WO2003061431A1

WO2003061431A1 - Dispositif de coiffage

Info

Publication number: WO2003061431A1
Application number: PCT/JP2003/000304
Authority: WO
Inventors: Itaru Saida; Hisashi Kitamura
Original assignee: Matsushita Electric Works, Ltd.
Priority date: 2002-01-18
Filing date: 2003-01-16
Publication date: 2003-07-31
Also published as: CN1299619C; US7171970B2; US20050016559A1; TW200302063A; CN1615093A; EP1472955A4; KR20040081455A; EP1472955A1; KR100549237B1; TWI260975B

Description

明細書ヘアーセット機器技術分野

本発明は、毛髪をセットするためのヘアーブラシ、ヘアーアイロン等のヘアーセット機器に関する。背景技術

図 2 2 Aおよび 2 0 Bは、従来の一般的なヘアーブラシ 4 0の構成を示す図である。図 2 2 Aはヘアーブラシ 4 0の側面断面図、図 2 2 Bは正面図である。従来のヘアーブラシ 4 0は、グリップ部 8付きプリスル台 1 1に多数のプリスル 1 0を植設して構成されている。使用者は、ヘアーブラシ 4 0を単独で、またはドライヤ一等と併せて利用し毛髪をセットする。

しかしながら、従来では毛髪をプラッシングすると毛髪に正電荷が帯電して毛髪が広がり、顔等にまとわりつき、そして毛髪がぱさつくという問題があった。さらに、帯電により毛髪のキューティクルが広がり、毛髪を痛める原因となっていた。

なお帯電を防止するため、従来はヘアーブラシ 4 0を単に導電性プラスチックで形成して静電気をアースし、または摩擦による静電気を発生させないようにする対策が採られていた。しかしこれらはいずれもブラッシング時の摩擦によって髪に埃や汚れが付着しないように配慮した対策にすぎず、毛髪のブラッシング等による帯電に起因した上述の問題を解消できない。発明の開示

本発明の目的は、毛髪のブラッシング等に起因する帯電に対して、人体に別の経路で電荷を供給して、その電荷により毛髪を容易にセットできるヘアーセット機器を提供することである。本発明のヘアーセット機器によれば、帯電の影響による毛髪の広がり、顔等へのまとわりつき、毛髪のばさっき、および毛髪のダメージを回避できる。

より具体的には、本発明のヘアーセット機器は、使用者の毛髪をセットする機構と、前記毛髪をセットする動作により発生する静電気に対して、前記使用者の人体に電荷を供給して帯電させる帯電部とを備えている。これにより毛髪をブラッシングしたとき等に発生する静電気に影響されることなく、人体を帯電させた電荷により毛髪を容易にセットできる。前記帯電部は、所定の電圧を出力する帯電回路と、前記帯電回路と接続され、つ、前記使用者と接触して、前記帯電回路が出力した前記所定の電圧によりその体に電荷を供給する帯電板とを有している。

人体に電位を与える機構は、毛髪がプラッシング等によってプラスの静電気に帯電しているときには、人体に負の電荷を与えるのが好ましい。毛髪が頭皮に引きつけられることにより、毛髪をブラッシングしても毛髪が広がることなく収まり、ボリュームダウンが容易にできるようになる。一方で、人体に正電荷を与えることもできる。この場合には毛髪が頭皮と反宪することにより、毛髪のボリュームアップが容易にできるようになる。

また帯電回路はアース線を備えており、該アース線を用いて接地電圧を出力してもよい。これにより、毛髪をブラッシングしたときに発生する静電気を容易に除去できる。

帯電部は、前記帯電回路からの正電圧、接地電圧、および負電圧を切り替えて出力するスィッチをさらに備えていてもよい。これにより毛髪をブラッシングする際にスィッチによって電圧を切り替えることで、ボリュームダウン、ポリユームアップ、または毛髪の静電気除去が自在となる。

