JPS636084Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は塵芥収集車の汚水飛散防止装置に係
り、特に押込板の背面側に飛散防止板を設けて押
込作動中に汚水が後方へ飛散することを防止でき
るようにした塵芥収集車の汚水防止装置に関す
る。

（従来の技術） 一般に塵芥収集車は後方を開口した塵芥収容箱
を車体上に搭載しており、この塵芥収容箱の後部
開口には積込装置を内蔵したテールゲートが装着
されている。このテールゲートの下方には投入さ
れた塵芥を一時的に溜めておく内側円筒溝状のサ
ンプが設けられている。そして、このサンプ内に
投入された塵芥は、横方向に架設された回転軸に
よつて回転される回転板によつてすくい上げら
れ、次いで枢支軸を中心として前方へ揺動する押
込板によつて塵芥収容箱内へ押し込まれるように
なつている。この種の装置においては、塵芥を収
容箱内に圧縮しながら押込み際、汚水が飛散した
り、あるいは投入口より破片が外部へ飛散して作
業者が怪我をする等安全衛生上の問題があつた。
殊に、塵芥中に混入されたガラスびんが押込板の
先端と回転板との間に挾み込まれて破砕した場合
にはガラスの破片が後方へ飛散するから一層危険
である。

これを防止するために、押込板の下端付近の裏
面へゴム板を止着することにより回転板と押込板
の先端との隙間をしや閉することが従来より行な
われていた。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、長期にわたる使用中に押込板の
先端部にゴム板がかみ込まれて損傷しやすく、そ
れに伴つてゴム板を頻繁に交換しなければならな
いという問題があつた。

そこで、本考案の目的は、押込板が塵芥を押込
む際に発生する汚水や塵芥片の外部への飛散を防
止でき、しかも使用寿命の長い塵芥収集車の汚水
飛散防止装置を提供することにある。

（問題点を解決するための手段） しかして、上記目的を達成するために、本考案
は、サンプ内に投入された塵芥を回転しながらす
くい上げる回転板と、揺動中心まわりを前後に揺
動して回転板上にすくい上げられた塵芥を塵芥収
容箱内に押し込む押込板とを備えた塵芥収集車に
おいて、上記テールゲートの両方の側板の内側に
揺動リンクの一端をそれぞれ枢支し、これら揺動
リンクの自由端に上記回転板の後方を覆うことが
できる飛散防止板を垂設し、上記揺動リンクの中
間部と上記押込板の揺動中心よりも上側の背面部
とを連結リンクで連結したことを特徴としたもの
である。

（作用） 押込板が揺動中心まわりを前後に往復角運動す
るのに同期してテールゲートの側板に一部を枢支
された揺動リンクが枢支点を中心として往復角運
動し、その先端に垂設された飛散防止板が回転板
の後方を覆つて汚水や塵芥片の飛散を防止するこ
とができる。

（実施例） 以下本考案よる塵芥収集車の汚水飛散防止装置
の実施例を図面を参照して説明する。

第１図において、符号１は塵芥収容箱の一部を
示し、この塵芥収容箱１の後方開口部には、塵芥
投入口２を備えたテールゲート３が一体的に取付
けられ、このテールゲート３の下方には、上記投
入口２より投入された塵芥を一時的に溜めておく
サンプ４が設けられている。このサンプ４は内側
円筒面状の受溝の形態を有し、サンプ４の図の左
縁は塵芥収容箱１の床面に接続される一方、サン
プ４の図の右縁は、塵芥投入口２の下縁を形成す
る横フレーム５に接続されている。

上記サンプ４の上方空間には、横方向に沿つて
回転軸６が架設され、この回転軸６は、図示を省
略した油圧モータ等の駆動手段によつて回転駆動
されるようになつている。この回転軸６には回転
板７が固着され、わん曲したすくい面８によつて
サンプ４内に溜つた塵芥をすいく上げるようにな
つている。

一方、上記回転板７の上方にあたるテールゲー
ト３内には上記回転軸６と平行なヒンヂ軸９が架
設され、このヒンヂ軸９には押込板１０が揺動可
能に支承されている。この押込板１０の先端は下
方に向つて延び、上記回転板７のすくい面８に近
接した位置で終端している。上記押込板１０の上
端には、片側ロツド形の油圧シリンダ装置１１の
ピストンロツド１２の操作端がピン１３によつて
結合される一方、上記油圧シリンダ装置１１の基
端は、クロスビーム１５のブラケツト１６に対し
てピン１７によつて枢着されている。したがつ
て、油圧シリンダ装置１１のシリンダ内のピスト
ンに連なるピストンロツド１２を伸縮することに
よつて押込板１０をヒンヂ軸９を中心として揺動
させることができる。

