明 細 書 放出制御医薬組成物 技術分野
. 本発明は、 HMG-CoA還元酵素阻害剤ピタパスタチン、 その塩又はそのエステル を含有する放出制御医薬組成物に関する。 背景技術
ピタパスタチン、 その塩又はそのエステルは、 優れた HMG- CoA還元酵素阻害活 性を有し、 高コレステロール血症治療薬として有用であることが知られている (USP5, 856, 336、 EP0, 304, 063)。 当該ピタパスタチン含有医薬等の高コレステロ 一ル血症治療薬は、 錠剤、 顆粒剤、 カプセル剤等の経口投与用製剤として用いら れる (USP6, 465, 477、 W097/23200) 。 そして通常の経口投与用製剤は、 服用後 0 . 5〜 3時間で有効成分の血中濃度がピークになり、 その後速やかに消失され るように設計されている。 ところが、 コレステロールの生体内での合成は深夜か ら朝にかけて行なわれること力 ら、 有効成分の血中濃度とコレステロールの生合 成の時間帯とが合致しない可能性が高い。
また、 ビタパスタチン、 その塩又はそのエステルは有効性が高く、 かつ安全性 の高いことが知られているが、 副作用の発生を防止する観点から、 過剰に高い血 中濃度にはならないことが望ましい。
さらに、 ピタパスタチン、 その塩又はそのエステルの優れた高コレステロール 低下作用を長時間維持することも要求されている。
従って、 本発明の目的は、 ピタパスタチン、 その塩又はそのエステルの血中濃 度を適度に長時間安定に維持し得る放出制御医薬組成物を提供することにある。
発明の開示
そこで本発明者は、 ピタパスタチン、 その塩又はそのエステルの放出制御医薬 組成物を開発すべく種々検討した。 まず、 前記課題を解決する方法として、 0次 の薬物放出性を有する徐放性製剤が提案された。 しかし 0次の薬物放出性を有す る徐放性製剤のみでは、 投与直後に血中濃度が上昇しにくく、 同一用量の通常製 剤と比較すると、 最高血中濃度 Cmaxが大きく低下し、 さらに高コレステロール低 下作用の指標にあたる血中濃度曲線下面積 (AUC)も大幅に減少したため、 前記課 題を解決するには至らなかった。
そこでピタパスタチン、 その塩又はそのエステルの吸収動態を検討したとこ ろ、 通常の薬物の主な吸収部位が小腸であるのとは大きく相違し、 ピタパスタチ ン、 その塩又はそのエステルの場合には、 十二指腸で最もよく吸収され、 さらに 小腸だけでなく、 大腸においても良く吸収されることが判明した。 かかる知見に 基づき、 さらに検討した結果、 ピタパスタチン、 その塩又はそのエステルを含 み、 少なくとも胃内でそれらの放出を開始する組成物と、 ピタパスタチン、 その 塩又はそのエステルを含む腸溶性組成物とを組み合せた製剤であれば、 投与直後 から適度な有効血中濃度を得、 さらに長時間にわたって適度な血中濃度が維持さ れることを見出し、 本発明を完成するに至った。
すなわち、 本発明は、 (A) ピタパスタチン、 その塩又はそのエステルを含 み、 少なくとも胃内でそれらの放出を開始する組成物、 及び (B) ピタバスタチ ン、 その塩又はそのエステルを含む腸溶性組成物を含有することを特徴とする放 出制御医薬組成物を提供するものである。 図面の簡単な説明
図 1は、 実施例 5、 比較例 1及び比較例 2の組成物の溶出試験結果を示す図で 図 2は、 実施例 5、 比較例 1及ぴ比較例 2の組成物を犬に経口投与した場合の
血漿中ピタパスタチン濃度の変化を示す図である。 発明を実施するための最良の形態
本発明の放出制御医薬組成物は、 (A) ピタパスタチン、 その塩又はそのエス テル (以下、 ピタパスタチン類という) を含み、 少なくとも胃内でピタバスタチ ン類の放出を開始する組成物と、 (B) ピタパスタチン類を含む腸溶性組成物と を含有するものである。 ここで組成物 (A) は、 少なくとも胃内でピタバスタチ ン類の放出を開始する組成物であり、 胃内で組成物 (A) 中のピタパスタチン類 のほとんどを放出する組成物であってもよいし、 胃内で組成物 (A) 中のピタバ スタチン類の一部のみを放出する組成物であってもよい。 胃内で組成物 (A) -中 のピタパスタチン類の 3 0質量%以上を放出する組成物とするのが、 投与直後の ピタパスタチン類の有効血中濃度を確保するうえで好ましい。
また、 腸溶性組成物 (B ) としては、 pH 3 . 0以上で溶解する成分でピタパス タチン類若しくはピタパスタチン類を含む組成物をコーティングする力、 又はピ タパスタチン類と PH 3 . 0以上で溶解する成分を混合した組成物が好ましい。 従 つて腸溶性組成物 (B ) に含有されるピタパスタチン類は、 胃内では殆ど放出さ れず十二指腸付近を通過後に放出される。
本発明放出制御医薬組成物の有効成分であるピタパスタチン類はその特徴とし て、 十二指腸で良く吸収される (表 1参照) 。 よって胃内で組成物 (A) 力 放 出されたピタパスタチン類は殆ど十二指腸で吸収されると考えられる。 これに対 し腸溶' I·生組成物 (B ) は十二指腸付近を通過後にピタパスタチン類を放出するた め最初に小腸で吸収されることになる。 小腸でのピタパスタチン類の吸収率は、 十二指腸と比較し約 3分の 1であり (表 1参照) 、 仮に小腸で急速にピタパスタチ ン類が放出されたとしても、 急激な吸収は起きない。 またピタパスタチン類がこ れらの部位を通過するにはある程度の時間を要する。 よって小腸〜大腸にかけて は、 ピタパスタチン類はある程度の時間をかけて緩やかに吸収されることにな
る。 以上から本発明の放出制御医薬組成物は、 理想的なピタパスタチン類血中濃 度を保持することができる。
また 常の薬物では、 消化管内における吸収部位が小腸であることより、 小腸 を通過し大腸に到達した薬物は殆ど吸収されない。 そのため徐放性製剤の場合、 同一用量の通常製剤と比較して生物学的利用率が低下する等の問題が生じる。 し かし、 ピタパスタチン類は十二指腸に続き大腸からの吸収率も良い (表 1参照) ことから、 本発明の放出制御医薬組成物では、 同一用量の通常製剤と比較しても 殆ど変らなレヽ生物学的利用率が得られる。
'類のラットにおける吸収部位
(in situ ループ試験)
本発明放出制御医薬組成物に用いられるピタパスタチンは、 化学名 (+) —
