WO1993020148A1

WO1993020148A1 - Bearing and resin composition

Info

Publication number: WO1993020148A1
Application number: PCT/JP1993/000395
Authority: WO
Inventors: Tatsuo Ishii
Original assignee: Idemitsu Kosan Co., Ltd.
Priority date: 1992-03-30
Filing date: 1993-03-30
Publication date: 1993-10-14
Also published as: EP0604655A4; EP0604655A1

Description

明細書軸受及び樹脂組成物技術分野

本発明は複写機、ファクシミリや、ドットプリンター、レーザープリンター、プロッター、マイクロリ一ダープリンタ一等の印刷機などの事務機器等の紙送りローラー用の軸受として特にに用いられるプラスチック製の軸受に関する。本発明はまた、上記軸受をはじめとして、電気'電子機器、機械分野等の摺動部品材料等の各種の成形品の素材として広範囲に利用される樹脂組成物に関する。背景技術

従来の事務機器の紙送りローラーの軸受には、ボールべァリング又は含油金属軸受が使用されている。ボールべアリングは耐摩耗性、低騒音性に優れ、かつ相手材のシャフトを損傷しないという利点があるが、構造が複雑なため、重くかつ高価であるという欠点がある。一方、含油金属軸受は構造が簡単で、かつ比較的安価であるが、オイルを含んでいるため、オイルのしみだしによる環境悪化や紙へのオイルの付着という問題がある。そこで大量生産に適し、安価なプラスチック軸受を開発しょうとする試みがなされているが、自己潤滑性に優れたポリアセターノレ製の軸受で耐摩耗性に劣るといつた問題がある。

一方、ポリシァノアリールエーテル樹脂は、耐熱性、機械的性質、電気的性質、難燃性、耐薬品性等に優れたエンジニアリング樹脂として知られている（特開昭 6 2— 2 2 3 2 2 6号公報）。しかし、ポリシァノアリールエーテルは、上記の優れた特性を有し、高い限界 P V値を有する樹脂であるものの、樹脂単体では、耐摩耗性が不十分であり、特に十分な摺動特性が得られないなどの欠点を有しているため、フッ素樹脂や黒鉛等の添加により特性の改善を図っている。例えば、フッ素樹脂は主として摩擦係数を下げる効果があり、黒鉛や二硫化モリブデンは耐摩耗性を改良する効果があることが知られている（特開平 1 ― 2 2 4 3 9 7号公報) 。

また、ポリシァノアリ一ルエーテルにフェノール樹脂焼成体、更にはフッ素樹脂を添加することにより、耐摩耗性を向上させる効果があることが知られている (特開平 0 1 - 2 2 7 5 9 7号公報）。

しかしながら、従来から知られているポリシァノァリールエーテノレ樹脂組成物では耐摩耗性が未だ不十分であり、電気電子機器、機械分野の摺動部分並びにその周辺分野等では適用が制限される。発明の開示

本発明の目的は、耐摩耗性、低 ¾ 性に優れ、かつ相手材を損傷しない上に、軽量で比較的安価であり、事務機器の紙送りローラーの軸受等としてに用いられるすべり軸受を提供することにある。

本発明の他の目的は、ポリシァノァリールエーテルとしての優れた基本特性を有し、しかも相手材が硬質材であるか、軟質材であるかにかかわらず、耐摩耗性及び低騷音性に優れ、相手材の損傷が少ないなどの利点を有するポリシァノアリールエーテル樹脂組成物をすることにある。

本発明者は上記課題を解決するため鋭意検討した結果、特定な樹脂及び無機充填材を組合わせた樹脂 5¾物を成形してなる軸受により前記課題が解決できることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至つた。

すなわち、本発明は、次の一般式

(式中、 A rは、 co 、

を示す。）

で表わされる繰り返し単位を主たる構成成分とし、 p—クロロフヱノールに 0. 2 g Z d 1の濃度で溶解したときの 6 0 °Cにおける還元粘度 [ 7? _cn/ c ] が 0. 6 d 1 / g以上のポリシァノアリールエーテル 3 9. 9〜8 0重量％、フッ素樹脂 5〜 3 0重量％並びに炭素織維、カーボンビーズ及び銅合金粉から選ばれる少なくとも 1種 1 0〜5 5重量％を含有する樹脂組成物（以下、軸受用樹脂組成物と呼ぶことがある）を成形してなることを特徵とする軸受を提供するものであ本発明者は、また前記ポリシァノアリールエーテルに、リン青銅粉とフッ素樹脂という特定の組み合わせのものを添加することにより、従来の樹脂組成物よりも良好な耐摩耗性が得られることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。

