JPS6341793B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、装軌式車輌のアイドラまわりにおけ
る騒音低減装置に関する。

従来、装軌式車輌のアイドラまわりにおける騒
音低減装置としては、トラツクチエーンのトラツ
クリンクレール面とアイドラ踏面との間の直接係
合による金属打音を緩和させるために、アイドラ
外周面にトラツクチエーンのトラツクブツシユを
半径外方に弾圧支持する硬質ゴムよりなる環状体
を設け、該環状体をアイドラ外周の両側縁部に沿
つてボルト止めされる左右一対のアイドラ踏面を
形成するリング状リムにより挾圧保持させたもの
が提案されているが、かゝる硬質ゴムよりなる環
状体を直接金属性のトラツクブツシユに係合させ
たのでは該トラツクブツシユとのくり返し接触に
より環状体が早期に摩耗し、寿命が短い欠点があ
る。また、硬質ゴムよりなる環状体をクツシヨン
部材として使用したのでは十分大きなクツシヨン
ストロークを得ることができず、十分な消音効果
が得られない。さらに、硬質ゴムよりなる環状体
はその外径高さを調整することができないため
に、トラツクブツシユとのくり返し接触によつて
環状体が摩耗限界に至つた場合には使用不可能と
なり新規製品と交換されねばならず、比較的苛酷
な条件で使用され、従つて寿命の短いこの種の騒
音低減装置としては極めて不経済である。

本発明は上記従来の欠点を除去すべくなされた
ものであつて、このため本発明は装軌式車輌のア
イドラまわりにおける騒音低減装置であつて、前
記アイドラの外周面に沿つてエアチユーブ又は中
実ゴムリングよりなる弾性環状体を周設するとと
もに該弾性環状体の外面上に重ねて硬質ナイロン
又は硬質プラスチツクよりなる硬質耐摩性の環状
部材を周設し、該環状部材の両側部に設けた環状
溝内にアイドラ外周の各側縁部に沿つて取外可能
に固定されたアイドラ踏面を形成する左右一対の
リムを係合させることにより該環状部材を半径に
増減し得るごとく係合保持し、該環状部材の外周
面により当該アイドラまわりに捲装されたトラツ
クチエーンのトラツクブツシユを半径外方に押圧
して該トラツクチエーンのトラツクリンクを前記
アイドラ踏面より離間せしめ、かつ前記各リムの
半径外方端部を左右のトラツクリンク間に位置せ
しめたことを特徴とする。

以下、添附図面に沿つて本発明の好適な実施例
につき説明するに、図は本発明による騒音低減装
置を備えたアイドラ外周部の中央断面を示してお
り、アイドラ１は内部に砂等の吸音材を充てんさ
れる中空室２を含む本体３と、該アイドラ本体３
外周の各側縁部に沿つて該アイドラ本体３にボル
ト４により取外し可能に固定されかつ当該アイド
ラ１まわりに捲装されるトラツクチエーン５の各
トラツクリンク６と係合可能なアイドラ踏面７を
形成する左右一対のリム８とを備えている。該リ
ム８はリング状に一体に形成されたリムであつて
もよく、また分割環状リムであつてもよい。

本発明による騒音低減装置はアイドラ本体３の
外周面９に沿つて周設されたエアチユーブ１０
と、該エアチユーブ１０の上に重ねて周設された
環状部材１１とを含み、これらエアチユーブ１０
および環状部材１１は上記一対のリム８，８間に
配置され、かつ環状部材１１の両側部に設けられ
た環状溝１２内に上記一対のリム８，８内縁部に
突出形成された環状突起１３を係合させることに
よりアイドラ本体３まわりに保持されている。上
記エアチユーブ１０は図示しないバルブを介して
内圧に調整されるようになつている。また、上記
環状部材１１は、例えば硬質ナイロンや硬質プラ
スチツクのごとき硬質耐摩耗性の材料よりなり、
かつ少くともリングの一部分に切離し部を有し、
これによりエアチユーブ１０の膨張、収縮に応じ
て半径を増減できるようになつている。この環状
部材１１の半径の増減を可能とすべく、上記各リ
ム８の環状突起１３は環状部材１１側面の環状溝
１２内に緩みを以て係合されている。上記各リム
８より外方に突出した環状部材１１の外周部分は
トラツクチエーン５のトラツクブツシユ１４を支
持するフランジ部１５を形成している。上記エア
チユーブ１０の内圧は、環状部材１１のフランジ
部１５が常時トラツクチエーン５のトラツクブツ
シユ１４を半径外方に押圧してトラツクリンク６
とアイドラ踏面７との間を引き離し、かつトラツ
クチエーン５に所定の力が作用した際にフランジ
部１５が半径内方に後退してトラツクリンク６と
アイドラ踏面７との係合を許すように調整され、
これによりトラツクリンク６とアイドラ踏面７と
の直接接触による金属打音を緩和して騒音を低減
させるようになつている。しかも、各リム８の半
径外方端部はつねに左右のトラツクリンク６，６
間に位置しているので、トラツクチエーン５から
の側圧に対する支持力が大きく、ステアリング時
においてもいわゆるゲタ外れを生ずるおそれがな
い。

