JPS6120175Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は建造物のカーテンウオール構造に関
し、さらに詳しくは建造物躯体に固定した垂直状
方立ての外面によこ材を支持する構造に関する。

従来からあるこの種のカーテンウオール構造は
建造物躯体に固定した垂直状方立ての外面に上下
に間隔をあけて配置したよこ材を方立て間におい
て直接ボルトで固定し、上下のよこ材間にガラス
板或は開閉窓等の画材を嵌装したものである。

ところがこのような構造のカーテンウオール施
工によるときは、よこ材の垂直方向の位置決め及
び取付けに高度の精度を要し、又よこ材が方立て
に完全固定するので外気温度によるよこ材の熱伸
縮に対応することができなかつた。

本考案は上記の問題を考慮してなされたもの
で、建造物躯体に固定した垂直状方立ての室外側
外方にパネル又はガラス板等の面材を取付けるべ
きよこ材をよこ材取付用ブラケツトを介して水平
状に固定するカーテンウオール用よこ材の取付け
構造であつて、上記よこ材取付用ブラケツトは上
記方立てに固着される基板と、該基板から室外側
に向つて延出した鉛直状の連結板と、該連結板の
外端部から連結板の両側に向つて直垂方向に延び
る鉛直状の翼状板を有して形成され、上記よこ材
の室内側面には、室内方向に開口して上記翼状板
を上下方向にほぼ外嵌する凹溝が形成されると共
に該凹溝の上下壁には凹溝内に突出した突条が
夫々形成され、上記凹溝内にあつて上記突条の室
外側に設けられると共に上下の両突条に跨つて配
設された座金と、該座金に植設されかつ上記翼状
板の両端の切込溝に嵌装されたボルトとを備えた
ことを特徴とするカーテンウオールに於けるよこ
材の取付け構造を提供するものである。

以下、実施例について本考案を詳細に説明す
る。

第１図及び第２図に示すように、１は床スラブ
２を支持する工形断面の小梁で建造物躯体の一部
を構成する。該小梁１の端部に複数本の垂直状方
立て３を並列固定する。方立て３の室外側に複数
個のよこ材４を上下に所定の間隔を置いて水平方
向に平行状に支持する。又上下方向に隣接するよ
こ材４，４間にガラス板５、開閉窓枠６等の面材
を嵌装してカーテンウオールを構成する。尚７は
カーテンウオールのスパンドレル部に設けた耐火
板、８は天井板、９は方立て３は小梁１に取付け
るフアスナである。

第３図は嵌殺し面材を嵌装するよこ材４をよこ
材取付用ブラケツトを介して方立てに固定した実
施例を示す。前述したようにフアスナを介して建
造物躯体に垂直状に固定した方立て３の外側（室
外側）によこ材取付用ブラケツト１０を取付け
る。（尚方立ては第６図に示すようにほぼ長方形
の中空断面をなし、その室外側にＣ形チヤンネル
状溝１１を形成する。） よこ材取付用ブラケツト１０は第３図ないし第
６図に示すように上記のＣ形チヤンネル状溝１１
の開口部より幅が広くかつＣ形チヤンネル状溝１
１内に適宜嵌合する基盤２１と、該基板の中央部
から基板に対して直角状に延出した鉛直状の連結
板２２と、該連結板の外端部付近からは鉛直面を
含んで基板に対して平行に連結板の両側に延びる
夫々鉛直状の補助板翼状板１２及び翼状板２３を
備える。補助板と翼状板とは間隔Ａをあけて互に
平行で又補助板１２は翼状板２３よりも左右の幅
が狭い。

又よこ材４の室内側面には室内側に開口して両
板１２，２３に上下方向に外嵌する凹溝１３が形
成され、該凹溝１３の上下壁には凹溝部内に向つ
て夫々突条１３が形成されている。突条１３Ａの
室内外方向の幅は上記両板１２，２３間の間隔Ａ
にほぼ等しい。