すなわち、本発明は更に、次の一般式

(式中、 A は

を示す。）

で表わされる操り返し単位を主たる構成成分とし、 p -クロ口フエノールに 0. 2 gZ d lの濃度で溶解したときの 6 0 における還元粘度 [ ?7 / c ] が 0. 6 d l Zg以上のポリシァノアリールエーテル 3 5〜8 5重量％、リン青銅粉 5 〜6 0重量％及びフッ素樹脂 5〜 3 0重量％を含有することを特徴とする樹脂組成物（以下、成形用樹脂組成物と呼ぶことがある）を M するものである。発明を実施するための最良の形態

本発明に用いられるポリシァノアリールエーテルは、式（I ) で表わされる繰り返し単位を主たる構成成分とするものであればよいが、中でも A rが ^QJ のものが好ましい。その具体的な割合は種類等により異なり、必ずしも一義的に定めることはできないが、一般的には上記式（I ) の繰り返し単位を 9 0重量％以上含んでいるものが好ましく、特に該操り返し単位からなるホモポリマーが好ましい。

上言己のポリシァノアリールエーテルほ、例えば、一般式

(式中、 X及び X' はハロゲン原子を示す。 ) で表わされるジハロゲノベンゾニトリルと H O—A r— OHで表わされる化合物とをほぼ等モル量の割合で、ァルカリ金属炭酸塩の存在下、非プロトン極性溶媒中にて不活性ガス雰囲気下に反応させることにより製造される。

ここで、アル力リ金属炭酸塩としては、例えば炭酸ナトリウム、炭酸力リゥム、炭酸リチウム、炭酸セシウム、炭酸ルビジウム等の炭酸^ ¾びこれらに対応する炭酸水素塩を使用することができる。これらのアル力リ金属炭酸塩の使用量は、状況に応じて適宜選択すればよく、一般には HO—A r—O Hで表わされる化^ ¾に対して 1. 0〜1. 3倍当量、特にやや過剰量とすることが好ましい。また、使用しうる非プロトン極性溶媒としては、 N—メチルピロリドン、 1， 3—ジメチルイミダゾリジノン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルァセトアミド等を挙げることができ、その使用量は一般式（IV) の化合物及び H 0-A r-OHで表わされる化合物を溶解するのに十分な量であればよい。

更に、重合反応前あるいはその途中に、鎖延長剤や末端停止剤、例えばフルォ口ベンゾニトリルを適宜添することができる。

その他の反応条件は、各種状況により異なり、一義的には決定できないが、反応温度は、通常、 200°C以上、好ましくは 200〜210°Cであり、反応時間は 2〜6時間である。

このようにして得られるポリシァノアリールエーテルは、様々なものがあり、これらは 1種単独で、あるいは 2種以上を混合物等として併用することができるが、本発明においては、これらのうち、 p—クロ口フエノールを溶媒とする濃度 0. 2 gZd 1の溶液の 60。Cにおける還元粘度〔 _enZc] が 0. 6d lZg 以上、好ましくは 0. 6〜1. 5 d 1 Zgのものを使用する。

この還元粘度 [7?_enZc] が上記測定条件で 0. 6d lZg未満であると、軸受の強度や耐熱性等の特性が不十分となり、本発明の目的を達成することができない。

本発明に用いられる軸受用樹脂組成物において前記ポリシァノアリールエーテルの割合が 39. 9重量％未満であると軸受の成形が困難となり、成形できてもすべり軸受かもろく、使用に適さない。また、 80重量％を超えると軸受の摩擦係数が大きく、耐摩耗性も不十分となる。

