JPWO2018117047A1 - 2層感光層ロール - Google Patents

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Abstract

感光層ロールが、支持体フィルムと、支持体フィルム上に設けられた感光性樹脂組成物を含む感光層とを有し、感光性樹脂組成物は、フェノール樹脂、ポリイミド前駆体、ポリベンズオキサゾール前駆体、及び可溶性ポリイミドから成る群から選択される少なくとも1つの樹脂を含み、そして感光層は、溶融粘度が500Pa・s以下となる温度点を有する層である。

Description

本発明は、感光層ロールに関する。
従来、半導体装置、液晶表示素子、プリント配線板等のパターニングに利用される画像形成方法として、一般的にはフォトリソグラフィー法が知られていた。フォトリソグラフィー法においては、通常、感光性樹脂組成物の溶液を銅張積層板等の基板上に塗布して乾燥させる方法、又は支持体、感光性樹脂組成物から成る層(以下、「感光層」ともいう。)、及び必要によりカバーフィルム、を順次積層した感光性樹脂積層体(以下、「ドライフィルムレジスト」ともいう。)を基板に積層する方法のいずれかが使用される。プリント配線板の製造においては、後者が多用される。
ドライフィルムレジストは、ロールの形態で保管されることがある(特許文献1参照)。特許文献1には、ドライフィルムレジストのロールからカバーフィルムを省いて製造コストを削減するために、感光層と、感光層の厚さの5分の1以下の厚さを有する非粘着性外層とを順に含む感光性複合体が提案されている。
ドライフィルムレジストの取り扱いの観点から、室温ではドライフィルムレジストに粘着性がなく、ドライフィルムレジストを基板等に熱圧着する時(すなわち、ラミネート時)に流動性を発現することが求められている(特許文献2参照)。特許文献2には、基板温度20℃では粘着性がなく、かつ基板上に置かれても位置修正が容易な感光性カバーレイフィルムが提案されている。
また、特許文献3には、感光性樹脂組成物において特定の構造を有するフェノール樹脂を非イオン性界面活性剤と組み合わせて用いることによって、低温硬化性と硬化膜の耐薬品性との両立が確認されている。
特開2001−175000号公報 特開2003−149803号公報 特開2013−190697号公報
通常、感光性樹脂積層体はロールの形態で製造され、必要な幅にスリットされて使用される。しかしながら、感光層がフェノール樹脂、ポリイミド前駆体、ポリベンズオキサゾール前駆体、及び可溶性ポリイミドから成る群から選択される少なくとも1つの樹脂から形成される従来の感光性樹脂積層体の場合、スリットした際にしわ又はクラックが発生し、断面が平滑になるようにスリットすることが難しいとの問題があった。
本発明者らは、感光層の溶融粘度を調整するか、又は、カバーフィルムを除去することで上記課題を解決できることを見出して、本発明を完成させた。すなわち、本発明は以下のとおりである。
[1]
支持体フィルムと、
前記支持体フィルム上に設けられた、感光性樹脂組成物を含む感光層と、
を有する感光層ロールであって、
前記感光性樹脂組成物がフェノール樹脂、ポリイミド前駆体、ポリベンズオキサゾール前駆体、及び可溶性ポリイミドから成る群から選択される少なくとも1つの樹脂を含み、かつ前記感光層は、溶融粘度が500Pa・s以下となる温度点を有する層である、感光層ロール。
[2]
前記感光層は、溶融粘度が350Pa・s以下となる温度点を有する層である、[1]に記載の感光層ロール。
[3]
前記感光層は、100℃における溶融粘度が500Pa・s以下である、[1]又は[2]に記載の感光層ロール。
[4]
前記感光層は、100℃における溶融粘度が350Pa・s以下である、[3]に記載の感光層ロール。
[5]
前記感光層の前記支持体フィルムが設けられた側とは反対側にカバーフィルムを有し、かつ前記カバーフィルムの軟化温度が90℃以上である、[1]〜[4]のいずれか1項に記載の感光層ロール。
[6]
前記カバーフィルムの軟化温度が、110℃以上である、[5]に記載の感光層ロール。
[7]
前記感光層中に含まれる有機溶媒の量が、前記感光層の総量に対して0.1質量%以上15質量%以下である、[1]〜[6]のいずれか1項に記載の感光層ロール。
[8]
前記感光層中に含まれる有機溶媒の量が、前記感光層の総量に対して1質量%以上15質量%以下である、[7]に記載の感光層ロール。
[9]
前記有機溶媒が、γ−ブチロラクトン、アセトン、メチルエチルケトン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、プロピレングリコールモノメチルエーテル、tert−ブチルアルコール及びテトラヒドロフルフリルアルコールから成る群から選択される少なくとも一つを含む、[7]又は[8]に記載の感光層ロール。
[10]
前記有機溶媒が、γ−ブチロラクトン、アセトン、メチルエチルケトン、N−メチル−2−ピロリドン及びジメチルスルホキシドから成る群から選択される少なくとも一つを含む、[9]に記載の感光層ロール。
[11]
前記感光性樹脂組成物が前記ポリイミド前駆体を含む、[1]〜[10]のいずれか1項に記載の感光層ロール。
[12]
前記感光性樹脂組成物が前記ポリベンズオキサゾール前駆体を含む、[1]〜[10]のいずれか1項に記載の感光層ロール。
[13]
前記感光性樹脂組成物が前記可溶性ポリイミドを含む、[1]〜[10]のいずれか1項に記載の感光層ロール。
[14]
前記感光性樹脂組成物が前記フェノール樹脂を含む、[1]〜[10]のいずれか1項に記載の感光層ロール。
[15]
前記フェノール樹脂が、下記一般式(1):
Figure 2018117047
{式(1)中、aは、1〜3の整数であり、bは、0〜3の整数であり、1≦(a+b)≦4であり、Rは、炭素数1〜20の1価の有機基、ハロゲン原子、ニトロ基及びシアノ基から成る群から選ばれる1価の置換基を表し、bが2又は3である場合の複数のRは、それぞれ同じでも異なっていてもよく、かつXは、不飽和結合を有していてもよい炭素数2〜10の2価の鎖状脂肪族基、炭素数3〜20の2価の脂環式基、下記一般式(2):
Figure 2018117047
(式(2)中、pは、1〜10の整数である。)で表される2価のアルキレンオキシド基、及び芳香族環を有する2価の有機基から成る群から選ばれる2価の有機基を表す。}
で表される構造を繰り返し単位として有する、[14]に記載の感光層ロール。
[16]
前記一般式(1)中のXが、下記一般式(3):
Figure 2018117047
{式(3)中、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜10の1価の脂肪族基、又は水素原子の一部若しくは全部がフッ素原子で置換されてなる炭素数1〜10の1価の脂肪族基であり、n1は0〜4の整数であって、n1が1〜4の整数である場合のRは、ハロゲン原子、水酸基、又は1価の有機基であり、少なくとも1つのRは水酸基であり、n1が2〜4の整数である場合の複数のRはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。}
で表される2価の基、及び下記一般式(4):
Figure 2018117047
{式(4)中、R、R、R及びR10は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜10の1価の脂肪族基、又は水素原子の一部若しくは全部がフッ素原子で置換されてなる炭素数1〜10の1価の脂肪族基を表し、かつWは、単結合、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜10の鎖状脂肪族基、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数3〜20の脂環式基、下記一般式(2):
Figure 2018117047
(式(2)中、pは、1〜10の整数である。)で表される2価のアルキレンオキシド基、及び下記式(5):
Figure 2018117047
で表される2価の基から成る群から選ばれる2価の有機基である。}
で表される2価の基から成る群から選ばれる2価の有機基である、[15]に記載の感光層ロール。
[17]
前記一般式(1)中のXが、下記式(6):
Figure 2018117047
で表される2価の有機基である、[15]又は[16]に記載の感光層ロール。
[18]
前記一般式(1)中のXが、下記式(7):
Figure 2018117047
で表される2価の有機基である、[17]に記載の感光層ロール。
[19]
前記フェノール樹脂が、下記一般式(8):
Figure 2018117047
{式(8)中、R11は、炭化水素基及びアルコキシ基から成る群から選ばれる炭素数1〜10の1価の基であり、n2は1〜3の整数であり、n3は0〜2の整数であり、m1は1〜500の整数であり、2≦(n2+n3)≦4であり、n3が2である場合のR11はそれぞれ同じでも異なっていてもよい。}で表される繰り返し単位、及び下記一般式(9):
Figure 2018117047
{式(9)中、R12及びR13は、それぞれ独立に、炭化水素基及びアルコキシ基から成る群から選ばれる炭素数1〜10の1価の基であり、n4は1〜3の整数であり、n5は0〜2の整数であり、n6は0〜3の整数であり、m2は1〜500の整数であり、2≦(n4+n5)≦4であり、n5が2である場合のR12はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、n6が2又は3である場合のR13はそれぞれ同じでも異なっていてもよい。}
で表される繰り返し単位の両方を同一樹脂骨格内に有する、[15]〜[18]のいずれか1項に記載の感光層ロール。
[20]
支持体フィルムと、
前記支持体フィルム上に設けられた、感光性樹脂組成物を含む感光層と、
を有する感光層ロールであって、
前記感光性樹脂組成物がフェノール樹脂、ポリイミド前駆体、ポリベンズオキサゾール前駆体、及び可溶性ポリイミドから成る群から選択される少なくとも1つの樹脂を含み、かつ前記支持体フィルムの両面は、前記感光層と接している、感光層ロール。
[21]
前記感光層中に含まれる有機溶媒の量が、前記感光層の総量に対して0.1質量%以上15質量%以下である、[20]に記載の感光層ロール。
[22]
前記感光層中に含まれる有機溶媒の量が、前記感光層の総量に対して1質量%以上15質量%以下である、[21]に記載の感光層ロール。
[23]
前記感光性樹脂組成物が前記フェノール樹脂を含む、[21]又は[22]に記載の感光層ロール。
[24]
前記有機溶媒が、γ−ブチロラクトン、アセトン、メチルエチルケトン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、プロピレングリコールモノメチルエーテル、tert−ブチルアルコール及びテトラヒドロフルフリルアルコールから成る群から選択される少なくとも一つを含む、[21]〜[23]のいずれか1項に記載の感光層ロール。
[25]
前記有機溶媒が、γ−ブチロラクトン、アセトン、メチルエチルケトン、N−メチル−2−ピロリドン及びジメチルスルホキシドからなる群から選択される少なくとも一つを含む、[24]に記載の感光層ロール。
[26]
前記感光性樹脂組成物が前記ポリイミド前駆体を含む、[20]〜[25]のいずれか1項に記載の感光層ロール。
[27]
前記感光性樹脂組成物が前記ポリベンズオキサゾール前駆体を含む、[20]〜[25]のいずれか1項に記載の感光層ロール。
[28]
前記感光性樹脂組成物が前記可溶性ポリイミドを含む、[20]〜[25]のいずれか1項に記載の感光層ロール。
[29]
前記感光性樹脂組成物がフェノール樹脂を含む、[20]〜[25]のいずれか1項に記載の感光層ロール。
[30]
前記フェノール樹脂が、下記一般式(1):
Figure 2018117047
{式(1)中、aは、1〜3の整数であり、bは、0〜3の整数であり、1≦(a+b)≦4であり、Rは、炭素数1〜20の1価の有機基、ハロゲン原子、ニトロ基及びシアノ基から成る群から選ばれる1価の置換基を表し、bが2又は3である場合の複数のRは、それぞれ同じでも異なっていてもよく、かつXは、不飽和結合を有していてもよい炭素数2〜10の2価の鎖状脂肪族基、炭素数3〜20の2価の脂環式基、下記一般式(2):
Figure 2018117047
(式(2)中、pは、1〜10の整数である。)で表される2価のアルキレンオキシド基、及び芳香族環を有する2価の有機基から成る群から選ばれる2価の有機基を表す。}
で表される構造を繰り返し単位として有する、[29]に記載の感光層ロール。
[31]
前記一般式(1)中のXが、下記一般式(3):
Figure 2018117047
{式(3)中、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜10の1価の脂肪族基、又は水素原子の一部若しくは全部がフッ素原子で置換されてなる炭素数1〜10の1価の脂肪族基であり、n1は0〜4の整数であって、n1が1〜4の整数である場合のRは、ハロゲン原子、水酸基、又は1価の有機基であり、少なくとも1つのRは水酸基であり、n1が2〜4の整数である場合の複数のRはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。}
で表される2価の基、及び下記一般式(4):
Figure 2018117047
{式(4)中、R、R、R及びR10は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜10の1価の脂肪族基、又は水素原子の一部若しくは全部がフッ素原子で置換されてなる炭素数1〜10の1価の脂肪族基を表し、かつWは、単結合、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜10の鎖状脂肪族基、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数3〜20の脂環式基、下記一般式(2):
Figure 2018117047
(式(2)中、pは、1〜10の整数である。)
で表される2価のアルキレンオキシド基、及び下記式(5):
Figure 2018117047
で表される2価の基から成る群から選ばれる2価の有機基である。}
で表される2価の基から成る群から選ばれる2価の有機基である、[30]に記載の感光層ロール。
[32]
前記一般式(1)中のXが、下記式(6):
Figure 2018117047
で表される2価の有機基である、[30]又は[31]に記載の感光層ロール。
[33]
前記一般式(1)中のXが、下記式(7):
Figure 2018117047
で表される2価の有機基である、[32]に記載の感光層ロール。
[34]
前記フェノール樹脂が、下記一般式(8):
Figure 2018117047
{式(8)中、R11は、炭化水素基及びアルコキシ基から成る群から選ばれる炭素数1〜10の1価の基であり、n2は1〜3の整数であり、n3は0〜2の整数であり、m1は1〜500の整数であり、2≦(n2+n3)≦4であり、n3が2である場合のR11はそれぞれ同じでも異なっていてもよい。}
で表される繰り返し単位、及び下記一般式(9):
Figure 2018117047
{式(9)中、R12及びR13は、それぞれ独立に、炭化水素基及びアルコキシ基から成る群から選ばれる炭素数1〜10の1価の基であり、n4は1〜3の整数であり、n5は0〜2の整数であり、n6は0〜3の整数であり、m2は1〜500の整数であり、2≦(n4+n5)≦4であり、n5が2である場合のR12はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、n6が2又は3である場合のR13はそれぞれ同じでも異なっていてもよい。}で表される繰り返し単位の両方を同一樹脂骨格内に有する、[30]〜[33]のいずれか1項に記載の感光層ロール。
[35]
[1]〜[34]のいずれか1項に記載の感光層ロールをスリッターでスリットしてスリット感光層ロールを製造するスリット感光層ロールの製造方法。
[36]
前記スリッターの歯が加熱されている、[35]に記載のスリット感光層ロールの製造方法。
[37]
前記スリッターの歯が100℃以上に加熱されている、[36]に記載のスリット感光層ロールの製造方法。
[38]
以下の工程:
[1]〜[34]のいずれか1項に記載の感光層ロールが、前記感光層の前記支持体フィルムが設けられた側とは反対側にカバーフィルムを有する場合には、前記カバーフィルムを剥離する工程と、
前記カバーフィルムを有さない前記感光層ロールをスリッターでスリットする工程と、
スリットされた前記感光層ロールに、前記剥離したカバーフィルム又は前記剥離したカバーフィルムとは別のカバーフィルムを貼る工程と、
を含むスリット感光層ロールの製造方法。
[39]
前記スリッターの歯が加熱されている、[38]に記載のスリット感光層ロールの製造方法。
[40]
前記スリッターの歯が100℃以上に加熱されている、[39]に記載のスリット感光層ロールの製造方法。
本発明によれば、スリットの際にしわ又はクラックが発生し難く、断面が平滑になるようにスリットすることが可能な感光層ロールを提供することが可能となる。
<第1の実施形態:2層感光層ロール>
本発明の第1の実施形態に係る感光層ロールは、支持体フィルムと、フェノール樹脂、ポリイミド前駆体、ポリベンズオキサゾール前駆体、及び可溶性ポリイミドから成る群から選択される少なくとも1つの樹脂を含有する感光性樹脂組成物から形成される感光層との2層を順に積層することにより形成される。
本実施形態では、感光層ロールは、カバーフィルムを含まない。支持体フィルムの片面に感光層が積層されており、支持体フィルムのもう一方の面(すなわち、支持体裏面又は感光層が積層されていない面)が露出しているので、支持体フィルムの両面が感光層と接することとなる。
以下、カバーフィルムを含まず、支持体フィルムの両面が感光層と接する感光層ロールを2層感光層ロールとして説明する。
従来の感光層ロールは、カバーフィルムを備えているため、スリット時にカバーフィルムでしわが発生し易く、特にスリッターの歯を加熱してスリットする場合は、カバーフィルムで大きなしわが発生し易いという問題があった。
上記課題を解決するために、第1の実施形態に係る2層感光層ロールはカバーフィルムを含まない点を特徴としている。
<支持体フィルム>
