WO2004031002A1

WO2004031002A1 - エアバッグ用インフレータ

Info

Publication number: WO2004031002A1
Application number: PCT/JP2003/012534
Authority: WO
Inventors: Nobuyuki Katsuda
Original assignee: Daicel Chemical Industries, Ltd.
Priority date: 2002-10-01
Filing date: 2003-09-30
Publication date: 2004-04-15
Also published as: EP1547878A4; EP1547878A1; EP1547878B1; DE60332032D1; JP4113439B2; JP2004175335A

Abstract

乗員の体格差に応じて、エアバッグ用の膨張具合を調整でき、更に小型化を実現できるサイド用インフレータを提供する。　２つの点火器を有するインフレータの軸方向両側にガス排出口を設け、何れか一方の軸方向に形成したガス排出口の総開口面積と、他の軸方向に形成したガス排出口の総開口面積とを異ならせたインフレータとする。

Description

明細書

エアバッグ用インフレ一夕

発明の属する技術分野

本発明は、作動時における安定性を向上させたエアバッグ用インフレ一夕、特に乗員の体格（身長差や座高差など）の違いに合わせて展開パターンなどを細かく調整できるものとしたサイド用のインフレ一夕に関する。

従来の技術

自動車その他の車輛に取り付けられるエアバッグ用インフレ一夕としては、運転席用インフレ一夕、助手席用インフレ一夕、サイド用インフレ一夕、力一テン用インフレ一夕、プリテンショナ一用インフレ一夕など、その取り付け部位や目的などに応じて各種のものが提供されている。

この内、サイド用インフレ一夕は、車輛における側面衝突時の安全性を向上させるエアバッグシステム (サイドエアバッグシステム) に使用されるもので、多くの場合、シートバック等に取り付けられている。従来サイドエアバッグシステムは、側面衝突時に主に乗員の胸部を中心に障害を軽減するものとして提供されていたが、近年では、頭部と胸部、或いは胸部と腰部をも保護するものも提供されている。

しかし現在提供されているサイド用インフレ一夕に取り付けられるエアバッグは、何等仕切られていない 1つの袋体であることから、乗員の体格（特に身長差や座高差）の違いに対応した最適な保護を行うのは困難なものとなっている。即ち、背の低い乗員の胸部や頭部を保護する場合には、サイド用のエアパッグをシートバック等の低い位置に取り付ける必要があり、一方背の高い乗員の頭部や胸部を保護する為には、エアバッグを高い位置に取り付ける必要がある。これらを 1つのエアバッグで全てまかなうには、相当大きなエアバッグが必要になり、その結果、大きなエアバッグを膨張させ得る程に大量のガスを放出できる大型のインフレ一夕の使用が強いられることになる。更に 1つのエアバッグとした場合でも、膨張したときのバッグの厚さが厚くなる。車内では、車輛のドアパネルと乗員との間の隙間は狭いため、この空間に厚いエアバッグが膨張した場合には、乗員に対しての衝撃が大きくなることが十分に考えられる。特にドアパネルにァ一ムレストなどが設けられている場合には、更に乗員側に突出した構造になり、ドアパネルと乗員の隙間が更に狭くなる。

しかしながら、一方ではサイド用インフレ一夕の配置場所に関する制限もある。このため、インフレ一夕容積の巨大化は設置場所などに関する問題をも生じさせるものとなっている。

そこで現在、乗員の頭部と胸部、或いは胸部と腰部を保護する為に、車輛の高さ方向に広い範囲で膨張するというサイド用インフレ一夕の特殊性を考慮し、乗員の体格差に応じて、エアバッグ用の膨張具合を調整でき、更に小型化を実現できるサイド用インフレ一夕が要求されている。

しかし現在提供されているサイド用インフレ一夕は、例えば米国特許 5 5 4 2 7 0 2号公報等に示される様に、作動を開始させる点火器が 1つ使用されているだけであり、これは点火器の作動によって排出されるガスの放出具合が一義的に特定されてしまうことから、ァバッグの膨張具合を任意に変化させることができない。

作動時に於けるガスの放出具合を調整し得るインフレ一夕としては、例えば米国特許 6 0 3 9 3 4 8号公報等に示されているように、 2つの点火器の作動を調整するもの（ディュアルタイプインフレ一夕）が提案されている。しかし従来提供されているものは助手席側等に取り付けるものであって、サイド用ィンフレー夕の特殊性（乗員の頭部と胸部、或いは胸部と腰部を保護する為に高さ方向に広い範囲で膨張する特殊性）を考慮するものでないことから、これを直ちにサイド用インフレ一夕に適用することはできない。即ち、これをサイド用インフレ一夕に適用したとしても、 1つのエアバッグにガスを送り込むのに変わりなく、単にエアバッグ全体の展開圧力を変更するに過ぎないことから、乗員の体格に応じた最適な保護を実現することはできない。更に同公報に開示の内容は、衝撃の大きさによって作動させる点火器を使い分けるものであり、乗員の体格により保護すべき部分を膨張させるものではない。

また米国特許 5 7 9 4 9 7 3号公報（特に、当該文献の図 1 0 ) には、ハウジング内の中央に仕切部材を設けて内部空間を 2室に区画して、各室の端部にそれぞれ点火器とプロペラントを配置すると共に、仕切部材には開口の異なるガス排出口と両室を繋ぐ連通孔とを形成したインフレ一夕が示されている。しかし、このィンフレー夕も 1つのエアバッグにガスを送り込むものであって、単にエアバッグ全体の展開圧力を変更するだけであり、乗員の体格に応じた最適な保護を実現することはできない。更にこの米国特許 5 7 9 4 9 7 3号公報の図 1 0に示されたインフレ一夕は、ハウジングの中央部にガス排出口が設けられており、それらが円周上で互いに相反する方向に向いていることから、各々のガス排出口と各々のエアバッグ（あるいはそれに繋がる導管）を接続したとしても、その構造は複雑であり、スペース的に制約のあるサイド用インフレ一夕に組み込むことは難しい。更に 1つのバッグで乗員の頭部や胸部、あるいは胸部や腰部を保護するとなると、バッグも大きく（縦に長く）なる。一方、側面衝突用のエアバッグシステムでは、それを取り付ける車輛スペース（例えばシート背もたれの側面部など）が限られており、且つ縦長のバッグを折りたたんで収容する空間も限られる上、展開のときにバッグ内に完全にガスを充満させるのに時間がかかるため、衝突に対する乗員保護が間に合わなくなることも考えられる。

更にエアバッグが取り付く車輛（車輛 Aとする）に他の車輛（車輛 B) が衝突した場合、車輛 Bの突出部（例えば、バンパーやボンネットの先端部など）が、車輛 Aのボディ一形状を変形させることになる。この時、車輛 Aの高さ（厳密にはシート座面の地上からの高さ）や、車輛 Bの突出部の位置（厳密には地面からのバンパーやボンネットの先端部の高さ）によっては、車輛 A中の乗員のどの部分に最初に当たるかという問題がある。例えば車輛の高さの低い（地上からの座面高さの低い）車輛 Aの側面に車輛 Bが衝突した場合、或いは車輛の高さが低くなくとも、車高の高い車輛（例えばピックアップトラック）が衝突してくる場合、車輛 Aのボディ一側面が変形して車輛 Bの突出部に相当する箇所が乗員の上部に存在することになり、その箇所が最初に車輛 A中の乗員に当たることになる。よって、従来のエアバッグシステムでは車輛の高さ（シート座面の高さ）や、車輛のどの高さの部分が破損するのか、また乗員の体型に応じて、乗員のどの部分を優先的に保護するかという事が十分生かされていない。

また従来、インフレ一夕に概観するケーシングなどを備えるガス発生装置も提案されている（特開 2002- 1 14126号公報、特開平 5— 20130 4号公報、特開 2001— 347915号公報）。しかしながら、特開 2002 - 1 14126号公報及び特開平 5— 201304号公報で提案されているものは、ケ一シングの中央付近に均等に遍在させてガス噴出口を設けたものであり、また特開 2001— 347915号公報で提案されているものは、単にィンフレ一タ本体の軸方向にガスを導くものである。そしてこれら特開 2002 -1 14126号公報、特開平 5— 201304号公報、特開 2001— 34 7 9 1 5号公報で提案されているものは、専ら 1つのエアバッグを膨張させるものであって、 2つのエアバッグ乃至、エアバッグ部分を独立させて膨張させるのには適しておらず、また乗員の体格に応じた最適な保護を実現するとの思想すら提案されていない。

更に従来、特開 2 0 0 0— 1 7 7 5 2 7号公報に示されるガスバッグ式側方衝撃保護装置も提案されている。この文献の図 1及び 2に基づき当該保護装置を説明すると、これは、円筒形ガス発生器 3 6の外側に管状ハウジング 30が取り付けられ、その管状ハウジングには、分割シームで 2つの部屋に完全に分割されたチャンバ (エアバッグ) 20,22内のそれぞれにガスを送り込むための流入開口部 42,44が形成され、ガス発生器 36の流出開口部から発生したガスは、管状ハウジング 30内の空間に排出され、そして開口部 42,44から各々のチャンバ (エアバッグ） 20,22に送られる。この際開口部 42と 44との自由断面を異ならせることによって、チャンバ (エアバッグ) 20,22の内圧を異ならせるものである（実施例では第 1チヤンバ 20が 0.5bar、第 2チヤンバ 22が 1.5bar)。しかしながら、この文献の図 2に示された保護装置では、ガス発生器 36と筒状ハウジング 30とで形成される空間は、円周上に同一の幅を有するものではないため、仮に流出開口部 38が筒状ハウジング 30の周壁内面と当接する様に配置された場合、すなわちガス発生器 36の円周上の取り付け向きによっては、流出開ロ咅と筒状ハウジング 30との間に間隙がない状態、あるいは間隙の幅が非常に狭い状態で取り付けられたり、車輛の振動などで取り付けが弱い時には、流出開口部 38が筒状ハウジング 30の周壁内面に接するか或いは殆ど塞がれるような向きになってしまうことも考えられる。そうなつた場合、流出開口部 38 からのガスの排出が困難になり、所望のエアバッグ展開が得られない。

