JPS641254Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本案は、果粒等の収容に用いる蓋付き容器、特
に、カツプと、開閉自在な振出し口を有するキヤ
ツプとから成るものである。

「従来の技術と考案が解決しようとする問題点」 従来、液体缶の上面に嵌着して使用する合成樹
脂製の液体缶用注出蓋に、缶の重合を可能ならし
め、かつ、一部に注出口を設けると共に、該注出
口を塞ぐ小蓋を、薄肉ヒンジを介して一体に連設
したものがある（特開昭52−76185号公報）。

また、びんの口部に螺着して使用するびん蓋
に、頂壁の一部にて凹段部を形成し、該凹段部に
振出し口を開口し、かつ、凹段部に別部材の小蓋
を配して基端を枢着し、該小蓋の内面に振出し口
へ嵌合させる嵌合小筒を垂設したものがある（実
開昭53−60443号公報）。

本案は、これらのものの利点を採用して、果粒
等の収容に用いる従来にない優れた容器を提供し
ようとするものであり、積み重ねが可能で、使用
に便利で、気密性が良好で、製作が容易で、か
つ、安価な容器にしようとするものである。

「問題点を解決するための手段」 本案は、大径の糸尻１２を有するカツプ１の口
部１１に、内外の二重周壁２１，２２を有する合
成樹脂製のキヤツプ２を、その二重周壁にて気密
に嵌合させると共に、該嵌合の相互間に適宜係合
手段を講じ、また、キヤツプ２は、頂壁２３にて
その上に重ねる他のカツプ１の糸尻１２の内側に
対応する部分をそのカツプ１の底に接する高さで
上方に膨出させ、かつ、該頂壁２３の片側で一部
を窪ませて凹段部２４を形成し、該凹段部に振出
し口２５を開口し、更に、凹段部２４の一縁に、
該凹段部に嵌る小蓋２７を薄肉ヒンジ２６を介し
て一体に連結し、該小蓋２７は、外面を凹段部２
４周辺の頂壁外面と面一に形成して、内面に上記
振出し口２５へ気密に嵌合させる嵌合小筒２８を
垂設して成る。

「作用」 如上の構成であり、使用に当たつては、カツプ
１に果粒等の内容物を入れ、口部１１にキヤツプ
２を二重周壁２１，２２を以て気密に嵌合させる
と共に、係合手段を働かせ、内容物たる果粒等を
気密に収容する。

次に、その内容物を取り出すときは、小蓋２７
を上方へ回動させることにより嵌合小筒２８を振
出し口２５から抜いて、振出し口を開放させ、カ
ツプ１を傾倒させて、その振出し口から内容物を
振出す。

その後は、元通りに小蓋２７を閉じ、再び嵌合
小筒２８で振出し口２５を気密に閉塞する。

ところで、如上の容器を積み重ねるときは、第
２図に二点鎖線で示すように、カツプ１の糸尻１
２と、キヤツプ２の頂壁２３の膨出部分とを嵌合
させればよく、これにより安定に積み重ねること
ができる。

「実施例」 以下、図示の実施例について説明する。

図示のものは、合成樹脂製のカツプ１とキヤツ
プ２との二体から成る。

カツプ１は、下面に大径の糸尻１２を突設し、
口部１１の内縁に係合突条１１ａを周設してい
る。

キヤツプ２は、上記口部１１の内外に嵌る二重
周壁２１，２２を有し、内周壁２１の外周面に上
記係合突条１１ａと係合する係合突条２１ａを周
設し、頂壁２３を上方へ二段に膨出させて上段２
３ａをその上に重ねる他のカツプ１の糸尻１２内
に嵌る形態に特に高さがそのカツプ１の底に接す
る高さに形成し、また、該頂壁上段２３ａを片側
で一部窪ませて凹段部２４を形成すると共に、該
凹段部２４に振出し口２５を開口し、かつ、凹段
部２４には、これの奥の縁部で頂壁２３に薄肉ヒ
ンジ２６にて一体に結合した小蓋２７を設けて開
閉自在に嵌合し、該小蓋２７は、外面を凹段部２
４周辺の頂壁外面と面一に形成して、内面に上記
振出し口２５に気密に嵌合させる嵌合小筒２８を
垂設し、更に、小蓋２７の先端に爪掛け突片２７
ａを突設している。

なお、小蓋２７に関しては、第２図に二点鎖線
で示すように、起立させた状態にして、頂壁２３
と一体成形する。

而して、カツプ１に果粒等の内容物を入れ、口
部１１にキヤツプ２を二重周壁２１，２２におい
て気密に嵌合させると共に、双方の係合突条１１
ａ，２１ａを互いに係合させ、内容物を気密に収
容する。