本実施形態に係る支持体フィルムとしては、表面が平滑であれば特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル等の重合体フィルムを用いることができ、中でも、ポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、「PETフィルム」という)が好ましい。
フォトリソグラフィー法を行うときに2層感光層ロールから感光層を基材に転写するという観点から、支持体フィルムは、少なくとも一方の面に離型処理が施されていることが好ましい。本実施形態における離型処理とは、シリコーン系界面活性剤、シリコーン樹脂等のシリコーン系化合物、フッ素系界面活性剤、フッ素樹脂等のフッ素含有化合物、アルキッド樹脂等の離型剤で支持体フィルムの表面を薄くコートする化学処理、又は支持体フィルムをコロナ処理する等の物理処理を指す。
支持体フィルムに離型剤をコートする場合は、離型の効果が得られる限度で薄くコートすることが好ましい。コート後は、熱又はUV処理により離型剤を支持体フィルムに定着させてもよい。離型剤をコートする前に、支持体フィルムに下塗り層を施すことがより好ましい。
<感光層>
感光層は、支持体フィルムに、好ましくは支持体フィルムの離型処理された面に、フェノール樹脂、ポリイミド前駆体、ポリベンズオキサゾール前駆体、及び可溶性ポリイミドから成る群から選択される少なくとも1つの樹脂を含む感光性樹脂組成物を塗布することにより形成される。
以下、感光性樹脂組成物に含まれる成分について説明する。
[フェノール樹脂を含む感光性樹脂組成物][(A)成分:フェノール樹脂]
一般に、フェノール樹脂は、フェノール化合物とアルデヒド化合物から形成される熱硬化性樹脂である。
本実施形態では、感光層の熱溶融性の観点から、フェノール樹脂(A)は、下記一般式(1):
Figure 2018117047
{式(1)中、aは、1〜3の整数であり、bは、0〜3の整数であり、1≦(a+b)≦4であり、Rは、炭素数1〜20の1価の有機基、ハロゲン原子、ニトロ基及びシアノ基から成る群から選ばれる1価の置換基を表し、bが2又は3である場合の複数のRは、それぞれ同じでも異なっていてもよく、かつXは、不飽和結合を有していてもよい炭素数2〜10の2価の鎖状脂肪族基、炭素数3〜20の2価の脂環式基、下記一般式(2):
Figure 2018117047
(式(2)中、pは、1〜10の整数である。)で表される2価のアルキレンオキシド基、及び芳香族環を有する2価の有機基から成る群から選ばれる2価の有機基を表す。}で表される構造を繰り返し単位として有することが好ましい。
式(1)で表される構造の繰り返し単位を有するフェノール樹脂(A)は、例えばポリイミド樹脂及びポリベンズオキサゾール樹脂と比べて、低温での硬化が可能であり、かつ良好な伸度を有する硬化膜の形成を可能し、ひいては感光層の熱溶融性に寄与する。
熱溶融性に優れた感光層は、スリット時、特にスリッターの歯を加熱してスリットした際に、切断面にクラックが発生し難く、断面が平滑になるようにスリットできるため好ましい。
上記一般式(1)において、Rは、炭素数1〜20の1価の有機基、ハロゲン原子、ニトロ基及びシアノ基から成る群から選ばれる1価の置換基であり、アルカリ溶解性の観点から、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、不飽和結合を有していてもよい炭素数1〜10の脂肪族基、炭素数6〜20の芳香族基、及び下記一般式(10):
Figure 2018117047
{式(10)中、R14、R15及びR16は、それぞれ独立に、水素原子、不飽和結合を有していてもよい炭素数1〜10の鎖状脂肪族基、炭素数3〜20の脂環式基、又は炭素数6〜20の芳香族基を表し、そしてR17は、不飽和結合を有していてもよい炭素数1〜10の2価の鎖状脂肪族基、炭素数3〜20の2価の脂環式基、又は炭素数6〜20の2価の芳香族基を表す。}で表される4つの基から成る群から選ばれる1価の置換基であることが好ましい。
本実施形態では、上記一般式(1)において、aは、1〜3の整数であり、アルカリ溶解性及び伸度の観点から2が好ましい。aが2である場合には、水酸基同士の置換位置は、オルト、メタ及びパラ位のいずれであってもよい。aが3である場合には、水酸基同士の置換位置は、1,2,3−位、1,2,4−位及び1,3,5−位等、いずれであってもよい。
本実施形態では、上記一般式(1)において、bは、0〜3の整数であり、アルカリ溶解性及び伸度の観点から、0又は1であることが好ましい。bが2又は3である場合には、複数のRは、同一であっても異なっていてもよい。
さらに、本実施形態では、上記一般式(1)において、a及びbは、1≦(a+b)≦4の関係を満たす。
本実施形態では、上記一般式(1)において、Xは、不飽和結合を有していてもよい炭素数2〜10の2価の鎖状脂肪族基、炭素数3〜20の2価の脂環式基、上記一般式(2)で表されるアルキレンオキシド基、及び芳香族環を有する2価の有機基から成る群から選ばれる2価の有機基である。これらの2価の有機基の中で、硬化後の膜の強靭性の観点及び熱溶融性の観点から、Xは、下記一般式(3):
Figure 2018117047
{式(3)中、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜10の1価の脂肪族基、又は水素原子の一部若しくは全部がフッ素原子で置換されてなる炭素数1〜10の1価の脂肪族基であり、n1は0〜4の整数であって、nが1〜4の整数である場合のRは、ハロゲン原子、水酸基、又は1価の有機基であり、少なくとも1つのRは水酸基であり、nが2〜4の整数である場合の複数のRはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。}で表される基、及び下記一般式(4):
Figure 2018117047
{式(4)中、R、R、R及びR10は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜10の1価の脂肪族基、又は水素原子の一部若しくは全部がフッ素原子で置換されてなる炭素数1〜10の1価の脂肪族基を表し、かつWは、単結合、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜10の鎖状脂肪族基、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数3〜20の脂環式基、下記一般式(2):
Figure 2018117047
(式(2)中、pは、1〜10の整数である。)で表される2価のアルキレンオキシド基、及び下記式(5):
Figure 2018117047
で表される2価の基から成る群から選ばれる2価の有機基である。}で表される2価の基から成る群から選ばれる有機基であることが好ましい。
式(4)中のWとしては、硬化膜の伸度及び熱溶融性の観点から、単結合、上記一般式(2)で表されるアルキレンオキシド基、並びに上記式(5)のうちエステル基、アミド基及びスルホニル基から成る群から選ばれる2価の有機基、が好ましい。
本実施形態では、上記一般式(1)において、Xは、上記一般式(3)又は(4)で表される2価の有機基であることが好ましく、そして上記一般式(4)で表される2価の有機基は、樹脂組成物のパターン形成性が良好であるという観点、及び硬化後の硬化膜の伸度及び熱溶融性の観点から、下記式(6):
Figure 2018117047
で表される2価の有機基であることがより好ましく、下記式(7):
Figure 2018117047
で表される2価の有機基であることが特に好ましい。
一般式(1)におけるフェノール性水酸基を含有する部位とXで表される部位との割合に関し、特に伸度の観点から、一般式(1)で表される構造中のXで表される部位の割合は、20質量%以上であることが好ましく、30質量%以上であることがより好ましい。
上記割合は、アルカリ可溶性の観点から、好ましくは80質量%以下、より好ましくは70質量%以下である。また、感光層の熱溶融性及びアルカリ可溶性の観点から、フェノール樹脂(A)は、下記一般式(8):
Figure 2018117047
{式(8)中、R11は、炭化水素基及びアルコキシ基から成る群から選ばれる炭素数1〜10の1価の基であり、n2は1〜3の整数であり、n3は0〜2の整数であり、m1は1〜500の整数であり、2≦(n2+n3)≦4であり、n3が2である場合のR11はそれぞれ同じでも異なっていてもよい。}
で表される繰り返し単位、及び下記一般式(9):
Figure 2018117047
{式(9)中、R12及びR13は、それぞれ独立に、炭化水素基及びアルコキシ基から成る群から選ばれる炭素数1〜10の1価の基であり、n4は1〜3の整数であり、n5は0〜2の整数であり、n6は0〜3の整数であり、m2は1〜500の整数であり、2≦(n4+n5)≦4であり、n5が2である場合のR12はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、n6が2又は3である場合のR13はそれぞれ同じでも異なっていてもよい。}
で表される繰り返し単位の両方を同一樹脂骨格内に有することが特に好ましい。
一般式(8)のm1及び上記一般式(9)のm2は、フェノール樹脂(A)の主鎖におけるそれぞれの繰り返し単位の総数を表す。すなわち、フェノール樹脂(A)において、一般式(8)で表される構造における括弧内の繰り返し単位と一般式(9)で表される構造における括弧内の繰り返し単位とは、ランダム、ブロック又はこれらの組合せで配列されていることができる。m1及びm2は、アルカリ溶解性及び硬化物の伸度の観点から、それぞれ独立に1〜500の整数であり、下限値は、好ましくは2、より好ましくは3であり、上限値は、好ましくは450、より好ましくは400、さらに好ましくは350である。m1及びm2は、それぞれ独立に、硬化後の膜の強靭性及び熱溶融性の観点から、2以上であることが好ましく、アルカリ水溶液中での溶解性の観点から、450以下であることが好ましい。
一般式(8)で表される構造及び一般式(9)で表される構造の両方を同一樹脂骨格内に有するフェノール樹脂(A)において、一般式(8)で表される構造のモル比率が高いほど、硬化後の膜物性が良好であり、耐熱性及び熱溶融性にも優れ、一般式(9)で表される構造のモル比率が高いほど、アルカリ溶解性が良好であり、硬化後のパターン形状に優れる。従って、一般式(8)で表される構造と一般式(9)で表される構造との比率の範囲としてはm:m=90:10〜20:80が硬化後の膜物性の観点から好ましく、m:m=80:20〜40:60が、硬化後の膜物性、アルカリ溶解性及び熱溶融性の観点からより好ましく、m:m=70:30〜50:50が、硬化後の膜物性、パターン形状、アルカリ溶解性及び熱溶融性の観点から特に好ましい。
フェノール樹脂(A)は、典型的には、フェノール化合物と、共重合成分、具体的には、アルデヒド基を有する化合物(トリオキサンのように分解してアルデヒド化合物を生成する化合物も含む)、ケトン基を有する化合物、メチロール基を分子内に2個有する化合物、アルコキシメチル基を分子内に2個有する化合物、及びハロアルキル基を分子内に2個有する化合物から成る群から選ばれる1種類以上の化合物とを含み、より典型的にはこれらのモノマー成分を、重合反応させることによって合成できる。例えば、下記に示すようなフェノール及び/又はフェノール誘導体(以下、総称して「フェノール化合物」ともいう。)に対し、アルデヒド化合物、ケトン化合物、メチロール化合物、アルコキシメチル化合物、ジエン化合物、又はハロアルキル化合物等の共重合成分を重合させてフェノール樹脂(A)を得ることができる。この場合、上記一般式(1)中、OH基及び任意のR基が芳香環に結合している構造で表される部分は上記フェノール化合物に由来し、Xで表される部分は上記共重合成分に由来することになる。反応制御、並びに得られたフェノール樹脂(A)及び感光性樹脂組成物の安定性の観点から、フェノール化合物と上記共重合成分との仕込みモル比(フェノール化合物:共重合成分)は、5:1〜1.01:1であることが好ましく、2.5:1〜1.1:1であることがより好ましい。本実施形態では、フェノール樹脂(A)の重量平均分子量は、好ましくは700〜100,000であり、より好ましくは1,500〜80,000であり、更に好ましくは2,000〜50,000である。重量平均分子量は、硬化膜の伸度の観点から、700以上であることが好ましく、一方で、重量平均分子量は、感光性樹脂組成物のアルカリ溶解性の観点から、100,000以下であることが好ましい。
重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定し、標準ポリスチレンを用いて作成した検量線により算出することができる。
本実施形態では、フェノール樹脂(A)を得るために使用できるフェノール化合物としては、例えば、クレゾール、エチルフェノール、プロピルフェノール、ブチルフェノール、アミルフェノール、シクロヘキシルフェノール、ヒドロキシビフェニル、ベンジルフェノール、ニトロベンジルフェノール、シアノベンジルフェノール、アダマンタンフェノール、ニトロフェノール、フルオロフェノール、クロロフェノール、ブロモフェノール、トリフルオロメチルフェノール、N−(ヒドロキシフェニル)−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(ヒドロキシフェニル)−5−メチル−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド、トリフルオロメチルフェノール、ヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシ安息香酸メチル、ヒドロキシ安息香酸エチル、ヒドロキシ安息香酸ベンジル、ヒドロキシベンズアミド、ヒドロキシベンズアルデヒド、ヒドロキシアセトフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾニトリル、レゾルシノール、キシレノール、カテコール、メチルカテコール、エチルカテコール、ヘキシルカテコール、ベンジルカテコール、ニトロベンジルカテコール、メチルレゾルシノール、エチルレゾルシノール、ヘキシルレゾルシノール、ベンジルレゾルシノール、ニトロベンジルレゾルシノール、ハイドロキノン、カフェイン酸、ジヒドロキシ安息香酸、ジヒドロキシ安息香酸メチル、ジヒドロキシ安息香酸エチル、ジヒドロキシ安息香酸ブチル、ジヒドロキシ安息香酸プロピル、ジヒドロキシ安息香酸ベンジル、ジヒドロキシベンズアミド、ジヒドロキシベンズアルデヒド、ジヒドロキシアセトフェノン、ジヒドロキシベンゾフェノン、ジヒドロキシベンゾニトリル、N−(ジヒドロキシフェニル)−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(ジヒドロキシフェニル)−5−メチル−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド、ニトロカテコール、フルオロカテコール、クロロカテコール、ブロモカテコール、トリフルオロメチルカテコール、ニトロレゾルシノール、フルオロレゾルシノール、クロロレゾルシノール、ブロモレゾルシノール、トリフルオロメチルレゾルシノール、ピロガロール、フロログルシノール、1,2,4−トリヒドロキシベンゼン、トリヒドロキシ安息香酸、トリヒドロキシ安息香酸メチル、トリヒドロキシ安息香酸エチル、トリヒドロキシ安息香酸ブチル、トリヒドロキシ安息香酸プロピル、トリヒドロキシ安息香酸ベンジル、トリヒドロキシベンズアミド、トリヒドロキシベンズアルデヒド、トリヒドロキシアセトフェノン、トリヒドロキシベンゾフェノン、トリヒドロキシベンゾニトリル等が挙げられる。
上記アルデヒド化合物としては、例えば、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ピバルアルデヒド、ブチルアルデヒド、ペンタナール、ヘキサナール、トリオキサン、グリオキザール、シクロヘキシルアルデヒド、ジフェニルアセトアルデヒド、エチルブチルアルデヒド、ベンズアルデヒド、グリオキシル酸、5−ノルボルネン−2−カルボキシアルデヒド、マロンジアルデヒド、スクシンジアルデヒド、グルタルアルデヒド、サリチルアルデヒド、ナフトアルデヒド、テレフタルアルデヒド等が挙げられる。
上記ケトン化合物としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、ジシクロヘキシルケトン、ジベンジルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、ビシクロヘキサノン、シクロヘキサンジオン、3−ブチン−2−オン、2−ノルボルナノン、アダマンタノン、2,2−ビス(4−オキソシクロヘキシル)プロパン等が挙げられる。
上記メチロール化合物としては、例えば、2,6−ビス(ヒドロキシメチル)−p−クレゾール、2,6−ビス(ヒドロキシメチル)−4−エチルフェノール、2,6−ビス(ヒドロキシメチル)−4−プロピルフェノール、2,6−ビス(ヒドロキシメチル)−4−n−ブチルフェノール、2,6−ビス(ヒドロキシメチル)−4−t−ブチルフェノール、2,6−ビス(ヒドロキシメチル)−4−メトキシフェノール、2,6−ビス(ヒドロキシメチル)−4−エトキシフェノール、2,6−ビス(ヒドロキシメチル)−4−プロポキシフェノール、2,6−ビス(ヒドロキシメチル)−4−n−ブトキシフェノール、2,6−ビス(ヒドロキシメチル)−4−t−ブトキシフェノール、1,3−ビス(ヒドロキシメチル)尿素、リビトール、アラビトール、アリトール、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)酪酸、2−ベンジルオキシ−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、モノアセチン、2−メチル−2−ニトロ−1,3−プロパンジオール、5−ノルボルネン−2,2−ジメタノール、5−ノルボルネン−2,3−ジメタノール、ペンタエリスリトール、2−フェニル−1,3−プロパンジオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、3,6−ビス(ヒドロキシメチル)デュレン、2−ニトロ−p−キシリレングリコール、1,10−ジヒドロキシデカン、1,12−ジヒドロキシドデカン、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキセン、1,6−ビス(ヒドロキシメチル)アダマンタン、1,4−ベンゼンジメタノール、1,3−ベンゼンジメタノール、2,6−ビス(ヒドロキシメチル)−1,4−ジメトキシベンゼン、2,3−ビス(ヒドロキシメチル)ナフタレン、2,6−ビス(ヒドロキシメチル)ナフタレン、1,8−ビス(ヒドロキシメチル)アントラセン、2,2’−ビス(ヒドロキシメチル)ジフェニルエーテル、4,4’−ビス(ヒドロキシメチル)ジフェニルエーテル、4,4’−ビス(ヒドロキシメチル)ジフェニルチオエーテル、4,4’−ビス(ヒドロキシメチル)ベンゾフェノン、4−ヒドロキシメチル安息香酸−4’−ヒドロキシメチルフェニル、4−ヒドロキシメチル安息香酸−4’−ヒドロキシメチルアニリド、4,4’−ビス(ヒドロキシメチル)フェニルウレア、4,4’−ビス(ヒドロキシメチル)フェニルウレタン、1,8−ビス(ヒドロキシメチル)アントラセン、4,4’−ビス(ヒドロキシメチル)ビフェニル、2,2’−ジメチル−4,4’−ビス(ヒドロキシメチル)ビフェニル、2,2−ビス(4−ヒドロキシメチルフェニル)プロパン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラプロピレングリコール等が挙げられる。
