JPS6128553A - 振動吸収性重合体組成物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は振動減衰性にすぐれた振動吸収性重合体組成物
に関し、特に制振用複合金属板の制振層として有用な振
動吸収性重合体組成物に関するものである。

〔従来の技術〕

近年、交通機関の発達や工場と住宅との近接に伴ない、
各種の機械、装置よシ発生する騒音、振動が保健上ある
いは地域社会の環境保全上から問題となっており、その
対策が急務となっている。

特に自動車のエンジン音を遮断するオイルパン、エンジ
ンカバーや家電機器、金属加工機械等の騒音低減が強く
要望されている。

このような対策の１つとして制振′用複合鋼板の使用が
あり、この複合鋼板の中間層の粘弾性物質の剪断変形に
よる内部摩擦を利用して振動を減衰せしめるものである
。この様な制振用複合鋼板の中間層物質としては、酢酸
ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂等の各種重合体や酢酸ビニ
ル・エチレン共　゛重合体、アクリロニトリル・スチレ
ン共重合体等の熱硬化性樹脂およびそれ等と可塑剤との
組成物、あるいはウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂等の
熱硬化性樹脂が用いられて来た。また、各種の樹脂組成
物も提案されており、例えば特公昭５８−２５３７５号
明細書にはポリ塩化ビニルとポリメチルメタクリレート
との組成物、特公昭５５−２７９７５号明細書にはポリ
ビニルブチラールとポリ酢酸ビニルとの組成物が開示さ
れている。

〔発明が解決しようとする問題点〕

割振用複合鋼板は、各種の騒音、振動の発生源に対して
、これを囲む形で使用されるので、単に板状で使用され
る以外に、曲げ加工や絞り加工によって所望の形状に成
形されるが、前記各種の樹脂または樹脂組成物を用いた
複合鋼板は、制振性と成形加工性とのバランスの点で必
ずしも充分なものではなかった。成形加工性、特に流れ
性を改良するために他樹脂を配合することによシ、制振
性が低下したシ、制振性能を発揮する温度域が低温へ移
行してしまうというような問題点があった。

特に１００℃以上の高温域で良好な制振性を示す制振鋼
板の割振層として用い得る樹脂は採られており、より高
温域での制振性を示す樹脂組成物が要求されていた。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明者等は制振鋼板の割振層として用いられる非晶性
熱可塑性重合体の割振性の改良について種々研究を行な
い、相対的に高いガラス転移点を有し、かつ、非相溶性
の非晶性の熱可塑性重合体を配合することにより、相対
的に低いガラ、ス転移点を有する非晶性熱可塑性重合体
の割振性を改良し得ることを見出し、特願昭ｓ　９−１
１４８０２号として出願した。この研究において、高い
ガラス転移点を有し比較的高温において制振層として良
好な割振性を示す特定の熱可塑性重合体に、それよシ低
いガラス転移点を示す非晶性熱可塑性重合体を少量配合
したとき、得られる組成物を割振層として用いた場合、
制振性能が高温側で改善されるという驚くべき結果を得
た。

即ち本発明は、異なるガラス転移゛点を有し、かつ、互
に相溶しない下記の非晶性熱可塑性重合体（ａ）および
（ｂ）のそれぞれ少くとも１種よシなシ、重合体（ａ）
の６０〜９８重貴チおよび重合体（ｂ）の４０〜２重量
係からなることを特徴とする振動吸収性重合体組成物　
　′、− 物である。

（１）非晶性熱可塑性重合体（ａ）：相対的に高いガラ
ス転移点を有し、かつ、−５ｏ−１５０℃の温度で、周
波数０．１〜２００００Ｈｚ　　の範囲内において　に
１．５以上のｔａｎ　　δ最大値を有する重合体５、 （１１）非晶性熱可塑性重合体（ｂ）：相対的に低いガ
ラス転移点を有し、かつ、非晶性熱可塑性重合体（ａ）
がｔａｎδ最犬値を有する温度および周波数においてｏ
、ｉ以上のｔａｎδを有する重合体。

本発明の組成物を用いた制振用複合鋼板は適用される騒
音発生源の小塊温度θ〜１５０℃および制振すべきｎ音
の周波数２０〜２００００　：（Ｉｚにおいて、ηが０
．０５以上、好ましくはｏ、ｉ以上を示すことが要求さ
れる。その為、本発明の組成物に用いられる重合体（ａ
）は、温度−５０〜１５０℃、周波数０．１〜２０００
０Ｈｚ　　において少なくとも０．５、好ましくは１．
０以上のｊａｎ　６最大値を有するものが用いられる。

