JPS6323585Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は内燃機関の過回転防止装置に関する。
この種の装置として、機関の点火装置の発火時に
発生するパルスを計数し、その計数したパルス数
に対応する機関回転数が過回転となつたとき半導
体制御素子を動作させ、、その動作により点火装
置による点火時期を遅らせるように制御する内燃
機関の過回転防止装置が考えられる。

これは、例えば第１図に示す如き構成とするこ
とができ、次のように動作する。

第１図において、１は点火装置からのイグニツ
シヨンパルスを電磁誘導作用等で取り出す入力回
路で、この入力回路１に入力されたイグニツシヨ
ンパルスは波形整形回路２に入力されて所定デユ
ーテイの矩形波パルスに整形される。この矩形波
パルスはカウンタ３に入力され、基準タイマ４に
て設定された期間ごとの上記矩形波パルスを計数
し、次の演算回路５に出力する。この演算回路５
では機関の気筒数などに応じてパルスカウントを
機関回転数に変換し、これを回転数データ保持回
路６に入力する。ここで一旦保持された回転数デ
ータは比較器７に入力され、過回転の下限を定め
る設定過回転数信号の発生器８からの基準回転数
と比較される。ここでその現在の回転数が基準回
転数より高い場合には、比較器７の出力により信
号発生器９をして半導体制御回路１１を作動し、
同時に過回転防止回路１０の出力に基づいた半導
体制御回路１１の制御出力により、点火回路１２
の点火時期を遅らせ、機関出力を低下させて、機
関の過回転を防止する。

ところで、従来、第２図に示すようなコンデン
サ放電式マグネト点火装置が提供されている。こ
れについて説明すると、２１は内燃機関に同期し
て電圧を、誘起する発電コイルで、これにはダイ
オード２２および充放電用コンデンサ２３を介し
てイグニツシヨンコイル２４の一次コイル２４ａ
が直列接続されている。また、そのイグニツシヨ
ンコイル２４の二次コイル２４ｂには点火プラグ
２５が接続されている。２６は発電コイル２１に
接続した機関の過回転防止回路で、発電コイル２
１の一方の端子２７ａはダイオード２８、抵抗２
９およびコンデンサ３０からなる充電回路と、こ
のコンデンサ３０にトランジスタ３１のベース・
エミツタを介して抵抗３２を並列接続した放電回
路とからなり、前記トランジスタ３１のコレクタ
は発電コイル２１の他方の端子２７ｂに接続さ
れ、エミツタは次段のコンデンサ充放電制御回路
３３に接続されている。

このコンデンサ充放電制御回路３３はダイオー
ド２２，３４，３６，３７、ツエナダイオード３
５、抵抗３８およびサイリスタ３９からなり、ダ
イオード３４，３６，３７、ツエナダイオード３
５は前記トランジスタ３１に対し順方向接続さ
れ、又サイリスタ３９のアノードは前記コンデン
サ２３の正電位側に、カソードは前記抵抗を介し
て一次コイル２４ａの一端に、ゲートはダイオー
ド３６，３７の接続中点にそれぞれ接続されてい
る。

かかる過回転防止装置では、発電コイル２１の
端子２７ａの誘起電圧波形を第３図に示したもの
とすると、機関運転中はその正の半波でダイオー
ド２２を介してコンデンサ２３を充電し、負の半
波でサイリスタ３９をトリガし、このサイリスタ
３９を通じて、コンデンサ２３の電荷を抵抗３８
を介してイグニツシヨンコイル２４の一次コイル
２４ａに急激に放電し、二次コイル２４ｂに高電
圧を発生させ、点火プラグ２５に所期する点火エ
ネルギーを得る。

一方、前記誘起電圧波形の正の半波では、ダイ
オード２８、抵抗２９を介してコンデンサ３０が
充電され、これがコンデンサ３０、抵抗３２で定
まる設定時定数によつて、その抵抗３２およびト
ランジスタ３１のベース・エミツタ間に放電し、
トランジスタ３１をオンにする。このためサイリ
スタ３９のトリガは禁止される。すなわち、サイ
リスタ３９は抵抗３２、コンデンサ３０で定まる
時定数により導通が禁止され、機関が高速で回転
するにつれて、トリガ時期すなわち点火時期が遅
れて行き、機関が不必要に過回転となるのを防止
する。

しかしながら、かかる従来の内燃機関の過回転
防止装置では、第４図に示すように機関の回転数
の増加に対しサイリスタ３９による遅角動作が極
めて緩慢に変化し、過回転時に充分大きい遅角を
取らせようとすると、常用回転数域で遅角現象が
起り点火時期を遅らせ、最適点火時期が設定でき
ないという不都合がある。

本考案はかかる従来の不都合を解決せんとする
もので、過回転防止回路の充電回路中に、その充
電開始を機関の設定過回転速度域において可能な
らしめる制御素子およびこの制御素子を駆動する
信号発生器を設けたことにより、所定の過回転域
でのサイリスタの遅角動作を可能にした内燃機関
の過回転防止装置を提案するものである。