上記アルコキシメチル化合物としては、例えば、2,6−ビス(メトキシメチル)−p−クレゾール、2,6−ビス(メトキシメチル)−4−エチルフェノール、2,6−ビス(メトキシメチル)−4−プロピルフェノール、2,6−ビス(メトキシメチル)−4−n−ブチルフェノール、2,6−ビス(メトキシメチル)−4−t−ブチルフェノール、2,6−ビス(メトキシメチル)−4−メトキシフェノール、2,6−ビス(メトキシメチル)−4−エトキシフェノール、2,6−ビス(メトキシメチル)−4−プロポキシフェノール、2,6−ビス(メトキシメチル)−4−n−ブトキシフェノール、2,6−ビス(メトキシメチル)−4−t−ブトキシフェノール、1,3−ビス(メトキシメチル)尿素、2,2−ビス(メトキシメチル)酪酸、2,2−ビス(メトキシメチル)―5−ノルボルネン、2,3−ビス(メトキシメチル)―5−ノルボルネン、1,4−ビス(メトキシメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(メトキシメチル)シクロヘキセン、1,6−ビス(メトキシメチル)アダマンタン、1,4−ビス(メトキシメチル)ベンゼン、1,3−ビス(メトキシメチル)ベンゼン、2,6−ビス(メトキシメチル)−1,4−ジメトキシベンゼン、2,3−ビス(メトキシメチル)ナフタレン、2,6−ビス(メトキシメチル)ナフタレン、1,8−ビス(メトキシメチル)アントラセン、2,2’−ビス(メトキシメチル)ジフェニルエーテル、4,4’−ビス(メトキシメチル)ジフェニルエーテル、4,4’−ビス(メトキシメチル)ジフェニルチオエーテル、4,4’−ビス(メトキシメチル)ベンゾフェノン、4−メトキシメチル安息香酸−4’−メトキシメチルフェニル、4−メトキシメチル安息香酸−4’−メトキシメチルアニリド、4,4’−ビス(メトキシメチル)フェニルウレア、4,4’−ビス(メトキシメチル)フェニルウレタン、1,8−ビス(メトキシメチル)アントラセン、4,4’−ビス(メトキシメチル)ビフェニル、2,2’−ジメチル−4,4’−ビス(メトキシメチル)ビフェニル、2,2−ビス(4−メトキシメチルフェニル)プロパン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、テトラプロピレングリコールジメチルエーテル等が挙げられる。
上記ジエン化合物としては、例えば、ブタジエン、ペンタジエン、ヘキサジエン、ヘプタジエン、オクタジエン、3−メチル−1,3−ブタジエン、1,3−ブタンジオール−ジメタクリラート、2,4−ヘキサジエン−1−オール、メチルシクロヘキサジエン、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、シクロヘプタジエン、シクロオクタジエン、ジシクロペンタジエン、1−ヒドロキシジシクロペンタジエン、1−メチルシクロペンタジエン、メチルジシクロペンタジエン、ジアリルエーテル、ジアリルスルフィド、アジピン酸ジアリル、2,5−ノルボルナジエン、テトラヒドロインデン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネン、シアヌル酸トリアリル、イソシアヌル酸ジアリル、イソシアヌル酸トリアリル、イソシアヌル酸ジアリルプロピル等が挙げられる。
上記ハロアルキル化合物としては、例えば、キシレンジクロライド、ビスクロロメチルジメトキシベンゼン、ビスクロロメチルデュレン、ビスクロロメチルビフェニル、ビスクロロメチル−ビフェニルカルボン酸、ビスクロロメチル−ビフェニルジカルボン酸、ビスクロロメチル−メチルビフェニル、ビスクロロメチル−ジメチルビフェニル、ビスクロロメチルアントラセン、エチレングリコールビス(クロロエチル)エーテル、ジエチレングリコールビス(クロロエチル)エーテル、トリエチレングリコールビス(クロロエチル)エーテル、テトラエチレングリコールビス(クロロエチル)エーテル等が挙げられる。
上述のフェノール化合物と共重合成分とを、脱水、脱ハロゲン化水素、若しくは脱アルコールにより縮合させるか、又は不飽和結合を開裂させながら重合させることにより、フェノール樹脂(A)を得ることができる。フェノール化合物と共重合成分の重合時に触媒を用いてもよい。
酸性の触媒としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、亜リン酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸、酢酸、シュウ酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1’−ジホスホン酸、酢酸亜鉛、三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ素・フェノール錯体、三フッ化ホウ素・エーテル錯体等が挙げられる。
アルカリ性の触媒としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、炭酸ナトリウム、トリエチルアミン、ピリジン、4−N,N−ジメチルアミノピリジン、ピペリジン、ピペラジン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、アンモニア、ヘキサメチレンテトラミン等が挙げられる。
本実施形態では、フェノール樹脂(A)を得るために使用される触媒の量は、共重合成分の合計モル数、好ましくは、アルデヒド化合物、ケトン化合物、メチロール化合物、アルコキシメチル化合物、ジエン化合物及びハロアルキル化合物の合計モル数100モル%に対して、0.01モル%〜100モル%の範囲であることが好ましい。
フェノール樹脂(A)の合成反応を行う際には、必要に応じて有機溶剤を使用することができる。使用できる有機溶剤の具体例としては、限定されるものではないが、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、トルエン、キシレン、γ―ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン等が挙げられる。これらの有機溶剤の使用量は、仕込み原料の総質量を100質量部としたときに、通常10質量部〜1000質量部であり、好ましくは20質量部〜500質量部である。また、フェノール樹脂(A)の合成反応において、反応温度は、40℃〜250℃であることが好ましく、100℃〜200℃の範囲であることがより好ましく、そして反応時間は、概ね1時間〜10時間であることが好ましい。
なお、フェノール樹脂(A)は、上記一般式(1)の構造の原料とはならないフェノール化合物を、本発明の効果を損なわない範囲で、例えばフェノール樹脂(A)の原料となるフェノール化合物全モル数の30%以下で、更に用いて重合させたものであってもよい。
本実施形態では、上記一般式(1)において、aが1の場合は、アルカリ溶解性を向上するために、ノボラック樹脂及びポリヒドロキシスチレン樹脂から成る群から選択されるフェノール樹脂(以下、フェノール樹脂(A’)ともいう)をフェノール樹脂(A)と混合することができる。
フェノール樹脂(A)とフェノール樹脂(A’)との混合比は、質量比で(A)/(A’)=10/90〜90/10の範囲であることが好ましい。この混合比は、アルカリ水溶液中での溶解性、及び硬化膜の伸度の観点から、(A)/(A’)=10/90〜90/10であることが好ましく、(A)/(A’)=20/80〜80/20であることがより好ましく、(A)/(A’)=30/70〜70/30であることがさらに好ましい。
上記ノボラック樹脂は、フェノール類とホルムアルデヒドとを酸性触媒の存在下で縮合させることにより得ることができる。上記フェノール類としては、例えば、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、o−エチルフェノール、m−エチルフェノール、p−エチルフェノール、o−ブチルフェノール、m−ブチルフェノール、p−ブチルフェノール、2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール、2,3,5−トリメチルフェノール、3,4,5−トリメチルフェノール、カテコール、レゾルシノール、ピロガロール、α−ナフトール、β−ナフトール等が挙げられる。具体的なノボラック樹脂としては、例えば、フェノール/ホルムアルデヒド縮合ノボラック樹脂、クレゾール/ホルムアルデヒド縮合ノボラック樹脂、フェノール−ナフトール/ホルムアルデヒド縮合ノボラック樹脂等が挙げられる。
上記ポリヒドロキシスチレン樹脂としてはポリパラビニルフェノールが好ましい。ポリパラビニルフェノールは、パラビニルフェノールを重合単位として含有するポリマーであれば特に限定されるものではない。ポリパラビニルフェノールを構成し得る、パラビニルフェノール以外の重合単位は、本発明の目的に反しない限りは、パラビニルフェノールと共重合可能な任意の化合物でよい。パラビニルフェノールと共重合可能な化合物は、例えば、メチルアクリレート、メチルメタアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ブチルメタアクリレート、オクチルアクリレート、2−エトキシエチルタアクリレート、t−ブチルアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、1,3−プロパンジオールジアクリレート、デカメチレングリコールジアクリレート、デカメチレングリコールジメタアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、2,2−ジメチロールプロパンジアクリレート、グリセロールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、グリセロールトリアクリレート、2,2−ジ(p−ヒドロキシフェニル)−プロパンジメタアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ポリオキシエチル−2−2−ジ(p−ヒドロキシフェニル)−プロパンジメタアクリレート、トリエチレングリコールジメタアクリレート、ポリオキシプロピルトリメチロールプロパントリアクリレート、エチレングリコールジメタアクリレート、ブチレングリコールジメタアクリレート、1,3−プロパンジオールジメタアクリレート、ブチレングリコールジメタアクリレート、1,3−プロパンジオールジメタアクリレート、1,2,4−ブタントリオールトリメタアクリレート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールジメタアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタアクリレート、1−フェニルエチレン−1,2−ジメタアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタアクリレート、トリメチロールプロパントリメタアクリレート、1,5−ペンタンジオールジメタアクリレート及び1,4−ベンゼンジオールジメタアクリレートのような、アクリル酸のエステル;スチレン、並びに、例えば、2−メチルスチレン及びビニルトルエンのような置換スチレン;ビニルアクリレート及びビニルメタアクリレートのようなビニルエステル;オルトビニルフェノール及びメタビニルフェノールのような、パラビニルフェノール以外のビニルフェノール;等のモノマーが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
フェノール樹脂(A’)(すなわち、ノボラック樹脂及びポリヒドロキシスチレン樹脂から成る群から選択されるフェノール樹脂)の重量平均分子量は、好ましくは700〜100,000であり、より好ましくは1,500〜80,000であり、更に好ましくは2,000〜50,000である。重量平均分子量は、硬化膜の伸度の観点から、700以上であることが好ましく、一方で、感光性樹脂組成物のアルカリ溶解性の観点から、100,000以下であることが好ましい。
尚、ノボラック樹脂及びポリヒドロキシスチレン樹脂から成る群から選択されるフェノール樹脂は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
[光酸発生剤(B)]
本実施形態では、感光性樹脂組成物は、紫外線、電子線、X線等に代表される活性光線(すなわち放射線)に感応して樹脂パターンを形成できる組成物である。感光性樹脂組成物は、ネガ型(すなわち未照射部が現像により溶出するもの)又はポジ型(すなわち照射部が現像により溶出するもの)のいずれであってもよい。
本実施形態では、感光性樹脂組成物がネガ型の感光性樹脂組成物として使用される場合、光酸発生剤(B)が放射線照射を受けて酸を発生し、発生した酸が上記フェノール樹脂(A)と架橋剤との架橋反応を引き起こすことで、放射線照射部が現像液に不溶となる。ネガ型に使用できる光酸発生剤(B)としては、例えば、以下の化合物が挙げられる:
(i)トリクロロメチル−s−トリアジン類
トリス(2,4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニル−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3−クロロフェニル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(2−クロロフェニル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシフェニル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3−メトキシフェニル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(2−メトキシフェニル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メチルチオフェニル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3−メチルチオフェニル)ビス(4,6−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(2−メチルチオフェニル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシナフチル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3−メトキシナフチル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(2−メトキシナフチル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3,4,5−トリメトキシ−β−スチリル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メチルチオ−β―スチリル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3−メチルチオ−β―スチリル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(2−メチルチオ−β−スチリル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン等;
(ii)ジアリールヨードニウム塩類
ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、ジフェニルヨードニウムテトラフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウムテトラフルオロアルセネート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロアセテート、ジフェニルヨードニウム−p−トルエンスルホナート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスホネート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムヘキサフルオロアルセネート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスホナート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムトリフルオロアセテート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウム−p−トルエンスルホナート、ビス(4−ter−ブチルフェニル)ヨードニウムテトラフルオロボレート、ビス(4−ter−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアルセネート、ビス(4−ter−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート、ビス(4−ter−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロアセテート、ビス(4−ter−ブチルフェニル)ヨードニウム−p−トルエンスルホナート等;
(iii)トリアリールスルホニウム塩類
トリフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスホネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、トリフェニルスルホニウムメタンスルホナート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロアセテート、トリフェニルスルホニウム−p−トルエンスルホナート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスホネート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムメタンスルホナート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロアセテート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウム−p−トルエンスルホナート、4−フェニルチオフェニルジフェニルテトラフルオロボレート、4−フェニルチオフェニルジフェニルヘキサフルオロホスホネート、4−フェニルチオフェニルジフェニルヘキサフルオロアルセネート、4−フェニルチオフェニルジフェニルトリフルオロメタンスルホナート、4−フェニルチオフェニルジフェニルトリフルオロアセテート、4−フェニルチオフェニルジフェニルーp−トルエンスルホナート等。
これらの化合物の内、トリクロロメチル−s−トリアジン類としては、2−(3−クロロフェニル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−クロロフェニル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メチルチオフェニル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−β−スチリル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシナフチル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン等が好ましい。
ジアリールヨードニウム塩類としては、ジフェニルヨードニウムトリフルオロアセテート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムトリフルオロアセテート等が好ましい。
トリアリールスルホニウム塩類としては、トリフェニルスルホニウムメタンスルホナート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロアセテート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムメタンスルホナート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロアセテート、4−フェニルチオフェニルジフェニルトリフルオロメタンスルホナート、4−フェニルチオフェニルジフェニルトリフルオロアセテート等が好ましい。
この他にも、光酸発生剤(B)として、以下に示す化合物を用いることもできる。
(1)ジアゾケトン化合物
ジアゾケトン化合物として、例えば、1,3−ジケト−2−ジアゾ化合物、ジアゾベンゾキノン化合物、ジアゾナフトキノン化合物等を挙げることができる。具体例としてはフェノール類の1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル化合物を挙げることができる。
(2)スルホン化合物
スルホン化合物として、例えば、β−ケトスルホン化合物、β−スルホニルスルホン化合物及びこれらの化合物のα−ジアゾ化合物を挙げることができる。具体例として、4−トリスフェナシルスルホン、メシチルフェナシルスルホン、ビス(フェナシルスルホニル)メタン等を挙げることができる。
(3)スルホン酸化合物
スルホン酸化合物として、例えば、アルキルスルホン酸エステル類、ハロアルキルスルホン酸エステル類、アリールスルホン酸エステル類、イミノスルホネート類等を挙げることができる。スルホン酸化合物の好ましい具体例としては、ベンゾイントシレート、ピロガロールトリストリフルオロメタンスルホネート、o−ニトロベンジルトリフルオロメタンスルホネート、o−ニトロベンジル−p−トルエンスルホネート等を挙げることができる。
(4)スルホンイミド化合物
スルホンイミド化合物として、例えば、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ナフチルイミド等を挙げることができる。
(5)オキシムエステル化合物
オキシムエステル化合物として、具体的には、2−[2−(4−メチルフェニルスルホニルオキシイミノ)]−2,3−ジヒドロチオフェン−3−イリデン]−2−(2−メチルフェニル)アセトニトリル(チバスペシャルティケミカルズ社商品名「イルガキュアPAG121」)、[2−(プロピルスルホニルオキシイミノ)−2,3−ジヒドロチオフェン−3−イリデン]−2−(2−メチルフェニル)アセトニトリル(チバスペシャルティケミカルズ社商品名「イルガキュアPAG103」)、[2−(n−オクタンスルホニルオキシイミノ)−2,3−ジヒドロチオフェン−3−イリデン]−2−(2−メチルフェニル)アセトニトリル(チバスペシャルティケミカルズ社商品名「イルガキュアPAG108」)、α−(n−オクタンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシベンジルシアニド(チバスペシャルティケミカルズ社商品名「CGI725」)等を挙げることができる。
(6)ジアゾメタン化合物
ジアゾメタン化合物として、具体的には、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(フェニルスルホニル)ジアゾメタン等を挙げることができる。
感度の観点から、とりわけ、上記(5)オキシムエステル化合物が好ましい。
本実施形態では、感光性樹脂組成物がネガ型である場合には、フェノール樹脂(A)100質量部に対する光酸発生剤(B)の配合量は、0.1〜50質量部であることが好ましく、1〜40質量部であることがより好ましい。該配合量が0.1質量部以上であれば感度の向上効果を良好に得ることができ、該配合量が50質量部以下であれば硬化膜の機械物性が良好である。
本実施形態では、感光性樹脂組成物はポジ型の感光性樹脂組成物として使用することも可能である。この場合、上記(i)〜(iii)、並びに(1)〜(6)で示される光酸発生剤及び/又はキノンジアジド化合物が用いられる。その中でも硬化後の物性の観点からキノンジアジド化合物が好ましい。これはキノンジアジド化合物が硬化時に熱分解し、硬化後の膜中に残存する量が極めて低いためである。したがって、ポジ型の光酸発生剤(B)は、キノンジアジド化合物であることが好ましい。
キノンジアジド化合物としては、1,2−ベンゾキノンジアジド構造又は1,2−ナフトキノンジアジド構造(後者の構造を有する化合物を、以下、「NQD化合物」ともいう。)を有する化合物が挙げられる。これらの化合物は、例えば、米国特許第2,772,972号明細書、米国特許第2,797,213号明細書、米国特許第3,669,658号明細書等に記述されている。該NQD化合物は、以下詳述する複数のフェノール性水酸基を有する化合物(以下「ポリヒドロキシ化合物」ともいう。)の1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、及び該ポリヒドロキシ化合物の1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステルから成る群から選ばれる少なくとも1種の化合物である。
NQD化合物は、常法に従って、ナフトキノンジアジドスルホン酸を、クロルスルホン酸又は塩化チオニル等でスルホニルクロライドに変え、得られたナフトキノンジアジドスルホニルクロライドと、ポリヒドロキシ化合物とを縮合反応させることにより得られる。例えば、ポリヒドロキシ化合物と、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロライド又は1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホニルクロライドの所定量とを、ジオキサン、アセトン、又はテトラヒドロフラン等の溶媒中、トリエチルアミン等の塩基性触媒の存在下で反応させてエステル化を行い、得られた生成物を水洗し、乾燥することにより得ることができる。
感度及び伸度等の硬化膜物性の観点から好ましいNQD化合物の例としては、下記一般式群:
Figure 2018117047
{式中、Qは、水素原子、又は下記式群:
Figure 2018117047
のいずれかで表されるナフトキノンジアジドスルホン酸エステル基であるが、全てのQが同時に水素原子であることはない。}
で表されるものが挙げられる。
また、NQD化合物として、同一分子中に4−ナフトキノンジアジドスルホニル基及び5−ナフトキノンジアジドスルホニル基を有するナフトキノンジアジドスルホニルエステル化合物を用いることもできるし、4−ナフトキノンジアジドスルホニルエステル化合物と5−ナフトキノンジアジドスルホニルエステル化合物とを混合して使用することもできる。
上記NQD化合物は、単独で使用しても2種類以上混合して使用してもよい。
本実施形態では、感光性樹脂組成物がポジ型である場合の光酸発生剤(B)の使用量は、本組成物のフェノール樹脂(A)100質量部に対して、好ましくは0.1〜70質量部、より好ましくは1〜40質量部、さらに好ましくは5〜30質量部である。この使用量が0.1質量部以上であれば良好な感度が得られ、70質量部以下であれば硬化膜の機械物性が良好である。
[溶剤(C)]
溶剤(C)としては、アミド類、スルホキシド類、ウレア類、ケトン類、エステル類、ラクトン類、エーテル類、ハロゲン化炭化水素類、炭化水素類等が挙げられ、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラメチル尿素、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、シュウ酸ジエチル、乳酸エチル、乳酸メチル、乳酸ブチル、γ−ブチロラクトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ベンジルアルコール、フェニルグリコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、tert−ブチルアルコール、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、モルフォリン、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,4−ジクロロブタン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、アニソール、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等を使用することができる。中でも、樹脂の溶解性、樹脂組成物の安定性、基板への接着性、熱溶融性、保存安定性、及びブロッキング性の観点から、γ−ブチロラクトン、アセトン、メチルエチルケトン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、プロピレングリコールモノメチルエーテル、tert−ブチルアルコール及びテトラヒドロフルフリルアルコールが好ましく、この中でも、γ−ブチロラクトン、アセトン、メチルエチルケトン、N−メチル−2−ピロリドン、及びジメチルスルホキシドが特に好ましい。
[シリコーン型界面活性剤(D)]
シリコーン型界面活性剤とは、シロキサン結合及びケイ素−炭素結合を分子内に有している界面活性剤である。例えばジメチルシロキサンエチレンオキシグラフト化合物、ジメチルシロキサンプロピレンオキシグラフト化合物、(ヒドロキシエチレンオキシプロピル)メチルシロキサン−ジメチルシロキサン化合物等が挙げられる。
シリコーン型界面活性剤の具体例としては、オルガノシロキサンポリマーKF−640、642、643、KP341、X−70−092、X−70−093(以上、商品名、信越化学工業社製)、SH−28PA、SH−190、SH−193、SZ−6032、SF−8428、DC−57、DC−190(以上、商品名、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)、SILWET L−77,L−7001,FZ−2105,FZ−2120,FZ−2154,FZ−2164,FZ−2166,L−7604(以上、商品名、日本ユニカー社製)、DBE−814、DBE−224、DBE−621、CMS−626、CMS−222、KF−352A、KF−354L、KF−355A、KF−6020、DBE−821、DBE−712(Gelest)、BYK−307、BYK−310、BYK−378、BYK−333(以上、商品名、ビックケミー・ジャパン製)、グラノール(商品名、共栄社化学社製)等が挙げられる。これらの中でも、組成物ワニスの塗布性の観点から、ジメチルシロキサンエチレンオキシグラフト化合物、及びジメチルシロキサンプロピレンオキシグラフト化合物が好ましい。これらのシリコーン型界面活性剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
シリコーン型界面活性剤(D)の使用量は、組成物ワニスの支持体への塗布性の観点から、フェノール樹脂(A)100質量部に対して、0.01〜30質量部であることが好ましく、0.02〜10質量部であることがより好ましい。シリコーン型界面活性剤(D)の使用量が30質量部以下であれば、現像時の残渣及びパターン浮き上がりを抑制することができる。
[その他の成分]
本実施形態に係る感光性樹脂組成物には、必要に応じて、架橋剤(E)、熱酸発生剤、シランカップリング剤、染料、溶解促進剤等を含有させることが可能である。
架橋剤(E)は、本実施形態に係る感光性樹脂組成物を用いて形成されたレリーフパターンを加熱硬化する際に、フェノール樹脂(A)と架橋し得るか、又は架橋剤自身が架橋ネットワークを形成するような化合物である。架橋剤(E)は、熱架橋可能な化合物であれば限定されない。一般に、架橋剤は、分子内に架橋基を2個以上有し、かつ感光性樹脂組成物から形成された硬化膜の熱特性、機械特性、及び耐薬品性をさらに向上させることができる。
架橋剤(E)としては、例えば、メチロール基及び/又はアルコキシメチル基を含有する化合物である、サイメル(登録商標)300、301、303、370、325、327、701、266、267、238、1141、272、202、1156、1158、1123、1170、1174、UFR65、300、マイコート102、105(以上、三井サイテック社製)、ニカラック(登録商標)MX−270、−280、−290、ニカラックMS―11、ニカラックMW―30、−100、−300、−390、−750(以上、三和ケミカル社製)、DML−OCHP、DML−MBPC、DML−BPC、DML−PEP、DML−34X、DML−PSBP、DML−PTBP、DMLPCHP、DML−POP、DML−PFP、DML−MBOC、BisCMP−F、DML−BisOC−Z、DML−BisOCHP−Z、DML−BisOC−P、DMOM−PTBT、TMOM−BP、TMOM−BPA、TML−BPAF−MF(以上、本州化学工業社製)、ベンゼンジメタノール、ビス(ヒドロキシメチル)クレゾール、ビス(ヒドロキシメチル)ジメトキシベンゼン、ビス(ヒドロキシメチル)ジフェニルエーテル、ビス(ヒドロキシメチル)ベンゾフェノン、ヒドロキシメチル安息香酸ヒドロキシメチルフェニル、ビス(ヒドロキシメチル)ビフェニル、ジメチルビス(ヒドロキシメチル)ビフェニル、ビス(メトキシメチル)ベンゼン、ビス(メトキシメチル)クレゾール、ビス(メトキシメチル)ジメトキシベンゼン、ビス(メトキシメチル)ジフェニルエーテル、ビス(メトキシメチル)ベンゾフェノン、メトキシメチル安息香酸メトキシメチルフェニル、ビス(メトキシメチル)ビフェニル、ジメチルビス(メトキシメチル)ビフェニル等が挙げられる。
また、架橋剤(E)としては、オキシラン化合物であるフェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、トリスフェノール型エポキシ樹脂、テトラフェノール型エポキシ樹脂、フェノール−キシリレン型エポキシ樹脂、ナフトール−キシリレン型エポキシ樹脂、フェノール−ナフトール型エポキシ樹脂、フェノール−ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグルシジルエーテル、1,1,2,2−テトラ(p−ヒドロキシフェニル)エタンテトラグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル、オルソセカンダリーブチルフェニルグリシジルエーテル、1,6−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)ナフタレン、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールグリシジルエーテル、YDB−340、YDB−412、YDF−2001、YDF−2004(以上、商品名、新日鐵化学(株)製)、NC−3000−H、EPPN−501H、EOCN−1020、NC−7000L、EPPN−201L、XD−1000、EOCN−4600(以上、商品名、日本化薬(株)製)、エピコート(登録商標)1001、エピコート1007、エピコート1009、エピコート5050、エピコート5051、エピコート1031S、エピコート180S65、エピコート157H70、YX−315−75(以上、商品名、ジャパンエポキシレジン(株)製)、EHPE3150、プラクセルG402、PUE101、PUE105(以上、商品名、ダイセル化学工業(株)製)、エピクロン(登録商標)830、850、1050、N−680、N−690、N−695、N−770、HP−7200、HP−820、EXA−4850−1000(以上、商品名、DIC社製)、デナコール(登録商標)EX−201、EX−251、EX−203、EX−313、EX−314、EX−321、EX−411、EX−511、EX−512、EX−612、EX−614、EX−614B、EX−711、EX−731、EX−810、EX−911、EM−150(以上、商品名、ナガセケムテックス社製)、エポライト(登録商標)70P、エポライト100MF(以上、商品名、共栄社化学製)等が挙げられる。
