明 細 書 スプレー用組成物 技術分野
本発明は、 セルロースを含有するスプレー用組成物に関す る。 更に詳細には、 本発明は平均重合度 ( D P ) が 3 0 0 以 下で、 平均粒子径が .1 O i m以下であるセルロース微粒子と 液状分散媒体と を含有する組成物であって、 該組成物中のセ ルロース濃度が 0 . :! 〜 5 . O w t %であ り 、 かつ、 該組成 物のコーン · プレー ト型回転粘度計を用いて測定する少なく と ち 1 X 1 0 1 X を含むずり速度領域 で 2 5 °Cで測定した粘度一ずり応力曲線における粘度の最大 値 ( m a x ) が、 ?? m a x≥ l X l 0 3 m P a ' s である こ と を特徴とするスプレー用組成物、 及び該組成物をスプレー噴 霧装置に充填してなる充填スプレー剤に関する。 本発明のス プレー用組成物は、 噴霧性が良好で、 噴霧後の定着性、 液だ れ防止性、 塗布時ののび、 塗布後の仕上り (噴霧む ら の少な さ) に優れている。
'従来技術
近年スプレー製品は、 スキンケア製品、 ヘアケア製品、 外 用医薬品、 経口用医薬品、 防虫剤、 芳香剤、 消臭剤、 抗菌剤
滅菌剤、 消口臭剤、 洗浄.剤、 塗料、 防曇用コ一ティ ング剤、 帯電防止用コーティ ング剤、 防腐剤など、 広範な分野に適用 されてお り 、 多く の場合にスプレー装置に充填されるのは液 状の組成物である。
スプレー製品として望まれる特性には ( 1 ) 汎用のスプレ —容器を使用でき、 かつ広範な環境下で良好な噴霧を実現で きる こと、 ( 2 ) 吹き付けられた表面に組成物の液滴が良好 に定着し噴霧むらが生じないこと、 ( 3 ) 組成物の液滴の垂 直面や傾斜面での液だれが発生しにく いこと、 ( 4 ) 定着し た組成物の液滴の乾燥体が安定な塗膜を形成し、 かつその塗 膜が皮膚刺激性等の面において、 安全性が高いものである こ と等があげられる。
これらの課題を解決するために種々 の技術が提案されてい る。
例えば、 日本国特開 2 0 0 1 — 8 9 3 5 9では、 上記 ( 1 ) 〜 ( 3 ) の課題を解決するために、 組成物中に高分子 増粘剤を溶解させて組成物の粘度を上げる こ とが提案されて いる。 しかし、 通常の高分子溶液では、 液だれを防止するた めに組成物の粘度を高め過ぎるとスプレー噴霧が不可能とな るため、 ノ ズルへの吸い上げが可能であ り噴霧が可能である ためにはある程度組成物の粘度を低減しておく必要があるが そうすると今度は液だれ防止性が低く なる。 すなわち、 両者 のバラ ンスをとることが極めて困難である点、 さ らには噴霧
できる条件を探しても、 噴霧時に高分子溶液特有の曳糸性に よ り液滴が理想的にばらばら (ミス ト状) にならず、 ミス ト の状態が增粘剤を加えないケースと比べて大幅に劣り、 噴霧 むらの原因になることが問題であった。
また、 組成物中に界面活性剤を配合し、 水相で形成される ミセル間の相互作用を利用して増粘させる ことや噴霧後の組 成物の液滴の表面張力をコ ン ト ロールする ことによ り 、 上記
( 2 ) や ( 3 ) を改善する試みが数多く なされている (例え ば、 日本国特開 2 0 0 1 — 7 2 9 9 9や日本国特開 2 0 0 0 - 3 5 1 7 2 6 ) 。 しかし、 その組成物は流動性を有するた め、 逆さまにした状態で噴霧ができないなど上記 ( 1 ) の課 題は抜本的には解決できない、 さ らには、 実際には本技術に よつて液だれ防止性をほぼ完全に防止するまでの十分な増粘 を達成する ことは困難である、 増粘性を高めるために界面活 性剤の量を増大させると皮膚刺激性を生じ易く なり、 上記
( 4 ) の安全性の点で不都合を生じる等の問題があった。
( 1 ) や ( 3 ) の課題を解決するために、 容器構造面での 改善も提案されている (例えば、 日本国特開 2 0 0 0 — 2 2 9 2 5 5 ) が、 この場合も、 ミス トを被覆表面上に薄く 定着 させる場合は良いが、 多量の吹き付けを行う場合、 すなわち 厚塗り をする必要がある場合にはやはり液だれが発生してし まう し、 容器の構造が複雑なものとなり、 汎用性が失われ、 かつコス トの点でも著しく不利になるため、 汎用技術での液
だれ防止という点で本質的な解決になっていなかった。
上記した ( 1 ) 〜 ( 4 ) の課題を比較的パランスよく解決 す-るために日本国特開平 9 — 2 4 1 1 1 5や日本国特開 2 0 0 0 - 5 1 6 8 2 には親水性スメクタイ トからなるへク トラ ィ トを主成分としたゲル状組成物を用いたスプレー剤を開示 している。 しかしながら開示された技術は安全面で使用実績 に乏しい無機物を主成分としたものである こ とや、 アルコ一 ルのようなスプレー用組成物の主要な分散媒中でヘク トライ トが凝集を起こ し、 これが噴霧特性を低限させてしまう、 さ らには、 ヘク トライ トの分散媒体中にヘク ト ライ トに含まれ る多量の塩が溶出するため、 塩に敏感な他の成分の凝集を促 進し易く 、 これが組成上の制約となる、 という ような問題点 があった。
本発明者らは、 第 1 3 回高分子ゲル研究討論会 (主催 : 日 本国、 高分子学会, 2 0 0 2年 1 月 1 7 〜 1 8 日, 講演予稿 集 4 9〜 5 0 ) にて、 本発明のセルロースの水分散体が 流動性のないゲルの性状を有しながら一般に使用されるスプ レー用容器から良好に噴霧できる ことを発表している。 しか しながら、 実際に広範な産業上の利用分野に該発見を利用す るためには、 さ らにアルコール類や種々 の添加物が含まれる 複合系でセルロースを含むゲルが安定であって、 かつ同じよ うなスプレー性能を発揮できる条件を見出す必要があった。
発明の概要
このような状況下、 本発明者らは上記課題を達成する技術 を鋭意検討した結果、 意外にも、 一定の粒子径よ り も小さな セルロースを水等の分散体に分散させて得られるセルロース 分散体が、 この目的のために好適な組成物を与え得る ことを 見出した。 さ らに本発明者らは、 W O 9 9 — 2 8 3 5 0 ( E P 1 0 3 6 7 9 9 A 1 に対応) において開示されている セルロース分散体が良好な噴霧性、 フォーム形成能とその保 持性、 低い応力で素早く低粘度化するという高いチキソ ト ロ ピー性、 広範な化合物への分散安定化能を有する ことを知見 した。 そして、 更に、 該セルロース分散体を原料として得ら れる特定の粘度領域の組成物をスプレ 用組成物とする こと によって、 上述した ( 1 ) 〜 ( 4 ) の課題即ち要件のすべて を同時に満足すると共に、 透明性の高い組成物や噴霧、 乾燥 後に透明な塗膜を提供し得るものである こ とを見出した。 さ らに、 種々 の液状分散媒体や機能性添加剤を添加、 混合した 組成物においても、 組成物として安定であ り 、 かつ良好なス プレー特性を発現する条件を見出し、 本発明を完成するに至 つた。
従って、 本発明の目的は、 上記 ( 1〉 〜 ( 4 ) の課題、 即 ち、 ( 1 ) 汎用のスプレー容器を用いて広範な環境下で良好 な噴霧を実現できる こ と、 ( 2 ) 吹き付けられた表面に組成 物の液滴が良好に定着し噴霧むらが生じないこ と、 ( 3 ) 組
成物の液滴の垂直面や傾斜面での液だれが発生しにく いこ と .
( 4 ) 定着した組成物の液滴の乾燥体が皮膚等の表面を長期 間に渡って損傷せず、 安全性が高いものである ことを同時に 満足するスプレー用組成物を提供することである。
又、 本発明のもう 1つの目的は、 理想的なスプレー製品と して広範な分野に用いる ことができるスプレー剤を提供する ことである。
本発明の上記及び他の諸目的、 諸特徴ならびに諸利益は、 以下の詳細な説明及び請求の範囲から明らかになる。 図面の簡単な説明
図 1 は、 本発明のセルロース (試料 Aの乾燥体) の広角 X 線パターンと h Q , h 1 , h 。 *, h i *の求め方の説明図で ある。
図 2は、 本発明の 1. 5 w t %のセルロース /水分散体 (試料 S 3 ) に対して、 コーン · プレー ト型回転粘度計を用 いて 2 5 °Cで測定した粘度一ずり速度曲線を示したグラフで ある。
図 3は、 本発明の 1. 5 w t %のセルロース /水分散体 (試料 S 3 ) に対して、 コーン · プレー ト型回転粘度計を用 いて 2 5 °Cで測定した粘度—ずり応力曲線と 7 m a xの求め 方の説明図である。
発明の詳細な説明
本発明によれば、
平均重合度 (D P ) が 3 0 0以下で、 平均粒子径が 1 0 m以下であるセル口一ス微粒子と、 液状分散媒体とを含有す る組成物であって、 該組成物中のセルロース濃度が 0 . 1 〜 5 . 0 w t %であ り、 かつ、 該組成物のコーン ' プレー ト型 回転粘度計を用いて測定する少なく とも 1 X I 0 - 3 s ― 1〜 1 X I 0 2 s — 1を含むずり速度領域で 2 5 °Cで測定した粘度 一ずり応力曲線における粘度の最大値 ( 77 m a x ) が、 ?7 m a x≥ 1 X 1 0 3 m P a · s である ことを特徴とするスプレー 用組成物が提供される。 次に、 本発明の理解を容易にするために、 まず本発明の基 本的特徴及び好ましい諸態様を列挙する。
1 . 平均重合度 ( D P ) が 3 0 0以下で、 平均粒子径が 1 0 m以下であるセルロース微粒子と、 液状分散媒体とを含有 する組成物であって、 該組成物中のセルロース濃度が 0 . 1 〜 5 . 0 w t %であ り、 かつ、 該組成物のコーン ' プレー ト 型回転粘度計を用いて測定する少なく とも 1 X 1.0 — 3 s 一1 〜 1 X 1 0 2 s — 1を含むずり速度領域で 2 5 で測定した粘 度—ずり応力曲線における粘度の最大値 ( ?7 m a x ) が、 7? m . ≥ 1 X 1 0 3 m P a · s である こ とを特徴とするスプレー
用組成物。
2 . セルロース微粒子の平均重合度 (D P ) が 1 0 0以下で, セルロース I 型結晶成分の分率が 0 . 1 以下、 セルロース I
I 型結晶成分の分率が 0 . 4以下で、 かつ、 平均粒子径が 2 m以下である こ とを特徴とする前項 1 に記載の組成物。
3 . セルロース微粒子の平均粒子径が 1 ii m以下である こ と を特徴とする前項 1 又は 2 に記載の組成物。
4. 粘度の最大値 ( 7^ m a x ) が、 7? m a x≥ 5 X 1 0 5 m P a · s である こ とを特徴とする前項 1 〜 3 のいずれかに記載 の組成物。
5 . 液状分散媒体が水と有機溶媒か ら成る こ とを特徴とする 前項 1 〜 4 のいずれかに記載の組成物。
6 . 有機溶媒が水溶性アルコ一ルである こ とを特徴とする前 項 5 に記載の組成物。 '
7 . 該組成物中に少な く と も一種の機能性添加剤を含有する こ とを特徴とする前項 1 〜 6 のいずれかに記載の組成物。
8 . 該機能性添加剤の少なく と も一部がイ オン性化合物であ つ て、 該イ オン性化合物の該組成物中の含有量が 0 . 1 〜 1 0 w t %である こ とを特徴とする前項 7 に記載の組成物。
9 . 機能性添加剤がオイル系化合物、 保湿剤、 界面活性剤、 金属酸化物、 紫外線遮蔽剤、 無機塩、 金属粉、 ガム類、 染料 顔料、 シリ カ系化合物、 ラテッ クス、 水溶性高分子、 ァミ ノ 酸、 化粧料用有効成分、 医薬品、 防虫剤、 脱臭剤、 抗菌剤、
防腐剤および香料からなる群から選ばれる ことを特徴とする 前項 7又は 8 に記載の組成物。
1 0. 該組成物のセルロース濃度を 0. 0 5 w t %となるよ う に水で希釈したときの該組成物の波長 6 6 0 n mの可視光 に対する透過率が 8 0 %以上である ことを特徴とする前項 1 〜 9のいずれかに記載の組成物。
1 1. 前項 1〜 1 0のいずれかに記載の組成物をスプレー噴 霧装置に充填してなる充填スプレー剤。 以下に本発明を詳細に説明する。
本発明は、 基本的には、 セルロースを媒体に分散させてな るものであって、 目的に応じて選ばれる液状分散媒体 (但し セルロースを溶解させるものであってはならない) に、 粘度 調節剤としてセルロースを分散し、 目的に応じてはさ らに添 加物を混入して得られるスプレー用組成物、 及びその組成物 をスプレー噴霧装置に充填してなる充填スプレー剤に関する 先ず本発明に用いるセルロースについて説明するが、 本発 明に用いるセルロースの平均重合度、 平均粒子径、 セル口一 ス I 型結晶成分の分率、 及びセルロース I I型結晶成分の分 率については以下に詳述する。
本発明は、 平均重合度 (D P ) が 3 0 0以下であ り 、 平均 粒子径が 1 0 m以下のセルロース微粒子を組成物中に 0. 1〜 5. 0 w t %の範囲で含有する ことを特徴とする。 なお
本発明において、 「平均重合度」 とは、 重量平均重合度を意 味し、 「平均粒子径」 とは、 体積平均粒子径を意味する。
セルロースの平均重合度 (D P ) は 1 0以上 3 0 0以下、 好ましく は 1 0以上 1 0 0以下、 さ らに好ましく は 2 0以上 5 0 以下である。 3 0 0 よ り も大きな D Pでは、 分散媒体に 微細かつ高度に分散したセルロース分散体を得る ことが難し く 、 本発明の組成物における増粘性, 分散安定性に乏しい。 また 1 0以下の D Pでは大部分のセルロースは水溶性となり . 本発明の組成物の粘性の原動力となる微粒子を形成しないた め、 セルロースの粘度調節剤としての効果が得られ難い。
セルロースの平均粒子径は、 1 0 m以下、 好ましく は 2 m以下、 更に好ましく は 1 i m以下である。 平均粒子径の 下限は、 本発明が規定する測定法の検出下限値に近い 0 . 0 である。 l O mを超えると、 本発明の組成物の特徴 である高粘度が発現され難くチキソ トロ ピー性も低く なる。
具体的に上記の条件を満たすセルロースと して、 天然セル ロースまたは再生セルロースを酸加水分解処理して得られる セルロース微粒子を挙げる ことができる。 市販されている結 晶セルロース (Microcrystall ine Cellulose) やその物理的 粉砕品、 あるいは後述する方法によって得られる低結晶性セ ルロースの微粒子を使用すると好適に本発明の組成物を提供 する ことができるが、 本発明の条件を満たすセルロースであ れば必ずしもこれらに限定されるものではない。
以下に本発明に用いるセルロ ース の平均重合度 ( D P ) お よび平均粒子径の測定方法を記載する。
D Pは、 原料どして用いるセルロ ースを水などの液状分散 媒体に分散した分散体を乾燥して得られた乾燥セルロ ース試 料をカ ドキセン ( cadoxene : 力 ドミ ゥム系錯体溶液の名称で あ り 、 組成は、 C d O /H 2 N C H 2 C H 2 N H 2 / N a O H /H 20 = 5 / 2 8 / 1 . 4 / 1 6 5 . 6 (重量比) であ る) に溶解した、 希薄セルロ ース溶液の比粘度をウベローデ 型粘度計で測定し ( 2 5 °C ) 、 その極限粘度数 [ 7 ]から下記 粘度式 ( 1 ) および換算式 ( 2 ) によ り 算出する重量平均重 合度である (引用文献 ; W. Brown and R. Wikstroem, Eur. Polym. J. , 1, 1-12 ( 1965) ) 。
[ n ] = 3 . 8 5 X 1 0 - 2 XM w。 · 7 6 ( 1 )
D P = MW/ 1 6 2 ( 2 ) セルロ ース の平均粒子径は、 セルロ ースを液状分散媒体
(水が望ま しい) に分散した分散体をレーザ回折式粒度分布 測定装置 (日本国、 (株) 堀場製作所製、 レーザ回折/散乱 式粒度分布測定装置 L A— 9 2 0 ; 下限検出値は 0 . ◦ 2 μ m) で室温で測定した。 測定では分散体中のセルロ ース粒子 間の会合を可能な限り切断した状態で粒子径を測定するため に、 以下に示す手順で試料を調製した。 セルロ ース濃度が約 0 . 5 w t %になる よ う に分散体を水で希釈した後、 回転速 度 1 5 0 0 0 r p m以上の能力を持つプ レ ンダ一で 1 0分間 訂正された S紙. (規則 91)
分散処理を行い平均粒子径測定用の試料を作る。 次いでこの 試料を粒度分布測定装置のフローセルに供給し、 超音波処理 を適宜行っ た後、 粒径分布 (M i e散乱式に基づく体積換算 分布) を測定した。 これによ り算出される体積平均粒子径を 平均粒子径と した。
次にセルロースの固体微粒子中に含まれるセル口一ス I 型 結晶成分の分率 ( χ z ) が 0 . 1 以下、 好ま し く は 0 であ り . セルロース 11 型結晶成分の分率 ( χ τ ! ) が 0 . 4以下、 好 ま し く は 0 . 3 以下の低結晶性である と組成によっては透明 性の高い組成物を得る こ とができるので好ま しい。 該結晶成 分分率を もつセルロースでは特に 2 i m以下、 好ま し く は 1 m以下の平均粒子径であれば、 よ り透明性も高 く 、 低いセ ルロース濃度での増粘効果が発現されるので効果的である。 以下にセルロース I 及びセルロース II 型結晶成分の分率
( χ :および χ ! ! ) の測定方法について記載する。
セルロース I 型結晶成分の分率 ( χ ι ) は、 原料と して用 いるセルロース を液状分散媒体に分散した分散体を乾燥して 得られた乾燥セルロース試料を粉状に粉砕し錠剤に成形し、 線源 C u Κ , 反射法での広角 X線回折法 (日本国、 理学電 機 (株) 社製ロータ フ レッ クス R U— 3 0 0 を使用) によ り 得られた回折図 (図 1 ) において、 セルロース I 型結晶の
( 1 1 0 ) 面ピーク に帰属される 2 0 = 1 5 . 0 ° における 絶対ピーク強度 h 。 と、 この面間隔におけるベ一ス ライ ンか
らの ピ—ク強度 h lか ら、 下記 ( 3 ) 式によって求めた。 同様に、 セルロース 11型結晶成分の分率 ( χ ! 〗) は、 得 られた回折図 (図 1 ) において、 セルロース 11 型結晶の ( 1 1 0 ) 面ピーク に帰属される 2 0 = 1 2 . 6 ° における 絶対ピーク強度 h 。 * と この面間隔におけるベース ライ ンか らの ピーク強度 h i * か ら、 下記 ( 4 ) 式によっ て求めた。
X ! = ! / h 0 ( 3 ) X H = h ュ * / h 。 * ( 4 ) 尚、 図 1 に、 および を求める模式図を示す。
次に本発明で用いるセルロースを分散させる液状分散媒体 について説明する。 .