以下に、本考案の実施例を図面にもとづいて具
体的に説明する。

第５図は過回転防止装置の過回転防止回路２６
のみを取り出して示したものであり、これが第２
図に示すものと異るところは、前記ダイオード２
８に代えてサイリスタ４０を用いた点である。こ
のサイリスタ４０はアノードが前記発電コイル２
１の端子２７ａに接続され、カソードが抵抗２９
に接続されていて、ゲートは信号発生器４１に接
続されている。この信号発生器４１は上記第１図
示の信号発生器９に相当するものであり、機関の
回転数が予め設定した基準回転数に達するかある
いはそれを越えると、正の矩形波電圧を出力し、
その基準回転数を機関回転数が越えている期間中
ハイレベルの矩形波信号を出力するようになつて
いる。

かかるサイリスタ４０を含む充電回路の制御装
置を設ければ、機関の回転数が前記設定した基準
回転数すなわち設定過回転数に達するや、コンデ
ンサ３０への充電並びに抵抗３２を通じての放電
を実行させて、トランジスタ３１をオンとなし既
述と同じく、サイリスタ３９のトリガを一定時間
禁止させて、第６図に示すように点火時期を遅ら
せることができる。この結果、機関の回転数が正
常な領域では、サイリスタの遅角動作が生じなく
なり、最適点火時期を維持でき、出力低下を防止
することができる。

第７図は他の過回転防止回路を示す。

これは第２図に示すダイオード２８に代えてト
ランジスタ４２を接続したものである。このトラ
ンジスタ４２はコレクタが端子２７ａに、エミツ
タが抵抗２９にそれぞれ接続される如くなり、ベ
ースには、抵抗４３ａ，４３ｂ，４３ｃ，４３ｄ
（４３ａ＞４３ｂ＞４３ｃ＞４３ｄ）を介して、
機関の回転数が設定過回転数を超えたときにその
回転数差に対応する４ビツトの２進数データを出
力する信号発生器４４の各出力端子４５ａ，４５
ｂ，４５ｃ，４５ｄが接続されている。なお、上
記信号発生器４４は第１図における信号発生器９
に相当するものである。

かかるトランジスタ４２を含む充電回路の制御
装置では、信号発生器が機関の回転数に応じて４
ビツトの２進数データを次々に出力するためその
機関回転数データを正確に読み取つて、その正確
なデータに基づいて、点火時期のコントロールを
第８図に示すように実行することができる。

第９図は第７図と略同様の構成の過回転防止回
路を示す。これは前記同様の４ビツトの２進数デ
ータを出力する信号発生器４６の出力側にデイジ
タル−アナログ変換器４７を接続し、第７図と同
様にトランジスタ４２をアナログ的に動作させる
ようにしたもので、機関の回転数が設定過回転域
を越えたとき、点火時期が急激に遅れるように動
作し、その点火時期特性は第８図と同様となる。

このように、前記コンデンサ３０の充電回路に
機関の設定過回転域で信号を出力して、そのコン
デンサ３０の充電を可能とする信号発生器および
制御素子を設けたことによつて内燃機関の過回転
防止を、通常回転域における点火時期を狂わせる
ことなく実行できる。

以上説明したように、本考案によれば過回転防
止回路の充電回路中に、その充電開始を機関の設
定過回転速度域において可能ならしめる制御素子
およびこの制御素子を駆動する信号発生器を設け
たことによつて、前記設定過回転数を越える機関
の回転数域でサイリスタの遅角動作を行わしめて
機関の過回転を防止するとともに機関の正常回転
域での前記遅角動作を防止し、最適点火運転を可
能にできる等の効果が得られるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に関連する技術的思想を示すブ
ロツク接続図、第２図は従来例を示す回路図、第
３図は同じく発電コイルの信号波形図、第４図は
同じく点火時期特性図、第５図は本考案の過回転
防止回路図、第６図は同じくその点火時期特性
図、第７図は同じく他の過回転防止回路図、第８
図は同じくその点火時期特性図、第９図はさらに
他の過回転防止回路図である。 ２１……発電コイル、２３……コンデンサ、２
４……イグニツシヨンコイル、３０，３２……充
放電回路、３１……トランジスタ、３９……サイ
リスタ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 機関の回転数に応じた電圧を誘起する発電コ
   イルと、この発電コイルで誘起した電圧の充放
   電回路およびその充放電回路電圧の大きさに応
   じてオン・オフするトランジスタと、イグニツ
   シヨンコイルの一次コイルおよびこれに直列接
   続したコンデンサを結ぶ回路に直列接続され、
   そのトランジスタのオン時にトリガが禁止され
   るサイリスタとを備えた内燃機関の過回転防止
   装置において、前記発電コイルと充放電回路と
   を結ぶ回路中に半導体制御素子を接続し、この
   半導体制御素子を機関の設定過回転域で信号を
   出力する信号発生器によつて制御するようにし
   たことを特徴とする内燃機関の過回転防止装
   置。 (2) 半導体制御素子がサイリスタであることを特
   徴とする実用新案登録請求の範囲第１項記載の
   内燃機関の過回転防止装置。 (3) 半導体制御素子がトランジスタであることを
   特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項記載
   の内燃機関の過回転防止装置。