また、架橋剤(E)としては、イソシアネート基含有化合物である、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアナート、1,3−フェニレンビスメチレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン―4,4’−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、タケネート(登録商標)500、600、コスモネート(登録商標)NBDI、ND(以上、商品名、三井化学社製)デュラネート(登録商標)17B−60PX、TPA−B80E、MF−B60X、MF−K60X、E402−B80T(以上、商品名、旭化成ケミカルズ社製)等が挙げられる。
また、架橋剤(E)としては、ビスマレイミド化合物である、4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド、フェニルメタンマレイミド、m−フェニレンビスマレイミド、ビスフェノールAジフェニルエーテルビスマレイミド、3,3’−ジメチル−5,5’−ジエチル−4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド、4−メチル−1,3−フェニレンビスマレイミド、1,6’−ビスマレイミド−(2,2,4−トリメチル)ヘキサン、4,4’−ジフェニルエーテルビスマレイミド、4,4’−ジフェニルスルホンビスマレイミド、1,3−ビス(3−マレイミドフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−マレイミドフェノキシ)ベンゼン、BMI−1000、BMI−1100、BMI−2000、BMI−2300、BMI−3000、BMI−4000、BMI−5100、BMI−7000、BMI−TMH、BMI−6000、BMI−8000(以上、商品名、大和化成工業(株)製)等が挙げられる。
架橋剤(E)を使用する場合の配合量としては、フェノール樹脂(A)100質量部に対して、0.1〜40質量部が好ましく、1〜30質量部がより好ましい。該配合量が0.1質量部以上であれば熱硬化膜の熱物性及び機械強度が良好であり、40質量部以下であれば組成物のワニス状態での安定性及び熱硬化膜の伸度が良好である。
熱酸発生剤は、硬化温度を下げた場合でも、良好な硬化物の熱物性及び機械的物性を発現させるという観点から、樹脂組成物に配合することが好ましい。
熱酸発生剤としては、熱により酸が発生する化合物であれば限定されないが、例えば、クロロ酢酸アリル、クロロ酢酸n−ブチル、クロロ酢酸t−ブチル、クロロ酢酸エチル、クロロ酢酸メチル、クロロ酢酸ベンジル、クロロ酢酸イソプロピル、クロロ酢酸2−メトキシエチル、ジクロロ酢酸メチル、トリクロロ酢酸メチル、トリクロロ酢酸エチル、トリクロロ酢酸2−エトキシエチル、シアノ酢酸t−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、トリフルオロ酢酸エチル、トリフルオロ酢酸メチル、トリフルオロ酢酸フェニル、トリフルオロ酢酸ビニル、トリフルオロ酢酸イソプロピル、トリフルオロ酢酸アリル、安息香酸エチル、安息香酸メチル、安息香酸t−ブチル、2−クロロ安息香酸メチル、2−クロロ安息香酸エチル、4−クロロ安息香酸エチル、2,5−ジクロロ安息香酸エチル、2,4−ジクロロ安息香酸メチル、p−フルオロ安息香酸エチル、p−フルオロ安息香酸メチル、ペンタクロロフェニルカルボン酸t−ブチル、ペンタフルオロプロピオン酸メチル、ペンタフルオロプロピオン酸エチル、クロトン酸t−ブチル等のカルボン酸エステル類;フェノールフタレイン、チモールフタレイン等の環状カルボン酸エステル類;メタンスルホン酸エチル、メタンスルホン酸メチル、メタンスルホン酸2−メトキシエチル、メタンスルホン酸2−イソプロポキシエチル、p−トルエンスルホン酸フェニル、p−トルエンスルホン酸エチル、p−トルエンスルホン酸メチル、p−トルエンスルホン酸2−フェニルエチル、p−トルエンスルホン酸n−プロピル、p−トルエンスルホン酸n−ブチル、p−トルエンスルホン酸t−ブチル、p−トルエンスルホン酸n−ヘキシル、p−トルエンスルホン酸n−ヘプチル、p−トルエンスルホン酸n−オクチル、p−トルエンスルホン酸2−メトキシエチル、p−トルエンスルホン酸プロパルギル、p−トルエンスルホン酸3−ブチニル、トリフルオロメタンスルホン酸エチル、トリフルオロメタンスルホン酸n−ブチル、パーフルオロブタンスルホン酸エチル、パーフルオロブタンスルホン酸メチル、ベンジル(4−ヒドロキシフェニル)メチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ベンジル(4−ヒドロキシフェニル)メチルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、トリメチルスルホニウムメチルスルファート、トリ−p−スルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリメチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、ピリジニウム−p−トルエンスルホナート、パーフルオロオクタンスルホン酸エチル等のスルホン酸エステル類;1,4−ブタンスルトン、2,4−ブタンスルトン、1,3−プロパンスルトン、フェノールレッド、ブロモクレゾールグリーン、ブロモクレゾールパープル等の環状スルホン酸エステル類;2−スルホ安息香酸無水物、p−トルエンスルホン酸無水物、フタル酸無水物等の芳香族カルボン酸無水物、等が挙げられる。
熱酸発生剤を使用する場合の配合量としては、(A)フェノール樹脂100質量部に対し、0.1〜30質量部が好ましく、0.5〜10質量部がより好ましく、1〜5質量部がさらに好ましい。配合量が0.1質量部以上であれば熱硬化後のパターン形状を保持する効果が良好であり、一方、配合量が30質量部以下であればリソグラフィー性能に悪影響がなく、かつ組成物の安定性が良好である。
シランカップリング剤としては、例えば、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製:商品名KBM803、チッソ株式会社製:商品名サイラエースS810)、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン(アヅマックス株式会社製:商品名 SIM6475.0)、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン(信越化学工業株式会社製:商品名LS1375、アヅマックス株式会社製:商品名SIM6474.0)、メルカプトメチルトリメトキシシラン(アズマックス株式会社製:商品名SIM6473.5C)、メルカプトメチルメチルジメトキシシラン(アヅマックス株式会社製:商品名SIM6473.0)、3−メルカプトプロピルジエトキシメトキシシラン、3−メルカプトプロピルエトキシジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリプロポキシシラン、3−メルカプトプロピルジエトキシプロポキシシラン、3−メルカプトプロピルエトキシジプロポキシシラン、3−メルカプトプロピルジメトキシプロポキシシラン、3−メルカプトプロピルメトキシジプロポキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルジエトキシメトキシシラン、2−メルカプトエチルエトキシジメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリプロポキシシラン、2−メルカプトエチルトリプロポキシシラン、2−メルカプトエチルエトキシジプロポキシシラン、2−メルカプトエチルジメトキシプロポキシシラン、2−メルカプトエチルメトキシジプロポキシシラン、4−メルカプトブチルトリメトキシシラン、4−メルカプトブチルトリエトキシシラン、4−メルカプトブチルトリプロポキシシラン、N−(3−トリエトキシシリルプロピル)ウレア(信越化学工業株式会社製:商品名LS3610、アヅマックス株式会社製:商品名SIU9055.0)、N−(3−トリメトキシシリルプロピル)ウレア(アヅマックス株式会社製:商品名SIU9058.0)、N−(3−ジエトキシメトキシシリルプロピル)ウレア、N−(3−エトキシジメトキシシリルプロピル)ウレア、N−(3−トリプロポキシシリルプロピル)ウレア、N−(3−ジエトキシプロポキシシリルプロピル)ウレア、N−(3−エトキシジプロポキシシリルプロピル)ウレア、N−(3−ジメトキシプロポキシシリルプロピル)ウレア、N−(3−メトキシジプロポキシシリルプロピル)ウレア、N−(3−トリメトキシシリルエチル)ウレア、N−(3−エトキシジメトキシシリルエチル)ウレア、N−(3−トリプロポキシシリルエチル)ウレア、N−(3−トリプロポキシシリルエチル)ウレア、N−(3−エトキシジプロポキシシリルエチル)ウレア、N−(3−ジメトキシプロポキシシリルエチル)ウレア、N−(3−メトキシジプロポキシシリルエチル)ウレア、N−(3−トリメトキシシリルブチル)ウレア、N−(3−トリエトキシシリルブチル)ウレア、N−(3−トリプロポキシシリルブチル)ウレア、3−(m−アミノフェノキシ)プロピルトリメトキシシラン(アヅマックス株式会社製:商品名SLA0598.0)、m−アミノフェニルトリメトキシシラン(アヅマックス株式会社製:商品名SLA0599.0)、p−アミノフェニルトリメトキシシラン(アヅマックス株式会社製:商品名SLA0599.1)アミノフェニルトリメトキシシラン(アヅマックス株式会社製:商品名SLA0599.2)、2−(トリメトキシシリルエチル)ピリジン(アヅマックス株式会社製:商品名SIT8396.0)、2−(トリエトキシシリルエチル)ピリジン、2−(ジメトキシシリルメチルエチル)ピリジン、2−(ジエトキシシリルメチルエチル)ピリジン、(3−トリエトキシシリルプロピル)−t−ブチルカルバメート、(3−グリシドキシプロピル)トリエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−i−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−i−ブトキシシラン、テトラ−t−ブトキシシラン、テトラキス(メトキシエトキシシラン)、テトラキス(メトキシ−n−プロポキシシラン)、テトラキス(エトキシエトキシシラン)、テトラキス(メトキシエトキシエトキシシラン)、ビス(トリメトキシシリル)エタン、ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン、ビス(トリエトキシシリル)メタン、ビス(トリエトキシシリル)エタン、ビス(トリエトキシシリル)エチレン、ビス(トリエトキシシリル)オクタン、ビス(トリエトキシシリル)オクタジエン、ビス[3−(トリエトキシシリル)プロピル]ジスルフィド、ビス[3−(トリエトキシシリル)プロピル]テトラスルフィド、ジ−t−ブトキシジアセトキシシラン、ジ−i−ブトキシアルミノキシトリエトキシシラン、ビス(ペンタジオネート)チタン−O,O’−ビス(オキシエチル)−アミノプロピルトリエトキシシラン、フェニルシラントリオール、メチルフェニルシランジオール、エチルフェニルシランジオール、n−プロピルフェニルシランジオール、イソプロピルフェニルシランジオール、n−ブチルシフェニルシランジオール、イソブチルフェニルシランジオール、tert−ブチルフェニルシランジオール、ジフェニルシランジオール、ジメトキシジフェニルシラン、ジエトキシジフェニルシラン、ジメトキシジ−p−トリルシラン、エチルメチルフェニルシラノール、n−プロピルメチルフェニルシラノール、イソプロピルメチルフェニルシラノール、n−ブチルメチルフェニルシラノール、イソブチルメチルフェニルシラノール、tert−ブチルメチルフェニルシラノール、エチルn−プロピルフェニルシラノール、エチルイソプロピルフェニルシラノール、n−ブチルエチルフェニルシラノール、イソブチルエチルフェニルシラノール、tert−ブチルエチルフェニルシラノール、メチルジフェニルシラノール、エチルジフェニルシラノール、n−プロピルジフェニルシラノール、イソプロピルジフェニルシラノール、n−ブチルジフェニルシラノール、イソブチルジフェニルシラノール、tert−ブチルジフェニルシラノール、トリフェニルシラノール等が挙げられる。これらは単独でも複数組み合わせて用いてもよい。
シランカップリング剤としては、前記したシランカップリング剤の中でも、保存安定性の観点から、フェニルシラントリオール、トリメトキシフェニルシラン、トリメトキシ(p−トリル)シラン、ジフェニルシランジオール、ジメトキシジフェニルシラン、ジエトキシジフェニルシラン、ジメトキシジ−p−トリルシラン、トリフェニルシラノール、及び下記式:
Figure 2018117047

表される化合物が好ましい。
シランカップリング剤を使用する場合の配合量としては、フェノール樹脂(A)100質量部に対して、0.01〜20質量部が好ましい。
染料としては、例えば、メチルバイオレット、クリスタルバイオレット、マラカイトグリーン等が挙げられる。染料の配合量としては、フェノール樹脂(A)100質量部に対して、0.1〜30質量部が好ましい。
溶解促進剤としては、水酸基又はカルボキシル基を有する化合物が好ましい。水酸基を有する化合物の例としては、前述のナフトキノンジアジド化合物に使用しているバラスト剤、並びにパラクミルフェノール、ビスフェノール類、レゾルシノール類、及びMtrisPC、MtetraPC等の直鎖状フェノール化合物、TrisP−HAP、TrisP−PHBA、TrisP−PA等の非直鎖状フェノール化合物(全て本州化学工業社製)、ジフェニルメタンの2〜5個のフェノール置換体、3,3−ジフェニルプロパンの1〜5個のフェノール置換体、2,2−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンと5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物とをモル比1対2で反応させて得られる化合物、ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホンと1,2−シクロヘキシルジカルボン酸無水物とをモル比1対2で反応させて得られる化合物、N−ヒドロキシコハク酸イミド、N−ヒドロキシフタル酸イミド、N−ヒドロキシ5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸イミド等が挙げられる。カルボキシル基を有する化合物の例としては、3−フェニル乳酸、4−ヒドロキシフェニル乳酸、4−ヒドロキシマンデル酸、3,4−ジヒドロキシマンデル酸、4−ヒドロキシ−3−メトキシマンデル酸、2−メトキシ−2−(1−ナフチル)プロピオン酸、マンデル酸、アトロラクチン酸、α−メトキシフェニル酢酸、O−アセチルマンデル酸、イタコン酸等を挙げることができる。
溶解促進剤を使用する場合の配合量としては、(A)フェノール樹脂100質量部に対して、0.1〜30質量部が好ましい。
[ポリイミド前駆体及び/又はアルカリ可溶性ポリイミドを含む感光性樹脂組成物]
(A)ポリイミド前駆体
ポリイミド前駆体組成物に用いる感光性樹脂としては、ポリアミド、ポリアミド酸エステル等を挙げることができる。例えば、ポリアミド酸エステルとしては、下記一般式(11):
Figure 2018117047

{式(11)中、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜30の飽和脂肪族基、芳香族基、炭素−炭素不飽和二重結合を有する一価の有機基、又は、炭素−炭素不飽和二重結合を有する一価のイオンであり、Xは4価の有機基であり、Yは2価の有機基であり、mは1以上の整数であり、そしてmは2以上が好ましく、5以上がより好ましい。}
で表される繰り返し単位を含むポリアミド酸エステルを用いることができる。
上記一般式(11)の、R及びRが一価の陽イオンとして存在するとき、Oは、負の電荷を帯びる(すなわち、−Oとして存在する)。また、XとYは、水酸基を含んでいてもよい。
一般式(11)中のR及びRは、より好ましくは、下記一般式(12):
Figure 2018117047
{一般式(12)中、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜5の有機基であり、そしてmは、1〜20の整数である。}
で表される1価の有機基、又は下記一般式(13):
Figure 2018117047
{一般式(13)中、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜5の有機基であり、そしてmは、1〜20の整数である。}
で表される1価の有機基の末端にアンモニウムイオンを有する構造である。
一般式(11)で表されるポリアミド酸エステルを複数混合してもよい。また、一般式(11)で表されるポリアミド酸エステル同士を共重合させたポリアミド酸エステルを用いてもよい。
式(11)中のXは、熱溶融性の観点からは芳香族基を含む4価の有機基であることが好ましい。具体的には、Xは、下記一般式(2)〜(4):
Figure 2018117047
Figure 2018117047
Figure 2018117047
{式(4)中、Rは酸素原子、硫黄原子、2価の有機基のいずれかである。}
で表される少なくとも1つの構造を含む4価の有機基であることが好ましい。
一般式(4)中のRは、例えば、炭素数1〜40の2価の有機基又はハロゲン原子である。Rは、水酸基を含んでもよい。
熱溶融性の観点から、Xは、下記一般式(5):
Figure 2018117047

で表される構造を含む4価の有機基が特に好ましい。
式(11)中のYは、層間絶縁膜と封止材との密着性の観点から、芳香族基を含む2価の有機基であることが好ましい。具体的には、Yは、下記一般式(6)〜(8):
Figure 2018117047
{式(6)中、R10、R11、R12及びR13は、水素原子、炭素数が1〜5の1価の脂肪族基であり、同一であっても異なっていてもよい。}
Figure 2018117047
{式(7)中、R14〜R21は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数が1〜5の1価の有機基であり、互いに異なっていても、同一であってもよい。}