( 3 R, 5 S , 6 E ) - 7 - 〔2—シクロプロピル一 4一 (4ーフノレオロフェニ ル) _ 3—キノリル〕 - 3 , 5—ジヒ ドロキシ _ 6—ヘプテン酸であり、 前記の ように優れた HMG- CoA還元酵素阻害剤であって、 高コレステロール血症治療薬と して有用であることが知られている。 また、 ピタパスタチンの塩としては、 ナト リゥム塩、 力リゥム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩、 マグネシウム塩等の アルカリ土類金属塩が挙げられるが、 このうちカルシウム塩が特に好ましい。 ま た、 そのエステノレとしては、 メチノレエステノレ、 ェチノレエステノレ、 i—プロピルェ ステル、 n—プロピルエステル等のアルキルエステルが挙げられる。
糸且成物 (A) は、 前記の如く、 胃内で組成物 (A) 中のピタパスタチン類の 3 0質量%以上を放出する組成物とするのが好ましいが、 さらに胃内で組成物
(A) 中のピタパスタチン類の 3 0質量%以上 6 0質量%未満を放出する組成
物、 6 0質量。/。以上 8 5質量%未満を放出する組成物、 8 5質量%以上を放出す る組成物のように胃内でのピタパスタチン類放出量を制御するのが好ましい。 こ こで、 胃内での放出率は、 被検組成物 (A) を、 日局一般試験法 溶出試験法第 2法 (パドル法) を用いて、 pH l . 2の人工胃液 9 0 O mL中に投入し、 3 7土 1 °C、 パドル回転数 1 0 0 rpmの条件で 3 0分間撹拌した後のピタパスタチン類 の溶出量を測定する、 又は被検医薬組成物を、 日局一般試験法 溶出試験法第 2 法 (パドル法) を用いて、 pH l . 2の人工胃液 9 0 O mL中に投入し、 3 7土 1 °C、 パドル回転数 1 0 0 rpmの条件で 3 0分間撹拌した後のピタバスタチン類 の溶出量を測定し、 被検医薬組成物に含有される組成物 (A) 中のピタパスタチ ン類の含有量から計算することにより求めることができる。
組成物 (A) からの胃内へのピタパスタチン類の放出率は、 通常の基剤に徐放 性成分を配合することにより調整することができる。 ここで、 組成物 (A) に用 いられる基剤としては、 例えば乳糖、 コーンスターチ、 変' I"生コーンスターチ、 マ ンニトール、 ソルビトール、 木材セルロース、 微結晶セルロース、 炭酸カルシゥ ム等の賦形剤 (増量剤) ; ヒ ドロキシプ口ピルセルロース、 ヒ ドロキシプ口ピル メチルセルロース、 ポリビニルピロリ ドン、 ポリビニルアルコール (部分けん化 物) 等の結合剤;低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、 カルメロース、 カル ポキシスターチナトリウム、 カルメロースカルシウム、 トウモロコシデンプン、 部分アルファ一化デンプン、 クロスカルメロースナトリウム、 クロスポピドン等 の崩壌剤;ステアリン酸マグネシウム、 ステアリン酸、 パルミチン酸、 ステアリ ン酸カルシウム、 タルク等の滑沢剤、 糖類、 セルロース誘導体、 ポリビニル誘導 体、 アルキレンォキシド重合体、 油脂類、 メタタリル酸メチル ·メタタリル酸ブ チル ·メタクリル酸ジメチルァミノェチル共重合体、 ァラビアゴム、 ローカスト ビーンガム、 カラギーナン、 キサンタンガム、 アルファーイ匕デンプン、 ぺクチ ン、 グ /レコマンナン、 グ /レテン、 カゼイン、 ゼラチン、 ゼイン等のコーティング 剤を配合できる。
ここで糖類としては、 乳糖、 果糖、 ブドウ糖、 ショ糖、 麦芽糖、 マルトース、 ソルビトール、 キシリ トーノレ、 マルチトーノレ、 マンニトール、 トレノヽロース、 フ ノレクトース、 シクロデキストリン、 エリスリ トール、 還元パラチノース、 ラクチ トール等が挙げられる。
セルロース誘導体としては、 メチルセルロース、 ェチルセノレロース、 ヒドロキ シプロピルセルロース、 ヒ ドロキシプロピノレメチノレセルロース、 低置換度ヒドロ キシプロピルセルロース等が挙げられる。
ポリビニル誘導体としては、 ポリビュルピロリ ドン、 ポリビニルァセタールジ ェチルアミノアセテート、 ポリビュルアルコール (部分けん化物) 等が挙げられ る。
アルキレンォキシド重合体としては、 ポリエチレングリコール、 ポリプロピレ ングリコール等が挙げられる。
油脂類としては、 ショ糖脂肪酸エステル、 ステアリン酸ポリオキシル 4 0等が 挙げられる。
さらに、 組成物 (A) には、 ピタパスタチン類の経時安定性を向上させる目的 で組成物 (A) の水溶液又は水分散液の pHを 6 . 8以上、 特に 6 . 8〜7 . 8に し得る塩基性物質を配合するのが好ましく、 例えばメタケイ酸アルミン酸マグネ シゥム、 ケィ酸アルミン酸マグネシウム、 アルミン酸マグネシウム、 乾燥水酸ィ匕 アルミニウム、 合成ヒ ドロタルサイト、 合成ケィ酸アルミニウム、 炭酸マグネシ ゥム、 沈降炭酸カルシウム、 酸化マグネシウム、 水酸化アルミニウム及び炭酸水 素ナトリゥムのような制酸剤; L—アルギニン、 リン酸ナトリゥム、 リン酸水素 ニナトリウム、 リン酸二水素ナトリウム、 リン酸カリウム、 リン酸水素二力リウ ム、 リン酸二水素カリウム、 クェン酸ニナトリウム、 コノヽク酸ナトリウム、 塩ィ匕 アンモニゥム及ぴ安息香酸ナトリウムのような pH調節剤などを挙げることができ る。 これらのうちメタケイ酸アルミン酸マグネシウム、 L—アルギニン、 リン酸 水素二力リゥムの使用が特に好ましい。
ここでいう pHは、 本発明医薬組成物または各組成物 (組成物 (A) 又は腸溶性 組成物 (B ) )の単位投与量の 5 w/v%懸濁液の pH値である。
組成物 (A) への徐放性成分の配合は、 ピタパスタチン類又はピタパスタチン 類を含む組成物を徐放性成分でコーティングするか、 ピタパスタチン類と徐放性 成分を混合することにより得られるものが好ましい。 ここでコーティング用徐放 性成分としては生分解性ポリマー、 セルロース誘導体、 (メタ) アクリル酸系 (共) 重合体、 アルキレンォキシド重合体、 油脂類、 シリコーン類、 キチン、 キ トサン、 カゼイン、 トラガントガム、 グァガム、 ジヱランガム及びアラビアゴム 等が挙げられる。
生分解性ポリマーとしては、 ポリ乳酸、 ポリダリコール酸、 ポリヒドロキシ酪 酸、 ポリ _ α—シァノアクリル酸エステル、 ポリオルソエステル、 ポリアミノ 酸、 ゼラチン等が挙げられる。