発明の開示本発明は、乗員の頭部と胸部あるいは胸部と腰部を独立に保護する為に、高さ方向に広い範囲で膨張するというサイド用インフレ一夕の特殊性を考慮し、乗員の体格差に応じて、あるいは衝突する側（又は衝突される側）の車輛高さ (シート座面の高さ）に応じてエアバッグ用の膨張具合を調整でき、更に小型化を実現できるサイド用インフレ一夕を提供することを課題とする。

本発明は 2つの点火器を有するインフレ一夕の軸方向両側に隘路部を設け、軸方向両側に存在する隘路部同士間で、ガスの流路断面積を異ならせたィンフレー夕により、上記課題を解決するものである。

即ち本発明は、

軸方向両側に開口部が設けられたチューブ状のインフレ一夕ハウジングと、インフレ一夕ハウジングの軸方向両端に設置されて、開口部から流出する加圧媒質をエアバッグに放出するガス排出口を備えるディフューザ部と

インフレ一夕ハウジングの各開口部あるいはガス排出口の何れかを閉塞して内部に加圧媒質を封止する破裂板と、

各破裂板に対応して設けられ、この破裂板を破壊する点火器とを含んで構成されており、

ィンフレ一タハウジングの軸方向の両側には、それぞれ加圧媒質の流量を規制する隘路部が設けられ、

何れか一方の隘路部におけるガスの流路断面積（A) と、他方の隘路部におけるガスの流路断面積（B ) とは異なることを特徴とするエアバッグ用インフレー夕である。

上記インフレ一夕を構成する点火器は、従来公知の電気式点火器が使用され、これは、外部の点火信号出力手段からの点火信号を受領して作動する。点火信号出力手段と各点火器との電気的な接続に際してはバスシステムを利用することもできる。そしてこの点火器は、インフレ一夕ハウジングの軸方向両側に設けられるディフューザ部の内側に設けることができる。なお、この点火器近傍であって、点火器と破裂板との間には、点火器の作動による火炎で着火され、燃焼するガス発生剤を設けることもできる。

ィンフレー夕ハウジングの開口部あるいはガス排出口の何れかを閉塞する破裂板は、金属などを用いて、点火器の作動によって破裂するものとして形成される。破裂板が点火器によって破裂されることにより、インフレ一夕ハウジングの開口からガスが放出され、これがガス排出口から放出されることになる。破裂板を効果的に破裂させるため、点火器は、その作動によって火炎ゃェネルギ一を放出する部分を破裂板に正対且つ近接して配置されることが望ましい。ハウジング内に充填される加圧媒質としては、エアバッグを膨張させるためのガス源として専ら加圧媒質を用いたインフレ一夕や、ハイプリッドタイプのインフレ一夕などにおいて使用されている公知の加圧媒質、例えばアルゴン、ヘリウム、窒素ガス等の加圧ガスを使用することができる。

ィンフレー夕ハウジングの軸方向の両側には、それぞれ加圧媒質の流量を規制する隘路部を設け、何れか一方の隘路部におけるガスの流路断面積（A) と、他方の隘路部におけるガスの流路断面積（B ) とを異なるらせている。

かかる隘路部は、インフレ一夕ハウジング内に充填されている加圧媒質をそれぞれのガス排出口から放出する際、ガスの流通量を規制する為に、ガスが流通する部分の流路断面積を狭くした部分のことであり、ガスの流路断面積は、ガスの流通方向に対して直交する面の面積として求められる。

この隘路部としては、各ディフユ一ザ部に形成される複数のガス排出口を用いることができ、この場合、何れか一方のディフユ一ザ部に形成されたガス排出口の総開口面積と、他のディフューザ部に形成されたガス排出口の総開口面積とを異ならせることになる。 ·

また隘路部としては、インフレ一夕ハウジングの軸方向両端に設けられた開口部を用いることもでき、この場合、何れか一方のインフレ一夕ハウジング軸方向端部に形成された開口部の開口面積と、他方のインフレ一夕ハウジング軸方向端部に形成された開口部の開口面積とを異ならせることになる。この開口部は、インフレ一夕ハウジングの軸方向端部を内向きフランジ状に曲折して形成する他、ィンフレー夕ハウジングの軸方向端部に座金状のリング部材を設けて、その内孔を開口部とすることができる。そしてかかるリング部材は、インフレー夕ハウジング端部に段付部を設けて、この段付部に嵌合させる他、インフレー夕ハウジングの軸方向端部に設けられるディフユ一ザ部内に固定することもできる。

更に隘路部としては、ディフューザ部内周面と点火器の外周面との間の隙間を用いることもできる。即ち、ディフューザ部内にそれぞれ破裂板を破壊する点火器を保持し、ディフユ一ザ部内周面と点火器の外周面との間に形成される隙間であって、開口部からガス排出口に至るまでの部分を隘路部とすることができる。この場合、何れか一方のディフューザ部内周面と点火器の外周面との間に生じる隙間の最小径方向断面積と、他のディフューザ部内周面と点火器の外周面との間に生じる隙間の最小径方向断面積とを異ならせることになる。このように隘路部におけるガスの流路断面積を異ならせることで、それぞれのガス排出口から排出されるガス量は規制され、ガスはより大きい流路断面積の隘路部を通過し、大きい流路断面積の隘路部が形成された側のディフューザ部（実際にはガス排出口）から優先的に排出されることになる。これにより各ガス排出口からのガスの放出量を任意に調整することが可能となり、点火器の作動タイミングを調整すれば、各ガス排出口からのガスの放出具合を任意に調整することができる。

このインフレ一夕ハウジングの軸方向同士間で異なる、隘路部におけるガスの流路断面積は、小さいガスの流路断面積（A)：大きいガスの流路断面積（B ) の比が、 1 : 1 . 1〜 1 : 6、望ましくは 1 : 1 . 3〜1 : 5、更に望ましくは 1 ： 1 . 5〜1 ： 4である。（A) ： ( B ) の比を、このように設定することにより、より好適にガスの放出具合を調整することができる。

そして本発明のィンフレー夕では、ディフユーザ部がィンフレー夕ハウジングの軸方向端部に設けられていることから、それぞれのディフューザ部には、別個独立のエアバッグ、又は 1つのエアバッグに設けられた別個独立のガス導入口を、簡易且つ確実に連結することができる。

また上記インフレ一夕を用いれば、次に示す本発明のエアバッグシステムを容易に形成することができる。

本発明に係るエアバッグシステムは、上記ィンフレー夕と、エアバッグとを用いて形成されたものであり、これにより上記課題を解決するものである。本発明のエアバッグシステムに使用されるエアバッグは、 1つのエアバッグ (袋体）に、各ディフューザ部毎に連結する異なったガス導入口（即ち、第 1 ガス導入口と第 2ガス導入口）を形成したものでも良く、また複数のエアバッグからなり、各ディフユ一ザ部毎に異なるエアバッグを連結するものでも良い。依って、前記本発明に係るエアバッグ用インフレ一タでは、各ディフユ一ザ部から排出されるガスは、それぞれ異なるエアバッグ部分（前者の態様）又はェァバッグ（後者の態様）を膨張させることになる。

特に、複数のガス導入口を有し、各ガス導入口がそれぞれ異なったディフユ一ザ部に連結するエアバッグを用いる場合、このエアバッグの内部空間は、第 1ガス導入口に繋がる空間と、第 2ガス導入口に繋がる空間とに仕切られると共に、一部分において連通していることが望ましい。エアバッグの内部空間を仕切ることにより、各導入口から流入するガス毎に、エアバッグ部分（即ち仕切られたエアバッグ室）を区別して膨張させることができる。特に側面衝突用のエアバッグにおいて、乗員の頭部や胸部、或いは胸部や腰部を広範囲にわたつて 1つのバッグで保護するとなると、バッグの大きさも大きくなり、発生するガス量も多くする必要がある。また車輛の側面構造（例えば車輛のドアなど）と乗員の隙間は狭くなるため、バッグが大きくなると、展開したときにバッグの厚さも厚くなり、そのようなバッグが車輛側面構造と乗員の間で展開した場合、乗員に対する衝撃が大きくなる。よってバッグの縦方向の長さにおいて、ある部分で内部空間を仕切る（例えばバッグの布同士を接合等する）ことで、幅方向の厚さを薄くすることができ、パッグ内の容積も必要以上に大きくならず、更に展開時の乗員への影響を抑えることが可能である。そして 2つの空間を一部に置いて連通させることにより、エアバッグ内においてガスの流通が行われ、その結果、 1つのエアバッグ部分の内部圧力が過剰に上昇するのを防ぐことができる。

このエアバッグシステムに使用されるインフレ一夕は、前記の通りインフレ —夕ハウジングの軸方向の両側に、それぞれ加圧媒質の流量を規制する隘路部が設けられており、この隘路部におけるガスの流路断面積を両者間で異ならせることで、軸方向端部に存在するガス排出口同士間におけるガスの出力や放出量が調整されていることから、何れのディフューザ部に繋げるかによつて、それぞれのエアバッグ乃至エアバッグ部分（エアバッグ室）の膨張具合を調整できる 0：ァバッグ用インフレ一夕が実現する。即ち、乗員の頭部と胸部、或いは胸部と腰部を保護する為に高さ方向に広い範囲で膨張するというサイド用インフレー夕の特殊性を考慮した上で、乗員の体格差（特に身長差や座高差）に応じて、エアバッグ用の膨張具合を調整でき、更に小型化を実現できるサイド用インフレ一夕が実現する。また、サイド用インフレ一夕が機能する側面衝突は、前面衝突に比べて衝撃エネルギーを吸収できる空間が少なく、より短い時間でエアバッグを展開しなければならないが、ガスの出力や放出量を調整することで、より迅速に展開しなければならない箇所を選択的に優先して膨張させることもできる。

