WO1990005168A1

WO1990005168A1 - Thermosetting resin composition and powder coating material comprising same

Info

Publication number: WO1990005168A1
Application number: PCT/JP1989/001146
Authority: WO
Inventors: Nobuaki Todoroki; Ken Nishizaki; Kazunori Furukawa; Yuji Hato
Original assignee: Shinto Paint Company, Limited; Sumitomo Chemical Company, Limited
Priority date: 1988-11-11
Filing date: 1989-11-08
Publication date: 1990-05-17
Also published as: EP0404960A4; EP0404960A1

Description

明細窘

熱硬化性樹脂組成物およびそれからなる扮体塗料技術分野

本発明は熱硬化性樹脂組成物およびそれからなる粉体塗料に関し、自動車足回り郞品、建材、工業资材など防锖が必要で、かつ石はねなど外的な衝^に耐えうる、いわゆる耐チッビング性を要求される塗膜用などの熟硬化性樹脂組成物およぴ粉体塗料に関する。

背景技術

自動車外板部の塗装工程は通常、電着塗装、中塗り塗装および上塗り塗装からなっているが、近年、このようにして形成された自動車外扳部の複屑塗膜の耐久性の問題、特に走行中の街擎剥離による塗膜の美観性低下ならぴに車体網板の腐食の進行の問超が重視されつつある。特に、欧米の寒冷地域等では冬季自動車道路の路面凍結を防止するために比铰的粗粒に粉砕した岩塩を多量に混入した砂利を敷くことが多く、この種の道路を走行する自動車はその外面部において車輪で跳ね上げられた岩塩粒子や小石が塗膜面に衝突し、その衝擎により塗腠が局部的に車体上から全部剥雜する衝擎剥離現象、いわゆる "チッピング'を起こすことがある。この現象により、車体 . 外扳面の被衝擎郎の金属面が？？出し、すみやかに発鳍すると共に腐食が進行する。

このチッビングならびにこれに基因する親扳の腐食の進行などを防止するため、従来から車体の外郎金属基体表面の化成処理ならびに電着塗枓、中塗塗料および上塗塗料について各種の検討がなされてきたが、チ、：；ビングに尉え得る充分なすぐれた付着性を有する塗枓は見い出すに至っていない _&

そこで、これら自動車外扳部のチッビング対策として、ポリェチレン粉体、発泡ポリエチレン粉体、 P V Cペースト、歴青質、エラストマ一等の柔软な熱可塑性樹脂を "チヅビング塗料として用いる方法、エポキシ塗料、ポリエステル塗料等の熱硬化樹脂塗科の ¾■チッピング性を改良する方法等が提案されている。

しかしながら、従来の熱可塑性樹脂を i§"チ， yビング塗料として用いる方法は、これら煞可塑性榭脂自身は接着力がほとんどないため、必ず防蝕機能と接着機能とを目的とした防鐯ブライマーを塗布し、その上にこれら熱可塑性樹脂を耐チッピング塗料として用いる方法である。しかし、それでもなお、充分な接着力がないことから、種

* 々の問題が生じる。例えば、長期の走行中に、耐チヅビング塗料がプライマーから剥離するという新たな問犀が発生する。これら煞可塑性射チツビング塗料は、防锖ブライマーに直接に銜撃がかかることを防ぐためにその柔らかさを利用し、石はねの外的エネルギーを傷として吸収するため、防锖ブライマーまで到達する***は発生する。この***から水分が防锖ブライマーと熱可塑性樹脂との間に侵入し、もともとあまり強くない防锖ブライマーと熱可塑性樹脂間の接着力を弱めるために起きる問 ¾である。特に、侵入した水分が凍锆するような時には、その水分の体稼膨張により、本来水の侵入していない郞分をも剥雌させ、更にその新たな剥離郞分に更に水が侵入するといぅ緣り返しで驚くべき速さで剥雛が進行する。また、この方法では、何度も同じ箇所に石はねがあった場合、一度熱可塑性榭脂に***があいているため、その下の防鑌塗料に直接外的エネルギー^、かり、その郎分に割れ、ヒビ等の欠陥ができ、本来の目的の防鑌効果も損なわれることもある。即ち、酎チヅビング塗枓'としてかなり有効な手段ではあるが、完全なものとは言えないわけである。

