JPS6238068Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、耐圧形可撓管継手の気密接続装置
に関し、例えば電気配線用の耐圧形可撓管を制御
盤等に接続する場合に、可撓管の口端部に装着し
た継手におけるワツシヤーを改良して、継手と制
御盤等との接続を、高い気密性をもつて行うこと
ができるようにしたものである。

例えば、圧力気体を封入して使用する電気配線
用耐圧形可撓管を制御盤等に接続する場合に、一
般に可撓管の口端部に装着した継手を制御盤の壁
板に取付けることにより行うが、従来のその取付
方法は、第４図に示すように、継手本体１′にフ
ランジ状部５′を設け、図で言えば左方にロツク
ナツト４と螺合させる口金部３を突設し、壁板２
にこの継手本体１′を取付けるには、断面矩形状
の環状パツキン８と平ワツシヤー７′とを図示の
ごとく継手本体１′へ嵌着し、ロツクナツト４を
緊締して気密性を得るようにしている。しかしな
がら壁板２に設けた嵌合穴２ａと口金部３との間
には、通常径差から大きな遊間があり、また継手
本体１′と平ワツシヤー７′との接面６′は、両者
とも金属であるから気密性が充分でなく油等が浸
入する欠陥があり、また、金属平ワツシヤーを使
用しないとゴムパツキンが直接継手本体の挟着面
と接触し、ロツクナツト締付時に継手本体と壁板
とが互いに回転してずれるためゴムパツキンが捩
れ、あるいは必要以上に強く締付け易く、いずれ
も過大な応力を与え、パツキンの老化が早く耐久
性に欠ける欠陥があつた。

この考案は以上の欠陥を解消すべく提案された
もので、断面Ｌ形の金属ワツシヤーを使用して、
ゴムパツキンの必要以上の変形を防止しながら高
い気密性を維持できる気密接続装置を得ることを
目的とする。

以下、本考案を実施例に基づいて説明すると、
第１図において、継手本体１は、取付けようとす
る例えば、制御盤等の壁板２の孔に挿入される口
金部３をもち、その口金部３外周はロツクナツト
４が螺合するように螺刻されている。中間部には
フランジ状部５を有し、ロツクナツト４と共に壁
板２を挟着する挟着面６を設けている。この継手
本体１を壁板２に取付けるときは、金属製のカツ
プ状ワツシヤー７およびパツキン８を挿入する。
このワツシヤー７は、鍔部９と壁板側に直角に張
出した筒状側部１０とが一体に形成されたＬ形断
面の環状体で、ロツクナツト４の緊締により壁板
２へ押着される上記筒状側部１０の端１５の径
は、壁板２の孔径およびフランジ状部５の径のい
ずれよりも大径となるように形成し、また鍔部９
内径は、前記口金部３の螺刻していない根元の平
滑部１１外径より充分大として、パツキン８が直
接挟着面６に接触する部分をもつようにしてい
る。そしてフランジ状部５の外縁近傍には、鍔部
９の内径および板厚に適応した段付部を設けて、
ワツシヤー７と継手本体１により形成される環状
の凹部の底部には段差が生じないようにする。こ
のワツシヤー７は金属製で、強力な締付トルクに
耐えられる強度を有する材質と寸法を具備してい
る。

パツキン８は、耐久性のよい合成ゴムあるいは
合成樹脂等による環状矩形断面状パツキンで、そ
の内径は後述するように、ロツクナツト４で締着
されたとき内径方向への膨張により平滑部１１外
周に強く密接するように極力径を小さくし、口金
部３を強制嵌入されるような寸法とすることが好
ましく、その外径はワツシヤー７のリツプ部１０
内径よりやや小とし、若干の間隙を設け、ロツク
ナツト４で締着したときパツキン８の外周方向へ
の膨張をこの筒状側部１０で拘束しパツキン８内
径と平滑部１１との強い密接を助長するようにし
ている。

