像信号のフレームレート (フレーム数)は常に同 一とされる。
[0096] 図 13は、本発明の第 4の実施形態に係る入力データと出力データの関係を示す図 である。図 13の(A)は、経路 20への入力データを示し、図 13の(B)は、経路 20から の出力データを示す。図 13の(A)に示すように、 60Hzのフレーム周波数で入力画 像信号 (入力データ)が経路 20に入力された場合、 1フレーム当りの表示時間は約 1 6. 7msとなる。上記入力データはメモリ 21にー且蓄積され、図 13の(B)に示すよう に、メモリ 21から 2倍の速度で繰り返し読み出されたフレームの画像信号(図中、フレ ーム A)が出力される。
[0097] 液晶表示パネル 19は、同一フレームの画像信号が挿入された出力データを駆動 周波数 120Hzで表示する。なお、同一フレームの 2回繰り返し読み出しによりフレー ム数が変換されるため、このときの 1フレーム当りの表示時間は約 8. 3msとなる。
[0098] このように、映画やゲーム (CG)などのように、複数枚の同一画像が連続する可能 性がある動画像が入力される場合には、入力画像信号に対して動き補償による内挿 処理を行わないようにすることにより、画像の不連続性による動きベクトルの検出エラ 一、動き補償のエラー等をなくし、動き補償型の FRC処理に起因する画質劣化を効 果的に防止することができる。さらに、この場合、同じフレームを繰り返し読み出してフ レームレート変換するため、液晶表示パネル 19の駆動周波数を変更する必要がない
[0099] 本発明の第 5の実施形態は、 FRC部 10を迂回させるための経路を設け、当該液晶 表示装置に設定されている複数の画調モードのうち、例えば映画モードやゲームモ ードなどの所定の画調モードがユーザにより選択されたときに、入力画像信号を迂回 経路側へ入力して、該入力画像信号を経路上の線形補間内挿処理部に入力し、線 形補間を施した画像信号を内挿するものである。すなわち、予め決められた所定の 画調モードが選択された場合には、動き補償による内挿処理を行うのではなぐ線形 内挿処理を行うことで、フレームレート変換するように切り替えるものである。
[0100] 図 14は、本発明の第 5の実施形態に係る液晶表示装置の要部構成例を示すプロ ック図で、液晶表示装置は、 FRC部 10、リモコン受光部 13、制御部 14、画質調整部 15、切替部 16、電極駆動部 18、液晶表示パネル 19、さらに、 FRC部 10を迂回させ るための経路 20と、経路 20上に線形補間内挿処理部 22とを備えて構成されている 。切替部 16は、 FRC部 10の前段に設けられ、制御部 14力もの指示に従って、入力 画像信号を FRC部 10に入力する力、経路 20に入力するかを切り替える。
[0101] 制御部 14は、ユーザにより選択された画調モードが"映画モード"または"ゲームモ ード"である場合、切替部 16を経路 20側に切り替えて、 FRC部 10を迂回させ、入力 画像信号を線形補間内挿処理部 22に入力する。線形補間内挿処理部 22は、フレ ーム間において線形補間処理を施した内挿フレームを挿入する。また、ユーザにより 選択された画調モードが"標準モード"または"ダイナミックモード"である場合、切替 部 16を FRC部 10側に切り替えて、入力画像信号に対して FRC処理 (動き補償フレ ーム内挿処理)を行う。尚、切替部 16を FRC部 10の後段に設けて、 FRC部 10の出 力信号と線形補間内挿処理部 22の出力信号とを切り替えて、液晶表示パネル 19へ 出力する構成としても良い。
[0102] 本実施形態では、液晶表示パネル 19の駆動周波数を変更させずに 120Hzのまま とする。すなわち、電極駆動部 18に入力される表示画像信号のフレームレート (フレ ーム数)は常に同一とされる。線形補間内挿処理部 22は、 "映画モード"または"ゲー ムモード"が選択された場合、入力画像信号のフレーム間に、線形補間処理を施した 画像信号を内挿することにより、該入力画像信号のフレーム数を変換する手段を構
成する。なお、線形補間処理とは、前述の文献(山内達郎、「テレビジョン方式変換」
、テレビジョン学会誌、 Vol. 45、 No. 12、 pp. 1534— 1543 (1991) )に記載されて いるように、前フレームの信号と現フレームの信号力 フレーム内挿比 αによる線形 補間により内挿フレームを得るものである。