Figure 2018117047
{式(8)中、R22は2価の基であり、R23〜R30は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数が1〜5の1価の脂肪族基であり、同一であっても異なっていてもよい。)
で表される少なくとも1つの構造を含む2価の有機基であることが好ましい。
一般式(8)中のR22は、例えば、炭素数1〜40の2価の有機基やハロゲン原子である。
熱溶融性の観点から、Yとしては、下記一般式(9):
Figure 2018117047

で表される構造を含む2価の有機基が特に好ましい。
上記ポリアミド酸エステルにおいて、その繰り返し単位中のXは、原料として用いるテトラカルボン酸二無水物に由来し、Yは原料として用いるジアミンに由来する。
原料として用いるテトラカルボン酸二無水物としては、限定されるものではないが、例えば、無水ピロメリット酸、ジフェニルエーテル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、ベンゾフェノン−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、ビフェニル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、ジフェニルスルホン−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、ジフェニルメタン−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−無水フタル酸)プロパン、2,2−ビス(3,4−無水フタル酸)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン等を挙げることができる。また、これらは単独でも、2種以上を混合して用いてもよい。
原料として用いるジアミンとしては、例えば、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノビフェニル、3,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、4,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、1,4−ビス(4−アミノフェニル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェニル)ベンゼン、9,10−ビス(4−アミノフェニル)アントラセン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,4−ビス(3−アミノプロピルジメチルシリル)ベンゼン、オルト−トリジンスルホン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン等が挙げられる。これらのベンゼン環上の水素原子の一部が置換されたものであってもよい。また、これらは単独でも、2種以上を混合して用いてもよい。
ポリアミド酸エステル(A)の合成においては、通常、後述するテトラカルボン酸二無水物のエステル化反応を行って得られたテトラカルボン酸ジエステルを、そのままジアミンとの縮合反応に供する方法が好ましく使用できる。
上記のテトラカルボン酸二無水物のエステル化反応に用いるアルコール類は、オレフィン性二重結合を有するアルコールであり、具体的には、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−メタクリロイルオキシエチルアルコール、グリセリンジアクリレート、グリセリンジメタクリレートなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらのアルコール類は、単独又は2種以上を混合して用いることができる。
本実施形態に用いるポリアミド酸エステル(A)の具体的な合成方法に関しては、従来公知の方法を採用することができる。合成方法については、例えば、国際公開第00/43439号パンフレットに示されている方法を挙げることができる。すなわち、テトラカルボン酸ジエステルを、一度テトラカルボン酸ジエステルジ酸塩化物に変換し、該テトラカルボン酸ジエステルジ酸塩化物とジアミンを塩基性化合物の存在下で縮合反応に供し、ポリアミド酸エステル(A)を製造する。また、合成方法としては、テトラカルボン酸ジエステルとジアミンとを有機脱水剤の存在下で縮合反応に供する方法によってポリアミド酸エステル(A)を製造する方法を挙げることができる。
有機脱水剤の例としては、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、ジエチルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、エチルシクロヘキシルカルボジイミド、ジフェニルカルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド、1−シクロヘキシル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩等が挙げられる。
本実施形態に用いるポリアミド酸エステル(A)の重量平均分子量は、6,000〜150,000であることが好ましく、7,000〜50,000であることがより好ましく、7,000〜20,000であることがより好ましい。
(B1)光開始剤
ネガ型の感光性樹脂の場合、樹脂組成物に光開始剤を添加する。光開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルケトン、ジベンジルケトン、及びフルオレノン等のベンゾフェノン誘導体;2,2’−ジエトキシアセトフェノン、及び2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン等のアセトフェノン誘導体;1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、及びジエチルチオキサントン等のチオキサントン誘導体;ベンジル、ベンジルジメチルケタール、ベンジル−β−メトキシエチルアセタール等のベンジル誘導体;ベンゾインメチルエーテル等のベンゾイン誘導体;2,6−ジ(4’−ジアジドベンザル)−4−メチルシクロヘキサノン、及び2,6’−ジ(4’−ジアジドベンザル)シクロヘキサノン等のアジド類;1−フェニル−1,2−ブタンジオン−2−(O−メトキシカルボニル)オキシム、1−フェニルプロパンジオン−2−(O−メトキシカルボニル)オキシム、1−フェニルプロパンジオン−2−(O−エトキシカルボニル)オキシム、1−フェニルプロパンジオン−2−(O−ベンゾイル)オキシム、1,3−ジフェニルプロパントリオン−2−(O−エトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−3−エトキシプロパントリオン−2−(O−ベンゾイル)オキシム等のオキシム類;N−フェニルグリシン等のN−アリールグリシン類;ベンゾイルパーオキシド等の過酸化物類;芳香族ビイミダゾール類;並びにチタノセン類などが用いられる。これらのうち、光感度の点で上記オキシム類が好ましい。
光開始剤の添加量は、ポリアミド酸エステル(A)100質量部に対し、1〜40質量部が好ましく、2〜20質量部がより好ましい。光開始剤をポリアミド酸エステル(A)100質量部に対し1質量部以上添加することで、光感度に優れる。また、光開始剤を40質量部以下添加することで厚膜硬化性に優れる。
(B2)光酸発生剤
ポジ型の感光性樹脂の場合、樹脂組成物に光酸発生剤を添加する。樹脂組成物が光酸発生剤を含有することにより、紫外線露光部に酸が発生し、露光部のアルカリ水溶液に対する溶解性が増大する。これにより、樹脂をポジ型感光性樹脂組成物として用いることができる。
光酸発生剤としては、例えば、キノンジアジド化合物、スルホニウム塩、ホスホニウム塩、ジアゾニウム塩、ヨードニウム塩等が挙げられる。この中でも、優れた溶解抑止効果を発現し、高感度のポジ型感光性樹脂組成物を得られるという観点から、キノンジアジド化合物が好ましく用いられる。また、光酸発生剤を2種以上含有してもよい。
(C)溶剤
(C)溶剤は、上記項目[フェノール樹脂を含む感光性樹脂組成物]で説明された溶剤と同じである。好ましい溶媒の種類及び量についても、上記項目[フェノール樹脂を含む感光性樹脂組成物]で説明された種類及び量と同じである。
<ポリイミド>
上記ポリイミド前駆体組成物から形成される硬化レリーフパターンの構造は、下記一般式(1):
Figure 2018117047

{式(1)中、X、Y、及びmは、上記一般式(11)中で定義されたX、Y、及びmと同じでよく、例えば、Xは4価の有機基であり、Yは2価の有機基であり、mは1以上の整数である。}
で表される。
一般式(11)中の好ましいX、Y、及びmは、一般式(11)について説明された理由と同じ理由により、一般式(1)で表されるポリイミドにおいても好ましい。
アルカリ可溶性ポリイミドの場合は、ポリイミドの末端を水酸基に置換してもよい。
[ポリベンズオキサゾール前駆体を含む感光性樹脂組成物]
(A)ポリベンズオキサゾール前駆体
ポリベンズオキサゾール前駆体組成物に用いる感光性樹脂としては、下記一般式(14):
Figure 2018117047
{式(14)中、UとVは、それぞれ独立に、2価の有機基である。}
で表される繰り返し単位を含むポリ(o−ヒドロキシアミド)を用いることができる。
熱溶融性の観点から、式(14)中のUは、炭素数1〜30の2価の有機基であることが好ましく、炭素数1〜15の鎖状アルキレン基(但し、鎖状アルキレンの水素原子はハロゲン原子で置換されていてもよい)がより好ましく、炭素数1〜8で且つ水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換された鎖状アルキレン基が特に好ましい。
また、熱溶融性の観点から、式(14)中のVは、芳香族基を含む2価の有機基であることが好ましく、より好ましくは下記一般式(6)〜(8):
Figure 2018117047
{式(6)中、R10、R11、R12及びR13は、水素原子、炭素数が1〜5の1価の脂肪族基であり、同一であっても異なっていてもよい。}
Figure 2018117047
{式(7)中、R14〜R21は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数が1〜5の1価の有機基であり、互いに異なっていても、同一であってもよい。}
Figure 2018117047
{式(8)中、R22は2価の基であり、R23〜R30は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数が1〜5の1価の脂肪族基であり、同一であっても異なっていてもよい。}
で表される少なくとも1つの構造を含む2価の有機基である。
一般式(8)中のR22は、例えば、炭素数1〜40の2価の有機基又はハロゲン原子である。
熱溶融性の観点から、Vは、下記一般式(9):
Figure 2018117047

で表される構造を含む2価の有機基が特に好ましい。
熱溶融性の観点から、Vとしては、炭素数1〜40の2価の有機基が好ましく、炭素数1〜40の2価の鎖状脂肪族基がより好ましく、炭素数1〜20の2価の鎖状脂肪族基が特に好ましい。
ポリベンズオキサゾール前駆体は、一般的にジカルボン酸誘導体とヒドロキシ基含有ジアミン類とから合成できる。具体的には、ジカルボン酸誘導体をジハライド誘導体に変換した後、ジアミン類との反応を行うことによりポリベンズオキサゾール前駆体を合成できる。ジハライド誘導体としては、ジクロリド誘導体が好ましい。
ジクロリド誘導体は、ジカルボン酸誘導体にハロゲン化剤を作用させて合成することができる。ハロゲン化剤としては、通常のカルボン酸の酸クロリド化反応に使用される、塩化チオニル、塩化ホスホリル、オキシ塩化リン、五塩化リン等が使用できる。
ジクロリド誘導体を合成する方法としては、ジカルボン酸誘導体と上記ハロゲン化剤を溶媒中で反応させる方法、過剰のハロゲン化剤中で反応を行った後、過剰分を留去する方法等がある。
ジカルボン酸誘導体に使用するジカルボン酸としては、例えば、イソフタル酸、テレフタル酸、2,2−ビス(4−カルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ジカルボキシビフェニル、4,4’−ジカルボキシジフェニルエーテル、4,4’−ジカルボキシテトラフェニルシラン、ビス(4−カルボキシフェニル)スルホン、2,2−ビス(p−カルボキシフェニル)プロパン、5−tert−ブチルイソフタル酸、5−ブロモイソフタル酸、5−フルオロイソフタル酸、5−クロロイソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、マロン酸、ジメチルマロン酸、エチルマロン酸、イソプロピルマロン酸、ジ−n−ブチルマロン酸、スクシン酸、テトラフルオロスクシン酸、メチルスクシン酸、2,2−ジメチルスクシン酸、2,3−ジメチルスクシン酸、ジメチルメチルスクシン酸、グルタル酸、ヘキサフルオログルタル酸、2−メチルグルタル酸、3−メチルグルタル酸、2,2−ジメチルグルタル酸、3,3−ジメチルグルタル酸、3−エチル−3−メチルグルタル酸、アジピン酸、オクタフルオロアジピン酸、3−メチルアジピン酸、オクタフルオロアジピン酸、ピメリン酸、2,2,6,6−テトラメチルピメリン酸、スベリン酸、ドデカフルオロスベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ヘキサデカフルオロセバシン酸、1,9−ノナン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、ヘキサデカン二酸、ヘプタデカン二酸、オクタデカン二酸、ノナデカン二酸、エイコサン二酸、ヘンエイコサン二酸、ドコサン二酸、トリコサン二酸、テトラコサン二酸、ペンタコサン二酸、ヘキサコサン二酸、ヘプタコサン二酸、オクタコサン二酸、ノナコサン二酸、トリアコンタン二酸、ヘントリアコンタン二酸、ドトリアコンタン二酸、ジグリコール酸等が挙げられる。これらを混合して使用してもよい。
ヒドロキシ基含有ジアミンとしては、例えば、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシビフェニル、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)スルホン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン等が挙げられる。これらを混合して使用してもよい。
(B2)光酸発生剤
光酸発生剤は、光照射部のアルカリ水溶液可溶性を増大させる機能を有するものである。光酸発生剤としては、例えば、ジアゾナフトキノン化合物、アリールジアゾニウム塩、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩等が挙げられる。このうち、ジアゾナフトキノン化合物は、感度が高く好ましい。
(C)溶剤
(C)溶剤は、上記項目[フェノール樹脂を含む感光性樹脂組成物]で説明された溶剤と同じである。好ましい溶媒の種類及び量についても、上記項目[フェノール樹脂を含む感光性樹脂組成物]で説明された種類及び量と同じである。
<ポリベンズオキサゾール>
上記ポリベンズオキサゾール前駆体組成物から形成される硬化レリーフパターンの構造は、下記一般式(10):
Figure 2018117047

{式(10)中、U及びVは、上記一般式(14)中で定義されたU及びVと同じである。}
で表される。一般式(14)中の好ましいU及びVは、一般式(14)について説明されら理由と同じ理由により、一般式(10)のポリベンズオキサゾールにおいても好ましい。
第1の実施形態に係る感光性樹脂組成物は、フェノール樹脂、ポリイミド前駆体、ポリベンズオキサゾール前駆体、及び可溶性ポリイミドから成る群から選択される少なくも1つを含んでよく、熱溶融性の観点からフェノール樹脂を含むことが好ましい。
<第2の実施形態:低溶融粘度感光層ロール>
本発明の第2の実施形態に係る感光層ロールは、
支持体フィルムと、
前記支持体フィルム上に設けられた感光性樹脂組成物を含む感光層と、
を有し、前記感光性樹脂組成物がフェノール樹脂、ポリイミド前駆体、ポリベンズオキサゾール前駆体、及び可溶性ポリイミドから成る群から選択される少なくとも1つの樹脂を含み、かつ前記感光層は溶融粘度が500Pa・s以下となる温度点を有する層である。
従来の感光層ロールは感光層の溶融粘度が高いため、スリット時にスリッターの歯を加熱してスリットした場合であってもクラックが発生し易いという問題があった。
上記課題を解決するために、第2の実施形態に係る感光層ロールは、感光層が、溶融粘度500Pa・s以下となる温度点を有する層であることを特徴とする。
本実施形態に係る感光層は、溶融粘度が500Pa・s以下となる温度点を有する層である。感光層は、溶融粘度が450Pa・s以下となる温度点を有する層であることが好ましく、400Pa・s以下となる温度点を有する層であることが好ましく、350Pa・s以下となる温度点を有する層であることが好ましく、300Pa・s以下となる温度点を有する層であることが好ましく、250Pa・s以下となる温度点を有する層であることが好ましく、200Pa・s以下となる温度点を有する層であることが好ましい。感光層の溶融粘度を低くすることにより、スリット、特に、スリッターの歯を加熱してスリットした場合に、クラックの発生を抑制することが可能となる。
本実施形態の感光層は、100℃における溶融粘度が、500Pa・s以下であることが好ましく、450Pa・s以下であることが好ましく、400Pa・s以下であることが好ましく、350Pa・s以下であることが好ましく、300Pa・s以下であることが好ましく、250Pa・s以下であることが好ましく、200Pa・s以下であることが好ましく、150Pa・s以下であることが好ましく、100Pa・s以下であることが好ましい。
第2の実施形態に係る感光層ロールは、感光層の前記支持体フィルムが設けられた側とは反対側にカバーフィルムを有していてもよい。
カバーフィルムを備えていと、スリット時、特にスリッターの歯を加熱してスリットする場合に、しわが発生する可能性があるため、カバーフィルムは供えないか、又は軟化温度が高いカバーフィルムを用いることが好ましい。