本発明に用いられる軸受用樹脂組成物において前記ポリシァノアリールエーテルの一部をポリフエ二レンサルファイド（PPS) 、ポリエーテルエーテルケトン（PEEK)又はポリエーテルィミド（PE I) に置き換えることができる。この置換量は 90重量％未満であることが好ましい。 90重量％以上を置き換えるとポリシァノアリ一ルエーテル本来の優れた特性が発揮されないことがある。置換量の好ましい範囲は 70重量％未満、更には 50重量％未満である。 PPS、 PEEK, PE Iの分子量については、特に制限はなく、種類や使用目的等に応じて適宜選定すればよい。しかし、分子量が大きすぎると、後述する成形に大きな射出圧を必要とし、成形できても成形体の密度が上がらずに空隙が生成して機械的強度の低下の原因になることがある。また、小さすぎると、成形体の機械的強度が低下する。従って、これらを考慮した上で、樹脂の分子量は選定されるべきである。例えば、 PPSの場合には、 206 のな一クロ口ナフタレン溶媒中、極限粘度が 0. 1 d lZg以上が好ましく、 0. 15〜0. 5d l/ gが特に好ましい。 PEEKの場合には、 60°Cの p—クロ口フエノール溶媒中、極限粘度が 0. 3 d lZg以上が好ましく、 0. 3〜： L. 2d lZgが特に好ましい。

本発明において軸受用樹脂組成物中に用いられるフッ素樹脂としては、様々なものがあり、各種のものを使用することができる。具体的には例えば、テトラフルォロエチレンの単独重合体又は共重合体、テトラフルォロエチレンとへキサフルォロプロピレンの共重合体、クロ口トリフルォロエチレンの重合体、テトラフルォロエチレンとパーフルォロプロピレンの共重合体、フツイ匕ビニリデンの重合体などを挙げることができる。これらの中でも、特にポリテトラフルォロェチレン（PTFE) などが好ましい。これらのフッ素樹脂は 1種単独で使用してもよいし、 2種以上を併用してもよい。

本堯明に用いられる軸受用樹脂組成物において、フッ素樹脂の割合が 5重量％未満であると、得られた軸受の摩擦係数が大きくなり、 30重量％を超えると組成物中でフッ素樹脂が凝集して分散不良を生じ、得られた軸受の外観が不良となり、しかも機械的強度が低下する。

本発明に用いられる軸受用樹脂組成物は更に、炭素繊維、カーボンビーズ及び銅合鎌から選ばれる少なくとも 1種を 10〜 55重量％含有する。

前言己炭素繊維としては、アクリロニトリル系、ピッチ系、セルロース系など様々なものがあるが、いずれのものでもよい。炭素繊維は、その鏃維径が 5〜 20 / mで、繊維長が 0. 1〜10mm程度のものが好ましいが、通常は一般に樹脂充填用として使用されている 6mm程度の長さのチョップドファイバ一やロービングなどが好適に使用される。

なお、前記炭素繊維は、無処理でも使用しうるが、その表面を種々の処理剤で処理したもの、例えば、酸処理、塩基処理、部分酸化処理や金属化処理したものなども使用することができる。また、前記炭素繊維の市販品の具体例としては、例えば、トレ力 T一 300 (東レ社製）、ベスフアイト HTA、ベスフアイト 1000 (東邦レーヨン社製）、クレカ M、クレカ C (呉羽化学工業社製）などを挙げることができる。

前記力一ボンビーズは、レゾーノレ樹脂やへキサメチレンテトラミン等の硬化剤とノボラック樹脂等を加熱硬化し、更に不活性雰囲気中で炭化焼成したものであり、通常、ガラス状炭素質粒子からなるもめである。これらのうち、特に好ましいものとしては、メタノール溶解度が 20重量％以下の粒状な tゝし粉末状のフェノ一ル ·ホルムアルデヒド樹脂を非酸化雰囲気下、 500°C以上の温度で熱処理したもので、球状ないし粒状炭素質微粒子で、嵩密度 0. 6〜0. 8 g/c c、比重 1. 3〜： L. 6、比表面積 10m²/g以上、粒径 0. 1〜： L 50^mの球状一次粒子及びその二次凝集物を含有し、少なくともその 50重量％が 100タイラーメッシュの篩を通過するもの、好ましくは平均粒径が 15〜2 O/imのものを挙げることができる。なお、これらは、特開昭 63 - 128058号公報及び特開昭 63— 130666号公報により知られている。

また、市販のもの、例えば鐘紡（株）製の商品名ベルパールシリーズのものも知られており、これらは入手が容易である点などから特に好適に使用される。このベルパールシリーズのものとして、具体的には例えば、ベルパール H— 500、 C— 600、 C— 800、 C一 2000、 C- 2000 Sが好ましく、中でも C一 600、 C一 2000、 C一 2000 Sが好ましい。これらのカーボンビーズは 1種単独で使用してもよいし、 2種以上を併用してもよい。