セルロース誘導体としては、 メチルセルロース、 ェチルセルロース、 プロピル セノレロース、 ヒ ドロキシメチノレセノレロース、 ヒ ドロキシェチノレセノレロース、 ヒ ド ロキシプロピルセルロース、 ヒ ドロキシプロピルメチノレセルロース、 力ノレボキシ メチノレセノレロース、 カノレボキシェチノレセルロース、 力ノレボキシプロピノレセルロー ス、 メチノレヒ ドロキシプロピノレセノレ口一ス、 セノレロースァセチノレフタレート、 セ ルロースジァセチノレフタレート、 セノレローストリアセチ /レフタレート、 ポリオキ シェチルセルロースフタレート、 ヒ ドロキシェチルセルロースフタレート、 ヒ ド ロキシプロピルセルロースフタレート、 酢酸セルロース、 及びこれらの塩等が挙 げられる。
(メタ) アクリル酸系 (共) 重合体としては、 アクリル酸ェチル.メタクリル 酸メチル 'メタタリル酸塩化トリメチルァンモニゥムェチル共重合体、 メタクリ ル酸ブチル 'メタクリル酸ジメチルァミノェチル共重合体、 アタリル酸重合体、 アタリル酸メチル重合体、 メタタリル酸ジメチルァミノェチルエーテル重合体等 が挙げられる。
アルキレンォキシド重合体としては、 ポリエチレングリコール、 ポリプロピレ ングリコールなどが挙げられる。
油月旨類としては、 硬化油、 モノダリセライド、 トリグリセライド、 ワックス、 高級脂肪酸、 ショ糖脂肪酸エステル、 高級脂肪酸グリセリンエステル等が挙げら れる。
シリコーン類としては、 ジメチルポリシロキサン、 メチルポリシロキサン、 シ リコーン油やジメチルポリシロキサン ·二酸化ケイ素混合物、 シリコーン消泡 剤、 シリコーン樹脂ェマルジョン等のジメチルポリシロキサンの混合物等が挙げ られる。
また混合用徐放性成分としては、 生分解性ポリマー、 デンプン類、 デキストラ ン類、 セルロース誘導体、 (メタ) アクリル酸系 (共) 重合体、 アルキレンォキ シド重合体、 油脂類、 カラギーナン、 キチン、 キトサン、 カゼイン、 トラガント ガム、 グァガム、 ジエランガム、 パラフィン、 シリコーン類、 アラビアゴム、 ポ リグルタミン酸、 ポリアスパラギン酸、 ポリリジン、 ポリアルギニン、 アルギン 酸、 ぺクチン酸、 キサンタンガム等が挙げられる。
生分解性ポリマーとしては、 ポリ乳酸、 ポリグリコール酸、 ポリヒドロキシ酪 酸、 ポリ一 α—シァノアクリル酸エステル、 ポリオルソエステル、 ポリアミノ 酸、 ゼラチン、 コラーゲン、 コンドロイチン硫酸、 ヒアルロン酸、 アルブミン、 カゼイン、 グロブリン、 ダルテン等が挙げられる。
デンプン類としては、 ひ化アミ口デンプン、 ゼラチン化デンプン、 カルボキシ メチルデンプン、 カルボキシェチルデンプン、 リン酸化デンプン、 酸処理デンプ ン、 酸化デンプン、 ジアルデヒドデンプン、 シンポィリングスターチ、 デキスト リン等が挙げられる。
デキストラン類としては、 デキストラン、 デキストラン硫酸、 カルボキシメチ ルデキストラン等が挙げられる。
セノレロース誘導体としては、 メチルセルロース、 ェチルセルロース、 プロピル
セノレロース、 ヒ ドロキシメチノレセノレロース、 ヒ ドロキシェチノレセノレロース、 ヒ ド ロキシプロピノレセノレロース、 カノレボキシェチノレセノレロース、 力ノレボキシプロピノレ セルロース、 メチルヒ ドロキシプロピノレセノレロース、 セルロースァセチノレフタレ 一 κ セルロースジァセチルフタレート、 セノレローストリアセチルフタレート、 ポリオキシェチルセルロースフタレート、 ヒ ドロキシェチルセルロースフタレー ト、 ヒ ドロキシプロピルセルロースフタレート、 酢酸セルロース、 及ぴこれらの 塩等が挙げられる。
(メタ) ァクリル酸系 (共) 重合体としては、 アタリル酸ェチル ·メタクリル 酸メチル 'メタクリル酸塩化トリメチルァンモニゥムェチル共重合体、 メタタリ ル酸プチル 'メタタリル酸ジメチルァミノェチル共重合体、 アタリル酸重合体、 アタリル酸メチル重合体、 メタタリル酸ジメチルァミノェチルエーテル重合体等 が挙げられる。
アルキレンォキシド重合体としては、 ポリエチレングリコール、 ポリプロピレ ングリコールなどが挙げられる。
油脂類としては、 硬化油、 硬化ヒマシ油、 ォリーブ油、 モノダリセライド、 ト リグリセライド、 ワックス、 高級脂肪酸、 ショ糖脂肪酸エステル、 高級アルコー ル、 高級脂肪酸グリセリンエステル等が挙げられる。
シリコーン類としては、 ジメチルポリシロキサン、 メチルポリシロキサン、 シ リコーン油やジメチルポリシロキサン ·二酸化ケイ素混合物、 シリコーン消泡 剤、 シリコーン樹脂ェマルジョン等のジメチルポリシ口キサンの混合物等が挙げ ら tる。
腸溶性組成物 (B) は、 ピタパスタチン類又はピタパスタチン類を含む組成物 を pH 3 . 0以上、 好ましくは pH 4. 0以上、 さらに好ましくは pH 5. 0以上で溶解 する成分でコーティングする力、 又はピタパスタチン類と pH 3. 0以上、 好まし くは PH4. 0以上、 さらに好ましくは pH 5 . 0以上で溶解する成分を混合すること により得られるものが好ましい。 ここで、 pH 3 . 0以上で溶解する成分として
は、 腸溶性セルロース誘導体、 腸溶性 (メタ) アクリル酸系 (共) 重合体、 腸溶 性マレイン酸系共重合体、 腸溶性ポリビニル誘導体などが挙げられる。 なお、 こ れらの pH 3 . 0以上で溶解する成分は、 pH l . 2の人工胃液中では溶解しないこ とが必要である。
腸溶性セルロース誘導体としては、 セルロースアセテートフタレート、 セル口 ースアセテートサクシネート、 セノレロースアセテートマレエート、 セノレロースべ ンゾエートフタレート、 セノレロースプロピオネ一トフタレート、 セノレロースァセ テート トリメリエ一ト、 セルロースアセテートテトラヒ ドロフタレート、 メチル セノレロースフタレート、 ェチノレヒ ドロキシェチノレセノレロースフタレート、 ヒ ドロ キシプロピルメチルセルロースアセテートフタレート、 ヒ ドロキシプロピルメチ ノレセノレロースフタレート、 ヒ ドロキシメチノレエチノレセノレロースフタレート、 力ノレ ボキシメチルェチルセルロースなどが挙げられる。
腸溶性 (メタ) アクリル酸系 (共) 重合体としては、 スチレン ·アクリル酸共 重合体、 アタリル酸メチル 'アタリル酸共重合体、 アタリル酸メチル'メタクリ ル酸共重合体、 アタリル酸ブチル 'スチレン 'アタリル酸共重合体、 メタクリル 酸 ·メタクリル酸メチル共重合体、 メタクリル酸 'アタリル酸ェチル共重合体、 アタリル酸メチル.メタタリル酸 ·アタリル酸オタチル共重合体などが挙げられ る。 .