温度および周波数が上記範囲を外れると、制振用複合鋼
板としたときに、必要な環境温度および周波数において
制振性を有しない。またｔａｎδ最大値が低すぎると制
振用複合鋼板として必要な振動減衰性を有しない。

本発明の組成物に配合される重合体（ｂ）は重合体（ａ
）に対して非相溶のものが用いられる。本発明において
非相溶とは、動的粘弾性の測定において、各重合体が組
成物の状態でそれぞれ単独にｔａｎδ最大値を示すこと
を意味する、各重合体が相溶する場合には、組成物が単
一のガラス転移点を示し、そのガラス転移点は重合体（
ａ）のそれより低くなシ、割振性を示す温度域が低温側
に移行するっ重合体（ｂ）は高いガラス転移点を示す重
合体（ａ）が１ｅａｎδ最大値を示す温度および周波数
において、ｔａｎδが０．１以上、好ましくは０．２以
上のものが用いられる。重合体（ｂ）のこの値が低い場
合には、組成物を制振層とする制振用複合鋼板のηとし
て高い値を期待できない。

本発明の組成物における重合体（ａ）と重合体（ｂ）の
配合比は、重合体（ａ）が６０〜９８重量％好ましくは
６５〜９５すＩ、行に好ましくは７０〜９５重量％であ
り、重合体（ｂ）の配合量はそれに対応して４０〜２置
部係、好ましくは３５〜５７へ量係、特に好ましくは３
０〜５重量％である。重合体（ｂ）の配合量が多いと、
重合体（ａ）に帰因する組成物のｔａｎδが低くなり、
割振用複合鋼板のηが低くなり好ましく々い。また、重
合体（ｂ）の配合量が２重量優に満たない場合には、重
合体（ｂ）の添加効果が必ずしも明確には現れない。

本発明に用いられる重合体（ａ）および（ｂ）はいずれ
も非晶性の熱可塑性樹脂の中から、そのガラス転移点に
応じて、相互に相溶しないものが選ばれる。

この様な非晶性熱可塑性重合体として振動減衰性の高い
重合体または共重合体としては特公昭５３−４２０６９
号等で公知のものが用いられ、例えばポリ酢酸ビニル等
のビニルエステル系重合体、ポリビニルブチラール、ポ
リスチレン等のスチレン系重合体、ポリイソブチレン等
の熱可塑性ゴム、ポリ塩化ビニル等の・・ロダン化ビニ
ル系重合体、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系
重合体が挙げられる。中でもビニルエステル系、スチレ
ン系、アクリル系重合体または共重合体が好ましい。

これらのうち、本発明の組成物として特に好ましい組合
せけ、重合体（ａ）としてスチレン系重合体、重合体（
ｂ）としてビニルエステル系またはアクリル系重合体で
ある。

重合体（ａ）および（ｂ）はいずれもそれぞれが単独重
合体の他、二種以上の重合体を組合せたものでもよく、
必要なｔａｎδを与えるものであれば、それぞれの組合
せた重合体間での相溶性の有無は問わない。

本発明の組成物は、前記各種の重合体から選ばれた重合
体（ａ）および（ｂ）のそれぞれ単独重合体を溶融ブレ
ンドあるいは溶液ブレンドによって混線または混合する
ことによって得られる他、ブロック共重合またはグラフ
ト共重合によって得ることもできる。このようなプロ、
り、グラフト共重合体としては、例えばスチレン　酢酸
ビニルブロック共重合体、スチレン　酢酸ビニルグラフ
ト共重合体等を挙げることができる。制振用複合鋼板と
した際の曲げ加工、絞シ加工の点からはこの様な共重合
体として組成物を用いる方が好ましい。また、これらの
ブレンドおよび共重合の各種の手法を複合して本発明の
組成物を作ることもできる。

本発明に用いられる重合体（ａＬ　、（ｂ）および両者
の共重合体は、複合鋼板に用いるときの金属板との接着
性を改良するため、カルボキシル基、エポキシ基または
水酸基等で変性することができる。

また、本発明の組成物には、本発明の目的を損わない範
囲で、各種の添加剤、可塑剤、フィラー等を配合するこ
とができる。また、本発明の組成物を架橋して用いるこ
ともできる。

可塑剤は、組成物のｔａｎδ最大値を示す温度を低下さ
せて、制振用複合鋼板のηを所望の温度範囲に調節する
ことができる他、該組成物に粘着性を与えて鋼板との密
着性を改良せしめ、また組成物を柔軟にして脆さを改良
すると、とができる。