前記銅合金粉としては、銅に錫、亜鉛、鉛、ニッケル、鉄、リン、アルミニゥム、ゲイ素等を樹脂成分に充填しても支障のない範囲で含んだ銅合金粉が用いられる。例えば、真鍮、青銅、リン青銅等の粉末が好ましく、真鍮の場合、亜鉛を 1 2〜 4 0重量％含有するものが、青銅の場合、錫を 2〜 4 0重量％含有するものが、リン青銅の場合、錫を 1〜 2 0重量％、リンを 1〜 2 0重量％含有するものが好ましい。

また、銅合^^は粒径が 1 / m以上のものが好ましく用いられる。粒径が 1 n m未満であると、凝集して均一に分散されないことがある。

通常、樹脂単体では体積固有抵抗が 1 0 ¹²Ω · c m以上ある。これを軸受に使用すると、シャフトが回乾した時に、静電気が発生し、シャフトにゴミが付着したり、付近の電子機器の誤を誘発するという欠点がある。

本究明に用いられる ^繊維やカーボンビーズを樹脂に充填することによって樹脂組成物の体積固有抵抗を下げることができるが、炭素繊維の場合は、 1 0重量％、力一ボンビーズの場合は 5 0重量％以上必要である。そこで、本発明に用いられる軸受用樹脂組成物に更にカーボンブラックを 0. 1〜丄 0重量％の範囲で比較的少量添加することで、軸受用樹脂 «物の体積固有抵抗を 1 0⁶ Ω · c m 以下にすることができ、軸受に帯電防止性を賦与することができる。カーボンブラックの種類としては、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、ファーネスブラック、サ一マルブラック、チャンネルブラック等があるが、少量の添加で効果的に体積固有抵抗を下げるには、ケッチェンブラックが好ましい。また、その粒径としては、 0. 0 1〜1 の範囲のものがに用いられる。

なお、本発明に用いられる軸受用樹脂組成物の製造の際あるいは加工等の使用の際に、必要に応じて適宜、本発明の目的を阻害しない範囲内で嫌己の各成分以外の他のポリマー成分や添加剤成分、例えば、酸化防止剤、着色剤、充填剤、紫外線吸収剤、滑剤、離型剤、チクソトロピー性付与剤、流動性改良剤、表面改質剤、熱安定剤等の添加剤を添加してもよい。

本発明に用いられる軸受用樹脂組成物を製造するに際して、前記各成分の配合の順序 ·方法は、特に制限はないが、通常、例えば、前記のポリシァノアリールエーテル、ポリフヱニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルィミド等の熱可塑性樹脂成分、前記フッ素樹脂成分、及び前記の炭素織維、カーボンビーズ、銅合金粉から選ばれた少なくとも 1種の成分を前記所定の割合で乾式混合し、溶融混練する方法が好適である。その際、溶融混練の温度としては、通常、 3 4 0〜 3 8 0 °C程度、好ましくは 3 5 0〜 3 7 0 °C程度の範囲内とすることが好適である。

このようにして得られた軸受用樹脂組成物は、必要に応じて、例えば、一軸又は二軸押出機等を用いてペレツト等の各種の成形物に成形され、更には、例えば射出成形等により所望の軸受形状に成形加工される。

以上のようにして得られた軸受は、耐摩耗性に優れ、相手材を損傷することなく、しかも異音を発生することなく、また、帯電による電子機器の誤動作を防止できるなどの優れた特性を有し、その上、軽量であるなどの利点を有する実用上著しく優れた軸受であり、例えば複写機、ファクシミリ、印刷機などの事務機器の紙送りローラ一用すベり軸受として広範囲に有利に利用することができる。前記ポリシァノアリールエーテルを 3 5〜8 5重量％ (好ましくは 3 9 . 9〜 8 0重量％) 、リン青銅分 5〜 6 0重量％ (好ましくは 1 0〜 5 5重量％) 、フッ素樹脂 5〜3 0重量％を含有する成形用樹脂組成物は、相手材が軟質、硬質にかかわらず耐摩耗性に優れ、相手材を損傷することなく、しかも異音を発生することもない。しかも射出成形できるという点で量産性に優れており、例えば、電気電子機器、機械分野等の摺動部品材料をはじめとする各種の成形品の素材として広範囲分野に有利に利用することができる。特に、ファクシミリやドットプリンター、レーザープリンター、プロッター、マイクロリーダープリンタ一等の印刷機などの事務機器の紙送りローラ一用の軸受の材料として好適に用いられる。本発明の成形用樹脂組成物において前記ポリシァノアリールエーテルの割合が 3 5重量％未満であると成形が困難となり、成形できてももろく、使用に適さない。また、 8 5重量％を超えると耐摩耗性が不十分となる。