特に、インフレ一夕ハウジングの軸方向両端に設置される 2つのディフューザ部の内、その内の 1つを乗員の側面上部付近（即ち頭部付近、或いは胸部付近）に存在するエアバッグ又はエアバッグ部分（エアバッグ室）に繋げ、他方を乗員の側面下部付近（即ち、胸部付近、或いは腰部付近）に存在するェアバッグ又はエアバッグ部分（エアバッグ室）と繋げる場合、乗員の側面上部付近に存在するエアバッグ又はエアバッグ部分（エアバッグ室）と繋がるディフユ一ザ部側に形成される隘路部のガスの流路断面積（A) は、乗員の側面下部付近に存在するエアバッグ又はエアバッグ部分（エアバッグ室）と繫がるディフュ一ザ部側に形成される隘路部のガスの流路断面積（ B ) よりも小さく形成されていることが望ましい。このように形成して乗員の下部に相当する方（即ち、乗員の胸部あるいは腰部を保護する方）へのガスの供給量の比率を高めることで、乗員の背の高さに関わらず、背の高い乗員、低い乗員ともに確実に拘束することができるエアバッグシステムが実現する。そして、背の高い乗員にあつては、付加的に上部側のエアバッグ又はエアバッグ部分（エアバッグ室）も膨張させることで、更に頭部の保護も確実に行うことができる。

例えば一般的な車高の車輛同士の衝突において、衝突を受ける車輛の乗員が大人である場合には、衝突してくる車輛の突出部は衝突を受けた車輛の乗員の腰部に相当する。よって、乗員の下部（腰部）に相当するエアバッグを優先的に膨張するようにしておけば、乗員を的確に保護することができる。このようにエアバッグを優先的に膨張させるには、例えば、優先的に膨張させるエアバッグにガスを放出する開口の面積を大きくすることが考えられる。一方、このような状況下で衝突する側の車高が高いときには、その突出部は衝突を受けた車輛の乗員の胸部付近に相当することになるが、この場合でも、乗員の上部（胸部）に相当するバッグを先に展開させる（例えば、乗員の上部に相当する点火器を先に作動）させることにより、開口面積の小ささをバッグ点火器作動の夕イミングでカバーして乗員の胸部を保護することができる。よって車輛のどの高さの部分が相手車輛の突出部で破壊されたかをセンサなどで判断して、適切な箇所のバッグを優先的に膨張させることができる。また衝突を受けた車輛（の衝突を受けた席）の乗員が子供の場合、前記大人の胸部、腰部がそれぞれ子供の頭部と胸部（或いは腰部）付近に相当することになる。このため、子供の場合に特にデリケートな頭部に衝撃を与えないように、胸部を優先的に膨張させるなど、乗員の体格などによっても各エアバッグを膨張させるタイミング（即ち何れの点火器を優先的に作動させるか）を最適にコントロールすることで、乗員への衝撃を和らげ、且つしつかりと拘束するシステムとなる。

また、着座位置の低い車輛に設置する場合には、上記乗員の側面上部付近に存在するエアバッグ又はエアバッグ部分（エアバッグ室）と繋がるディフューザ部側に形成される隘路部のガスの流路断面積（A) は、乗員の側面下部付近に存在するエアバッグ又はエアバッグ部分（エアバッグ室）と繋がるディフユ一ザ部側に形成される隘路部のガスの流路断面積（B ) よりも大きく形成されていることが望ましい。

即ち、車輛の側面衝突があった場合、衝突された側の車輛の着座位置が自動車一般における平均的な高さ（例えば、地上からのシート座面の高さが約 3 5 0 mm) であれば先述したとおりであるが、一方で衝突された側の車輛の着座位置が自動車一般における平均的な高さ（例えば、地上からのシート座面の高さが約 3 5 0 mm) よりも低い場合（例えばスポーツカーなど）には、当該車輛に搭乗する乗員の頭部付近あるいは胸部付近に前記衝突部分が存在することになる。

そこで、このような着座位置の低い車輛（例えば、地上からのシート座面の高さが 2 5 0〜3. 5 0 mmの車輛）に設置する場合には、流路断面積（A) を流路断面積（B ) よりも大きく形成し、乗員の頭部付近あるいは胸部付近の衝突部分に存在するエアバッグ又はエアバッグ部分 (エアバッグ室) を優先的に膨張させることが望ましい。

また上記ィンフレー夕では、ィンフレー夕ハウジングの内部に、径方向に展開する仕切板を配置してハウジング内を第 1室と第 2室とに区画すると共に、この仕切板には、インフレ一夕ハウジングの軸方向の両側に形成された隘路部の内、ガスの流路断面積が小さい方の隘路部よりも更に小さいガスの流路断面積で形成された孔部が設けられていることが望ましい。このように形成すれば、 1つの点火器を作動させたときに、ハウジング内に存在する加圧媒質の全てが、 1のエアバッグ部分（エアバッグ室）、若しくは 1つのエアバッグに一度に集中することがなくなる。そして何れかの室の加圧媒質が、 1つのエアバッグ部分 (エアバッグ室) もしくは 1つのエアバッグに流れ込んだ後は、残りの室の加圧媒質が当該孔部によって流量が制限されながら徐々にバッグに流れ込むことになるため、エアバッグの展開による乗員への衝撃が緩和されることになる。またハウジング内に区画された何れかの室（第 1室又は第 2室）にガスを充填することで、他の室（第 2室又は第 1室）に等圧でガスを充填することができる。更に、インフレ一夕ハウジングの内部を、孔部を有して径方向に展開する仕切板で仕切り、この孔部を、インフレ一夕ハウジングの軸方向の両側に形成された隘路部の内、ガスの流路断面積が大きい方の隘路部が形成された側から閉塞部材で閉じることも望ましい。このように形成すれば、ガス流通面積の大きい隘路部が形成された方のディフユ一ザ部からガスを放出する際には、この閉塞部材は各室の差圧によって破裂し（あるいは剥がれ）、ハウジング内の全てのガスがバッグ内に排出されるが、ガス流通面積の小さい隘路部が形成された方のディフユ一ザ部からガスが排出される場合には、差圧によっても閉塞部材は破裂しない（あるいは剥がれない）為、一部の室のガスしかエアバッグに放出されないことになる。つまり乗員の体格（特に、身長や座高）に応じて、エアバッグの展開具合を細かく調整できるエアバッグ用インフレ一夕が実現する。更にハウジング内に区画された 1の室（第 1室又は第 2室）内の加圧媒質が排出された後、残りの室（第 2室又は第 1室）内の加圧媒質が、当該 1の室（第 1室又は第 2室）を通って同じガス排出口から排出されるとき、排出されるガスの流量は孔部の開口面積を調整することによつて調整することもできる（即ち孔部による流量調整機能）。

また本発明は前記課題を解決するため、軸方向両側同士で総開口面積を異ならせたガス噴出口を設けたケース部でインフレ一夕基部の少なくとも一部を覆つたエアバッグ用インフレ一夕を提供する。

即ち、点火電流を受領して作動する点火手段と、インフレ一夕ハウジングと、作動時にインフレ一夕ハウジング内のガスを外部に放出するガス排出口とを備えるインフレ一夕基部と、

少なくともガス排出口を含んでインフレ一夕基部の外側の全部又は一部を覆うチューブ状のケース部とを含んで構成されており、該ケース部の周面には、軸方向両側のみにガス噴出口が偏在して設けられ、該ケース部の内部空間は、当該ガス噴出口を介してのみ外気と連通する閉塞状に形成されており、

インフレ一夕ハウジングとケース部との間には、略同一幅を有する円環状の空間であって、ガス排出口から放出するガスをガス噴出口に導くためのガス流通空間が確保されており、

ケース部の軸方向両側に設けられるガス噴出口は、何れか一方の軸方向端部に設けられたガス噴出口の総開口面積（Α ' ) と、他方の軸方向端部に設けられたガス噴出口の総開口面積（Β ') とが異なっているエアバッグ用インフレ一夕である。

このインフレ一夕においては、作動時にィンフレー夕ハウジング内のガスがガス排出口から排出されると、これがケース部内のガス流通空間を通って、その軸方向両端に形成された各ガス噴出口から排出されることになる。そしてガス噴出口は、ケース部の軸方向の両端部において各々総開口面積が異なっていることから、総開口面積の大きい方のガス噴出口からより多くのガスが排出されることになり、総開口面積の大きい方のガス噴出口に繋げたエアバッグを優先的に膨張させることができる。このため、前記座位置が異なる車輛の側面衝突があった場合の例で具体的に示した様に、衝突された側の車輛の着座位置が自動車一般における平均的な高さ（例えば、地上からのシート座面の高さが約 3 5 0 mm) の場合には、先ず乗員の腰部が存在する部分（即ち、乗員の側面下部付近に存在する部分) のエアバッグ又はエアバッグ部分 (エアバッグ室) を優先的に膨張させることができ、また衝突された側の車輛の着座位置が自動車一般における平均的な高さ（例えば、地上からのシート座面の高さが約 3 5 0 mm) よりも低い場合（例えばスポーツカーなど）には、先ず乗員の頭部あるいは胸部が存在する部分（即ち、乗員の側面上部付近に存在する部分）のェァバッグ又はエアバッグ部分（エアバッグ室）を優先的に膨張させることができるようになる。特にケースに形成されたガス噴出口がケースの軸方向両側に偏在しているため、各々のェアバッグへの接続が容易となる。

前記ケース部は、インフレ一夕基部を内装し、軸方向両側のみにガス噴出口を偏在して備えるものであって、インフレ一夕基部から生じるガスを各ガス噴出口から放出することになる。本発明のエアバッグ用インフレ一夕では、ケース部によってエアバッグに排出するガスを適切に分配することができることから、インフレ一夕基部としては、従来公知のインフレ一夕を使用することができる、即ち、インフレ一夕基部として使用し得るものは、ディフユザ一部が 1 つのものでも、点火手段が 1つのものでも良く、またガス源として加圧ガスを用いたものでも、ガス発生剤を用いたものでも、更に加圧ガスとガス発生剤の両方を用いたものでも良い。