また、上記ブラケツト１６にはデフレクタ１８
の上端がピン１９によつて固着されており、塵芥
収容箱１内に積込まれた塵芥が後方に押し出され
ることを防止している。

しかして、上記テールゲート３は左右一対の側
板２０，２０を備えており、各側板２０の内側に
は、それぞれ揺動リンク２１の上端が枢軸２２を
介して枢支されている。左右の枢軸２２，２２
は、同じ高さであつて、しかも前後方向にも一致
した位置に設定されることが望ましい。また、上
記一対の揺動リンク２１，２１の自由端の間に
は、支軸２３が掛け渡されている。この支軸２３
にはホルダ２４が回動可能に支承されており、ホ
ルダ２４には長片状の飛散防止板２５が固定保持
されている。この飛散防止板２５はテールゲート
３の全幅にわたる一枚板でも良いし、全幅につい
て数枚の飛散防止板によつて構成してもよい。ま
た、飛散防止板２５は、ゴムで構成することが好
ましい。

一方、前記押込板１０の背面側には、タブ２
６，２６が突出して固定され、各タブ２６と前記
揺動リンク２１の中間部とは連結リンク２７によ
つてピン結合されている。したがつて、押込板１
０の揺動運動と連動して揺動リンク２１が揺動運
動を行ない、これに伴つて飛散防止板２５が回転
板８の直後の位置を保持される。

次に上述した塵芥収集車の汚水飛散防止装置の
作動について説明する。

収集すべき塵芥はサンプ４内に投入された一時
的にサンプ４内に貯溜される。回転板７が回転軸
６を中心として第１図に実線で示した位置から油
圧モータにより時計方向に回転駆動されはじめる
と、これより遅れて、押込板１０がヒンヂ軸９を
回動中心として油圧シリンダ装置１１のピストン
ロツド１２の収縮により反時計方向に後退動し、
第１図中の後退位置Ｃにて停止する。その間にお
いても回転板７は時計方向への回転を続行し、回
転板７は途中塵芥をすくい上げて再度第１図に実
線で示した押込位置で停止する。

次いで油圧シリンダ装置１１のピストンロツド
１２を伸張させて押込板１０を後退位置Ｃから押
込板Ａまで揺動させ、回転板７のすくい面８上の
塵芥を塵芥収容室内へ押し込める。この間、揺動
リンク２１は、ａ位置とｃ位置との間を揺動し、
これに伴つて飛散防止板２５はa′位置とc′位置と
の間を垂直の姿勢を維持しながら動く。したがつ
て、回転板７のすくい面８上に塵芥を押込板１０
が前方へ押込む間飛散防止板２５はa′位置を保持
され、汚水や塵芥片の後方への飛散を効果的に防
ぐことができる。

〔考案の効果〕

以上の説明から明らかなように、本考案によれ
ば、押込板が押込位置と後退位置との間を揺動す
る動きと連動して揺動リンクを駆動させ、その先
端に飛散防止板を垂設したから、飛散防止板が回
転板と干渉することなく回転板の後方に飛散防止
板を垂下状態に保持できる。したがつて、回転板
のすくい面上に押込板が動いて塵芥を収容室内へ
押込む際に飛散する汚水や塵芥片は飛散防止板に
よつて確実に受け止められ、後方への飛散を効果
的に防止することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案による飛散防集車の汚水飛散
防止装置の一実施例を示した側断面図、第２図は
第１図の−矢視方向より見た正面図である。 ３……テールゲート、７……回転板、９……ヒ
ンヂ軸、２０……側板、２１……揺動リンク、２
２……枢軸、２５……飛散防止板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. サンプ内に投入された塵芥を回転しながらすく
   い上げる回転板と、揺動中心まわりを前後に揺動
   して回転板上にすくい上げられた塵芥を塵芥収容
   箱内に押し込む押込板とを備えた塵芥収集車にお
   いて；上記テールゲートの両方の側板の内側に揺
   動リンクの一端をそれぞれ枢支し、これら揺動リ
   ンクの自由端に上記回転板の後方を覆うことがで
   きる飛散防止板を垂設し、上記揺動リンクの中間
   部と上記押込板の揺動中心よりも上側の背面部と
   を連結リンクで連結したことを特徴とする、塵芥
   収集車の汚水飛散防止装置。