—方、エポキシ塗料、ポリエステル塗料等の熱硬化性樹脂を酎チヅビング塗料として改良する各種の方法は、種々の改良手段が提案されている。本来の煞硬化性樹脂は、熱可塑性榭脂と比校すれば、脆くて割れやすい物質であるが、柔软性のある熱可塑性榭脂をプレンドする方法や、硬化剤成分そのものに柔軟性を付与する方法があり、かなり改良はされ、常温（0〜3 0。C )における射チツピング性は問題のないところまできている。しかし、一 2 0。C以下の寒冷地では、依然として使用できない状況である。これは、熟硬化性樹脂のェポキシ樹脂、ボリエステル樹脂のガラス転移点が熱可塑性樹脂と比べて高温側に位蠹するため、一 2 0て以下等の寒冷地では、酎チツビング塗料そのものがガラスの様に跪くて割れやすい状態となるためである。例えば、特開昭 4 8— 1 0 1 4 2 4号公報、特開昭 5 3— 8 5 8 3 2号公報等が本発明と非常に近い組成物として存在する。しかし、これらの発明の目的は本発明の目的と異なるので、本発明では有効でない部分が多い。

本発明者らは特開昭 4 8 - 1 0 1 4 2 4号公報の組成物の中で、特に本用途に適する組成物を見い出すべく鋭意研究を重ねた結果、特定のェチレン共重合体の構造、反応性に非常に重要な意義を見い出し、かかる特定のェチレン共重合体を特定の割合で配合することにより所望の特性を有する熱硬化性榭脂耝成物が得られ、またその組成物からなる粉体塗料が所望の特性を有することを知り、本発明' を完成した。

発明の開示

本発明は、下記組成からなる熱硬化性樹脂組成物（1 )および粉体塗料（2 )を提供するものである。

( 1 ) 下記成分（a：)〜（c)を含み、成分の配合比（a)Z (b)が 0 . 1〜 1 . 0 (重量）である熱硬化性樹脂組成物。

(a) 分子構造中に、酸無水物基を有する単量体に由来する構造 0.5〜 1 0重量％と、な， ^一不飽和カルボン酸エステル単量体に由来する構造 3〜4 0重量％とも含むエチレン共重合体。

(b) エポキシ基を有する樹脂

(c) エポキシ用硬化剤

(2) 下記成分 )〜（c)を含み、成分の配合比（a)Z(b)が 0.1〜 1 .0 (重量）である熟硬化性樹脂組成物からなる粉体塗料。

(a) 分子構造中に、酸無水物基を有する単量体に由来する構造 0 , 5〜 1 0重量％と、な， y8—不飽和カルボン酸エステル単量体に由来する構造 3〜 40重量％とを含むェチレン共重合体

(b) エポキシ基を有する榭脂

Cc) エポキシ用硬化剤

この組成物の中で、（a)のェチレン共重合体が銜擎改良に寄与するものであり、従って、その分子構造が極めて重要な意袅を有する。衝撃を改良するためにこのエチレン共重合体が具備すべき性質を以下に列挙する。 ① ガラス転移温度が— 2 0て以下であること。

② 銜搫を緩和するゴム状弾性体であること。

③ マトリツクスとなるエポキシ榭脂との間で応力の伝達を行なうことができるための官能基を有すること。特に好ましくはェポキシ基と反応すること。

④ マトリックスとなるエポキシ樹脂の中にミクロ分散できるだけの親和性を有すること。

⑤ 熱や、化学菜品に対して安定で、物性変化の少ないこと。この中で、 ①および⑤は、エチレン共重合体ということでほぽ満足できる。 ②に対し、主として ^—不飽和カルボン酸エステルがその役割を受け持つ。すなわち、 α , /9—不飽和カルボン酸エステルが 3重量％未満では、エチレンの連鎖部分の桔晶化度が大きくなりゴム弹性が不足する。一方、 4 0重量％以上では、ゴム弾性は問題ないが完全非晶となり、また、粘着通多となり、煞ゃ化学薬品に対する安定性が劣り実用上問題が多い。 ③に対しては、酸無水物がその役割を果たす。酸無水物が 0 . 5重 S ¾未満では、官能基が少なく応力の伝達が不充分となる。一方、酸無水物が 1 0重量％以上では、エチレン共重合体の製造上の問題が多く、現時点では本用途に用いられるものを得られ難い。 ④に対しては、， /S—不飽和カルボン酸エステル、酸無水物の両者が閧係し、両者共に少ないとミクロ均一分散が困難となる。一方、両者共に多いと親和性が強すぎて分子レベルの相溶状態に近くなり、衝挲を緩和分散するに最も適したミクロ分散とならないため酎銜搫性が顕著に向上しない。本発明でいう酸無水物としては、エチレンとの共重合性から無水マレイン酸、無水シトラコン酸等が好ましい。