本発明においては、上述したように硬質耐摩性
の環状部材１１によりトラツクブツシユ１４を支
持し、該環状部材１１をエアチユーブ１０により
弾圧するようにしたので、これらエアチユーブ１
０および環状部材１１がトラツクブツシユ１４と
のくり返し接触により早期に摩耗することがな
く、この種の騒音低減装置の寿命を大巾に伸ばす
ことができる。また、環状部材１１が使用限界ま
で摩耗した場合にもエアチユーブ１０を交換する
ことなく環状部材１１のみを交換すればよいので
経済的である。さらに、トラツクブツシユ１４と
係合する環状部材１１と該環状部材にクツシヨン
力を付与する手段とを分離したことにより、クツ
シヨン部材として硬質ゴムより大きなクツシヨン
ストロークが得られるエアチユーブ１０を使用す
ることが可能となり、これにより消音効果を増す
ことができる。特に、クツシヨン部材として上記
のように内圧調整可能なエアチユーブ１０を用い
ることにより、環状部材１１がトラツクブツシユ
１４とのくり返し接触によりその高さがかなりの
程度減少する迄摩耗しても、エアチユーブ１０の
内圧を増大することにより再びトラツクリンク６
とアイドラ踏面７間に所望のクツシヨンストロー
クを形成することができる。

なお、上記実施例においてはクツシヨン部材と
して特に内圧調整可能なエアチユーブを用いてい
るが、該エアチユーブの代りに弾性に富む中実ゴ
ムリングを使用することも可能である。また、環
状部材は少くとも一個所に切離し部を含んでいる
が変形可能なものであれば切離し部は必ずしも必
要ではなく、さらに該部材の断面形状は図示のも
のに限定されることなく、一対のリム間において
半径を増減できるように係合されるものならば他
の形状をもとり得る。

【図面の簡単な説明】

図は本発明の一実施例装置を備えたアイドラ外
周部の中央断面図を示す。 １……アイドラ、３……アイドラ本体、５……
トラツクチエーン、６……トラツクリンク、７…
…アイドラ踏面、８……リム、９……外周面、１
０……エアチユーブ、１１……環状部材、１４…
…トラツクブツシユ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 装軌式車輌のアイドラまわりにおける騒音低
   減装置であつて、前記アイドラの外周面に沿つて
   エアーチユーブ又は中実ゴムリングよりなる弾性
   環状体を周設するとともに該弾性環状体の外面上
   に重ねて硬質ナイロン又は硬質プラスチツクより
   なる硬質耐摩性の環状部材を周設し、該環状部材
   の両側部に設けた環状溝内にアイドラ外周の各側
   縁部に沿つて取外し可能に固定されたアイドラ踏
   面を形成する左右一対のリムを係合させることに
   より該環状部材を半径を増減し得るごとく係合保
   持し、該環状部材の外周面により当該アイドラま
   わりに捲装されたトラツクチエーンのトラツクブ
   ツシユを半径外方に押圧して該トラツクチエーン
   のトラツクリンクを前記アイドラ踏面より離間せ
   しめ、かつ前記各リムの半径外方端部を左右のト
   ラツクリンク間に位置せしめたことを特徴とする
   騒音低減装置。 ２ 前記リムが一体形成の環リム又は分割環状リ
   ムよりなる特許請求の範囲第１項による装置。