本発明で用いる液状分散媒は、 通常水であるが、 水の他に アルコ一ル類な どの水溶性有機溶媒であってもかまわない。 また、 水溶性有機溶媒のみを用いる場合もある。 また更に、 目的によっては疎水性の有機溶媒を使用する こ と も可能であ る。 これら は混合媒体と して使用 してもよい。 本発明では、 液状分散媒体とは、 常温、 常圧で液体状態の化合物であ り 、 かつスプレー用組成物において、 系の分散性あるいは溶解性 の改善が主目的で添加されるものであ り 、 該組成物の機能性 に積極的に関与しないものを意味する。
水溶性有機溶媒を分散媒体と して使用する場合には、 組成 物に対し 1 重量%以上 9 0重量%以下、 好ま し く は 3重量% 以上 6 0 重量%以下、 さ ら に好ま し く は 5重量%以上 5 0 重
量%以下の範囲で使用する。 1 重量%よ り 少ない添加量では 実質的に分散媒体の性'質を水などか ら変える効果が小さ く 、 また 9 0 重量% を超える配合も実際にはセルロース近傍に存 在する束縛水を置換する こ とは技術的に難しいので適当では ない。
水溶性有機溶媒と しては、 メ タ ノ ール、 エタ ノ ール、 n— プロ ピルアルコール、 i s o —プロ ピルアルコール、 n —ブ チルアルコール、 s e c 一ブチルアルコール、 t e r t — ブ チルアルコール等の炭素数 1 一 4 のアルキルアルコール類、 ジメチルホルムアミ ド、 ジメチルァセ トアミ ド、 アセ ト ン、 ジアセ ト ンアルコール等のケ ト ンまたはケ トアルコール類、 テ ト ラ ヒ ド ロ フ ラ ン、 ジォキサン等のエーテル類、 エチレン グリ コール、 プロ ピ レングリ コール、 ブチレングリ コール、 ト リ エチ レングリ コール、 1 , 2 , 6 —へキサン ト リ オ一ル チォジグ リ コール、 へキシ レングリ コ一ル、 ジエチレングリ コール等のアルキレン基が 2 — 6 個の炭素原子を含むアルギ レンダリ コール類、 エチ レングリ コールモ ノ メチルエーテ ル、 エチレンダリ コールモノ ェチルエーテル等のセロ ソルブ 類、 ジエチレングリ コールモノ メチルエーテル、 ジエチレン ダリ コールモノ ェチルエーテル、 エチレンダリ コールモノ 一 n — プチルエーテル、 ジエチレングリ コール- n -ブチルエー テル、 卜 リ エチレングリ コール一 n —ブチルエーテル等の力 ルビ トール類、 1 , 2 —へキサンジォ-ル、 1 , 2 —ォク タ
ンジオール等の 1 , 2 —アルキルジオール類、 さ らには、 ポ リ エチ レングリ コーノレ 、 ポリ プロ ピレング リ コーノレ 、 グリ セ リ ンおよびその誘導体、 N —メ チルー 2 — ピロ リ ドン、 2 — ピロ リ ドン、 1 , 3 —ジメチルー 2 —イ ミ ダゾ リ ジノ ン等を 挙げる こ とができるが、 これらに限定される ものではない。 こ こでい う水溶性有機溶媒は、 水に対して少量であっても溶 解性を示す有機溶媒であって、 その有機溶媒を水への溶解度 以下の濃度 (組成) で使用する場合には、 水溶性有機溶媒で ある と解釈する。
さ らに、 水と水溶性有機溶媒の混合溶液あるいは水と疎水 性有機溶媒から成るェマルジョ ンを液状分散媒体と して使用 する と、 広範囲の機能性添加剤を溶解または分散させるこ と ができ、 加えて塗布時の分散媒体の乾燥速度も水のみの場合 と比べてコ ン ト ロールし易く な り 、 よ り好適な組成物を提供 するこ とができ る。
液状分散媒体と して水と水溶性有機溶媒の混合物を使用す る場合には、 水溶性有機溶媒/水の重量比と して、 0 . 0 1 以上 9 以下、 好ま しく は 0 . 0 3以上 2以下の範囲で選択す る。 該重量比が 0 . 0 1 未満である と実質的に分散媒体の性 質を水などから変える効果が小さ く 、 また該重量比が 9 を超 える組成も実際にはセルロース近傍に存在する束縛水を置換 するこ と が技術的に難しいために適当ではない。
さ ら に、 液状分散媒体と して水 と 疎水性有機溶媒から成 訂正された用紙 (規則 91)
るェマルジ ヨ ンを使用する場合には、 疎水性有機溶媒 z水の 重量比と して、 0 . 0 1 以上 2以下、 好ま しく は 0 . 0 3 以 上 1 以下の範囲で選択する。 該重量比が 0 . 0 1未満である と実質的に分散媒体の性質を水などから変える効果が小さ く また該重量比が 2 を超える組成も安定なェマルジョ ンを得る ために多く の界面活性剤の使用が必要と な り組成上の制約が 大き く なるために適当ではない。
また、 特に有機溶媒の中でも上述した水溶性有機溶媒の う ちエタ ノーノレやエチレングリ コールなどの水溶性ァノレコーノレ を選択、 すなわち、 水溶性アルコールの水溶液を液状分散媒 体と して使用する と、 配合成分の比較的広い組成範囲で透明 性の高い組成物を得るこ とができ、 本発明の好適な組成物を 提供でき る。 こ こでいう水溶性アルコールとは、 水に対して 少量であっても溶解性を示すアルコールであって、 そのアル コールを水への溶解度以下の濃度 (組成) で使用する場合に は、 水溶性アルコールである と解釈する。
疎水性の有機溶媒と しては n —ペンタ ン、 n >キサン、 n —ヘプタ ンや 1 —プテン, 1 一ペンテンのよ う な脂肪族炭 化水素類やその誘導体、 ベンゼンやその誘導体、 トルエンや その誘導体、 キシレン、 デカ リ ン等の芳香族炭化水素類、 酢 酸ェチル、 乳酸プロ ピル、 酪酸プロ ピル等のエステル類、 さ らにはメ チルプチルエーテル等のエーテル類等があげられる がこれらに琅定される ものではない。 水に不溶な疎水性の有 訂正された用紙 (規則 91)
機溶媒を使用する際には、 スプ レー剤の 目的に応じて適当な 乳化処理によって乳化分散させても よいが、 水溶性アルコ ー ルの よ う な双方に可溶な溶媒を選択してさ らに混合する こ と によ り 3成分以上の均一な混合溶媒と して使用 してもよい。 本発明の組成物は上記したセルロ ース と液状分散媒体と を 含有する ものであるが、 以下にその組成比について説明する, 本発明の増粘した組成物を得るためにどの程度のセルロ ー ス濃度が必要かは、 当然配合されるセルロ ース の性質 (D P 平均粒子径, 結晶成分分率) に依存するが、 一般的に言えば 組成物中のセルロ ース濃度は、 0 . :! 〜 5 . 0 w t % N 好ま しく は 0 . 3 〜 4 . 0 w t % , さ らに好ま しく は 0 . 5 〜 2 5 w t %の範囲であるこ とが望まれる。 セルロ ース濃度が 0 1 w t %よ り も低く なる と、 本発明の目的とする嘖霧液滴の 液だれ防止性が期待できなく なる。 またセルロ ース濃度が 5 0 w t %を越える と粘度が極めて高く なるため、 スプレー容 器内の組成物中に空気が入りやすく な り 、 安定した噴霧を実 現し難く なるため適当でない。
また、 本発明の組成物は、 コ ー ン · プ レー ト型回転粘度訐 を用いて測定する、 2 5 °Cでの、 少なく と も 1 X 1 0 — 3 s 一 1 一 1 X 1 0 2 s — 1 を含むずり速度領域にて得られる粘度一 ず り応力曲線における粘度の最大値 ( η m a x ) が、 77 m a x ≥ l X 1 0 3 m P a · s であるこ とが必要である。 図 2およ び図 3 に具体的な測定例と して本発明に用いるセルロ ースを 訂正された用紙 (規則 91)
1 . 5 w t %含有したセルロ ース /水分散体 (試料 S 3 ) の 2 5 °Cにおける粘度 ( ) —ずり速度 ( Υ ',ガンマー ドッ ト) 曲線および粘度 ( 77 ) —ずり応力 ( τ ) 曲線をそれぞれ 示した。
コーン · プ レー ト型回転粘度計は、 独国、 H a a k e社製 の R S — 1 0 0 を使用 し、 コーン角 : 4 ° 、 プ レー ト径 : 3 5 mmのコーン · プレー トを使用 して行った。 図 3 において τ がおよそ 2 P a 以下では η は て に依存せずほぼ一定値をと る、 いわゆるニ ュー ト ン粘性を示すが、 て が 2 P a を超える と急激に低粘度化し、 例えば τ = 2 0 P a では粘度は 5 0 m P a · s と極めて低い値を示すよ う になる。 これは本発明の 組成物のもつ高いチキソ ト ロ ピー性による ものだが、 これと 同時に、 他の材料の同曲線と比較し、 η が急激に下が り始め る臨界ずり応力 (図 3 の τ c ) の値が極めて小さいこ とが、 極めて高い粘性を持ちなが ら低い応力で組成物が低粘度化し 吸い上げチューブからノ ズルへの吸い上げを可能に している と言える。 例えば、 図 3 に示した実施例中の試料 S 3 ( 77 m a x = 2 X 1 0 6 m P a · s ) の τ 。 = 2 . 2 P a に対して、 比較例に記載した汎用ゲルである試料 H 2 (カーボポール 9 4 0 τ Μの 0 . 5 w t %水溶液、 77 m a x = 3 X 1 0 6 m P a ' s ) では、 ほぼ同等の 77 m a x ( 3 X 1 0 6 m P a · s ) であ り なが ら、 て c値は 2 6 P a と非常に大きな値を示す。
m の値が 1 X 1 0 3 m P a · s を下回る低粘性の組成 訂正された用紙 (規則 91)
物では、 本発明の目的とする噴霧'液滴の液だれ防止性が期待 できなく なる。 スプレー噴霧における塗布密度が比較的低い 場合には、 7? m a x≥ 1 X 1 0 3 m P a · s を満足していれば 十分に液だれ防止性が期待できる。 しか し、 厚く 塗布するよ う な場合には 7? m a x≥ l X 1 0 3 m P a · s を満た していて も、 液だれを防止できない こ とが起こ り得る。 スプレーによ る塗布のあ らゆる条件で、 液だれ防止な どの本発明の 目的と する効果を発現させるためには、 7? m a x≥ 5 X I 0 5 m P a · s である こ とが好ま し く 、 ?7 m a x≥ 2 X l 0 6 m P a · s である こ とがさ ら に好ま しい。 こ う した粘度の調節は、 ス プレー製品の目的に応じて使い分ける。 77 m a xの値が 5 X 1 0 5 m P a · s 以上になる と本発明の組成物は多く の場合、 流動性のないゲル状の性状となる。 噴霧を安定して行える範 '囲と して ?7 m a xの値は 1 X I 0 9 m P a · s を超えない こ と が望ま しい。
本発明の組成物中には、 目的に応じて少なく とも 1 種以上 の機能性添加剤を配合してもかまわない。 本発明において機 能性添加剤 とは、 スプレー剤の目的と しての機能に少しでも 寄与する化合物の総称を意味するが、 代表的なものを挙げる と、 オイル系化合物, 保湿剤, 界面活性剤, 金属酸化物, 紫 外線遮蔽剤, 無機塩, 金属粉, ガム類, 染料, 顔料, シリ カ 系化合物, ラテッ クス, 水溶性高分子, 'アミ ノ酸, 化粧料用 有効成分, 医薬品, 防虫剤, 脱臭剤, 枋菌剤, 防腐剤および
香料などである。 これらは、 単独で配合しても、 複数種組み 合わせて配合しても構わない。 配合した結果、 組成物として 均一性を有し、 .スプレー剤として本発明の種々の効果を損な わないこ とが重要である。
例えば、 本発明の組成物において分散媒体に水を使用し、 化粧料用の被覆性油性成分として流動パラフィ ンなどのオイ ル系化合物を配合する場合には、 均一な 0 W型ェマルジョ ンが形成されるよう にセルロースの濃度を決定する。 例えば 流動パラフィ ン/水 = 2 0 / 8 0 ( g / g ) と し、 通常のホ モミキサーによる乳化によ り組成物を調製する場合には、 セ ルロース濃度は 0 . 8 〜 2 . 5 w t %の範囲である こ とが望 ましい。 当然このような組成上の制約は、 オイル系化合物の 種類や組成比によっても変わるものである。
また、 酸化チタンなどの金属酸化物や銅などの金属粉を配 合する場合には、 これら固体微粒子が沈降や凝集を起こさな いような分散媒と添加剤の組成の組み合わせを適宜選択して 固体微粒子を均一に分散させる こ とが必要である。
以下に、 本発明の組成物に配合可能な添加剤を具体的に記 載する。
オイル系化合物と しては、 ホホバ油、 マカデミ アナッツ油 アポガ ド油、 月見草油、 ミ ンク油、 ナ夕ネ油、 ヒマシ油、 ヒ マヮ リ油、 卜一モロコシ油、 カカオ油、 ヤシ油、 コメヌ力油 ォリーブ油、 アーモン ド油、 ごま油、 サフラワー油、 大豆油