またケース部は、軸方向両側の周面に設けられたガス噴出口を介してのみ、ケース部の内部空間と外気とが連通するものであり、例えば、軸方向一端側が閉塞されたチューブ状で、他端側にインフレ一夕ハウジング（インフレ一夕基部）を内嵌して閉塞するものや、軸方向両側の開口をインフレ一夕ハウジング

(インフレ一夕基部）に外嵌させて閉塞するものが挙げられる。特に後者の場合には、ケース部の両端開口から、インフレ一夕ハウジング（インフレ一夕基部）の一部が突出するような構造になるが、前者の場合でも後者の場合でも、インフレ一夕ハウジング全体が、ケース部の片端あるいは両端開口から突出しないものでも良い。

このインフレ一夕では、ケース部を必須の構成とするものであり、更に次のように規定することもできる。即ち、開口部を有するインフレ一夕ハウジングと、インフレ一夕ハウジングの開口部に設置されて、開口部から流入するガスを外部に放出するガス排出口を備えるディフューザ部と、少なくともディフユザ一部を含んでインフレ一夕ハウジングの外側の全部又は一部を覆うチューブ状の'ケース部とを含んで構成されており、該ケース部の周面には、軸方向両側にガス噴出口が設けられ、該ケース部の内部空間は、当該ガス噴出口を介してのみ外気と連通する閉塞状に形成されると共に、ガス排出口から放出するガスをガス噴出口に導くためのガス流通空間が確保されており、ケース部の軸方向両側に設けられるガス噴出口は、何れか一方の軸方向端部に設けられたガス噴出口の総開口面積（Α ') と、他方の軸方向端部に設けられたガス噴出口の総開口面積（Β ' ) とが異なっているエアバッグ用インフレ一夕である。

上記本発明のインフレ一夕において、インフレ一夕基部（インフレ一夕ハウジング）をチューブ状として、その一端部に点火電流を受領して作動する点火手段を設置し、ケース部は、その一端部を閉塞して他端部を開放したチューブ状として、その開放端部をインフレ一タ基部（インフレ一夕ハウジング）の外側に密着させて閉塞することにより、ケース体とインフレ一夕基部（インフレ一夕ハウジング）との連結が容易となる。その際、ガス排出口をインフレ一夕ハウジングに設けられるディフユ一ザ部に形成し、このディフユ一ザ部をインフレー夕ハウジングの他端部に設けることもできる。

またインフレ一夕基部（インフレ一夕ハウジング）の外周面に凹部を形成し、この凹部に対してケース部の開放端部をかしめて固定すれば、両者の結合を簡易且つ確実に行うことができる。この場合、凹部はインフレ一夕基部（インフレー夕ハウジング）の周面を一周するものとする他、周面の一部に又は断続的に形成しても良い。

そして、ケース部の軸方向両側に設けられるガス噴出口は、何れか一方の軸方向端部に設けられたガス噴出口の総開口面積（Α ') と、他方の軸方向端部に設けられたガス噴出口の総開口面積（Β ' ) とが異なるものとして形成され、ケース部の内部空間に確保されるガス流通空間の流路断面積は、異なるガス噴出口の総開口面積の内、小さい方の開口総面積よりも大きいものとして形成されることが望ましい。換言すれば、少なくとも何れか又は双方のガス噴出口の総開口面積は、ガス流通空間の流路断面積よりも小さいことが望ましく、更に何れのガス噴出口の総開口面積もガス流通空間の流路断面積よりも小さいことが望ましい。このように形成することにより、ケース部に形成されたガス噴出口によってエアバッグに流入するガスの量や勢いを調整することができ、その結果エアバッグの膨張具合の調整やガス排出量の変更を容易に行うことができる。そしてケース部の軸方向両端部に形成される各ガス噴出口を円周方向に配置することにより、インフレ一タ作動時において排出するガスによる推力を相殺できるため、誤作動の際における安全性が確実に確保することができる。

そして、このインフレ一夕も、前記インフレ一夕ハウジングの軸方向の両側に加圧媒質の流量を規制する隘路部を備えたィンフレー夕（請求項 1記載のィンフレ一タ）と同じように、ェアバッグなどと組み合わせてェアバッグシステムとすることができる。またエアバッグシステムを、エアバッグと、エアバッグを膨張させるためのエアバッグ用インフレ一夕と、エアバッグ用インフレ一夕の外側の全部又は一部を覆うチューブ状のケース部とを含んで構成されるものとして捉え、前記ケース部を別部材、あるいはエアバッグとインフレ一夕とを収容するモジュールケースの一部と捉えることもできる。ケース部をィンフレ一夕の構成部材、エアバッグシステムの構成部材、あるいは単独の部材の何れとして捉えるかは、製造上等の都合により適宜選択乃至変更することができる。その際、エアバッグは第 1ガス導入口と第 2ガス導入口とを有するものを使用して各ガス噴出口毎に異なるガス導入口を繋げたり、各ガス噴出口毎に異なるエアバッグを繋げたりすることや、乗員の側面上部付近に存在するエアパッグ部分 (又はエアバッグ) に繋がる第 1ガス噴出口の総開口面積（Α ' ) を、乗員の側面下部付近に存在するエアバッグ部分（エアバッグ）に繋がる第 2ガス噴出口の総開口面積（Β ') よりも小さくしたり、或いは逆に大きくしたりすることができる。また 2つのガス導入口を設けたエアバッグにおいて、各ガス導入口毎にエアバッグの内部空間を仕切り、一部分で連通させることもできる。本発明によれば、乗員の頭部と胸部を保護する為に高さ方向に広い範囲で膨張するというサイド用インフレ一夕の特殊性を考慮し、乗員の体格差に応じて、エアバッグ用の膨張具合を調整でき、更に小型化を実現できるサイド用インフレー夕が提供される。 ' 図面の簡単な説明

図 1は、インフレ一夕の軸方向の断面図である。

図 2は、エアバッグシステムを示す要部拡大略図である。

図 3は、インフレ一夕の他の態様を示す軸方向の断面図である。

図 4は、インフレ一夕の更に他の態様を示す軸方向の断面図である。

図 5は、インフレー夕の更に他の態様を示す軸方向の断面図である。

図 6は、インフレ一夕の更に他の態様を示す軸方向の断面図である。

図 7は、ィンフレー夕の更に他の態様を示す軸方向の断面図である。

図 8は、インフレー夕の更に他の態様を示す軸方向の断面図である。

図 9は、ィンフレー夕の更に他の態様を示す軸方向の断面図である。

図 1 0は、インフレ一夕の更に他の態様を示す軸方向の断面図である。

図 1 1は、インフレ一夕の更に他の態様を示す軸方向の断面図である。図 1 2は、インフレ一夕の更に他の態様を示す軸方向の断面図である。符号の説明

10 エアバッグ用インフレ一夕

11 インフレ一夕ハウジング

12 開口

13 破裂板

14a 第 1ディフユザ一部

14b 第 2ディフユザ一部

15a 第 1点火器

15b 第 2点火器

16a 第 1ガス排出口

16b 第 2ガス排出口

17 仕切板

8 孔部

9 閉塞部材

0 エアバッグ

0a 第 1エアバッグ室

0b 第 2エアバッグ室

1a 第 1ガス導入口

1b 第 2ガス導入口

00 フランジ部

12, 212 開口部

00 リング部材

01 段付部 202 多孔部材

300 隙間

315 点火器 ^J

410 エアバッグ用インフレ一夕

411 インフレ一夕ハウジング

414 ディフユザ一部

415 点火手段

416 ガス排出口

450 インフレ一夕基部

460 ケース部

470(a,b) ガス噴出口

480 ガス流通空間

480 溝

490 0-リング発明の実施の形態

本発明の実施形態を図面により説明する。図 1、 3及び 4は本発明のインフレ一夕の第 1の実施態様を示す軸方向断面図であり、図 2は本発明のィンフレ一夕を用いて形成したエアバッグシステムを示す要部拡大略図であり、図 5〜 9は本発明のインフレ一夕の他の実施の形態を示す軸方向断面図である。また図 1 0 , 1 1は本発明のィンフレー夕の更に他の実施の形態を示す軸方向断面図である。

実施の形態 1

図 1に示すインフレ一夕 10は、チューブ状のィンフレー夕ハウジング 11の軸方向両側に存在する開口部 12を、それぞれ金属材からなる破裂板 13で閉塞し、このインフレ一夕ハウジング 11の内部空間にアルゴン、ヘリウム、窒素ガス等の加圧ガスを充填している。

そして破裂板 13で閉塞されたィンフレー夕ハウジング 11の開口部 12には、ガス排出口を有するディフユザ一部 14を接続しており、このディフユザ一部 14 の空間内に電気式点火器 15を内包して固定している。

この実施の形態において、隘路部はディフユザ一部 14に形成されているガス排出口が用いられている。この為、ディフユザ一部 14に形成されているガス排出口の総開口面積は、両ディフユザ一部 14同士間で異なっている。

なお以下では、実施の形態の説明の便宜上、総開口面積が小さく形成されている方のガス排出口を第 1ガス排出口 16aとし、総開口面積が大きく形成されている方のガス排出口を第 2ガス排出口 16bとする。また第 1ガス排出口 16a が形成されているディフユザ一部を第 1ディフユザ一部 14a、第 2ガス排出口 16bが形成されているディフユザ一部を第 2ディフユザ一部 14bとし、第 1ディフユザ一部 14a内の点火器を第 1点火器 15a、第 2ディフユザ一部 14 内の点火器を第 2点火器 15bとする。