フィラーは、組成物のｔａｎδ最大値温度における剛性
率を高く保つ効果があり、複合鋼板のＶを改良すると考
えられる。

〔作用および効果〕

本発明の組成物を用いて割振用複合金属板を製造するに
は各種の公知の手法が採用し得る。例えば、組成物を溶
液にして金属板の間に塗布し、乾燥した後熱圧着する方
法、組成物をフィルム状に成形した後、金属板の間に挾
んでプレスまたはホットロールで積層する方法、あるい
は組成物を金属板の間に溶融状態でフィルム状に押出し
て積層する方法等がある。また、金属板との積層に際し
て、フィルム状の組成物をコロナ処理、火災処理等の表
面処理を行って、接着剤を用いて金属板と貼合せてもよ
１、金属板の表面をあらかじめ化成処理等の各種表面処
理を施すこともできる。本発明の組成物は、溶融状態で
フィルム状に成形可能であるので、従来の割振用材料に
比して、割振用複合金属板の製造工程の簡略化が可能で
ある。

本発明の組成物は、高いガラス転移点を有し、従ってｔ
ａｎδ最大値を示す温度が比較的高い重合体（ａ）に、
低いガラス転移点を有する重合体（ｂ）を少量添加した
ことにより、割振用複合鋼板の割振層として用いた場合
に、重合体（ａ）単独を割振層に用いた場合に比し、よ
り高温まで制振性能が発揮されるという意外な効果があ
り、かっ、重合体（ａ）のｔａｎδよりも組成物のｔａ
ｎδは低くなるにも拘らず、割振用複合鋼板に用いた場
合には、よシ高い割振性能を示す例すら見られる。即ち
、本発明の組成物は重合体（ａ）単独に比し、よシ効果
的なηを示す。

〔実施例〕

粘弾性測定より得られ、その数値は測定法により異る。

本発明でいうｔａｎδは、強制ねじシ振動法により１０
１→ｚＶＣて測定した。また制振用複合鋼板は割振用組
成物をフィルムに成形した後、厚さ０　、８　Ｍ・０２
枚の鋼板に挾んで圧縮成形法によシ積層したもので、制
振層の厚さは０．１〜０．２語である。この制振用複合
鋼板のηは、機械インピーダンスによる共振応答法を用
い、１０００．１（ｚで測定した損失係数（η）である
。

実施例１〜３および比較例１〜２ ガラス転移魚釣１００°Ｃのポリスチレン（三菱モンサ
ンド社製、ダイヤレックスＨＦ７７）とガラス転移魚釣
２８℃のポリ酢酸ビニル（和光紬薬工業社製、重合度：
　１４００−１６００　）とを第１表に示す各種の割合
で配合し、混練して組成物とした。表中ＰＶＡｃはポリ
酢酸ビニル、Ｐｓはポリスチレンを示す。なお、振−動
数１０Ｈｚにおけるポリスチレンのｔａｎδは１０９℃
で最大値３．４を示し、ポリ酢酸ビニルの１０９℃にお
けるｔａｎδは０．４１であった。

各種の配合比の組成物を用いた割振用複合鋼板の制振性
ηの温度変化を第１図に示し、各組成配合における割振
性Ｖの高温側ピーク値（ηｍａｘ　）およびその温度（
Ｔηｍａｘ）を第１表に示す。

第１表 なお、２１０℃に設定したＴダイ成形機を用い、比較例
１のポリスチレン単独および実施例２の配合の組成物を
それぞれ厚さ２００μｍのシートに成形したところ、比
較例１のポリスチレンに比し、実施例２の組成物では押
出スクリュー駆動に要するモーター負荷が減少し、成形
性が改良されていることが＃認された。

【図面の簡単な説明】

第１図はポリスチレン−ポリ酢酸ビニル組成物の各種配
合比のものを用いた制振用複合鋼板の制振性の温度依存
性を示す。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. （１）異なるガラス転移点を有し、かつ、互に相溶しな
   い下記の非晶性熱可塑性重合体（ａ）および（ｂ）のそ
   れぞれ少くとも１種よりなり、重合体（ａ）の６０〜９
   ８重量％および重合体（ｂ）の４０〜２重量％からなる
   ことを特徴とする振動吸収性重合体組成物。 （ｉ）非晶性熱可塑性重合体（ａ）：相対的に高いガラ
   ス転移点を有し、かつ、−５０〜１５０℃の温度で、周
   波数０．１〜２００００Ｈｚの範囲内において０．５以
   上のｔａｎδ最大値を有する重合体。 （ｉｉ）非晶性熱可塑性重合体（ｂ）：相対的に低いガ
   ラス転移点を有し、かつ、非晶性熱可塑性 重合体（ａ）がｔａｎδ最大値を有する温度および周波
   数において０．１以上のｔａｎδを有する重合体。