椿油、 パーシッ ク油、 綿実油、 モク ロ ウ、 パーム油、 パーム 核油、 卵黄油、 ラ ノ リ ン、 スク ワ レン等の天然動植物油脂 類 ; 合成 ト リ ダ リ セライ ド、 ス ク ヮ ラ ン、 流動パラ フィ ン、 ' ワセ リ ン、 セ レシン、. マイ ク ロ ク リ スタ リ ンワ ッ ク ス、 イ ソ パラ フ ィ ン等の炭化水素類 ; カルナウパロ ウ、 ノ ラフィ ンヮ ック ス、 鯨ロ ウ、 ミ ツ ロ ウ、 キャンデリ ラ ワ ッ クス、 ラ ノ リ ン等の ワ ッ ク ス類 ; セタ ノ ール、 ステア リ ノレアルコール、 ラ ゥ リ ノレ アルコーノレ、 セ ト ステア リ ノレア ノレ コ ーノレ、 ォレイ ノレ ア ノレ コ ーノレ 、 ベへ ニ ノレア ノレ コ ーノレ、 ラ ノ リ ン ァ ノレ コ ーノレ、 τΚ添 ラ ノ リ ンアルコール、 へキシルデカ ノ ール、 ォク チル ドデカ ノ ール等の高級アルコール類、 ラ ウ リ ン酸、 ミ リ スチン酸、 パルミ チン酸、 ステア リ ン酸、 ベへニン酸、 イ ソステア リ ン 酸、 ォレ イ ン酸、 リ ノ レ ン酸、 リ ノ ール酸、 ォキシステア リ ン酸、 ゥ ンデシレン酸、 ラ ノ リ ン脂肪酸、 硬質ラ ノ リ ン脂肪 酸、 軟質ラ ノ リ ン脂肪酸等の高級脂肪酸類 ; コ レステ リ ル一 ォクチノレ ドデシノレ 一 べへニル等のコ レ ステ ロ一ノレおょぴその 誘導体 ; イ ソプロ ピルミ リ スチン酸、 イ ソプロ ピルパルミ チ ン酸、 イ ソプロ ピルステア リ ン酸、 2ェチルへキサン酸グ リ セロール、 プチルステア リ ン酸等のエステル類 ; ジエチレン ダ リ コールモノ プロ ピルエーテル、 ポ リ オキシエチ レンポ リ ォキシプロ ピレンペンタエ リ ト リ トールエーテル、 ポ リ オキ シプロ ピレンブチルエーテル、 リ ノ ール酸ェチル等の極性ォ ィル ; その他ァ ミ ノ変性シ リ コーン、 エポキシ変性シリ コー 訂正された用紙 (規則 91)
ン、 カルボキシル変性シリ コーン、 カルビノ ール変性シリ コ ーン、 メ タ ク リ ル変性シリ コーン、 メルカプ ト変性シリ コー ン、 フエ ノ ール変性 シ リ コーン、 片末端反応性シ リ コ ー ン 異種官能基変性シ リ コーン、 ポリ エーテル変性シ リ コ ーン、 メ チルスチ リ ル'変性シリ コーン、 アルキル変性シ リ コーン、 高級脂肪酸エステル変性シリ コーン、 親水性特殊変性シリ コ ーン、 高級アルコ キシ変性シリ コーン、 高級脂肪酸含有シリ コーン、 フ ッ素変性シ リ コ ーン等、 よ り 具体的にはシ リ コ ン 樹脂、 .メ チルフ エニルポ リ シロ キサン、 メ チルポ リ シロキサ ン、 ォク タ メ チルシク ロテ ト ラ シロ キサン、 デカ メ チルシク 口 ンタ シロ キサン、 ドデカメ チノレシク 口へキサンシロキサ ン、 メ チルシク ロ ポ リ シロ キサン、 オタ タメ チノレ ト リ シロ キ サン、 デカ メ チルテ ト ラシロキサン、 ポ リ オキシエチレン · メ チルポ リ シロ キサン共重合体、 ポ リ オキシプロ ピレン · メ チルポ リ シロ キサン共重合体、 ポ リ (ォキシエチレン . ォキ シプロ ピ レン) メ チルポ リ シロ キサン共重合体、 メ チルハイ ドロ ジエ ンポ リ シロ キサン、 テ ト ラ ヒ ドロテ ト ラ メチノレシク ロテ ト ラ シロ キサン、 ステアロ キシメ チルポ リ シロ キサン、 セ トキシメ チルポ リ シロ キサン、 メ チルポ リ シロ キサンエマ ノレシ ヨ ン、 高重合メ チルポリ シロ キサン、 ト リ メ チルシロ キ シ.ケィ酸、 架橋型メ チルポリ シロ キサン、 架橋型メ チルフエ ニルポリ シロキサン等の各種誘導体を含むシリ コーン類等を 挙げ 訂正された用紙 (規則 91)
る こ とができるが、 これら に限定されない。
保湿剤 と しては、 マルチ トール、 ソルビ トール、 グリセリ ン、 プロ ピ レングリ コール、 1 , 3 —ブチレングリ コール、 ポリ エチレングリ コール、 グリ コール等の多価アルコール、 ピロ リ ド ン力ルポン酸ソーダ、 乳酸ソ一ダ、 クェン酸ソ一ダ など有機酸およびその塩、 ヒアルロ ン酸ソーダなどヒアルロ ン酸およびその塩、 酵母および酵母抽出液の加水分解物、 酵 母培養液、 乳酸菌培養液など醱酵代謝産物、 コ ラーゲン、 ェ ラスチン、 ケラチン、 セリ シン等の水溶性蛋白、 コ ラーゲン 加水分解物、 カゼイ ン加水分解物、 シルク加水分解物、 ポリ ァスパラギン酸ナ ト リ ウム等のペプチ ド類およびその塩、 ト レハロース、 キシロ ビオース、 マル トース、 蔗糖、 ブ ドウ糖. 植物性粘質多糖等の糖類 · 多糖類およびその誘導体、 水溶性 キチン、 キ トサン、 ぺクチン、 コ ン ドロイチン硫酸およびそ の塩等のグリ コサミ ノ ダリ カンおよびその塩、 グリ シン、 セ リ ン、 ス レオニン、 ァラニ 、 ァスパラギン酸、 チロシン、 ノ リ ン、 ロイ シン、 アルギニン、 グルタミ ン、 プロ リ ン酸等 のア ミ ノ酸、 N— ト リ メチルグリ シンなどのべタイ ン類、 ァ ミ ノ カルポニル反応物等の糖アミ ノ酸化合物、 アロエ、 マロ ニェ等の植物抽出液、 尿素、 尿酸、 アンモニア、 レシチン、 ラ ノ リ ン、 スク ヮラ ン、 スク ワ レン、 ダルコサミ ン、 ク レア チニン、 D N A、 R N A等の核酸関連物質等を挙げる こ とが できるがこれら に限定される ものではない。
界面活性剤と しては、 プロ ピレングリ コール脂肪酸エステ ル、 グ リ セ リ ン脂肪酸エステル、 ポ リ オキシエチレングリ セ リ ン脂肪酸エステル、 ポリ グリ セ リ ン脂肪酸エステル、 ソル ビタ ン脂肪酸エステル、 ポ リ オキシエチ レンソルビタ ン脂肪 酸エステル、 ポ リ オキシエチレンソルビッ ト脂肪酸エステル, ポ リ エチ レンダ リ コール脂肪酸エステル、 ポ リ オキシェチ レ ンひま し油、 ポ リ オキシエチレン硬化ひま し油、 ポ リ オキシ エチレンァノレキルエーテノレ、 ポ リ オキシエチレンフ ィ トステ ロ ーノレ、 ポ リ ォキシエチレンポ リ ォキシプロ ピレンアルキル エーテノレ、 ポリ ォキシエチ レンァノレキノレフ ェ ニノレエーテノレ、 ポ リ オキシエチ レンラ ノ リ ン、 ポ リ オキシエチレンラ ノ リ ン アルコール、 ポ リ オキシエチレンミ ツロ ウ誘導体、 ポリ オキ シエチレンアルキルア ミ ン、 ポ リ ォキシエチレン脂肪酸ア ミ ド、 ポ リ オキシエチレンアルキルフエニルホルムアルデヒ ド 縮合体、 ポ リ オキシエチレンアルキルエーテル リ ン酸 (塩) な どの非イ オン界面活性剤やアルキル硫酸エステル塩、 ポ リ ォキ'シェチ レンアルキル硫酸エステル塩、 アルキルベンゼン、 スルホン酸塩、 ct -ォレフィ ンスルホン酸塩などのァニオン 界面活性剤、 塩化アルキル ト リ メ チルアンモニ ゥム、 塩化ジ アルキノレジメ チルアンモニ ゥム、 塩化ベンザルコニ ゥムな ど のカチオン界面活性剤、 アルキルジメ チルア ミ ノ酢酸べタイ ン、 アルキルア ミ ドジメ チルァ ミ ノ酢酸べタイ ンな どの両ィ オン性界面活性剤、 レシチン、 ラ ノ リ ン、 コ レステ ロール、 訂正された用紙 (規則 91)
サポニンな どの界面活性能を有する天然物、 スルホコハク酸 エステノレ類やエチレンォキシ ド · プロ ピ レンォキシ ドプロ ッ ク共重合体な どのよ う な低刺激性界面活性剤等が挙げられる がこれらに限定はされない。
金属酸化物と しては、 二酸化チタ ン、 アルミ ナ、 二酸化亜 鉛、 ベンガラ、 黄酸化鉄、 黒酸化鉄等が挙げられるがこれら に限定されない。 噴霧特性を損なわないよ う に 1 0 m以下. 好ま しく は 5 μ m以下の平均粒径をもつよ う に微細化された ものが望ま しい。
紫外線遮蔽剤 と しては、 パラア ミ ノ安息香酸およびその誘 導体、 ホモメ チル一 7 N—ァセチルアラ ン トイ ラニ レー ト、 プチルメ ト キシベンゾィルメ タ ン、 ジ一パラ メ トキシケィ皮 酸一モノ 一 2 —ェチルへキサン酸グリ セ リ ノレ 、 ォクチルシン ナメ ー ト等のパラ メ ト キシケィ皮酸誘導体、 ア ミルサ リ シレ ー ト等のサ リ チル酸誘導体、 2 , 4 —ジヒ ドロ キシベンゾフ ェ ノ ン等のベンゾフエ ノ ン誘導体、 ジメ ドキシベンジリ デン ジォキ ソィ ミ ダゾ リ ンプロ ピオン酸ェチルへキシル、 液状酢 酸ラ ノ リ ン、 コガネバナ根抽出エキス、 ト リ ァニ リ ノ 一 P — カルボェチルへキシルォキシ一ト リ アジン が挙げられるが これらには限定されない。
無機塩と しては塩化ナ ト リ ウム、 塩化カルシウム、 塩化マ グネシゥム、 硫酸アンモニゥム、 リ ン酸カルシウム等、 液状 分散媒体に可溶なあ らゆる無機塩を 自 由に選ぶこ と ができ る 訂正された用紙 (規則 91)
が、 これらは配合量によってはセルロ ース を強く 凝集させる 性質をもっている ので、 スプレー特性に悪影響を及ぼさ ない 程度に配合量を調節する。
金属粉も金、 銀、 銅、 アルミ ニ ウム、 マグネシウム、 亜鉛. 鉄等あ らゆる種類の金属から 自 由に選ぶこ と ができ るが噴霧 特性を損なわないよ う に 1 O /i m以下、 好ま しく は 5 ;u m以 下の平均粒径をもつものが望ま しい。
ガム類と しては、 ァラ ビアガム、 キサンタ ンガム、 グァー ガム、 ローカス ト ビーンガム、 クィ ンスシー ド、 カ ラギーナ ン等を挙げる こ と ができ るがこれに限定される ものではない, 染料、 および顔料も繊維染色、 各種印刷、 コ ピー、 筆記具 等の分野で使用 される染料や顔料のすべての中から適宜選択 する こ と ができ る。 当然、 着色能を有する色材であればこれ らに限定される ものではない。
シリ カ系化合物と しては、 ゼォライ ト 、 モ ンモ リ ロナイ ト ブスべス ト、 スメ ク タイ ト、 マイ 力、 ヒ ューム ドシ リ カ、 コ ロイ ダルシ リ カ、 ナノ ポーラスシリ カ等が挙げられるが、 こ れらに限定はされない。 噴霧特性を損なわな.いよ う に 1 0 μ m以下、 好ま しく は 5 μ m以下の平均粒径をもつよ う に微細 化されたものが望ま しい。
ラテ ッ ク ス と しては、 スチレン一ブタ ジエン共重合系ラテ ッ ク ス、 ァク リ ル系ラテ ッ ク ス等を挙げる こ と ができ るが乳 化重合によって得られる高分子ラテ ッ ク スであれば何でも配 訂正された用紙 (規則 91)
合可能である。
水溶性高分子 と しては、 ポ リ エチレング リ コール、 ポリ ビ ニノレアノレコール、 カチオン化セノレロー ス 、 カノレボキシビニノレ ポ リ マー、 ポ リ ビニノレピロ リ ドン、 ポリ ビニノレピロ リ ドン z 酢酸ビュル共重合体、 ポ リ アク リ ル酸、 ポ リ アク リ ルア ミ ド. アルギン酸、 ポ リ デキス ト ロース、 カルポキシメ チルセル口 一ス、 ヒ ドロ キシェチルセルロース等を挙げる こ と ができ る がこれらに限定される ものではない。
ア ミ ノ酸は、 グルタ ミ ン酸、 ァ スパラ ギン酸、 グリ シン、 リ ジンをはじめ とする公知のすべてのア ミ ノ酸を意味する。 化粧品用有効成分と しては、 アルブチン、 コ ウジ酸、 リ ン 酸ーァス コルビン酸マグネシウムな どのァス コルビン酸およ びその誘導体、 ダルタチオン、 甘草エ キ ス 、 チ ヨ ウジエキス 茶抽出物、 ァス タ キサンチン、 牛胎盤エキス、 ト コ フェ ロー ルおよびその誘導体、 ト ラネキサム酸およびその塩、 ァズレ ン、 ー ヒ ドロ キシ酪酸等の美白成分、 クェン酸、 リ ンゴ酸 酒石酸、 乳酸、 アジピン酸、 グルタ ミ ン酸、 ァスパラギン酸 マ レイ ン酸等の有機酸、 ビタ ミ ン B 6 塩酸塩、 ビタ ミ ン B 6 ト リ ノくルミ テー ト、 ビタ ミ ン B 6 ジォク タ ノ エー ト、 ビタ ミ ン B 2及びその誘導体等のビタ ミ ン B類、 ァス コルビン酸、 ァス コルビン酸硫酸エステル、 ァス コルビン酸リ ン酸エステ ル等の ビタ ミ ン C類、 ひ ト コ フ ェ ローノレ 、 j8 ト コ フエ ロール γ ト コ フエ ロール等の ビタ ミ ン Ε類、 .ビタ ミ ン D類、 ビタ ミ 訂正された用紙 (規則 91)
ン 11、 パ ン ト テ ン酸等の ビタ ミ ン類 ; ニ コ チン酸ア ミ ド、 二 コチン酸ベンジル、 γ —オリ ザノ ール、 アラ ン トイ ン、 グ リ チル リ チ ン酸 (塩) 、 グ リ チル レチン酸おょぴその誘導体、 ヒ ノ キチオール、 ムシジン、 ビサボローノレ 、 ユーカ リ プ トー ノレ 、 チモール、 ィ ノ シ トール、' サポニン類 (キラャサポニン ァズキサポニン、 へチマサポニン等) 、 ト ラネキサム酸、 パ ン トテノレエチノレエーテノレ、 ェチニノレエス ト ラ ジオ一ノレ、 セ フ ァ ラ ンジン、 プラセンタエキス、 センプリ エキス、 セファ ラ ンチン、 ビタ ミ ン Εおよびそ'の誘導体な どの血行促進剤、 ト ゥガラシチンキ、 シ ョ ゥキ ヨ ゥチンキ、 カ ンタ リ スチンキ、 ニコチン酸べンジルエステルな どの局所刺激剤 ; グリ チル レ チン酸、 グ リ チルリ チン酸誘導体、 塩化カルプロ ニゥム、 ノ ニル酸ヮニ リ ノレア ミ ド、 アラ ン トイ ン、 ァズレン、 ア ミ ノ カ ブロ ン酸、 ヒ ドロ コルチゾンな どの抗炎症剤、 酸化亜鉛、 硫 酸亜鉛、 アラン トイ ンヒ ドロ キシアルミ ニウム、 塩化アルミ 二 ゥム、 スルホ石炭酸亜鉛、 タ ンニン酸な どの収斂剤、 メ ン トール、 カ ンフルな どの清涼剤、 抗ヒ スタ ミ ン剤、 高分子シ リ コーン、 環状シ リ コーン等のシ リ コ ン系物質、 ト コ フ エ 口 ール類、 没食子酸な どの酸化防止剤等の各種薬剤 ; サッカ ロ マイセスな どの酵母、 糸状菌、 パクテ リ ア、 牛胎盤、 人胎盤 人臍帯、 小麦、 大豆、 牛血液、 ブタ.血液、 鶏冠、 力 ミ ツ レ、 キユ ウ リ 、 コ メ 、 シァバター、 シラカノく、 茶、 トマ ト、 ニン ユタ、 ノヽマメ リ ス、 ノくラ、 へチマ、 ホ ップ、 訂正された用紙 (規則 91)