ヘアーセット機器は、使用者が保持する際に握ることができるダリップ部をさらに備えており、前記帯電板が該グリップ部の表面に設けられていてもよレ、。グリップ部を手で握るだけで、人体に電位を与える効果が容易に得られる。

前記帯電板は、導電性の成形材料を用いて形成されていてもよい。これにより人体が触れる帯電板が充電部とならないため、感電の危険性がなくなる。

前記使用者が前記帯電板と接触する前記帯電板の面に、導電性シートをさらに設けていてもよい。導電性シートを介して帯電板と人体との接触面積が増えて、効率よく電荷を与えることができる。

前記使用者の毛髪をセットする前記機構は、ブラシと、前記毛髪を乾燥させる機構とを備えていてもよい。これにより毛髪のブラッシングだけでなく、更に毛髪の乾燥が同時にできる。

前記使用者の毛髪をセットする前記機構は、毛髪を挟み込む熱板と、前記熱板を加熱するヒーターとを備えていてもよい。これにより毛髪のブラッシングだけでなく、更に熱板によって毛髪のセットが同時にできる。図面の簡単な説明

以下、添付の図面を参照して、本宪明の実施の形態を説明する。

図 1 Aは、本発明によるヘアーブラシの側面断面図である。

図 1 Bは、本発明によるヘアーブラシの正面図である。

図 2は、帯電回路と帯電板との接続状態の説明図である。

図 3は、正電圧を発生させる帯電回路の一例としてのコッククロフト ·ゥオルトン回路の説明図である。

図 4は、負電圧を発生させる帯電回路の一例としてのコッククロフト ·ゥオルトン回路の説明図である。

図 5は、人体が負に帯電した状態の説明図である。

図 6は、毛髪のボリユームダウンを行なう場合の説明図である。

図 7は、人体が正に帯電した状態の説明図である。

図 8は、毛髪のボリュームアップを行なう場合の説明図である。

図 9は、帯電回路をアースと直接接続した場合の説明図である。

図 1 0は、帯電回路を商用電源の片側に接続した場合の説明図である。

図 1 1は、ブラッシングによって発生した静電気を人体を通じて除電する場合の説明図である。

図 1 2は、帯電回路を切り替えるスィッチ機構を備えた回路図である。

図 1 3は、導電性の成型材料からなる帯電板の内部抵抗の等価回路の説明図である。

図 1 4は、導電性の成型材料からなる帯電板に導電性シートを接続した場合における帯電板の内部抵抗の等価回路の説明図である。

図 1 5 Aは、乾; W構を備えたヘアーブラシの側面図である。

図 1 5 Bは、乾燥機構を備えたヘアーブラシの一部破断した正面図である。図 1 6 Aは、帯電部を備えたヘアーアイ口ンの熱板を開いた状態の側面断面図である。

図 1 6 Bは、帯電部を備えたヘアーアイ口ンの熱板を閉じた状態の側面図である。

図 1 7 Aは、別の例によるヘアーアイロンの側面図である。

図 1 7 Bは、別の例によるヘアーアイロンの正面図である。

図 1 8 Aは、イオン発生装置を設けたヘアーアイロンの正面断面図である。図 1 8 Bは、イオン発生装置を設けたヘアーアイ口ンの側面断面図である。図 1 9は、イオン努生装置を説明する回路図である。

図 2 0は、本宪明によるヘアードライヤーの構成を示す側面図である。

図 2 1は、本明によるヘアードライヤーの構成を示す断面図である。

図 2 2 Aは、従来のヘアーブラシの側面断面図である。

図 2 2 Bは、従来のヘアーブラシの正面図である。発明を実施するための最良の形態

以下、添付の図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。実施の形態では、まず本発明によるヘアーセット機器の動作原理を説明して、その後、ヘアーセット » 1の具体的な例を説明する。図面では、同一の機能を有する構成要素には同一の参照符号を付している。