腸溶性マレイン酸系共重合体としては、 酢酸ビュル ·マレイン酸無水物共重合 体、 スチレン 'マレイン酸無水物共重合体、 スチレン 'マレイン酸モノエステル 共重合体、 ビニルメチルエーテル ·マレイン酸無水物共重合体、 エチレン 'マレ ィン酸無水物共重合体、 ビニルブチルエーテル ·マレイン酸無水物共重合体、 ァ クリロニトリル.アタリル酸メチル ·マレイン酸無水物共重合体、 ァクリル酸プ チル, スチレン ·マレイン酸無水物共重合体などが挙げられる。
腸溶性ポリビエル誘導体としては、 ポリビニルアルコールフタレート、 ポリビ -ルァセテートフタレート、 ポリビュルブチレートフタレート、 ポリビュルァセ
トアセテートフタレート等が挙げられる。
腸溶性組成物 (B ) には、 さらに前記組成物 (A) に配合し得る成分として列 挙した、 徐放性成分、 賦形剤、 結合剤、 崩壊剤、 滑沢剤及び塩基性物質を配合す ることができる。
本発明の放出制御医薬組成物は、 組成物 (A) 及ぴ腸溶性組成物 (B ) を含有 するものであるが、 組成物 (A) 中のピタパスタチン類と腸溶性組成物 (B ) 中 のピタパスタチン類との質量比は、 本発明放出制御医薬組成物を経口投与した際 のピタパスタチン類の Cmaxを適度に制御し、 AUCの減少を防止し、 また長時間に わたり安定した血中濃度を得るように設計される。 ここでいう適度な Cmaxとは、 l〜8 mgのピタパスタチン類を含む、 徐放性成分を含有しない組成物 (A) をヒ トに経口投与したときに得られる最高血中濃度をいう。
当該組成物 (A) 中のピタパスタチン類と、 腸溶性組成物 (B ) 中のピタバス タチン類との質量比は、 組成物 (A) 中のピタパスタチン類の胃内での放出率に より相違する。 当該放出率が 8 5質量。 /。以上の場合の前記質量比は、 1 : 1〜 1 : 4 0、 さらに 1 : :!〜 1 : 2 0、 特に 1 : :!〜 1 : 7が好ましい。 当該放出 率が 6 0質量%以上 8 5質量%未満の場合の前記質量比は、 1 5 : 1〜1 : 3 0、 さらに 1 0 : :!〜 1 : 2 0、 特に 5 : 1〜1 : 1 5が好ましい。 当該放出 率が 3 0質量%以上 6 0質量%未満の場合の前記質量比は、 3 0 : 1〜1 : 2 0、 さらに 2 0 : ;!〜 1 : 1 5、 特に 1 5 : :!〜 1 : 1 0が好ましい。
本発明放出制御医薬組成物は、 組成物 (A) と腸溶性組成物 (B) とを含有す るものであり、 より具体的には、 組成物 (A) と腸溶性組成物 (B) とを混合し た製剤、 又は組成物 (A) と腸溶性組成物 (B ) とを別々に製剤化して得られた 製剤;又は腸溶性組成物 (B ) の外側を組成物 (A) で覆った製剤等が挙げられ る。
本発明放出制御医薬組成物の形態としては、 経口投与用製剤、 例えば錠剤、 顆 粒剤及びカプセル剤が好ましい。 ここで、 錠剤には、 裸錠、 チユアブル錠、 フィ
. ルムコーティング錠、 糖衣錠、 有核錠、 多層錠が含まれる。 顆粒剤には、 散剤及 ぴ細粒剤が含まれる。 カプセル剤には、 硬カプセル剤、 軟カプセル剤が含まれ る。
本発明放出制御医薬組成物中のピタパスタチン類の配合量は、 特に限定されな いが 0. 01〜60質量%が好ましい。
本発明の放出制御医薬組成物中への通常の基剤、 徐放性成分及び腸溶性成分の 配合量は、 これらの添加剤の種類、 薬物放出制御の設計等によって異なるが、 そ れぞれ 0. 01〜80質量0 /0、 さらに 0. 1〜50質量0 /0、 特に 1. 0〜30質 量%が好ましい。
また、 塩基性物質は前記の pHに調節する量、 例えば 0. 01〜20質量%、 増 量剤は 0〜90質量%、 結合剤は 0〜20質量%、 崩壊剤は 0〜30質量%、 滑 沢剤は 0〜20質量%、 甘味剤は 0〜30質量%、 矯味剤は 0〜30質量%、 着 色剤は 0〜 5質量%配合することが好ましい。
本発明放出制御医薬組成物において、 ピタパスタチン類の良好な血中濃度を得 るための好ましい形態としては、 次のものが挙げられる。
(1) 腸溶性組成物 (B) の周りに組成物 (A) をコーティングした顆粒剤。
(2) 上記 (1) の腸溶性組成物 (B) と組成物 (A) を、 増量剤、 結合剤、 崩 壊剤等の医薬品添加物と混合し成形した顆粒剤。
(3) 2種以上の溶出パターンを有する顆粒であって、 少なくとも組成物 (A) 、 腸溶性組成物 (B) を含む顆粒剤。
(4) 上記 (1) 、 (2) 及び Z又は (3) の顆粒剤をカプセルに充填したカブ セル剤。
(5) 上記 (4) で成形したカプセル剤と (A) 組成物をカプセルに充填した力 プセル剤。
(6) 上記 (1) 、 (2) 及び Z又は (3) の顆粒剤に増量剤、 結合剤及び崩壊 剤から選ばれる 1種以上の医薬品添加物を配合して成形した錠剤。
(7) 上記 (3) の 2種以上の溶出パターンを有する顆粒に増量剤、 結合剤及び 崩壊剤から選ばれる 1種以上の医薬品添加物を配合して成形した多層錠。
(8) 腸溶性組成物 (B) と、 組成物 (A) を別層として成形した多層錠。
(9) 腸溶性組成物 (B) を核錠とし、 組成物 (A) を外層として成形した有核 錠。
(10) (8) 及ぴ Z又は (9) で成形した錠剤を核錠とし、 組成物 (A) を外 層として成形した有核錠。
かくして得られる本発明の放出制御医薬組成物は、 ピタパスタチン類の 1日投 与量として 0. 5〜64mg、 好ましくは 1〜32nig、 特に好ましくは 4〜 16mg となるように設計するのが好ましい。
実施例
次に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、 本発明は何らこれに 限定されるものではない。
(1) 実施例 1
表 2