モモ、 アンズ、 レモン、 キウイ、 ドクダミ、 トウガラシ、 ク ララ、 ギシギシ、 コゥホネ、 セージ、 ノ コギリ 草、 ゼニァォ ィ、 センキユウ、 センブリ 、 タイム、 トウキ、 トウヒ、 ノ ー チ、 スギナ、 マロニエ、 ユキノ シ夕、 アル二力、 ユリ、 ョモ ギ、 シャ クャク、 アロエ、 アロエベラ、 才ゥゴン、 ォゥバク . コゥ力、 ベニパナ、 サンシン、 シコン、 タイ ソゥ、 チンピ、 ニンジン、 ョクイニン、 ノ、 トムギ、 クチナシ、 サワラ等の動 植物 ' 微生物およびその一部から有機溶媒、 アルコール、 多 価アルコール、 水、 水性アルコール等で抽出または加水分解 して得た天然エキス等を挙げる ことができるがこれらに限定 されない。
医薬品は、 漢方医薬品を含むすべての薬効のある薬剤を使 用するこ とができるが、 薬剤の薬効は共存する化合物によつ て大きく変動する こ とから、 組成物の配合においては適切な 処方を組まなければならない。
防虫剤は代表的なものと して、 ショ ウノ ウ、 ナフタ リ ン、 パラジク ロルベンゼン、 パラフ ォ一ム、 ク ロリレピク リ ン、 除 虫菊、 スルホンべンズアルデヒ ド類、 フエニルメタン系化合 物等を挙げる ことができるが、 これらに限定されるものでは ない。
脱臭剤は活性炭をはじめとする固体および溶解性の脱臭効 果を有する化合物のすべてを意味するが、 固体成分を配合す る場合には、 噴霧特性を損なわないよう に 1 0 m以下、 好
ま しく は 5 μ m以下の平均粒径をもつよ う に微細化されたも のが望ま しい。
抗菌剤 , 防腐剤と しては、 安息香酸およびその塩、 サリ チ ル酸およびその塩、 ソルビン酸およびその塩、 ノ、。ラオキシ安 息 香酸ァノレキノレエステル (ェチノレパラベ ン 、 ブチルパラべ ン等) およびその塩、 デヒ ドロ酢酸おょぴその塩類、 パラク 口ノレメ タ ク レゾ一ノレ、 へキサク ロ 口 フェ ン、 ホ ウ酸、 レゾノレ シン、 ト リ ブロ サラン、 オル ト フエニノレフエ ノ ーノレ、 グル コン酸ク ロルへキシジン、 チラム、 感光色素 2 0 1 号、 フエ ノ キシエタ ノ ーノレ、 塩化ベンザルコユウム、 塩化べンゼ トニ ゥム、 ノヽロ カノレノくン、 塩化ク ロルへキシジン、 ト リ ク ロ ロ カ ルノくニ ド、 酢酸 ト コ フェ ローノレ、 ジンク ピ リ チオン、 ヒ ノ キ チォーノレ 、 フエ ノーノレ、 イ ソプロ ピノレメ チノレフエ ノ ーノレ、 2 4 , 4一 ト リ ク ロ ロ ー 2—ヒ ドロ キシフ ェ ノ ール、 へキサク 口 口 フェ ン等が挙げられるが、 これらに限定されない。
香料も公知のすべての香料原料が対象と なり得るが、 組成 物の配合成分の中で匂いを打ち消す効果が少ないよ う な処方 を選定する のが望ま しい。
上記の機能性添加剤の う ち、 イオン性.化合物については後 で詳述するが、 その他の機能性添加剤の組成物中の含有量は 各添加剤の使用 目的によっても異なるが、 好ま しく は 0 . 1 〜 6 0 w t %、 よ り 好ま しく は 0 . 1 〜 4 0 w t °/0、 更に好 ま しく は 0 . 2 〜 3 0 w t %である。 訂正された用紙 (規則 91)
これら以外にもあ らゆる機能性添加物をスプレー剤の各目 的に応じて選定し、 配合する ことができる。 これらの添加物 は 1 種類でも複数種組み合わせても構わないが、 選ばれた添 加物を配合して得た組成物がざらつき感ゃ成分の分離を起こ さず均一な性状をもつこと、 さ らには組成物が曳糸性をほと んどもたないことの 2点が特に重要である。
本発明の組成物は、 微粒子分散体という意味では一種のコ ロイ ドであるが、 透明で安定性の高いゲルを形成する点でこ れまでに報告されていない極めて特殊なものである。 こ う し た本発明の組成物の特殊性は、 主要成分であるセルロース微 粒子間で形成される高い水素結合形成能に起因している。 唯 一似たような性質を示す透明ゲルとして、 フユ一ム ドシリ カ や親水性スメクタイ トの水分散体を挙げる こ とができるが、 これらの分散体は有機溶媒配合において凝集が進行し易く 、 かつ塗膜形成能が極めて低いので実用的には別種の系である と言える。 また、 一般にコ ロイ ド分散体はイオン性化合物の 添加によって凝集を起こすことが知られている。 ある種の系 のコ ロイ ド分散体においては、 凝集誘因性の強い無機塩 (例 えばアンモニゥムク ロライ ドのような 3価の無機塩) のよう なイオン性化合物を添加する場合には 0 . 1 w t %程度の添 加量でも凝集が進行し、 組成物の安定性等に悪影響を及ぼす これに対し、 本発明らは、 本発明のスプレー用組成物におい て、 機能性添加剤としてイオン性化合物を添加する際に、 所
定の条件下で安定な組成物を提供し得るこ と を見出した。 すなわち、 発明者らは、 本発明の組成物に機能性添加剤を 配合する際に、' 添加剤そのもの、 及び分散媒体の種類、 及ぴ セルロース含有量等によって得られる添加剤含有組成物の安 定性に違いはあるが、 イオン性化合物である機能性添加剤の 添加量を、 0 . 1 w t %以上 1 0 w t %以下の範囲で配合し た場合でも、 安定な組成物が得られるこ と を見出した。 該配 合量の範囲は、 好ま しく は 0 . 1 w t %以上 5 w t %以下で あり 、 更に好ま しく は 0 . 2 w t %以上 3 w t %以下の範囲 である。 0 . 1 w t %未満の配合率では、 一般に機能性添加 剤と しての機能を十分に発揮しなく なるため好ま しく なく 、 また 1 0 w t %を越える配合率では組成物の安定性に乏しく な り 、 これも望ま しく ない。
こ こ で言 う イ オン性化合物 と は分散媒体中にイ オンと し て溶解し得る化合物の総称であ り 、 例えば、 両イオン性化合 物、 .カチオン性化合物およびァニオン性化合物が挙げられる なお、 本発明に含有するセルロースやその他に目的に応じて 配合される機能性微粒子などは組成物のコ ロイ ド的性質を誘 引 し得るので、 該ィ ォン性化合物の添加に当たっては、 上記 の配合量の範囲内で、 しかも配合成分の安定性 (組成物が目 視の レベルで経時的に均一であ り 、 成分の分離が見られない こ と) が確保される範囲で組成を決定する。
これら組成条件の決定において、 特にイオン性化合物の 訂正された用紙 (規則 91)
種類は重要であるが、 特に両イ オン性化合物ゃカチオン性化 合物を使用する と上述した配合含有量の範囲内で比較的他の 条件の制約なしに広範囲に配合する こ とができ、 好ま しい。
こ こ で、 両イ オ ン性化合物は、 分散媒体中 に溶解 した状 態で 1 分子内に正と負のイ オン性基を併せもち、 かつ電気的 に中性である化合物を意味し、 各種アミ ノ酸やその塩、 ベタ イ ン類等がこれに該当する。 また、 カチオン性化合物は、 力 チオン性界面活性剤 (塩化アルキル ト リ メチルア ンモニゥム や塩化ジアルキルジメチルアンモニゥム等) ゃカチオン性の 水溶性高分子 (カチオン化セルロース等) 、 さ ら にはリ ジン ゃ リ ジン塩などのカチオン性低分子を挙げる こ とができる。 次にァニオン性化合物と しては、 ァニオン性界面活性剤 (例 えばアルキル硫酸エステル塩、 ポ リ ォキシエチレンアルキル 硫酸エステル塩等) ゃァニオン性の水溶性高分子 (例えば、 ポ リ アク リ ル酸やカルポキシメチルセルロース等) 、 さ ら に はグルタ ミ ン酸、 グルタ ミ ン酸塩、 クェン酸およびクェン酸 塩など水溶性低分子有機化合物等の、 組成物中においてァニ オンの状態で機能または存在している機能性添加剤を挙げる こ とができる。 さ ら に、 イ オン性化合物の他の例 と して液状 分散媒体に可溶なあ ら ゆる無機塩を挙げる こ とができる、 す なわち、 塩化ナ ト リ ウム、 塩化マグネシウム、 塩化カルシゥ ム、 炭酸水素ナ ト リ ウム、 炭酸ナ ト リ ウム、 硫酸アンモニゥ ム、 リ ン酸カルシウム、 硝酸アンモニゥムなどであるが、 硫
酸、 塩酸、 リ ン酸などの無機酸類や水酸化ナ ト リ ウムや水酸 ィ匕カ リ ウム等を挙げる こ とができる。
また、 曳糸性に関 しては液状分散媒体中に高分子量のポ リ マー成分が溶解しているために発生する現象であるので、 例 えば、 水溶性高分子を水性の分散媒体中に溶解させて使用す る場合には、 曳糸性の発生しない分子量と添加量を適宜選択 する必要がある。
本発明の組成物は高いチキソ ト ロ ピー性を有しているので スプレ一剤 と した際スプレー噴霧時には低粘度化して良好な 噴霧やフ ォーム (泡) 形成を実施できるが、 噴霧後液滴が被 覆表面に定着する までに粘度を回復させるため、 表面へ定着 した後の液だれが極めて起こ り 難い。 さ ら に該組成物は 5 0 °C以上の高温においても粘度低下が起こ らず温度安定性に 優れている、 水溶性高分子特有のベたつき感が無く 、 塗布後 の展延性に も優れる、 高い分散安定性と強固な塗膜形成によ り 機能性化合物を被覆表面上に固定化できる等の性質を有し ている。 同時に、 皮膚や基盤のよ う な被覆表面への液滴の定 着性もセルロースのもつ両親媒的な性質と粘性効果によ り組 成物中の液状分散媒体を単独の場合と比較する と大幅に向上 する。
また、 該組成物中の粘度調節剤にセルロースを用いている ため、 その他の配合成分と して安全性の高い成分を選択する こ と によ り 、 例えば人体 (皮膚など) に組成物を塗布した際
に、 液状分散媒体の乾燥後も刺激性が極めて小さ く なるよう に容易に設計できる。 すなわち、 安全性の高いスプレー剤と して提供する こ とが可能である。
また、 本発明の組成物は、 好適なセルロースの選択および 好適な組成条件においては、 高透明性、 すなわち組成物中の セルロース濃度を 0 . 0 5 w t % となるよう に水で希釈した ときの希釈物の波長 6 6 O n mの可視光に対する透過率が 8 0 %以上、 さ らに好ましく は 9 0 %以上とする こ とが可能で ある。
組成物が該条件を満たすことによ り、 特にスプレー噴霧後 の塗布層は乾燥後も透明性を保っため、 特に噴霧コーティ ン グ層の透明性や高度な平滑性が要求される分野で使用する こ とができる。 尚、 透明性や平滑性を満たす la成物を調製する ためにはセルロースはもちろん、 セルロース以外の配合成分 の凝集を生じないようにする こ とが重要である。 凝集が起こ ると透明性は著しく損なわれるからである。 この場合にも、 上述したイオン性化合物の含有量を上記の特定の濃度以下に 制御する必要がある。
例えば、 組成物に透明性を失わずに界面活性剤を配合した い場合には、 非イオン性界面活性剤やべタイ ンなどの両ィ ォ ン性界面活性剤などの添加が有効である。
ま,た、 組成物中の分散成分 (顔料など) の分散安定剤と し て水溶性高分子を添加する場合には上述したよう に噴霧特性
を損なわないために曳糸性を与えない程度の添加量とする こ とが重要であるが、 組成物の透明性という観点から言えば、 やはり上述したよう にポリ アク リル酸やアルギン酸、 力ルポ キシメチルセルロースなどの高分子電解質 (イオン性化合 物) はセルロースの凝集を促進させ、 透明性を低下させやす い。 このような場合には、 これら高分子電解質を透明性に影 響を与えない程度の添加量に低減するか、 分散安定剤として 非イオン性のポリエチレンダリ コールやポリ ビエルアルコ一 ルなどを用いるかあるいは非イオン性の水溶性高分子と高分 子電解質とを併用するとよい。
上記透過率の測定に用いる組成物の希釈試料 (セルロース 濃度 : 0 . 0 5 w t % ) の調製および透過率評価は以下の手 順で行った。
対象とする組成物にイオン交換水を加え、 セルロース濃度 が 0 . 0 5 w t %となるように調節する。 次にホモミキサー
( T . K . L o b o . m i c s ™, 日本国、 特殊機化
(株) 製) にて 1 5 0 0 0 r p mの回転下で 1 0 分間分散処 理を行い、 均一な希釈試料を得た。 希釈試料の透過率は、 光 路長 1 c mの石英セルに試料を充填し、 可視紫外分光光度計
( U V - 2 5 0 0 P C , 日本国、 (株) 島津製作所製) を用 いて、 波長 6 6 0 n mの可視光を入射した際の入射光強度
( =試料と してイオン交換水を用いた際のセルを通過した透 過光強度, I 。で近似) と透過光強度 ( =希釈試料について
セルを通過した透過光強度, i t ) の比 ( I t Z l 。) の百 分率 (% ) で規定した。
次に本発明の組成物の調製方法を説明する。
本発明の組成物の調製においては、 以下に述べるよう に、 まずセルロースを液状分散媒体に分散した分散体 (汎用的に はセルロース /水分散体) を調製しておき、 これを原料と し てさ ら にスプレー剤の目的に応じ、 各種添加剤の添加や液状 分散媒体による希釈を行い混合処理する こ とで組成物を得る , このよ う なセルロース分散体と して、 例えば日本国特開平
3 — 1 6 3 1 3 5 に記載されている結晶セルロースの分散体 などを本発明の組成物の原料と して好適に使用する こ とがで さる。