まず本発明のヘアーセット機器の主要な特徴は、毛髪のセットに関連して発生する静電気に対して、人体に外部から逆または同じ極性の電荷を供給することにある。発生した静電気と逆の極性の電荷を供給すると互いに打ち消し合って帯電は解消され、毛髪が広がらずにまとまりよく収まる。一方同じ極性の電荷を供給すると反発するため、毛髪をボリュームアップさせることができる。本発明のへァーセット Ιβによれば、ブラッシング等の毛髪をセットしたときに発生する静電気に影響されることなく、人体に帯電させた静電気力によって毛髪のセットが容易にできる。従って、従来のような毛髪のブラッシングによって発生する静電気の影響を受けて毛髪が広がり、まとわりつき、ぱさっき、または毛髪を痛める等の問題を同時に解消できる。

なお本明細書における「毛髪のセット」とは、例えばブラッシング、温風による毛髪の乾燥、一対の熱板の間に毛髪を挟み込む毛髪の癖付け等の、毛髪に外的な作用を加えて毛髪を整える動作をいう。よって本明細書で言及する「毛髪をセットする機構」とは、毛髪のセットのために設けられた機構をいう。

以下、ヘアーセット β ΐの具体的な例を説明する。

図 1 Αおよび 1 Bは、ヘアーブラシ 1 Aの側面断面図および正面図である。へァーブラシ 1 Aは、ブラシ部 7とグリップ部 8とからなる機器本体 9と、使用者の人体に正電荷または負電荷を供給する帯電部 2とを具備している。ブラシ部 7 は毛髪をセットする機構であり、プリスル台 1 1と、プリスル台 1 1に植設される多数のブリスル 1 0とで構成されている。ブリスル 1 0の材質は、例えば成型材料のように毛髪よりも帯電列が低い物質、またはガラスのように毛髪よりも帯電列が高い物質である。グリップ部 8は、使用者がヘアーブラシ 1 Aを使用する際に握って保持する部分である。ダリップ部 8は成型品等の絶縁物で構成されている。ブラシ部 7とは別にグリップ部 8を設けていることから、使用者はヘアーブラシ 1 Aを持ちやすく、毛髪のセットも容易になる。なおグリップ部 8として、指の形に合わせて握り部を形成してもよい。

帯電部 2は、毛髪のボリュームダウンまたはボリュームアップを行うために、人体に電荷を与える。帯電部 2は、グリップ部 8に内蔵された帯電回路 3と、帯電回路 3の出力に接続されると共に人体 5に接触する帯電板 4とを備えている。帯電板 4は、グリップ部 8の表面の一部に配設される。使用者がグリップ部 8を手で握ることにより、帯電板 4を介して人体に電荷が与えられる。帯電板 4は、例えば金属板のように導電性の材料、または、帯電防止材料を含む成型材料等で構成されている。

図 2は、帯電部 2を構成する帯電回路 3の出力と帯電板 4との接続例を示す図である。帯電回路 3は、電線 1 9を介して帯電板 4と接続されている。電線 1 9 と帯電板 4とは、アルミテープ 1 2等の導電性固定材で固定されている。本発明では、帯電部 2により人体に電荷を与える際には、電荷の極性（正電荷または負電荷）に応じて使用する帯電回路 3を異ならせている。いずれの帯電回路 3も、人体 5に電圧を印加して人体 5に電荷を供給できる。図 3は、人体 5を負に帯電させる場合（負電荷を供給する場合）に、コッククロフト ' ウォルトン回路 3 Aとして構成した帯電回路 3を示す図である。一方図 4は、人体 5を正に帯電させる場合（正電荷を供給する場合）に、コッククロフト ' ウォルトン回路 3 Bとして構成した帯電回路 3を示す図である。図 3および図 4において、 C 1 ~ C 4は昇圧用のコンデンサ群、 D 1 ~D 4はスィツチング素子としてのダイォード群である。図 3および図 4に示されるように、複数段（ここでは 4段）のコンデンサとダイォードとを組み合わせることにより、 A C 1 0 0 Vの商用電源から約 + 5 0 0 V (又は約一 5 0 0 V) の電圧が得られる。