この内容物を取出すときには、まず、小蓋２７
の爪掛け突片２７ａに爪を掛け、上方に引き上げ
て、嵌合小筒２８を振出し口２５から抜いて小蓋
２７を開け、振出し口２５を開放させ、カツプ１
を傾倒させて振出し口２５から内容物を振出す。

その後は、元通りに小蓋２７を閉じ、再び嵌合
小筒２８で振出し口２５を気密に閉塞する。

如上の容器は、第２図に二点鎖線で示すよう
に、カツプ１の糸尻１２と、キヤツプ２の膨出し
た頂壁上段２３ａとを嵌めて積み重ねるとよい。

「考案の効果」 本案によれば、カツプ１の口部１１にキヤツプ
２の二重周壁２１，２２を気密に嵌合させ、しか
も、相互に係合手段を講じ、また、キヤツプ２の
振出し口２５を小蓋２７の嵌合小筒２８で気密に
閉塞しているから、気密性が極めて高く、内容物
に与える湿気その他による外部からの悪影響を十
分に回避でき、勿論、内容物の洩れも十分に阻止
でき、また、内容物の取出しには、小蓋２７を開
けて振出し操作すればよいから、その操作、取扱
いが極めて容易である。

更に、キヤツプ２は、頂壁２３にてその上に重
ねる他のカツプ１の糸尻１２の内側に対応する部
分をそのカツプ１の底に接する高さで上方に膨出
させ、該頂壁２３の片側で一部を窪ませて凹段部
２４を形成し、該凹段部に振出し口２５を開口
し、かつ、凹段部２４の一縁に、該凹段部に嵌る
小蓋２７を薄肉ヒンジ２６を介して一体に連設
し、該小蓋２７は、外面を凹段部２４周辺の頂壁
外面と面一に形成して、内面に上記振出し口２５
へ気密に嵌合させる嵌合小筒２８を垂設している
ので、カツプ１の糸尻１２とキヤツプ２の膨出頂
壁２３とを嵌めて複数積み重ねることができ、そ
の積み重ねにより上段のカツプ１の底と糸尻１２
とで小蓋２７の上面をほぼ前面的に押えることが
でき、これにより小蓋内面の嵌合小筒２８と振出
し口２５との嵌合を不動に保持できて、高い気密
性を維持できると共に、塵埃の侵入や滞留を確実
に防止でき、湿気や塵埃を嫌う果粒やパウダー等
の収容に好都合である。そして、キヤツプ２にも
その小蓋２７にも違和感を生ずることなく、外観
美麗なものとすることができる。

また、キヤツプ２を取り外せば、直ちにカツプ
１を通常のカツプとして或いは計量カツプとして
使用することができて、使用上頗る便利重宝であ
る。

その上、カツプ１とキヤツプ２の二体だけであ
るから、容易かつ迅速に製造でき、安価に提供で
き、しかも、中味メーカーにとつては、内容物を
自動機械により簡単に能率よく収容し封入でき、
大幅にコストダウンできる。

よつて、果粒やパウダー等に用いる従来にない
優れた容器を提供できる。

【図面の簡単な説明】

図面は、本案実施例で、第１図は、平面図、第
２図は、縦断側面図、第３図は、要部の拡大断面
図である。 １……カツプ、２……キヤツプ、２５……振出
し口、２７……小蓋、２８……嵌合小筒。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 大径の糸尻１２を有するカツプ１の口部１１
   に、内外の二重周壁２１，２２を有する合成樹脂
   製のキヤツプ２を、その二重周壁にて気密に嵌合
   させると共に、該嵌合の相互間に適宜係合手段を
   講じ、また、キヤツプ２は、頂壁２３にてその上
   に重ねる他のカツプ１の糸尻１２の内側に対応す
   る部分をそのカツプ１の底に接する高さで上方に
   膨出させ、かつ、該頂壁２３の片側で一部を窪ま
   せて凹段部２４を形成し、該凹段部に振出し口２
   ５を開口し、更に、凹段部２４の一縁に、該凹段
   部に嵌る小蓋２７を薄肉ヒンジ２６を介して一体
   に連設し、該小蓋２７は、外面を凹段部２４周辺
   の頂壁外面と面一に形成して、内面に上記振出し
   口２５へ気密に嵌合させる嵌合小筒２８を垂設し
   たことを特徴とする蓋付き容器。