しかしながら、 特に W〇 9 9 - 2 8 3 5 0 に記載の方法を 用いて得 られる低結晶性のセルロース分散体を本発明の組成 物の原料と して使用する と、 条件によってはゲル状で透明性 の高い本発明の好適な組成物を提供できる。 以下に該セル口 ース分散体を本発明の組成物の原料と して使用するケースに ついて、 詳細に記載する。 この場合には、 先ず天然或いは再 生セルロース原料を、' 硫酸のよ う な無機酸水溶液に溶解し、 その溶液を水等の沈殿剤で再沈殿し、 引き続き加温しながら 加水分解、 洗浄/濃縮して水分散体を得る。 必要に応じて有 機溶媒に置換した後、 更にミキサ一等で均一化処理する こ と ができる。
こ う して得られるセルロース分散体中の液状分散媒体は、 先記したよ う に通常水であるが、 目的に応じてメ タ ノール、 エタ ノール、 イ ソプロパノ ール、 アセ ト ン、 ァセ トニ ト リ ノレ . ジメ チルスルフォキシ ド、 ジメ チルフオルムア ミ ド、 ジメ チ ルァセ トア ミ ド等の水溶性有機溶媒で一部又は全部置換、 あ るいはこれらの混合溶媒で一部又は全部置換しても差し支え なレヽ。
該分散体の調製において水溶性有機溶媒を分散媒体と して 使用する場合にも、 組成物に対して先述したの と同様、 分散 体に対 して 1 重量%以上 9 0重量%以下、 好ま しく は 3 重 量%以上 6 0重量%以下、 さ らに好ま しく は 5重量%以上 5 ◦重量%以下の範囲で使用する。 1 重量%よ り 少ない添加量 では実質的に分散媒体の性質を水などから変える効果が小さ く 、 また 9 0重量%を超える配合も実際にはセルロース近傍 に存在する束縛水を置換する こ とは技術的に難しいので適当 ではない。
一方、 目的とする組成物が非水系で極めて疎水性の強い分 散媒体を使用するなど特別な場合には疎水性有機溶媒である へキサンや トルエン等の炭化水素類、 酢酸ェチル等のエステ ル類等を用いる こ とが必要であるが、 この場合には、 上記調 製工程で無機酸を除去した後、 得られた水分散体の水を水溶 性の有機媒体で置換した後に、 更に疎水性有機溶媒で置換す る。 あるいは水分散体中に非水溶性の疎水性有機溶媒を混入 し、 この工程にて分散媒体を乳化分散 (予備乳化) させても 訂正された用紙 (規則 91)
よい。
こ う して得られたセルロ ース分散体は、 本発明のス プ レー 用組成物と してそのまま用いる こ とができ る。 また、 こ のセ ルロース分散体を前駆体と して、 更に追加の液状分散媒体や 機能性添加剤を適当な順序で配合し、 最後に組成物の分散処 理を施すこ と によ り各使用 目的に応じた本発明のス プレー用 組成物を得る方法 (製法 A ) 、 該前駆体に対し、 以下に示す 高度粉砕処理を施した後、 追加の液状分散媒体や機能性添加 剤を適当な順序で配合し、 最後に組成物の分散処理を施して 本発明の組成物を得る方法 (製法 B ) 、 または該前駆体に追 加の液状分散媒体や機能性添加剤を適当な順序で配合し、 ま ず組成物の予備分散処理を施した後に以下に示す高度粉砕処 理を施して本発明の組成物を得る方法 (製法 C ) などを拳げ る こ とができ るが、 前駆体と してのセルロ ース分散体と追加 する液状分散媒体と機能性添加剤等を混合し、 均一な組成物 を得る方法であれば、 必ずしも これらに限定される も のでは ない
特に製法 Bおよび製法 Cでは、 該前駆体やこれを各種配合 成分と混合し予備分散した分散物を、 さ らに高圧/超髙圧ホ モジナイザー等でさ らに高度粉砕処理する こ と によ り 、 最終 的によ り 好適な組成物を提供するこ とができ る。 このよ う な 高度粉砕処理装置と しては、 マイ ク ロ フルイ ダィザー T M ( 日本国、 みづほ工業 (株) 製) 、 アルティ マイザ一 T M ( 日本国、 スギノマシーン (株) 製) 、 ナノマイザ一 T M 訂正された用紙 (規則 91)
(日本国、 吉田機械 (株) 製) 等を拳げるこ とができ る。 例 えば、 この処理を行った分散体を前駆体と して使用するこ と によ り 、 一層透明性に優れた本発明の組成物を得るこ とがで き る。 また、 予備調製した乳化分散体を該装置にて処理した 場合には、 油滴 (条件によっては水滴) がサブミ ク ロ ン レべ ルにまで微小化したェマルジョ ンが得られる。 このよ う な場 合には、 多く の場合ェマルジヨ ンは白色不透明である。 尚、 これらの高度粉砕処理は複数回行ってもかまわない。
製法 Aや製法 Bにおける分散処理や製法 Cにおける予備分 散処理と しては、 真空ホモミ キサー、 デイ スパーサー、 プロ ペラ ミ キサー、 ニーダーなどの各種混練機、 各種粉砕機、 ブ レンダー、 ホモジナイザー、 超音波乳化機、 コ ロイ ドミル、 ぺプルミ ル、 ボーノレ ミ ノレ、 遊星ボーノレ ミ ル、 ビーズミ ル粉碎 機および高圧ホモジナイザー等、 あらゆる混合 · 分散処理が 適用でき る。
これらの処理は、 スプ レー製品の 目的や組成物の配合成分 の内容に応じて選択すればよい。 また、 分散の条件は配合成 分に依存して適宜、 有効な温度、 分散条件、 添加物の添加順 序等を選択する。 例えば、 複数成分の機能性添加剤を配合す る際には、 その溶解、 沈殿性を加味して、 予め追加添加する 液状分散媒体中に溶解させて導入するこ と も場合によっては 有効である。 また、 本発明の組成物は透明性の高い組成物で あっても、 ェマルジョ ンゃ顏料分散体のよ う な不透明な組成
訂正された用紙 (規則 91)
物であっても、 増粘した組成物である こ とに特徴があるため . 上述した分散処理によ り得られる組成物には気泡が多量に含 まれるケースが多い。 そのような場合には、 製造の最終工程 で真空脱泡処理を行うか、 組成物中にエタ ノールのような消 泡効果を有する化合物を予め配合しておく と効果的である。
また、 組成物の p Hは 2 . 0 以上 1 1 . 0以下、 好ましく は 3 . 0以上 1 0 . 0以下、 さ らに好ましく は 3 . 5以上 9 5 以下の範囲にある ことが好ましい。, 該 p H範囲にあると組 成物の安定性に優れ、 均一性の高い本発明のスプレー用の組 成物を得ることができる。 組成物が p H < 2 . 0 の場合、 あ るいは、 p H > 1 1 の場合においては、 いずれも組成物の必 須成分であるセル口一スが凝集を起こ し易く 、 組成物の均一 性および安定性を著しく 阻害するので好ましく ない。 本発明 の組成物の p Hは、 無機酸、 無機塩基、 有機酸および有機塩 基を組成物に適宜添加または含有させる こ とにより該 p H範 囲に制御する ことができる。
以下に本発明のスプレー剤を構成する組成物が油性成分あ るいはその混合物を添加物とする 0 / W型ェマルジヨ ンであ る場合の製造方法について説明する。
本発明で使用するセルロースはセルロース 自身に乳化性能 があるため、 界面活性剤を使用 しなくてもェマルジヨ ンを調 製するこ とができる。 界面活性剤を乳化剤と して使用 した場 合には、 セルロースは乳化安定剤と して機能する。
ェマルジヨ ンの調製は、 常法の 0ノ W型乳化工マルジヨ ン の調製方法に従う。
例えば、 低結晶性のセルロース微粒子の水分散体を前述の 方法で調製した後、 7 0 — 8 0 °Cにおいて油性成分あるいは その混合物を混合し、 乳化させる。 乳化は、 通常の乳化装置 を用いるか、 あるいは高圧型ホモジナイザーあるいは超高圧 ホモジナイザーのようなよ り強力な乳化作用を有する装置で 処理する こ とにより好適なェマルジョ ンの油性成分あるいは その混合物を添加物とする本発明の組成物を得る こ とができ る。
以上の方法によ り、 通常用いられる界面活性剤を全く用い ないで乳化工マルジョ ンを調製することが可能となる。 尚、 乳化剤と して通常用いられる界面活性剤を用い、 低結晶性の セルロース微粒子を乳化助剤 (乳化安定化剤) と して用いる 場合も同様の方法をとる ことができる。
また、 セルロースを含有する水性ゲルと、 セルロースを含 まない系で〇 / W型ェマルジョ ンを別々 に調製してその後に 両者を混合しても安定なゲル状の乳化工マルジョ ンを得る こ とができる。
上記の製造方法によって製造される本発明のセルロースを 含む組成物は透明分散体、 半透明〜不透明な分散体のいずれ かの性状をとり得る。
透明分散体の場合、 非ィオン性界面活性剤などの組成物の
透明性を低下させずかつ泡立ち性のある界面活性剤をほとん ど含まない場合には、 ミス ト剤として良好な噴霧を実施でき る。 逆に非イオン性界面活性剤などの組成物の透明性を低下 させず、 かつ泡立ち性のある界面活性剤をある一定量以上含 む場合には、 本発明の特殊な実施の形態として、 噴霧装置か らの押し出しを実施する とフォーム (泡) を形成する、 いわ ゆるフォーム剤として機能する。 この場合には、 泡の中に含 まれるセルロースの微粒子がネッ ト ワーク を形成するため、 形成された泡の保存性 (泡もち性) が極めて高く、 フォーム 形成系のスプレー剤として本発明の主張する効果を好適に発 現する こ とができる。
また、 半透明〜不透明な分散体の場合は、 用いるセルロー スの粒子径がミ ク ロンのォ一ダ一である場合、 セルロースの 緩い凝集によ り不透明化している場合、 さ らに配合成分にォ ィル系化合物が含まれ、 0 z w型ェマルジョ ンが形成されて いる場合、 分散媒体に不溶でかつ組成物中での光の散乱を誘 起する大きさの微粒子成分が含まれている場合、 あるいは泡 立ち性のあるイオン性界面活性剤がある一定量以上含まれる 場合 (この場合は不透明化はセルロースの軟凝集に起因) な どが原因としてあげられ、 泡立ち性のある界面活性剤がある 一定量以上含まれる場合以外ではいずれも良好な噴霧化が実 施され、 泡立ち性のある界面活性剤がある一定量以上拿まれ る場合であってもフ ォーム形成系のスプレ一剤として良好に
'機能する。
本発明は上記した組成物をスプレー噴霧装置に充填してス プレー剤となす。
本発明に用いるスプレー噴霧装置は、 本質的には、 組成物 を容易に充填でき、 噴霧を可能とし、 スプレー剤として機能 するものであれば何を用いても構わないが、 汎用性や噴霧性 能の精度の高さを考慮すると、 以下の 3つの形態である こ と が特に好ましい。
本発明において使用する特に好ましいスプレ一噴霧装置の 一つは、 容器の内部を大気圧に保持したままで噴霧可能なポ ンプ式ノ ズルを装着したディ スペンサー式噴霧器である。 本 噴霧器は、 大気圧で噴霧を操作でき、 加圧ガスなどを必要と せず、 かつ容器構造も比較的単純であるので、 安全性が高く 携帯用に向いた噴霧装置である。 構造は、 吸い上げ用のチュ ーブを装着した押し出しポンプ式のノズルとこれを固定し、 組成物を充填するねじ式容器から成る。 こ こでいうディ スぺ ンサ一式噴霧装置には、 噴霧性能を高めるためにポンプ式ノ ズルの構造改良を行った装置等もすベて含まれる。 噴霧特性 は噴出しノズルの孔径ゃポンプの 1 回当たり の押し出し体積 等に依存するが、 これらの条件は、 目的に応じて選定する。
また充填する組成物に含有されるセルロースは平均粒径が 1 0 /x m以下であるから通常、 これらの噴霧器が使用される 条件下 (ノズル内径がおよそ 5 0 ill〜 1 0 0 0 mの範
囲) で目詰ま り もせず、 問題なぐ噴霧 (またはフォーム形 成) を実施でき る。 さ らにチューブ内での組成物の吸い上げ も本発明の組成物が非常に弱い力で低粘度化する性質を有し ているこ とから、 およそ 0 . 1 m m以上の内径があれば十分 に送液でき る。
これらのノ ズル、 吸い上げ用チューブに Mする条件は下記 2つの噴霧器を使用する場合もほぼ同様である。
ト リ ガ一式噴霧器も本発明で使用するスプレー噴霧装置と して好ま しい。 ト リ ガー式噴霧器は、 住宅用洗剤、 衣料用糊 剤、 台所用洗剤などの噴霧器と して組成物を充填する容器本 体の 口部にビス トル状の ト リ ガ一式スプレー装置が装着され たもので、 やは り 大気圧で噴霧を操作でき、 液体噴霧器と し て汎用性の高いものである。 こ こでいう ト リ ガー式噴霧器に は噴霧性能を高めるために ト リ ガー式スプレー装置の一部を 改良したものもすベて含まれる。 本発明では、 ト リ ガー式噴 霧器に場合によってはゲル状にもなる髙粘性の組成物を'充填 し使用するわけであるが、 ディ スペンサ一式噴霧器の場合と 同様、 本発明によって提供される組成物を使用するこ と によ り 、 いかなる条件でも良好に噴霧 (またはフォーム形成) を 実施する こ とができる。
さ らに本発明において使用する好ま しいスプレー噴霧装置 と して、 エアゾール式噴霧器を挙げるこ とができ る。 エアゾ ール式噴霧器は、 容器内へ噴射剤を充填するこ と によって 訂正された用紙 (規則 91)