[0103] 図 15は、本発明の第 5の実施形態に係る入力データと出力データの関係を示す図 である。図 15の(Α)は、経路 20への入力データを示し、図 15の(Β)は、経路 20から の出力データを示す。図 15の(Α)に示すように、 60Hzのフレーム周波数で入力画 像信号 (入力データ)が経路 20に入力された場合、 1フレーム当りの表示時間は約 1 6. 7msとなる。上記入力データは線形補間内挿処理部 22に入力され、図 15の(B) に示すように、フレーム間(ここではフレーム A、フレーム B間)において線形補間処 理が施された画像信号(図中、フレーム A + B)が内挿されて出力される。
[0104] 液晶表示パネル 19は、線形補間処理を施した画像信号が内挿された出力データ を駆動周波数 120Hzで表示する。なお、線形補間処理を施した画像信号の内挿に よりフレーム数が変換されるため、このときの 1フレーム当りの表示時間は約 8. 3msと なる。
[0105] このように、映画やゲーム (CG)などのように、複数枚の同一画像が連続する可能 性がある動画像が入力される場合には、入力画像信号に対して動き補償による内挿 処理を行わないようにすることにより、画像の不連続性による動きベクトルの検出エラ 一、動き補償のエラー等をなくし、動き補償型の FRC処理に起因する画質劣化を効 果的に防止することができる。さらに、この場合、線形補間処理を施した画像信号を 内挿して、フレームレート変換するため、液晶表示パネル 19の駆動周波数を変更す る必要がない。
[0106] 本発明の第 6の実施形態は、 FRC部 10を迂回させるための経路を設け、当該液晶 表示装置に設定されている複数の画調モードのうち、例えば映画モードやゲームモ ードなどの所定の画調モードがユーザにより選択されたときに、入力画像信号を迂回 経路側へ入力し、該入力画像信号を経路上の黒レベル信号挿入処理部に入力し、 黒レベル信号などの予め決められた単色画像信号を挿入するものである。すなわち
、予め決められた所定の画調モードが選択された場合には、動き補償による内挿処
理を行うのではなぐ単色画像挿入処理を行うことで、フレームレート変換するよう〖こ 切り替えるものである。
[0107] 図 16は、本発明の第 6の実施形態に係る液晶表示装置の要部構成例を示すプロ ック図で、液晶表示装置は、 FRC部 10、リモコン受光部 13、制御部 14、画質調整部 15、切替部 16、電極駆動部 18、液晶表示パネル 19、さらに、 FRC部 10を迂回させ るための経路 20と、経路 20上に黒レベル信号挿入処理部 23とを備えて構成されて いる。切替部 16は、 FRC部 10の前段に設けられ、制御部 14からの指示に従って、 入力画像信号を FRC部 10に入力する力、経路 20に入力するかを切り替える。
[0108] 制御部 14は、ユーザにより選択された画調モードが"映画モード"または"ゲームモ ード"である場合、切替部 16を経路 20側に切り替えて、 FRC部 10を迂回させ、入力 画像信号を黒レベル信号挿入処理部 23に入力する。黒レベル信号挿入処理部 23 は、例えば、メモリを用いて入力画像信号を時間軸圧縮 (フレームレート変換)し、入 カフレーム間に黒レベル信号などの予め決められた単色画像信号を挿入する。また 、ユーザにより選択された画調モードが"標準モード"または"ダイナミックモード"であ る場合、切替部 16を FRC部 10側に切り替えて、入力画像信号に対して FRC処理( 動き補償フレーム内挿処理)を行う。尚、切替部 16を FRC部 10の後段に設けて、 FR C部 10の出力信号と黒レベル信号挿入処理部 23の出力信号とを切り替えて、液晶 表示パネル 19へ出力する構成としても良い。
[0109] 本実施形態では、液晶表示パネル 19の駆動周波数を変更させずに 120Hzのまま とする。すなわち、電極駆動部 18に入力される表示画像信号のフレームレート (フレ ーム数)は常に同一とされる。黒レベル信号挿入処理部 23は、 "映画モード"または" ゲームモード"が選択された場合、入力画像信号のフレーム間に、黒レベル信号など の予め決められた単色画像信号を挿入することにより、該入力画像信号のフレーム 数を変換する手段を構成する。また、黒レベル信号挿入処理の別の実施形態として 、電極駆動部 18により、所定期間 (本例の場合、 1Z120秒)黒書き込み電圧を液晶 表示パネル 19に印加するように構成してもよい。