特に本実施の形態では、図面に示す様に第 1ガス排出口 16aの開口径を小さくして、その総開口面積（A) を第 2ガス排出口 16bの総開口面積（B ) よりも小さくしているが、第 1ガス排出口 16aと第 2ガス排出口 16bとの開口径を同じにし、第 1ガス排出口 16aの数を第二ガス排出口よりも少なくすることで総開口面積（A) を総開口面積（B ) よりも小さくしたり、更に開口径と数とを調整して総開口面積（A) を総開口面積（B ) よりも小さくしたりすることができる。

本実施の形態に於いて、第 1ガス排出口 16aは、内径 4 mmのものを 6個（総開口面積は約 7 5 . 4 mm 2 )、第 2ガス排出口 16bは、内径 7 mmのものを 6 個（総開口面積は約 2 3 l mm 2 ) としている。

この図に示すインフレ一夕 10では、ガス排出口が形成されたディフユザ一部 14がィンフレー夕ハウジング 11の軸方向両側に存在することから、それぞれのディフユザ一部 14に対して異なるエアバッグ 20を繋げたり、エアバッグ 20 へのガスの導入口を異ならせることもできる。そして第 2ガス排出口 16bの総開口面積（B ) は、第 1ガス排出口 16aの総開口面積（A) よりも大きいことから、ガスは優先的に第 2ディフユザ一部 14bから放出され、ガス排出量に関して、第 1ディフユザ一部 14aと明確に区別し得ることになる。依って、各点火器 15の作動夕ィミングを調整することにより、それぞれのディフユザ一部 14 から排出されるガス量も細かく調整することができる。

このように形成されたインフレ一夕 10を用いて、図 2に示すようなエアバッグシステムを形成することができる。

このように形成されたインフレ一夕 10は、多くの場合、車輛搭載時に、衝撃センサ及びコントロールュニットからなる作動信号出力手段と、ケース内に前記のインフレ一夕 10とエアバッグ 20 (袋体) が収容されたモジュールケース等とを組み合わされてエアバッグシステムとして設置される。エアバッグ 20 (袋体）は、ディフユザ一部 14の外周面において接続されることになる。

特に図 2に示すエアバッグシステムでは、エアバッグ 20 (袋体) として、 2 つのガス導入口 21a,bを有するものが使用されており、その内部は連通部 22で連通するものの、各導入口毎に区画されている。二つのガス導入口 21は、それぞれ異なるディフユザ一部 14に繋がっており、図 2において、第 1ディフユザ一部 14aには第 1ガス導入口 21aが、第 2ディフユザ一部 14bには第 2ガス導入口 21bが接続されている。このように構成されたエアバッグシステムでは、ガス排出口の総開口面積の違いから、第 2ディフユザ一部 14bから排出されるガスを導入する空間（即ち、第 2ガス導入口に斃がる空間。以下第 2エアバッグ室 20b)が優先的に膨張することになる。そこで、この第 2エアバッグ室 20bを乗員の胸部付近（即ち下側) に存在する様に設置すれば、背の高い乗員であれば胸部を、背の低い乗員であれば胸部から頭部にかけて拘束することができ、即ち乗員の体格に関係なく、確実に拘束できるエアバッグシステムが実現する。第 1ディフユザ一部 14aから排出されるガスを導入する空間（即ち、第 1ガス導入口に繋がる空間。以下第 1エアバッグ室 20a) は、付加的に膨張して、乗員の高い部分（例えば頭部) を保護することができる。そして、第 1点火器 15a、第 2点火器 15bの作動夕ィミングを異ならせれば、それぞれのエアバッグ室 20a,20bの膨張タイミング、膨張具合を任意に調整することもできる。

なお、エアバッグ 20 (袋体）に関しては、その他にも各ディフユザ一部 14 毎に独立した異なるエアバッグ 20を設けることもできる。即ち、例えば図 2のエアバッグ 20で、連通する部分（連通部 22) がないもの、あるいはエアバッグ室 20aとエアバッグ室 20bとを完全に分離したものとすることができる。そして、エアバッグ用インフレ一夕 10に関しては、更に図 3及び 4に示す態様に形成することができる。

即ち、図 3に示すインフレ一夕 10は、ハウジング 11内に半径方向に展開する仕切板 17を設け、ハウジング 11内部空間を二室に区画している。そしてこの仕切板 17には、第 1ガス排出口 16aよりも小さい開口径の孔部 18が形成されている。この為、仕切板 17の第 1ディフユザ一部 14a側に存在する第 1室 10aと、仕切板 17の第 2ディフユザ一部 14b側に存在する第 2室 10bとは、この孔部 18において連通するものとなっている。このような孔部 18を有する仕切板 17を備えたインフレ一夕 10では、何れかの点火器 15だけが作動したときでも、ガスが一度に排出されることはなく、区画された一方の室のガスが放出した後は、他室のガスは孔部 18を通って緩やかに排出されることになる。例えば第 2点火器 15bが作動した場合、第 2室 10b のガスは迅速に第 2エアバッグ室 20bに導入されるが、第 1室 10aのガスは小さい開口径の孔部 18によって流量が規制されて、第 2室 10b内に入り、緩やかに第 2ディフユザ一部 14bから第 2エアバッグ室 20bに排出されることになる。この為、第 2エアバッグ室 20bが乗員の胸部に存在する場合には、急激なバッグ展開が避けられ、より効果的な拘束が図られることになる。

更に図 4に示すように、ハウジング 11の内部空間を、孔部 18'を有する仕切板 17'で仕切って、軸方向に第 1室 10aと第 2室 10bとに区画し、この孔部 18' を、ガス排出口の総開口面積が大きい方のディフユザ一部 14側（即ち、第 2ディフユザ一部 14b側）から閉塞部材 19'で閉じることが望ましい。このように形成すれば、第 2点火器 15bが作動して、第 2室 10bのガスを排出するとき、この閉塞部材 19'は両室の差圧で破裂し（或いは剥がれ)、その結果第 1室 10aのガスも第 2ディフユザ一部 14bから排出される。依って、第 2エアバッグ室 20b が乗員の胸部に存在する場合には、より十分に第 2エアバッグ室 20bが膨張されることになり、より安全に乗員を拘束することができる。一方、第 1点火器 15aが作動し、第 1室 10a内のガスが排出されたとしても、閉塞部材 19は押さえ勝手で固定されていることから、これが差圧で破裂する（或いは剥がれる）ことはなく、第 1室 11aのガスだけが第 1エアバッグ室 20aに導入されることになる。この時、孔部 18'は前述の流量調整機能を有するものとして形成することもできる。

実施の形態 2 図 5に示す態様のエアバッグ用インフレ一夕は、特に隘路部に於いて前記図 1に示したエアバッグ用ィンフレー夕とは異なっている。そしてその他の部分は、前記図 1に示したインフレ一夕と大凡同じであることから、図面上同一符号を付してその説明を省略する。但し本実施の形態では第 1ガス排出口 16aと第 2ガス排出口 16bとは開口径や開口数が同じでも異なってもよく、第 1、第 2を区別する符号（a,b) は単に説明の便宜上の観点でのみ用いる。

この図 5に示すィンフレー夕は、ィンフレー夕ハウジングの両端に形成される開口部 112 を隘路部としたものであり、この態様においては、各開口部 112a,112bの開口面積を変えることで、加圧媒質の流出量（流出速度）を調整するものである。即ち、本実施の形態では、ハウジングの一端側又は両側を内向きフランジ状のフランジ部 100として形成し、それぞれのフランジ部の中央開口乃至インフレ一夕ハウジングの端部開口を開口部 112a,112b として形成している。

このように開口部 112a, 112bの開口面積を異ならせた態様にあっては、各ディフユ一ザ部 14a，14bに形成されるガス排出口 16a，16bは同じ開口径、開口数 (即ち総開口面積が同じ）で形成される。伹しフランジ部 100やインフレ一夕ハウジングの端部に形成された開口部 112a,112bによって、各ディフユ一ザ部 14a,14b から排出されるガス量等が制御されることから、各ディフユ一ザ部 14a, 14bに形成されるそれぞれのガス排出口 16a，16bの総開口面積は、この開口部 112a,112bの開口面積よりも大きくしておく必要がある。

この態様に示すインフレ一夕でも、各ディフユ一ザ部 14a,14b (実際には各ガス排出口 16a，16b) から排出されるガス量は、各点火器 15の作動タイミングを調整することにより任意に細かく調整することができる。この為このインフレ一夕を用いて本発明のエアバッグシステムを形成すれば、それぞれのエアバッグ室 20a,20bの膨張タイミング、膨張具合を任意に調整することができる。また、この実施の形態に示すように開口部 112a，112bの開口面積を相互に異ならせる場合、図 6又は図 7に示すように、インフレ一夕ハウジングの軸方向両端部に座金状のリング部材 200a,200bをそれぞれ設け、各リング部材に形成された内孔を、開口部 212a，212bとして利用することもできる。

そして各リング部材 200a，200bに形成される開口部 212a,212bの開口面積を、前記図 5に示した開口部 112a，112b と同様に相互に異ならせることで、各ディフューザ部 14a,14b (実際には各ガス排出口 16a,16b)から排出されるガス量を任意に調整することができる。 - このリング部材 200a,200bの配置に際しては、図 6に示す如くチューブ状に形成したハウジングの軸方向両端部に段付部 201を形成し、この段付部 201に各リング部材 200a，200bを嵌合させることができる。この場合、それぞれのリング部材 200a,200bの外側に破裂板 13を配置し、その外側にディフューザ部 14a，14bを配置することができる。即ち、この態様では各リング部材と破裂板とをィンフレー夕ハウジングと各ディフユ一ザ部 14a, 14b とで挟持することにもなる。