上記 2つの噴霧装置では実現できない連続噴霧化あるいは連 続フォーム形成を可能とするものである。 ここでいうエアゾ —ル式噴霧器には、 エアゾール式容器の噴射装置部分に改良 を施したもの等もすベて含まれる。 特に本発明のスプレー剤 をフォーム形成剤として機能させる場合には、 本噴霧装置の 使用が好ましい。 また一般的に、 本噴霧器を用いた噴霧化で は大気圧下で実施する上記 2つの噴霧に比べ、 よ り細かな噴 霧が可能となる。 本発明のエアゾール式噴霧 (またはフォー ム形成) で使用する噴射剤として、 ジメチルエーテル、 液化 石油ガス、 炭酸ガス、 窒素ガス、 アルゴンガス、 空気、 酸素 ガス、 フロ ンガス等を挙げるこ とができるがこれらに限定さ れるものではない。 これらは、 2種以上を混合して使用して もよい。 噴射剤にも依るが、 噴射剤選定の一つの基準として . 本発明の組成物における液状分散媒体への噴射剤の溶解性を 挙げる こ とができる。 例えば、 分散媒体中の大部分が疎水性 の強い有機溶媒 (イソプロパノールや n —へキサンなど) で ある場合には液化石油ガス、 組成物中に占める水の割合が高 い場合にはジメチルエーテルを使用するなどである。
これらいずれの噴霧装置を用いた場合にも、 充填する本発 明のセルロースを含む組成物がゲル状となるほど高粘性に設 定すれば、 容器内部で組成物の流動が起こ らないため、 スプ レー噴霧装置の全方位での噴霧化 (あるいはフォーム形成) が可能となる。 極端な場合、 逆さまにしてもスプレー剤とし
て良好に機能する。
発明を実施するための最良の形態
下記の実施例及び比較例によ り 、 本発明をよ り具体的に説 明するが、 本発明の範囲はこれによって限定される ものでは ない。
まず、 各実施例及び比較例で調製した組成物の評価方法に ついて説明する。
構造パラメ一夕および物性の評価は以下のとお り に行った
( 1 ) 組成物中のセルロースのキャ ラク タ リ ゼ一ショ ン
①広角 X線回折パターンの測定は、 日本国、 理学電機 (株) 社製 X線回折装置 ( R U— 3 0 0型、 リ ン ト システムを付 属) を用い、 先記の方法で χ :および χ t ! を評価した。
②セルロース微粒子の平均粒子径は、 レーザ一回折/散乱式 粒度分布測定装置 L A - 9 2 0 ( 日本国、 堀場製作所 (株) 製) を用い、 先記の方法で測定した。
③平均重合度 (D P ) は、 乾燥セルロース試料をカ ドキセン 溶液に溶解した希薄セルロース溶液の比粘度をウベ口一デ型 粘度計で測定し ( 2 5 °C ) 、 その極限粘度数 [ ?7 ] か ら先記 の方法で D P を評価した。
( 2 ) 組成物の粘度 ( ?7 m a x)
?7 m a x の評価は、 コ ー ンプレー ト型回転粘度計と して独国 H a a k e社製の R S — 1 0 0 を使用 し、 コーン角 : 4 ° 、 プレー ト径 : 3 5 mmのコ一ン · プレー ト を使用 して 2 5 °C で、 ずり速度 (ァ ' ) が ; 1 0 — 3 〜 1 0 2 S — 1 の範囲を含
むよ う に条件設定したう えで行った。
( 3 ) 組成物希釈物の 6 6 0 n mの相対透過率
組成物をイオン交換水でセルロース濃度 (その他の粘度調節 剤を加えている場合は組成物中の粘度調節剤の濃度) が 0 . 0 5 w t % となるよ う に希釈し、 ホモミキサー ( T . K . L 0 b o . m i c s ™, 日本国、 特殊機化 (株) 製) にて 1 5 0 0 0 r p mの回転下で 1 0 分間分散処理を行っ て得られ た希釈物に対し、 可視紫外分光光度計 ( U V— 2 5 0 0 P C 日本国、 (株) 島津製作所製) を用いて測定を行っ た。
( 4 ) ス プレー噴霧特性の評価
各種スプレー剤の噴霧特性について、 以下の評価を実施した
①噴霧状態 ; 噴霧を実施し、 以下の基準で評価した。
ノ ズルか ら組成物が発射されない, 噴霧不可能 → X ノ ズルか ら組成物は発射されるが、 ミ ス トの状態とならな い → △
ノ ズルか ら組成物が良好な状態のミ ス ト と して発射される → 〇
②噴霧む ら ; 1 8 c m X 1 8 c mの曇 り ガラス板を垂直に立 て、 水平距離で 2 0 c m離れた位置か らガラス板に向けて噴 霧を 1 回実施し、 直後のガラス面に付着した液滴の分布状態 を観察した。 スプレー剤用組成物の代わ り にイ オン交換水の みを用いた場合の噴霧結果と比較して以下の基準で評価した 大きな液滴が散在し明確に噴霧む らが確認される → X
大きな液滴の散在は見られないが、 イオン交換水の場合と 比較する と明らかに液滴の分布は粗い → Δ
イオン交換水の場合と同等かそれ以上緻密に液滴が分布さ れる → 〇
③液だれ性 ; 噴霧むらの評価と同じ条件で噴霧を数回行い、 垂直ガラス面に隙間のないよう に液滴が吹き付けられた状態 となるまで噴霧を続け、 ガラス板の垂直性を保持した状態で のガラス面上での噴霧液の液だれ性を各噴霧ごとに観察し、 以下の基準で評価した。
1 回の噴霧でも液だれが起こる → X
1 回の噴霧では液だれは起こ らないがガラス表面上での噴 霧液の厚みが増すに従って液だれが発生した → Δ
複数回の噴霧によっても全く液だれが起こ らない → 〇
④塗膜形成能 ; 噴霧むらの評価と同じ条件で噴霧を.行い、 各 組成物を数回吹き付けた曇りガラスの表面をそのままの状態 で常温で乾燥させ、 得られたコーティ ングガラスの表面の状 態を観察し、 以下の基準で評価した。
コーティ ング面の均一性が高く (ざらざらでなく) 、 かつ コーティ ング面を指で擦っても塗膜の剥がれがない → 〇 コーティ ング面にざらざら感が目立つ、 あるいは、 均一性 の高い塗膜であっても塗膜を指で擦ったと ころ簡単に塗膜が 剥がれた → X
実施例 1〜 7
セルロース Z水分散体を組成物と した場合についてまず噴 霧特性を調べた。
( 1 ) セルロース Z水分散体の調製
シー ト状の精製パルプを 5 m m X 5 m mのチップに切断し た重合度 7 6 0 の原料パルプ (以下、 単に精製パルプと呼 ぶ) を、 — 5 °Cでセルロース濃度が 5 w t %になるよう に 6 5 w t %硫酸水溶液に溶解して透明かつ粘調なセルロース ド ープを得た。 このセルロース ドープを、 重量で 2 . 5倍量の 水中 ( 5 °C ) に撹拌しながら注ぎ、 セルロースをフロック状 に凝集させ、 フロ ック状固体の分散液を得た。 この懸濁液を 8 5 °Cで 2 0分間加水分解させた後、 ガラスフィ ルタ一を用 いた減圧濾過によ り分散媒である硫酸水溶液を除去し、 次い で洗液の P Hが 3程度になるまで十分に水洗を繰り返した後 p Hがおよそ 1 1 の希薄なアンモニア水溶液で洗浄 (中和) した後、 さ らにイオン交換水で水洗し、 セルロース濃度が 6 0 w t %の半透明白色のゲル状物を得た。 得られたゲル状物 をイオン交換水で希釈してセルロース濃度が 4.· 0 w t %と なるよう に調製し、 ホモミキサー ( T . K . L o b o . m i c s ™ , 日本国、 特殊機化 (株) 製) を用いて 1 5 0 0 0 r p mの回転速度で 1 0 分間分散処理を行い、 引き続いて超 高圧ホモジナイザー (マイ ク ロフルイダィザ一' τ M, M l 1 0 — E / H型、 日本国、 みずほ工業 (株) 製) を用いて 1 .
7 2 X 1 0 8 P aの圧力下で 5 回処理し、 透明性の高いセル ロース /水分散体 ( p H = 6 . 7 ) を得た。 こ う して得られ たセルロース濃度 4. 0 w t %の試料を試料 Aとする。 図 1 に、 試料 Aの乾燥体の広角 X線パターンを示した。
試料 Aに含まれるセルロースは、 平均重合度が 3 8 、 結晶 化度は、 χ !が 0 、 χ ! !が 0 . 1 8 、 平均粒子径が 0 . 3 ^ mであっ た。
( 2 ) 試料 S 1 〜 S 7 の調製と噴霧特性評価
試料 Aに適宜イ オン交換水を加え、 セルロース濃度が 0 . 5 w t %、 1 . O w t %、 1 . 5 w t %、 2 . O w t %とな るよ う に濃度調製した後、 各々 、 ホモミ キサー ( T . K . L o b o . m i c s ™, 日本国、 特殊機化 (株) 製) を用 い て 1 5 0 0 0 r p mの回転速度で 1 0 分間分散処理を行い、 4種類のセル口一ス /水分散体の本発明の組成物を得た。 こ れら を濃度の低いものか ら順に試料 S 1 、 試料 S 2 、 試料 S 3 、 試料 S 4 と した。 得られた各試料の 0 . 0 5 w t %に希 釈した際の 6 6 O n mの可視光の透過率は、 9 9 % ( S 1 ) 9 8 % ( S 2 ) 、 9 6 % ( S 3 ) および 9 3 % ( S 4 ) であ つ た。 また 4つの試料の 2 5 °Cでの ?7 m a xの値は、 2 X 1 0
3 m P a - s ( S I ) , 2 X 1 0 5 m P a · s ( S 2 ) 、 2 I 0 6 m P a - s ( S 3 ) および 5 X 1 07m P a ' s ( S
4 ) であっ た。 特に試料 S 3 について、 コ一ンプレー ト型回 転粘度計を用いて本発明で規定する粘度 ( 7? m a x ) を評価
する際の具体的な測定例を図 2および図 3 に示した。
市販の微結晶セルロース Z水分散体、 セォラス F P — 0 3 ™ (セルロース濃度 : 1 0 w t %, 日本国、 旭化成 (株) 製) をイ オン交換水で希釈し、 セルロース濃度が 4 . 0 w t %となる よ う に調製した後、 T . K . L o b o . m i c s ™ ( 日本国、 特殊機化 (株) 製) を用いて 1 5 0 0 0 r p mにて 1 0 分間分散処理を行っ て分散させてセルロース /水 分散体 (試料 S 5 ) 得た。
次に、 セォラス F P — 0 3 T Mをイ オン交換水で希釈し、 セルロース濃度が 2 . 0 w t % となるよ う に調製した後、 T , K . L o o . m i c s ™ (日本国、 特殊機化 (株) 製) を用いて 1 5 0 0 0 r p mにて 1 0 分間分散処理を行って得 たセルロース /水分散体を超高圧ホモジナイザ一 (マイ ク ロ フルイ ダィ ザー T M, M 1 1 0 — EノH型、 日本国、 みずほ 工業 (株) 製) を用いて 1 .. 7 2 X 1 0 8 P a の圧力下で 5 回処理する こ とによ り 、 セルロース濃度が 2 . 0 w t %の半 透明性白色のセルロース /水分散体 (試料 S 6 ) を得た。
試料 S 5 および試料 S 6 に含まれるセルロースは、 共に平 均重合度が 1 5 0、 結晶化度は、 χ I が 0 . 6 5 、 χ 11 が 0 であった。 また、 平均粒子径は試料 S 5 のセルロースが 5 . 2 a m, 試料 S 6 のセルロ一スが 0 . であっ た。 セル ロース濃度 0 . 0 5 w t %希釈時の 6 6 0 n m可視光の透過 率は、 試料 S 5 が 0 . 3 %、 試料 S 6 が 2 6 %であっ た。 試
料 S 5 および S 6 の 7? m a xの値はそれぞれ、 6 X I 0 4 m P a · s および 7 X 1 0 4 m P a ' s であった。
また、 市販のキュブラ長繊維を長さ 1 mmに細断したもの を 3 0 %硫酸水溶液中で 8 0 °Cにて 2 時間加水分解処理した 後、 得られた分散体をガラスフィ ルターでろ過し、 P Hが 4 付近になるまでイオン交換水を用いて水洗を繰り返した。 得 られたケ一ク を p H = l 1 程度の希薄アンモニア水で中和し た後、 さ ら にイ オン交換水で水洗した。 得 られた分散体を、 セルロース濃度が 2 . 0 w t %になる までイ オン交換水で希 釈し、 T . K . L 0 b 0 . m i c s ™ (特殊機化 (株) 製) を用 いて 1 5 0 0 0 r p mにて 1 0 分間分散処理を行つ て分散させて予備分散を行い、 さ ら に、 超高圧ホモジナイザ 一 (マイ ク ロ フルイ ダィザ一 TM, M l 1 0 - E ZH型、 み ずほ工業 (株) 製) を用いて 1 . 7 2 X 1 0 8 P aの圧力下 で 5 回処理する こ と によ り 、 セルロース濃度がやはり 2 . 0 w t %の半透明性でやや白色がかっ たセルロース /水分散体 (試料 S 7 ) を得た。
試料 S 7 に含まれるセルロースは、 平均重合度が 4 2 、 結 晶化度は、 χ !が 0、 χ ! !が 0 . 5 2 であっ た。 また、 平 均粒子径は 0 . 3 /_i m、 セルロース濃度 0 . 0 5 w t %希釈 時の 6 6 O n m可視光の透過率は、 6 5 %であっ た。 試料 S 7 の ^ m a の値は 8 X 1 0 4 m P a · s であっ た。
得 られた各分散体を各々 、 市販の容量 5 O m l 用のディ ス
ペンサー型のスプレー容器 ( (株) サンブラテッ ク製) に充 填し、 噴霧特性の評価を行った。 得られた結果を表 1 に示す t いずれの試料も良好な噴霧特性を示すこ とがわかった。
さ らに、 本発明のスプレー用組成物は噴霧塗布して乾燥さ せた後に良好な塗膜形成する ことが必要であるので、 乾燥時 の塗膜形成能についても調べた。 その結果、 試料 S 1 〜 S 7 の各々についてはコーティ ング面はいずれも均一性が高く
(ざらざらでなく) 、 かつコ一ティ ング面を指で擦っても塗 膜の ¾がれがなく 、 強固な塗膜の形成を確認できた。 結果を 表 1 に示す。 比較例 1 〜 7
(試料 H 1 〜 H 7 の調製と噴霧特性評価)