なお正電圧と負電圧をそれぞれ出力する 2種の帯電回路 3を設けて、スィツチ機構によりこれらを切り替えるようにしてもよい。または正電圧と負電圧のいずれか一方を出力する 1種の帯電回路 3 A (図 3 ) または 3 B (図 4 ) のみを備えた構造であつてもよい。この場合はブリスル 1 0の材質との組み合わせによってボリュームアツプ専用、またはボリュームダウン専用のヘア一ブラシ 1 Aを得ることができる。

次にヘアーブラシ 1 Aの動作（使用例）を説明する。以下では、ヘアーブラシ 1 A (図 1 Aおよび I B) は、正電圧と負電圧を別々に出力できる 2種の帯電回路 3 (図 3および図 4 ) を備えているとする。また帯電板 4は導電性材料で形成されているとする。

使用者がヘアーブラシ 1 Aを使って毛髪をブラッシングすると、プリスル 1 0 と毛髪とは常に接触剥離を繰り返すため接触剥離帯電が生じる。具体的には、ブリスル 1 0の材質が毛髪よりも帯電列が低い場合（成型材料等の場合）は、毛髪は正の電荷（プラスの静電気）、ブリスル 1 0は負の電荷（マイナスの静電気）を帯びる。逆にブリスル 1 0の材質が毛髪よりも帯電列が高い場合（ガラス等の場合）は、毛髪は負の電荷、プリスル 1 0は正の電荷を帯びる。

いま、毛髪にプラスの静電気が発生する場合を考える。毛髪をボリュームダウンさせたいときは、プラスの静電気を打ち消すため人体に負の電荷を与え、負に帯電させればよい。図 5は、人体 5が負に帯電した状態を示す図である。人体 5 を負に帯電させるために、帯電部 2の帯電回路 3は負を発生する。すると電線 1 9を介して帯電回路 3の出力に接続された帯電板 4が負に帯電し、帯電板 4 全体が一定の電圧になる。この帯電板 4を使用者が握ると、図 5に示すように手力ら負電荷力伝わり、頭皮おょぴ体全体が負に帯電する。図 6は、正に帯電した毛髪 5 aに対して、人体 5を負に帯電させた場合の様子を示す概念図である。ブラッシングによって毛髪 5 aが正に帯電しているため、人体 5が負に帯電すると、静電気力によって毛髪 5 aが頭皮に引きつけられる。すると図 6に示すように、毛髪 5 aは広がらずにまとまりよく収まる。これにより容易に毛髪 5 aのボリュ —ムダウンが実現できる。

逆に、プラスの静電気が帯電した毛髪 5 aをボリュームアップさせたいときは、人体 5を正に帯電させて、毛髪 5 aを人体 5に対して反発させればよい。図 7は、人体 5が正に帯電した状態を示す図である。人体 5を正に帯電させるために、帯電部 2の帯電回路 3は正電圧を出力する。すると電 if泉 1 9を介して帯電回路 3の出力端に接続された帯電板 4が正に帯電する。これにより帯電板 4を手で握ると、図 7に示すように手から正電荷が伝わり、頭皮および体全体が正に帯電する。図 8は、正に帯電した毛髪 5 aに対して、人体 5を正に帯電させた場合の様子を示す概念図である。毛髪 5 aと頭皮とが正電荷同士で反発し合うので、図 8に示すように毛髪 5 aは顔等にまとわりつくことはなくボリユームァップが可能になる。なおプリスル 1 0の材質に起因してブラッシング等により毛髪 5 aにマイナスの静電気が発生する場合には、正電荷を供給して人体 5を正に帯電させると毛髪 5 aをボリュームダウンでき、負電荷を供給して人体 5を負に帯電させると毛髪 5 aをボリュームアップできる。