カバーフィルムの軟化点温度は90℃以上であることが好ましく、100℃以上であることが好ましく、110℃以上であることが好ましく、120℃以上であることが好ましく、130℃以上であることが好ましい。カバーフィルムの材質は上記軟化点温度を満たすものであれば特に限定は無い。
感光層の溶融粘度は、感光層中に含まれる有機溶媒の種類及び/又は量で調整することが可能である。その詳細は以降に記載する。その他の点については、上記項目<第1の実施形態:2層感光層ロール>で説明された構成と同じである。
<感光層ロールの作製及び使用>
本実施形態に係る感光性フィルムの作製方法について説明する。
感光層は、上記感光性樹脂組成物を液状感光性樹脂組成物として支持体フィルム上に塗布することで形成することができる。
塗布の方法としては、例えば、ロールコータ、コンマコータ、グラビアコータ、エアーナイフコータ、ダイコータ、バーコータ等の方法が挙げられる。また、溶剤(C)の除去は、例えば、加熱により行うことができる。感光層中の有機溶媒の残量の観点から、有機溶媒を除去するときに、加熱温度が、好ましくは約70〜150℃、より好ましくは100〜140℃であり、かつ/又は加熱時間が、好ましくは約1分間〜30分間、より好ましくは約3分間〜20分間、さらに好ましくは約4分間〜10分間である。
また、感光層の厚さは、用途により異なるが、溶剤を除去した後の厚さが1〜30μm程度であることが好ましい。感光性フィルムは、支持体フィルムと感光層との間に、クッション層、接着層、光吸収層、ガスバリア層等の中間層又はカバーフィルムを更に備えていてもよい。
感光性フィルムは、例えば、円筒状等の形態を有する巻芯に巻き取り、感光層ロールとして、ロール状の形態で貯蔵することができる。巻芯としては、従来用いられているものであれば特に限定されず、その材料としては、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)等のプラスチック等が挙げられる。貯蔵時には、支持体フィルムが最も外側になるように巻き取られることが好ましい。また、ロール状に巻き取られた感光性フィルム(感光性フィルムロール)の端面には、端面保護の観点から端面セパレータを設置することが好ましく、加えて耐エッジフュージョンの観点から、防湿端面セパレータを設置することが好ましい。また、感光性フィルム又は感光層ロールを梱包する際には、透湿性の小さいブラックシートに包んで包装することが好ましい。
<感光層ロールのスリット>
作製した感光層ロールをスリッターで所望の幅にスリットすることでスリット感光層ロールを製造することができる。
スリッターの切断面でシワ又はクラックを抑制するという観点から、スリッターの歯は加熱されていることが好ましい。スリッターの歯の加熱温度は、80℃以上であってもよく、90℃以上であってもよく、100℃以上であってもよく、110℃以上であってもよく、120℃以上であってもよく、130℃以上であってもよい。
感光層ロールがカバーフィルムを備えている場合、スリット時にカバーフィルムでしわが発生する可能性があり、特にスリッターの歯を加熱してスリットする場合には、カバーフィルムで大きなしわが発生する可能性がある。スリット時に発生するカバーフィルムのしわを抑制するという観点から、スリット感光層ロールの製造方法は、以下の工程:
前記感光層ロールが前記感光層の前記支持体フィルムが設けられた側とは反対側にカバーフィルムを有する場合には、前記カバーフィルムを剥離する工程と、
前記カバーフィルムを有さない前記感光層ロールをスリッターでスリットする工程と、
前記スリットされた前記感光層ロールに、前記剥離したカバーフィルム又は前記剥離したカバーフィルムとは別のカバーフィルムを貼る工程と、
を含むことが好ましい。
<基材への感光層の積層>
スリット感光層ロールの感光層を基材上へ積層する方法としては、感光層を70〜130℃程度に加熱しながら基材に0.1〜1MPa程度(すなわち、1〜10kgf/cm程度)の圧力でラミネータ等を用いて圧着する方法等が挙げられる。積層工程は減圧下で行ってもよい。感光層が積層される基材の表面は、特に制限されない。
第1の実施形態に係る2層感光層ロールの場合、カバーフィルムを有さないため、感光層が支持体フィルムに貼り付くおそれ(ブロッキングのおそれ)がある。一方、感光層の粘着性を低くすると、感光層を基材上に積層する際に、密着しないおそれがある。即ち、第1の実施形態に係る2層感光層ロールは、保管状態である室温下では粘着性が低く、基材上に積層する際の加熱時には高い密着性を奏することが望ましい。
感光層中の残存有機溶剤量は、室温での粘着性及び熱で溶融し易い感光性フィルムの形成を両立するという観点から、感光層の総量に対して、0.1質量%以上15質量%以下であることが好ましく、0.3質量%以上15質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上15質量%以下であることが好ましく、0.8質量%以上15質量%以下であることが好ましく、1質量%以上15質量%以下であることが好ましく、3質量%以上14質量%以下であることが好ましく、3質量%以上13質量%以下であることが好ましく、5質量%以上13質量%以下がより好ましい。感光層中の残存有機溶剤量が上記範囲であると、室温では粘着性が低く感光層ロールを作製した際に感光層が支持体フィルムに貼り付くことが少なく、感光層を加熱して基材上に積層する際には高い溶融性を示し、高い密着性を奏する。
感光層中に残存する有機溶剤は、上記で説明された溶剤(C)でよく、樹脂の溶解性、樹脂組成物の安定性、基板への接着性、熱溶融性、保存安定性、及びブロッキング性の観点から、γ−ブチロラクトン、アセトン、メチルエチルケトン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、プロピレングリコールモノメチルエーテル、tert−ブチルアルコール及びテトラヒドロフルフリルアルコールが好ましく、この中でも、γ−ブチロラクトン、アセトン、メチルエチルケトン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシドが特に好ましい。
第2の実施形態に係る低溶融粘度感光層ロールの場合も同様に、室温時では高い溶融粘度を有し、感光層の粘着性が低く、スリット、特にスリッターの歯を加熱してスリットする場合には、低い溶融粘度でクラックが発生し難いことが望まれる。好ましい感光層中の残存有機溶剤量は、上記範囲と同じである。感光層の溶融粘度は、感光層中に含まれる有機溶媒の量で調整することが可能である。感光層中に含まれる有機溶媒の量が多いほど感光層の溶融粘度は低くなる。感光層中の有機溶媒の量は、有機溶媒を除去するための加熱温度及び/又は加熱時間を調整することにより、制御されることができる。この他に、ポリマー分子量を下げる方法、熱硬化しない可塑剤等の低分子成分を増やす方法等でも感光層の溶融粘度の調整は可能である。
このようにして基材上に積層された感光層に対して、ネガ又はポジマスクパターンを通して活性光線を画像状に照射して露光部を形成させる。この際、感光層上に存在する支持体が活性光線に対して透明である場合には、支持体を通して活性光線を照射することができ、支持体が活性光線に対して遮光性を示す場合には、支持体を除去した後に感光層に活性光線を照射する。
活性光線の光源としては、X線、電子線、紫外線、可視光線等が使用できるが、200〜500nmの波長のものが好ましい。パターンの解像度及び取り扱い性の点で、光源波長は、水銀ランプのg線、h線又はi線の領域であることが好ましく、単独でも2つ以上の化学線を混合していてもよい。露光装置としては、アライナー、平行露光機、ミラープロジェクション、及びステッパ−が好ましい。露光後、必要に応じて再度80〜140℃で塗膜を加熱してもよい。
次に、現像を、現像液を用い、浸漬法、パドル法、スプレー法等の方法から選択して行うことができる。現像により、塗布された感光性樹脂層から、露光部(ポジ型の場合)又は未露光部(ネガ型の場合)を溶出除去し、レリーフパターンを得ることができる。
現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン等の有機アミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド等の4級アンモニウム塩類等の水溶液、及び必要に応じて、メタノール、エタノール等の水溶性有機溶媒、又は界面活性剤を適当量添加した水溶液を使用することができる。これらの中で、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液が好ましい。テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの濃度は、好ましくは、0.5〜10質量%であり、より好ましくは、1〜5質量%である。
現像後、リンス液により洗浄を行い、現像液を除去することにより、レリーフパターンが形成された基板を得ることができる。リンス液としては、例えば、蒸留水、メタノール、エタノール、イソプロパノール等を使用することができ、これらを単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
最後に、このようにして得られたレリーフパターンを加熱することで硬化レリーフパターンを得ることができる。加熱温度は、150℃以上300℃以下が好ましく、250℃以下がより好ましい。
第1又は第2の実施形態に係る感光層ロールを用いる硬化レリーフパターンの製造方法は、半導体装置、表示体装置及び発光装置の表面保護膜、層間絶縁膜、再配線用絶縁膜、ファンアウト型ウェハーレベルパッケージ(FOWLP)のための再配線層、フリップチップ装置用保護膜、高密度基板、バンプ構造を有する装置の保護膜、多層回路の層間絶縁膜、フレキシブル銅張板のカバーコート、ソルダーレジスト膜、並びに液晶配向膜等の作製に好適に利用されることができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[合成例1]
<フェノール樹脂(A−1)の合成>
容量0.5リットルのディーン・スターク装置付きセパラブルフラスコ中で、フロログルシノール100.9g(0.8mol)、4,4’−ビス(メトキシメチル)ビフェニル(以下「BMMB」ともいう。)121.2g(0.5mol)、ジエチル硫酸3.9g(0.025mol)、及びジエチレングリコールジメチルエーテル140gを70℃で混合攪拌し、固形物を溶解させた。
混合溶液をオイルバスにより140℃に加温し、反応液よりメタノールの発生を確認し、そのまま140℃で反応液を2時間攪拌した。
次に反応容器を大気中で冷却し、これに別途100gのテトラヒドロフランを加えて攪拌した。反応希釈液を4Lの水に高速攪拌下で滴下し、樹脂を分散析出させ、これを回収し、適宜水洗、脱水の後に、真空乾燥を施し、フロログルシノール/BMMBから成る共重合体(フェノール樹脂(A−1))を収率70%で得た。
[合成例2]
<フェノール樹脂(A−2)の合成>
合成例1のフロログルシノールの代わりに、3,5−ジヒドロキシ安息香酸メチル128.3g(0.76mol)を用いたこと以外は合成例1と同様に合成を行い、3,5−ジヒドロキシ安息香酸メチル/BMMBから成る共重合体(フェノール樹脂(A−2))を収率65%で得た。
[合成例3]
<フェノール樹脂(A−3)の合成>
容量1.0Lのディーン・スターク装置付きセパラブルフラスコを窒素置換し、その後、セパラブルフラスコ中で、レゾルシノール81.3g(0.738mol)、BMMB84.8g(0.35mol)、p−トルエンスルホン酸3.81g(0.02mol)、及びプロピレングリコールモノメチルエーテル(以下「PGME」ともいう。)116gを50℃で混合攪拌し、固形物を溶解させた。
混合溶液をオイルバスにより120℃に加温し、反応液よりメタノールの発生を確認し、そのまま120℃で反応液を3時間攪拌した。
次に、別の容器で2,6−ビス(ヒドロキシメチル)−p−クレゾール24.9g(0.150mol)、及びPGME249gを混合撹拌し、均一に溶解させた溶液を、滴下漏斗を用いて、上記セパラブルフラスコに1時間に亘って滴下し、滴下後、更に2時間撹拌した。
反応終了後は合成例1と同様の処理を行い、レゾルシノール/BMMB/2,6−ビス(ヒドロキシメチル)−p−クレゾールから成る共重合体(フェノール樹脂(A−3))を収率77%で得た。
[合成例4]
<ポリイミド前駆体(A−5)の合成>
容量2Lのセパラブルフラスコ中で、ピロメリット酸二無水物87.2g(0.4mol)、イソブチルアルコール59.3g(0.8mol)、及びγ―ブチロラクトン(以下「GBL」ともいう。)320gを室温(25℃)で混合攪拌し、溶解させ、氷冷下で攪拌しながらピリジン63.3g(0.8mol)を加え、発熱終了後、室温まで法冷し、16時間放置した。
次に、ジシクロヘキシルカルボジイミド165g(0.8mol)をGBL120gに溶解した溶液を、氷冷下で攪拌しながら上記セパラブルフラスコに40分間で加えた。続いて、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル74.5g(0.37mol)をGBL150gに懸濁させた懸濁物を氷冷下で攪拌しながら上記セパラブルフラスコに60分間で加えた。室温で2時間の攪拌後、エチルアルコール30mlを上記セパラブルフラスコに加えて、1時間攪拌し、更にジメチルアセトアミド(以下「DMAc」という。)250mlとテトラヒドロフラン(THF)400mlを加えた後、沈殿を吸引濾過により除去して、反応液を得た。得られた反応液を15Lのエチルアルコールに加え、生成した沈殿を濾別した後、真空乾燥してポリイミド前駆体(A−5)を得た。
[合成例5]
<ポリベンズオキサゾール前駆体(A−6)の合成>
容量2Lのセパラブルフラスコ中で、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)−ヘキサフルオロプロパン197.8g(0.54mol)、ピリジン75.9g(0.96mol)、及びDMAc692gを室温(25℃)で混合攪拌し溶解させた。
得られた混合溶液に、別途ジメチルジグリコール(以下「DMDG」ともいう)88g中に5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物19.7g(0.12mol)を溶解させた溶液を、滴下ロートより滴下した。滴下に要した時間は40分、反応液温は最大で28℃であった。
滴下終了後、反応液を湯浴により50℃に加温し、18時間撹拌した後、反応液のIRスペクトルの測定を行い、1385cm−1及び1772cm−1のイミド基の特性吸収が現れたことを確認した。
次に、反応液を水浴により8℃に冷却し、この反応液に、別途DMDG398g中に4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸ジクロライド142.3g(0.48mol)を溶解させた溶液を、滴下ロートより滴下した。滴下に要した時間は80分、反応液温は最大で12℃であった。
滴下終了から3時間後、上記反応液を12Lの水に高速攪拌下で滴下し、重合体を分散析出させ、これを回収し、適宜水洗、脱水の後に、真空乾燥を施し、ポリベンズオキサゾール前駆体(A−6)を得た。
<樹脂(A)及び(A’)>
A−1:フロログルシノール/BMMBから成る共重合体、ポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)=15,000
A−2:3,5−ジヒドロキシ安息香酸メチル/BMMBから成る共重合体、ポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)=21,000
A−3:レゾルシノール/BMMB/2,6−ビス(ヒドロキシメチル)−p−クレゾールから成る共重合体、ポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)=9,900
A−4:ノボラック樹脂、ポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)=10,600(旭有機材社製、製品名EP−4080G)
A−5:ポリイミド前駆体
A−6:ポリベンズオキサゾール前駆体
<光酸発生剤(B)>
B−1:下記式で表される光酸発生剤:
Figure 2018117047
{式中、Qの内83%が以下の:
Figure 2018117047
で表される構造であり、残余が水素原子である。}
<溶剤(C)>
C−1:γ−ブチロラクトン(GBL)
C−2:メチルエチルケトン
C−3:アセトン
C−4:N,N−ジメチルホルムアミド
<界面活性剤(D)>
D−1:シリコーン型界面活性剤 DBE821(商品名、Gelest社製)
D−2:シリコーン型界面活性剤 DBE224(商品名、Gelest社製)
<架橋剤(E)>
E−1:1,3,4,6−テトラキス(メトキシメチル)グリコールウリル(三和ケミカル製、商品名;ニカラックMX−270)
[感光性樹脂組成物の調製]
下記表1に示される組成のとおり、樹脂(A)、光酸発生剤(B)、界面活性剤(D)、及び架橋剤(E)を、溶剤(C)に溶解させ、0.1μmのフィルターで濾過して、ポジ型感光性樹脂組成物を調製した。
Figure 2018117047
[支持体フィルム]
支持体フィルムとして、シリコーン系化合物で離型処理されたPETフィルム「PET25X」(リンテック株式会社製、幅290mm、厚さ25μm)を準備した。
[感光性フィルムの作製]
(実施例1)
支持体フィルムとして、離型処理PETフィルムである「PET25X」を用い、離型処理面の上に、上記表1に示される組成を有する感光性樹脂組成物の溶液を塗布した。次いで、感光性樹脂組成物の溶液を塗布したPETフィルムを120℃の熱風で5分間に亘って乾燥させ、感光層を形成させた。その際、加熱後の感光層の厚さが10μmとなるようにした。上記組成の幅300mmの感光性フィルムを、外径3.5インチの円筒状プラスチック管に、巻き軸幅方向に対して平行に配置された加圧ロールを用いて、プラスチック管に対し線状に圧力を掛け、7kgの張力で1000m巻き取って、感光性フィルムロールを得た。
(実施例2〜13)
上記表1に示す成分、組成物及び乾燥条件を用いたこと以外は実施例1と同じ手順に従って、各感光性フィルムロールを作製した。
(比較例1〜3)
上記表1に示す成分、組成物及び乾燥条件を用いたこと、並びに感光性フィルムロールを得る際に感光層の上に軟化温度が90℃のカバーフィルムを設けたこと以外は実施例1と同じ手順に従って、各感光性フィルムロールを作製した。
<残溶媒量>