本発明の構成要件を満たさないセルロースの分散体、 高分 子水溶液あるいは微粒子分散体を用いた際の噴霧特性を調べ た。
結晶セルロース粉末であるアビセル P H— 1 0 1 T Mをィ オン交換水中に 5 w t %のセルロース濃度で分散し、 T . K L 0 b 0 . m i c s ™ (日本国、 特殊機化 (株) 製) を用 いて 1 5 0 0 0 r p mにて 1 0 分間分散処理を行って白色の セルロース /水分散体 (1-1 1 ) を得た。
H 1 は数分間静置する と透明な上澄みが出現する状態であ り 、 組成物としては明 らかに不均一、 不完全な分散体であつ
た。
試料 H 1 に含まれるセルロースは、 平均重合度が 1 5 0 、 結晶化度は、 χ !が 0 . 6 4 、 χ T iが 0 であっ た。 また、 平均粒子径は 2 1 m、 セルロース濃度 0 . 0 5 w t %希釈 時の 6 6 0 n m可視光の透過率は、 ほぼ 0 %であっ た。 試料 H I の 77 m a xの値は l X 1 0 3 m P a ' s であっ た。 なお、 試料 H 1 における透過率、 m a x の測定時には直前に強く 振と う した後、 素早く 測定を実施した。
さ ら に比較試料と して、 アク リ ル酸系架橋共重合体である カーボポール 9 4 0 T M (日本国、 中外貿易 (株) 販売) 、 ポ リ アク リ ルアミ ド (平均分子量 : 9 0 0 万〜 1 0 0 0 万, 日本国、 キシダ化学 (株) 製) 、 合成ス メ ク タイ ト微粒子で あるスメ ク ト ン S A 2 T M (日本国、 クニミ ネ工業 (株) 製) に対し、 各々イ オン交換水を溶媒あるいは分散媒と して それぞれ 0 . 5 w t %および 1 . 5 w t % になるよう に水溶 液ある いは水分散体を調製した。
カーボポールおよびポ リ アク リ ルアミ ドについては定法で 水溶液を調製 (カーボポール水溶液は溶解後、 希薄アンモニ ァ水による中和を実施) し、 力一ポポールの 0 . 5 w t %水 溶液 (ゲル状) と して試料 H 2 を、 1 . 5 w t %水溶液 (ゲ ル状) と して試料 H 3 を、 ポリ アク リ ルアミ ドの 0 . 5 w t %水溶液 (溶液状) と して試料 H 4 を、 1 . 5 w t %水溶 液 (溶液状) と して試料 H 5 を得た。
スメ ク ト ン S A 2 T Mに関しては、 2つの濃度に調製した 後、 各々 ホモミ キサー ( T . K . L o b 0 . m i c s ™, 日本国、 特殊機化 (株) 製) を用いて 1 5 0 0 0 r p mの回 転速度で 1 0 分間分散処理を行い、 透明性のある水分散体を 得た。
ス メ ク ト ン S A 2 T Mの 0 . 5 w t %分散体を試料 H 6 、 1 5 w t %分散体を試料 H 7 と した。 得られた各試料の 0 . 0 5 w t % に希釈した際の 6 6 0 n mの可視光の透過率は、 9 9 %以上 (H 2 , H 3 , H 4 , H 5 ) 、 8 9 % ( H 6 ) およ び 7 2 % ( H 7 ) であっ た。 また 6 つの試料の 2 5 °Cでの 7? m a xの値は、 3 X 1 0 6 m P a ' s ( H 2 ) 、 1 X 1 0 7 m P a ' s (H 3 ) 、 4 X 1 0 2 m P a - s (H 4 ) 、 4 X 1 0 4 m P a ' s (H 5 ) 、 3 X 1 0 2 m P a - s (H 6 ) お よび l X 1 0 6 m P a · s ( H 7 ) であっ た。 得られた各分 散体または各水溶液 (H 1 〜H 7 ) を各々 、 市販の容量 5 0 m l 用 のディ スペンサー型のスプレー容器 ( 日本国、 (株) サンブラテッ ク製) に充填し、 噴霧特性の評価を行っ た。 得 られた結果を表 1 に示した。
比較的大きな粒径のセルロースを含む分散体 (H I ) では ノ ズルへの一時的な詰ま り も伴い、 安定な噴霧は達成されな かっ た。 噴霧む ら も 目立っていた。 さ ら に、 分子状に分散
(溶解) している、 カーボポール、 ポ リ アク リ ルア ミ ドの各 水溶液では濃度を問わず、 スプレー噴霧を.実施する こ とがで
きず、 これらを含む粘調な溶液はスプレー剤の組成物として 不適当である こ とが示された。 一方、 スメク ト ンの分散液は 良好な噴霧特性を示したが、 液だれ性という観点では、 こ こ に例示した条件では必ずしも満足のいく ものではないこ とが 示された。 試料 S 1 〜 S 7 と同様の方法によ り、 試料 H 1 〜 H 7 の塗膜形成能を調べたところ、 試料 H 1 はざらざら感の 目立つ白色表面、 試料 H 2〜 H 7 は透明な均一性の高い塗膜 を得る ことが確認された。 しかしながら、 塗膜を指で擦った ところ、 試料 H 1 〜 H 5 は剥がれが見られなかったが、 試料 H 6 及び H 7 では簡単に塗膜が剥がれ、 剥離による粉状物が 指に付着した。 この結果、 スメク ト ンの分散液は噴霧特性に おいては良好な結果を示すものの、 塗膜形成能が本発明の組 成物よ り も明らがに低いことが確認された。 結果を表 1 に示 す。 実施例 8 および比較例 8
本発明の組成物と合成スメクタイ 卜分散液との差異につい て明確にするため、 以下の実験を行った。
上記した試料 Aに対してイオン交換水, エタ ノールを適宜 加え、 セル口一ス濃度 2 w t %、 分散媒がェ夕ノール/水 = 3 0 / 7,0 ( g / g ) 混合溶液となるよう調製し、 ホモミキ サー ( T . K . L o b o . m i c s ™, 日本国、 特殊機化 (株) 製) を用いて 1 5 0 0 0 r p mの回転速度で 1 0 分間
'分散処理を行い、 透明な水分散体を得た (試料 S 8 ) 。
同様にスメ ク ト ン S A 2 T Mに対してイオン交換水, エタ ソールを適宜加え、 ス メ ク ト ン濃度 2 w 1: %、 分散媒がエタ ノ ールノ水 = 3 0ノ 7 0 ( g / g ) 混合溶液と なるよ う調製 し、 ホモミ キサー ( T . K . L 0 b o . m i c s ™, 特殊 機化 (株) 製) を用いて 1 5 0 0 0 r p mの回転速度で 1 0 分間分散処理を行ったと ころ、 不透明白色の水分散体が得ら れた (試料 H 8 ) 。
上記のよ う にして得られた各試料の 0 . 0 5 w t 。/。に希釈 した際の 6 6 0 n mの可視光の透過率は、 9 2 % ( S 8 ) お よび 2 % ( H 8 ) であった。 また 2つの試料の 2 5 °Cでの 77 m a xの値は、 6 X 1 0 7 m P a · s ( S 8 ) および 1 X 1 0 6 m P a · s ( H 8 ) であった。
試料 S 8 と試料 H 8 の各分散体を各々、 市販の容量 5 0 m 1 用のディ スペンサー型のス プ レー容器 ( 日本国、 (株) サ ンプラテック製) に充填し、 噴霧特性の評価を行った。 得ら れた結果を表 2 に示す。 共に良好な噴霧特性を示した。
次に、 前述した方法によ り 各組成物の塗膜形成能を観察し たと ころ、 試料 S 8 のスプレーコーティ ング表面は透明であ り 指で擦っても表面からのコーティ ング層の剥離が全く 見ら れなかった。 これに対し、 試料 H 8 のスプレーコーティ ング 表面は不透明であるばかり 力 乾燥と同時にガラス表面上で 弱い凝集力のため、 ざら ざら した不均一な構造をと つて 訂正された用紙 (規則 91)
いた。
さ らに、 試料 H 8 のコーティ ング層を指で擦る と白色の乾 燥層は容易に剥離し、 粉状物が指に付着した。 さ らに比較の ため、 比較例 7 で評価した際に得た、 比較的透明性の高いス メク ト ン 1 . 5 w t % Z水分散体からのスプレーコ一ティ ン グ表面を観察したと ころ、 乾燥面の透明性が高いこ とは確認 された (ただし、 経時的な液だれのために厚みが不均一) 。 しかしながら、 この透明なコーティ ング層を指で擦ってもや はり容易にスメク夕イ トの粉末が剥離し、 合成スメク夕イ ト がセル口一ス微粒子と比べ乾燥時の凝集性が低いため連続し た塗膜を形成し難い、 すなわち塗膜形成能がほとんど無いこ とが判明した。
したがって、 合成スメ ク夕イ トのような無機微粒子分散組 成物ではスプレー剤としての液だれ性防止にはある程度なり 得るが、 アルコールのような汎用性の高い分散媒の添加で凝 集を起こ し不均一化してしまう点、 塗布層が乾燥後に容易に 剥離し、 塗膜としての機能を保持しない点において不備であ る こ とがわかった。 実施例 9 〜 1 1
機能性添加剤がイオン性化合物である本発明の組成物の具 体例と して、 次の実験を実施した。 機能性添加剤として、 両 イオン性の保湿剤であるべタイ ン ( N — ト リ メチルグリ シン
( C H ) 3 N + C H 2 C O O— ) を配合した組成物を調製し、 その安定性、 スプレー噴霧性および塗膜形成能を調べた。 本 実施例では以下の 3種類の組成物を調製した。
試料 S 9 : セルロース : 1 . 5 w t %
ベタイ ン : 0 . 5 w t %
水 : 残余
試料 S 1 0 : セルロース : 1 . 5 w t 0/0
ベタイ ン : 0 . 5 w t %
エタ ノール : 1 0 w t %
水 :'残余
試料 S 1 1 セノレロース : 1 . 5 w t %
ベタイ ン : 6 w t %
水 : 残余
試料の調整方法.は次の通 り行った。
上記の試料 Aに所定量のベタイ ン、 エタ ノール (試料 S 1 0 にのみ添加) 、 およびイ オン交換水を混合し、 真空乳化装 置 ( P V Q - 3 U N , 日本国、 みづほ工業 (株) 製) を用い て室温 (冷却下) にて 1 0 0 0 0 r p mの回転速度で 1 0分 間の分散処理を行った後に真空脱泡し、 各試料と した。 得ら れた 3つの試料について評価した 7„χは、 3 X 1 0 5 m Ρ a - s ( S 9 ) , 8 X 1 0 5 m P a - s ( S 1 0 ) , 7 X 1 0 5 m P a . s ( S 1 1 ) 、 0 . 0 5 w t %に水で希釈した 際の 6 6 0 nmの透過率は 9 6 °/。 ( S 9 ) , 9 1 % ( S 1 訂正された用紙 (規則 91)
0 ) , 9 3 % ( S 1 1 ) であった。
得られた各試料について、 調製直後の状態 (均一性と相分 離状態) とそれらを室温にて 2 4時間保管した後の状態とを 確認したと ころ'、 いずれの試料においても組成物の調製直後 および調製後 2 4時間静置した後共に、 均一であ り相分離は 全く確認されなかった。 この結果、 3 つの組成物が均一性と 安定性の点で好適である こ とが判明した。 S 9 〜 S 1 1 の各 試料のスプレー噴霧時の噴霧状態、 噴霧むら、 液だれ性につ いて、 試料 S 1 〜 S 8 と同様に評価したところ、 すべての試 料の噴霧状態、 噴霧むら、 液だれ性についても〇であった。 また、 実施例 1 〜 7で実施したのと同様の方法によ り 3 つの 試料について塗膜形成能を評価したと ころ、 いずれもコーテ ィ ング面は均一性が高く (ざらざらでなく) 、 かつコ一ティ ング面を指で擦っても塗膜の剥がれがなく 、 強固な塗膜の形 成を確認できた。
以上によ り 、 安定性、 スプレー噴霧性、 塗膜形成能のいず れにおいても 3 つの試料が好適に使用できる こ とがわかった 実施例 1 2
上記の試料 Aを用いて、 美白効果を有する以下の組成の美 白ジエルスプレー剤を作製した。
ジプロ ピレングリ コール (保湿剤) : 5 · 0 w t %
ポ リ エチレングリ コール (保湿剤) : 5 . 0 w t %
エタ ノ ーノレ : 1 0 . 0 w t %
ポ リ ォキシエチレンソルビタ ンモノ ステア リ ン酸エステノレ (界面活性剤) ··, 1 . 0 w t %
ソルビタ ンモノ ォレイ ン酸エステル (界面活性剤) : 0 . 5 w t %
ォレイ ルアルコ ール (ェモ リ エ ン ト剤) : 0 . 5 w t % プラセンタエキス (薬剤) : 0 . 2 w t %
ビタ ミ ン Eアセテー ト (薬剤) : 0 . 2 w t %
香料, 防腐剤, 褪色防止剤 : 各々適量
試料 A : 3 7 . 5 w t %
精製水 : 3 9 . 3 w t %
(製法)
試料 Aに精製水を加え、 ホモミ キサー ( T . K . R O B O M I C S™, 日本国、 特殊機化 (株) 製) による 7 0 0 0 r p mでの分散処理下、 保湿剤, 褪色防止剤を順次溶解する 溶解後、 さ らに 1 0分間分散処理を続け、 水性ゲル状物を得 た。 エタ ノ ールに界面活性剤、 ェモ リ エン ト剤、 薬剤、 防腐 剤を順次溶解し、 水性ゲル中にこれを添加し、 ホモミ キサー によ る 1 0 0 0 0 r p mの回転下でマイ ク ロエマルジヨ ン化 した。 最後に脱気、 濾過を行い、 得られた半透明のゲル状組 成物をディ スペンサータイプの 5 0 m 1 用スプレー容器 ( 日 本国、 (株) サンブラテック製) に充填した。 本試料を試料 訂正された用紙 (規則 91)