更にこのリング部材 200a,200bは、図 7に示す如く、インフレ一夕ハウジングの軸方向端部に設けられる各ディフューザ部 14a，14b内に固定することもできる。即ち、各ディフユ一ザ部 14a,14bのインフレ一夕ハウジング側を内向きフランジ状に形成して、これにディフューザ部の内側に設けられた各リング部材 200a，200bを当接させると共に、更に各ディフユ一ザ部 14a,14bの内部空間に、筒状の多孔部材 202a,202bをそれぞれ配置し、この多孔部材 202a，202bを点火器と共に押さえ付けて固定することができる。この多孔部材 202a,202bの周面に形成された開口は、各ガス排出口 16a,16b と連通することになる。破裂板 13をフランジ部 100やリング体 200の外側に配置することで、破裂板 13と点火器 15が近接し、点火器 15の作動で、破裂板を破壊しやすくなるが、破裂板が確実に破壌される構造ならば、破裂板 13をリング体 200ゃフランジ部 100 の内側（即ちハウジング 11の内部）に配置しても良い。更に図 3 , 図 4のような仕切り板 17、孔部 18、閉塞部材 19を、図 5〜7に示すような態様のインフレー夕に組み合わせることも可能である。

実施の形態 3

図 8に示す態様のエアバッグ用ィンフレ一夕は、特に隘路部に於いて前記実施の形態に示したエアバッグ用インフレ一夕とは異なる。その他の部分は、前記のィンフレー夕と大凡同じであることから、図面上同一符号を付してその説明を省略する。但し本実施の形態では第 1ガス排出口 16aと第 2ガス排出口 16b とは開口径や開口数が同じでも異なってもよぐ第 1、第 2を区別する符号 (a，b) は単に説明の便宜上の観点でのみ用いる。

この図 8に示すインフレ一夕は、各ディフューザ部 14a,14b の内部空間にそれぞれ点火器 315a，315bを保持し、各点火器 315a,315bの周面と各ディフューザ部 14a，14bの内周面との間に生じる隙間 300a，300bを隘路部としたものである。但しこの隘路部はガスの流れ具合を調整するものであることから、インフレー夕ハウジング (より具体的には開口部）からガス排出口に至る迄の間に存在する必要がある。依って、この態様に於いて隙路部として機能する隙間 300a_;300b は、インフレ一夕ハウジングに設けられた開口部からガス排出口に至るまでの部分となる。そして、この隙間 300a,300b同士間における最小怪方向断面積（即ちディフューザ部内部空間におけるガスの流通に供する部分の内、径方向断面積が最小となる部分の面積）を異ならせることにより、加圧媒質の流出量（流出速度）を調整することができる。この隙間 300a, 300bの最小径断面積を異ならせる為には、図 8に示すように各点火器 315a,315bの外径を異ならせ、各ディフユ一ザ部 14a,14bの内部空間の径を同じにする他、これとは逆に各点火器 315a,315bの外径を同じにして、各ディフューザ部 14a,14bの内部空間の径を異ならせたり、各点火器 315a,315b の外径と各ディフューザ部 14a,14bの内部空間の径とを共に異ならせることもできる。

この態様に示すインフレ一夕でも、各ディフューザ部 14a,14b (実際には各ガス排出口 16a,16b) から排出されるガス量は、各点火器 315a,315bの作動タイミングを調整することにより任意に細かく調整することができる。この為このィンフレー夕を用いて本発明のエアバッグシステムを形成すれば、それぞれのエアバッグ室 20a,20bの膨張タイミング、膨張具合を任意に調整することができる。この実施態様においても、図 3 , 図 4のような仕切り板 17、孔部 18、閉塞部材 19を組み合わせることも可能である。

更に、図 9はディフューザ部の内側に、点火器 15aの作動による火炎で着火されて燃焼し、ガスを生じさせるガス発生剤 400を充填した態様を示している。図 9中、ガス発生剤 400は第 1点火器 15aの頭部（点火薬が収容されている部分）を包囲する筒状部材 401内に充填されており、この筒状部材 401の破裂板 13側には、シールテープ 402で閉塞された開口 403が設けられている。但し、かかるガス発生剤 400は第 2点火器 15b側、即ち第 2点火器 15bと破裂板 13 との間に、同様な筒状部材を配置し、この中に充填することも可能である。このようにガス発生剤 400を含んで構成されたインフレ一夕においては、第 1点火器 15aが作動すると、その火炎でガス発生剤 400が燃焼してガスを生じさせ、このガスは点火器 15aの作動エネルギーと相俟って、より確実に破裂板 13を破壊することができる。但し、この態様に示すインフレ一夕では、一端側（図面上、第 1点火器 15a 側）に存在するガス発生剤 400の燃焼により生じたガス等で、他端側（図面上、第 2点火器 15b側）に存在する破裂板 13が破壊することにないように、前記図 3に示した所定の大きさの孔部 18を有する仕切板 17を設けたり、図 4に示した一定方向から孔部 18'を閉塞部材 19'で閉じた仕切板 17'を設けることが望ましい。そしてこれら仕切板 17, 17'に設けられる孔部 18,18'は、各仕切板の中心からずれていることが望ましい。

なお本実施の形態では、破裂板 13はハウジング 11の両開口部に取り付けられた構造を示したが、点火器の作動で確実に破れ、所望の効果が得られるのであれば、ディフユ一ザ 14のガス排出口 14a,14bの内側から取り付けられても良い。

実施の形態 4

図 1 0及び 1 1は、ケース部 460を伴って構成されたエアバッグ用インフレ —夕 410の実施態様を示している。

この態様（図 1 0及び 1 1 ) に示すインフレ一夕 410は、長尺円筒状のインフレー夕ハウジング 411 内にガス源を収容し、作動開始装置として機能する点火手段 415をインフレ一タハウジング 411の一端側に装填して形成されるインフレー夕基部 450と、このインフレ一夕基部 450を内装するケース部 460とで構成されている。

インフレ一タ基部 450は、ガス源として加圧ガスが使用されている場合には、作動開始前におけるインフレ一夕ハウジング 411 内の気密状体を保っために、破裂板などの封止部材（図示せず）が設置されることになる。そして、図 1 0 及び 1 1に示すインフレ一夕基部 450は共にガス排出口 416を備えており、図 1 0に示すィンフレ一タ基部 450では、ィンフレー夕ハウジング 411における点火手段 415が設けられた側とは反対側に設置されたディフユザ一部 414にガス排出口 416を設け、図 1 1に示すインフレータ基部 450では、インフレ一夕ハウジング 411における軸方向ほぼ中央にガス排出口 416を設けている。。そして図 1 0及び 1 1に示すインフレ一夕 410も、一端開口を閉塞したチューブ状のケース部 460を有しており、このケース部 460の軸方向両側の周面には、ガス噴出口 470が設けられている。説明の便宜上、ケース部 460の閉塞端部側に設けられたガス噴出口 470を第 1ガス噴出口 470a、他方（開放端部側）に設けられたガス排出口 416を第 2ガス噴出口 470bとする。第 1、第 2ガス噴出口 470の総開口面積は相互に異なっており、本実施の形態では、第 1ガス噴出口 470aよりも第 2ガス噴出口 470bの方が、総開口面積が大きく形成されている。なお、各ガス噴出口 470は 1つの開口として形成する他、一部に偏在する多数の開口、又は周方向に一周等間隔に配列する開口列として形成することができる。

そしてケース部 460内には、ィンフレー夕基部 450を内装した状態において、インフレ一夕基部 450の外周面とケース部 460内周面との間に、ガス排出口 416 から放出するガスをガス噴出口 470に導くためのガス流通空間 480が確保される。図 1 0のように両ガス噴出口 470a、 470b を配置する場合、このガス流通空間 480は、第 2ガス噴出口 470bの総開口面積よりも大きく形成される。このとき、第 1ガス噴出口 470aの総開口面積は当然ながらガス流通空間 480の環状断面積よりも小さく形成される。これにより、エアバッグに送られるガスの量がガス噴出口 470a、 470b により調整されることになる。しかし、第 1ガス噴出口 470aと第 2ガス噴出口 470bが図 1 0に示す位置関係と反対に形成される場合（即ち、図 1 0において第 1ガス噴出口 470aが記載されている部分に第 2 ガス噴出口 470bが設けられ、第 2ガス噴出口 470bが記載されている部分に第 1ガス噴出口 70aが設けられるように、各ガス噴出口が、孔の大小を反対にして形成される場合）、第 1ガス噴出口 470aの総開口面積は、ガス流通空間 480 の環状断面積より小さく形成される。このとき、第 2ガス噴出口 470bはガス排出口 414から流れたガスが第 1ガス噴出口 470aに到達するまでに、その流れを干渉する部材乃至構造がないため、ガス流通空間 480の環状断面積よりも大きくても小さくても良い。

図 1 1においては、両ガス噴出口 470a， 470bと、ガス排出口 416と.の間に環状のガス流通空間 480が存在するため、第 1ガス噴出口 470a及び第 2ガス噴出口 470bよりも、ガス流通空間 480の環状断面積を大きく形成する。

これにより、このガス流通空間 480が作動時に於けるガス流れを規制する隘路となることはなくなり、それぞれのガス噴出口 470からのガス量は、各ガス噴出口 470の総開口面積によって調整することができるようになる。なお、このガス流通空間 480は、常に環状として形成される必要はなく、ガスの流路断面形状（即ち、ガスの流れ方向に対して直交する断面形状）が三日月状或いはその他の形状にすることもできる。

ケース部 460は、開口側端部にインフレ一夕基部 450を内装した状態で、その開口端部をかしめることで固定されており、特にインフレ一夕基部 450の外周面に溝 481を形成し、この溝 481に対してかしめる事が望ましい。特に図 1 0及び 1 1では、当該溝はインフレ一夕基部 450の外側、より具体的にはインフレー夕ハウジング 411における点火手段 415を内装している部分の外側に、周方向に一周する溝 481が形成されているが、その他にも当該箇所の一部、乃至断続的に周回するものとして形成することもできる。なお、ケース部 460とインフレ一夕基部 450との間における密閉状態を確実なものとするために、両者間には 0—リング 490を介在させることが望ましい。そこで、図 1 0に示すィンフレータ 410では、第 2ガス噴出口 470bよりも僅かに開口端部側にずれた位置に〇一リング 490を設け、図 1 1に示すインフレ一夕 410では、前記ケース部 460のかしめ部分に 0—リング 490を設けている。なお、図 1 1のインフレー夕基部 450には、そのハウジング 411の軸方向のほぼ中央部にガス排出口 416が存在するものであるが、中央部からずれて形成されたもの、またハウジング 411周壁全面にわたってガス排出口 416が形成されたものでも良い。