本発明の成形用樹脂組成物において用いられるリン青銅粉のリン青銅は前記したものが用いられ、使用目的等に応じて、適宜選定すれば良い。また、リン青銅粉は粒径が 1 im以上 2 0 0 m以下のものが好ましく用いられる。粒径が 1 m未満であると、凝集して均一に分散されないことがある。一方、 2 0 0 mより大きいと表面平滑性や表面外観が悪化することがある。

本努明の成形用樹脂組成物中に用いられるフッ素樹脂としては、 ΙίΠ己したものが用いられ、これらの中でも、特にポリテトラフルォロエチレン（P T F E) 、ポリテトラフノレォロエチレン一パーフルォロプロピレン共重合体（P F A) などが好ましい。これらのフッ素樹脂は 1種単独で使用してもよいし、 2種以上を併用してもよい。フッ素樹脂の割合が 5重量％未満であると、成形品の摩耗係数が大きくなり、 3 0重量％を超えると組成物中でフッ素樹脂が難して分散不良を生じ、成形品の外観が不良となり、しかも機械的強度が低下する。

なお、本発明の成形用樹脂組成物の製造の際あるいは加工等の使用の際に、必要に応じて適宜、本発明の目的を阻害しな t、範囲内で前記の軸受用樹脂組成物において用いた他のポリマー成分や添加剤成分を添加してもよい。

本発明の成形用樹脂組成物を製造するに際して、前記各成分の配合の順序 .方法、成形加工方法は前記軸受用樹脂組成物の場合と同様である。

以下、本発明を例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。実施例 1〜 9及び比較例 1、 2

熱可塑性樹脂成分、フッ素樹脂成分並びに炭素繊維、カーボンビーズ及び銅合 ^^から選ばれた少なくとも 1種の成分を表 1に示す割合で乾式混合した。次に二軸押出機で溶融混練し、得られたストランドを切断し、各種配合のペレツトを得た。このペレツトを射出成形機を用いて、溶融温度 3 5 0 、金型温度 2 0 0 での条件で成形し、内径 8 mm、外径 1 2 mm、長さ 9 mmの寸法を有する円筒状のすべり軸受及び厚さ 3 mm X 8 0 mm x 8 0 mmの平板を得た。

このすベり軸受を富士ゼロックス¾^複 5 0 3 9の耠紙部の軸受に組み込み、 A4版の複写を毎分 40枚のスピードで 1 00万枚連続して行った。このとき、給紙部のシャフトには直径 7. 9 5 mmのS UM 2 2 [硫黄複合快削鋼 (J I S G4804) ] に N iメツキしたものを使用した。

複写を行う前後の軸受内径の変ィ匕から摩耗量を測定した。また複写中、シャフ卜と軸受とのすベり面で異音が発生するか調べた。更に、複写した後、シャフトが損傷しているか目視により確認した。その結果を表 1の実機評価に示す。なお、表 1中、各成分の配合量を重量％で示した。

更に、厚さ 3mm X 80mm X 80 mmの平板を鈴木式スラスト型摩擦摩耗試験機（オリエンテック社製 E FM— I I I - F) に取り付け、圧力 2 k g_ c 速度 δπιΖιη i n、相手材 S 4 5 Cの条件で摩擦係数を測定した。

また、体積固有抵抗は、厚さ 3 mm X 8 0 mm x 8 0 mmの平板を使い、 ASTM D 257に準拠して測定した。結果を表 1に示す。比較例 3

ポリプラスチック社製ポリアセタール（商品名ジユラコン M 9 0 -44) のべレツトを射出成形機を用いて溶融温度 2 1 0°C、金型温度 8 0°Cの条件で成形し、実施例 1と同じ形状のすべり軸受と平板を得た。

更に、実機評価及び摩擦係数、体積固有抵抗の測定も実施例 1と同様に行なつた。その結果を表 1に示す。比較例 4

富士ゼロックス社の複写機に装備されている内径 8 mm、外径 1 2mm、長さ 9 mmの含油銅系焼給軸受について、実施例 1と同じ実機評価を行った。その結果を表 1に示す。表: 難例比校例