[0110] 図 17は、本発明の第 6の実施形態に係る入力データと出力データの関係を示す図 である。図 17の(A)は、経路 20への入力データを示し、図 17の(B)は、経路 20から
の出力データを示す。図 17の(A)に示すように、 60Hzのフレーム周波数で入力画 像信号 (入力データ)が経路 20に入力された場合、 1フレーム当りの表示時間は約 1 6. 7msとなる。上記入力データは黒レベル信号挿入処理部 23に入力され、図 17の (B)に示すように、フレーム間(ここではフレーム A、フレーム B間)において黒レベル 信号 (図中、黒に色付けされたフレーム)が挿入されて出力される。
[0111] このように、入力画像信号の各フレーム間に黒画像信号を挿入することで、動きぼ けによる画質劣化が改善され、さらに動き補償のエラーによる画質劣化も発生しない 力 この場合、画像表示期間の短縮による表示輝度の低下を補償するために、液晶 表示パネル 19の背面に設けられるバックライト(図示せず)の発光輝度を上げる必要 がある。
[0112] 液晶表示パネル 19は、黒レベル信号が挿入された出力データを駆動周波数 120 Hzで表示する。なお、黒レベル信号の挿入によりフレーム数が変換されるため、この ときの 1フレーム当りの表示時間は約 8. 3msとなる。
[0113] このように、映画やゲーム (CG)などのように、複数枚の同一画像が連続する可能 性がある動画像が入力される場合には、入力画像信号に対して動き補償による内挿 処理を行わないようにすることにより、画像の不連続性による動きベクトルの検出エラ 一、動き補償のエラー等をなくし、動き補償型の FRC処理に起因する画質劣化を効 果的に防止することができる。さらに、この場合、単色画像信号を挿入して、フレーム レート変換するため、液晶表示パネル 19の駆動周波数を変更する必要がない。そし てまた、この場合、動画質改善効果も維持することが可能となる。
[0114] 尚、上記実施形態の他にも、例えば映画モードやゲームモードなどの所定の画調 モードが選択された場合には、入力フレームの原画像を所定の輝度比で複数のフレ ーム画像に分割して、フレームレート変換することにより、動き補償型の FRC処理に 起因する画質劣化を防止しつつ、動画質改善効果を維持するようにしてもよい。
[0115] 本発明の第 7の実施形態は、当該液晶表示装置に設定されている複数の画調モ ードのうち、例えば映画モードやゲームモードなどの所定の画調モードがユーザによ り選択されたときに、内挿フレーム生成部における動き補償処理の補償強度を可変 するように構成される。具体的には、動き補償処理を施した画像信号と、線形補間処
理を施した画像信号とを所定の比率で加重加算することにより、内挿フレームを生成 する内挿フレーム生成部を備え、所定の画調モードが選択されているときに、加重加 算比率を可変する。
[0116] 図 18は、本発明の第 7の実施形態に係る FRC部 10の要部構成例を示すブロック 図で、 FRC部 10のフレーム生成部 12は、内挿用フレームメモリ 12a、内挿フレーム 生成部 12b、さらに、 FRC部 10における動き補償処理の補償強度を可変する補償 強度可変部 12e、を備えて構成される。図中、 Vは内挿ベクトル、 αはフレーム内挿 比、)8は補償強度 (加重加算比率)を示す。
[0117] 一般に、フレーム内挿処理の方法として、例えば、 2フレーム間の線形補間内挿に よるフレーム内挿と、動きベクトルを用いたフレーム内挿 (動き補償内挿)が知られて いる。前者は、前フレームの信号と現フレームの信号力もフレーム内挿比 αによる線 形補間により内挿フレームを得るものである。従って、この線形補間内挿を用いれば 、 FRC処理の動き補償のエラーによる画質劣化を防止できる。
[0118] 一方、後者は、前フレームと現フレームから内挿フレームを得るために、前フレーム の画像と現フレームの画像間の動きベクトルから内挿ベクトル Vを検出し、その値(内 揷ベクトル V)をフレーム内挿比 aで分割した a Vの大きさだけ前フレームの画像を ずらした信号と、現フレームの画像を(1 ひ) Vだけずらした信号との加重加算により 内挿フレームを得る。この動き補償内挿を用いれば、動画像そのものをとらえて補償 するため、解像度の劣化がなぐ良好な画質を得ることができるが、この処理に起因し てプルダウン映像の画質が劣化してしまうことがある。