精製水 3000. 0 g中にピタパスタチンカルシウム塩 240. 0 g、 ショ糠 615. 0 g、 ヒドロキシプロピルメチルセルロース (登録商標: TC - 5R) 360. 0 g、 メタケ ィ酸アルミン酸マグネシウム 48. 0 g、 タルク 12. 0 g及びクェン酸トリェチル 4 5. 0 gを加え、 デイスパーサーを用いて溶解分散させ、 薬物含有コーティング溶 液を調製した。
精製白糖球状顆粒 2280. 0 gを転動流動造粒乾燥コーティング機に移し、 約 3 6°Cに温めた。 薬物含有コーティング溶液を精製白糖球状顆粒にコーティング し、 薬物層を形成することにより、 顆粒 A 3600. 0 gを製造した。
エタノール 6912. 0 g中にメタクリル酸 ·メタタリル酸メチル共重合体 (登録 商標:オイドラギット L) 831. 6 g、 クェン酸トリェチル 82. 8 g及びタルク 16 5. 6 gを加え、 デイスパーサーを用いて溶解分散させ、 腸溶性コーティング溶液
を調製した。
顆粒 A 3600.0 gを転動流動造粒乾燥コーティング機に移し、 約 36°Cに温め た。 腸溶性コーティング溶液を顆粒 Aにコーティングし、 腸溶性皮膜を形成する ことにより、 腸溶性顆粒 A 4680.0 gを製造した。
精製水 1000.0 g中にピタパスタチンカルシウム塩 80.0 g、 ショ糠 205.0 g、 ヒ ドロキシプロピルメチルセルロース (登録商標: TC-5R) 120.0 g、 メタケイ 酸アルミン酸マグネシウム 16.0 g、 タルク 4.0 g及びクェン酸トリェチル 15.0 gを加え、 デイスパーサーを用いて溶解分散させ、 薬物含有コーティング溶液を 調製した。
腸溶性顆粒 A 4680.0 gを転動流動造粒乾燥コーティング機に移し、 約 36°Cに 温めた。 薬物含有コーティング溶液を腸溶性顆粒 Aにコーティングし、 薬物層を 形成することにより得た顆粒 5120.0 gを 256.0 mgずつ分割分包し、 顆粒剤 20000 包を製造した。
(2) 実施例 2
表 3
実施例 1と同様な製造方法により、 顆粒 A 300. 0 gを製造した。
エタノール 1200. 0 g中にァクリル酸ェチル ·メタクリル酸メチル'メタクリ ル酸塩化トリメチルァンモニゥムェチル共重合体 (登録商標:オイドラギット
RS) 124. 0 g、 ヒ ドロキシプロピルセルロース 31. 0 g、 クェン酸トリェチル 15.
5 g及ぴタルク 9. 5 gを加え、 デイスパーサーを用いて溶解分散させ、 コーティ ング溶液を調製した。
顆粒 A 300. 0 gを転動流動造粒乾燥コーティング機に移し、 約 36°Cに温めた。 前述で調製したコーティング溶液を顆粒 Aにコーティングし、 顆粒 80. 0 gを製
造した。
精製水 500.0 g中にピタパスタチンカルシウム塩 40.0 g、 ショ糖 102.5 g、 ヒドロキシプロピルメチルセルロース (登録商標: TC- 5R) 60.0 g、 メタケイ酸 アルミン酸マグネシウム 8.0 g、 タルク 2.0 g及ぴクェン酸トリェチル 7.5 gを 加え、 デイスパーサーを用いて溶解分散させ、 薬物含有コーティング溶液を調製 した。
エタノール 1312.5 g中にヒ ドロキシメチルプロピルセルロースフタレート 16 1.7 g、 クェン酸トリェチル 16.1 g及びタルク 32.2 gを加え、 デイスパーサー を用いて溶解分散させ、 腸溶性コーティング溶液を調製した。
顆粒 480.0 gを転動流動造粒乾燥コーティング機に移し、 約 36°Cに温めた。 ま ず薬物含有コーティング溶液を顆粒にコーティングした後, 腸溶性コーティング 溶液を続けてコーティングし腸溶性皮膜を形成することにより、 腸溶性顆粒 91 0.0 gを製造した。
精製水 500.0 g中にピタパスタチンカルシウム塩 40.0 g、 ショ糖 102.5 g、 ヒ ドロキシプロピルメチルセルロース (登録商標: TC- 5R) 60.0 g、 メタケイ酸 アルミン酸マグネシウム 8.0 g、 タルク 2.0 g及ぴクェン酸トリェチル 7.5 gを 加え、 デイスパーサーを用いて溶解分散させ、 薬物含有コーティング溶液を調製 した。
腸溶性顆粒 910.0 gを転動流動造粒乾燥コーティング機に移し、 約 36°Cに温め た。 薬物含有コーティング溶液を腸溶性顆粒にコーティングし、 薬物層を形成す ることにより得た顆粒 1130.0 gを 113.0 mgずつ分割分包し、 顆粒剤 10000包を製 造した。
(3) 実施例 3
表 4
実施例 1と同様な製造方法により、 顆粒 A 2400. 0 gを製造した。
精製水 1500 g中にヒ ドロキシプロピルメチルセルロース (登録商標: TC- 5R) 325. 0 gを加え、 デイスパーサーを用いて溶解させた水溶液と、 エタノール 400
0. 0 g中にェチルセルロース 100. 0 g、 クェン酸トリェチル 32. 5 g及びタルク 8
2. 5 gを加え、 デイスパーサーを用いて溶解分散させたエタノール溶液とを混合 し、 コーティング溶液を調製した。
顆粒 Aの一部 1800. 0 gを転動流動造粒乾燥コーティング機に移し、 約 36°Cに 温めた。 コーティング溶液を顆粒 Aにコーティングし、 顆粒 2340. 0 gを製造し た。
エタノール 1152. 0 g中にメタクリル酸 ·メタクリル酸メチル共重合体 (登録 商標:オイドラギット S ) 138. 6 g、 クェン酸トリェチル 13. 8 g及ぴタルク 27. 6 gを加え、 デイスパーサーを用いて溶解分散させ、 腸溶性コーティング溶液 を調製した。
顆粒 Aの一部 600. 0 gを転動流動造粒乾燥コーティング機に移し、 約 36°Cに温 めた。 腸溶性コーティング溶液を顆粒 Aにコーティングし、 腸溶性皮膜を形成す
ることにより、 腸溶性顆粒 780.0 gを製造した。