1 2 3 4 5 6 7 8 9 1 2 3 4 シ 17了 1卜ルエ- ポ含

48 58 77 58 50 33 33 33 48 87 30 子ノル " リ油ァ銅ポリエ-テルエ-テ

15 セ系 'レケトン夕焼

1 糸 α リフエ二レンサル - -

15 ル軸

77仆製受軸

- リ丄ーァつ、 15 受リテトラ刀口

20 20 10 20 20 20 20 20 5 20 エチレン

リテトラフ Wnェチ

レン-パ-フ ΛίΠプ。 20

ビレン共重合体

10 30 力-ボンピ-ズ 30 20 30 30 10 20 青菊粉 20 10 リン青銅粉 20 30 20 5 力-ボンブラ 7ク 2 2 3 2 0 2 2 2 2 3 0

軸受摩耗

13 7 14 8 11 16 10 10 5 80 90 160 10 量 ( im)

異音の有

無無無無無無無無無無有無無評無

価相手材の

無無無無無無無無無有無無損傷

m ， m 0.22 0.24 0.26 0.22 0.19 0.21 0.24 0.20 0.23 0.31 0.35 0.27 数

雜固有抵 2.5 1.8X 1.7X 2.2X 8.7X 3.6X 8.4X 9.5X 1.7X 4.3X 4.2X 1CP 抗 10³ 10³ 10⁴ 10⁴ 10⁴ 10³ 10³ 10⁴ 10⁴ 10³ 10⁴ &±

紙へ油が付着実施例 10〜 16及び比較例 5〜 7

熱可塑性樹脂成分、リン青銅粉及びフッ素樹脂を表 1に示す割合で乾式混合した。次に二軸押出機で溶融混練し、得られたストランドを切断し、各種配合のぺレツトを得た。このペレツトを射出成形機を用いて、溶融温度 350°C、金型温度 200 °Cの条件で成形し、厚さ 3 mm X 80 mm X 80 mmの平板を得た。この平板を切削加工し、摺動特性測定用試験片とした。

次に、スラスト型摩耗試験機（オリエンテツク社製 EFM— I I I—F) により、室温、乾燥雰囲気下にて圧力 20 k gZcm²、速度 1 δπιΖπι i n、 S45C (硬質）及び AD C 12 (軟質）を相手材として摩耗係数、相手材摩耗量及び異音発生の有無を調べた。その結果を表 2に示す。

表 2

なお実施例及び比較例で使用した原材料は次の通りである <

ポリシァノアリールエーテル出光興産（株）製、（ ?7。„/ c = 1 . 0 d 1 g)

ポリエーテルエーテルケトン（P E E K) ： I C I社製ビクトレックス PEEK 4 50 G

ポリフエ二レンサルファイド（P P S) ：呉羽化学工業社製 KP S# 2 1 4

S ポリエーテルイミド：ジェネラルエレクトリック社製ウルテム 1 000 ポリテトラフルォロエチレン（PTFE) ：ダイキン工業社製ルブロン L— 2 平均粒径 0. 5

ポリテトラフルォロエチレン一パーフルォロプロピレン共重合体 (PFA) ：三井デュポンフロロケミカル社製 PFA- 340 J 平均粒径 8

炭素織維（CF) ：東邦レーヨン社製 HTA-C 6 07 ^mX長さ 6mm カーボンビーズ：鐘紡社製 C 2 000 S 平均粒径 5

青銅粉：福田金属箔粉ェ ¾製 B r D-ATW20 0 平均粒径 4 O ^m リン青銅粉：福田金属箔粉工業社製 CU 76 -AT 200 平均粒径 4 0 μ m

カーボンブラック：ライオン社製 EC 6 00 J D 平均粒径 0. 0 3 黒鉛：日本黑鉛工業社製 ACP- 1 00 0 平均粒径 1 fi

二硫化モリブデン（Mo S₂) ：日本黒鉛工業社製モリパウダー A 平均粒径 0. 5 ^ m

本凳明により、耐摩耗性に優れ、相手材を損傷することなく、しかも異音を発生することなく、また、帯電による電子機器の誤動作を防止できるなどの優れた特性を有し、その上軽量であるなどの利点を有する実用上優れた軸受が得られた。