[0119] そこで、本実施形態では、フレーム生成部 12に補償強度可変部 12eを設けている 。この補償強度可変部 12eは、ユーザにより選択された画調モードが"映画モード"ま たは"ゲームモード"である場合、加重加算比率 j8を可変する。この加重加算比率 j8 は、動き補償処理を施した画像信号と、線形補間処理を施した画像信号とを加重カロ 算する際の比率である。本実施形態の内挿フレーム生成部 12bは、この加重加算比 率 ι8に従って、線形補間内挿と動き補償内挿を加重加算して内挿フレームを生成す る。
[0120] 例えば、補償強度可変部 12eは、ユーザにより選択された画調モードが"映画モー
ド"または"ゲームモード"である場合、加重加算比率 |8 =0とし、線形補間処理を施 した画像信号を内挿フレームにして動き補償のエラーによる画質劣化を防止する。 一方、ユーザにより選択された画調モードが"標準モード"または"ダイナミックモード" である場合、加重加算比率 = 1とし、動き補償処理を施した画像信号を内挿フレー ムにして動画像の画質をより良好にする。
[0121] また、加重加算比率 /3は任意に可変設定できるため、 0〜1の略中間の値に設定 するようにしてもよい。これにより、内挿フレーム画像において動き補償も行いつつ、 動き補償のエラーによる画質の劣化を抑制するように制御することができ、動きぼけ による画質劣化と、動き補償のエラーによる画質劣化との双方を適切に改善すること が可能となる。
[0122] このようにして、映画やゲーム (CG)などのように、複数枚の同一画像が連続する可 能性がある動画像が入力された場合には、 FRCにおける動き補償処理の補償強度 を可変できる(弱くすることができる)ため、画像の不連続性による動きベクトルの検出 エラー、動き補償のエラー等の影響を低減し、動き補償型の FRC処理に起因する画 質劣化を効果的に抑制することができる。
[0123] 図 19は、本発明の画像表示装置による画像表示方法の一例を説明するためのフ ロー図である。ここでは、前述の第 1の実施形態における画像表示方法の例につい て説明する。まず、画像表示装置は、受光したリモコン信号に基づいて、ユーザによ り選択された画調モードが"映画モード"であるかどうかを判定し (ステップ S1)、 "映 画モード"であると判定された場合 (YESの場合)、動きベクトルあるいは内挿ベクトル を 0ベクトルにすることにより、 FRC部 10の動き補償処理を無効化する (ステップ S2) 。また、ステップ S1において、ユーザにより選択された画調モードが"映画モード"で はないと判定された場合 (NOの場合)、ユーザにより選択された画調モードが"ゲー ムモード"であるかどうかを判定する (ステップ S3)。
[0124] ステップ S3において、 "ゲームモード"であると判定された場合 (YESの場合)、動き ベクトルあるいは内挿ベクトルを 0ベクトルにすることにより、 FRC部 10の動き補償処 理を無効化し (ステップ S 2)、 "ゲームモード"ではな 、と判定された場合 (NOの場合 ;)、 FRC部 10の動き補償処理を通常通りに実行する (ステップ S4)。このようにしてフ
レーム周波数が変換された画像信号を、液晶表示パネル 19から表示出力する (ステ ップ S5)。
[0125] 図 20は、本発明の画像表示装置による画像表示方法の他の例を説明するための フロー図である。ここでは、前述の第 2乃至第 6の実施形態における画像表示方法の 例について説明する。まず、画像表示装置は、受光したリモコン信号に基づいて、ュ 一ザにより選択された画調モードが"映画モード"であるかどうかを判定し (ステップ S 11)、 "映画モード"と判定された場合 (YESの場合)、 FRC部 10の動き補償フレーム 内挿処理を迂回させて、入力画像信号を別の経路 20に入力する (ステップ S12)。
[0126] ここで、迂回させた経路 20にお 、て、線形補間処理を施した画像信号のフレーム 間内挿、同一フレームの画像信号のフレーム間挿入、黒レベル信号などの予め決め られた単色画像信号のフレーム間挿入のいずれかの処理を施してフレームレート変 換を行った画像信号を出力するか、或いは、そのまま入力画像信号を出力して、液 晶表示パネル 19の駆動周波数を変更するなどの処理を行う。