顆粒 2340.0 g及び腸溶性顆粒 780.0 gを混合し、 312.0 ragずつ分割分包し、 顆粒剤 10000包を製造した。
(4) 実施例 4
表 5
実施例 1と同様な製造方法により、 顆粒 A 2250.0 gを製造した。
ピタパスタチンカルシウム塩 60.0 g、 アクリル酸ェチル ·メタクリル酸メチ ル ·メタクリル酸塩化トリメチルァンモユウムェチル共重合体 (登録商標:ォ ィドラギット RS) 982.8 g、 乳糖 655.2 g、 低置換度ヒドロキシプロピルセル ロース 90.0 g及びメタケイ酸アルミン酸マグネシウム 12.0 gを混合し、 均質な 粉末混合物を調製し、 エタノールを適量加え攪拌造粒法にて顆粒ィ匕し、 顆粒 180 0.0 gを製造した。
エタノーノレ 5225.5 g中にヒ ドロキシプロピノレメチノレセノレロースアセテートサ クシネート 311.85 g、 クェン酸トリェチル 31.05 g及ぴタルク 62.1 gを加 え、 デイスパーサーを用いて溶解分散させ、 腸溶性コーティング溶液を調製し
た
顆粒 Aの一部 1350.0 gを転動流動造粒乾燥コ一 幾に移し、 約 36°Cに 温めた。 腸溶性コーティング溶液を顆粒 Aにコー し、 腸溶性皮膜を形成 することにより、 腸溶性顆粒 1755.0 gを製造した。
顆粒 A 900.0 g、 顆粒 1800.0 g及ぴ腸溶性顆粒 1755.0 gを混合し 297.0 mg ずつ分割分包し、 顆粒剤 15000包を製造した。
(5) 実施例 5
表 6
実施例 1と同様な製造方法により、 顆粒 A 1200.0 gを製造した。
実施例 1と同様な製造方法により、 腸溶性顆粒 A 4680.0 gを製造した。
顆粒 A 1200.0 g及び腸溶性顆粒 A 4680.0 gを混合し、 1カプセルあたり 294· 0 mgずつ充填し、 カプセル剤 (1号ゼラチンカプセル) 20000個を製造した。
(6) 実施例 6
表 7
成分 配合量 (rag) mi泣 A 90.00
顆粒 A 90.00
メタクリル酸-アタリル酸ェチル共重合体 (登録商標:オイド
溶 20.79
ラギット L-30D55)
性
タルク 4.14
顆
クェン酸トリェチル 2.07
粒
小計 117.00 結晶セノレロース 214.62 ヒ ドロキシプロピルメチルセルロース (登録商標: TC-5R) 14.70
低置換度ヒドロキシプロピルセルロース 58.80
ステアリン酸マグネシウム 5.88
501.00
実施例 1と同様な製造方法により、 顆粒 A 1800. 0 gを製造した。 精製水 2304. 0 g中にメタクリル酸 'アタリル酸ェチル共重合体 (登録商標: オイドラギット L- 30D55) 207. 9 g、 クェン酸トリェチル 20. 7 g及びタルク 4 1. 4 gを加え、 デイスパーサーを用いて溶解分散させ、 腸溶性コーティング溶液 を調製した。
顆粒 Aの一部 900. 0 gを転動流動造粒乾燥コーティング機に移し、 約 36°Cに温 めた。 腸溶性コーティング溶液を顆粒 Aにコーティングし、 腸溶性皮膜を形成す ることにより、 腸溶性顆粒 1170. 0 gを製造した。
顆粒 A 900. 0g、 腸溶性顆粒 1170. 0 g、 結晶セルロース 2146. 2g、 ヒドロキシ プロピルメチルセルロース (登録商標: TC - 5R) 147. 0g、 低置換度ヒ ドロキシプ 口ピルセルロース 588. 0 g及びステアリン酸マグネシウム 58. 8 gを混合し、 1錠 あたり 501· 0 mgとなるように打錠し、 錠剤 10000錠を製造した。
( 7 ) 実施例 7
表 8
実施例 1と同様な製造方法により、 腸溶性顆粒 A 1950. 0 gを製造した。
ピタパスタチンカルシウム塩 40. 0 g、 乳糖 3450. 0 g、 低置換度ヒ ドロキシプ 口ピルセルロース 770. 0 g、 ヒ ドロキシプロピルメチルセルロース (登録商標: TC-5R) 88. 0 g及ぴメタケィ酸アルミン酸マグネシゥム 8. 0 gを混合し、 均質な 粉末混合物を調製し、 精製水を適量加え攪拌造粒法にて顆粒ィ匕した。 この顆粒に
ステアリン酸マグネシウム 44.0 gを混合し、 混合顆粒 4400.0 gを製造した。 腸溶性顆粒 A 1950.0 g及び混合顆粒 4400.0 gを混合し、 1錠あたり 635.0 mg となるように打錠し、 錠剤 10000錠を製造した。
(8) 実施例 8
表 9
実施例 1と同様な製造方法により、 顆粒 A 600.0 gを製造した。
実施例 1と同様な製造方法により、 腸溶性顆粒 A 780.0 gを製造した。
顆粒 A 600.0g、 結晶セルロース 438.0g、 ヒ ドロキシプロピルメチルセルロー ス (登録商標: TC- 5R) 30.0g、 低置換度ヒドロキシプロピルセルロース 120.0 g 及びステアリン酸マグネシウム 12.0 gを混合したものと、 腸溶性顆粒 A 780.0 g、 結晶セルロース 569.4 g、 ヒ ドロキシプロピルメチルセルロース (登録商 標: TC- 5R) 39.0 g、 低置換度ヒドロキシプロピルセルロース 156.0 g及ぴステ アリン酸マグネシウム 15.6 gを混合したものとを 2層に、 1錠あたり 276.0 mg (A 層が 120.0 mg、 B層が 156.0 mg) となるように打錠し、 2層錠剤 10000錠を製造し た。
(9) 実施例 9
表 10
実施例 7と同様な製造方法により、 混合顆粒 4400.0 gを製造した。
ピタパスタチンカルシウム塩 80.0 g、 カルボキシメチルェチルセルロース 10 10.4 g、 乳糖 673.6 g、 低置換度ヒドロキシプロピルセルロース 200.0 g及びメ タケイ酸アルミン酸マグネシウム 16.0 gを混合し、 均質な粉末混合物を調製 し、 エタノールを適動口え攪拌造粒法にて顆粒ィ匕し顆粒ィ匕した. この顆粒にステ ァリン酸マグネシウム 20· 0 gを混合し、 腸溶性混合顆粒 2000.0 gを製造した。 混合顆粒 4400.0 gと腸溶性混合顆粒 2000.0 gを 2層に、 1錠あたり 640.0 rag (A層が 440.0 mg、 B層が 200.0 mg) となるように打錠し、 2層錠剤 10000錠を製造 した。