S I 2 とする。 ゲル状組成物の 0 . 0 5 w t %に希釈した際 の 6 6 0 n mの可視光の透過率は 3 4 % 、 2 5 °Cでの ?7 m a xの値は、 1 X 1 0 7 m P a · s であっ た。
(評価)
試料 S 1 2 のスプレー噴霧性能を評価したと こ ろ、 噴霧状 態、 噴霧む ら、 液だれ性のいずれも〇であっ た。 また、 ゲル 状組成物は均一な性状を有し、 長期 ( 3 0 °C下、 3 ヶ月 ) に 渡って成分の分離等は見 られず、 安定性の高い こ とが示され た。 さ ら に、 本試料を 1 0 名の健常人のパネラーの上腕部に スプレー塗布し、 2 4時間ク ローズ ドパ ッチ後の皮膚刺激性 を、 〇 ; 皮膚刺激性なし、 △ ; 皮膚刺激性ややある、 または 微妙、 X ; 皮膚刺激性あ り 、 の 3 段階で評価しても ら ったと こ ろ、 1 0 名共〇という 結果が得られ、 安全性が髙い こ と も 確認された。 さ ら に上記 1 0 名のパネラーに顔にスプレー噴 霧にて塗布した直後の使用感をアンケー ト した と こ ろ、 全員 がさ ら さ ら感、 清涼感を高く評価した。 実施例 1 3
上記の試料 Aを用いて、 保湿 · 柔軟乳液と しての機能をも つ以下の組成のェモ リ エン ト ローショ ンスプレ一剤を作製し た。
セチルアルコール (油分) : 1 . 0 w t %
ミ ツ ロウ (油分) : 0 . 5 w t %
ワセ リ ン (油分) : 2. 0 w t %
ス ク ヮ ラ ン (油分) : 6 . 0 w t %
ジメチルポリ シロキサン (油分) : 2 . 0 w t %
エタ ノ ーノレ : 5 . 0 w t %
グリ セ リ ン (保湿剤) : 2. 0 w t %
1 , 3 —ブチレングリ コール (保湿剤) : 3 . 0 w t % ポ リ エチ レング リ コール ( 1 0 ) モノ ォレイ ン酸エステノレ
(界面活性剤) : 0 . 5 w t %
グ リ セロールモノ ステア リ ン酸エステル (界面活性剤) : 0 w t %
防腐剤, 香料 : 各々適量
試料 A : 3 0 . 0 w t %
精製水 : 2 9 . 0 w t %
(製法)
乳化機と してホモミ キサー ( T . K . R O B OM I C S ™, 日本国、 特殊機化 (株) 製) を使用 し、 まず 7 0 0 0 r p m程度の攪拌下、 精製水に保湿剤を加え、 7 0 °Cに加熱 する。 予め油分に界面活性剤と防腐剤を加え、 7 0 °Cに加熱 調製しておいた油性成分を水相に加え、 予備乳化を行う。 ホ モ ミ キサーの回転数を 9 0 0 0 r p mと し、 試料 Aとェタ ノ ールを乳化液の中に添加し、 1 0分間分散処理を続ける。 得 られた白色ゲル状液を脱気し濾過、 冷却する。 得られた組成 正 た 91
物をディ スペンサータイ プの 5 0 m l 用スプレー容器 (日本 国、 (株) サンブラテッ ク製) に充填した。 本試料を試料 S 1 3 とする。 ゲル状組成物の 0 . 0 5 w t %に希釈した際の 6 6 0 n mの可視光の透過率は 2 %、 2 5 での 7] m a xの 値は、 3 X 1 0 6 m P a ' s であっ た。
(評価)
試料 S 1 3 のスプレー噴霧性能を評価したと こ ろ、 噴霧状 態、 噴霧む ら、 液だれ性のいずれも〇であっ た。 また、 ゲル 状組成物は均一な性状を有し、 長期 ( 3 0 °C下、 3 ヶ 月 ) に 渡っ て成分の分離等は見られず、 安定性の高い こ とが示され た。 さ ら に、 本試料を 1 0 名の健常人のパネラーの上腕部に スプレー塗布し、 2 4時間ク ローズ ドパ ッ チ後の皮膚刺激性 を、 〇 ; 皮膚刺激性なし、 △ ; 皮膚刺激性ややある、 または 微妙、 X ; 皮膚刺激性あ り 、 の 3段階で評価しても ら っ たと こ ろ、 9 名が〇、 1 名が△とい う結果が得られ、 安全性が高 い こ とも確認された。
さ ら に上記 1 0名のパネラーに顔にスプレー噴霧にて塗布 した直後の使用感をアンケー ト した と こ ろ、 全員がさ ら さ ら 感、 清涼感を高く評価した。 実施例 1 4 , 比較例 9
上記の試料 Aを用いて、 以下の組成のエアゾール式シェ ビングフ ォームを作製した。
( 1 ) 組成物の処方
ステア リ ン酸 (油分) : 4 . 5 w t %
ヤシ油脂肪酸 (油分) : 1 . 5 w t %
グ リ セ リ ンモノ ステア リ ン酸エステル (界面活性剤) : 5 0 w t %
グリ セ リ ン (保湿剤) : 1 0 . 0 w t %
ト リ エタ ノ ーノレア ミ ン (アルカ リ ) : 4. 0 w t %
香料 : 適量
試料 A : 2 5 . 0 w t % (実施例 1 4 )
試料 A : 添加せず (比較例 9 )
精製水 : 5 0 . 0 w t % (実施例 1 4 )
精製水 : 7 5 . 0 w t % (比較例 9 )
( 2 ) 充填処方 (実施例、 比較例共に以下の処方と した) 組成物 : 9 6 . 0 w t %
L P G (噴射ガス) : 4 . 0 w t %
(製法)
組成物は、 精製水にグリ セ リ ン、 ト リ エタ ノ ールア ミ ンを 加え、 7 0 °Cに加熱する (水相) 。 他の成分を加熱溶解して 7 0 °Cに保つ (油相) 。 水相に油相を加え、 反応、 乳化させ た 乳化はホモ ミ キサー ( T . K . R O B OM I C S Τ M 日本国、 特殊機化 (株) 製) を用い、 8 0 0 0 r p mの回転 数下で行った。 この後、 3 0 °Cまで冷却させた後、 実施例 1 訂正された用紙 (規則 91)
4の場合のみ 8 0 0 0 r p mの回転数下で試料 Aを加え、 さ らに 1 0分間分散処理を続けた。 両ケース共、 その後に脱気 濾過を行い、 白色粘調な乳化組成物を得た。 充填は、 共にェ ァゾール用缶に組成物を処方量充填し、 パルプ装着後ガスを 処方量充填した。 実施例 1 4で得た試料を S 1 4 、 比較例 9 で得た試料を H 9 とする。 ゲル状組成物の 0 . 0 5 w t %に 希釈 (セルロースを含まない H 9 に関しては、 油分の総濃度 が S 1 4 の 0 . 0 5 w t %希釈分散体と 同濃度と なる よ う に 水で希釈) した際の 6 6 0 n mの可視光の透過率は両試料共 1 %未満、 2 5。Cでの η m a xの値は、 2 X 1 0 6 m P a · s
( S 1 4 ) および 5 X 1 0 3 m P a · s ( H 9 ) であった。
(評価)
試料 S 1 4及ぴ H 9 のスプレー噴霧性能を評価したと こ ろ 両試料共に良好な状態のフォーム (泡) を与えた。 噴射後、 5分後の泡の大き さを比較したと ころ、 試料 H 9 で得たフォ ームが 1 / 2以下の体積に消泡していたのに対し、 試料 S 1 4で得たフォームは噴射直後のフォームの大き さを維持し、 実施例 1 4 において泡の保持性が大変髙いこ とが示された。 両試料共、 皮膚への定着性は良好であった。 また、 両試料共 長期 ( 3 0 °C下、 3 ヶ月) に渡って安定な噴霧特性をもつこ とが示された。 さ らに、 2つの試料を 1 0名の健常人 (パネ ラー) のあごに噴射塗布し、 シェービングフォーム と して使 用 しても らい、 その使用感をアンケー ト した と ころ、 試料 S 1 4では全員が、 試料 H 9 では 7名が使用感の良さ を高く 評 訂正された用紙 (規則 91)
価した。 泡の保持性、 使用感の点で試料 S 1 4 の優位性が確 't¾ れ /こ。 実施例 1 5
上記の試料 Aを用いて、 以下の組成のエアゾール式非ステ ロイ ド系消炎鎮痛剤を作製した。
( 1 ) 組成物の処方
ケ トプロ フ ェ ン (有効成分) : 0 . 3 w t %
エタ ノ ーノレ : 3 0 . 0 w t %
プロ ピ レング リ コ ル (水溶性添加成分) : 1 . 0 w t % セチルァノレ コ ーノレ (油分) : 0 . 5 w t %
パル ミ チン酸 (油分) : 0 . 5 w t 。/0 '
ミ リ スチン酸ィ ソプ'口 ピル (油分) : 0 . 1 w t %
ジメ チルポ リ シロ キサン (油分) : 0 . 1 w t %
ポ リ オキシエチ レン ( 5 0 ) 硬化ヒ マシ油 (界面活性剤) :
0 . 2 w t %
ク ェ ン酸 ( p H調整剤) : 0 . 0 6 w t %
試料 A : 1 8 . 8 w t %
精製水 : 4 8 . 4 w t %
( 2 ) 充填処方
組成物 : 5 0 . 0 w t %
L P G (噴射ガス) : 5 0 . 0 w t %
(製法) 訂正された 91
試料 Aに精製水を加え、 ホモミ キサー ( T . K . R O B O M I C S™, 日本国、 特殊機化 (株) 製) による 7 0 0 0 r p mでの分散処理下、 水溶性添加剤を溶解する。
溶解後、 さ らに 1 0分間分散処理を続け、 やや粘調な透明 分散体を得た。 エタ ノールに界面活性剤、 油分、 有効成分を 順次溶解し、 透明分散体中にこれを添加し、 ホモミ キサーに よる 1 0 0 0 0 r p mの回転下でマイ ク ロエマノレジョ ンィ匕し た。 最後に脱気、 濾過を行い透明性の高い粘調な組成物が得 られた。 充填は、 エアゾール用缶に組成物を処方量充填し、 バルブ装着後ガスを処方量充填した。 実施例 1 5 で得た試料 を S 1 5 とする。 組成物を 0 . 0 5 w t %に希釈した際の 6 6 0 n mの可視光の透過率は 8 4 %、 2 5 °Cでの 77 m a xの 値は、 8 X 1 0 3 m P a · s であった。
(評価)
試料 S 1 5 のスプレー噴霧性能を評価した と ころ、 噴霧状 態、 噴霧むら、 液だれ性のいずれも〇であった。 また、 長期 の保存 ( 3 0 °C下、 3 ヶ月) 後に噴霧性能を評価してもほぼ 同等の結果が得られ、 保存安定性が髙いこ とが確認された。 本試料を 1 0名の健常人のパネラーに 1 0 日 間に渡り 運動後 の筋肉痛消炎効果について評価しても らい、 塗布した直後の 使用感および筋肉痛消炎効果をアンケー ト したと ころ、 使用 感については全員がさ ら さ ら感、 清涼感を高く評価し、 消炎 効果についても 8名が非常に効果がある と回答した。 訂正された用紙 (規則 91)
実施例 1 6
上記の試料 Aを用いて、 以下の組成の ト リ ガー式容器に充 填された洗浄剤を作製した。
ポ リ オキシエチ レン ( 1 3 ) ノ ユルフェニルエーテル (界面 活性剤) : 5 . 0 w t %
エタ ノ ーノレ : 5 . 0 w t %
防腐剤 : 適量
試料 A : 3 7 . 5 w t %
精製水 : 5 2 . 5 w t %
(製法)
試料 Aに精製水を加え、 ホモ ミ キサー ( T . K . R O B O M I C S™, 日本国、 特殊機化 (株) 製) による 7 0 0 0 r p mで 1 0分間分散処理を続け、 その後に界面活性剤を添 加し、 引き続き、 防腐剤を溶解させたエタ ノールを加えた。 添加終了後、 さ らに 1 0分間分散処理を行い、 最後に脱気、 濾過を行い透明ゲル状の組成物を得た。 得られた組成物を ト リ ガ一式の 5 0 0 m l 用噴霧容器 (キヤ二オンスプレー T M 日本国、 (株) サンブラテック製) に充填した。 本試料を S 1 6 とする。 組成物を 0 . 0 5 セ %に希釈した際の 6 6 0 n mの可視光の透過率は 9 2 %、 2 5 °Cでの m a x の値は 3 X 1 0 6 m P a ' s であった。 訂正された用紙 (規則 91)
(評価')
試料 S 1 6 のスプレー噴霧性能を評価したところ、 噴霧状 態、 噴霧むら、 液だれ性のいずれも〇であった。 また、 ゲル 状組成物は均一な性状を有し、 長期 ( 3 0 下、 3 ヶ月) に 渡って成分の分離等は見られず、 安定性の高いことが示され た。
さ らに、 油性物質で汚れた固定陶器 (小用便器) の垂直面 に本試料を噴霧し、 布でふき取ったと ころ、 良好な洗浄効果 が確認された。 ふき取った後の表面に本発明のセルロースが 残り、 光沢性が失われることも全く 無かった。 両親媒性のセ ルロースが油性の汚染物質を水および界面活性剤の存在下で 取り囲む効果を極めて有効に補助しているものと推定される
表 1
表 2
試料名 噴霧状態 噴霧む ら 液だれ性
S 8 〇 〇 〇
H 8 〇 Δ Δ
産業上の利用可能性
本発明のスプレー用組成物は、 噴霧性が良好で、 噴霧後の 定着性、 液だれ防止性、 塗布時ののび、 塗布後の仕上り (噴 霧むらの少なさ) に優れているためスキンケア製品、 ヘアケ ァ製品、 外用医薬品、 経口用医薬品、 防虫剤、 芳香剤、 消臭 剤、 抗菌剤、 滅菌剤、 消口臭剤、 洗浄剤、 塗料、 防曇用コ一 ティ ング剤、 帯電防止用コーティ ング剤、 防腐剤など、 広範 な分野に用いる ことができる。 また、 スプレー噴霧装置に充 填する組成物の組成によっては、 極めて泡もちの良いフォー ム形成力をもつスプレー剤や安全性の高いスプレー剤として 用いる ことができる。 更に、 液状分散媒体や配合成分を本発 明の効果を損なわない範囲で適宜選択する ことによって、 既 存のスプレー剤だけでなく 、 広範な水系組成物のスプレー剤 として用いる ことができる。