以上説明した原理により、毛髪 5 aをプラッシングしたときに発生する静電気に影響されることなく、人体 5を帯電させた静電気力によって毛髪 5 aのポリュームダウン、ボリュームアップのセットが容易にできるようになる。この結果、従来のように毛髪 5 aのブラッシングによって発生する静電気の影響を受けて毛髪 5 aが広がり、まとわりつき、ばさっき、さらには毛髪 5 aを痛める等の問題を解消できる。本例では人体 5に電荷を与える帯電部 2をグリップ形状で構成したので、使用者はグリップ部を握るだけで人体 5を容易に帯電でき、上述した効果が容易に得られる。

続いて図 9〜図 1 1を参照して、上述のヘアーセット機器 1の別の例を説明する。図 9は、帯電回路 3を接地（例えば 0 V) した場合の構成を示す図である。アース線を設けて帯電回路 3を接地することにより帯電回路 3は 0 Vの接地電圧を出力し、帯電板 4の ΜΙΞは 0 Vとなる。これにより帯電板 4を握った使用者の毛髪 5 a (図 6 ) の静電気を除去できる。一方図 1 0は、帯電回路 3を商用電源、の片側に接続した場合の構成を示す図である。帯電板 4が、帯電防止材料が含まれた成型材料から構成されている場合には、成型材料の導電率は増加する。よつて成型品全体が 0 Vとなる。なお帯電回路 3の出力が帯電板 4に接続されている点は上述の例と同じである。

図 1 1は、人体 5からプラスの静電気が除去される様子を示す概念図である。上述のように帯電回路 3の出力を 0 Vとし、またはグランドに対して低いインピ一ダンスで接続してその出力を帯電板 4に接続することにより、帯電板 4がダランドに対して 0 Vとなる。すると帯電板 4に触れた使用者の頭皮および体全体が 0 Vとなり、ブラッシングによつて発生した静電気が人体 5を通じて除電される。すなわち帯電回路 3の出力を O Vにすることで、毛髪 5 aの静電気を容易に除去でき、その結果、毛髪 5 aは広がらずに収まって毛髪 5 aを傷めることがなくなる。

図 1 2は、正電圧、負電圧、 0 Vのいずれかを切り替えて人体 5に与えるスィッチ機構 6を備えた帯電部 2の回路図である。本例では、帯電部 2は、負電圧を出力する帯電回路 3 Aと、正電圧を出力する帯電回路 3 Bと、出力が 0 Vの帯電回路 3 Cとを具備する。これらは、それぞれ図 3、 4および 1 0で説明した帯電回路である。帯電回路 3 A〜 3 Cの出力側と帯電板 4との間には、いずれカ壬意の帯電回路 3 A〜 3 Cに切り替えるためのスィツチ機構 6を構成する切り替えスイッチ 6 aを設けてある。

毛髪 5 a (図 6 ) をブラッシングする際に、切り替えスィッチ 6 aを利用して正電圧、負 ¾1ΐおよび 0 Vのいずれかに任意に切り替えることで、使用者は、毛髪 5 aのボリュームダウン、ボリュームアップ、または毛髪 5 aの静電気除去を自由に行うことができる。

なお帯電板 4を金属板などの導電率の低い物質で構成し、かつ帯電回路 3を図 3、図 4に示す構造の回路とした場合には、電源 1次側と帯電板 4とに絶縁がとられていないため、帯電板 4が充電部として扱われる。これでは帯電板 4に人が触れると感電の恐れがあり、安全上の問題が生じる。そこで、人体 5に接触する帯電板 4を、導電性の成型材料で構成するのが好ましい。図 13は、導電性の成型材料で構成した帯電板 4の内部抵抗の等価回路を示す図である。図では、水平方向の抵抗を R、垂直方向の抵抗を R aとする。成型材料の抵抗は均一に分布しているため、 A— B間の低抗値は、下式（1) の R1で示される。

(1/R 1) = [1/ (R + Ra) ] + [1/ (R + R a) ] + (l/R) +

(1/R) …… (1)