(10) 実施例 10
表 1 1
ピタパスタチンカノレシゥム塩 80.0 g、 アクリル酸ェチル 'メタクリル酸メチ ル.メタタリル酸塩化トリメチルァンモェゥムェチル共重合体 (登録商標:ォ ィ ドラギッ ト RS) 568.8 g、 乳糖 1603.2 g、 低置換度ヒ ドロキシプロピルセル ロース 120.0 g及びメタケイ酸アルミン酸マグネシウム 16.0 gを混合し、 均質 な粉末混合物を調製し、 ェタノールを適量加え攪拌造粒法にて顆粒化し顆粒ィ匕し た. この顆粒にステアリン酸マグネシウム 12.0 gを混合し、 混合顆粒 2400.0 g を製造した。
ピタバスタチンカルシウム塩 40.0 g、 カルボキシメチルェチルセルロース 50 5.2 g、 乳糖 336.8 g、 低置換度ヒ ドロキシプロピルセルロース 100.0 g及びメ タケイ酸アルミン酸マグネシウム 8.0 gを混合し、 均質な粉末混合物を調製し、 エタノールを適量加え攪拌造粒法にて顆粒ィ匕し顆粒ィ匕した. この顆粒にステアリ ン酸マグネシウム 10.0 gを混合し、 腸溶性混合顆粒 1000.0 gを製造した。 混合顆粒 2400.0 gと腸溶性混合顆粒 1000.0 gを 2層に、 1錠あたり 340.0 mg
(A層が 240.0 mg、 B層が 100.0 mg) となるように打錠し、 2層錠剤 10000錠を製造 した。
(1 1) 実施例 1 1
表 1 2
ピタパスタチンカルシウム塩 60.0 g、 乳糖 324.0 g、 低置換度ヒドロキシプ 口ピルセルロース 45.0 g、 ヒ ドロキシプロピルメチルセルロース (登録商標: T C - 5R) 7.5 g及ぴメタケイ酸アルミン酸マグネシウム 9.0 gを混合し、 均質な粉 末混合物を調製し、 精製水を適量加え攪拌造粒法にて顆粒ィヒした。 この顆粒にス テアリン酸マグネシウム 4.5 gを混合し、 1錠あたり 45.0 mgとなるように打錠 し、 素錠 450.0 g (10000錠) を製造した。
エタノール 2560.0 g中にメタタリル酸 'メタクリル酸メチル共重合体 (登録 商標:オイドラギット S) 154.0 g、 タエン酸トリエチル 30.6 g及ぴタルク 1 5.4 gを加え、 デイスパーサーを用いて溶解分散させ、 腸溶性コーティング溶液 を調製した。
素錠 450.0 gをコーティングパンに移し、 40— 45°Cに温めた。 腸溶性コーティ ング溶液を素錠にコーティングし、 腸溶性皮膜を形成することにより、 腸溶性錠
650.0 g (10000錠)を製造した。
実施例 7と同様な製造方法により、 混合顆粒 2200.0 gを製造した。
核錠を腸溶性錠 650.0 g、 外層を混合顆粒 2200.0 gとして、 1錠あたり 285.0 mgとなるように有核打錠し、 有核錠剤 10000錠を製造した。
(1 2) 実施例 1 2
表 1 3
■ 実施例 7と同様な製造方法により、 混合顆粒 3300.0 gを製造した。
ピタパスタチンカルシウム塩 90.0 g、 メタクリル酸 · メタクリル酸メチル共 重合体 (登録商標:オイドラギット S) 380.7 g、 乳糖 253.8 g、 低置換度ヒ ドロキシプロピルセルロース 48.5 g及ぴメタケイ酸アルミン酸マグネシウム 1 8.0 gを混合し、 均質な粉末混合物を調製し、 エタノールを適量加え攪拌造粒法 にて顆粒ィ匕した。 この顆粒にステアリン酸マグネシウム 9.0 gを混合し、 1錠あ たり 80.0 mgとなるように打錠し、 腸溶性錠 800.0 g (10000錠) を製造した。 核錠を腸溶性錠 800.0 g、 外層を混合顆粒 3300.0 g として、 1錠あたり 410.0 mgとなるように有核打錠し、 有核錠剤 10000錠を製造した。
(1 3) 実施例 1 3
表 14
精製水 4000.0 g中にピタパスタチンカルシウム塩 120.0 g、 ショ糖 143.5 g、 ヒ ドロキシプロピルメチルセルロース (登録商標: TC - 5R) 84.0 g, メタケ ィ酸アルミン酸マグネシウム 24.0 g、 タルク 6.0 g及びクェン酸トリェチル 2 2.5 gを加え、 デイスパーサーを用いて溶解分散させ、 薬物含有コーティング溶 液を調製した。
精製白糖球状顆粒 400.0 gを転動流動造粒乾燥コーティング機に移し、 約 36°C に温めた。 薬物含有コーティング溶液を精製白糖球状顆粒にコーティングし、 薬 物層を形成することにより、 顆粒 800.0 gを製造した。
アセトン 2304.0 g中にセルロースアセテートフタレート 184,8 g、 クェン酸 トリェチル 18.4 g及ぴタルク 36.8 gを加え、 デイスパーサーを用いて溶解分散 させ、 腸溶性コーティング溶液を調製した。
顆粒 800.0 gを転動流動造粒乾燥コーティング機に移し、 約 36°Cに温めた。 腸
溶性コーティング溶液を顆粒にコーティングし、 腸溶性皮膜を形成することによ り、 腸溶性顆粒 1040. 0 gを製造した。
腸溶性顆粒 1040. 0 g、 結晶セルロース 759. 2 g、 ヒドロキシプロピルメチルセ ルロース (登録商標: TC- 5R) 52. 0 g、 低置換度ヒドロキシプロピルセルロース
208. 0 g及びステアリン酸マグネシウム 20. 8 gを混合し、 1錠あたり 208. 0 mgとな るように打錠し、 核錠 2080. 0 g (10000錠) を製造した。
実施例 7と同様な製造方法により、 混合顆粒 4400. 0 gを製造した。
この核錠 2080. 0 gと外層としての混合顆粒 4400. 0 gと合わせ、 1錠あたり 648.