次に各図に示したインフレ一夕 410の作動状態を説明すると、図 1 0に示すインフレ一夕 410では、点火手段 415の作動に起因してインフレ一夕基部 450 が作動し、インフレ一夕ハウジング 411内のガスが軸方向端部に設けられたディフユザ一部 414のガス排出口 416から放射方向に排出される。そして、このガスはケース部 460の内壁面に衝突して流れの向きが変えられると共に、ガス流通空間 480に案内されて各ガス噴出口 470に到達する。この時、第 2ガス噴出口 470bの総開口面積は、第 1ガス排出口 416の総開口面積よりも大きく形成されていることから、優先的に大量のガスが第 2ガス噴出口 470bから排出されることになる。

一方、図 1 1に示すィンフレ一タ 410では、点火手段 415の作動に起因してィンフレー夕基部 450が作動し、ィンフレー夕ハウジング 411内のガスがハウジング中央に存在するガス排出口 416から放射方向に排出される。そして、このガスはケース部 460の内壁面に衝突して流れの向きが変えられると共に、ガス流通空間 480に案内されて各ガス噴出口 470に到達する。この時、第 2ガス噴出口 470bの総開口面積は、第 1ガス排出口 416の総開口面積よりも大きく形成されていることから、優先的に大量のガスが排出されることになる。

依って、図 1 0及び図 1 1に示した何れのィンフレー夕 410においても、第 2ガス噴出口 470b側に繋げたエアバッグ乃至エアバッグ部分を、優先的に膨張させることができる。そこで、この態様に示したインフレ一夕 410 も、前記図 2に示したようなエアバッグシステムに好適に使用することができる。

更に本発明のインフレ一夕は、図 1 2に示すように、前記ケース部を筒状として、その両端開口をインフレ一夕ハウジングの外周面に外嵌することもできる。この図において、インフレ一夕基部 450は、インフレ一夕ハウジング 411 の一端側に点火手段 415を装填すると共に、他端側にはフランジ状の端部ボス 451が設けられ、当該インフレ一夕ハウジング 411を閉塞している。この端部ボス 451の周面は、周方向に段状に欠いて形成されており、この段部に筒状に形成されたケース部が外嵌している。端部ボス 451周面の段部は、インフレ一夕ハウジングの周面よりも外径を大きくされていることから、インフレ一夕八ウジング 411とケース部 460との間には環状のガス流通空間 480が確保されることになる。この図 1 2に示したインフレ一夕は、上記図 1 1に示したものと同じように作動することができる。

Claims

請求の範囲

1 . 軸方向両側に開口部が設けられたチューブ状のィンフレー夕ハウジングと、

インフレ一夕ハウジングの軸方向両端に設置されて、開口部から流出する加圧媒質をエアバッグに放出するガス排出口を備えるディフューザ部と、

各破裂板に対応して設けられ、この破裂板を破壌する点火器とを含んで構成されており、

何れか一方の隘路部におけるガスの流路断面積（A) と、他方の隘路部におけるガスの流路断面積（B ) とは異なることを特徴とするエアバッグ用インフレー夕。

2 . 前記隘路部は、各ディフューザ部に形成される複数のガス排出口であり、何れか一方のディフユ一ザ部に形成されたガス排出口の総開口面積と、他のディフユ一ザ部に形成されたガス排出口の総開口面積とが異なっている請求項

3 . 前記隘路部は、インフレ一夕ハウジングの軸方向両端部に設けられた開口部であり、

何れか一方のインフレ一夕ハウジング軸方向端部に形成された開口部の開口面積と、他方のインフレ一夕ハウジング軸方向端部に形成された開口部の開口面積とは異なっている請求項 1記載のエアバッグ用インフレ一夕。

4 . 前記ディフューザ部は、それぞれ破裂板を破壌する点火器を内包しており、

前記隘路部は、ディフューザ部内周面と点火器の外周面との間に形成される、ガス排出口に至るまでの隙間であり、

何れか一方のディフューザ部内周面と点火器の外周面との間に生じる隙間の最小径方向断面積と、他のディフユ一ザ部内周面と点火器の外周面との間に生じる隙間の最小径方向断面積とが異なつている請求項 1記載のェアバッグ用ィンフレー夕。

5 . 前記インフレ一夕ハウジングの内部には、径方向に広がる仕切板が配置されており、この仕切板には、インフレ一夕ハウジングの軸方向の両側に形成された隘路部の内、ガスの流路断面積が小さい方の隘路部よりも更に小さいガスの流路断面積で形成された孔部が設けられている請求項 1〜 4の何れか一項記載のエアバッグ用ィンフレー夕。

6 . 前記インフレ一夕ハウジングの内部には、径方向に広がる仕切板が配置されており、この仕切板には孔部が設けられると共に、この孔部は、インフレ一夕ハウジングの軸方向の両側に形成された隘路部の内、ガスの流路断面積が大きい方の隘路部が形成された側から取り付けられた閉塞部材で閉じられている請求項 1〜 5の何れか一項記載のエアバッグ用インフレー夕。

7 . インフレ一夕ハウジングの軸方向両端に設置される 2つのディフューザ部の内、 1つのディフューザ部が乗員の側面上部付近に存在するエアバッグ又はェアバッグ部分と繋がり、他方の 1つのディフューザ部が乗員の側面下部付近に存在するエアバッグ又はエアバッグ部分と繋がっており、

乗員の側面上部付近に存在するエアバッグ又はエアバッグ部分と槃がるディフユ一ザ部側に形成される隙路部のガスの流路断面積（A) は、乗員の側面下部付近に存在するエアバッグ又はエアバッグ部分と繋がるディフューザ部側に形成される隘路部のガスの流路断面積（B ) よりも小さく形成されている請求項 1〜 6の何れか一項記載のエアバッグ用インフレー夕。

8 . インフレ一夕ハウジングの軸方向両端に設置される 2つのディフユ一ザ部の内、 1つのディフューザ部が乗員の側面上部付近に存在するエアバッグ又はエアバッグ部分と繋がり、他方の 1つのディフューザ部が乗員の側面下部付近に存在するエアバッグ又はエアバッグ部分と繋がっており、

乗員の側面上部付近に存在するエアバッグ又はエアバッグ部分と繋がるディフューザ部側に形成される隘路部のガスの流路断面積（A) は、乗員の側面下部付近に存在するェアバッグ又はェアバッグ部分と繋がるディフユ一ザ部側に形成される隘路部のガスの流路断面積（B ) よりも大きく形成されている請求項 1〜 6の何れか一項記載のエアバッグ用インフレ一夕。

9 . エアバッグと、エアバッグを膨張させるためのェアバッグ用インフレ一夕とを含んで構成されたエアバッグシステムであり、

ェアバッグは第 1ガス導入口と第 2ガス導入口とを有し、

エアバッグ用インフレ一夕は、請求項 1〜6の何れか一項記載のものが使用されており、

エアバッグ用インフレ一夕に設けられる各ディフューザ部は、それぞれ異なるガス導入口に接続されていることを特徴とするエアバッグシステム。

1 0 . 前記エアバッグの内部空間は、第 1ガス導入口に繋がる空間と、第 2 ガス導入口に繋がる空間とに仕切られると共に、一部分において連通している請求項 9記載のエアバッグシステム。

1 1 . 前記第 1ガス導入口は、乗員の側面上部付近に存在するエアバッグ部分に繫がり、第 2ガス導入口は乗員の側面下部付近に存在するエアバッグ部分に繋がっており、

第 1ガス導入口に接続する第 1ディフユ一ザ部側に形成された隘路部のガスの流路断面積（A) は、第 2ガス導入口に接続する第 2ディフューザ部側に形成された隘路部のガスの流路断面積（B ) よりも小さく形成されている請求項 9又は 1 0記載のエアバッグシステム。

1 2 . 前記第 1ガス導入口は、乗員の側面上部付近に存在するエアバッグ部分に繋がり、第 2ガス導入口は乗員の側面下部付近に存在するエアバッグ部分に繋がっており、

第 1ガス導入口に接続する第 1ディフューザ部側に形成された隘路部のガスの流路断面積（A) は、第 2ガス導入口に接続する第 2ディフユ一ザ部側に形成された隘路部のガスの流路断面積（B ) よりも大きく形成されている請求項 9又は 1 0記載のエアバッグシステム。

1 3 . 複数のエアバッグと、エアバッグを膨張させるためのエアバッグ用ィンフレー夕とを含んで構成されたエアバッグシステムであり、

エアバッグ用インフレ一夕は、請求項 1 ^ 6の何れか一項記載のものが使用されており、

複数のエアバッグは、エアバッグ用インフレ一夕に設けられる各ディフューザ部毎に異なるエアバッグが取り付けられていることを特徴とするエアバッグンス： rム。

1 4 . 複数のエアバッグの内、乗員の上部付近に存在するエアバッグを取り付けた第 1ディフユ一ザ部側に形成された隘路部のガスの流路断面積（A) は、乗員の下部付近に存在するエアバッグを取り付けた第 2ディフューザ部側に'形成された隘路部のガスの流路断面積（B ) よりも小さく形成されている請求項 1 3記載のエアバッグシステム。