帯電板 4を導電性材料を含む成型材料で構成した場合、成型材料の抵抗値 R 1 は大きいため、人が触れても電流が流れることが無く、感電の恐れがなくなる。さらに、体積抵抗率が 1 X 10¹⁰ Ω/c m以上の材料の場合、電気安全法でも絶縁物として扱われるため、帯電板 4自体が充電部とはならない。つまり、帯電板 4を導電性の成型材料で構成することで、帯電部 2が充電部に触れることがなくなり、感電の危険性がなくなる。また商品としても、電気製品等の安全性に関連する法律、製造物の責任に関連する法律等を容易に満足できる。

図 14は、図 13の変形例を示す回路図である。この回路では、導電性の成型材料から構成された帯電板 4の人体 5と接触する側の面に、導電性の高い材料からなる導電性シート 14を接続してある。図 14において A—B間の抵抗値は下式（2) の R 2で表される。

(1/R2) = (1/R) + (1/R) + (1/R) + (l/R) …… (2) 図 14の接続状態にすると、垂直方向の抵抗値 R aが小さくなる。なお抵抗値 Raが大きくなると、 R1 >R2となる。そこで図 14のように、導電 1"生の高い材料からなる導電性シート 14を設けることにより、帯電板 4の内部抵抗を低くできる。帯電板 4の内部抵抗が小さくなると、電子の移動量が多くなるため帯電による効果がより多く、しかも人体 5を効率よく帯電できる。

図 15 Aおよび 15 Bは、毛髪の乾燥機構を備えたヘアーブラシ 1 Bの側面図および正面断面図である。ヘアーブラシ 1 Bの構成は、毛髪の乾燥機構以外においてヘアーブラシ 1 A (図 1 Aおよび I B ) と同じである。よって以下では毛髪の乾燥機構のみを説明する。なおヘアーブラシ 1 Bにおける毛髪をセットする機構は、ブラシ部 7および以下説明する毛髪の乾賺構である。

毛髪の乾燥機構は、ヘアーブラシ 1 Bのグリップ部 8に内蔵されており、具体的には、ヒータ 3 1、ファン 3 2、モータ 3 3により構成される。モータ 3 3力 S ファン 3 2を回転させると、風がブラシ部 7の方へ送り出される。このときブラシ部 7までの経路の途中に設けられたヒータ 3 1により風が加熱され、温風がプリスル 1 0間の吹き出し口 5 0から噴出する。これにより、毛髪 5 aをブラッシングしてセットするだけでなく、さらに毛髪 5 aの乾燥も同時に行なうことができる。なお毛髪が乾燥すると静電気がさらに発生しやすくなると考えられる。しかし、帯電回路 3および帯電板 4を用いて、発生した静電気と反対または同じ極性の静電気を人体 5に帯電させれば、上述のように毛髪を容易にセットできる。図 1 6 Aおよび 1 6 Bは、ヘアーアイロン 1 Cの側面断面図おょぴ正面図である。図 1 6 Aに示すように、ヘアーアイロン 1 Cは、一対の熱板 1 5 , 1 5と、熱板 1 5， 1 5をカロ熱するヒーター 2 3とを備えている。続いて図 1 6 Bに示すように、一方の熱板 1 5を備えたカバー部 2 2と、他方の熱板 1 5を備えたグリップ部 8とは、回転軸 3 5を中心に開閉自在とされている。これらの構成が、へァーアイロン 1 Cにおける毛髪をセットする機構である。人体 5を電荷を供給する帯電回路 3 (図 1 6 A) および帯電板 4を備える点はヘアーブラシ 1 A (図 1 Aおよび 1 B) と同様である。

毛髪をセットする機構を用いて毛髪のセットを行う際、熱板 1 5および周囲の成型品（ブリスル 1 0等）と、毛髪 5 a (図 6 ) とが接触剥離すると使用者の毛髪が帯電する。そこでヘアーブラシ 1 A (図 1 Aおよび I B ) と同様、帯電部 2 にて人体 5を帯電させる。これによりヘアーブラシ 1 Aに関して説明した効果と同じ効果が得られる。なおヘアーアイロン 1 Cでは、毛髪 5 aを一対の熱板 1 5 間に挟み込んでヒーター 2 3により加熱しながら引っ張ることにより、毛髪 5 a を容易にストレートに伸ばすことができる。さらに毛髪 5 aを熱板 1 5間に挟み込んでヒーター 2 3により加熱しながら回転させれば、毛髪 5 aにカールを付け 0304