本発明でいう a , β一不飽和カルボン酸エステルとしては、ァクリル酸メチル、アクリル酸ェチル、アクリル酸ブチル等のアクリル酸の C i〜 C ₄アルキルエステル類、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ェチル等のメタクリル酸の C _t〜 C ₊アルキルエステル類が好ましい。

本発明でいう（a)は、上記の酸無水物、，ー不飽和カルボン酸エステルおよびエチレンとを、常法にしたがって、前記の割合、すなわち、酸無水物に由来する構造が 0 . 5〜 1 0重量％、 α , β - ヽ飽和カルボン酸エステルに由来する構造が 3〜4 0重量％となる割合にて共重合することにより得られる三元共重合体であって、一般的には高温高圧ラジカル反応によって低密度ポリエチレン製造設備

(S) などにて製造され、日本国内においては例えば「ボンダイン^」という商標で住化シーディエフ化学有限会社から販売されている。しかし、本発明の目的および本発明のメカニズムから見れば、この（a) の製造法を特に上記の方法に限定するものではない。

本発明でいうエポキシ基を有する樹脂としては、通常のエポキシ塗料の成分として使用されるものであり、たとえば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテルなどの脂肪族ジグリシジルエーテル類、ビスフヱノール A型エポキシ榭脂、ビスフヱノール F型エポキシ樹脂などの芳香族ジグリシジルエーテル類、グリセリンのトリグリシジルエーテルのような脂肪族トリグリシジルエーテル類、エポキシーノボラック樹脂のような芳香族ポリグリシジルエーテル類、エポキシ化油のような非環状脂肪族エポキシ化合物、ジシクロペンタジェン一ジォキサイドのような環状脂肪族エポキシ化合物などがあり、これらのエポキシ化合物のエポキシ当量 1. 0 0〜 5 0 0 0のものが好ましい。

本発明でいうエポキシ用硬化剤としては、芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸および多価アルコールを主成分とする酸末端ポリエステル頹（該芳香族ジカルボン酸としてはフタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸などが挙げられ、脂肪族ジカルボン酸としてはコハク酸、アジピン酸、セバチン酸、ァゼライン酸、無水マレイン酸、フマル酸、ィタコン酸などが挙げられ、さらに多価アルコールとしてはエチレングリコール、プロピレングリコール，ジエチレングリコール、 1 , 3—ブチレングリコ ^ル、ネオベンチルグリコール、ブテンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリツトなどが挙げられる）；アジビン酸ジヒドラジド（A D H )、イソフタル酸ジヒドラジド（I D H )、セパチン酸ジヒドラジド（S DH)などの有機酸ヒドラジド類；ジシアンジアミド（D I C Y);ジァミノジフエニルメタン、ァニリン一ホルマリン縮合物、 m—フヱニレンジァミン、トルェンジアミンなどの芳香族ァミン類；メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジツク酸、メチルへキサヒドロ無水フタル酸、へキサヒドロ無水フタル酸、ポリアゼティヅクポリアンハイドライド（P A P A：)、無水クロレンテック酸 (HE T), 無水フタル酸、無水トリメリット酸（TM A：)、無水ピロメリット酸（PMD A)、ベンゾフヱノンテトラカルボン酸無水物（B T D A )、エチレングリコールビストリメリテート（T ME G )などの酸無水物等があげられる。

本発明で、（a)Z(b)が 0.1未満では耐銜擎性が不充分となり、一方、 1 .0を超えると組成物の構造が変化し、（a)成分がマトリツクスとなるため、従来の熱可塑性射チッビング塗料と同じ問題が発生する。即ち、本発明は、硬くて脆い 0>)成分中に（a)成分でミクロ分散し、かつ（a)成分と（b)成分とが強固に反応接着することにより達成されるものである。本発明における（C )成分の量は、使用する )成分の種類、（C )成分の種類により大きく異なり、また、その後の焼付条件により設定するものでもあり、一般的に規定する事は容易ではない。後述の実施例には、代表例として（b)成分にェポトート Y D 9 0 2 (東都成型株式会社製）、（c)成分にェポトート Z X 7 9 8 (東都成型株式会社製）およびキュアゾール 2 M Z (四国化成株式会社製）を使用した時の標準配合 Sを示したが、特にこれにより範囲を限定するものではない。