実施例及び比較例でそれぞれ作製した感光性フィルムロールから感光性フィルムを巻き出し、感光層を支持体フィルムから剥離し、剥離した感光層をガスクロマトグラフィー(アジレント・テクノロジー株式会社製、商品名「6890N」)で分析して、フェノール樹脂100質量部に対する残溶媒量(質量部)を測定した。
<溶融粘度>
実施例及び比較例でそれぞれ作製した感光性フィルムロールから感光性フィルムを巻き出し、感光層を支持体フィルムから剥離し、剥離した感光層を溶融粘度測定装置(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン株式会社製、製品名「DHR−2」)を用いて、以下の条件で測定した。温度100℃における溶融粘度を表1に示す。
・サンプル形状
膜厚:0.5mmt
直径:25mm円板
・測定条件
開始温度:50℃
昇温速度:5℃/min
終了温度:220℃
歪 :0.1%
周波数 :1Hz
荷重 :0.5N(±0.1N)
<保存安定性>
実施例及び比較例でそれぞれ作製した感光性フィルムロールを室温(25℃)で1か月以上保管した後に、ロールの巻出しを目視で観察して、下記基準により評価した。
S(著しく良好):ロール形態で、1ヶ月以上室温で保存しても、支持体フィルム裏面に感光層が付着しない。
A(良好):ロール形態で、1ヶ月室温で保存すると、支持体フィルム裏面に感光層の一部が付着する。
<支持体フィルムの剥離性>
実施例及び比較例でそれぞれ作製した感光性フィルムロールから感光性フィルムを巻き出し、感光層を130℃に加熱しながらガラス板上に積層し、感光層を転写した特性評価用サンプルを作製した。次いで、特性評価用サンプルから支持体フィルムを剥離除去し、感光層の転写の状態を目視により評価した。
S(著しく良好):支持体フィルムに感光層が付着することなく、剥離除去が可能。
A(良好):感光層の一部で、支持体フィルムに感光層が付着した状態で剥離。
B(不良):感光層の全面で、支持体フィルムに感光層が付着した状態で剥離。
<スリット時のクラック>
実施例及び比較例でそれぞれ作製した感光性フィルムロールを、歯を100℃に加熱したスリッターでスリットした。スリットした際のクラックの発生及び切断面の美観を目視により評価した。
S(著しく良好):クラックは発生せず、切断面も平滑である。
A(良好):クラックは発生していないが、切断面に少し凹凸がある。
B(不良):クラックは発生した。
<カバーフィルムのしわ>
比較例で作製した感光性フィルムロールを、100℃に加熱した歯を有するスリッターでスリットし、カバーフィルムに発生したしわを目視で評価した。
A(良好):カバーフィルムにしわが発生しない。
B(不良):カバーフィルムにしわが発生した。
<評価結果>
各実施例および比較例について、各特性評価結果を上記表1に示した。
本発明の感光層ロールは、半導体装置、表示体装置及び発光装置の表面保護膜、層間絶縁膜、再配線用絶縁膜、ウェハーレベルパッケージのための再配線層、フリップチップ装置用保護膜、高密度基板、バンプ構造を有する装置の保護膜、多層回路の層間絶縁膜、フレキシブル銅張板のカバーコート、ソルダーレジスト膜、並びに液晶配向膜等として好適に利用できる。

Claims (40)

  1. 支持体フィルムと、
    前記支持体フィルム上に設けられた、感光性樹脂組成物を含む感光層と、
    を有する感光層ロールであって、
    前記感光性樹脂組成物がフェノール樹脂、ポリイミド前駆体、ポリベンズオキサゾール前駆体、及び可溶性ポリイミドから成る群から選択される少なくとも1つの樹脂を含み、かつ前記感光層は、溶融粘度が500Pa・s以下となる温度点を有する層である、感光層ロール。
  2. 前記感光層は、溶融粘度が350Pa・s以下となる温度点を有する層である、請求項1に記載の感光層ロール。
  3. 前記感光層は、100℃における溶融粘度が500Pa・s以下である、請求項1又は2に記載の感光層ロール。
  4. 前記感光層は、100℃における溶融粘度が350Pa・s以下である、請求項3に記載の感光層ロール。
  5. 前記感光層の前記支持体フィルムが設けられた側とは反対側にカバーフィルムを有し、かつ前記カバーフィルムの軟化温度が90℃以上である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の感光層ロール。
  6. 前記カバーフィルムの軟化温度が、110℃以上である、請求項5に記載の感光層ロール。
  7. 前記感光層中に含まれる有機溶媒の量が、前記感光層の総量に対して0.1質量%以上15質量%以下である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の感光層ロール。
  8. 前記感光層中に含まれる有機溶媒の量が、前記感光層の総量に対して1質量%以上15質量%以下である、請求項7に記載の感光層ロール。
  9. 前記有機溶媒が、γ−ブチロラクトン、アセトン、メチルエチルケトン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、プロピレングリコールモノメチルエーテル、tert−ブチルアルコール及びテトラヒドロフルフリルアルコールから成る群から選択される少なくとも一つを含む、請求項7又は8に記載の感光層ロール。
  10. 前記有機溶媒が、γ−ブチロラクトン、アセトン、メチルエチルケトン、N−メチル−2−ピロリドン及びジメチルスルホキシドから成る群から選択される少なくとも一つを含む、請求項9に記載の感光層ロール。
  11. 前記感光性樹脂組成物が前記ポリイミド前駆体を含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載の感光層ロール。
  12. 前記感光性樹脂組成物が前記ポリベンズオキサゾール前駆体を含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載の感光層ロール。
  13. 前記感光性樹脂組成物が前記可溶性ポリイミドを含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載の感光層ロール。
  14. 前記感光性樹脂組成物が前記フェノール樹脂を含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載の感光層ロール。
  15. 前記フェノール樹脂が、下記一般式(1):
    Figure 2018117047
    {式(1)中、aは、1〜3の整数であり、bは、0〜3の整数であり、1≦(a+b)≦4であり、Rは、炭素数1〜20の1価の有機基、ハロゲン原子、ニトロ基及びシアノ基から成る群から選ばれる1価の置換基を表し、bが2又は3である場合の複数のRは、それぞれ同じでも異なっていてもよく、かつXは、不飽和結合を有していてもよい炭素数2〜10の2価の鎖状脂肪族基、炭素数3〜20の2価の脂環式基、下記一般式(2):
    Figure 2018117047
    (式(2)中、pは、1〜10の整数である。)で表される2価のアルキレンオキシド基、及び芳香族環を有する2価の有機基から成る群から選ばれる2価の有機基を表す。}
    で表される構造を繰り返し単位として有する、請求項14に記載の感光層ロール。
  16. 前記一般式(1)中のXが、下記一般式(3):
    Figure 2018117047
    {式(3)中、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜10の1価の脂肪族基、又は水素原子の一部若しくは全部がフッ素原子で置換されてなる炭素数1〜10の1価の脂肪族基であり、n1は0〜4の整数であって、n1が1〜4の整数である場合のRは、ハロゲン原子、水酸基、又は1価の有機基であり、少なくとも1つのRは水酸基であり、n1が2〜4の整数である場合の複数のRはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。}
    で表される2価の基、及び下記一般式(4):
    Figure 2018117047
    {式(4)中、R、R、R及びR10は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜10の1価の脂肪族基、又は水素原子の一部若しくは全部がフッ素原子で置換されてなる炭素数1〜10の1価の脂肪族基を表し、かつWは、単結合、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜10の鎖状脂肪族基、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数3〜20の脂環式基、下記一般式(2):
    Figure 2018117047
    (式(2)中、pは、1〜10の整数である。)で表される2価のアルキレンオキシド基、及び下記式(5):
    Figure 2018117047
    で表される2価の基から成る群から選ばれる2価の有機基である。}
    で表される2価の基から成る群から選ばれる2価の有機基である、請求項15に記載の感光層ロール。
  17. 前記一般式(1)中のXが、下記式(6):
    Figure 2018117047
    で表される2価の有機基である、請求項15又は16に記載の感光層ロール。
  18. 前記一般式(1)中のXが、下記式(7):
    Figure 2018117047
    で表される2価の有機基である、請求項17に記載の感光層ロール。
  19. 前記フェノール樹脂が、下記一般式(8):
    Figure 2018117047
    {式(8)中、R11は、炭化水素基及びアルコキシ基から成る群から選ばれる炭素数1〜10の1価の基であり、n2は1〜3の整数であり、n3は0〜2の整数であり、m1は1〜500の整数であり、2≦(n2+n3)≦4であり、n3が2である場合のR11はそれぞれ同じでも異なっていてもよい。}で表される繰り返し単位、及び下記一般式(9):
    Figure 2018117047
    {式(9)中、R12及びR13は、それぞれ独立に、炭化水素基及びアルコキシ基から成る群から選ばれる炭素数1〜10の1価の基であり、n4は1〜3の整数であり、n5は0〜2の整数であり、n6は0〜3の整数であり、m2は1〜500の整数であり、2≦(n4+n5)≦4であり、n5が2である場合のR12はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、n6が2又は3である場合のR13はそれぞれ同じでも異なっていてもよい。}
    で表される繰り返し単位の両方を同一樹脂骨格内に有する、請求項15〜18のいずれか1項に記載の感光層ロール。
  20. 支持体フィルムと、
    前記支持体フィルム上に設けられた、感光性樹脂組成物を含む感光層と、
    を有する感光層ロールであって、
    前記感光性樹脂組成物がフェノール樹脂、ポリイミド前駆体、ポリベンズオキサゾール前駆体、及び可溶性ポリイミドから成る群から選択される少なくとも1つの樹脂を含み、かつ前記支持体フィルムの両面は、前記感光層と接している、感光層ロール。
  21. 前記感光層中に含まれる有機溶媒の量が、前記感光層の総量に対して0.1質量%以上15質量%以下である、請求項20に記載の感光層ロール。
  22. 前記感光層中に含まれる有機溶媒の量が、前記感光層の総量に対して1質量%以上15質量%以下である、請求項21に記載の感光層ロール。
  23. 前記感光性樹脂組成物が前記フェノール樹脂を含む、請求項21又は22に記載の感光層ロール。
  24. 前記有機溶媒が、γ−ブチロラクトン、アセトン、メチルエチルケトン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、プロピレングリコールモノメチルエーテル、tert−ブチルアルコール及びテトラヒドロフルフリルアルコールから成る群から選択される少なくとも一つを含む、請求項21〜23のいずれか1項に記載の感光層ロール。
  25. 前記有機溶媒が、γ−ブチロラクトン、アセトン、メチルエチルケトン、N−メチル−2−ピロリドン及びジメチルスルホキシドからなる群から選択される少なくとも一つを含む、請求項24に記載の感光層ロール。
  26. 前記感光性樹脂組成物が前記ポリイミド前駆体を含む、請求項20〜25のいずれか1項に記載の感光層ロール。
  27. 前記感光性樹脂組成物が前記ポリベンズオキサゾール前駆体を含む、請求項20〜25のいずれか1項に記載の感光層ロール。
  28. 前記感光性樹脂組成物が前記可溶性ポリイミドを含む、請求項20〜25のいずれか1項に記載の感光層ロール。
  29. 前記感光性樹脂組成物がフェノール樹脂を含む、請求項20〜25のいずれか1項に記載の感光層ロール。
  30. 前記フェノール樹脂が、下記一般式(1):
    Figure 2018117047
    {式(1)中、aは、1〜3の整数であり、bは、0〜3の整数であり、1≦(a+b)≦4であり、Rは、炭素数1〜20の1価の有機基、ハロゲン原子、ニトロ基及びシアノ基から成る群から選ばれる1価の置換基を表し、bが2又は3である場合の複数のRは、それぞれ同じでも異なっていてもよく、かつXは、不飽和結合を有していてもよい炭素数2〜10の2価の鎖状脂肪族基、炭素数3〜20の2価の脂環式基、下記一般式(2):
    Figure 2018117047
    (式(2)中、pは、1〜10の整数である。)で表される2価のアルキレンオキシド基、及び芳香族環を有する2価の有機基から成る群から選ばれる2価の有機基を表す。}
    で表される構造を繰り返し単位として有する、請求項29に記載の感光層ロール。
  31. 前記一般式(1)中のXが、下記一般式(3):
    Figure 2018117047
    {式(3)中、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜10の1価の脂肪族基、又は水素原子の一部若しくは全部がフッ素原子で置換されてなる炭素数1〜10の1価の脂肪族基であり、n1は0〜4の整数であって、n1が1〜4の整数である場合のRは、ハロゲン原子、水酸基、又は1価の有機基であり、少なくとも1つのRは水酸基であり、n1が2〜4の整数である場合の複数のRはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。}
    で表される2価の基、及び下記一般式(4):
    Figure 2018117047
    {式(4)中、R、R、R及びR10は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜10の1価の脂肪族基、又は水素原子の一部若しくは全部がフッ素原子で置換されてなる炭素数1〜10の1価の脂肪族基を表し、かつWは、単結合、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜10の鎖状脂肪族基、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数3〜20の脂環式基、下記一般式(2):
    Figure 2018117047
    (式(2)中、pは、1〜10の整数である。)
    で表される2価のアルキレンオキシド基、及び下記式(5):
    Figure 2018117047
    で表される2価の基から成る群から選ばれる2価の有機基である。}
    で表される2価の基から成る群から選ばれる2価の有機基である、請求項30に記載の感光層ロール。
  32. 前記一般式(1)中のXが、下記式(6):
    Figure 2018117047
    で表される2価の有機基である、請求項30又は31に記載の感光層ロール。
  33. 前記一般式(1)中のXが、下記式(7):
    Figure 2018117047
    で表される2価の有機基である、請求項32に記載の感光層ロール。
  34. 前記フェノール樹脂が、下記一般式(8):
    Figure 2018117047
    {式(8)中、R11は、炭化水素基及びアルコキシ基から成る群から選ばれる炭素数1〜10の1価の基であり、n2は1〜3の整数であり、n3は0〜2の整数であり、m1は1〜500の整数であり、2≦(n2+n3)≦4であり、n3が2である場合のR11はそれぞれ同じでも異なっていてもよい。}
    で表される繰り返し単位、及び下記一般式(9):
    Figure 2018117047
    {式(9)中、R12及びR13は、それぞれ独立に、炭化水素基及びアルコキシ基から成る群から選ばれる炭素数1〜10の1価の基であり、n4は1〜3の整数であり、n5は0〜2の整数であり、n6は0〜3の整数であり、m2は1〜500の整数であり、2≦(n4+n5)≦4であり、n5が2である場合のR12はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、n6が2又は3である場合のR13はそれぞれ同じでも異なっていてもよい。}で表される繰り返し単位の両方を同一樹脂骨格内に有する、請求項30〜33のいずれか1項に記載の感光層ロール。
  35. 請求項1〜34のいずれか1項に記載の感光層ロールをスリッターでスリットしてスリット感光層ロールを製造するスリット感光層ロールの製造方法。
  36. 前記スリッターの歯が加熱されている、請求項35に記載のスリット感光層ロールの製造方法。
  37. 前記スリッターの歯が100℃以上に加熱されている、請求項36に記載のスリット感光層ロールの製造方法。
  38. 以下の工程:
    請求項1〜34のいずれか1項に記載の感光層ロールが、前記感光層の前記支持体フィルムが設けられた側とは反対側にカバーフィルムを有する場合には、前記カバーフィルムを剥離する工程と、
    前記カバーフィルムを有さない前記感光層ロールをスリッターでスリットする工程と、
    スリットされた前記感光層ロールに、前記剥離したカバーフィルム又は前記剥離したカバーフィルムとは別のカバーフィルムを貼る工程と、
    を含むスリット感光層ロールの製造方法。
  39. 前記スリッターの歯が加熱されている、請求項38に記載のスリット感光層ロールの製造方法。
  40. 前記スリッターの歯が100℃以上に加熱されている、請求項39に記載のスリット感光層ロールの製造方法。
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