11 ることもできる。

図 1 7 Aおよび 1 7 Bは、イオン発生装置 1 6を備えたヘアーブラシ 1 Dを示す正面図および側面図である。また図 1 8 Aおよび 1 8 Bは、ヘアーブラシ 1 D の正面断面図および側面断面図である。ヘアーブラシ 1 Dのイオン発生装置 1 6 は、マイナスイオンを放射させる機能を有する。イオン発生装置 1 6以外の点においては、ヘアーブラシ I Dは、ヘアーブラシ 1 A (図 1 Aおよび I B ) と、熱板 1 5を有するブラシ部 7を備えたヘアーアイロン 1 C (図 1 6 Aおよび 1 6 B) とを組み合わせて構成されている。ブラシ部 7は、熱板 1 5を加熱するヒーター 2 3 (図 1 8 B) を有する。ヒーター 2 3は、図 1 6 Aに関連して説明したヒーターと同じである。ブラシ部 7の他の構成は、ヘアーブラシ 1 A (図 1 Aおよび 1 B) と実質的に同じであるので、その説明は省略する。

図 1 9は、イオン発生装置 1 6の構成を示す図である。イオン発生装置 1 6は、コロナ放電によりマイナスイオンを発生させる。マイナスイオンとは、負の電気を帯びた酸素と空気中の微小な水が結合した粒子をいう。マイナスイオンの大きさは、例えば直径で数ナノメートル程度である。

イオン発生装置 1 6は、ヘアーブラシ 1 Dにおいて毛髪をセットする機構の一部を構成しており、針状放電極 1 7と、グランド電極 1 8と、高電圧発生装置 2 0とを有する。針状放電極 1 7は、金属棒の先端を鋭利にし、状で形成されている。グランド電極 1 8は、針状放電極 1 7に対し斜め前方に配置された金属板である。高電圧発生装置 2 0は、基準電圧側端子と高電圧側端子とを有する。基準電圧側端子はグランド電極 1 8に、高電圧側端子は針状放電極 1 7にそれぞれ接続されている。

高電圧発生装置 2 0が例えば D C— 5 k Vを針状放電極 1 7に印加すると、針状放電極 1 7の先端が鋭利なため、電界が集中して針状放電極 1 7の鋭利な先端近傍においてコロナ放電が発生する。このとき同時にマイナスイオンが生成される。生成されたマイナスイオンは、針状放電極 1 7からグランド電極 1 8への延長泉上に設けられたイオン吹き出し口 2 1から放出される。図 1 9で示すように、マイナスイオンは人体に向かって形成される静電気力線に沿って移動して、毛髪 5 a (図 6 ) に誘引され吸着される。ヘアープラシ I D (図 1 7 A、 1 7 B、 1 8 A、 1 8 B ) を用いて、ブラッシングの際にイオン発生装置 1 6によってマイナスイオンを発生させることにより、正に帯電している毛髪 5 aにマイナスイオンが吸着される。このマイナスイオンにより毛髪 5 aをしっとり、さらさらにできる。し力も、帯電部 2を動作させて人体 5に正 mffiを与え続けることにより、イオン発生装置 1 6からのマイナスィオンが中和されることなく毛髪 5 aに継続して誘引吸着されることとなり、毛髪 5 aがしつとり、さらさらする効果を一層増大させることができる。なおヘアーブラシ 1 Dもまた、ヘアーブラシ 1 Aによる効果を得ることができる。