以上の如く構成された本考案の作用について説
明すれば、ワツシヤー７を挟着面６の段差部に嵌
装し、パツキン８をワツシヤー７、挟着面６およ
び平滑部１１により形成される環状凹部内に嵌装
し、制御盤等の壁板２の孔に口金部３を挿入し、
ロツクナツト４を螺合させると（未ば締着しな
い）、第１図の如く、パツキン８外周と筒状側部
１０間に若干の間隙を有し、パツキン８と壁板２
との接触面１２およびパツキン８と挟着面６との
接触面１３は互いに緩く相接している。ここで、
ロツクナツト４を適度に強く締着すれば、パツキ
ン８は第２図に示すごとく厚み方向に圧縮されて
壁板２側の接触面１２および挟着面側の接触面１
３はいずれも強く密着し高い気密効果をもたらす
とともに、外径方向及び内径方向に膨張し、外径
方向は筒状側部１０によつて拘束されるため、内
径方向により一層膨張し平滑部１１外周面と強く
密着して気密効果を生ぜしめる。この考案は上述
のように構成されているので、壁板２に設けた孔
の径が、口金部３の径に較べ如何に過大に作られ
ていても、筒状側部１０の端１５の径が、上記孔
径より充分に大きなワツシヤー７を選択して継手
本体１に嵌着し使用すれば、常に良好な気密効果
を保持することが可能なのである。また内部圧縮
気体の漏洩通路となり易い個所は、すべてパツキ
ン８によつて閉塞され、従来のようにワツシヤー
７′と継手本体１′とが直接接しているような個所
は皆無であるから、気密性は確実に保たれること
になる。さらにパツキン８が壁板２と挟着面６と
に挟圧され平径方向へはみ出そうとするのを、ワ
ツシヤー７の筒状側部１０が仰止するから、その
分だけパツキン８が、継手本体１の平滑部１１に
押着されることになつて、余りロツクナツト４を
緊締しなくても、このような押着状態が得られる
ことになる。したがつて継手本体１の挟着面６に
パツキン８を直接接触させてあつても、継手本体
１が回転し、その結果パツキン８が捩りを受けて
損傷するような必配もないのである。

また、上記筒状側部１０の端１５は、フランジ
状部５の外径より大径に形成されているから、ロ
ツクナツト４を緊締して上記の端１５を壁板２に
押着させると、鍔部９に曲げの弾性変形を生じ、
それ故端１５の上記押着力はばね常数の低いばね
力により与えられることになつて、ロツクナツト
４の弛緩が謹かであれば、ほとんど押着力の低下
を生じることがないのである。したかつてスプリ
ングワツシヤーと同様な効果が期待でき、弛緩防
止に極めて有効である。そしてこのような効果
は、ワツシヤー７の外径D₂をフランジ状部５の
外径D₁より適当に大きくとり、ロツクナツト４
を締付けて第３図に示すごとく、ワツシヤー７内
縁近傍に変形を起させるようにしても、同様に得
られるものである。その他、ワツシヤー７には筒
状側部１０が設けてあるので、ロツクナツト４の
締めすぎによつてパツキン８に損傷を与えるよう
なことも防止することができ、また継手を壁板２
の孔径に合わせて選択する際には、継手本体１と
は別体に作られたワツシヤー７のみを変えれば良
いので極めて経済的であるなど、この発明に係る
気密接続装置は極めて顕著な諸効果を奏し得るも
のである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例の一部縦断正面図でロ
ツクナツト締着前の状態、第２図は同締着後の状
態、第３図は他の実施例における一部縦断正面
図、第４図は従来例における継手気密接続装置の
一部縦断正面図である。 符号説明、１……継手本体、２……壁板、３…
…口金部、４……ロツクナツト、５……フランジ
状部、６……挟着面、７……ワツシヤー、８……
パツキン、９……鍔部、１０……筒状側部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 継手本体１の片側には可撓管を接続し、他の側
   には、取付けようとする壁板２の孔に挿入する外
   周を螺刻した口金部３を有し、中間に設けたフラ
   ンジ状部５の口金部３側側面の挟着面６と口金部
   ３外周に螺合するロツクナツト４とにより環状平
   形のパツキン８を介して強く挟着して、気密を保
   持するようにした継手本体１を壁板２に装着する
   耐圧形可撓管継手に使用する前記ワツシヤー７
   は、鍔部９とその外周を直角に形成した筒状側部
   １０とを有するものに於て、該鍔部９の内径はパ
   ツキン内径より大であり、更に、前記挟着面６に
   ワツシヤー７の鍔部９が挟着面６と同一平面をな
   して嵌装されるように挟着面６に段差を設けて、
   ここにワツシヤ７の鍔部９を嵌着し、更に、前記
   筒状側部１０の端１５の径が上記壁板２の孔径お
   よびフランジ状部５の外径のいずれよりも大径で
   あり、且つ、ワツシヤー７と挟着面６によつて形
   成される段差のない凹部に環状平形パツキン８を
   嵌着し、このパツキン８を口金部３端に螺入した
   ロツクナツト４を緊締して壁板２と挟着面６間に
   挟着し、且つ、口金部３の平滑部１１に押着させ
   得るように構成したことを特徴とする耐圧形可撓
   管継手の気密接続装置。