本発明により、相手材が硬質、軟質にかかわらず耐摩耗性に優れ、相手材を損傷することなく、しかも異音を発生することなく、また、射出成形により量産できるなどの優れた特性を有する実用上優れた樹脂組成物が得られた。

Claims

請求の範囲

1 次の一般式

(式中、 Arは

、

を示す。）

で表わされる繰り返し単位を主たる構成成分とし、 p—クロロフヱノールに 0. 2 g/d 1の濃度で溶解したときの 60。Cにおける還元粘度 [77_cnZc] が 0. 6 d 1 以上のポリシァノアリールエーテル 39. 9〜80重量％、フッ素樹脂 5〜30重量％並びに炭素繊維、カーボンビーズ及び銅合金粉から選ばれる少なくとも 1種 10〜55重量％を含有する樹脂組成物を成形してなることを特徴とする軸受。

2 次の一般式

(式中、 A rは - 、、

-^) - SQ₂- (^- 又は〇)" S "^~

を示す。）

で表わされる繰り返し単位を主たる構成成分とし、 P—クロロフエノールに 0 .

2 g Z d 1の濃度で溶解したときの 6 0 における還元粘度 [ 7? / c ] が 0 . 6 d 1 Z g以上のポリシァノアリールエーテル 3 9 . 9〜8 0重量％、フッ素樹脂 5〜3 0重量％、炭素織維、カーボンビーズ及び銅合金粉から選ばれる少なくとも 1種 1 0〜5 5重量％並びにカーボンブラック 0 . 1〜1 0重量％を含有する樹脂物を成形してなることを特徴とする軸受。

3 ポリシァノアリールエーテルの一部をポリフエ二レンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン又はポリエーテルィミドで置き換えた請求の範囲 1又は 2記載の軸受。

4 ポリシァノアリールエーテルの 9 0〜5 0重量％をポリフエ二レンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン又はポリエーテルィミドで置き換えた請求の範囲 3記載の軸受。

5 ポリシァノアリ一ルエーテルの一部を 5 0重量％未満のポリフエ二レンサルフアイド、ポリエーテルエーテルケトン又はポリエーテルィミドで置き換えた請求の範囲 3記載の軸受。

6 フッ素樹脂がポリテトラフルォロエチレンである請求の範囲 1又は 2記載の軸受。

7 銅合鎌が錫を 1〜 2 0重量％、リンを 1〜 2 0重量％含有するリン青銅粉である請求の範囲 1又は 2記載の軸受。

8 炭素織維が鏃維径が 5〜 2 0 fi mで、繊維長が 0 · 1〜： I 0 mmのチヨップドフアイバーである請求の範囲 1又は 2記載の軸受。 9 請求の範囲 1〜 8記載の樹 fl旨組成物を成形してなることを特徴とする紙送りローラー用軸受。

1 0 次の一般式

(式中、 A rは

¾r、ベ〇)· so₂

を示す。）

で表わされる繰り返し単位を主たる構成成分とし、 p—クロロフヱノールに 0. 2 g / d 1の濃度で溶解したときの 6 0。Cにおける還元粘度 [ 77 _CT1/ c ] が 0 . 6 d l Z g以上のポリシァノアリールエーテル 3 5〜8 5重量％、リン青銅粉 5 〜6 0重量％及びフッ素樹脂 5〜3 0重量％を含有することを特徴とする樹脂組成物。

1 1 ポリシァノアリールエーテルの一部をポリフエ二レンサルフアイド又はポリエーテルエーテルケトン又はポリエーテルィミドで置き換えた請求の範囲 1 0記載の樹脂組成物。

1 2 ポリシァノアリールエーテルの 9 0〜5 0重量％をポリフエ二レンサルフアイド、ポリエーテルエーテルケトン又はポリエーテルィミドで置き換えた請求の範囲 1 1記載の樹脂組成物。

1 3 ポリシァノアリールエーテルの 5 0重量％未満をポリフエ二レンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン又はポリエーテルイミドで置き換えた請求の範囲 1 1記載の樹脂組成物。 1 4 フッ素樹脂がポリテトラフノレォロエチレン又はポリテトラフルォロェチレン一パーフルォロプロピレン共重合体である請求の範囲 1 0又は 1 1記載の樹脂誠物。

1 5 リン青銅粉が粒径 1 β m以上 2 0 0 m以下の粒径のリン青銅粉である請求の範囲 1 0又は 1 1記載の樹脂組成物。