図 2 0は、本発明によるヘアードライヤー 1 Eの構成を示す側面図である。図 2 1は、ヘアードライヤー 1 Eの構成を示す断面図である。図 2 0および 2 1のヘアードライヤー 1 Eは、ブラシ部 7が存在しない点においてヘアーブラシ 1 B (図 1 5 Aおよび 1 5 B) と異なるのみであり、他の点はヘアーブラシ 1 Bと同じである。例えばヘアードライヤー 1 Eは、ヘアーブラシ 1 Bおよびヘアーブラシ 1 A (図 1 Aおよび 1 B ) に共通する帯電回路 3および帯電板 4を有する。よつてヘアードライヤー 1 Eの構成についての説明は省略する。なおヘアードライヤー 1 Eにおける毛髪をセットする機構は、毛髪の乾; W構である。

ヘアードライヤー 1 Eを用いて毛髪を乾燥させる手順や方法は、周知のヘアードライヤーと同じである。ただしヘアードライヤー 1 Eによれば、人体に帯電した静電気に対して同じ極性または反対の極性の静電気を帯電させることができるので、周知のヘアードライヤーに比べて有利である。その理由は以下のとおりである。ドライヤーのみで毛髪 5 a (図 6 ) をセットした場合や、ヘアーブラシとドライヤーとを用いて毛流れを整え毛髪 5 aをセットした場合には、毛髪と毛髪との接触および剥離が生じ、そして毛髪 5 aは徐々に乾燥する。その結果毛髪 5 a (図 6 ) に静電気が発生しやすくなる。特にヘアーブラシを用いた場合には、ヘアーブラシの材質と毛髪との帯電列の差があることにより静電気の発生は顕著となる。そこで、帯電回路 3および帯電板 4 (図 2 1 ) を用いて、例えば発生した静電気と反対の極性の静電気を人体 5に帯電させて除電すれば、毛髪のセットが容易にできる。

以上、本発明の実施の形態を説明した。上述の実施の形態では、人の毛髪を例に説明した。しかし本発明は、例えば犬、猫等の体毛のある動物の体毛を整える際や、カーペット等の毛製品の毛並みを整える際にも有効である。ただし動物等では自らが帯電板 4 (図 1 A等）を握ることができないので、適宜、帯電板 4と同電圧となる帯電コード等を設け、使用する対象や、使用部位の近傍に触れさせればよい。これにより上述した利点が得られる。

Claims

請求の範囲

1 . 使用者の毛髪をセットする機構と、

前記毛髪をセットする動作により発生する静電気に対して、前記使用者の人体に電荷を供給して帯電させる帯電部とを備えたヘアーセット機器。

2 . 前記帯電部は、

所定の電圧を出力する帯電回路と、

前記帯電回路と接続され、かつ、前記使用者と接触して、前記帯電回路が出力した前記所定の電圧により前記使用者の体に電荷を供給する帯電板と

を有する、請求項 1に記載のヘアーセット機器。

3 . 前記所定の電圧は、使用者に正電荷を供給する正電圧、または、負電荷を供給する負電圧の一方である、請求項 2に記載のヘアーセット機器。

4 . 前記帯電回路はアース線を備えており、該アース線を用いて接地電圧を出力する、請求項 3に記載のヘアーセット機器。

5 . 前記帯電部は、前記帯電回路からの正電圧、接地電圧、および負電圧を切り替えて出力するスィッチをさらに備えている、請求項 4に記載のヘアーセット機器。

6 . 使用者が保持する際に握ることができるダリップ部をさらに備えており、前記帯電板が該グリップ部の表面に設けられている、請求項 2に記載のヘアーセット機器。

7 . 前記帯電板は、導電性の成形材料を用いて形成されている、請求項 2に記载のヘアーセット機器。

8 . 前記使用者が前記帯電板と接触する前記帯電板の面に、導電性シートをさらに設けた、請求項 7に記載のヘアーセット機器。

9 . 前記使用者の毛髪をセットする前記機構は、ブラシと、前記毛髪を乾燥させる機構とを備えている、請求項 1に記載のヘアーセット機器。

1 0 . 前記使用者の毛髪をセットする前記機構は、ブラシと、毛髪を挟み込む熱板と、前記熱板を加熱するヒーターとを備えている、請求項 1に記載のヘアーセット機器。