[0127] また、ステップ S 11において、ユーザにより選択された画調モードが"映画モード"で はないと判定された場合 (NOの場合)、ユーザにより選択された画調モードが"ゲー ムモード"であるかどうかを判定する(ステップ S 13)。ステップ S13において、 "ゲーム モード"であると判定された場合 (YESの場合)、 FRC部 10の動き補償フレーム内挿 処理を迂回させて、入力画像信号を別の経路 20に入力し (ステップ S12)、線形補間 処理を施した画像信号のフレーム間内挿、同一フレームの画像信号のフレーム間揷 入、黒レベル信号などの予め決められた単色画像信号のフレーム間挿入の 、ずれ かの処理を施してフレームレート変換を行った画像信号を出力するか、或いは、その まま入力画像信号を出力して、液晶表示パネル 19の駆動周波数を変更するなどの 処理を行う。また、ステップ S 13において、 "ゲームモード"ではないと判定された場合 (NOの場合)、 FRC部 10にて動き補償による内挿処理を施した画像信号を出力す る (ステップ S14)。最後に、画像を液晶表示パネル 19から表示出力する (ステップ S 15)。
[0128] 図 21は、本発明の画像表示装置による画像表示方法の他の例を説明するための フロー図である。ここでは、前述の第 7の実施形態における画像表示方法の例につ
いて説明する。まず、画像表示装置は、受光したリモコン信号に基づいて、ユーザに より選択された画調モードが"映画モード"であるかどうかを判定し (ステップ S21)、 " 映画モード"と判定された場合 (YESの場合)、 FRC部 10における動き補償処理の 補償強度を可変(弱く)する (ステップ S22)。また、ステップ S21において、ユーザに より選択された画調モードが"映画モード"ではないと判定された場合 (NOの場合)、 ユーザにより選択された画調モードが"ゲームモード"であるかどうかを判定する (ステ ップ S23)。
[0129] ステップ S23において、 "ゲームモード"であると判定された場合 (YESの場合)、 F RC部 10における動き補償処理の補償強度を可変 (弱く)する (ステップ S22)。また、 ステップ S23において、 "ゲームモード"ではないと判定された場合 (NOの場合)、 F RC部 10における動き補償処理の補償強度を通常通り強くする (ステップ S24)。この ようにしてフレーム周波数が変換された画像信号を、液晶表示パネル 19から表示出 力する (ステップ S25)。
[0130] 以上説明したように、本発明によれば、映画モードやゲームモードなどの画調モー ドが選択されたときには、複数枚の同一画像が連続する場合のある動画像信号が入 力される可能性が高いため、フレームレート変換 (FRC)部における動き補償処理を 無効化して表示出力することによって、動き補償のエラーによる画質劣化を効果的に 防止することができる。尚、入力画像信号としては、テレビジョン放送信号に限らず、 外部メディア力も再生された画像信号などであってもよ 、ことは言うまでもな!/、。
[0131] また、上記実施形態においては、当該画像表示装置に 4つの画調モードが設定さ れており、そのうちの"映画モード"、 "ゲームモード"がユーザにより選択された場合、 フレームレート変換 (FRC)部における動き補償処理を制御するものについて説明し たが、当該画像表示装置に設定されている画調モードは上記以外のものであっても よぐ例えば、 PC (パーソナルコンピュータ)映像に適した PCモードやアニメ映像に 適したアニメモードなどが設けられて 、る場合、この PCモードまたはアニメモードが 選択されたときには、フレームレート変換 (FRC)部における動き補償処理を制御する ようにすればよい。
[0132] なお、以上の説明においては、本発明の画像表示装置及び方法に関する実施形
態の一例について説明した力 これらの説明から、本画像表示方法をコンピュータに よりプログラムとして実行する画像表示プログラム、及び、該画像表示プログラムをコ ンピュータにより読み取り可能な記録媒体に記録したプログラム記録媒体についても 容易に理解することができるであろう。