11 55 .. 複複数数ののエエアアババッッググのの内内、、乗乗員員のの上上部部付付近近にに存存在在すするるエエアアババッッググをを取取りり付付けけたた第第 11デディィフフュューーザザ部部側側にに形形成成さされれたた隘隘路路部部ののガガススのの流流路路断断面面積積（（AΑ)) はは、、乗乗員員のの下下部部付付近近にに存存在在すするるエエアアババッッググをを取取りり付付けけたた第第 22デディィフフュューーザザ部部側側にに形形成成さされれたた隘隘路路部部ののガガススのの流流路路断断面面積積（（BΒ )) よよりりもも大大ききくく形形成成さされれてていいるる請請求求項項 11 33記記載載ののエエアアババッッググシシスステテムム。。

11 66.... 点点火火電電流流をを受受領領ししてて作作動動すするる点点火火手手段段とと、、イインンフフレレ一一夕夕ハハウウジジンンググとと、、作作動動時時ににイインンフフレレ一一夕夕ハハウウジジンンググ内内ののガガススをを外外部部にに放放出出すするるガガスス排排出出口口ととをを備備ええるるイインンフフレレ一一夕夕基基部部とと、、

少少ななくくととももガガスス排排出出口口をを含含んんででィィンンフフレレーー夕夕基基部部のの外外側側のの全全部部又又はは一一部部をを覆覆ううチチュューーブブ状状ののケケーースス部部ととをを含含んんでで構構成成さされれてておおりり、、

該該ケケーースス部部のの周周面面ににはは、、軸軸方方向向両両側側ののみみににガガスス噴噴出出口口がが偏偏在在ししてて設設けけらられれ、、該該ケケーースス部部のの内内部部空空間間はは、、当当該該ガガスス噴噴出出口口をを介介ししててののみみ外外気気とと連連通通すするる閉閉塞塞状状にに形形成成さされれてておおりり、、

イインンフフレレ一一夕夕ハハウウジジンンググととケケーースス部部ととのの間間ににはは、、略略同同一一幅幅をを有有すするる円円環環状状のの空空間間ででああっってて、、ガガスス排排出出口口かからら放放出出すするるガガススををガガスス噴噴出出口口にに導導くくたためめののガガスス流流通通空空間間がが確確保保さされれてておおりり、、

ケケーースス部部のの軸軸方方向向両両側側にに設設けけらられれるるガガスス噴噴出出口口はは、、何何れれかか一一方方のの軸軸方方向向端端部部にに設設けけらられれたたガガスス噴噴出出口口のの総総開開口口面面積積（（ΑΑ '' )) とと、、他他方方のの軸軸方方向向端端部部にに設設けけらられれたたガガスス噴噴出出口口のの総総開開口口面面積積（（ΒΒ '' )) ととがが異異ななっってていいるるエエアアババッッググ用用イインンフフレレ一一夕夕。。 11 77 .. 前前記記イインンフフレレ一一夕夕ハハウウジジンンググががチチュューーブブ状状でであありり、、イインンフフレレ一一夕夕ハハウウジジンンググのの一一端端部部にに前前記記点点火火手手段段がが設設置置さされれてておおりり、、

前前記記ケケーースス部部はは一一端端部部をを閉閉塞塞しし、、他他端端部部をを開開放放ししたたチチュューーブブ状状ででああっってて、、そそのの開開放放端端部部ははイインンフフレレ一一夕夕基基部部のの外外側側にに密密着着すするるここととでで閉閉塞塞さされれてていいるる請請求求項項 *

1 8 . 前記インフレ一夕ハウジングの他端部にはガス排出口が形成されたディフユザ一部が設けられ、このディフユザ一部を前記ケース部の閉塞端部に対向させている請求項 1 7記載

1 9 . 前記インフレ一夕基部の外周面には凹部が形成されており、前記ケース部の開放端部は、当該凹部に対してかしめて固定されている請求項 1 7記載

2 0 . 前記ケース部の内部空間に確保されるガス流通空間の流路断面積は、ケース部の軸方向両側同士間で異なっているガス噴出口の総開口面積の内、小さい方の総開口面積よりも大きい請求項 1 6〜1 9の何れか一項記載のェアバッグ用インフレ一夕。

2 1 . 前記ケース部の内部空間に確保されるガス流通空間の流路断面積は、ケース部の軸方向両側同士間で異なっているガス噴出口の総開口面積の内、大きい方の総開口面積よりも大きい請求項 1 6〜1 9の何れか一項記載のェアバッグ用インフレ一夕。

2 2 . 前記ケース部の軸方向両端部に形成されたガス噴出口は、何れも円周方向に配置されている請求項 1 6〜2 1の何れか一項記載のエアバッグ用インフレー夕。

2 3 . エアバッグと、エアバッグを膨張させるためのエアバッグ用インフレ一夕とを含んで構成されたエアバッグシステムであり、

エアバッグは第 1ガス導入口と第 2ガス導入口とを有し、

エアバッグ用インフレ一夕は、請求項 1 6〜2 2の何れか一項記載のものが使用されており、

エアバッグ用インフレ一夕のケース部軸方向両側に設けられるガス噴出口は、それぞれ異なるガス導入口に接続されていることを特徴とするエアバッグシステム。

2 4. エアバッグと、エアバッグを膨張させるためのエアバッグ用インフレ一夕と、エアバッグ用インフレ一夕の外側の全部又は一部を覆うチューブ状のケース部とを含んで構成されており、

エアバッグは第 1ガス導入口と第 2ガス導入口とを有し、

ケース部は、少なくともエアバッグ用インフレ一夕が備えるガス排出口を覆うものであって、該ケース部の周面には、軸方向両側のみにガス噴出口が偏在して設けられると共に、該ケース部の内部空間は、当該ガス噴出口を介してのみ外気と連通する閉塞状に形成されており、

エアバッグ用インフレ一夕の外面とケース部との間には、略同一幅を有する円環状の空間であって、ガス排出口から放出するガスをガス噴出口に導くためのガス流通空間が確保されており、

ケース部の軸方向両側に設けられるガス噴出口は、何れか一方の軸方向端部に設けられたガス噴出口の総開口面積（Α ') と、他方の軸方向端部に設けられたガス噴出口の総開口面積（Β ') とが異なっており、

ケース部軸方向両側に設けられるガス噴出口は、それぞれ異なるガス導入口に接続されていることを特徴とするエアバッグシステム。

2 5 . 前記エアバッグシステムは、エアバッグと、エアバッグ用インフレ一夕とを収容するモジュールケースを含んで構成されており、前記ケース部は当該モジュールケースに設けられる請求項 2 4記載のエアバッグシステム。

2 6 . 前記エアバッグの内部空間は、第 1ガス導入口に繋がる空間と、第 2 ガス導入口に繋がる空間とに仕切られると共に、一部分において連通している請求項 2 3〜2 5の何れか一項記載のエアバッグシステム。

2 7 . 前記第 1ガス導入口は、乗員の側面上部付近に存在するエアバッグ部分に繋がり、第 2ガス導入口は乗員の側面下部付近に存在するエアバッグ部分に繋がっており、

第 1ガス導入口に接続する第 1ガス噴出口の総開口面積（Α ') は、第 2ガス導入口に接続する第 2ガス噴出口の総開口面積（Β ' ) よりも小さく形成されている請求項 2 3〜2 6の何れか一項記載のエアバッグシステム。

2 8 . 前記第 1ガス導入口は、乗員の側面上部付近に存在するエアバッグ部分に繋がり、第 2ガス導入口は乗員の側面下部付近に存在するエアバッグ部分に繋がっており、

第 1ガス導入口に接続する第 1ガス噴出口の総開口面積（Α ' ) は、第 2ガス導入口に接続する第 2ガス噴出口の総開口面積（Β ' ) よりも大きく形成されている請求項 2 3〜2 6の何れか一項記載のエアバッグシステム。

2 9 . 複数のエアバッグと、エアバッグを膨張させるためのエアバッグ用ィンフレ一夕とを含んで構成されたエアバッグシステムであり、

複数のエアバッグは、エアバッグ用インフレ一夕のケース部軸方向両側に設けられるガス噴出口毎に異なるェアバッグが取り付けられていることを特徴とするエアバッグシステム。

3 0 . 複数のエアバッグと、エアバッグを膨張させるためのエアバッグ用ィンフレ一夕と、エアバッグ用インフレ一夕の外側の全部又は一部を覆うチューブ状のケース部とを含んで構成されており、

該ケース部は、少なくともエアバッグ用インフレ一夕が備えるガス排出口を覆うものであって、該ケース部の周面には、軸方向両側のみにガス噴出口が偏在して設けられると共に、該ケース部の内部空間は、当該ガス噴出口を介してのみ外気と連通する閉塞状に形成されており、

ケース部の軸方向両側に設けられるガス噴出口は、何れか一方の軸方向端部に設けられたガス噴出口の総開口面積（Α ' ) と、他方の軸方向端部に設けられたガス噴出口の総開口面積（Β ') とが異なっており、

前記複数のエアバッグは、ケース部軸方向両側に設けられるガス噴出口毎に異なるェアバッグが取り付けられていることを特徴とするエアバッグシステム。 3 1 . 前記エアバッグシステムは、エアバッグと、エアバッグ用インフレ一夕とを収容するモジュールケースを含んで構成されており、前記ケース部は当該モジュールケースに設けられる請求項 3 0記載のエアバッグシステム。

3 2 . 複数のエアバッグの内、乗員の上部付近に存在するエアバッグを取り付けた第 1ガス噴出口の総開口面積（Α ') は、乗員の下部付近に存在するエアバッグを取り付けた第 2ガス噴出口の総開口面積（Β ' ) よりも小さく形成されている請求項 2 9〜3 1の何れか一項記載のエアバッグシステム。

3 3 . 複数のエアバッグの内、乗員の上部付近に存在するエアバッグを取り付けた第 1ガス噴出口の総開口面積（Α ') は、乗員の下部付近に存在するエアバッグを取り付けた第 2ガス噴出口の総開口面積（Β ' ) よりも大きく形成されている請求項 2 9〜3 1の何れか一項記載のエアバッグシステム。