本発明でいう組成物は、（a)、（b)及び（c)成分を押出機、各種ミキサ一等で加熱溶融混合後、粉砕した粉体塗料として利用することができる。その場合、溶融混合温度は用いる（b)成分によって異なるが、一般に 1 2 0 °C以下が好ましい。これは次の静電瑭付け塗装, 流動浸瀵塗装の時に硬化が完了するよう、（b)成分が未硬化又は半硬化状態にとどまる必要があるためである。

また、本組成物は粉体を柽由することなく、押出機等から直接被着物に被覆加工することもできる。更に、本組成物は、有機溶剤に溶解させた溶液状塗料や、水、有機溶剤に乳化分散させたェマルジョン塗枓とすることもできる。本発明の組成物には、着色のための着色顔料や各種無機物を体質顔料として添加することができる。また、紫外線吸収剤、酸化防止剤、滑剤等の添加物を必要に応じて添加することもできる。 - 発明を実施するための最良の形態

以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。

〔実施例〕

第 1表に、本発明の実施例の組成を示した。第 1表に示した（a：)、 (b)及び（c)成分をヘンシヱルミキサ一で攪拌混合後、 1 0 5〜 1 2 0 °Cの温度で押出機からシート状に押出し、冷却後クラッシヤーで粗粉砕し、更に後粉砕機により 3 5〜4 5 μの粉体を作った。この粉体を、静電塗装榱により 2 0 0 ^被覆厚さで着ブライマー塗布網扳（7 O mm X 1 & 0 nun)に塗装し、 2 0 0 ^ x 2 0分間焼き付け、試驗に供した。その桔果を第 3表に示した。〔比铰例〕

第 2表に比皎例の組成を示した。組成以外は実施例と全く同一の方法でサンプルを作成し、試験に供した。その結果は第 3表に示した。

〔試驗方法〕

◊常温チッビング試験

6号砕石 5 0 O gを、常温にて 5 kgZ cni*の吹付圧力で試験片に吹き付ける。これを 5回くり返す。試験片に欠落剥雜部分やヒビ割れのない物を〇とした。

0 - 3 0でチヅピング試耪

一 3 0 °Cに冷却した試驗片に常温チッビング試験を行なう。試験片に欠落剥雜部分やヒビ割れのない物を〇とした。

◊密着性試垓

試験片に 3 nm巾に 2本のスリットを入れ、 3 nun巾当りの T剥 81強度を測定する。 1 kgZ 3 sun巾以上の T剥離強度を有するものを〇とした。 ◊傷付き性常温チッビング試験後のサンブルで表面の傷付き度合を目視し、深さ 0 . 3 以上の凹凸があるものを Xとした。

第 1表

1：)東都成型株式会社製エポキシ樹脂

2)東都成型株式会社製フエノール樹脂、 ), 〉，（< 全成分虽に対し 1 7.8 1%£合₄

3)四国化成株式会社製硬化触媒、（a),(b),(c)全成分量に対し 0.3 Wt%¾合。

第 2表

注釈は表 1 と同じ,

第 3表

第 3表で明白な通り、実施例のものはすべての試験項目で問題ない。一方、比校例は割れ、又は傷付きいずれかの欠点を有し、射チヅビング塗料として不充分なものである。

産業上の利用可能性

本発明の熱硬化性樹脂組成物おょぴ粉体塗料は、自動車足廻り部品、建材、工業資材などの防锖性、耐チツビング性が要求される塗膜用に有用である。

Claims

請求の範囲

( 1 ) 下記成分（a：)〜（_c)を含み、成分の配合比（a)ノ（b)が 0 . 1 - 〜〖 . 0 (重量）である熱硬化性樹脂組成物。

(a)分子構造中に、酸無水物基を有する単量体に由来する構造 0 .

5〜1 0重量％と、， 8—不飽和カルボン酸エステル単量体に由来する構造 3〜4 0重量％とを含むエチレン共重合体

(b)エポキシ基を有する榭脂

(c)エポキシ用鐶化剤

( 2 ) 下記成分（a：)〜（c)を含み、成分の Si合比（a)ノ（b)が 0 . 1 〜 1 . 0 (重量）である熱硬化性榭脂組成物からなる粉体塗科。

(a)分子構造中に、酸無水物基を有する単量体に由来する構造 0 - 5〜1 0重量％と、 α，^一不飽和カルボン酸エステル単量体に由来する構造 3〜4 0重量％とも含むエチレン共重合体

(b)エポキシ基を有する樹脂

(c)エポキシ用硬化剤