0 mgとなるように有核打錠し有核錠剤 10000錠を製造した。
製造例 1及び 2
表 1 5に記載の処方により、 ピタパスタチン放出制御錠が得られる。 核錠を調 製した後、 この核錠に薬物放出制御皮膜層を形成する。 メタクリル酸 ·メタタリ ル酸メチル共重合体 (商品名 :オイドラギット L、 販売元:樋口商会) は、 pH 6 〜 1 4で溶解する腸溶性ポリマーであり、 ェチルセル口ース (商品名 :ェトセル、 製造元: Dow Chemical社) は pH非依存性の徐放性ポリマーである。 得られる錠剤 はピタパスタチンの放出制御錠剤である。
5
製造例 (mg/T)
成 分
1 2
ピタパスタチンカルシウム塩 8.0 8.0
乳糖 94.4 94.4
低置換ヒドロキシプ口ピルセルロース 12.0 12.0
核錠 ヒ ドロキシプ口ピルメチルセノレロース 2.0 2.0
メタケイ酸アルミン酸マグネシゥム 2.4 2.4
ステアリン酸マグネシゥム 1.2 1.2
小計 120.0 120.0
メタクリル酸 ·メタクリル酸メチル共 8.0 重合体
ェチ /レセノレロース 8.0
薬物放出制
クェン酸トリェチル 1.2 1.2
御皮膜層
タルク 2.5 2.5
酸化チタン 1.3 1.3
小計 13.0 13.0
Aき· 133.0 133.0 実施例 14
製造例 1の錠剤に表 16のピタパスタチン含有組成物をさらにコ一
る。 実施例 14の錠剤は、 最外層の速放性部分と内層の放出制御部分との組み合 わせにより、 投与直後からピタパスタチンの安定した放出性が長時間維持される。
表 16
成 分 実施例 14(mg/T)
內層 製造例 1の錠剤 133.0
ピタパスタチンカルシウム塩 8.0 乳糖 304.0 低置換ヒドロキシプ口ピルセルロース 36.0 最外層 ヒドロキシプロピノレメチノレセノレロース 6.0
メタケイ酸アルミン酸マグネシゥム 2.4 ステアリン酸マグネシウム 3.6
小計 360.0
ム斗 493.0
実施例 1 5
表 1 7に記載の処方により、 ピタパスタチン放出制御顆粒が得られる。 核顆粒 を調製した後、 薬物放出制御皮膜層を形成する。 核顆粒と、 核顆粒を薬物放出制 御皮膜層で形成した顆粒とを、 混合して放出制御顆粒とすることができる。
表 1 7
表 1 8の処方により、 実施例 1 5と同様にして、 実施例 1 5の場合よりも放出 性を遅らせた顆粒剤が得られる。
表 1 8
表 1 7の核顆粒;表 1 7の薬物放出制御皮膜形成顆粒;表 1 8の薬物放出制御 皮膜形成顆粒を混合してカプセルに充填すれば、 ピタパスタチン放出性の制御さ れたカプセル剤が得られる。
表 1 7の核顆粒;表 1 7の薬物放出制御皮 S莫形成顆粒;表 1 8の薬物放出制御 皮膜形成顆粒を混合して成形打錠すれば、 ピタパスタチン放出性の制御された錠 剤が得られる。 表 1 7の核顆粒と、 表 1 7の薬物放出制御皮膜形成顆粒とをそれぞれ層状に成 形して打錠すれば、 ピタパスタチン放出性の制御された多層錠が得られる。
製造例 3
表 1 9の処方により、 ピタパスタチン放出制御錠が得られる。 すなわち、 表 1 9の核錠を調製し、 次いでその外層に表 1 9の外層に相当する成分を用いて圧縮 成形し、 有核錠を得る。
表 1 9
*1:オイドラギット RS、 樋口商会販売 比較例
表 2 0
W097/23200の実施例 5を基本に作製した。
ピタパスタチンカルシウム塩 400. 0 g、 乳糖 2160. 0 g、 低置換度ヒ ドロキシ プロピルセルロース 300. 0 g、 ヒ ドロキシプロピルメチルセルロース (登録商 標: TC-5R) 50. 0 g及びメタケイ酸アルミン酸マグネシウム 60. 0 gを混合し、
均質な粉末混合物を調製し、 精製水を 594. 0 g加え攪拌造粒法にて顆粒化した。 この顆粒にステアリン酸マグネシウム 30. 0 gを混合し、 1錠あたり 120. 0 mgとな るように打錠し、 錠剤 25000錠を製造した。
比較例 2
表 2 1
、塩 320. 0 g、 乳糖 960. 0 g、 ヒドロキシプロピルメ チルセルロース (登録商標: Methocel K100LV) 1600. 0 g, メタケイ酸アルミン 酸マグネシウム 128. 0 g及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロース 160. 0 gを 混合し、 均質な粉末混合物を調製し、 精製水を 1108. 8 g加え攪拌造粒法にて顆 粒ィ匕した。 この顆粒にステアリン酸マグネシウム 32. 0 gを混合し、 1錠あたり 16 0. 0 mgとなるように打錠し、 錠剤 20000錠を製造した。
試験例 1 溶出試験
実施例 5 (組成物 (A) と腸溶性組成物 (B ) 配合製剤) 、 比較例 1 (通常製 剤) 及び比較例 2 (徐放性製剤) の各製剤からのピタパスタチンの溶出性を次法 に従って行った。
溶出試験 (日局一般試験法 溶出試験法第 2法 (パドル法) )
塩ィ匕ナトリウム 2. 0 gに塩化水素含量 36 。/。の塩酸 7. 0 mL及び水を加えて溶かし 1000 mLとし、 ρΗ1· 2の人工胃液を調製した。
0. 2 mol/Lリン酸ニ水素力リゥム試液 250 mLに 0. 2 mol/LzK酸化ナトリゥム試液 118 mL及び水を加えて 1000 raLとし、 ρΗ6· 8の人工腸液を調製した。
実施例 5、 比較例 1及び比較例 2の各 1製剤を pHl. 2の人工胃液 900 mL中に投入 し、 温度 37土 1°C、 パドル回転数 lOOrpmの条件で試験開始から試験開始後 3時間 目まで行なった. その後速やかに溶出試験液を pH6. 8の人工腸液 900 mLに変更 し、 温度 37 ± 1°C、 パドル回転数 lOOrpmの条件でさらに 21時間溶出試験を行な い、 溶出量を測定した. 各時間に採取した試料溶液は細孔径 0. 45 ^のセルロー スァセテ一ト製メンブランフィルタ一 (東洋濾紙製 DISMIC- 25cs) にて濾過し、 ピタパスタチンの溶出率は逆相系カラム (野村ィ匕学株式会社製: Develosil 0DS - HG- 5) を用いた高性能液体クロマトグラフ法により測定した。 その結果を図 1に 示す。
試験例 2 吸収性試験
実施例 5、 比較例 1及び比較例 2の各製剤を、 絶食条件下の HRA系ビーグル犬 (体重約 10kg) に、 1製剤ずつ経口投与し、 投与後 24時間迄、 経時的に採血し、 遠心分離した後、 高性能液体クロマトグラフ法により血中のピタパスタチンの濃 度を測定した。 その結果を表 2 2と図 2に示す。 また薬物動態学的数値を表 2 3 に示す。 この結果より、 本発明の放出制御製剤は通常製剤と比べて Cmaxを 2分の 1に低下させ、 且つ通常製剤と同等の AUCを得ることが出来た。 反面、 0次の薬物 放出性を有する徐放性製剤の場合では通常製剤よりも Cmaxが大きく低下し、 AUC も大幅に減少した。 よつて本放出制御製剤は安全かつ有効性の高レ、製剤である。 表 2 2 . 実施例 5, 比較例 1及び 2をビーグル犬に経口投与した時の各時間におけ るピタパスタチン血中濃度
時間 (h) 0 0. 5 1 1. 5 2 3 4 6 8 10 24 実施例 5 (ng/mL) 0 229. 7 505. 7 533. 3 536. 8 386. 0 373. 0 229. 3 112. 5 59. 8 8. 2 比較例 l (ng/mL) 0 1246. 3 1179. 7 690. 8 475. 2 323. 7 226. 5 155. 8 49. 3 29. 0 8. 3 比較例 2 (ng/mL) 0 10. 2 52. 2 73. 7 76. 5 131. 3 161. 8 171. 7 49. 0 25. 3 3. 2
表 2 3 . 実施例 5 , 比較例 1及び比較例 2をビーグル犬に経口投与した時のピタバ スタチン薬物動態学的数値
本発明の放出制御医薬組成物を用いれば、 ピタパスタチン類の血中濃度が投与 直後から長時間適度に維持されるので、 安全かつ有効性の高い高コレステロール 血症治療が可能となる。