取付けに当つて、よこ材取付用ブラケツト１０
の基板２１を方立て３のＣ形チヤンネル溝１１に
嵌入し、溝内を摺動移動させて所定の位置に取付
ける。本実施例にあつてはよこ材端部下際の２４
及び２５の部分は適宜切欠かれていて、方立て３
に取付けたよこ材取付用ブラケツト１０の補助板
１２及び翼条板２３の上方より上記の切欠き２４
及び２５を介してよこ材４を落し込んで、凹溝１
３を両板１２，２３で支持し、両突条を跨いだ左
右２枚の座金１９を介したボルトを用いてよこ材
４の突条１３Ａをよこ材取付用ブラケツト１０の
翼状板２３に引寄せ締付ける。このため翼状板２
３の両側部にはボルト用切込溝２３Ａ，２３Ａを
設ける（第５図）。

第３図は面材にガラス板５を使用した場合で、
よこ材４，４の上下に設けた面材取付部１４及び
１５にガラス板を嵌装し、パツキング材１６及び
シール材Ｓを用いて固定する。このようによこ材
取付用ブラケツト１０に上方より落し込んだよこ
材４にガラス板５を載置するとガラス板の重量が
よこ材にかかり、よこ材には上向きに作用する外
力が働かないのでよこ材取付用ブラケツトから脱
落することがない。さらによこ材の水平方向の移
動を拘束しないので外温等による膨張，収縮に対
応することができる。

また実施例にあつては補助材１２及び翼状板２
３がよこ材の突条１３Ａを挾持するので室内外方
向にも安定した支持が得られる。

尚１７はガラス板の室内側に取付けた押縁、１
７Ａは目板カバーである。１８はよこ枠間に配さ
れるたて枠を示す。

第７図は本考案の別の実施例を示す。この実施
例ではよこ材取付用ブラケツト１０の補助板を削
除していて、１枚の座金１９を用いてよこ材４と
翼状板２３を連結する。尚、座金１９は第８図に
示すように左右２枚に分割することもできる。

本考案は上記のように構成したので次の利点を
有する。

・ 連結板と翼状板とが鉛直方向に長い断面積を
有するので、面材の自重を支持する強度が大で
ある。

・ 翼状板の上面と凹溝の上壁との当接によりよ
こ材の位置決めが極めて容易である。

・ ガラス板に正負の繰返し圧力が作用する時も
よこ材の安定した支持が得られる。

・ よこ材の熱伸縮に対応できる。

・ 方立てに対するよこ材の室内外方向の関係位
置を連結板の寸法を異にするよこ材取付用ブラ
ケツトを使用して自由に変更調節でき、これに
より生じた空間部に空調用部材を収容すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はカーテンウオールの正面図、第２図は
第１図の縦断面図、第３図は第１図の−線に
ついての拡大断面図で本考案の要部を示し、第４
図はよこ材取付用ブラケツトの横断面図、第５図
は第４図のＶ−Ｖ線についての背面図で図を明瞭
にするために座金を省略して示し、第６図は方立
てとよこ材取付用ブラケツトとの関係を示す横断
面図、第７図は別の実施例を示す横断面図、第８
図は第７図の−線についての背面図である。 ３……方立て、４……よこ材、１０……よこ材
取付用ブラケツト、１１……Ｃ形チヤンネル状
溝、１３……凹溝、１９……座金、２１……基
板、２２……連結板、２３……翼状板、２３Ａ…
…切込溝。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 建造物躯体に固定した垂直状方立ての室外側外
   方にパネル又はガラス板等の面材を取付けるべき
   よこ材をよこ材取付用ブラケツトを介して水平状
   に固定するカーテンウオール用よこ材の取付け構
   造であつて、上記よこ材取付用ブラケツト１０は
   上記方立て３に固定される基板２１と、該基板か
   ら室外側に向つて延出した鉛直状の連結板２２
   と、該連結板の外端部から連結板の両側に向つて
   直角方向に延びる鉛直状の翼状板２３を有して形
   成され、上記よこ材４の室内側面には、室内方向
   に開口して上記翼状板２３を上下方向にほぼ外嵌
   する凹溝１３が形成されると共に該凹溝１３の上
   下壁には凹溝内に突出した突条１３Ａ，１３Ａが
   夫々形成され、上記凹溝内にあつて上記突条１３
   Ａ，１３Ａの室外側に設けられると共に上下の両
   突条１３Ａ，１３Ａに跨つて配設された座金１９
   と、該座金１９に植設されかつ上記翼条板２３の
   両端の切込溝２３Ａ，２３Ａに嵌装されたボルト
   とを備えたことを特徴とするカーテンウオールに
   於けるよこ材の取付け構造。