JPS6119974Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は土木工事に使用するコンクリートブロ
ツクの運搬車に関するものである。

近年、土木工事において工事期間の短縮をはか
るため各種のコンクリートブロツクを使用するこ
とが多くなつている。特に溝蓋、Ｌ型ブロツク、
歩車道境界ブロツク、Ｕ字溝ブロツク、溜ます等
は主として人力によつて運搬設置を行なつてい
る。しかしながらその重量は70Kg〜100Kgと重
く、作業現場の運搬作業は２人以上の労力を要し
重労働作業であるため軽便で安全な運搬車の開発
が業界顧客の願望であつた。

従来広く利用されているいわゆる１輪車は、幅
の狭い道路や不整地路の運搬車としては適してい
るが分割できない重量物の積載が困難である第１
の欠点があり、荷台が車輪の上部にあるため重心
が高く運搬時の安定が悪い第２の欠点があつた。
同一出願人の特許願昭和55年第154410号は、上述
の不備を解消するための発明であるが溝蓋、Ｌ型
ブロツク、歩車道境界ブロツクに利便な使用を限
定され、Ｕ字溝ブロツク、溜ます等においては使
用に不備を生じていた。本考案は、工事現場の実
情である不整地路で１輪車の利点を生かし、上述
の不備を解消して１段と多用途な構成の運搬車を
提供することを目的とする。

以下実施例の図面参照の上構成を説明する。第
１図は実施例の斜視図である。固定荷台Ａはたわ
み板１の１端上方にほぼ直角に前板２を形成し、
前板２の上辺は適当な円弧をえがいて外曲げされ
た支承台３を形成する。他端の上方にややどん角
に後板４を形成し、後板４の上辺はほぼ直角に内
曲げされた掛爪５を形成して１体成型する。たわ
み板１は復元性を有する薄バネ鋼板を使用するの
が望ましい。

次に前板２の外側に車枠６を溶着して車輪７を
軸架する。

後板４の外側中央部にはハンドルＢの１端を溶
着形成し、他端には把手８を溶着形成する。さら
にハンドルＢには摺動荷台Ｃを摺動自在に外嵌す
る。摺動荷台Ｃは受板９にほぼ直角状に自在掛爪
１０を成型し、受板９を平面状に摺動管１１に溶
着形成する構成であり、押ネジ１２を摺動管１１
に螺設する。

車輪７の下端とたわみ板１の下部及びハンドル
Ｂの下端は１直線上に位置する関係に形成する。

以下に使用法を説明する。第２図はＵ字溝ブロ
ツクを本実施機に積載完了状態の荷台と積荷の関
係を示す側面図である。たわみ板１を地表に接す
ると車輪７の下端及びハンドルＢの下端が同時に
接地して荷台Ａは安定する。まず前板２と自在掛
爪１０の内幅をＵ字溝ブロツク溝外幅Ｕに合わ
せ、摺動荷台Ｃを移動して押ネジ１２でハンドル
Ｂに固定し積載準備を完了する。Ｕ字溝ブロツク
を常に接地状態のまま横転して第２図のごとくＵ
年溝ブロツクを伏せる状態に前板２と自在掛爪１
０の間に積載する。たわみ板１は地表に保持され
受板９もほぼ地表に近い状態に保持されているの
で横転積載は容易に実行可能である。従来２人掛
かりで行なつていた困難な横転作業を排除して前
述の第１の欠点を解消する。次に把手８を両手で
握持してハンドルＢを持ち上げるとたわみ板１が
Ｕ字溝ブロツクの重量によつて自然にたわみを生
じ、前板２と自在掛爪１０の内幅が縮少してＵ字
溝ブロツクの掴持を強化する。かくして運搬時の
Ｕ字溝ブロツクの滑落を防止すると同時に重心の
低い運搬姿勢となり第２の欠点を解消する。

第３図は、溜ますの積載完了状態の荷台と積荷
の関係を示す側面の１部断面図である。溜ますの
積載運搬もほぼ同様に実行できるので詳細説明を
省略する。

第４図は歩車道境界ブロツク、第５図は溝蓋、
第６図はＬ型ブロツクのそれぞれの積載完了状態
の荷台と積荷の関係を示す側面図であり、固定荷
台Ａを使用して同様に横転積載と自然掴持を行な
うものであるが、使用方法は前述の出願において
詳細に説明されているので省略する。

以上のように摺動荷台Ｃの増設は、積荷の１部
を接地したままの横転積載の利点を損うことなく
積荷の重量による自然掴持力を強化して荷ずれを
防止する使用効果は高く、Ｕ字溝ブロツク、溜ま
す等の使用限定の不備を解消する経済効果は顕著
であり、作業者の疲労の軽減と安全の向上にはた
す効果は極めて大きい考案である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案実施例の斜視図、第２図はＵ字
溝ブロツク、第３図は溜ます、第４図は歩車道境
界ブロツク、第５図は溝蓋、第６図はＬ型ブロツ
クをそれぞれ本実施機に積載完了状態の荷台と積
荷の関係を示す側面図。 Ａ……固定荷台、Ｂ……ハンドル、Ｃ……摺動
荷台、１……たわみ板、２……前板、３……支承
台、４……後板、５……掛爪、６……車枠、７…
…車輪、８……把手、９……受板、１０……自在
掛爪、１１……摺動管、１２……押ネジ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (イ) たわみ板１に支承台３及び掛爪５を１体成型
   した固定荷台Ａを (ロ) 車輪７とハンドルＢに介装し、 (ハ) １体成型した受板９と自在掛爪１０を摺動自
   在にハンドルＢに外嵌し、 (ニ) たわみ板１の下面とハンドルＢの下端及び車
   輪７の下端を１直線に成形して横転積載を助成
   し、 積荷の重量によるたわみ板１のたわみ作用を自在
   掛爪１０に連動させて掴持力を強化し、適用コン
   クリートブロツクの多用途化と積載運搬の省力化
   を助長することを目的とするコンクリートブロツ
   ク運搬１輪車。